JPH0661263U

JPH0661263U - ゴルフ用クラブヘッド

Info

Publication number: JPH0661263U
Application number: JP003886U
Authority: JP
Inventors: 光男羅
Original assignee: 光男羅
Priority date: 1993-02-10
Filing date: 1993-02-10
Publication date: 1994-08-30

Abstract

(57)【要約】【目的】クラブヘッド本体の鋳造時の中子砂を容易に取
り出すことができるようにするとともに、溶接の必要性
をなくし、かつ、打球時の衝撃力を緩和してクラブヘッ
ド全体に分布させ、クラブヘッドの強度を向上するとと
もにゴルフクラブの耐用期間を長くする。【構成】アルミ合金によって鋳造成型され、その内部に
中子によって形成された中空部（１１）を有するクラブ
ヘッド本体（１０）のクラブフェイスに、適当な深さの
凹部（１２）を形成し、凹部（１２）のほぼ中央に上記
中空部（１１）と連通する中子砂取出口（１３）を開設
して、中空部（１１）より中子砂を取出したあと、さら
に炭素繊維強化樹脂でなる板片（２０）を凹部（１２）
に接着固定して中子砂取出口（１３）を密閉する。【効果】クラブヘッド全体の機械強度や応力分布の不均
衡が生じず、打球時の衝撃力を吸収緩和でき、クラブヘ
ッド自体の耐久性が向上する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ゴルフ用クラブヘッドに関し、特に金属製クラブヘッド本体のクラブフェイスに炭素繊維強化樹脂材料の板片を固着したゴルフ用複合クラブヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４は従来の製造方法に基づいて製造されたクラブヘッドの一例を示しており、このクラブヘッドは、シェル本体１と上蓋２により構成されている。クラブヘッドの製造に際し、シェル本体１と上蓋２はそれぞれ別々に鋳造され、かつシェル本体１内部に中空部１ａを設けて、中空部１ａの上方に形成された開口部１ｂから中子砂は取出される。その後、中空部１ａの上方に位置する開口部１ｂを上蓋２により密閉して、上蓋２の周縁を溶接し、シームを滑らかに研磨してクラブヘッドが完成する。

【０００３】図５は別の製造方法に基づいて製造された従来のクラブヘッドを示しており、シェル本体３と底蓋５により構成されている。このクラブヘッドの場合、中子砂の取出口４はクラブヘッドの底面に開設されており、底蓋５を取出口４に嵌合して溶接固定し、さらにそのシームを研磨したものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来のゴルフ用アルミ合金製クラブヘッドは、アルミ合金自体の特性から軽量ではあるが鉄合金製に比べて硬度が低く強度も弱いため、耐久性に劣り使用寿命が一般に短い。このため、市販されているゴルフクラブの中で、アルミ合金製クラブヘッドを採用したゴルフクラブの評判はさほど芳しくない。

【０００５】また、アルミ合金製クラブヘッドは一般に鋳造により製造され、中子により内部が中空の密閉シェル状に形成される。従って、鋳造に際し、シェル鋳物の内部から中子砂をいかにして取出すかが問題となる。

【０００６】図４に示されるクラブヘッドの製造方法は、製造工程がかなり複雑であり、クラブヘッドの製造コストが高くなる。さらに溶接の際、アルミ合金の局部に温度勾配が生じて熱応力をもたらし、クラブヘッド全体の機械強度や応力分布が不均衡になり、打球時の衝撃から歪みを生じたり、クラブヘッドが破損し易い等の問題が生じる。

【０００７】また、図５に示されるクラブヘッドも破損を招き易く、図４に示す従来のクラブヘッドと同様な問題が生じている。

【０００８】本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、クラブフェイスに炭素繊維強化樹脂の複合材料で形成した板片を装着すると、打球の衝撃力が板片に吸収緩和されて、クラブヘッドの各部位に均等に配分される点に着目し、クラブヘッドの中子砂取出口をクラブフェイスに開設し、クラブフェイスのほぼ全面に凹部を設けて炭素繊維強化樹脂製の板片を装着したものであり、中子砂を容易に取出すことができるとともに、溶接作業の必要がなく、かつ打球時の衝撃力を緩和してクラブヘッド全体に分布させ、クラブヘッドの強度を向上するとともに使用寿命の長いゴルフ用複合クラブヘッドを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案にかかるゴルフ用クラブヘッドは、アルミ合金によって鋳造成型され、その内部に中子によって形成された中空部を有するクラブヘッド本体のクラブフェイスに、適当な深さの凹部を形成し、かつ該凹部のほぼ中央に上記中空部と連通する中子砂取出口を開設して、中空部より中子砂を取出したあと、さらに炭素繊維強化樹脂でなる板片を凹部に接着固定して中子砂取出口を密閉したことを特徴とする。

【００１０】また、上記中子砂取出口に、閉じ蓋を嵌着または螺着して密封すれば一層好ましい。

【００１１】

【作用】

上記のように構成された本考案のクラブヘッドを使用して打球すると、打球時の衝撃力はクラブフェイスの複合材料板片が受けることとなる。板片はほぼクラブフェイスの全面を覆うように埋設されているので、その受けた打球の衝撃力を大部分吸収緩和するとともに、残余の衝撃力がクラブヘッドの各部位に均等に分散し、中子砂取出口の設置箇所の破損が防止される。

