JPH066325Y2 - 融着接続機用光ファイバのクランプ機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は光ファイバの融着接続において、Ｖ溝に位置す
る光ファイバを上下より押え位置決め固定する光ファイ
バのクランプ機構に関わるものである。

（従来技術及び解決しようとする問題点） 光ファイバの融着接続においては、融着接続ステージ上
に載置されたＶ溝台のＶ溝に光ファイバを位置せしめ、
この上方よりクランプにより押え位置決め固定し、相対
向する光ファイバの軸調心を行なった後、放電により融
着接続を行なう。

第３図はこのような融着接続における従来の光ファイバ
のクランプ機構の一例の説明図である。図面に示すよう
に、融着接続ステージ(1)上に載置されたＶ溝台(2)のＶ
溝には光ファイバ(B)が位置し、上方よりクランプ(3)に
よって押えられ位置決め固定されている。しかして、上
記クランプ(3)を装着したクランプアーム(4)の一端は、
接続すべき光ファイバ(B)の軸方向に平行な枢軸(10)を
介してステージ(1)に装着されており、クランプ(3)はこ
の軸(10)を回転軸としたアーム(4)の矢印(C)方向の回転
により開閉ていた。

このように従来のクランプ機構においては、クランプ
(3)は回転運動を伴うため、第４図のようにＶ溝に位置
する光ファイバ(B)がＶ溝内にうまく収まらずに横ずれ
してしまうという問題点があった。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上述の問題点を解消し、Ｖ溝に位置する光ファ
イバに対し、その真上から直線的に降下してくる光ファ
イバのクランプ機構を提供するもので、その特徴は、ク
ランプのアームが融着接続ステージに装着されたスライ
ド部により支持され、上下方向にスライドすると共に垂
直方向の回転ベクトル方向に上記スライド部を回転軸と
して回転可能であり、さらに融着ステージに設けたレバ
ーを操作することによりクランプを上下方向に微動調整
できるよう構成されていることにある。

第１図は本考案に係る光ファイバクランプ機構の具体例
の説明図であり、第２図は第１図のクランプ機構による
光ファイバのクランプ状態の説明図である。

図面に示すように、融着接続ステージ(1)上に載置され
たＶ溝台(2)には光ファイバ心線(A)の端部被覆層を除去
して露出された光ファイバ(B)が位置し、上方よりクラ
ンプ(3)により押えられて位置決め固定されている。し
かして、上記クランプ(3)はクランプアーム(4)の一方の
垂直軸(4b)の先端に装着されており、アームの他方の垂
直軸(4a)は融着接続ステージ(1)に装着されたアームス
ライド部(5)に支持され、その端部は融着接続ステージ
(1)を貫通しており、引下げ用バネ(7)（第２図参照）が
装着されている。

上記クランプアーム(4)の垂直軸(4a)はスライド部(5)の
垂直方向のガイド溝(5a)に嵌合するガイドピン(6)を介
して矢印(a)のように上下方向にスライド可能であり、
さらにガイドピン(6)がスライド部(5)のガイド溝(5a)よ
り外れた位置において、図の矢印(b)のように、垂直方
向の回転ベクトル方向に上記スライド部(5)を回転軸と
して回転するように構成されている。なお、図面におい
て(C)は放電電極棒を示す。

なお、融着接続機に添付の顕微鏡を使用して、対向する
光ファイバの位置のずれていることが確認された場合に
は、側面のレバーを操作することによりクランプを上下
に移動させ、光ファイバをＶ溝内に押し込む。

第５図はクランプの上下機構の構造例の一例で、レバー
(11)を押えることにより、クランプ(3)が上昇し、レバ
ー(11)を引くかあるいは手をはなすとクランプ(11)が下
降する。

（作用） 上述したように本考案のクランプ機構によれば、クラン
プを装着したアームがアームスライド部を介して上下方
向にスライドするので、クランプはＶ溝にセットされた
光ファイバの真上から直線的に降下して光ファイバをク
ランプすることが可能となる。

又アームはアームスライド部を介して上下方向にスライ
ドし、さらに上記アームスライド部を回転軸として垂直
方向に回転ベクトル方向に回転するので、光ファイバを
Ｖ溝にセットする際、クランプは第１図の点線のように
位置し、光ファイバのＶ溝へのセットを阻害することが
ない。

なお、本考案のクランプ機構において、アームの上下方
向のスライドは10mm以下、垂直方向の回転ベクトル方向
への回転は120°以下にすることが好ましい。

さらに、くせのある光ファイバをＶ溝内にセットするこ
とが難しく、Ｖ溝の途中にひっかかる傾向がある場合に
は、クランプを上下に数回動かすことにより、光ファイ
バにショックを与え、Ｖ溝内に落し込む。

（考案の効果） 上述した本考案のクランプ機構によれば、クランプはＶ
溝にセットされた光ファイバに対して真上より降下して
クランプするので、光ファイバが横ずれをおこすことな
く、Ｖ溝の底にしっかりとクランプすることができる。

又光ファイバを融着接続機にセットする際、クランプが
邪魔にならぬようこれを逃がすことが出来、なんら作業
に支障をきたすことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る光ファイバのクランプ機構の具体
例の説明図、第２図は第１図のクランプ機構による光フ
ァイバのクランプ状態の説明図である。 第３図は従来のクランプ機構による光ファイバのクラン
プ状態の説明図、第４図はその問題点の説明図である。
第５図はクランプの上下機構の構造の一例の説明図であ
る。 １……融着接続ステージ、２……Ｖ溝台、３……光ファ
イバクランプ、４……クランプアーム、５……アームス
ライド部、６……ガイドピン、７……引下げ用バネ、Ａ
……光ファイバ心線、Ｂ……光ファイバ、Ｃ……放電電
極棒。

フロントページの続き (72)考案者 荒井 宏幸 東京都千代田区内幸町１丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内 (72)考案者 渡辺 高信 東京都千代田区内幸町１丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−91205（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｖ溝に位置する光ファイバを上方より押え
   位置決め固定するクランプのアームが、融着接続ステー
   ジに装着されたスライド部により支持され、上下方向に
   スライドすると共に垂直方向の回転ベクトル方向に上記
   スライド部を回転軸として回転可能であり、さらに融着
   接続ステージに設けたレバーを操作することによりクラ
   ンプを上下方向に微動調整できるよう構成されているこ
   とを特徴とする融着接続機用光ファイバのクランプ機
   構。