JPH0610609Y2 - 飛行時間型質量分析器のイオン・パルス発生装置 - Google Patents

飛行時間型質量分析器のイオン・パルス発生装置

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JPH0610609Y2
JPH0610609Y2 JP1986047886U JP4788686U JPH0610609Y2 JP H0610609 Y2 JPH0610609 Y2 JP H0610609Y2 JP 1986047886 U JP1986047886 U JP 1986047886U JP 4788686 U JP4788686 U JP 4788686U JP H0610609 Y2 JPH0610609 Y2 JP H0610609Y2
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多見男 吉田
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Description

【考案の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本考案は、飛行時間型質量分析器に利用されるイオン・
パルス発生装置に関する。
<従来の技術> 比較的分子量の大きな分子に対する質量分析器において
は、質量分析器のイオン放射電極の表面に保持された試
料物質に、別に設けた補助的なイオン発生装置より放射
される高速イオン、または、この高速イオンの衝突によ
って高速に加速された中性原子を衝突させ、同試料物質
の構成分子を分子イオン化させる方法がとられる。
ところで、質量分析器が飛行時間型である場合には、イ
オン放射電極からの試料イオンの放射はパルス的である
ことが必要で、分解能もパルス幅によって決まる(パル
ス幅が小さい程、分解能が大きくなる)。従って、上記
の補助的なイオン発生装置は、イオン・パルス発生装置
として構成されていなければならない。このようなイオ
ン・パルス発生装置には第5図または第6図に示すよう
な装置がある。
第5図に示す装置は、イオン・ガン51とイオン偏向電
極52より成り、偏向電極52に電圧が印加されていな
い間は、イオン・ガン51より放射されたイオン・ビー
ム54はそのままSの方向に直進しているが、同電極5
2に同図に示すようなパルス電圧53を印加すると、そ
の間だけイオン・ビーム54は下向きに曲げられ、電極
55に設けられたスリットまたはメッシュ55の部分を
貫通して、ターゲットである質量分析器のイオン放射電
極(図示せず)の方向Tに向って直進する。
また、第6図に示す装置は、イオン・ガン51、CRT
の電子ビーム偏向電極と同様な2組のイオン偏向電極5
2aと52b、および障壁電極55より成り、同障壁電
極55の中心には細孔56が設けられている。このよう
な構成で電極52aおよび52bに、それぞれ、第7図
(A)に示すパルス電圧53aおよび同図(B)に示す
パルス電圧53b(または53c)を印加する。電極5
2aの電圧が負の値にある間は、イオン・ガン51から
放射されたイオン・ビーム54は下向きに偏向され障壁
電極55のB点に照射されているが、パルス53aの立
ち上りにより同ビーム54の照射点は、障壁電極55の
細孔部56を通過してA点に移る。その後、同パルス5
3aの立ち下りによりビーム54の照射点は再びB点に
戻るが、電極52bに、パルス53aの立ち下り部分を
カバーしてパルス53b(または53c)が印加される
ので、ビーム照射点がAからBに戻る過程でビームは障
壁電極55の細孔56を回避する。このようにしてイオ
ン・ビーム54は、その照射点がBからAへ移る過程に
おいてのみ、即ち、パルス53aの立ち上り過程におい
てのみ障壁電極55の細孔56を通過し、第7図(c)に
示すようなパルス状のイオン・ビーム57としてT
方向に直進し、ターゲットである質量分析器のイオン放
射電極(図示せず)を照射する。
なお、この第6図の装置において、偏向電極52bを設
け、そこにパルス電圧53b(または53c)を印加す
るのは、偏向電極52bに印加されたパルス53aの立
ち下り部分で、イオン・ビームの照射点が障壁電極55
の細孔56を通過し、第7図(c)に点線で示したイオン
・ビームのパルス58ができるのを防ぐためである。若
し、時間的に非常に近傍した2つのパルス57と58が
相ついで質量分析器のイオン放射電極に照射されると、
質量分析スペクトルの信号は、これら両パルス間の時間
差だけずれた2つスペクトル信号の重ね合わせとなり、
スペクトルの解析ができなくなる。
<考案が解決しようとする問題点> 従来技術による上述のようなパルス・イオン発生装置の
うち、第5図に示した装置では、パルス化されたイオン
・ビームの方向Tを正確にターゲットの方向に保持す
るためには、偏向電極52に高い工作精度が要求され、
また、同電極に印加すべきパルス電圧53の高さも厳密
に所定の値に保たなければならず、このため高精度のパ
ルス電圧電源が必要となる。
一方、第6図に示した装置では、上述のように、第7図
(c)に点線で示したイオン・ビームのパルス58の放射
を防ぐために、余分な偏向電極52bと、それに印加す
べきパルス電圧53b(または53c)(第7図(B)
参照)を供給する電源が必要であり、装置の機械的,電
気的構成が複雑である。
本考案は、以上の従来の問題点を解消すべくなされたも
ので、その目的とするところは、装置の機械的、電気的
構成を複雑にすることなく、飛行時間型質量分析器の質
量分解能を向上させることが可能なイオン・パルス発生
装置を提供することにある。
<問題点を解決するための手段> 上記の目的を達成するため、本考案装置は、イオン発生
源,イオン加速電源ならびにイオン・ビーム収束用電磁
レンズ系を有するイオン・ガンと、このイオン・ガンか
ら放射されるイオン・ビームの進路を偏向する偏向電極
および電圧印加手段と、その偏向イオン・ビームのう
ち、所定の方向に進行するイオン・ビームのみを通過さ
