JPH0660396B2 - 合金化蒸着亜鉛メツキ鋼帯の製造方法 - Google Patents
合金化蒸着亜鉛メツキ鋼帯の製造方法Info
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- JPH0660396B2 JPH0660396B2 JP14621886A JP14621886A JPH0660396B2 JP H0660396 B2 JPH0660396 B2 JP H0660396B2 JP 14621886 A JP14621886 A JP 14621886A JP 14621886 A JP14621886 A JP 14621886A JP H0660396 B2 JPH0660396 B2 JP H0660396B2
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- Japan
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- steel strip
- temperature
- vapor deposition
- zinc
- vapor
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Description
【発明の詳細な説明】 <技術分野> 本発明は,合金化蒸着亜鉛メッキ層を有する鋼板の製造
方法に関する。
方法に関する。
<従来技術とその問題点> 合金化亜鉛メッキ鋼板は,通常の亜鉛メッキ鋼板に比べ
て,スポット溶接における連続作業性がよく,また電着
塗装における塗装密着性や電着塗装後の耐食性が良好で
ある等の利点を有するので自動車工業等の分野を始めと
して広く利用されている。
て,スポット溶接における連続作業性がよく,また電着
塗装における塗装密着性や電着塗装後の耐食性が良好で
ある等の利点を有するので自動車工業等の分野を始めと
して広く利用されている。
合金化亜鉛メッキ鋼板を製造するには,メッキ後に鋼板
を合金化するための加熱処理を施す必要があり,従来,
連続溶融メッキにおいてはメッキライン内に合金化炉を
設置しており,また電気メッキにおいては,バッチ型の
再加熱炉を設けるなどの手段により合金化処理を行って
いる。
を合金化するための加熱処理を施す必要があり,従来,
連続溶融メッキにおいてはメッキライン内に合金化炉を
設置しており,また電気メッキにおいては,バッチ型の
再加熱炉を設けるなどの手段により合金化処理を行って
いる。
ところが,溶融亜鉛メッキによる方法は薄メッキには適
さず,しかも片面メッキを得ることが極めて困難であ
る。
さず,しかも片面メッキを得ることが極めて困難であ
る。
また電気メッキによる方法は、バッチ式焼鈍炉を用いる
場合,工程が複雑で長時間を要し,かつ品質のばらつき
が大きく作業管理が面倒である,などの問題を有してい
る。
場合,工程が複雑で長時間を要し,かつ品質のばらつき
が大きく作業管理が面倒である,などの問題を有してい
る。
これらの問題を解決するために,真空蒸着亜鉛メッキ鋼
板を素材として使用し,真空蒸着亜鉛メッキされた鋼帯
が真空蒸着装置系外に導出された直後に連続して再加熱
し,合金化処理する方法が開発されている(特願昭60-3
6454号=特開昭61-195966 号公報))。しかしながら,
この方法においても,再加熱炉を設置する必要があり,
設備の巨大化は免れない。
板を素材として使用し,真空蒸着亜鉛メッキされた鋼帯
が真空蒸着装置系外に導出された直後に連続して再加熱
し,合金化処理する方法が開発されている(特願昭60-3
6454号=特開昭61-195966 号公報))。しかしながら,
この方法においても,再加熱炉を設置する必要があり,
設備の巨大化は免れない。
<問題解決の手段> 本発明はこれらの問題点に着目してなされたもので,蒸
着亜鉛メッキ直前の鋼帯基板温度T,蒸着亜鉛の凝縮潜
熱の解放による鋼帯温度の上昇ΔT1および加熱されて
いる鋼帯支持ロールからの熱伝達による鋼帯温度の上昇
ΔT2を夫々制御することにより蒸着後の鋼帯の温度T
3を一定の範囲に限定することによって,後加熱炉を設
置することなく,合金化蒸着亜鉛メッキ鋼板を連続的に
効率よく製造できることを発見した。
着亜鉛メッキ直前の鋼帯基板温度T,蒸着亜鉛の凝縮潜
熱の解放による鋼帯温度の上昇ΔT1および加熱されて
いる鋼帯支持ロールからの熱伝達による鋼帯温度の上昇
ΔT2を夫々制御することにより蒸着後の鋼帯の温度T
3を一定の範囲に限定することによって,後加熱炉を設
置することなく,合金化蒸着亜鉛メッキ鋼板を連続的に
効率よく製造できることを発見した。
<発明の構成> 本発明によれば,支持ロールが設置された蒸着室内に鋼
帯を該支持ロールで案内しながら鋼帯表面に亜鉛を連続
的に蒸着メッキし,この支持ロール通過後,メッキ鋼帯
をシールロール室を経て装置外に導く蒸着亜鉛メッキ方
法において, −S4/3+403+0.7W≦T3≦420 の関係が満足するようにS,WおよびT3を調節して蒸
着亜鉛を合金化することを特徴とする合金化蒸着亜鉛メ
ッキ鋼帯の製造方法が提供される。ただし,前式におい
て, T3=T+ΔT1+ΔT2であり, S:板温保持時間(シールロール室を通過する時間)(s
