JPH0663310A - ロータリーバルブ組み込み擬似移動床装置 - Google Patents

ロータリーバルブ組み込み擬似移動床装置

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JPH0663310A
JPH0663310A JP4172124A JP17212492A JPH0663310A JP H0663310 A JPH0663310 A JP H0663310A JP 4172124 A JP4172124 A JP 4172124A JP 17212492 A JP17212492 A JP 17212492A JP H0663310 A JPH0663310 A JP H0663310A
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rotary valve
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fluid
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雅一 根河
Fumihiko Shoji
文彦 庄司
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、類似した化合物の混合物
から各々の化合物を分離するのに好適な、しかも装置構
成の簡単なロータリーバルブ組み込み擬似移動床装置を
提供することにある。 【構成】 この発明のロータリーバルブ組み込み擬似移
動床装置は、複数の単位充填床を流体通路で液体が循環
するように接続し、流体の流れ方向に沿って脱離液導入
位置、エクストラクト抜き出し位置、原料含有液導入位
置およびラフィネート抜き出し位置をこの順に配置する
と共に前記各位置をロータリーバルブで間欠的に逐次に
切り替え、かつ脱離液の導入位置の前の単位充填床から
抜き出した流体を循環ポンプに供給する循環用のロータ
リーバルブを設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はロータリーバルブ組み
込み擬似移動床装置に関し、さらに詳しくは、類似した
化合物の混合物から各々の化合物を分離するのに好適
な、しかも装置構成の簡単なロータリーバルブ組み込み
擬似移動床装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来の擬
似移動床装置は、内部に充填剤を収容した複数の単位充
填床を直列に連結し、かつ単位充填床の前端と後端とが
流体通路で結合されて無端状になっていて液体が一方向
に循環している充填床に、原料混合物含有液および脱離
液を導入し、同時に充填床から分離された成分を含有す
る液と他の成分を含有する液を抜き出すことからなり、
充填床には、脱離液導入口、吸着されやすい物質を含有
する液(エクストラクト)の抜き出し口、原料混合物含
有液導入口、吸着されにくい物質を含有する液(ラフィ
ネート)の抜き出し口を液体の流れ方向に沿ってこの順
序で配置し、かつこれらを床内の流体の流れ方向にそれ
らの位置を間欠的に逐次移動するようになっている。そ
して、従来の擬似移動床装置においては、前記導入口お
よび抜き出し口を間欠的に逐次移動するのに、原料混合
物含有液を導入するためのロータリーバルブ、脱離液を
導入するためのロータリーバルブ、エキストラクトを抜
き出すためのロータリーバルブ、およびラフィネートを
抜き出すためのロータリーバルブの計4個のロータリー
バルブが設けられている。そして、この4基のロータリ
ーバルブを切り替えて各導入口および抜き出し口を逐次
移動する場合、液体を循環させるために、特定の単位充
填床とその下流側の特定の単位充填床との間に循環ポン
プが配置されている。
【0003】その結果、循環ポンプの位置が特定の単位
充填床と隣接する下流側の単位充填床との間に設置され
ているので、脱離液導入口、エキストラ抜き出し口、原
料混合物含有液導入口およびラフィネート抜き出し口の
各位置を流体の流れ方向に沿って間欠的に逐次移動させ
る都度、循環ポンプにおける液体流量をステップ的に増
加しまたは減少させるという煩雑な操作が必要である。