せる孔が穿たれた障壁電源を備えているとともに、上記
電圧印加手段は、偏向電極に、急・緩の電圧変動を所定
周期でくり返すビーム偏向電圧を印加するよう構成さ
れ、かつ、そのビーム偏向電圧の変動の1周期におい
て、電圧が急な変化を示す過程で偏向イオン・ビームが
障壁電極の孔に位置した第1の時点から、その印加電圧
が緩やかな変化を示す過程で偏向イオン・ビームが障壁
電極の孔に位置する第2の時点までの時間間隔を、当該
飛行時間型質量分析器の質量分析スペクトル測定時間よ
りも長く設定し得るように構成したことによって特徴づ
けられる。
<作用> 急・緩の変動をくり返す偏向電圧を偏向電極に印加して
イオン・ビームを走査すると、その印加電圧が急激な変
化を示す過程で、イオン・ビームが障壁電極の孔に位置
したときにパルス(第1)が出射し、この後に電圧が緩
やかな変化を示す過程で、同様にしてパルス(第2)が
出射するわけであるが、その第1のパルスと第2のパル
スとの出射の時間間隔を、飛行時間型質量分析器の質量
分析スペクトル測定時間よりも長くなるように設定して
おくことで、それらの2つの出射パルスのうち、パルス
幅の狭い第1のパルスのみが質量分析スペクトル信号の
生成に寄与し、その次に出射する第2のパルスが質量分
析スペクトル測定に悪影響を及ぼすことがなくなる。
<実施例> 以上に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本考案実施例の構成を示す図である。同図にお
いて1点鎖線で囲まれた部分1は、イオン生成室11
と、イオン加速電極12、および、イオン・ビーム収束
用レンズ系13から成るイオン・ガンであり、イオン生
成室では通常クセノンまたはアルゴンの陽イオンがつく
られる。イオン・ガン1から放射されるイオン・ビーム
5は、イオン・ビームに対する偏向電極2を通り、中央
に細孔4を有する障壁電極3の方に進行する。
以上の構成において、偏向電極2に第1図に示すように
バイアス電圧Vbを与えた状態で、同電極2の端子2a
に、例えば第2図に示すような変動電圧Vを加える
と、V=2Vb(第2図(A)のp点)のときイオン・
ビーム5は下向きに強い偏向力を受けて障壁電極3のP
点を照射するが、Vがゼロ(第2図(A)のq点)に
なるとビームの照射点は障壁電極3上のQ点に移る。電
圧Vが急速に、V=2VbよりV=0に変化する過
程でV=Vbの状態(第2図(A)のr点)が実現する
が、その時イオン・ビーム5は偏向を受けることなく直
進し、第2図(b)の21に示すようなビーム・パルスと
して障壁電極3の細孔4を通過して、ターゲットである
質量分析器のイオン放射電極Tを照射する。このとき、
ビーム・パルス21の幅はビーム偏向電圧Vの変化速
度と、障壁電極3の細孔4の大きさによって決まるが、
高分解能質量分析器に要求される10nsec程度のパル
ス幅を得ることは容易である。
ところで、ビーム・パルス21の照射を受けた後、質量
分析器の方は、所定の測定時間Tm(通常1msec)を要
して一連のスペクトル信号を測定する。従って、ビーム
偏向電圧Vがゼロから2Vbに戻る過程で再びV=V
bが実現される、第2図(A)におけるs点と、同図
(A)のr点との時間間隔T>Tmに選んでおけば、
上記s点に対して放射される。第3図の22で示すビー
ム・パルスは、質量分析スペクトルの測定に全く影響を
およぼすことはない。
また、本考案におけるビーム偏向電圧Vの波形は、上
記T>Tmの条件が満足される限り、第2図(A)に
示すような波形に限定されることはなく、例えば第3図
に示すような鋸歯状波形またはその他の波形であってよ
いことは勿論である。なお、第2図(A)または第3図
に示すような電圧波形は、例えばサイラトロンを用いた
回路等、既知の電子回路により容易に得ることができる
ので、その生成に関する詳細は省略する。
ところで、本考案によるイオン・パルス発生装置は、第
4図に示すような、パルス状の高速中性原子ビームを発
生させる装置として変形実施することもできる。同図に
よれば、上記実施例における障壁電極3の細孔4から出
力されるイオン・ビームのパルスを低圧のガス室41に
導き、そこで中性原子に衝突させる。この衝突により右
方向へ運動量を得た中性原子は中性原子ビーム5aとな
ってガス室41より右方のターゲット(図示せず)に向
って直進する。同ガス室41を通過したイオン・ビーム
は偏向電極42によってその進路を曲げられ、その先に
設けられたイオン・コレクタ(図示せず)に回収され
る。
<考案の効果> 以上説明したように、本考案のイオン・パルス発生装置
によれば、偏向電極に、所定周期で急・緩の変動をくり
返すビーム偏向電圧を印加するとともに、その急・緩の
変動の1周期において発生する2つのパルスの時間間隔
を、飛行時間型質量分析器の質量分析スペクトル測定時
間よりも長く設定するので、パルス幅の狭いイオン・パ
ルスの発生が可能になるとともに、その幅の狭いパルス
の次に発生するパルスによる質量分析スペクトル測定へ
の悪影響もなくすことができる結果、飛行時間型質量分
析器の質量分解能を高めることができる。しかも、その
ような高質量分解能を、パルス発生装置の機械的・電気
的構成を複雑にすることなく、容易にかつ低コストで達
成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案実施例の構成を示す図である。第2図
(A)は上記本考案実施例に用いるイオン・ビーム偏向
電圧の波形を示す図である。第2図(B)は上記本考案
実施例の作用説明図である。第3図は本考案の他の実施
例に用いるイオン・ビーム偏向電圧の波形を示す図であ
る。第4図は本考案の変形実施例の構成を示す図であ
る。第5図および第6図は従来技術によるイオン・パル
ス発生装置の構成を示す図である。第7図は第6図に示
した装置の作用説明図である。 1……イオン・ガン 2……イオン・ビーム偏向電極 3……障壁電極 11……イオン発生源 12……イオン加速電極 13……イオン・ビーム収束用レンズ系

