JPH066161A - 弾性表面波装置及びその製造方法 - Google Patents
弾性表面波装置及びその製造方法Info
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- JPH066161A JPH066161A JP16563192A JP16563192A JPH066161A JP H066161 A JPH066161 A JP H066161A JP 16563192 A JP16563192 A JP 16563192A JP 16563192 A JP16563192 A JP 16563192A JP H066161 A JPH066161 A JP H066161A
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- resonance frequency
- acoustic wave
- wave device
- surface acoustic
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Abstract
(57)【要約】
【目的】共振周波数を簡単にしかも連続的に変化させる
ことができると共に、信頼性の高い弾性表面波装置及び
その製造方法を提供することを目的とする。 【構成】圧電基板10の表面中央にIDT電極12が形
成され、このIDT電極12の両側に一対の反射器1
4、16が形成された弾性表面波装置において、共振周
波数を調整するために反射器14、16の一部を金属層
18、20により覆うようにしている。金属層18、2
0の厚さ、幅、形成位置を変化させることにより共振周
波数の低下量を変化させて、所望の共振周波数に調整す
る。
ことができると共に、信頼性の高い弾性表面波装置及び
その製造方法を提供することを目的とする。 【構成】圧電基板10の表面中央にIDT電極12が形
成され、このIDT電極12の両側に一対の反射器1
4、16が形成された弾性表面波装置において、共振周
波数を調整するために反射器14、16の一部を金属層
18、20により覆うようにしている。金属層18、2
0の厚さ、幅、形成位置を変化させることにより共振周
波数の低下量を変化させて、所望の共振周波数に調整す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は弾性表面波装置及びその
製造方法、特に圧電基板上にIDT電極と反射器とが形
成された弾性表面波装置及びその製造方法に関する。
製造方法、特に圧電基板上にIDT電極と反射器とが形
成された弾性表面波装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波装置として、圧電基板上に少
なくとも一対のIDT電極が形成され、そのIDT電極
の両側に一対の反射器が形成されたフィルタや共振器、
発振器等の共振子型弾性表面波装置が知られている。こ
のような弾性表面波装置の共振周波数は、圧電基板上に
形成されたIDT電極及び反射器により定まり、形成後
に共振周波数を大きく変更することは原理的に困難であ
る。一方、弾性表面波装置の共振周波数は、IDT電極
及び反射器の電極の幅、厚さ、ピッチ等の誤差の影響を
強く受け、同一ウエーハから形成された弾性表面波装置
でも、共振周波数のバラツキは数百ppmから数千pp
mにも及ぶことがある。このため、弾性表面波発振器で
は数十ppm程度以下の発振周波数の調整が必要とさ
れ、弾性表面波フィルタ、特に狭帯域フィルタでは10
0ppm程度以下の共振周波数の調整が必要とされる。
なくとも一対のIDT電極が形成され、そのIDT電極
の両側に一対の反射器が形成されたフィルタや共振器、
発振器等の共振子型弾性表面波装置が知られている。こ
のような弾性表面波装置の共振周波数は、圧電基板上に
形成されたIDT電極及び反射器により定まり、形成後
に共振周波数を大きく変更することは原理的に困難であ
る。一方、弾性表面波装置の共振周波数は、IDT電極
及び反射器の電極の幅、厚さ、ピッチ等の誤差の影響を
強く受け、同一ウエーハから形成された弾性表面波装置
でも、共振周波数のバラツキは数百ppmから数千pp
mにも及ぶことがある。このため、弾性表面波発振器で
は数十ppm程度以下の発振周波数の調整が必要とさ
れ、弾性表面波フィルタ、特に狭帯域フィルタでは10
0ppm程度以下の共振周波数の調整が必要とされる。
【0003】弾性表面波装置の共振周波数を調整する従
