JPH0660414U - 粗密濾紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 密度勾配を設けた粗密濾紙において、濾材の
全体にわたり濾過が行なわれ、寿命を増加させた濾紙を
提供する。 【構成】 一方面にしわを有する粗目層１が設けられ、
他方面に細目層２が設けられ、フェノールのような樹脂
が含浸されたクレープ加工濾紙で粗密濾紙を形成した。
この濾紙は連続的な密度勾配をもたらす。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願は、主として内燃機関用エアフィルタのフィルタエレメントに用いられる 濾紙、特に密度勾配を有する粗密濾紙に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、ダスト保持容量を増加させるために、密度勾配を形成させた粗密濾 紙が用いられている。

【０００３】 その例を示すと、たとえば特公昭５５−１９６５２号公報のように、繊維密度 を異にする三つの繊維層を二ードルパンチなどにより一体化した構造のものがあ る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記濾材は、密度勾配が３段階に変化するものであり、ダストの捕捉も３段階 でなされることになる。すなわち、流体入口側の最粗目の繊維層で粗大ダストが 捕捉され、次いで順により細かいダストが捕捉されることになっている。

【０００５】 しかしながら、実際には第１番目の粗目層に大部分のダストが捕捉されてしま い、第３番目の細目層に小量のダストしか捕捉されないことがある。これは、密 度勾配が３段階の粗いステップで変化しているため、ダストが粒径別に分離され 難いためであると考えられる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

一方面にしわを有する粗目層が設けられ、他方面が細目層が設けられ、樹脂が 含浸されたクレープ加工濾紙から成る粗密濾紙の構成としたものである。

【０００７】

【作用】 クレープ加工された粗密濾紙は、連続的な密度勾配をもたらす。含塵エアは、 粗目層から流入し、ダストを徐々に粒径に応じ、分離、捕捉される。

【０００８】

【実施例】

図１は、本考案の実施例を示す粗密濾紙１０であり、一方面にしわを有する粗 目層１と、他方面に細目層２を有している。この濾紙１０の坪量は１６０ｇ／m² 、紙厚０．８ｍｍである。この濾紙１０は、クレープ加工により形成されるクレ ープ加工濾紙であり、その際のクレープ率は、５〜２５％、好ましくは１５％で ある。

【０００９】 クレープ加工濾紙は、次のようにして得られる。まず、リンター、パルプ等の 天然繊維を含む紙料を抄紙し、次いでクレープ加工する。クレープ加工は、ロー ル上でドクターを用いて、濾紙の一方面にしわを形成するものである。その後、 フェノールなどの樹脂を含浸させる。

【００１０】 この濾紙１０は、一方面すなわち上記クレープ加工の際に、しわが形成される 面が粗目層１となり、他方面が細目層２となる。両層間には、連続的に変化する 密度勾配が形成される。

【００１１】 濾紙１０は、たとえばひだ折り加工されるなどして使用に供される。含塵エア は、粗目層１から流入し、細目層２から流出し、その間に濾過される。ダストは 、粗目層１から細目層２へ向け、大径のものから小径のものに連続して分離、捕 捉される。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように本考案の粗密濾紙は、連続的に密度勾配を有しているから、濾紙 の全体にわたりダストを捕捉でき、ダスト保持容量の大きなものとなる。

【図面の簡単な説明】 図１は、本考案の実施例を示す断面図。

【符号の説明】

１ 粗目層 ２ 細目層 １０ 粗密濾紙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方面にしわを有する粗目層が設けら
   れ、他方面に細目層が設けられ、樹脂が含浸されたクレ
   ープ加工濾紙から成る粗密濾紙。