JPH0665022B2 - 飛行時間型質量分析計 - Google Patents

飛行時間型質量分析計

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JPH0665022B2
JPH0665022B2 JP61135495A JP13549586A JPH0665022B2 JP H0665022 B2 JPH0665022 B2 JP H0665022B2 JP 61135495 A JP61135495 A JP 61135495A JP 13549586 A JP13549586 A JP 13549586A JP H0665022 B2 JPH0665022 B2 JP H0665022B2
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ion
ions
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は飛行時間型質量分析計に関する。
〈従来の技術〉 飛行時間型質量分析計の原理は、対象試料を一瞬にイオ
ン化し、発生したイオンを一定電圧Vで加速し、無電界
の空間を飛行させてイオン検出器に突入させ、イオンが
このイオン検出器に到達するに要した時間tを計測する
ことで、イオンの質量Mを求めることである。すなわ
ち、イオンの電荷量をZとすると、 の関係から、イオン質量Mを求める。
このような飛行時間型質量分析計は、二重収束型の質量
分析計と比較すると、極めてイオンの到達率が良いとい
う特長を持つものの、従来、その原理から明らかなよう
に、イオンに初期エネルギの幅があると分解能が低下す
るという欠点があった。
この欠点を解消したのが、米国特許3,727,047号に示さ
れているいわゆるリフレクトロン型や、あるいは本発明
者が特開昭60-119067号で提案している傾斜電界型の飛
行時間型質量分析計である。これらによると、イオンの
飛行行程に加速電界の向きと逆向きで、かつ、飛行方向
に二段階の均一電界、あるいは飛行方向に漸増する強さ
を有してなる傾斜電界を形成して、イオンを逆向きに押
し戻して検出器に突入させてエネルギ収束を行うこと
で、初期エネルギのばらつきが測定値に影響を及ぼさな
いよう考慮されている。これらにより、飛行時間型質量
分析計の分解能は格段に向上した。
〈発明が解決しようとする問題点〉 ところで、飛行時間型質量分析計は前述した通り他の分
析計に比べて極めてイオン到達率が良いものの、例え
ば、近年注目されている生体関連高分子の質量分析を行
うには不充分である。なぜならば、これらの高分子にな
ると、イオンの発生量が極微量となるからである。前述
したリフレクトロンや傾斜電界型の採用は、この点に関
しての改善を行うものではない。
本発明の目的は、飛行するイオンのエネルギ収束と同時
にイオン軌道の空間的収束を行うことで、高分解能で、
かつ、高イオン到達率を達成し得る飛行時間型質量分析
計を提供することにある。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明の特徴とするところは、イオン放出手段からのイ
オン飛行行程上に、飛来するイオンを押し戻す向きで、
かつ、イオン放出手段から離れるに従って減少する強さ
を有する傾斜電界(特に、特開昭60-119067号と区別す
るために逆傾斜電界と称する)を形成し得るイオンリフ
レクタを設け、そのイオンリフレクタによって押し戻さ
れたイオンをイオン検出器に突入させるよう構成したこ
とにある。
〈発明の原理並びに作用〉 第1図に示すように、イオン発生点からイオンの飛行方
向(z軸方向)にLの距離の自由ドリフト部(無電界
空間)をあけてイオンリフレクタ部を設け、このイオン
リフレクタ部から押し戻されたイオンをLだけ離れた
イオン収束点に収束させるモデルを考える。
イオンリフレクタ部の電界の強さを、例えば第1図(a)
に示すように、イオン発生点からz方向に離れるに従っ
て単調減少するよう設定すれば、そのポテンシャル分布
φは同図(b)に示すようにz軸を含む任意平面(r−z
平面)で逆二乗型となる。このようなポテンシャル分布
においては、等ポテンシャル面は第2図に示すように、
イオン発生点に向いてz軸を中心とする凹形となる。こ
れは、イオン発生点側から入射するイオンをz軸に向っ
て収束させつつ、反射させることが可能となることを意
味する。イオン発生点とイオン収束点とを適宜位置に配
設することで、エネルギ収束と方向収束とを同時に可能
とする飛行時間型質量分析計を得る。以下に、その配設
位置の求め方について説明する。
今、イオンリフレクタ部のポテンシャル分布φを、 とすると、次の条件を満足することにより、一点から出
発したイオンはその初期エネルギ幅や発散方向にかかわ
らず、同一時間経過後に再び一点に収束させることが可
能である。
ここで、tは飛行時間、kは、Vを加速電圧,ΔVを
イオンのエネルギ幅としたとき、 であって、θrはイオンの発散角、rはイオンの到達
位置である。これらを同時に満足させるべく、解析的に
イオン軌道を求め、tとrを計算すると、(3),(4)は
常に成立し、残るのは(2)と(5)のみである。この解は、
φを(1)式で与えた場合において、 となる。ただし、 である。従って、(8),(12)より、 a=βL=0.273L ……(14) また、リフレタクのピークポテンシャルは、(7),(13)
より、 aφ=1.546V ……(15) を得る。
なお、ここで、イオン軌道は可逆的であるから、イオン
発生点とイオン収束点を入れかえてもよい。すなわち、
(1)式で示された逆二乗型のポテンシャル分布φを形成
する傾斜電界をイオンの飛行行程に設け、上記を満足す
るSもしくはSから発生して加速されたイオンは、
