JPH0662402B2 - 臭素化ペルフルオロカーボンエマルジョン及びその製造方法 - Google Patents

臭素化ペルフルオロカーボンエマルジョン及びその製造方法

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JPH0662402B2
JPH0662402B2 JP62005201A JP520187A JPH0662402B2 JP H0662402 B2 JPH0662402 B2 JP H0662402B2 JP 62005201 A JP62005201 A JP 62005201A JP 520187 A JP520187 A JP 520187A JP H0662402 B2 JPH0662402 B2 JP H0662402B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、無毒性酸素運搬・コントラスト増強剤、およ
びその製造方法に関する。より詳しくいうと、滅菌がで
き、しかも人間を含む動物に使用する際、静脈注射用に
適した安定なエマルジョンであって、このエマルジョン
は、安定化剤が確実に存在している不連続な相をなす臭
素化ペルフルオロカーボンからなっている。
(従来の技術およびその問題点) 少量の乳化剤を含む水性エマルジョン状のモノ臭素化環
式および非環式ペルフルオロカーボンは、放射線不透物
質および酸素受渡し用として、人間を含む動物に医学的
に使用されている。
酸素は、例えば、ペルフルオロオクチルブロミドに非常
によく溶ける。そのことは、ロング(Long)による米国特
許第3,818,229号、同第3,975,512号、および同第4,073,
879号各明細書を参照されたい。
従来、フルオロカーボンを、血液代用物中の酸素運搬
物、即ち担体として使用する努力を行なってきたが、あ
る問題点にぶつかった。その不可欠なものが、純度、無
毒性、化学的および生物学的不活性、ならびに排泄性で
ある。
乳化フルオロカーボンは、好ましくは、熱による滅菌が
可能であり、流体即ち非凍結状態における長時間の大き
さおよび機能的な安定性を持っていることが必要であ
り、工業化でき、かつ血管に使用した際、血中に長時間
存続するとともに、体外へ速やかに排泄できることが必
要である。
これまで、身体から排泄時間が速いフルオロカーボン
は、安定したエマルジョンを形成せず、また安定なエマ
ルジョンを形成するフルオロカーボンは、体内に非常に
長くとどまるものと、見做されてきた。
非臭素化ペルフルオロカーボンは、エマルジョンの安定
性と分子量との間では直接的関係を示し、かつ分子量
と、動物体からの排泄量との間では、逆の関係を示す。
この種のフルオロカーボンは、両方共不適当であり、そ
れらを量的に組合わせようとしても、個々の問題点を結
合させたに過ぎなくなる。
静脈注射に使用するには、粒子の大きさが小さいことが
大切である。
しかし、フルオロカーボン血液代用物、即ち人工血液を
長期保存のため、その寿命を1カ月より長くすると、特
に加熱殺菌後、エマルジョンのフルオロカーボン粒子が
寄り集まって、大きい粒子になってしまう。
目的とするものの一般的議論、およびフルオロカーボン
血液代用物における目的達成上の努力と問題点に係る検
討に関しては、8 アーティフィシャル・オーガンス(Ar
tificial Organs)、34〜56ページ(1984年)に載ってい
るジーン・ジー・リース(Jean G. Riess)による、「第
2世代血液代用物に対するペルフルオロ製剤の選定に係
る判定基準評価:構造/性質関係の分析」を参照された
い。
大きい粒子を静脈注射に用いると、それらが、肺、脾
臓、その他の臓器に集中して、肥大化させ、それらの機
能を危険に陥れることがある一方、フルオロカーボンを
コントラスト増強剤として使用する場合、腫瘍部などの
ところに集めるため、フルオロカーボンの粒子が或る程
度大きいものである必要がある。また、身体の非静脈
系、例えば、髄液の小室や空洞に用いる場合は、粒子が
大きくても問題にならない。
(発明の目的) 本発明の目的は、酸素運搬特性、ならびにエマルジョン
の保存性が優れ、毒性が更に低く殆ど見受けられない改
良型ブロモフルオロカーボンを提供することである。
(好適実施例の説明) 本発明は、モノ臭素化、ペルフルオロカーボンエマルジ
