JPH066272U - 密封容器 - Google Patents

密封容器

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JPH066272U
JPH066272U JP4559492U JP4559492U JPH066272U JP H066272 U JPH066272 U JP H066272U JP 4559492 U JP4559492 U JP 4559492U JP 4559492 U JP4559492 U JP 4559492U JP H066272 U JPH066272 U JP H066272U
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sealed container
oxygen
bag
carbon dioxide
sealed
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Application number
JP4559492U
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English (en)
Inventor
洋 江川
英幸 戸川
Original Assignee
株式会社シー・アール・シー
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本考案は、嫌気性菌等の特殊細菌の培養およ
び移送に好適な密封容器に関する。 【構成】 密封袋1 中に、脱酸素剤、酸素吸収剤、脱酸
素炭酸ガス発生剤または炭酸ガス発生剤のうち少なくと
も一つを収納すると共に、同密封袋1 中には検体等5 を
収納できるだけのスペースを保持したことを特徴とする
密封容器であり、上記密封容器は、合成樹脂シートによ
り構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、嫌気性菌等の特殊細菌の培養および移送に好適な密封容器に関する 。
【0002】
【従来の技術】
細菌の中には他の細菌と大気環境を異にするため、通常大気中では発育しない 細菌がある。このような特殊な細菌を培養するには、細菌が発育しやすいような 環境をすみやかに作ることが大切である。
【0003】 従来、酸素の存在しない環境においてのみ生存可能な嫌気性菌、あるいは、酸 素の存在量が少なくても発育維持できる通性嫌気性菌等の特殊細菌を培地に塗布 し、シャーレ等に納めたものを嫌気環境に保ち、そのまま培養したりあるいは移 送、輸送するための密封容器としては次のものが知られている。
【0004】 すなわち、内部を嫌気状態に保つことが可能な培養袋と培養袋内を嫌気環境に するための脱酸素剤、酸素吸収剤あるいは炭酸ガス発生剤等の嫌気培養剤および 、培養袋の開封部分を密封するための密封用バーとの組合せによるものであり、 前記培養袋を広げて、内部に嫌気性菌である検体を塗布したシャーレ等を収納し 、続いて嫌気状態で密封されている前記嫌気培養剤を開封後、取り出して、前記 培養袋に入れた後、同培養袋の開封部分を密封用バーにより密封する。
【0005】 そして、密封状態となった培養袋は、前記嫌気培養剤によって、培養袋内の酸 素濃度が低下して、培養袋内を嫌気環境とすることが出来るものである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記方法によると、嫌気状態に保たれた培養袋を広げて、検体等お よび嫌気培養剤を順次収納している間に培養袋内に空気が混入してしまい、培養 袋を密封後、袋中に混入した酸素を嫌気培養剤によって除去し、嫌気環境とする までに時間がかかるため、袋内に収納された嫌気性菌が酸素の存在下にさらされ て、菌の生育に悪影響を与えるという問題点があった。
【0007】 このため、培養が失敗する可能性もあり、特に検体が少ない場合など取り返し のつかない事態にもなりかねない危険性があった。
【0008】 本考案は、上記した課題を解決することができる密封容器を提供することを目 的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は、密封袋中に、脱酸素剤、酸素吸収剤、脱酸素炭酸ガス発生剤または 炭酸ガス発生剤のうち少なくとも1つを収納すると共に、同密封袋中には検体等 を収納出来るだけのスペースを保持したことに特徴を有する密封容器を提供する ものであり、上記密封容器は、合成樹脂シートにより構成されていることにも特 徴を有する。
【0010】
【作用】
本考案の密封容器を用いて、嫌気性菌を運搬あるいは培養する場合は、本考案 の密封容器を開封し、ただちに検体である嫌気性菌を塗布したシャーレ等を収納 したのち、密封容器中の空気を追い出すように、また同袋の密封部分がしわにな らないように、密封バーですみやかに密封する。
【0011】 以上のように検体である嫌気性菌を収納した密封容器は、移動する場合は容器 ごとそのままの状態で移動し、培養する場合も、密封容器ごと孵卵器等に入れて 培養する。
