JPH0662653B2 - 有機可溶性モリブデン含有化合物及びその製造方法 - Google Patents

有機可溶性モリブデン含有化合物及びその製造方法

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JPH0662653B2
JPH0662653B2 JP60247848A JP24784885A JPH0662653B2 JP H0662653 B2 JPH0662653 B2 JP H0662653B2 JP 60247848 A JP60247848 A JP 60247848A JP 24784885 A JP24784885 A JP 24784885A JP H0662653 B2 JPH0662653 B2 JP H0662653B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明の背景 プロピレンオキシド及びその高級同族体のようなオキシ
ラン化合物の製造は米国特許第3,351,635号に記載され
ている。上記米国特許によれば、オキシラン化合物は、
有機ヒドロパーオキシド及びモリブデン化合物のような
適当な金属触媒の使用によるオレフイン系不飽和化合物
(例えばプロピレン)のエポキシ化反応によつてつくら
れることができる。上記米国特許は一級オレフインのエ
ポキシ化のためにそこに開示された金属触媒の活性度が
高くそしてプロピレンオキシドへのプロピレンの高い選
択率に導くことが出来ることを教示している。これらの
選択率はヒドロパーオキシドの高い転換率(50%また
はそれ以上)で得られ、この転換率の水準はこの技術の
商業上での利用のために重要である。上記米国特許の方
法によれば、エポキシ化反応は液体状態で加圧下進行し
そしてしたがつて金属触媒の液体溶液が望ましい。
上記目的のために、これらの化合物、例えばモリブデン
塩類の製造において、種々の技術が使用されて来てお
り、その多くは商業上規模で有効に実施することが極度
に困難でありそしてしたがつて特に高いモリブデン含有
量を含有する炭化水素可溶性組成物をつくるために費用
がかかることが分かつた。さらに、多数の上記触媒物質
は反応媒体中への貧弱な溶解度及び低い金属濃度を包含
する種々の不利益を招いている。
オレフインの接触エポキシ化反応における反応媒体に担
持される触媒金属の量を増大させようと努力してモリブ
デン金属からのエポキシ化反応触媒の製造が先行技術に
おいて、例えば米国特許第3,453,218号及び第3,434,975
号において報告されたけれども、しかしながら炭化水素
に可溶性のエポキシ化反応触媒溶液の製造における三酸
化モリブデンのような安価な出発物質の使用は、遅い速
度の溶解、溶解モリブデン種の分解の結果としての固体
の沈殿及びこれらの溶液中の満足出来ないほどに低いモ
リブデン濃度の故に妨げられて来た。したがつて、種々
の酸素含有モリブデン化合物から有機−可溶性モリブデ
ン含有触媒の多数の製造が先行技術において報告され
た。これに関して、三酸化モリブデンを、分子中に4〜
22個の炭素原子を有する一価の第一級飽和非環式アル
コールとあるいはモノ−またはポリアルキレングリコー
ルモノアルキルエーテルまたはそれらの混合物と反応さ
せることによるそのような触媒の製造を開示している米
国特許第3,480,563号に注意が向けられる。より先行の
特許である米国特許第3,285,942号は有機窒素塩基の存
在下に、2〜18個の炭素原子からのアルフアー−及び
ベーター−アルカルジオールをモリブデン酸または関連
モリブデン化合物と反応させることにより特定の式のモ
リブデン酸グリコール類の製造を開示している。米国特
許第3,822,321号は、モリブデン酸または塩のようなモ
リブデン含有化合物をポリアルコールと反応させること
によりつくられたモリブデン触媒を用いてオレフインを
ヒドロパーオキシドで酸化させることを記載している。
オレフインのモリブデン触媒エポキシ化はまた米国特許
第4,157,346号に記載されている。その触媒は酸素含有
モリブデン化合物をアミン(またはアミンN−オキシ
ド)及びアルキレングリコールと反応させることにより
つくられる。米国特許第3,991,090号及び同第4,009,122
号はハロゲン化水素酸の存在下に、酸素含有モリブデン
化合物を隣接のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシ
化合物と反応させることによるモリブデン化合物の製造
方法を開示している。フランス特許第1,550,166号はモ
リブデン酸エステルそして特にモリブデン酸のグリコー
ルエステルが、オレフイン化合物との反応における有機
ヒドロパーオキシドを使用するエポキシ化反応を行なう
ための以前に公知の触媒以上の或る種の利点を提供する
ことを開示している。米国特許第4,046,783号は、弱い
塩基の存在下に無機モリブデン化合物を脂肪族一価のア
ルコールと接触させて低オリゴマー状アルキルモリブデ
ート化合物を形成し、次にこれを酸化して酸化されたア
ルキルモリブデート錯体触媒を形成することによりつく
られた酸化アルキルモリブデート錯体触媒の、オレフイ
ンエポキシ化反応における使用を開示している。またモ
リブデン酸アンモニウムエポキシ化反応触媒溶液が米国
特許第3,956,180号及び同第2,795,552号に記載されてい
る。
したがつて、本発明の目的は、簡単な、費用のかからな
い方法によつて三酸化モリブデンから新規なモリブデン
ジオキソジアルキレングリコレート組成物の製造方法を
提供することである。
本発明の別の目的は、組成物が、有機炭化水素溶液中へ
の改良された溶解速度及び有機溶液中の高いモリブデン
濃度により特徴づけられそして分解による固体の沈殿が
ない安定な溶解されたモリブデン種を提供し、それによ
り改良された且つ増大された触媒製造及び生産力を与え
る、新規なジオキソジアルキレングリコレート化合物に
基づくモリブデン含有触媒組成物を提供することであ
る。
本発明の追加の目的は本発明のモリブデンジオキソジア
ルキレングリコレート触媒組成物の使用によるオレフイ
ン化合物のエポキシ化方法を提供し、それにより一級オ
レフイン、例えばプロピレンのエポキシ化反応における
所望のアルキレンオキシド、例えばプロピレンオキシド
への増大された選択率を生じ、一方では同時に望ましく
ない副生成物の製造を減少させることである。
本発明の概要 新規なモリブデンジオキソジアルキレングリコレート化
合物の形で存在しそしてそのような触媒組成物において
今迄に得られるものよりも増大した量のモリブデンを含
有するモリブデン含有エポキシ化反応触媒組成物の安定
な溶液は、水を除去しながら或る特定化された高い温度
で市販の三酸化モリブデンを特定化されたジアルキレン
グリコールと反応させることによりつくられることが出
来ることが今や見い出された。したがつて本発明に従つ
て、或るコントロールされた反応条件下、比較的に費用
のかからないモリブデン源、即ち三酸化モリブデンを上
記クラスのジアルキレングリコールと反応させて新規な
クラスのモリブデンジオキソジアルキレングリコレート
化合物を生成させることだでき、これは特に有機溶液中
で安定でありそして得られた触媒組成物中の高いモリブ
デン含有量を提供することができ、それによりこの触媒
を、有機ヒドロパーオキシド酸化剤でのオレフイン化合
物のエポキシ化反応における触媒として使用するために
特に適合化させることが見い出された。本発明の別の利
点は市販の安価な三酸化モリブデンから、なんらさらに
処理することなしに単一の加熱工程による新規なクラス
のモリブデン化合物、即ちモリブデンジオキソジアルキ
レングリコレートの製造を包含する。
本発明の詳細な記載 本発明のモリブデンジオキソジアルキレングリコレート
化合物は式 (式中、R1〜R4の少なくとも1員及びR5〜R8の少なくと
も1員は1〜4個の炭素原子のアルキル基でありそして
R1〜R4及びR5〜R8の残りの部員は各々独立して水素また
は1〜4個の炭素原子のアルキル基からなる群から選ば
れる)に相当する。その中に含まれる特に高いモリブデ
ン含有量及び安定性特徴、即ち溶解モリブデン種の分解
による固体の沈殿がないことの故に好ましい本発明のジ
アルキレングリコレート化合物は、1〜R4の1員より多
くないもの及びR5〜R8の1員より多くないものがメチル
でありそしてR1〜R4及びR5〜R8の残りの部員が水素であ
る上記式Iに一致し、この化合物は一般にモリブデンジ
オキソジプロピレングリコレートと称されることが出来
る。本発明のジアルキレングリコレート化合物は、下に
さらに詳細に記載される本発明の製造方法に使用される
ジアルキレングリコール出発物質の異性体の純度に依存
して、各々別個の化合物種として存在してもよくあるい
は上記式Iに一致する化合物異性体の混合物として存在
してもよい。上記ジプロピレングリコレート以外の本発
明の代表的な化合物は、モリブデンジオキソジブチレン