来の方法としては、(1)圧電基板上に形成された反射
器の電極の一部をYAGレーザにより切断してレーザト
リミングする方法や、(2)IDT電極及び反射器を形
成後の圧電基板の全面にSiO2 膜やMgF2 膜等の誘
電体薄膜をスパッタ法や蒸着法等により形成する方法
(特開平2−36608号公報参照)が知られている。
来の方法としては、(1)圧電基板上に形成された反射
器の電極の一部をYAGレーザにより切断してレーザト
リミングする方法や、(2)IDT電極及び反射器を形
成後の圧電基板の全面にSiO2 膜やMgF2 膜等の誘
電体薄膜をスパッタ法や蒸着法等により形成する方法
(特開平2−36608号公報参照)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、反射器
の電極の一部をYAGレーザによりレーザトリミングす
る方法では、反射器の電極を1本ずつオープンにして周
波数を変化させるため、ステップ状に周波数が変化し、
連続的に周波数を調整することができないという問題が
あった。また、反射器のレーザトリミングには時間がか
かると共に周波数調整システム全体が複雑であるという
問題があった。
の電極の一部をYAGレーザによりレーザトリミングす
る方法では、反射器の電極を1本ずつオープンにして周
波数を変化させるため、ステップ状に周波数が変化し、
連続的に周波数を調整することができないという問題が
あった。また、反射器のレーザトリミングには時間がか
かると共に周波数調整システム全体が複雑であるという
問題があった。
【0005】また、IDT電極及び反射器上に誘電体薄
膜を形成する方法では、誘電体薄膜がIDT電極や反射
器の下地金属との密着性が悪く剥がれやすいという問題
があった。また、誘電体薄膜自体の質量が軽いため、周
波数を所望量変化させるためには誘電体薄膜の厚さを非
常に厚くしなくてはならず、誘電体薄膜の密着性がます
ます悪くなり信頼性の点で問題があった。
膜を形成する方法では、誘電体薄膜がIDT電極や反射
器の下地金属との密着性が悪く剥がれやすいという問題
があった。また、誘電体薄膜自体の質量が軽いため、周
波数を所望量変化させるためには誘電体薄膜の厚さを非
常に厚くしなくてはならず、誘電体薄膜の密着性がます
ます悪くなり信頼性の点で問題があった。
【0006】本発明の目的は、共振周波数を簡単にしか
も連続的に変化させることができると共に、信頼性の高
い弾性表面波装置及びその製造方法を提供することにあ
る。
も連続的に変化させることができると共に、信頼性の高
い弾性表面波装置及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、圧電基板
と、前記圧電基板上に形成された少なくとも一対のID
T電極と、前記圧電基板上の前記IDT電極の両側に形
成された一対の反射器とを有する弾性表面波装置におい
て、前記反射器の少なくとも一部分が、共振周波数を調
整するための金属層により覆われていることを特徴とす
る弾性表面波装置によって達成される。
と、前記圧電基板上に形成された少なくとも一対のID
T電極と、前記圧電基板上の前記IDT電極の両側に形
成された一対の反射器とを有する弾性表面波装置におい
て、前記反射器の少なくとも一部分が、共振周波数を調
整するための金属層により覆われていることを特徴とす
る弾性表面波装置によって達成される。
【0008】また、上記目的は、圧電基板と、前記圧電
基板上に形成された少なくとも一対のIDT電極と、前
記圧電基板上の前記IDT電極の両側に形成された一対
の反射器とを有する弾性表面波装置の製造方法におい
て、前記反射器の少なくとも一部分を覆う金属層の厚さ
及びその形成位置を変化させることにより共振周波数の
低下量を変化させて、所望の共振周波数に調整すること
を特徴とする弾性表面波装置の製造方法によって達成さ
れる。
基板上に形成された少なくとも一対のIDT電極と、前
記圧電基板上の前記IDT電極の両側に形成された一対
の反射器とを有する弾性表面波装置の製造方法におい
て、前記反射器の少なくとも一部分を覆う金属層の厚さ
及びその形成位置を変化させることにより共振周波数の
低下量を変化させて、所望の共振周波数に調整すること
を特徴とする弾性表面波装置の製造方法によって達成さ
れる。
【0009】
【作用】本発明によれば、反射器の少なくとも一部分を
覆う金属層の厚さ及びその形成位置を変化させることに
より共振周波数の低下量を変化させて調整するようにし
たので、共振周波数を連続的に高精度に調整することが