もしくはSに確実に収束することになり、エネル
ギ収束および空間収束の双方を達成することができる。
〈実施例〉 本発明の実施例を、以下、図面に基づいて説明する。
第3図は本発明実施例の要部構成図である。
分析すべき資料Wは試料ホルダ等に支持されて加速用メ
ッシュ電極1a,1b間に配設される。この試料Wに例
えばパルス状のレーザビームを照射する等の公知の手法
によって、試料分子が一瞬にイオン化される。加速用メ
ッシュ電極1aにはステップダウン加速電極2が接続さ
れており、発生したイオンにVなる加速電圧を作用さ
せることができる。この加速電圧Vは、加速と同時に
ステップ的に零に落とされる。
加速されたイオンの飛行行程上には、イオンリフレタク
3が配設されている。このイオンリフレクタ3は、イオ
ンの飛行方向に対向して最前列に配設されたメッシュ電
極3aと、同じく最後列に配設されたコーン状電極3b
と、これらの間に同軸上に配設された複数個のリング状
電極3c…3c、およびこれらの電極にそれぞれ所定の
電圧を印加するためのリフレクタ用電源3dと抵抗R
…Rから成っている。
これらの各電極には、リフレクタ用電源3dからの電圧
を抵抗R〜Rによって適宜に分圧した電圧が印
加され、全体として第1図(a)にグラフで示すように、
イオン飛行方向zに比例して直線的に減少する強さを有
する電界、すなわち逆傾斜電界Eを形成する。なお、こ
の電界Eの極性は加速されたイオンを押し戻す向きであ
る。
加速用メッシュ電極1a,1bを挟んでイオンリフレク
タ3と反対側のz軸上には、イオン検出器4が配設され
ており、このイオン検出器4の出力から、例えば質量ス
ペクトル等を作成することができる。
さて、以上の構成において、試料Wのイオン発生点はイ
オンリフレクタ3の入口を原点0として、z軸上−L
の位置に、また、イオン検出器4は同じく−Lの位置
に配設され、更に、イオンリフレクタ3のz軸上長さは
aとされ、それぞれ前述した(9),(10),(14)式を満足
するような寸法が選択される。
また、イオンリフレクタ3によるポテンシャル分布φは
(1)式に示す通りである。なお、このポテンシャル分布
φは電界Eで示すと、 E=−2φz+2aφ ……(16) であって、(1)式右辺の正の項はラプラス方程式 ▽φ=0 ……(17) を満足する必要性が生じる。更に、ピークポテンシャル
は(15)式を満足するよう、リフレクタ用電源3dの電圧
の加速電圧Vに対する比が設定される。
以上の各部の設定により、(2),(3),(4),(5)式を満足
することになり、初期エネルギに幅があったり、あるい
は発散方向がずれても、加速用メッシュ電極1a,1b
で加速されて飛行するイオンはイオンリフレクタ3で押
し戻されて、エネルギ収束および空間収束されてイオン
検出器4に突入する。
なお、以上の実施例においては、発生したイオンがイオ
ンリフレクタで押し戻されて再びイオン源を通過するた
め、ステップダウン加速電源を必要とし、あるいは若干
透過率が悪化することも予想される。これを避けるため
に、イオン発生点と収束点とを同軸上に配置せず、ずら
すことも可能である。ただし、この場合には、(2),
(3),(4),(5)の収束条件の内あるもの、例えば(5)を犠
牲にする必要がある。しかし、イオン検出器の面積をあ
る程度大きくすることによってその影響を小さくするこ
とができる。
〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明によれば、加速されたイオ
ンの飛行行程上に、その飛行の向きに漸減する強さを持
つ電界、すなわち逆傾斜電界を有してなるイオンリフレ
クタを設けることにより、イオンのエネルギ収束および
空間収束を達成し得るよう構成したので、高分解能でし
かも高到達率の飛行時間型質量分析計を得ることにな
り、特に、イオン発生量が極微量である生体関連の高分
子の質量分析には非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理説明図でz軸方向の電界強さ(a)
とポテンシャル分布(b)を示すグラフ、 第2図はその等ポテンシャル面を示すグラフ、 第3図は本発明実施例の要部構成図である。 1a,1b……加速用メッシュ電極 2……ステップダウン加速電源 3……イオンリフレクタ 3a……メッシュ電極 3b……コーン状電極 3c…3c……リング状電極 3d……リフレクタ用電源 4……イオン検出器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン源からのイオンを所定の向きに加速
    して放出するイオン放出手段と、そのイオン放出手段か
    らのイオンの飛行行程上に設けられ、飛来するイオンを
    押し戻す向きで、かつ、上記イオン放出手段から離れる
    に従って減少する強さを有する傾斜電界を形成し得るイ
    オンリフレクタと、そのイオンリフレクタによって押し
    戻されたイオンを所定位置において検出するイオン検出
    器を備えた飛行時間型質量分析計。
JP61135495A 1986-06-11 1986-06-11 飛行時間型質量分析計 Expired - Fee Related JPH0665022B2 (ja)

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FR2942349B1 (fr) * 2009-02-13 2012-04-27 Cameca Dispositif d'analyse de masse a large acceptance angulaire comprenant un reflectron

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