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】飛行時間型質量分析器に使用されるイオン
    ・パルス発生装置であって、イオン発生源,イオン加速
    電極ならびにイオン・ビーム収束用電磁レンズ系を有す
    るイオン・ガンと、このイオン・ガンから放射されるイ
    オン・ビームの進路を偏向する偏向電極および電圧印加
    手段と、その偏向イオン・ビームのうち、所定の方向に
    進行するイオン・ビームのみを通過させる孔が穿たれた
    障壁電極を備えているとともに、上記電圧印加手段は、
    上記偏向電極に、急・緩の電圧変動を所定周期でくり返
    すビーム偏向電圧を印加するよう構成され、かつそのビ
    ーム偏向電圧の急・緩の変動の1周期において、電圧が
    急な変化を示す過程で偏向イオン・ビームが上記障壁電
    極の孔に位置した第1の時点から、その印加電圧が緩や
    かな変化を示す過程で偏向イオン・ビームが上記障壁電
    極の孔に位置する第2の時点までの時間間隔を、当該飛
    行時間型質量分析器の質量分析スペクトル測定時間より
    も長く設定し得るよう構成されていることを特徴とする
    飛行時間型質量分析器のイオン・パルス発生装置。
JP1986047886U 1986-03-28 1986-03-28 飛行時間型質量分析器のイオン・パルス発生装置 Expired - Lifetime JPH0610609Y2 (ja)

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JPS62158755U JPS62158755U (ja) 1987-10-08
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS58152767U (ja) * 1982-04-07 1983-10-13 株式会社東芝 パルスビ−ム発生装置
JPS60112236A (ja) * 1983-11-21 1985-06-18 Hitachi Ltd パルスビ−ム発生装置

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