できる。また、反射器の下地金属と密着性がよく質量の
重い金属層により反射器の一部を覆うようにしたので、
共振周波数の調整が可能で信頼性の高い弾性表面波装置
を実現することができる。
覆う金属層の厚さ及びその形成位置を変化させることに
より共振周波数の低下量を変化させて調整するようにし
たので、共振周波数を連続的に高精度に調整することが
できる。また、反射器の下地金属と密着性がよく質量の
重い金属層により反射器の一部を覆うようにしたので、
共振周波数の調整が可能で信頼性の高い弾性表面波装置
を実現することができる。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例による弾性表面波装置を図
1乃至図4を用いて説明する。図1(a)は本実施例の
弾性表面波装置の平面図、図1(b)は本実施例の弾性
表面波装置の断面図である。本実施例の弾性表面波装置
の基本構造は、圧電基板10の表面中央にIDT電極1
2が形成され、このIDT電極12の両側に一対の反射
器14、16が形成された、共振子型フィルタや共振
器、発振器等の共振子型弾性表面波装置である。
1乃至図4を用いて説明する。図1(a)は本実施例の
弾性表面波装置の平面図、図1(b)は本実施例の弾性
表面波装置の断面図である。本実施例の弾性表面波装置
の基本構造は、圧電基板10の表面中央にIDT電極1
2が形成され、このIDT電極12の両側に一対の反射
器14、16が形成された、共振子型フィルタや共振
器、発振器等の共振子型弾性表面波装置である。
【0011】本実施例では、圧電基板10として水晶基
板を用い、IDT電極12及び反射器14、16として
約200nm厚のアルミニウム薄膜を用いている。ID
T電極12の各電極の幅は約3μmであり、電極間のピ
ッチは約6μmである。150対のアルミニウム電極に
よりIDT電極12が構成されている。反射器14、1
6の各電極の幅は約3μmであり、電極間のピッチは約
6μmである。400本のアルミニウム電極により反射
器14、16が構成されている。このように構成された
弾性表面波装置は、共振周波数(中心周波数)が約25
6MHzとなる。
板を用い、IDT電極12及び反射器14、16として
約200nm厚のアルミニウム薄膜を用いている。ID
T電極12の各電極の幅は約3μmであり、電極間のピ
ッチは約6μmである。150対のアルミニウム電極に
よりIDT電極12が構成されている。反射器14、1
6の各電極の幅は約3μmであり、電極間のピッチは約
6μmである。400本のアルミニウム電極により反射
器14、16が構成されている。このように構成された
弾性表面波装置は、共振周波数(中心周波数)が約25
6MHzとなる。
【0012】IDT電極12及び反射器14、16の電
極としては、圧電基板10上にアルミニウム薄膜が形成
された構造のものの他、誘電体層とアルミニウム層の2
層構造の構造でもよいし、圧電基板又は誘電体層中にア
ルミニウム層が埋め込まれた構造でもよい。本実施例で
は、IDT電極12と反射器14、16により定まる共
振周波数を調整するために、反射器14、16の一部を
金属層18、20により覆うようにしている。金属層1
8、20は銀からなり、図1に示すように、IDT電極
12に対して左右対称の位置の反射器14、16上に、
例えば蒸着またはスパッタリングにより、銀薄膜を堆積
することにより形成される。
極としては、圧電基板10上にアルミニウム薄膜が形成
された構造のものの他、誘電体層とアルミニウム層の2
層構造の構造でもよいし、圧電基板又は誘電体層中にア
ルミニウム層が埋め込まれた構造でもよい。本実施例で
は、IDT電極12と反射器14、16により定まる共
振周波数を調整するために、反射器14、16の一部を
金属層18、20により覆うようにしている。金属層1
8、20は銀からなり、図1に示すように、IDT電極
12に対して左右対称の位置の反射器14、16上に、
例えば蒸着またはスパッタリングにより、銀薄膜を堆積
することにより形成される。
【0013】本実施例の弾性表面波装置では、金属層1
8、20の厚さ、覆う電極の本数、形成位置により、共
振周波数の低下量を変化させることにより共振周波数を
調整する。その実験結果を図2乃至図4を用いて説明す
る。図2は、IDT電極12側から数えて201本目か
ら300本目の反射器14、16の金属電極を覆うよう
に金属層18、20を形成し、その金属層18、20の
膜厚を変化させた場合の周波数低下量を示すグラフであ
る。横軸は金属層18、20の膜厚を示し、縦軸は共振