ョンを提供するものである。
酸素運搬剤として好適なブロモフルオロカーボンエマル
ジョンは、少量の乳化剤を含むモノ臭素化ペルフルオロ
カーボンのほかに、ブロモフルオロカーボン粒子の膜を
安定化するのに有用であると信じられている化合物を含
んでいる。
化合物は、ステロイドホルモン、コレステロール、トコ
フェロール、およびそれらの混合物である。
式CF3(CF2)6CF2Br 若しくはC8F17Brで示されるペルフル
オルオクチルブロミドか、またはペルフルオロヘキシル
ブロミド(C6F13Br)若しくはベルフルオロセプトブロミ
ド(C7F15Br)のような関連の臭素化ペルフルオロカーボ
ンの粒子に、ホスファチジルコリンとともに乳化された
コレステロールと、抗酸化剤としてのトロフェロールと
を結合させた9α-フッ素化コルチコステロイドが、好適
である。
粒子の安定性は、20〜125w/v%のブロモフルオロカーボ
ンの望ましい粘度を有するエマルジョンによって維持さ
れる。
本明細書においては、容積当りの重量、即ち、w/vとい
う表現を用いる。これは、100ml当り100gという比率
が、同量の意味、即ち数学的にそれらが同一であること
を表わすものであると理解されたい。
20〜100w/v%の濃度を有するエマルジョンは、人間の血
液より低いチキソトロープ粘度を有している。ペルフル
オロオクチルブロミドは、臭素化ペルフルオロカーボン
にチキソトロピー性があるため、動物の身体から急速に
排泄されるものと、見做されている。
とにかく、分子量が大きいことと、安定性が高いに拘わ
らず、モノ臭素化ペルフルオロカーボンは、動物体から
排泄される相当に高い排泄速度を有している。
エマルジョンをコントラスト増強剤として使う時のよう
に臭化物濃度を高くして用いる場合とか、大量な量によ
る衝撃を最低限にすべき血管内注射により、大量の酸素
運搬が要求される場合には、高濃度のエマルジョンが好
適である。
確実とは云えないにしても、このように適切でかつ安定
な高濃度のブロモフルオロカーボンエマルジョンが可能
である理由は、(1) 臭素化ペルフルオロカーボンの分子
量が相当に大きいためと、(2)臭素と、後段で述べるリ
ン脂質乳化物との間に優れた結合状態があるためである
と、考えられる。
好適な乳化剤は、リン脂質、陰イオン界面活性剤、また
はフッ素化界面活性剤である。
好適なリン脂質は、ホスファチジルコリンのようなレシ
チンである。リン脂質は、血液中での生物構成要素であ
り、しかも、動物の体液中に存在するマクロファージと
かその他の微生物によって簡単に食されることはない。
従って、このエマルジョンは、マクロファージや、動物
体の別の微生物の攻撃を受けない。
好適な陰イオン界面活性剤は、プルロニック(Pluronic)
のようなポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共
重合体である。
好適なフッ素化界面活性剤は、XMO 10およびXMO 20であ
る。
リン脂質乳化剤は、容積当りの重量で2〜14gの範囲と
すべきである。好適な量は、75w/v%の濃度のブロモフル
オロカーボンに対しては、容積当りの重量で6gであ
り、また100%濃度のブロモフルオロカーボンに対して
は、容積当りの重量で7gである。
リン脂質レシチンは、親水性、および疎水性即ち親油性
の両方の性質を有しており、従って、ペルフルオロカー
ボン粒子に対する好適な乳化剤である。
本発明の1実施例によれば、付加化合物が、エマルジョ
ン中で、粒子の一部を形成している。この付加成分は、
エマルジョンの連続水相に対し、不連続粒子の膜を一層
よく適合させ、かつ強化させるのに有効であると、信じ
られている。
付加成分として、トロフェロール、ステロイドホルモ
ン、コレステロールを使用でき、好ましくは、これら3
成分の組合せ物である。
好適なステロイドホルモンには、フッ素化コルチコステ
ロイド、フッ素化アンドロゲン、ならびにプロゲステロ
ンおよびエストロゲンのような非フッ素化ホルモンがあ
る。
好適なステロイドは、9αか、6αの位置でフッ素化され
たものであり、例として、9α-フルオロ-16α−メチル
プレドニソロン、9α-フルオロ-16β-メチルプレドニソ
ロン、9α-フルオロ-16α−ヒドロキシプレドニソロ
ン、6α-フルオロ-16α−メチルプレドニソロン、およ