【0004】この発明は前記事情に基づいてなされたも
のである。すなわち、この発明の目的は、循環ポンプの
流量を導入口および抜き出し口の位置を変える度にステ
ップ的に調節するという煩雑な操作を必要とせず、操作
性の極めて良好な、しかも類似した化合物の混合物から
各々の化合物を分離するのに好適なロータリーバルブ組
み込み擬似移動床装置を提供することを目的とする。
【0005】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ためのこの発明は、内部に充填剤を収容した複数の単位
充填床を直列に流体通路で連結することにより液体を一
方向に循環するようにした充填床と、充填床における任
意の単位充填床を選択し、選択されたこの単位充填床
に、充填剤に吸着されにくい物質と吸着されやすい物質
とを含有する原料含有液を供給する第1ロータリーバル
ブと、原料含有液を供給された単位充填床の下流側に位
置する単位充填床から、吸着されにくい物質を含有する
ラフィネートを抜き取る第2ロータリーバルブと、ラフ
ィネートの抜き取られた単位充填床の下流側に位置する
単位充填床から流体を抜き取る第3ロータリーバルブ
と、この第3ロータリーバルブから吐出される流体と脱
離液とを、循環ポンプを介して、流体を抜き取られた単
位充填床に隣接する下流側の単位充填床を選択してこれ
に供給する第4ロータリーバルブと、脱離液の供給され
た単位充填床の下流側の単位充填床を選択してこの単位
充填床から、吸着されやすい物質を含有するエクストラ
クトを抜き取る第5ロータリーバルブと、前記第1〜5
ロータリーバルブの切り替え操作により、流体の流れ方
向に沿って、原料含有液の供給位置、ラフィネートの抜
き取り位置、脱離液の供給位置およびエキストラクトの
抜き取り位置を間欠的に逐次移動することを特徴とする
ロータリーバルブ組み込み擬似移動床装置である。
【0006】
【作用】この発明のロータリーバルブ組み込み擬似移動
床装置においては、流体通路により相互に連結された各
単位充填床と、任意の単位充填床から流体通路を介して
流体を抜き出す第3ロータリーバルブと、第3ロータリ
ーバルブから吐出される流体を第4ロータリーバルブの
吸引口に供給する循環ポンプと、流体を抜き取った前記
単位充填床に対して隣接する下流側の単位充填床を選択
して、これに、前記循環ポンプから吐出される流体を供
給する第4ロータリーバルブとで流体の循環ラインが形
成される。
【0007】この循環ラインにおいて、第3ロータリー
バルブによって任意の単位充填床から流体が抜き出さ
れ、第3ロータリーバルブから吐出された流体は循環ポ
ンプにより第4ロータリーバルブに吐出され、第4ロー
タリーバルブによって、第3ロータリーバルブから流体
が抜き出された単位充填床に隣接する下流側の単位充填
床に流体がもどされる。
【0008】一方、第4ロータリーバルブには循環ポン
プから吐出された流体と共に脱離液が供給され、流体と
共に脱離液が、第3ロータリーバルブから流体が抜き出
された単位充填床に隣接する下流側の単位充填床に供給
される。
【0009】また、脱離液が供給された単位充填床より
も下流側の単位充填床からは、第5ロータリーバルブに
より、吸着されやすい物質を含有するエクストラクトが
抜き取られる。第5ロータリーバルブによりエキストラ
クトが抜き取られた単位充填床よりも下流側の単位充填
床には、第1ロータリーバルブによって、充填剤に吸着
されにくい物質と吸着されやすい物質とを含有する原料
含有液が供給される。原料含有液が供給された単位充填
床よりも下流側の単位充填床からは、第2ロータリーバ
ルブにより、吸着されにくい物質を含有するラフィネー
トが抜き取られる。
【0010】第1ロータリーバルブによって原料含有液
が供給される単位充填床から第2ロータリーバルブでラ
フィネートが抜き取られる単位充填床までの単位充填床
群において、原料含有液が充填剤と接触し、充填剤に吸
着容易な成分(強吸着成分)が吸着され、吸着困難な他
の成分(弱吸着成分)がラフィネート分として回収され
る吸着工程が行われる。
【0011】第2ロータリーバルブでラフィネートが抜
き取られた単位充填床に隣接する下流側の単位充填床か
