JPH0661019U - バリカン形刈払機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 簡単に刈刃の交換を行うことができ、しか
も、刃部接続部での刃部のガタつきを防止するととも
に、刃部接続部の早期摩耗を抑制することができ、ま
た、分離形刈刃自体の寿命を長く保持することができる
バリカン形刈払機を提供する。 【構成】 動力源からの駆動力により長手方向へ摺動自
在に往復動せしめられる動力伝達部１０、９と刃部７、
８とに動力伝達装置のケースＣの外部において分割し、
それぞれに接続部１３、１２，１４、１５を形成して互
いに着脱自在にした分離形刈刃５、６を備えたバリカン
形刈払機において、刈刃５、６の前記刃部７、８と前記
動力伝達部１０、９との接続部１４、１３，１５、１２
を重合して着脱自在な係止手段１６、１７により接続す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バリカン形刈払機に関し、特に、偏心カム等の動力伝達手段を介し て上下一対の刈刃を往復運動させるようにしたバリカン形刈払機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、畦畔や用水路等での雑草類の刈取り、芝生の刈込み、生垣の刈込み等 の草木の刈払作業を行うバリカン形刈払機においては、例えば、操作桿の一端に 設置された内燃エンジン等の動力源からの出力を、動力伝達装置を介して刈刃装 置に伝え、上下一対の細長状の刈刃を互いに長手方向へ相対的に往復運動させて 草木を切断するようになっている。

【０００３】 このようなバリカン刃を往復運動させて作業を行う場合、刈刃に刃こぼれや折 損等を生じて、刈刃の交換や研磨を行なうためには、動力伝達装置の分解が必要 となり、厄介な取り外し、分解、並びに組立作業を行わなければならなかった。 そこで、刈刃の取り外し、交換等の作業を容易ならしめるべく、刈刃部のみを 分離形とすることは、例えば、実開平２−６４２２号公報や本考案の出願人の出 願に係わる実願平４−５７３１４号明細書にも記載されているように、従来より 知られている。図４は、そのような従来の分離形刈刃の要部を示す平面図である 。

【０００４】 図４において、回転運動を直線往復動運動に変換する刈刃７０のクランク桿部 ６０には、図示しないカムが嵌合する横長の長孔６１が設けられ、この長孔６１ の中でカムが回転することでカムの回転運動が直線往復動運動に変換されるよう になっている。前記クランク桿部６０の外部へ突出した外方端には連結片６２が 形成されており、刃部７０の内方端に形成された切欠７１に着脱自在に嵌合され るようになっている。このように、両者は嵌合された状態で一体化され直線往復 動運動可能とされる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

前記の如き従来のバリカン形刈払機においては、往復運動を繰り返すうちに、 刃部とクランク桿部の嵌合部分の摩耗が早期に進行してしまい、刃部のガタつき が生じたり、場合によっては刃部が外れる虞があるという問題点があった。 本考案は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、特に 、簡単に刃部の交換を容易に行うことができ、しかも、刃部接続部分での刃部の ガタつきを防止するとともに、刃部接続部分の摩耗を抑制することができ、また 、分離形刈刃自体の寿命を長く保持することのできるバリカン形刈払機を提供す ることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成すべく、本考案に係わるバリカン形刈払機は、動力源からの 駆動力により長手方向へ摺動自在に往復動せしめられる動力伝達部と刃部とに動 力伝達装置のケースの外部において分割するとともに、それぞれに接続部を形成 して互いに着脱自在にした分離形刈刃を備えたバリカン形刈払機において、刈刃 の前記刃部と前記動力伝達部との接続部を重合して着脱自在な係止手段により接 続したことを特徴としている。

【０００７】

【作 用】

前述の如く構成された本考案に係わるバリカン形刈払機においては、刃部が刃 こぼれや折損等して、刈刃の交換や研磨が必要となったときには、係止手段の係 止を解き、刃部のみを動力伝達部から取り外し、再研磨した刃部もしくは新品の 刃部を組み付けて係止手段により固定することにより、再び鋭利な刃部が刈刃の 先端に位置される。

【０００８】

【実施例】

以下、図面により本考案の一実施例を説明する。 図１は本考案に係わるバリカン形刈払機の一実施例の要部縦断面図、図２は図 １の矢印II方向からみた下面図である。また、図３は図１の矢印III方向からみ た上面図である。

【０００９】 バリカン形刈払機の動力伝達装置１の主軸２は、図示しない内燃エンジン等の 動力源からの出力により、伝動軸（図示せず）を介して回転駆動される。前記主 軸２には、互いに軸線方向へ上下に離間した一対の円形の偏心カム３及び４が配 設されており、これ等の偏心カム３、４は、互いに１８０度ずれた角度位相をも って配置されている。

【００１０】 さらに、上下一対の細長い板状をなす分離形刈刃５及び６が前記動力伝達装置 １のケースＣ内からその前方外部へ突出するように配置されている。前記ケース Ｃから前方に突出された刃部７、８、並びに前記ケースＣ内にその大部分が収容 された動力伝達部９、１０は、前記ケースＣ及びその前方へ伸びる刈刃保持板１ １によりそれぞれ支持されている。