【0012】 上記した、本考案の密封容器によれば、密封容器中にすでに嫌気状態で脱酸素 剤、酸素吸収剤、脱酸素炭酸ガス発生剤または炭酸ガス発生剤のうち少なくとも 一つ(以下脱酸素剤等と省略する)が収納されているため、嫌気性菌を検体とし て移動あるいは培養する場合、密封袋を開封後検体を入れて、開封部分を密封す るだけで、すみやかに検体を嫌気環境下に置くことが可能であり、上記プロセス の間に密封容器内に空気が混入する量もわずかであるため、検体を良好な嫌気環 境において、有効かつ正確に培養し、また良好な生育環境を保ちつつ安定した状 態で移動することが出来る。
【0013】 また、生存および生育に特殊な環境を必要とする、嫌気性以外の特殊細菌にお いても、前記脱酸素剤等の種類や使用量等を調整することによって、密封容器内 に、好適に生育可能な環境をつくり出すことが可能である。
【0014】
【実施例】
(実施例1) 本考案の密封容器Aは、図1に示すように、密封袋1中に脱酸素剤、酸素吸収 剤、脱酸素炭酸ガス発生剤または炭酸ガス発生剤のうち少なくとも一つの脱酸素 剤等2が収納された状態で、嫌気状態に密封されたものを指し、同嫌気状態とは 、酸素を含まない状態をいい、空気を含まない状態以外に、酸素以外の気体、た とえば窒素あるいは水素等が封入された状態でも良い。
【0015】 前記密封袋は、空気、水等を透過しない透明なシート等で袋状に作製され、原 料としては、たとえば合成樹脂等の多層シート等が挙げられ、ポリスチレン樹脂 等が好適に用いられる。
【0016】 また、密封袋1の大きさは、前記脱酸素剤等2を収納し、さらに、嫌気性菌で ある検体を塗布したシャーレ等の容器が収納出来るだけのスペース3を有してい ることが必要である。
【0017】 また、脱酸素剤、酸素吸収剤、脱酸素炭酸ガス発生剤または炭酸ガス発生剤等 としては様々な薬剤が使用され、たとえば脱酸素炭酸ガス発生剤の一つであるL アスコルビン酸等が使用される。Lアスコルビン酸を使用する場合には、反応開 始剤としては、硫酸第一鉄等の発熱剤を併用する必要がある。
【0018】 嫌気性菌を密閉容器に収納する場合は、酸素を除去する必要があるため、炭酸 ガス発生剤の単独使用は行われない。また、脱酸素剤等2の量としては、密閉袋 に検体を挿入する時に、混入する可能性のある最大酸素量を除去できるだけの過 剰量を使用する。
【0019】 これらの、脱酸素剤等2および反応開始剤を空気透過性の布、紙、樹脂等のシ ート等で作製された収納袋2aに収納した状態で使用し、同収納袋2a中には、嫌気 性菌の発生する臭気を吸収するために、活性炭等の脱臭剤等を含有しても良い。
【0020】 また、上記収納袋2aの外側には、密封容器内が、嫌気環境となったことを確認 するために、マーカー4を付与しても良く、同マーカー4としては、空気中の酸 素の含有量により、色が変化する錠剤状の酸素検知剤等が挙げられる。マーカー 4の成分としては、たとえば、Lアスコルビン酸に色素を添加し、密封容器中の 酸素含量が増えると色素が発色するように機能するものが挙げられる。
【0021】 本考案の密封容器Aは、密封袋1中に前記脱酸素剤等2およびマーカー4等を 収納した状態で、同密封袋1内を嫌気状態とした後、密封袋1の外周を熱シール 等でシールすることによって作製される。このとき、透明な密封袋1中に収納し たマーカー4の色によって、作製された密封容器A内が嫌気状態であることを確 認する必要がある。
【0022】 密封容器Aの開封部分7は、密封容器Aの端部に切欠部7aを設けて、開封しや すくしたり、あるいは、密封袋1を形成しているシートの一方の裏面に、糸状体 を樹脂等で熱シーリングしたものを融着し、かつ同糸状体の一端部をシートの表 面から露出させておき、開封時は、糸状体の端部を引っ張ることによって、シー トから糸が離脱すると共に、簡単にシートを切断することが出来る開封手段を設 けても良い。
【0023】 密封容器Aの開封部分を開封後に密封するための密封バー6は、合成樹脂等の 一対の棒状体よりなり、同棒状体は、図3に示すように、長手方向に凸状部を有 する凸部棒状体6aと、長手方向に溝部を有する溝部棒状体6bとからなり、溝部棒 状体6bの溝部に凸部棒状体6aの凸部が密着して嵌合するように構成され、同棒状 体の各々の一端部は、連結部6cにおいて枢支連結されている。
【0024】 また、溝部棒状体6bの側面部中央には、密封容器を同棒状体に挟持した状態で 吊るすことが出来るように、鉤状部6dを設けてもよい。
【0025】 以上のように構成される本考案の密封容器Aは、開封部分7を開封後、検体等 5を収納し、開封部分7を密封バー6の両棒状体6a,6b 間に挟んだ状態で両棒状 体6a,6b を嵌着することによって、検体等5を密封容器A内に密封した後、密封 容器A内にあらかじめ収納されていた脱酸素剤等2によって、密閉容器A内をす みやかに嫌気環境とすることが出来る。検体収納時の密封容器Aの外形図を図2 に示す。
【0026】 検体を密封後、約一時間経過後における、密閉容器内の空気成分比は、酸素が 0.1 %以下、炭酸ガスが11〜13%という結果が得られた。
【0027】 本考案の密封容器Aによれば、脱酸素剤等2が、密封袋1内にすでに収納され た状態で嫌気状態に密封されているので、検体5を収納し、密封するだけの簡単 な作業で同袋1内を嫌気状態とすることができ、作業時の空気の混入が殆どない ため、検体5を酸素存在下にさらすことなく、同袋内においてただちに嫌気性菌 の生育に良好な嫌気環境にすることが可能である。