ら第4ロータリーバルブにより脱離液が供給される単位
充填床までの単位充填床群によって、実質的に脱離液の
みを吸着した充填剤がラフィネート分の一部と接触し、
充填剤に含まれる脱離液の一部が脱離液回収分として回
収される脱離液回収工程が行われる。
【0012】第4ロータリーバルブによって脱離液が供
給された単位充填床から第5ロータリーバルブによって
エキストラクトが抜き取られる単位充填床までの単位充
填群によって、濃縮された強吸着成分を含む充填剤は脱
離液と接触させられ、強吸着成分が充填剤から追い出さ
れ、脱離液を伴ってエクストラクト分として排出される
脱着工程が行われる。
【0013】第5ロータリーバルブによってエキストラ
クトが抜き取られた単位充填床の次の単位充填床から第
1ロータリーバルブによって原料含有液が供給される単
位充填床の手前の単位充填床までによって、強吸着成分
を吸着した充填剤がエクストラクトの一部と接触し、充
填剤上に残存している弱吸着成分が追い出され、強吸着
成分が濃縮される濃縮工程が行われる。
【0014】そして、各ロータリーバルブの切り替え操
作によって、各工程が単位充填床毎に逐次下流側に移動
する。この発明においては、上記構成としているので、
循環ポンプを流れる流体の流量は操作条件によって決ま
る一定の流量になり、各工程を単位充填床毎に逐次下流
側に移動する毎に流量を切り替えて調節する必要がな
い。
【0015】
【実施例】以下にこの発明の一実施例であるロータリー
バルブ組み込み擬似移動床装置について説明する。
【0016】図1に示すように、この発明の実施例装置
であるロータリーバルブ組み込み擬似移動床装置1は、
第1〜第8単位充填床2a〜2hを有する。各単位充填
床は流体通路3aにより相互に接続され、第8単位充填
床2hと第1単位充填床2aとは流体通路3bにより接
続されている。また、各単位充填床と次の単位充填床と
を結ぶ流体通路3aには逆止弁4がそれぞれ設けられて
いる。この逆止弁4は、単位充填床から次の単位充填床
へと流体を導通させるがその逆の流れを阻止する機能を
有する。
【0017】各単位充填床と隣接する単位充填床とを結
ぶ流体通路3aにおいて、逆止弁4から次の単位充填床
までの間には第3ロータリーバルブ5に結合された分岐
流体通路3cが結合されている。換言すると、この第3
ロータリーバルブ5には、第1単位充填床2aと第2単
位充填床2bとを連絡する流体通路3aからの流体通路
3c、第2単位充填床2bと第3単位充填床2cとを連
絡する流体通路3aからの分岐流体通路3c、以下同様
にして各単位充填床間の流体通路3aから分岐した8本
の分岐流体通路3cを結合している。この第3ロータリ
ーバルブ5はこの8本の分岐流体通路3cの内一本の分
岐流体通路3cを選択し、その選択された流体通路3a
から流体を抜き出し、他の分岐流体通路3cは閉鎖状態
になる。
【0018】第3ロータリーバルブ5の吐出側には循環
ポンプ6が接続される。循環ポンプ6の吐出側は流体通
路3dを介して第4ロータリーバルブ7に接続される。
この第4ロータリーバルブ7には、前記循環ポンプ6か
らの流体と共に脱離液が供給され、この第4ロータリー
バルブ7の吐出側は8本の流体通路3eに分かれてお
り、各流体通路3eは、それぞれ各単位充填床と次の単
位充填床とを連絡する流体通路の、逆止弁4と次の単位
充填床との間に結合されている。
【0019】8で示すのは第1ロータリーバルブであ
り、この第1ロータリーバルブ8にはポンプを介して原
料含有液が供給され、この第1ロータリーバルブ8の吐
出側には8本の流体通路3fが接続され、この各流体通
路3fそれぞれは、それぞれ各単位充填床と次の単位充
填床とを連絡する流体通路の、逆止弁4と次の単位充填
床との間に結合されている。
【0020】また、この単位充填床と次の単位充填床と
を連絡する流体通路3aの、逆止弁4と次の単位充填床
との間からは、第2ロータリーバルブ9に接続される分
岐流体通路3gが接続されている。この第2ロータリー
バルブ9からすると、各単位充填床と次の単位充填床と
を連絡する流体通路3aそれぞれから分岐した8本の分
岐流体通路3gを結合しており、その内の1本の分岐流
体通路3gを開状態にし、他の分岐流体通路3gを閉状