びこれらのコルチコステロイドの組合せ物が挙げられ
る。
実際に起こる反応、つまり膜の構造は、知られていない
が、フッ素化コルチコステロイド中のフッ素と、ブロモ
フルオロカーボン中のフッ素との親和性により、ステロ
イドとペルフルオロカーボン粒子との間に、適合性のよ
い確実な結合がつくられ、エマルジョンの不連続相にお
いて、ペルフルオロカーボンに対する更に安定な膜が形
成されるものと、見做されている。
赤血球は、フルオロカーボン粒子の膜と結び付くように
取り除かれる細胞膜にコレステロールを有し、かつフル
オロカーボン粒子と密接な結合を形成するとともに、前
記粒子に対する親和性を備えていると、見做されてい
る。
コレステロールの被膜を有しているフルオロカーボン粒
子は、コレステロールの赤血球からの除去を妨げるもの
と、考えられる。同様に、トコフェロールおよびステロ
イドホルモンは、ペルフルオロカーボン粒子の膜の安定
性を高める。
9α-フルオロ-16α-メチルプレドニソロン、9α-フルオ
ロ-16β-メチルプレドニソロン、および必要に応じ、そ
れらと結合される他の付加成分からなるステロイドは、
エマルジョン中に、容積当りの重量(w/v)で0.5〜5mg
(即ち、0.0001〜0.005%)の量を含んでいなければなら
ない。この量の6倍の、9α-フルオロ-16α-ヒドロキシ
プレドニソロンおよび付加的結合成分からなるステロイ
ドを使用できる。6α-フルオロ-16α-メチルプレドニソ
ロンおよびあらゆる付加成分からなるステロイドを使用
する場合、所定の範囲の3倍量を使用できる。
付加成分の実際の量は、所定投与量、および最終的エマ
ルジョン中のブロモフルオロカーボンの量の関数であ
る。
本明細書において用いられる「生物適合」なる用語は、
適合しうる量を表わし、その量を超えると、生物適合可
能な要素を含むエマルジョンが導入される生物体系に毒
性が現われる、という意味である。
ステロイドおよびコレステロールには、生物適合限界が
ある。
ステロイドおよびコレステロールの付加的量は、生物適
合可能な量で使用されるが、所定の範囲は、粒子の安定
性とともに、動物体の血液系および他の体液系における
赤血球や他の成分との有効な適合性を達成しうるに十分
な程度とされる。
エマルジョンには、他の栄養素、例えばグルコース、ア
ミノ酸、タン白質および脂質のようなものが加えられ
る。
ペルフルオロカーボン、特に、本発明によるモノ臭素化
ペルフルオロカーボンには、酸素が高濃度に溶解しう
る。
本発明を酸素運搬剤として使用する際、血管系を通して
酸素を輸送するため、また血管内の滞留時間を長くする
ため、ある一定時間、酸素をペルフルオロカーボン粒子
の一部として維持させることが大切である。
α-トコフェロールのようなトコフェロール、およびト
ロフェロールの水溶性類似体は、急速な酸化を遅らせる
好適な抗酸化剤である。そのほか、有用な抗酸化剤は、
アスコルビン酸およびアスコルビン酸カルシウムであ
る。
エマルジョンの安定性を低下させる脂質乳化剤の酸化を
遅らせるため、エマルジョンに対して、0.1〜0.5w/v%
の抗酸化剤を加える。
抗酸化剤はまた、生物系に有害なスーパーオキシドまた
はヒドロキシル原子のような遊離基を消滅させる。
人間を含む動物の血流以外、例えば、脳脊髄系、眼、気
管気管支系などで、コントラスト増強および酸素運搬用
に使用する場合、粒子は、大きいものが使用でき、むし
ろその方が都合よい。
大きい粒子のほうが、酸素のようなガスの一層均一な配
分を行なうことができる。血流に使う際、粒子の大部
分、即ち95%程度が400nm以下で、しかも平均が150n
m以下の粒径が好ましいとされる。
有効酸素の脱酸素化は、主として、血流の毛管内で起こ
るため、酸素を、これらの毛管内に与えるには、小粒径
のブロモフルオロカーボンがよい。
血流で使う場合でも、また非血管系で使われるエマルジ
ョンの場合でも、このような粒径にすることは、少なく
とも1カ月から18カ月またはそれ以上の間、粒子を安定
に保つ上で重要である。
本発明者は、ゴーリン(Gaulin)ミキサーを使用する均質
化技術のような従来の細粒化方法を用い、数百nm程の
非常に小さい粒径のペルフルオロカーボンエマルジョン
を、量産しうる規模でつくることに成功した。
このような技術で製造されるブロモペルフルオロカーボ