周波数の低下量を示している。
8、20の厚さ、覆う電極の本数、形成位置により、共
振周波数の低下量を変化させることにより共振周波数を
調整する。その実験結果を図2乃至図4を用いて説明す
る。図2は、IDT電極12側から数えて201本目か
ら300本目の反射器14、16の金属電極を覆うよう
に金属層18、20を形成し、その金属層18、20の
膜厚を変化させた場合の周波数低下量を示すグラフであ
る。横軸は金属層18、20の膜厚を示し、縦軸は共振
周波数の低下量を示している。
【0014】図2のグラフから、金属層18、20の幅
及び形成位置が同じであれば、その膜厚が厚くなるほど
周波数の低下量が増大することがわかる。例えば、金属
層18、20の膜厚が10nmの場合には、共振周波数
の低下量は108ppmとなり、256MHzの共振周
波数を0.027648MHz(=256MHz×10
8×10-6)だけ調整できるが、金属層18、20の膜
厚を50nmにすれば、共振周波数の低下量は242p
pmとなり、共振周波数の調整量は0.061952M
Hz(=256MHz×242×10-6)となる。
及び形成位置が同じであれば、その膜厚が厚くなるほど
周波数の低下量が増大することがわかる。例えば、金属
層18、20の膜厚が10nmの場合には、共振周波数
の低下量は108ppmとなり、256MHzの共振周
波数を0.027648MHz(=256MHz×10
8×10-6)だけ調整できるが、金属層18、20の膜
厚を50nmにすれば、共振周波数の低下量は242p
pmとなり、共振周波数の調整量は0.061952M
Hz(=256MHz×242×10-6)となる。
【0015】このように金属層18、20の膜厚を変化
させることにより、約100〜250ppm程度の周波
数の調整が可能である。図3は、100本の電極を覆う
だけの幅を有し、10nm厚の金属層18、20の形成
位置を変化させた場合の周波数低下量を示すグラフであ
る。横軸は反射器18、20全体の長さに対して、形成
される金属層18、20の中央の位置を相対値として示
し、縦軸は共振周波数の低下量を示している。
させることにより、約100〜250ppm程度の周波
数の調整が可能である。図3は、100本の電極を覆う
だけの幅を有し、10nm厚の金属層18、20の形成
位置を変化させた場合の周波数低下量を示すグラフであ
る。横軸は反射器18、20全体の長さに対して、形成
される金属層18、20の中央の位置を相対値として示
し、縦軸は共振周波数の低下量を示している。
【0016】図3の点(a)は、図4(a)に示すよう
に、IDT電極12側から数えて301本目から400
本目の反射器14、16の金属電極を覆うように金属層
18、20を形成した場合の周波数低下量を示し、図3
の点(b)は、図4(b)に示すように、IDT電極1
2側から数えて201本目から300本目の反射器1
4、16の金属電極を覆うように金属層18、20を形
成した場合の周波数低下量を示し、図3の点(c)は、
図4(c)に示すように、IDT電極12側から数えて
101本目から200本目の反射器14、16の金属電
極を覆うように金属層18、20を形成した場合の周波
数低下量を示し、図3の点(d)は、図4(d)に示す
ように、IDT電極12側から数えて1本目から100
本目の反射器14、16の金属電極を覆うように金属層
18、20を形成した場合の周波数低下量を示してい
る。
に、IDT電極12側から数えて301本目から400
本目の反射器14、16の金属電極を覆うように金属層
18、20を形成した場合の周波数低下量を示し、図3
の点(b)は、図4(b)に示すように、IDT電極1
2側から数えて201本目から300本目の反射器1
4、16の金属電極を覆うように金属層18、20を形
成した場合の周波数低下量を示し、図3の点(c)は、
図4(c)に示すように、IDT電極12側から数えて
101本目から200本目の反射器14、16の金属電
極を覆うように金属層18、20を形成した場合の周波
数低下量を示し、図3の点(d)は、図4(d)に示す
ように、IDT電極12側から数えて1本目から100
本目の反射器14、16の金属電極を覆うように金属層
18、20を形成した場合の周波数低下量を示してい
る。
【0017】図3のグラフから、金属層18、20の厚
さ及び幅が同じであれば、その形成位置がIDT電極1
2に近くなるほど周波数の低下量が増大することがわか
る。例えば、点(a)の場合には、共振周波数の低下量
は85ppmとなり、256MHzの共振周波数が0.