グリコレート、モリブデンジオキソジペンチレングリコ
レート及びモリブデンジオキソヘキシレングリコレート
を包含する。本発明のモリブデンジオキソジアルキレン
グリコレート化合物は1:2:1のモリブデン:酸素:
配位子の比を含有するとしてさらに特徴づけられる。一
般にこれらの化合物は、有機溶液中において約15%ま
での溶解化モリブデン、一般に約8〜12%の溶解化モ
リブデンを含有することが出来る透明な、均質な、明る
い黄色の溶液として特徴づけられることが出来る。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される
ものとして用語“安定な触媒溶液”とは少なくとも4時
間にわたつて約50℃の温度に加熱し、次に少なくとも
24時間にわたつて周囲の温度で放置した際に、溶液中
に含まれるモリブデンの約0.1%より少ない認識される
量でモリブデンを沈殿させないモリブデン含有溶液を意
味することが意図される。
ジアルキレングリコレート化合物の製造にむけられた本
発明の方法は、反応混合物から水を除去しながら、三酸
化モリブデンを式 (式中、R1〜R4及びR5〜R8は上に示したとおりである)
に相当するジアルキレングリコール化合物と直接に反応
させ、それにより所望の液体モリブデンジオキソジアル
キレングリコレート化合物を形成させることを特徴とす
る。遊離の水が反応中除去されることは本方法の重要な
特徴であり;これははじめに存在する可能性がある任意
の水ならびに反応中形成されたかもしれない水を包含す
る。
ジアルキレングリコレート化合物の製造のための上記方
法において使用するために意図されたジアルキレングリ
コールは約150℃までの温度で大気圧で液体である任
意の上記ジアルキレングリコールを包含することが出来
る。一般にこれらのジアルキレングリコールは上記式II
に相当しそして上に示したように各々別個の異性体種と
して存在してもよいしあるいはジアルキレングリコール
の異性体混合物として存在してもよい。低い揮発性の市
販のジプロピレングリコールの無色無臭の液体は本発明
の方法において使用するための特に好ましいジアルキレ
ングリコールを構成する。別法として本発明の混合モリ
ブデンジオキソジアルキレングリコレート化合物の製造
における三酸化モリブデンとの反応においてジアルキレ
ングリコールの混合物が使用されることができる。
前に示したように、水の除去は本発明のジアルキレング
リコレート化合物の製造方法の重要な特徴である。もし
反応が水を除去することなしに行なわれるならば、これ
らのグリコレート化合物の製造において極端に長い反応
時間が必要とされる可能性がありそしてさらに重要なこ
とには、得られたジアルキレングリコレート化合物また
は混合物の安定性が達成されることが出来ない。しかし
ながら水の除去は必要と思われるけれども、水を除去す
る方法は重要でない。したがつて、この製造反応中の水
除去のための任意の公知の技術を使用することが出来
る。反応混合物から水を除去することが出来そして所望
のモリブデングリコレート化合物の形成のための反応時
間を非常に減少させる特に望ましい方法は、従来のやり
方で、空気のような分子状酸素含有ガスまたは窒素のよ
うな不活性ガスを含むガスパージの使用を包含する。反
応混合物中の水を除去するばかりでなく、より高い酸化
反応状態に溶解化モリブデンを維持し、したがつて得ら
れたモリブデングリコレート溶液中にモリブデンのより
高い存在量を可能にする分子状酸素含有ガスパージ、例
えば空気の使用は特に好ましい。充分な酸素または空気
の不存在下、モリブデングリコレート錯体の還元が起
り、暗青色コロイド状溶液を形成し、これは一般に約1
20℃〜150℃の高温で空気または分子状酸素含有に
より酸化されることができる。一般に還元されたモリブ
デン化合物の還元された低い原子価のモリブデンを六価
のモリブデンに再酸化するのに十分な量の酸素が使用さ
れることができる。別法として塩化カルシウムのような
脱水剤の使用によりまたは共沸剤の使用により水が除去
されてよい。本反応自体に不活性である任意の共沸剤が
本方法において使用されることが出来る。適当な共沸化
合物は、ベンゼンあるいは1〜3個のアルキル基を含有
し且つ各々のアルキル基が1〜4個の炭素原子を有する
低級アルキルベンゼン、例えばエチルベンゼン、キシレ
ンクメンのようなアリールアルキル化合物あるいは5〜
12個の炭素原子のアルカン、例えばヘキサン、オクタ