態にする。そして、この第2ロータリーバルブ9は、ポ
ンプによって流体を吐出するようになっている。
【0021】この単位充填床と次の単位充填床とを連絡
する流体通路3aの、逆止弁4と次の単位充填床との間
からは、さらに、第5ロータリーバルブ10に接続され
る分岐流体通路3hが接続されている。この第5ロータ
リーバルブ10からすると、各単位充填床と次の単位充
填床とを連絡する流体通路3aそれぞれから分岐した8
本の分岐流体通路3gを結合しており、その内の1本の
分岐流体通路3hを開状態にし、他の分岐流体通路3h
を閉状態にする。
【0022】図1に示すロータリーバルブ組み込み擬似
移動床装置1では、たとえば、第1〜第5ロータリーバ
ルブ5,7,8,9,10は次のような状態に設定され
ているとする。
【0023】すなわち、第4ロータリーバルブ7におけ
る8本の流体通路3eの内、第8単位充填床2hと第1
単位充填床2aとを連絡する液体通路3bに対して開状
態となり、他の液体通路3aに対しては閉状態となるよ
うに、1本の流体通路3eが選択され、第5ロータリー
バルブ10については、第1単位充填床2aと第2単位
充填床2bとを連絡する流体通路3aから分岐する分岐
流体通路3hのみが開状態になり、他の分岐流体通路3
hは閉鎖状態になるように分岐流体通路3hが選択さ
れ、第1ロータリーバルブ8については、第3単位充填
床2cと第4単位充填床2dとを連絡する流体通路3a
へと結合する流体通路3fのみが開状態になり、他の流
体通路3fは閉鎖状態になるように流体通路3fが選択
され、第2ロータリーバルブ9については、第7単位充
填床2gと第8単位充填床2hとを連絡する流体通路3
aから分岐する分岐流体通路3gのみが開状態になり、
他の分岐流体通路3gは閉鎖状態になるように分岐流体
通路3gが選択され、第3ロータリーバルブ5について
は、第8単位充填床2hと逆止弁4との間の流体通路3
cのみが開状態になり他の流体通路3cは閉鎖状態にな
るように流体通路3cが選択されている。
【0024】この第1〜第5ロータリーバルブ5,7,
8,9,10は図示しない制御装置によってその動作が
同期している。また、各単位充填床2a〜2hには、分
離するべき成分を吸着することのできる充填剤が収容さ
れる。
【0025】この充填剤としては、各種の公知の異性体
分離用充填剤を使用することができる。例えば、光学異
性体分離用充填剤として、光学活性な高分子化合物、お
よび光学分割能を有する低分子化合物を利用した光学分
割用充填剤を挙げることができる。前記光学活性な高分
子化合物としては、例えば多糖誘導体(セルロースやア
ミロースのエステルあるいはカルバメート等)、ポリア
クリレート誘導体、あるいはポリアミド誘導体をシリカ
ゲルに担持させた充填剤、またはシリカゲルを使用せず
に前記ポリマーそのものを粒状にした充填剤を挙げるこ
とができる。また、光学分割能を有する低分子化合物と
しては、例えばクラウンエーテルあるいはその誘導体や
シクロデキストリンあるいはその誘導体を挙げることが
できる。これら低分子化合物は、通常シリカゲル等の担
体に担持して使用される。
【0026】光学分割用充填剤は市販品を使用すること
もでき、例えばそれぞれダイセル化学工業(株)製のCH
IRALCEL OB(登録商標)、CHIRALCEL OD(登録商標)、
CROWNPAK CR(+)(登録商標)、CHIRALCEL CA-1(登録商
標)、CHIRALCEL OA(登録商標)、CHIRALCEL OK(登録
商標)、CHIRALCEL OJ(登録商標)、CHIRALCEL OC(登
録商標)、CHIRALCEL OF(登録商標)、CHIRALCEL OG
(登録商標)、CHIRALPAK WH(登録商標)、CHIRALPAK
WM(登録商標)、CHIRALPAK WE(登録商標)、CHIRALPA
K OT(+) (登録商標)、CHIRALPAK OP(+) (登録商
標)、CHIRALPAK AS(登録商標)、CHIRALPAK AD(登録
商標)等を好適例として挙げることができる。
【0027】また、オリゴ糖を含む異性化糖水溶液を果
糖に富む果糖水溶液とぶどう糖に富むぶどう糖水溶液と