ンエマルジョンは、ブロモペルフルオロカーボンの濃度
が、50w/v%という程度に相当に低い場合、よく安定する
ようである。
ゴーリン・ミキサーを用い、w/v濃度が50%、75%、お
よびそれ以上あり、かつ平均粒径が 200nm以下のブロ
モペルフルオロカーボンエマルジョンを量産規模でつく
るべく試みたが、失敗であった。これらの高濃度のブロ
モペルフルオロカーボンエマルジョンを観察すると、平
均粒径が、 200nm以上であった。
リン脂質を含む水相状の高濃度モノ臭素化ペルフルオロ
カーボンエマルジョンに関し、長時間にわたり安定性を
有する小粒径のものは、多流衝突装置を使ってエマルジ
ョンを形成する際に達成された。
そして、本発明は特に、50w/v%、75w/v%お
よびそれ以上の濃度のブロモペルフルオロカーボンを含
み、かつ長時間にわたって安定な小粒径を維持し得るエ
マルジョンを提供するものである。
水相に、緩衝剤である一リン酸ナトリウムおよび二リン
酸ナトリウムを加え、最終エマルジョンのpH領域を6.8
〜7.2とした。
血流に使用する際、エマルジョンの浸透性を調整するた
め、水相にグリセロール溶液を加えた。このように緩衝
作用を持たせ、グリセロール溶液となった水相を、ビヒ
クルと呼ぶ。
予め決めて計られた量のブロモフルオロカーボンを、中
に乳化剤が混入されているビヒクル即ち水相に入れた。
できた混合物を、複数の流路に分枝されている流路に置
いた。流れは、281kg/cm2(4000ポンド/平行インチ)がそ
れ以上の圧力下の空洞中で、毎秒457m(1500フィート)
の速度で相互に激しく衝突し合うよう向きを変えられ
た。
その結果できたブロモフルオロカーボン粒子は、95%以
上が350nmより小さく、かつ平均が150nmという粒径
になった。このような粒径であれば、加熱法とか濾過法
による滅菌後でも、16カ月まで安定状態を保たせること
ができた。
(実施例) 本発明を、以下の実施例に基づき、更に詳しく説明す
る。
実施例1 180gから220gの雌のラットに対し、輸血を実施した。ラ
ットを麻酔し、左側又は右側の頚静脈と頚動脈に、ポリ
エチレンカテーテルを挿入した。麻酔から回復した後
に、ラットを、50%から60%の酸素を含む大気中に置い
た。
頚動脈から血を除去し、ペルフルオルオクチルブロミド
25w/v%、レシチン4w/v%、L-α-トコフェロール0.04
w/v%、グリセロール2.21w/v%、二燐酸ナトリウム0.01
2w/v%、一燐酸ナトリウム0.057w/v%、及び水相を含む
臭素化ペルフルオロカーボンエマルジョンの同様量を加
えた。
ラットの赤血球量が、基線値の50%に減少する迄、交換
を続行した。24時間、ラットを、酸素を多く含んだ大気
内に置いた。その後、通常の大気中に移された。すべて
のラットは、1カ月以上生存した。
実施例II 実施例Iと同様な実験を繰り返したが、臭素化ペルフル
オロカーボンエマルジョンに含まれるペルフルオロオク
チルブロミドの量が、50w/v%である点だけが相違し
た。すべての他の要因は同じであった。すべてのラット
は、1カ月以上生存した。
実施例III バルブ(Balb)Cのマウスに対し、体重1kgに付き、45g
の臭素化ペルフルオロカーボンエマルジョン45gを静脈
内に投与した。更に、腹膜内に、体重1kgに付き、100g
の臭素化ペルフルオロカーボンエマルジョンを投与し
た。
エマルジョンは、ペルフルオロオクチルブロミド100w/v
%、レシチン9.1w/v%、6-α-フルオロ-16-αメチルプ
レドニゾロン 0.02w/v%、α-トコフェロール0.2w/v
%、グリセロール1.0w/v%、二燐酸ナトリウム0.012w/v
%、一燐酸ナトリウム0.057w/v%、及び水相を含んでい
る。
7時間後、肝臓と脾臓は拡張したが、腹膜内の空所に炎
症を生ぜず、また肺も正常だ酸素で満されていた。出
血、肺の充血、腹部壁の細胞組織に炎症の徴候は現れな
かった。
実施例IV 一臭素化ペルフルオロカーボンエマルジョンは、ペルフ
ルオロオクチルブロミド100w/v%、レシチン9.1w/v%、
6-α-フルオロ-16-α-メチルプレドニゾロン0.02w/v
%、α-トコフェロール0.2w/v%、グリセロール1.0w/v
%、二燐酸ナトリウム 0.012w/v%、一燐酸ナトリウム
0.057w/v%及び水相を含んでいた。