ン及びデカンのような任意の他の直鎖または分枝鎖炭化
水素を包含する。必要な共沸剤の量は除去される水の量
によつて左右されそして一つの装置から他の装置へと装
置ごとに変り、この量は当業者によつて容易に決定され
ることができる。一般に、反応において存在するかまた
は反応中形成されるかもしれない水のすべてを除去する
ことは必要ないかもしれない。除去される水の量は製造
されるジアルキレングリコレート化合物中の望ましいモ
リブデンの重量濃度及び反応期間によつて左右されるだ
ろう。本反応において製造されるべきさらに濃縮された
モリブデン含有グリコレート溶液はより多量の水の除去
を必要とし、最も濃縮されたモリブデン含有グリコレー
ト組成物を得るのに最適である反応中は存在する実質的
にすべての水を除去することを必要とするだろう:した
がつてそのような方法は、反応混合物の重量に基づいて
約1重量%まで、一般には約0.5重量%まで、好ましく
は約0.1重量%までの水を含有する反応混合物を提供す
るだろう。
三酸化モリブデンとジアルキレングリコールとの間の反
応は約100℃〜約150℃の温度にコントロールされ
なければならない。その好ましい面において、反応は約
120℃〜約140℃そして特に約125℃〜約135
℃の温度で行なわれる。所望の反応を提供する任意の最
小温度が使用されてよいがしかし約150℃より高い温
度は溶解化モリブデンジアルキレングリコレート錯体が
そのような温度で熱分解を受けやすく、完全に均質でな
い暗褐色溶液を形成しそしてしたがつて安定な触媒溶液
を形成することができないので勧められない。所望なら
ば大気圧以上の圧力がまた使用されてもよいけれども反
応温度として、反応混合物の大気圧での還流温度を使用
することが特に都合がよい。一般に約2〜24時間また
はそれ以上、好ましくは4〜10時間が所望の有機可溶
性モリブデングリコレート化合物を製造するのに十分で
あるけれども温度における増大とともにより短かい反応
時間が使用されることができる。
ジアルキレングリコールとの反応のために使用される三
酸化モリブデンの量はグリコールの約5〜約35重量パ
ーセントの範囲であつてよく、約10〜約25重量パー
セントの範囲が好ましい。一般に本発明のモリブデンジ
オキソジアルキレングリコレート組成物は組成物の重量
に基づいて約5〜約15パーセントのモリブデンを含有
する。
本発明の方法に従つてつくられたモリブデン含有組成物
は、オレフイン、例示的にはプロピレンをエポキシ化し
て、高い量の望ましくない副生成物を生成することなし
に例えば高い収率及び転換率で対応するオキシラン化合
物、例えばプロピレンオキシドをつくるための触媒とし
て適当であることが分かつた。一般に当業界に知られて
いるような従来の方法及び関係に使用される場合の本発
明の組成物は、米国特許第3,351,635号(この開示を参
照することにより本明細書に組み入れる)に記載され且
つ特許請求された方法に従つて、一般式 (式中、R1,R2,R3及びR4は水素、アルキル、アリー
ル、アリールアルキル、アルキルアリール、アルケニ
ル、アルカジエニルまたは官能基を有する同様な基であ
つてよい)を有するオレフイン系化合物のエポキシ化反
応における触媒として適当である。エポキシ化されるこ
とができる例示的な非環式オレフイン系炭化水素はプロ
ピレン、ブチレン類のような脂肪族の常態でガス状のオ
レフインそして高級の液体及び固体オレフインである。
上記エポキシ化反応において新しい触媒溶液として使用
されるのに加えて、本発明のモリブデン含有触媒組成物
はモリブデン含有触媒濃縮物または残留物と一緒に使用
されるための補給触媒としての特別な使用を見いだす。
そのような濃縮物または残留物は、米国特許第3,819,66
3号に記載され且つ特許請求されているように、触媒を
含有する重たい液体画分を含むエポキシ化反応混合物は
生成物画分に分割され、触媒を含有する重たい液体画分
の少なくとも約60重量%が塔頂で蒸発されるまで前記
画分をぬぐいフイルム蒸発のような蒸発に付し、そして
上記エポキシ化反応に蒸発残留物を再循環する、モリブ
デンエポキシ化反応触媒を使用する先のエポキシ化反応
方法から得られる。補給触媒として使用される場合、本
発明の触媒組成物はエポキシ化反応に再循環される触媒
組成物の約90重量パーセントまでそして好ましくは約
50重量パーセントまでの量で使用される。
本発明に実施を例示するために次の例が提供される。そ
の例は単なる例示であつてそして本明細書に開示され且