に分割するのに適した充填剤として、カルシウム、バリ
ウム、ストリンチウム等のアルカリ土類金属塩型の強酸
性用イオン交換樹脂や交換性陽イオンがアンモニウム、
ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、
バリウム糖で置換されているゼオライトY等の結晶性ア
ルミノシリケートなどを挙げることができる。
【0028】脂肪酸とトリグリセリドとを分離するのに
好適な充填剤としては、スチレントジビニルベンゼンと
の共重合体を骨格とする塩基性イオン交換樹脂を挙げる
ことができ、市販品として例えばローム・アンド・ハー
ス製のアンバーライトIRA93、住友化学工業株式会
社製のデュオライトA377等の弱塩基性イオン交換樹
脂、ローム・アンド・ハース製のアンバーライトIRA
400、住友化学工業株式会社製のデュオライトA16
1等の強塩基性イオン交換樹脂を挙げることができる。
その他各種物質を分離するのに好適であるとされる各種
の公知の充填剤を使用することができる。
【0029】各単位充填床2a〜2h中に充填される充
填剤の平均粒径は、分離しようとする成分のの種類、擬
似移動床内に流通する溶媒の体積流通速度等に応じて様
々に変化するのであるが、通常1〜100μm、好まし
くは5〜75μmである。もっとも、擬似移動床内での
圧力損失を小さく抑制するのであれば、15〜75μm
に充填剤の平均粒径を調整しておくのが望ましい。充填
剤の平均粒径が上記範囲内にあると擬似移動床における
圧損を少なくすることができ、例えば10kgf/cm
2 以下に抑制することもできる。一方、充填剤の平均粒
径が大きくなればなるほど吸着理論段数は低下する。し
たがって、実用的な吸着理論段数が達成されることだけ
を考慮するなら、前記充填剤の平均粒径は、通常1〜5
0μmである。
【0030】第4ロータリーバルブ7に供給される脱離
液としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロ
パノール等のアルコール類、ヘキサン等の炭化水素類な
どの有機溶媒、例えば硫酸銅水溶液や過塩素酸塩水溶液
等の塩を含有する水溶液を挙げることができる。いずれ
の脱離液が好ましいかは、分離しようとする成分あるい
は化合物の種類に応じて適宜に決定される。
【0031】第1ロータリーバルブ8に供給される原料
含有液としては、特に制限がなく、例えば医薬、農薬、
食品、飼料、香料等の分野で使用される各種の化合物例
えば医薬品のサリドマイド、有機リン系の農薬であるE
PN、化学調味料であるグルタミン酸モノナトリウム
塩、香料であるメントール等を挙げることができ、さら
には光学活性なアルコール類、光学活性なエステル類等
々を挙げることができる。
【0032】上記の外にもこの発明の擬似移動床装置を
用いて分離することのできる原料混合物としては、ノル
マルヘキサンとシクロヘキサンとの混合物、炭化水素、
アルコール、アルデヒド、およびケトン等におけるノル
マル化合物とその異性体のように沸点が近接している化
合物同士の混合物、ブドウ等と果糖とを含有する水溶
液、マルトースとマルトトリオース以上の多糖類との混
合物などを挙げることができる。
【0033】図1に示すロータリーバルブ組み込み擬似
移動床装置において、第1〜第5ロータリーバルブ5,
7,8,9,10が前記した開状態および閉鎖状態にあ
るとき、第8単位充填床2hと第1単位充填床2aとを
連絡する流体通路3bに、第4ロータリーバルブ7を介
して脱離液を供給すると、逆止弁4は逆流防止機能が発
揮されると共に、第8単位充填床2hから排出された流
体は流体通路3cを介して第3ロータリーバルブ5に導
出され、導出された流体は、第3ロータリーバルブ5、
循環ポンプ6、第4ロータリーバルブ7、流体通路3e
および流体通路3bを介して第1単位充填床2aに導入
される。
【0034】図1に示すロータリーバルブ組み込み擬似
移動床装置においては、吸着工程として、第4単位充填
床2d〜第7単位充填床2gによって、原料混合物が充
填剤と接触し、充填剤に吸着容易な成分(強吸着成分)
が吸着され、吸着困難な他の成分(弱吸着成分)がラフ
ィネート分として脱離液と共に回収され、濃縮工程とし