このエマルジョンは、まずレシチン、6−α-フルオロ-1
6-α-メチルプレドニゾロン、α-トコフェロール、グリ
セロール、二燐酸ナトリウム、一燐酸ナトリウムを混合
し、連続した水相の賦形剤を作ることにより調製した。
混合しながら、賦形剤に、特定の量で、ペルフルオロオ
クチルブロミドを添加した。
生成したエマルジョンを、10℃で微流動化装置に通し
た。即ち、複数のエマルジョン流を、毎秒450m(1500フ
ィート)以上の速度で、この装置に15回通過させて、互
いに衝突させた。
粒子の大きさの分布率を、米国カリフォルニア州アナハ
イムのパシフィック・サイエンティフィック・カンパニ
ー(Pacific Scientific Co.)で製造されたニーコンプ(N
icomp)・サブミクロン・パーチクル・サイザーで分析し
た。
この装置のダイナミック・ライト・スキャッタリング(d
ynamic light scattering)法により、種々の大きさの粒
子の相対量を測定した。次の第I表において、第1欄
は、粒子の大きさを10-9mで示し、第2欄は、対応する
粒子の大きさで検出された粒子の相対的量の値を示して
いる。
次に、90℃で15分間、エマルジョンを殺菌した。殺菌の
後に、ニーコンプ・エマルジョン粒子サイズの性質を、
ニーコンプ・パーチクル サイザーで測定した。第II表
に示した結果は、各欄において、第I表と同一の性質を
示しており、粒子の大きさに、劣化も変化も生じなかっ
た。
実施例V 実施例IVと同様なニーコンプ・サブミクロン・パーチク
ルサイザーで粒子の大きさを分析することにより、長時
間経過後の、エマルジョンの粒子の大きさの安定度を検
討した。臭素化ペルフルオロカーボンエマルジョンを、
まず前記の方法で生成した。
その成分は、ペルフルオロオクチルブロミド25w/v%、
レシチン4w/v%、L−α-トコフェロール0.04w/v%、グ
リセロール2.21w/v%、二燐酸ナトリウム 0.012w/v%、
一燐酸ナトリウム0.057w/v%、及び水相であった。
エマルジョンを製造した後で、すぐに分析したところ、
次の第III表のような粒子の大きさの相対量が測定され
た。各欄と単位は、実施例IVにおける表と同じである。
保存の間に、種々の説明のために、温度を変化させ、4
℃以上に、しばしば上昇させたが、大体、エマルジョン
は4℃に保存された。第III表に挙げた分析の後に、15
カ月と22日間、保存し、ニーコンプ・パーチクルサイザ
ーを使用して、ほぼ同様な第2回目の分析を行った。こ
の第2回目の分析を結果は第IV表に示されている。各欄
とその単位は、実施例IVにおける表と同様である。
以上の、本発明生成物、組成物及び方法についての実施
例は、単に本発明の実施例に過ぎず、特許請求の範囲を
逸脱しない限り、当業者に可能な他の実施例、変形例も
可能である。
前述の実施例と、他の追加の実施例も、本発明の範囲内
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−32829(JP,A) Chem.Abstr.90(8): 61212a

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水相と、リン脂質からなる乳化剤と、50
    w/v%以上の臭素化ペルフルオロカーボンとを含み、
    かつ動物体内の細胞組織に酸素を運搬し得る臭素化ペル
    フルオロカーボンエマルジョン。
  2. 【請求項2】加熱殺菌の後の不凍状態において、乳化ペ
    ルフルオロカーボンの95%が、4×10−7m以下の
    粒子の大きさを有し、1.5×10−7m以下の平均粒
    径である、特許請求の範囲第1項に記載のエマルジョ
    ン。
  3. 【請求項3】乳化ペルフルオロカーボンの95%が、4
    ×10−7m以下の粒子の大きさで、1.5×10−7
    m以下の平均粒径を有する状態で、1ヵ月以上存在す
    る、特許請求の範囲第1項に記載のエマルジョン。
  4. 【請求項4】コレステロール、ステロイドホルモン、ト
    コフェロール及びそれらの組合わせからなる群より選択
    された化合物を生体内に共存し得る量で含む、特許請求
    の範囲第1項または第3項に記載のエマルジョン。
  5. 【請求項5】前記リン脂質がレシチンである、特許請求