つ本発明に従う特許請求の範囲より規定された本発明を
限定するものであることを意図されない。他のように特
定しない限り部及びパーセンテージは重量によりそして
温度は摂氏による度である。
例1 30時間にわたつて0.10/分の速度で反応混合物中を
空気パージしながら7.5部の三酸化モリブデン及び42.5
部のジプロピレングリコールの混合物を128°に加熱
した。10%溶解化モリブデンを含有す液体生成物の透
明な明るい黄色い溶液を石油エーテルから結晶化し、そ
れにより13CNMR及びX線解析により測定されたもの
として式 に相当するモリブデンジオキソジプロピレングリコレー
トを提供した。第1図に記載された、生成グリコレート
の赤外スペクトルは固体状態でグリコレート化合物のオ
リゴマー化を示す、1120,1100,1080,1
050,1020及び860cm-1での配位子(ジプロピ
レングリコレート)からの吸収;935及び920cm-1
での特徴的Mo=0吸収及び800cm-1でのMo−0−Mo吸
収を示す。本化合物はまた次のとおりの元素分析により
特徴づけられる: C6H12O5Moとして 計算値:C,27.7%、H,4.7%、Mo,36.9% 実測値:C,28%、H,4.6%、Mo,37% 例2 0.36/分の速度で反応混合物中を空気パージしながら
5.6部の三酸化モリブデン及び44.4部のジプロピレング
リコールの混合物を128℃に加熱した。7.7%の溶解
化モリブデンを含有する透明な黄色溶液を17時間後に
得た。溶液中の水濃度は0.1%より少ないと測定され
た。
例3 ゆつくりした窒素のパージをしながら、5.6部の三酸化
モリブデン及び44.4部のジプロピレングリコールの混合
物を130°に加熱した。一夜加熱後、反応混合物は暗
青色コロイド状溶液であり、これは0.36/分の速度で
130℃で空気を用いてのパージの際、徐々に酸化され
て7.7%の溶解化モリブデンを含有する透明な黄色の溶
液を与えた。
例4 試薬級三酸化モリブデンの10部及びジプロピレングリ
コールの60部の混合物を2時間150°に加熱した。
一定の液体水準を維持するのに必要とされるので追加の
ジプロピレングリコールを反応容器に導入しながら空気
を反応混合物中に吹き込んだ。室温に冷却後、すべての
残留未溶解固体の過に助けとなるためにエチルベンゼ
ンを反応混合物に加えた。所望のモリブデンジオキソジ
プロピレングリコレートへの三酸化モリブデンの固体転
換率は99.5%より大きくそして溶液中の可溶性モリブデ
ンの濃度は10.5%であつた。
例5(比較例) ジプロピレングリコールの代りに1,2−モノプロピレ
ングリコールを使用した以外は上記例4の方法を繰り返
した。固体転換率はほんの78.7%になりそして最終反応
混合物は暗緑色であり、実質的な固体が未溶解のまま残
つたことが分かつた。
例6(比較例) 試薬級の三酸化モリブデンの10部及びジエチレングリ
コールの60部の混合物を1時間160°に加熱した。
得られた残留固体は最初の仕込量より57%高く、モリ
ブデンジエチレングリコレートの沈殿が起つたことを示
した。
例7(比較例) ジエチレングリコールの代りにトリプロピレングリコー
ルを使用した以外は上記例6の方法を繰り返した。結果
は固定転換率がほんの3%であつたことを示した。
例8(比較例) 65時間にわたつて0.36/分でゆつくりと空気パージ
しながら2.17部の三酸化モリブデン及び25部の2−メ
トキシエタノールの混合物を128°に加熱した。この
期間中に全ての三酸化モリブデンが2−メトキシエタノ
ールと反応したがしかし溶液から若干の反応生成物が溶
液から沈殿した。反応混合物を室温に冷却の際、3グラ
ムのモリブデン含有化合物が固体として得られたことが
分かつた。
例9 かきまぜ機を備えたステンレススチールオートクレーブ
中にプロピレンの75部、三級ブチルアルコール中の約
40重量%の三級ブチルヒドロパーオキシドから構成さ
れる溶液の75部および150ppmのモリブデンを含有
する上記例1で得られた触媒溶液の0.12部をいれた。仕
込まれた三級ブチルヒドロパーオキシドに基づいて10
0%の三級ブチルヒドロパーオキシド転換率を得るのに
十分な時間にわたつて121℃及び56.248kg/cm2(絶
対)(800psia)でエポキシ化反応を行なつた。所望
のプロピレンオキシド生成物の収率は94%であつた。
例1〜4は本発明の方法に従つたモリブデンジオキソジ
プロピレングリコレートの製造を示しそして例9は、三