021760MHz(=256MHz×85×10 -6)
だけ調整できるが、点(d)の場合には、共振周波数の
低下量は185ppmとなり、256MHzの共振周波
数の調整量は0.047360MHz(=256MHz
×185×10-6)となる。
さ及び幅が同じであれば、その形成位置がIDT電極1
2に近くなるほど周波数の低下量が増大することがわか
る。例えば、点(a)の場合には、共振周波数の低下量
は85ppmとなり、256MHzの共振周波数が0.
021760MHz(=256MHz×85×10 -6)
だけ調整できるが、点(d)の場合には、共振周波数の
低下量は185ppmとなり、256MHzの共振周波
数の調整量は0.047360MHz(=256MHz
×185×10-6)となる。
【0018】このように金属層18、20の形成位置を
変化させることにより、約80〜200ppm程度の周
波数の調整が可能である。また、グラフとしては示さな
かったが、金属層18、20の幅を変化させて覆う金属
電極の本数を変化させることによっても、共振周波数の
低下量を調整することができる。金属層18、20の厚
さ及び形成位置が同じであれば、その幅が広くなるほど
共振周波数の低下量が増大する傾向にある。
変化させることにより、約80〜200ppm程度の周
波数の調整が可能である。また、グラフとしては示さな
かったが、金属層18、20の幅を変化させて覆う金属
電極の本数を変化させることによっても、共振周波数の
低下量を調整することができる。金属層18、20の厚
さ及び形成位置が同じであれば、その幅が広くなるほど
共振周波数の低下量が増大する傾向にある。
【0019】以上の通り、本実施例によれば、金属層の
厚さ、幅、形成位置をそれぞれ変化させることにより、
共振周波数を任意の量だけ連続的に調整することができ
る。なお、本実施例において金属層の厚さ、幅、形成位
置を種々変化させたが、弾性表面波装置の等価抵抗はほ
とんど変化することがなく問題がなかった。また、本実
施例として製造した弾性表面波装置をエージング評価の
ために、125℃の高温で約600時間エージングした
が、共振周波数の変化量は10ppm以内であり、極め
て安定している。
厚さ、幅、形成位置をそれぞれ変化させることにより、
共振周波数を任意の量だけ連続的に調整することができ
る。なお、本実施例において金属層の厚さ、幅、形成位
置を種々変化させたが、弾性表面波装置の等価抵抗はほ
とんど変化することがなく問題がなかった。また、本実
施例として製造した弾性表面波装置をエージング評価の
ために、125℃の高温で約600時間エージングした
が、共振周波数の変化量は10ppm以内であり、極め
て安定している。
【0020】本実施例による弾性表面波装置の製造方法
について説明する。まず、圧電基板10全面にアルミニ
ウム薄膜を形成し、このアルミニウム薄膜をパターニン
グしてIDT電極12及び反射器14、16を形成す
る。この状態で弾性表面波装置の共振周波数を測定す
る。測定された共振周波数と所望の共振周波数との差に
応じて必要な調整量を算出し、図2又は図3のグラフに
基づいて金属層18、20の厚さ、幅、形成位置を決定
する。続いて、全面に金属層を形成し、この決定に基づ
いた形状にパターニングして金属層18、20を形成
し、共振周波数を調整する。
について説明する。まず、圧電基板10全面にアルミニ
ウム薄膜を形成し、このアルミニウム薄膜をパターニン
グしてIDT電極12及び反射器14、16を形成す
る。この状態で弾性表面波装置の共振周波数を測定す
る。測定された共振周波数と所望の共振周波数との差に
応じて必要な調整量を算出し、図2又は図3のグラフに
基づいて金属層18、20の厚さ、幅、形成位置を決定
する。続いて、全面に金属層を形成し、この決定に基づ
いた形状にパターニングして金属層18、20を形成
し、共振周波数を調整する。
【0021】本発明は上記実施例に限らず種々の変形が
可能である。例えば、上記実施例では、IDT電極に対
して反射器上の左右対称の位置に金属層を形成したが、
必ずしも左右対称に形成しなくともよい。よりきめ細か
な周波数の調整が可能である。また、上記実施例では、
弾性表面波装置のIDT電極が一対であったが、複数対
のIDT電極を有する弾性表面波装置にも本発明を適用
することができる。
可能である。例えば、上記実施例では、IDT電極に対
して反射器上の左右対称の位置に金属層を形成したが、
必ずしも左右対称に形成しなくともよい。よりきめ細か
な周波数の調整が可能である。また、上記実施例では、
弾性表面波装置のIDT電極が一対であったが、複数対
のIDT電極を有する弾性表面波装置にも本発明を適用
することができる。
【0022】さらに、上記実施例では、共振子型弾性表
面波装置であったが、グルーブ型の弾性表面波共振器に
も適用することができる。
面波装置であったが、グルーブ型の弾性表面波共振器に
も適用することができる。
【0023】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、反射器の
少なくとも一部分を覆う金属層の厚さ及びその形成位置
を変化させることにより共振周波数の低下量を変化させ
て調整するようにしたので、共振周波数を連続的に高精