    の範囲第1項、第3項または第4項に記載のエマルジョ
    ン。
  6. 【請求項6】前記化合物が、ステロイドホルモンとコレ
    ステロールとの組合わせよりなる、特許請求の範囲第4
    項に記載のエマルジョン。
  7. 【請求項7】前記ステロイドホルモンが、フッ化ステロ
    イドである、特許請求の範囲第4項に記載のエマルジョ
    ン。
  8. 【請求項8】ステロイドが、9αの位置または6αの位
    置でフッ素を有している、特許請求の範囲第7項に記載
    のエマルジョン。
  9. 【請求項9】ステロイドが、9−α−フルオロ−16−
    α−メチルプレドニゾロン、9−α−フルオロ−16−
    β−メチルプレドニゾロン、9−α−フルオロ−16−
    α−ヒドロキシプレドニゾロン、6−α−フルオロ−1
    6−α−メチルプレドニゾロン及びそれらの組合わせか
    らなる群より選択される、特許請求の範囲第8項に記載
    のエマルジョン。
  10. 【請求項10】酸化防止剤を含む、特許請求の範囲第1
    項または第4項に記載のエマルジョン。
  11. 【請求項11】前記酸化防止剤が、トコフェロールまた
    はその水溶性類似体である、特許請求の範囲第10項に
    記載のエマルジョン。
  12. 【請求項12】前記酸化防止剤が、アスコルビン酸また
    はアスコルビン酸カルシウムである、特許請求の範囲第
    10項に記載のエマルジョン。
  13. 【請求項13】前記リン脂質がレシチンである、特許請
    求の範囲第9項に記載のエマルジョン。
  14. 【請求項14】前記化合物が、ステロイドホルモンとコ
    レステロールとの組合わせよりなる、特許請求の範囲第
    9項に記載のエマルジョン。
  15. 【請求項15】動物細胞に酸素を運搬し得、長期間、不
    凍状態で、粒子の大きさに安定性があり、動物体内にお
    いて、動物有機体による攻撃に対し抵抗力を有する臭素
    化ペルフルオロカーボンエマルジョンを製造する方法で
    あって、 (a) ステロイドホルモン、コレステロール、トコフ
    ェロール及びそれらの組合わせからなる群より選択され
    た化合物を、生体内に適合し得る量で含む、グリセロー
    ルの緩衝水溶液中に、リン脂質からなる乳化剤を分散さ
    せる工程、 (b) 臭素化ペルフルオロカーボンを、50w/v%
    から125w/v%の予め定めた割合で、(a)工程に
    おいて調製された液中に混合する工程、並びに (c)生成した混合物を複数の流れに分割し、少なくと
    も281.2kg/cm(4000psi)の圧力下
    で、前記分割された複数の流れについて互いに方向を変
    える工程よりなる、エマルジョンを製造する方法。
  16. 【請求項16】不凍状態で、長時間、大きさを安定に維
    持し得、動物細胞組織に、酸素を運搬し得る臭素化ペル
    フルオロカーボンエマルジョンを製造する方法であっ
    て、 (a) グリセロールの緩衝水溶液に、精製した乳化剤
    を分散させる工程、 (b) 工程(a)によって調製された液中に、臭素化
    ペルフルオロカーボン50w/v%から125w/v%
    を、予め決めた割合で混合する工程、並びに、 (c) 得られた混合物を、異なる複数の通路に流し、
    少なくとも281.2kg/cm(4000psi)
    の圧力で、前記通路を流した複数の流れの方向を互いに
    変える工程よりなる、エマルジョンの製造方法。
  17. 【請求項17】生成した混合物を、複数回、前記複数の
    通路に通し、この複数の流れを、少なくとも281.2
    kg/cm(4000psi)の圧力で、互いの方向
    を変える工程を更に含むことを特徴とする、特許請求の
    範囲第16項に記載のエマルジョンの製造方法。
  18. 【請求項18】複数の通路に混合物を通す工程が、45
    0m/sec(1500フィート/sec)の流速で行
    なわれる、特許請求の範囲第16項に記載のエマルジョ
    ンの製造方法。
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