【００１２】また、中子砂取出口に、閉じ蓋を接着または螺着して密封すれば、溶接さらには溶接により生じたシームを研磨する必要がなく、その手間を大幅に削減することができるとともに、板片の機械強度がより向上する。

【００１３】

【実施例】

図１は、本考案にかかるゴルフ用複合クラブヘッドを示しており、クラブヘッド本体１０および板片２０から構成されている。

【００１４】クラブヘッド本体１０はアルミ合金を鋳造成型して形成され、その内部に中子砂によって形成された中空部１１を有するとともに、そのクラブフェイスに適当な深さの凹部１２を設け、かつ凹部１２のほぼ中央に中空部１１と連通する中子砂取出口１３を開設している。中空部１１内の中子砂はこの中子砂取出口１３より取り出される。

【００１５】板片２０は、炭素繊維強化樹脂板を加熱融合・冷却硬化をしたあと、凹部１２の形状に対応して裁断され製造される。この板片２０は凹部１２内に嵌着固定されてクラブフェイスの打撃面となると同時に、中子砂取出口１３を密閉する役目を果たす。

【００１６】このように構成された本考案にかかるクラブヘッドは、クラブヘッド本体１０を鋳造成型したあと、そのクラブフェイスに開設された中子砂取出口１３から、クラブヘッド本体１０の中空部１１内に滞留した中子砂が取り出される。さらに中子砂を完全に除去したあと、板片２０を強粘着固接方式により凹部１２内に嵌着固定して中子砂取出口１３を密閉する。

【００１７】このクラブヘッド１０を使用して打球すると、打球時の衝撃力は板片２０が受けることになる。図２に示されているように、板片２０はクラブフェイスのほぼ全面を覆うように設けられているので、その受けた衝撃力を大部分吸収緩和するとともに、残余の衝撃力を均等に分散させて、クラブヘッド本体１０の各部位に行きわたらせ、中子砂取出口１３の設置箇所が破壊されるのを防止する。

【００１８】また、図３に示すように、クラブヘッド本体１０の中子砂取出口１３’をねじ孔状に形成してもよい。すなわち、クラブヘッド本体１０を鋳造成型したあと、さらに中子砂取出口１３’をねじタッピングし、クラブヘッド本体１０と同質のアルミ合金でなる閉じ蓋３０’を中子砂取出口１３’に螺着して密封することもできる。或いは、直接閉じ蓋３０’を中子砂取出口１３’に嵌着して、閉じ蓋３０’を中子砂取出口１３’に固定し、さらに板片２０を閉じ蓋３０’表面の凹部１２内に接着嵌合すれば、板片２０の機械強度をより向上することができる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。

【００２０】（１）クラブヘッド本体１０を鋳造成型して中子砂を取出したあと、中子砂取出口１３を強粘着固接方式により板片２０で密閉するので、溶接作業を行う必要がなく、さらにシームの研磨作業等も省略することができて、製造コストを減少することができる。

【００２１】（２）クラブヘッド本体１０を溶接する必要がないので、溶接作業の際の局部的温度勾配が生じず、クラブヘッド全体の機械強度や応力分布が不均衡になることがない。

【００２２】（３）打球時の衝撃力は炭素繊維強化樹脂製の板片２０が受けることになり、この板片２０で大部分の衝撃力を吸収緩和し、残余の衝撃力を均等にクラブヘッド本体１０の各部位に分散するので、中子砂取出口１３の設置箇所が破壊されるのを防止することができ、ゴルフクラブ自体の耐用期間を長くできる。

【００２３】（４）中子砂取出口に、閉じ蓋を接着または螺着して密閉すると、溶接作業及びシームを研磨する必要がなく、板片の機械強度が向上するとともに手間が省け、ゴルフクラブ自体の使用寿命をより長くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるゴルフ用クラブヘッドの一実
施例の分解斜視図である。

【図２】上記実施例の要部断面図である。

【図３】本考案にかかるゴルフ用クラブヘッドの他の
実施例の要部断面図である。

【図４】従来のゴルフ用クラブヘッドの断面図であ
る。

【図５】従来の他のゴルフ用クラブヘッドの断面図で
ある。

【符号の説明】

１０クラブヘッド本体１１中空部１２凹部１３中子砂取出口２０板片３０’ 閉じ蓋

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】アルミ合金によって鋳造成型され、その
内部に中子によって形成された中空部（１１）を有する
クラブヘッド本体（１０）のクラブフェイスに、適当な
深さの凹部（１２）を形成し、かつ該凹部（１２）のほ
ぼ中央に上記中空部（１１）と連通する中子砂取出口
（１３）を開設して、中空部（１１）より中子砂を取出
したあと、さらに炭素繊維強化樹脂でなる板片（２０）
を凹部（１２）に接着固定して中子砂取出口（１３）を
密閉したことを特徴とするゴルフ用クラブヘッド。
【請求項２】上記中子砂取出口（１３）に、閉じ蓋
（３０’）を嵌着または螺着して密封した請求項１記載
のゴルフ用クラブヘッド。