【0028】 (実施例2) 検体として、微量の酸素を含有し、かつ炭酸ガス比が酸素よりも高い環境下に おいて良好に発育するカンピロバクター等の微好気性菌を収納する場合の密封容 器としては、脱酸素剤等2として、実施例1と同様に、Lアスコルビン酸を用い 、硫酸第一鉄および活性炭等を収納袋2aに収納するが、Lアスコルビン酸の量と しては、密封容器A中に混入すると予想される酸素量と炭酸ガス量から換算して 、密封容器A内に微量酸素が残留し、炭酸ガスが酸素量に比べて過剰となるよう な量とし、他の条件は、実施例1と同様とする。
【0029】 検体を密封後、約一時間経過後における密封容器中の酸素および炭酸ガスの成 分比は、酸素が6.9 〜7.1 %、炭酸ガスが11.9〜12.1%であった。
【0030】 上記条件の密封容器内において、微好気性菌を良好な状態で培養し、移送する ことが可能である。
【0031】 (実施例3) 検体として、炭酸ガス濃度が3〜10%の環境において良好に発育する、ヘモフ ィルス属、ナイセリア属などの炭酸ガス依存性細菌を収納する場合の密封容器A としては、脱酸素剤等2として、たとえば炭酸ガス発生剤である炭酸カルシウム を用い、他は硫酸第一鉄および活性炭等を収納袋に含有し、炭酸カルシウム量と しては、密封容器内に混入すると予想される炭酸ガス量から換算して、炭酸ガス 濃度が3 〜10%になるような量とし、また、酸素含量を検知するためのマーカー を密閉袋中から除いた以外は、実施例1と同様の条件とした。
【0032】 検体を密封後、約一時間経過後における密封容器中の炭酸ガスの含量は、7.9 〜8.1 %であった。
【0033】 上記条件の密封容器において、炭酸ガス依存性細菌を良好な状態で培養し、移 送することが可能である。
【0034】
【考案の効果】 本考案は、密封袋中に、脱酸素剤、酸素吸収剤、脱酸素炭酸ガス発生剤または 炭酸ガス発生剤のうち少なくとも一つを収納すると共に、同密封袋中には検体等 を収納できるだけのスペースを保持した密封容器であり、同密封容器内に、空気 の混入なくただちに嫌気性菌を収納して、嫌気環境にすることができ、嫌気性菌 を簡便に、良好な環境化で培養あるいは移送することができる。
【0035】 また、上記脱酸素剤等の配合量を調整することによって、密封容器中の空気成 分比を調整することが可能であり、これによって、嫌気性菌のみならず通常の大 気中では発育しない微好気性菌あるいは炭酸ガス依存性菌等のあらゆる特殊細菌 にとって良好な環境をつくり出すことが可能であり、本考案の密封容器は、幅広 い菌類の培養あるいは移送用として使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る密封容器の斜視図。
【図2】本考案に係る密封容器に検体を収納した状態を
示す密封容器の斜視図。
【図3】密封バーの斜視図。
【符号の説明】

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密封袋(1) 内に、脱酸素剤、酸素吸収
    剤、脱酸素炭酸ガス発生剤または炭酸ガス発生剤のうち
    少なくとも1つを収納すると共に、同密封袋(1) 中には
    検体等(5) を収納できるだけのスペース(3) を保持した
    ことを特徴とする密封容器。
  2. 【請求項2】 上記密封袋(1) は、合成樹脂シートによ
    り構成されていることを特徴とする請求項1記載の密封
    容器。
JP4559492U 1992-06-30 1992-06-30 密封容器 Pending JPH066272U (ja)

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JP4559492U JPH066272U (ja) 1992-06-30 1992-06-30 密封容器

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JP4559492U JPH066272U (ja) 1992-06-30 1992-06-30 密封容器

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JPH066272U true JPH066272U (ja) 1994-01-25

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ID=12723680

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JP4559492U Pending JPH066272U (ja) 1992-06-30 1992-06-30 密封容器

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS576774B2 (ja) * 1976-09-14 1982-02-06

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS576774B2 (ja) * 1976-09-14 1982-02-06

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