て、第2単位充填床2b〜第3単位充填床2cによっ
て、強吸着成分を吸着した充填剤がエクストラクトの一
部と接触し、充填剤上に残存している弱吸着成分が追い
出され、強吸着成分が濃縮され、脱着工程として、第1
単位充填床2aによって、濃縮された強吸着成分を含む
充填剤が脱離液と接触させられ、強吸着成分が充填剤か
ら追い出され、脱離液を伴ってエクストラクト分として
擬似流動床から排出され、脱離液回収工程として、第8
単位充填床2hによって、実質的に脱離液のみを吸着し
た充填剤が、ラフィネート分の一部と接触し、充填剤に
含まれる脱離液の一部が脱離液回収分として回収され
る。
【0035】かかるロータリーバルブ組み込み擬似移動
床装置では、一定時間間隔毎に第1〜第5ロータリーバ
ルブ5,7,8,9,10の操作により脱離液の供給位
置、原料含有液の供給位置および各抜き出し位置を溶媒
の流通方向に単位充填床1基分だけ移動させる。
【0036】したがって、第2段階では、第2単位充填
床2bにより脱着工程、第3単位充填床2cおよび第4
単位充填床2dにより濃縮工程、第5単位充填床2e〜
第82hにより吸着工程、第1単位充填床2aにより脱
離液回収工程がそれぞれ行われるようになる。このよう
な動作を順次に行うことにより、各工程が単位充填床1
基づつずれていき、類似した化合物の混合物の分離処理
が連続的に効率よく達成される。
【0037】また、このロータリーバルブ組み込み擬似
移動床装置1においては、流体通路3bを介して各単位
充填床から抜き出される流体の量は一定であるから、第
3ロータリーバルブ5に接続された循環ポンプ6におけ
る吐出量を第3ロータリーバルブ5の切り替え毎に調整
する必要がない。
【0038】
【発明の効果】本発明によると、第2ロータリーバルブ
でラフィネート液を抜き取った残りの流体を、第3ロー
タリーバルブ及び循環ポンプで、複数の単位充填床から
なる充填床中に循環させているので、脱離液の供給位
置、原料含有液の供給位置、エキストラクトの抜き出し
位置およびラフィネートの抜き出し位置を単位充填床毎
に変化させても、循環ポンプで循環させる流量を調整す
る必要がなく、しかも第1〜5ロータリーバルブを同期
して切り替えるので、この擬似移動床装置の運転操作が
極めて簡略になり、しかも分離するべき成分を効率的に
分離することができるロータリーバルブ組み込み擬似移
動床装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一例であるロータリーバルブ組
み込み擬似移動床装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ロータリーバルブ組み込み擬似移動床装置 2a〜2h 単位充填床 3a、3b、3c、3d、3e、3f 流体通路 3g、3h 分岐流体通路 4 逆止弁 5 第3ロータリーバルブ 6 循環ポンプ 7 第4ロータリーバルブ 8 第1ロータリーバルブ 9 第2ロータリーバルブ 10 第5ロータリーバルブ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】脂肪酸とトリグリセリドとを分離するのに
好適な充填剤としては、スチレンとジビニルベンゼンと
の共重合体を骨格とする塩基性イオン交換樹脂を挙げる
ことができ、市販品として例えばローム・アンド・ハー
ス製のアンバーライトIRA93、住友化学工業株式会
社製のデュオライトA377等の弱塩基性イオン交換樹
脂、ローム・アンド・ハース製のアンバーライトIRA
400、住友化学工業株式会社製のデュオライトA16
1等の強塩基性イオン交換樹脂を挙げることができる。
その他各種物質を分離するのに好適であるとされる各種
の公知の充填剤を使用することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】各単位充填床2a〜2h中に充填される充
填剤の平均粒径は、分離しようとする成分の種類、擬似
移動床内に流通する溶媒の体積流通速度等に応じて様々
に変化するのであるが、通常1〜100μm、好ましく
は5〜75μmである。もっとも、擬似移動床内での圧
力損失を小さく抑制するのであれば、15〜75μmに
