JP5084319B2 - 園芸バリカンとそれに用いるブレードアセンブリ - Google Patents
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Description
それぞれのブレードには、櫛状に並ぶ複数の刃先が左右対称に形成されている。一方のブレードに形成された複数の刃先と、他方のブレードに形成された複数の刃先は、複数の刃先対を構成している。それぞれの刃先対は、一対のブレードの相対的な往復角運動に伴って交差と離反を繰り返し、芝生や生垣等を繰り返し切断する。
本発明は、上記の問題を解決する。本発明は、ブレードに形成する刃先に関する有用な設計指針を提供し、園芸バリカンの刈り込み能力を有意に向上させる。
ここでいう刃先対の切断開始点とは、刃先対が草木の切断を開始する点であり、刃先対を構成する刃先同士の交差点が、刃先の基端側から先端側に向けて移動を開始する位置である。
刃先対の切断開始点からブレードの揺動中心軸までの距離を、その刃先対を構成する刃先の基端からブレードの揺動中心軸までの距離の0.5倍以下とすることによって、園芸バリカンの刈り込み能力を確実に向上させることができる。
ここでいう左右対称とは、鏡面対称を意味するとともに、その対称面に垂直な方向を左右方向と便宜上定めることを意図している。また、前後方向とは、その左右方向に垂直な方向を意味しており、鏡面対称(左右対称)の対称面に平行な方向となる。
それにより、それぞれの刃先対が受ける負荷を、それぞれの刃先対が切断する草木の量に対して比較的に小さく抑えることができる。
左右方向の中央側に位置する刃先対は、園芸バリカンの刈り込み能力に大きな影響を与える。そのことから、左右方向中央側に位置する刃先対の切断開始点からブレードの揺動中心軸までの前後方向の距離を、その刃先対を構成する刃先の先端からブレードの揺動中心軸までの前後方向の距離に対してより短くすることによって、園芸バリカンの刈り込み能力を効果的に向上させることができる。
このブレードアセンブリを用いることによって、園芸バリカンの刈り込み能力を有意に向上させることができる。
(形態1) 一対のブレードは、本体に対して揺動可能に支持されている。
(形態2) 本体に内蔵されている動力機構は、一対のブレードを互いに180度の位相差を持って往復角運動させる。
(形態3) ブレードには、櫛状に並ぶ刃形成部が形成されている。それぞれの刃形成部の側部は鋭利に加工されており、櫛状に並ぶ刃先が形成されている。
(形態4) 園芸バリカンは、本体と、本体に対して着脱可能に固定されているブレードアセンブリを備えている。
本発明を実施した芝生バリカンについて図面を参照しながら説明する。芝生バリカンは、園芸バリカンの一種であり、主に芝生の刈り込み作業に用いられる。
図1は、芝生バリカン10の側方断面図を示している。図2は、芝生バリカン10の底面図を示している。図2では、一部の構成が図示省略されており、芝生バリカン10の内部構造が示されている。
図1、図2に示すように、芝生バリカン10は、本体12と、本体12に固定されているブレードアセンブリ30を備えている。本体12は、主に、ハウジング14と、ハウジング14に設けられているトリガスイッチ16と、ハウジング14に内蔵されているモータ18と、モータ18の回転運動を減速して出力する歯車群20と、歯車群20によって回転させられる第1偏心カム22及び第2偏心カム24を備えている。第1偏心カム22と第2偏心カム24は、その回転軸23を回転中心に、互いに180度の位相差を持って偏心回転する。第1偏心カム22の径は、第2偏心カム24の径よりも大きい。
ブレードアセンブリ30は、取付プレート32と上ブレード40と下ブレード70を備えている。取付プレート32と上ブレード40と下ブレード70は、支点ピン34によって互いに連結されている。取付プレート32と上ブレード40と下ブレード70は、支点ピン34の中心軸Rを揺動中心軸として、互いに独立して揺動可能となっている。上ブレード40の後方端と下ブレード70の後方端の間にはスペーサ部材36が介挿されており、上ブレード40と下ブレード70の相対角度が所定値に調整されている。
ブレードアセンブリ30は、複数のネジ28によって本体12に固定されており、ユーザによって着脱可能となっている。ブレードアセンブリ30は、摩耗等の進行によって劣化する消耗品である。ユーザは、ブレードアセンブリ30が劣化した段階で、新品のブレードアセンブリ30と交換することができる。
さらに、基端61a−66aから上ブレード40の揺動中心軸Rまでの距離Aが短いほど、上刃先61−66が揺動中心軸Rの近くに位置することになるので、芝生の切断時にモータ18にかかる負荷は小さくなる。同様に、基端61a−66aから上ブレード40の揺動中心軸Rまでの前後方向の距離Cが短いほど、上刃先61−66が揺動中心軸Rの近くに位置することになるので、芝生の切断時にモータ18にかかる負荷は小さくなる。モータ18にかかる負荷が小さければ、モータ18は比較的に速い速度で回転することができる。その結果、上下のブレード40、70の往復角運動の振動数は大きくなり、単位時間あたりの切断回数は多くなる。
また、芝生バリカン10の全体の刈り込み能力は、左右方向の中央側に位置する第1上刃先61や第2上刃先62の能力によって大きく変化する。そのことから、左右方向の中央側に位置する第1上刃先61や第2上刃先62の第1指標値A/Bや第2指標値C/Dが小さいほど、芝生バリカン10の全体の刈り込み能力は顕著に向上する。
また、表1に示すように、本実施例のブレードアセンブリ30では、すべての上刃先61−66の第2指標値C/Dが、0.5以下という非常に小さな値となっている。それにより、本実施例のブレードアセンブリ30は、非常に高い刈り込み能力を実現することができる。