度に調整することができる。また、反射器の下地金属と
密着性がよく質量の重い金属層により反射器の一部を覆
うようにしたので、共振周波数の調整が可能で信頼性の
高い弾性表面波装置を実現することができる。したがっ
て、本発明によれば、弾性表面波装置の実装組立後にお
いても所望の共振周波数に容易に調整することができ、
工業的に非常に有用である。
少なくとも一部分を覆う金属層の厚さ及びその形成位置
を変化させることにより共振周波数の低下量を変化させ
て調整するようにしたので、共振周波数を連続的に高精
度に調整することができる。また、反射器の下地金属と
密着性がよく質量の重い金属層により反射器の一部を覆
うようにしたので、共振周波数の調整が可能で信頼性の
高い弾性表面波装置を実現することができる。したがっ
て、本発明によれば、弾性表面波装置の実装組立後にお
いても所望の共振周波数に容易に調整することができ、
工業的に非常に有用である。
【図1】本発明の一実施例による弾性表面波装置を示す
図である。
図である。
【図2】弾性表面波装置における金属層の膜厚と周波数
低下量の関係を示すグラフである。
低下量の関係を示すグラフである。
【図3】弾性表面波装置における金属層の形成位置と周
波数低下量の関係を示すグラフである。
波数低下量の関係を示すグラフである。
【図4】図3のグラフにおいて弾性表面波装置の金属層
の形成位置を示す図である。
の形成位置を示す図である。
10…圧電基板 12…IDT電極 14、16…反射器 18、20…金属層
Claims (2)
- 【請求項1】 圧電基板と、前記圧電基板上に形成され
た少なくとも一対のIDT電極と、前記圧電基板上の前
記IDT電極の両側に形成された一対の反射器とを有す
る弾性表面波装置において、 前記反射器の少なくとも一部分が、共振周波数を調整す
るための金属層により覆われていることを特徴とする弾
性表面波装置。 - 【請求項2】 圧電基板と、前記圧電基板上に形成され
た少なくとも一対のIDT電極と、前記圧電基板上の前
記IDT電極の両側に形成された一対の反射器とを有す
る弾性表面波装置の製造方法において、 前記反射器の少なくとも一部分を覆う金属層の厚さ及び
その形成位置を変化させることにより共振周波数の低下
量を変化させて、所望の共振周波数に調整することを特
徴とする弾性表面波装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16563192A JPH066161A (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 弾性表面波装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16563192A JPH066161A (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 弾性表面波装置及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH066161A true JPH066161A (ja) | 1994-01-14 |
Family
ID=15816037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16563192A Pending JPH066161A (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 弾性表面波装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH066161A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010041096A (ja) * | 2008-07-31 | 2010-02-18 | Fujitsu Ltd | 弾性波デバイス |
WO2018088118A1 (ja) * | 2016-11-09 | 2018-05-17 | 株式会社村田製作所 | 弾性波装置、高周波フロントエンド回路及び通信装置 |
-
1992
- 1992-06-24 JP JP16563192A patent/JPH066161A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109937534A (zh) * | 2016-11-09 | 2019-06-25 | 株式会社村田制作所 | 弹性波装置、高频前端电路以及通信装置 |
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US10826458B2 (en) | 2016-11-09 | 2020-11-03 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Elastic wave device, high-frequency front-end circuit, and communication device |
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