充填剤の平均粒径を調整しておくのが望ましい。充填剤
の平均粒径が上記範囲内にあると擬似移動床における圧
損を少なくすることができ、例えば10kgf/cm2
以下に抑制することもできる。一方、充填剤の平均粒径
が大きくなればなるほど吸着理論段数は低下する。した
がって、実用的な吸着理論段数が達成されることだけを
考慮するなら、前記充填剤の平均粒径は、通常1〜50
μmである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】図1に示すロータリーバルブ組み込み擬似
移動床装置においては、吸着工程として、第4単位充填
床2d〜第7単位充填床2gによって、原料混合物が充
填剤と接触し、充填剤に吸着容易な成分(強吸着成分)
が吸着され、吸着困難な他の成分(弱吸着成分)がラフ
ィネート分として脱離液と共に回収され、濃縮工程とし
て、第2単位充填床2b〜第3単位充填床2cによっ
て、強吸着成分を吸着した充填剤がエクストラクトの一
部と接触し、充填剤上に残存している弱吸着成分が追い
出され、強吸着成分が濃縮され、脱着工程として、第1
単位充填床2aによって、濃縮された強吸着成分を含む
充填剤が脱離液と接触させられ、強吸着成分が充填剤か
ら追い出され、脱離液を伴ってエクストラクト分として
擬似移動床から排出され、脱離液回収工程として、第8
単位充填床2hによって、実質的に脱離液のみを吸着し
た充填剤が、ラフィネート分の一部と接触し、充填剤に
含まれる脱離液の一部が脱離液回収分として回収され
る。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】この第1〜第5ロータリーバルブ5,7,
8,9,10は図示しない制御装置によってその動作が
同期している。この第1〜第5ロータリーバルブ5,
7,8,9,10は、通常、その耐圧が最大150kg
/cm2 Gである。一般にこの発明のロータリーバルブ
組み込み擬似移動床装置におけるロータリーバルブの耐
圧が高いと、粒子径の小さい充填剤を使用することがで
き、高分離性能が得られる。また同充填剤でも、流速を
向上させることができ、生産性が向上するという利点が
ある。この発明におけるロータリーバルブは、その配管
接続部の数がバルブの入口を含めて5以上24以下であ
るが、配管接続部の数は、接続するカラム本数により決
められる。また、各単位充填床2a〜2hには、分離す
るべき成分を吸着することのできる充填剤が収容され
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に充填剤を収容した複数の単位充填
    床を直列に流体通路で連結することにより液体を一方向
    に循環するようにした充填床と、充填床における任意の
    単位充填床を選択し、選択されたこの単位充填床に、充
    填剤に吸着されにくい物質と吸着されやすい物質とを含
    有する原料含有液を供給する第1ロータリーバルブと、
    原料含有液を供給された単位充填床の下流側に位置する
    単位充填床から、吸着されにくい物質を含有するラフィ
    ネートを抜き取る第2ロータリーバルブと、ラフィネー
    トの抜き取られた単位充填床の下流側に位置する単位充
    填床から流体を抜き取る第3ロータリーバルブと、この
    第3ロータリーバルブから吐出される流体と脱離液と
    を、循環ポンプを介して、流体を抜き取られた単位充填
    床に隣接する下流側の単位充填床を選択してこれに供給
    する第4ロータリーバルブと、脱離液の供給された単位
    充填床の下流側の単位充填床を選択してこの単位充填床
    から、吸着されやすい物質を含有するエクストラクトを
    抜き取る第5ロータリーバルブと、前記第1〜5ロータ
    リーバルブの切り替え操作により、流体の流れ方向に沿
    って、原料含有液の供給位置、ラフィネートの抜き取り
    位置、脱離液の供給位置およびエキストラクトの抜き取
    り位置を間欠的に逐次移動することを特徴とするロータ
    リーバルブ組み込み擬似移動床装置。
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