JPH066074U - 自動車用シートのスライドレール固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】シートと車床との間に、シートを前、後方向へ
移動案内する前、後方向移動用スライドレールと、この
スライドレールに直交し且つ前記シートを左、右方向へ
移動案内する左、右方向移動用スライドレールとを設け
てなる自動車用シートにおいて、シートの回転運動を阻
止し、周方向へのズレ発生を防止することである。 【構成】前、後方向移動用スライドレール３、３の可動
レール６、６に、シート１の回転防止用突部９を形成
し、この突部９が係合する係合孔１５を、左、右方向移
動用スライドレール４、４のロアレール１２、１２に形
成するものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用シートのスライドレール固定構造、詳しくはシートと車床と の間に、シートを前、後方向へ移動案内する前後方向移動用スライドレールと、 シートを左、右方向へ移動案内する左右方向移動用スライドレールとを設けた自 動車用シートのスライドレール固定構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種、自動車用シートは、シートと車床との間に、シートを前、後方向へ移 動案内する一対の前、後方向移動用スライドレールと、この前、後方向移動用ス ライドレールに直交し且つシートを左、右方向へ移動案内する一対の左、右方向 移動用スライドレールを設け、シートが前、後方向及び左、右方向へ移動するこ とができる構成からなっている。

【０００３】 前、後方向移動用スライドレールは、車床に固定した一対の固定レールと、こ の固定レールに嵌合して前、後方向へ移動する一対の可動レールと、この一対の 可動レールの片側に設け且つ可動レールをロック解除可能にロックする前、後ロ ック機構とからなっている。

【０００４】 左、右方向移動用スライドレールは、前記一対の可動レールに左、右端をボル トとナットで締結した一対のロアレールと、この一対のロアレールに嵌合して左 、右方向へ移動する一対のアッパーレールと、この一対のアッパーレールの片側 に設け且つアッパーレールをロック解除可能にロックする左、右ロック機構とか らなり、一対のアッパーレールがシートの底面に固定している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

斯かる自動車用シートは、前、後方向移動用スライドレールと左、右方向移動 用スライドレールの片側に各々前、後ロック機構と左、右ロック機構を設けてい るので、フリー側の前、後方向移動用スライドレールの可動レール及び左、右方 向移動用スライドレールのロアレールが移動し、その結果、シートが回転運動を して周方向にズレるという不具合があった。

【０００６】 シートの回転運動を防止して周方向へのズレを解消するため、各スライドレー ルの片側にロック機構を設けて片側だけをロックするだけではなく、各スライド レールの両側をロックする構造としていたが、その為には部品点数が増加し、重 量も増えてコストがかかるという不具合があった。

【０００７】 そこで、本考案は、上記不具合を解消すべくなされたものであり、簡単な構造 でシートの回転運動を防止して周方向へのズレが生じないようにすることである 。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案に係る自動車用シートのスライドレール固定 構造は、前、後方向移動用スライドレールの可動レールに、シートの回転防止用 突部を形成し、この突部が係合する係合孔を、左、右方向移動用スライドレール のロアレールに形成してなるものである。

【０００９】

【作用】

前、後方向移動用スライドレールの可動レールは、回転防止用突部が左、右方 向移動用スライドレールのロアレールに形成した係合孔に係合しているので、可 動レールとロアレールとの固定強度が向上し、可動レールとロアレールとの移動 が防止できる。

【００１０】

【実施例】

本考案に係る一実施例を図１、２に基づいて説明する。 図中、１はシート、２は車床、３、３は一対の前、後方向移動用スライドレー ル、４、４は一対の左、右方向移動用スライドレールである。

【００１１】 前、後方向移動用スライドレール３、３は、車床２に固定した一対の固定レー ル５、５と、この固定レールに嵌合し且つ固定レール５、５に沿って移動する一 対の可動レール６、６と、右側（図１の右側）の可動レール６をロック解除可能 にロックする前、後ロック機構７とからなり、従来周知の前、後ロック機構７を 操作すると、右側の可動レール６がロック解除してシート１を前、後方向へ移動 案内する。