【００１１】 前記動力伝達部９、１０の前記ケースＣから突出した外方端には、長さ方向に 沿って、その長手方向中心線に対し片側半分を外方へ延設させた連結片１２、１ ３が一体に形成されるとともに、前記刃部７、８の前記ケースＣの外部に位置す る内方端には、前記連結片１２、１３と互いに上下に重合できるように、長さ方 向に片側半分を延設させた形状に係止片１４、１５が形成されている。そして、 前記連結片１２、１３と前記係止片１４、１５とが重合され、前記下部刈刃５と 上部刈刃６が上下に重ね合わされた状態においては、前記下部刈刃５と上部刈刃 ６との前記連結片１２、１３と係止片１４、１５は、互いに上下逆方向にずれて 連結されている。

【００１２】 前記上下の連結片１２、１３並びに係止片１４、１５は互いに上下に重合され 、係止手段のボルト１６、１７により着脱自在に固定され、前記刃部７、８と動 力伝達部１０、９はそれぞれ上下位置で連結され、一体の刈刃５、６として前後 方向へ互いに摺動可能な構成となる。さらに、前記刈刃保持板１１には、前記刈 刃５、６の摺動とともに前後方向に移動する前記ボルト１６、１７の逃げのため の長孔１８、１９が並列して形成されている。また、前記刈刃５、６の刃部７、 ８はボルト２０により前記刈刃保持板１１に摺動自在に支持されている。そして 、前記刃部７、８には、前記ボルト２０に対する相対移動を許容する長孔２１、 ２２が形成されている。

【００１３】 なお、前記動力伝達部１０、９は、前記偏心カム３、４に回動自在に嵌合され たコンロッド２５、２６及びその揺動端部の枢止ピン２３、２４を介して往復摺 動自在とされる。

【００１４】 次に、このように構成された本考案一実施例のバリカン形刈払機の作用につい て説明する。 前記主軸２が減速回転力で駆動されて回転すると、前記偏心カム３及び４が回 転する。それにより、前記刈刃５及び６の動力伝達部９、１０並びにこれらと一 体化された刃部７、８も前後方向に互いに逆位相で往復動され、草木等を切断す ることができる。

【００１５】 そして、畦草刈等の刈払作業により、刈刃に刃こぼれや折損等を生じ、刈刃の 交換を必要とする場合には、前記ケースＣの外部に位置する前記ボルト１６、１ ７、２０を取り外し、前記刃部７、８の係止片１４、１５と前記動力伝達部の連 結片１３、１２との係合を解いて両者を分離させる。そして、新しい刈刃を取り 付けるには、これと逆の動作を行えばよい。

【００１６】 このようにして、ケースの外方に分離形刈刃の接続部を設け、かつ、係止手段 のボルト等を取り外すだけの操作で刈刃を分解並びに組立交換可能としたので、 刈刃の交換を簡単に行うことができる。また、刈刃の接続をボルト等の係止手段 により強固に固定できるようにしたので、往復運動時のガタつき並びに接続部の 摩耗を防止することができる。さらに、刃部を自由に交換可能な構成としている ので、様々な作業条件に応じて刃部の材料及び形状等を選択することができ、バ リカン形刈払機の性能及び耐久性を向上させることができる。

【００１７】 以上、本考案の一実施例を詳述したが、本考案は、前記実施例に限定されるも のではなく、実用新案登録請求の範囲に記載された本考案を逸脱することなく種 々の設計変更を行うことが可能である。 たとえば、図示例では上下両方の刈刃が往復動せしめられているが、一方は固 定刃でも良く、また、刈刃の接続部分の形状は材料取りや応力集中防止を配慮し て適宜の形状とすることができる。

【００１８】

【考案の効果】

以上の説明から理解されるように、本考案によれば、簡単に刈刃の刃部のみの 交換を行うことができ、しかも、刃部接続部での刈刃のガタつきを防止するとと もに、刃部接続部の摩耗を抑制することができ、また、分離形刈刃自体の寿命を 長く保持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係わるバリカン形刈払機の一実施例
の要部縦断面図。

【図２】 図１の矢印II方向からみた下面図。

【図３】 図１の矢印III方向からみた上面図。

【図４】 従来の実施例における刈払機の要部平面図。

【符号の説明】

Ｃ ケース １ 動力伝達装置 ５ 刈刃 ６ 刈刃 ７ 刃部 ８ 刃部 ９ 動力伝達部材 １０ 動力伝達部材 １２ 連結片（接続部） １３ 連結片（接続部） １４ 係止片（接続部） １５ 係止片（接続部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 動力源からの駆動力により長手方向へ摺
   動自在に往復動せしめられる動力伝達部（１０、９）と
   刃部（７、８）とに動力伝達装置（１）のケース（Ｃ）
   の外部において分割するとともに、それぞれに接続部
   （１３、１２），（１４、１５）を形成して互いに着脱
   自在にした分離形刈刃（５、６）を備えたバリカン形刈
   払機において、刈刃（５、６）の前記刃部（７、８）と
   前記動力伝達部（１０、９）との接続部（１４、１
   ３），（１５、１２）を重合して着脱自在な係止手段
   （１６、１７）により接続したことを特徴とするバリカ
   ン形刈払機。