表2に示すように、本実施例のブレードアセンブリ30では、左右方向の中央側に位置する下刃先ほどその第1指標値A/Bが小さくなっている。そして、第1下刃先91と第2下刃先92の第1指標値A/Bが、0.5以下という非常に小さな値となっている。それにより、本実施例のブレードアセンブリ30は、非常に高い刈り込み能力を実現することができる。
また、表2に示すように、本実施例のブレードアセンブリ30では、第1下刃先91−第5下刃先95の第2指標値C/Dが、0.5以下という非常に小さな値となっている。それにより、本実施例のブレードアセンブリ30は、非常に高い刈り込み能力を実現することができる。
また、芝生バリカン10の全体の刈り込み能力は、左右方向の中央側に位置する刃先対ほど、芝生バリカン10の全体の刈り込み能力に与える影響は大きい。そのことから、左右方向の中央側に位置する刃先対の第3指標値E/BAVEや第4指標値F/DAVEが小さいほど、芝生バリカン10の全体の刈り込み能力は大きく向上する。
また、表3に示すように、本実施例のブレードアセンブリ30では、左右方向の中央側に位置する刃先対ほどその第4指標値F/DAVEが小さくなっている。そして、第1刃先対61、91から第5刃先対65、95までの第4指標値F/DAVEは、0.5以下という非常に小さな値となっている。それにより、本実施例のブレードアセンブリ30は、非常に高い刈り込み能力を実現することができる。
本発明を実施したブレードアセンブリについて図面を参照しながら説明する。本実施例のブレードアセンブリは、実施例1で説明した芝生バリカン10に使用可能なブレードアセンブリである。
図6は、本実施例のブレードアセンブリ130を示している。ブレードアセンブリ130は、取付プレート132と上ブレード140と下ブレード170を備えている。取付プレート132と上ブレード140と下ブレード170は、支点ピン134によって互いに連結されている。取付プレート132と上ブレード140と下ブレード170は、支点ピン134の中心軸Rを揺動中心軸として、互いに独立して揺動可能となっている。上ブレード140の後方端と下ブレード170の後方端の間には、上ブレード140と下ブレード170の相対角度を所定値に維持するためのスペーサ部材136が介挿されている。
また、表4に示すように、本実施例のブレードアセンブリ130では、すべての上刃先161−164の第2指標値C/Dが、0.5以下という非常に小さな値となっている。それにより、本実施例のブレードアセンブリ130は、非常に高い刈り込み能力を実現することができる。
また、表5に示すように、本実施例のブレードアセンブリ130では、第1下刃先191と第2下刃先192と第3下刃先193の第2指標値C/Dが、0.5以下という非常に小さな値となっている。それにより、本実施例のブレードアセンブリ130は、非常に高い刈り込み能力を実現することができる。
また、表6に示すように、本実施例のブレードアセンブリ130では、左右方向の中央側に位置する刃先対ほどその第4指標値F/DAVEが小さくなっている。そして、第1刃先対161、191と第2刃先対162、192の第4指標値F/DAVEが、0.5以下という非常に小さな値となっている。それにより、本実施例のブレードアセンブリ130は、非常に高い刈り込み能力を実現することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12・・本体
14・・ハウジング
16・・トリガスイッチ
18・・モータ
20・・歯車群
22、24・・偏心カム
30、130・・ブレードアセンブリ
40、140・・上ブレード
51−53、151−152・・上刃形成部
61−66、161−164・・上刃先
70、170・・下ブレード
81−84、181−183・・下刃形成部
91−66、191−194・・下刃先
101−106、201−204・・切断開始点
R:揺動中心軸
Claims (2)
- 本体と、
本体に設けられているとともに少なくとも一方が揺動可能に支持されている一対のブレードと、
本体に内蔵されているとともに一対のブレードを相対的に往復角運動させる動力機構を備え、
それぞれのブレードには、櫛状に並ぶ複数の刃先が左右対称に形成されており、
一方のブレードに形成された複数の刃先と他方のブレードに形成された複数の刃先は、一対のブレードの相対的な往復角運動に伴って交差と離反を繰り返す複数の刃先対を構成しており、
左右方向両側に位置する各刃先対の切断開始点からブレードの揺動中心軸までの前後方向の距離が、その刃先対を構成する刃先の先端からブレードの揺動中心軸までの前後方向の距離の0.5倍以下であり、
左右方向中央側に位置する刃先対ほど、その切断開始点からブレードの揺動中心軸までの前後方向の距離が、その刃先対を構成する刃先の先端からブレードの揺動中心軸までの前後方向の距離に対して短いことを特徴とする園芸バリカン。 - 園芸バリカンに用いるブレードアセンブリであって、
互いに揺動可能に支持されている一対のブレードを備え、
それぞれのブレードには、櫛状に並ぶ複数の刃先が左右対称に形成されており、
一方のブレードに形成された複数の刃先と他方のブレードに形成された複数の刃先は、一対のブレードの相対的な往復角運動に伴って交差と離反を繰り返す複数の刃先対を構成しており、
左右方向の両側に位置する各刃先対の切断開始点からブレードの揺動中心軸までの前後方向の距離が、その刃先対を構成する刃先の先端からブレードの揺動中心軸までの前後方向の距離の0.5倍以下であり、
左右方向中央側に位置する刃先対ほど、その切断開始点からブレードの揺動中心軸までの前後方向の距離が、その刃先対を構成する刃先の先端からブレードの揺動中心軸までの前後方向の距離に対して短いことを特徴とするブレードアセンブリ。
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