【００１２】 両側の可動レール６、６の前、後部の上面には、プレート状の補強板８、８、 ８、８が溶接固定して設けられている。 この補強板８…には、左、右方向移動用スライドレール４、４に係合する回転 防止用突部９…が、左、右方向移動用スライドレール４、４の方向へ突出して形 成されている。

【００１３】 そして、一対の前、後方向移動用スライドレール３、３には、その上方に直交 して一対の左、右方向移動用スライドレール４、４が設けられている。 左、右方向移動用スライドレール４、４は、前、後方向移動用スライドレール ３、３の可動レール６、６に固定した補強板８、８、８、８にボルト１０とナッ ト１１とで締結固定した一対のロアレール１２、１２と、このロアレール１２、 １２に嵌合し且つロアレール１２、１２に沿って移動する一対のアッパーレール １３、１３と、前側（図１の前側）のアッパーレール１３をロック解除可能にロ ックする左、右ロック機構１４とからなり、アッパーレール１３、１３がシート １の底面に固定している。

【００１４】 左、右ロック機構１４は、従来周知の構造からなり、左、右ロック機構１４を 操作すると、前側のアッパーレール１３がロック解除して、シート１が左、右方 向へ移動する。

【００１５】 ロアレール１２、１２には、その左、右端に、図２に示すように、補強板８… の回転防止用突部９…が係合するための係合孔１５…が形成され、ロアレール１ ２、１２が可動レール６、６の補強板８…に形成した回転防止用突部９…に係合 している。

【００１６】 ロアレール１２、１２は、可動レール６、６にボルト１０とナット１１により 締結固定し、可動レール６、６の補強板８…の回転防止用突部９…がロアレール １２、１２の係合孔１５…に係合している。

【００１７】 従って、ロアレール１２、１２の回転方向の移動は、可動レール６、６の補強 板８…の回転防止用突部９…によって防ぐことができる。

【００１８】 又、可動レール６、６にロアレール１２、１２を組付ける際、補強板８…の回 転防止用突部９…をロアレール１２、１２の係合孔１５…に係合すればよく、ロ アレール１２、１２の可動レール６、６への位置合わせが不要で、組付作業を容 易に行うことができる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案によれば、前、後方向移動用スライドレールの可動レールに、シートの 回転防止用突部を形成し、この突部が係合する係合孔を、左、右方向移動用スラ イドレールのロアレールに形成しているため、可動レールとロアレールとの係合 状態が強固となり、各スライドレールの両側にロック機構を設けることなく、シ ートの回転運動が防止でき、シートの周方向へのズレ発生を簡単な構造により防 ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案構造を用いたスライドレールの斜視図であ
る。

【図２】図１のIIーII線に沿う部分断面図である。

【符号の説明】

３ 前、後方向移動用スライドレール ４ 左、右方向移動用スライドレール ６ 可動レール １２ ロアレール ９ 回転防止用突部 １５ 係合孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートと車床との間に、前記シートを
   前、後方向へ移動案内する一対の前、後方向移動用スラ
   イドレールと、この前、後方向移動用スライドレールに
   直交し且つ前記シートを左、右方向へ移動案内する一対
   の左、右方向移動用スライドレールとを設け、前記前、
   後方向移動用スライドレールは車床に固定した固定レー
   ルと、この固定レールに嵌合する可動レールと、片側の
   可動レールをロックする前、後ロック機構とからなり、
   前記左、右方向移動用スライドレールは、前記可動レー
   ルに締結固定したロアレールと、このロアレールに嵌合
   し且つ前記シートに固定したアッパーレールと、片側の
   アッパーレールをロックする左、右ロック機構とからな
   り、前記シートが前、後及び左、右に移動する自動車用
   シートにおいて、 前記前、後方向移動用スライドレールの可動レールに、
   シートの回転防止用突部を形成し、この回転防止用突部
   が係合する係合孔を、前記左、右方向移動用スライドレ
   ールのロアレールに形成してなることを特徴とする自動
   車用シートのスライドレール固定構造。