酸化モリブデンとの反応のためにジアルキレングリコー
ルを利用して本発明に従つて製造された触媒が標準の有
機可溶性モリブデン触媒よりも少なくとも同じ良好さか
またはより良い転換率及びプロピレンオキシド選択率を
提供することを示す。
例5〜例8は先行技術の代表的な配位子、モノプロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリプロピレン
グリコール及びジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルは、本発明のジアルキレングリコールの使用により得
られることができる高いモリブデン濃度でモリブデンを
含有する安定なモリブデン含有触媒を生ずることがなか
つたことを示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は例1の生成物の赤外スペクトルを示す。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式、 (式中、R〜Rの少なくとも1員及びR〜R
    少なくとも1員は1〜4個の炭素原子のアルキル基であ
    りそしてR〜R及びR〜Rの残りの部員は各々
    独立して水素および1〜4個の炭素原子のアルキル基か
    らなる群から選ばれる)で表されるモリブデンジオキソ
    ジアルキレングリコレート化合物。
  2. 【請求項2】前記式中、R〜Rの少なくとも1員お
    よびR〜Rの少なくとも1員がメチルでありそして
    〜R及びR〜Rの残りの部員が、各々独立し
    て水素および1〜4個の炭素原子のアルキル基からなる
    群から選ばれる特許請求の範囲第1項に記載の化合物。
  3. 【請求項3】R〜Rの少なくとも1員及びR〜R
    の少なくとも1員がメチルでありそしてR〜R
    びR〜Rの残りの部員が各々水素である特許請求の
    範囲第1項に記載の化合物。
  4. 【請求項4】水を除去しながら、100℃〜150℃の
    温度で、三酸価モリブデンを、式 (式中、R〜Rの少なくとも1員及びR〜R
    少なくとも1員が1〜4個の炭素原子のアルキル基であ
    りそしてR〜R及びR〜Rの残りの部員が各々
    独立して水素および1〜4個の炭素原子のアルキル基か
    らなる群から選ばれる)に相当するジアルキレングリコ
    ールと反応させることを特徴とする式、 (式中、R〜Rは前述と同じ)で表されるモリブデ
    ンジオキソジアルキレングリコレート化合物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記式(II)において、R〜Rの少なく
    とも1員及びR〜Rの少なくとも1員がメチルであ
    りそしてR〜R及びR〜Rの残りの部員が各々
    独立して水素および1〜4個の炭素原子のアルキル基か
    らなる群から選ばれる特許請求の範囲第4項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】前記ジアルキレングリコールがジプロピレ
    ングリコールである特許請求の範囲第4項に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】反応混合物中に、分子状酸素含有ガス及び
    不活性ガスからなる群から選ばれたガスをパージするこ
    とにより水が除去される特許請求の範囲第4項に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】水が共沸剤の使用によって除去される特許
    請求の範囲第4項に記載の方法。
  9. 【請求項9】水が脱水剤の使用によって除去される特許
    請求の範囲第4項に記載の方法。
  10. 【請求項10】ジアルキレングリコールがジプロピレン
    グリコールである特許請求の範囲第7項に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記反応が120℃〜140℃の温度で
    行われる特許請求の範囲第10項に記載の方法。
  12. 【請求項12】水の除去が、反応混合物中に空気をパー
    ジすることにより達成される特許請求の範囲第11項に
    記載の方法。
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