ec), W:メッキ付着量(g/m2), T3:蒸着後の鋼帯温度(℃), T:蒸着直前の鋼帯温度(℃), ΔT1:蒸着亜鉛の凝縮熱による鋼帯の温度上昇分
(℃), ΔT2:支持ロールからの熱伝達による鋼帯の温度上昇
分(℃), をそれぞれ示す。
帯を該支持ロールで案内しながら鋼帯表面に亜鉛を連続
的に蒸着メッキし,この支持ロール通過後,メッキ鋼帯
をシールロール室を経て装置外に導く蒸着亜鉛メッキ方
法において, −S4/3+403+0.7W≦T3≦420 の関係が満足するようにS,WおよびT3を調節して蒸
着亜鉛を合金化することを特徴とする合金化蒸着亜鉛メ
ッキ鋼帯の製造方法が提供される。ただし,前式におい
て, T3=T+ΔT1+ΔT2であり, S:板温保持時間(シールロール室を通過する時間)(s
ec), W:メッキ付着量(g/m2), T3:蒸着後の鋼帯温度(℃), T:蒸着直前の鋼帯温度(℃), ΔT1:蒸着亜鉛の凝縮熱による鋼帯の温度上昇分
(℃), ΔT2:支持ロールからの熱伝達による鋼帯の温度上昇
分(℃), をそれぞれ示す。
<発明の具体的開示> 次に図面を参照して本発明を詳細に説明する。尚,以下
の説明は片面メッキの合金化について具体的に記載され
るが,両面メッキ,差厚メッキの合金化においても本発
明の方法を適用しうる。
の説明は片面メッキの合金化について具体的に記載され
るが,両面メッキ,差厚メッキの合金化においても本発
明の方法を適用しうる。
連続式真空蒸着メッキ装置の一例を第1図に示す。第1
図に例示する装置には,ガス還元前処理炉2,賦圧室3
a,シールロール室4a,真空蒸着メッキ室5,シール
ロール室4bおよび賦圧室3bが鋼帯1の搬送方向に沿
って順に配設されており,シールロール室4a,4bの
内部には搬送路を段階的に減圧または復圧する個別に真
空排気手段を備えた多数の隔室が形成されている。また
真空蒸着メッキ室5の内部には亜鉛浴槽6および鋼帯支
持ロール7が配設されている。該鋼帯支持ロール7は4
50〜650℃に加熱されている。該鋼帯支持ロール7
が上記温度以下であると,該ロール亜鉛蒸気が付着し,
該ロールの円滑な回転を損ない,また鋼帯裏面に亜鉛を
付着させる等の不都合を招く。
図に例示する装置には,ガス還元前処理炉2,賦圧室3
a,シールロール室4a,真空蒸着メッキ室5,シール
ロール室4bおよび賦圧室3bが鋼帯1の搬送方向に沿
って順に配設されており,シールロール室4a,4bの
内部には搬送路を段階的に減圧または復圧する個別に真
空排気手段を備えた多数の隔室が形成されている。また
真空蒸着メッキ室5の内部には亜鉛浴槽6および鋼帯支
持ロール7が配設されている。該鋼帯支持ロール7は4
50〜650℃に加熱されている。該鋼帯支持ロール7
が上記温度以下であると,該ロール亜鉛蒸気が付着し,
該ロールの円滑な回転を損ない,また鋼帯裏面に亜鉛を
付着させる等の不都合を招く。
冷間圧延された鋼帯1は前処理炉2に連続的に導入さ
れ,焼鈍と同時にガス還元による前処理を施される。鋼
種により差はあるが,鋼帯1が焼鈍されるためには,60
0 〜900 ℃の温度範囲で20〜180 秒間の保持が必要であ
る。密着性のよい蒸着亜鉛メッキ鋼板を得るには,ガス
還元による前処理において,炉内をH23%以上(残部
N2),露点−15℃以下の雰囲気にすればよい。前処理
炉2の後半部分で鋼帯は冷却され,200 ℃以上の任意の
温度で前処理炉から導出される。特開昭57-152465 に開
示されるように,蒸着開始前の鋼帯の温度は蒸着被膜の
靱性,延性が良好であるためには200 ℃以上であること
が好ましいことが知られている。鋼帯はさらに賦圧室3
a,シールロール室4aを経て真空蒸着室5に導入され
る。亜鉛溶槽6には図示されない供給源から適当な手段
(電気抵抗加熱手段,電子ビーム加熱手段,等)によっ
て加熱され亜鉛蒸気が連続的に供給されており,支持ロ
ール7に巻付けられた鋼帯表面に亜鉛蒸気が付着し蒸着
メッキされる。引続き,鋼帯1はシールロール室4b,
賦圧室3bを経て真空蒸着系外に出る。
れ,焼鈍と同時にガス還元による前処理を施される。鋼
種により差はあるが,鋼帯1が焼鈍されるためには,60
0 〜900 ℃の温度範囲で20〜180 秒間の保持が必要であ
る。密着性のよい蒸着亜鉛メッキ鋼板を得るには,ガス
還元による前処理において,炉内をH23%以上(残部
N2),露点−15℃以下の雰囲気にすればよい。前処理
炉2の後半部分で鋼帯は冷却され,200 ℃以上の任意の
温度で前処理炉から導出される。特開昭57-152465 に開
示されるように,蒸着開始前の鋼帯の温度は蒸着被膜の
靱性,延性が良好であるためには200 ℃以上であること
が好ましいことが知られている。鋼帯はさらに賦圧室3
a,シールロール室4aを経て真空蒸着室5に導入され
る。亜鉛溶槽6には図示されない供給源から適当な手段
(電気抵抗加熱手段,電子ビーム加熱手段,等)によっ
て加熱され亜鉛蒸気が連続的に供給されており,支持ロ
ール7に巻付けられた鋼帯表面に亜鉛蒸気が付着し蒸着
メッキされる。引続き,鋼帯1はシールロール室4b,
賦圧室3bを経て真空蒸着系外に出る。
鋼帯が真空蒸着メッキされるとき,亜鉛蒸着の凝固潜熱
の解放により,その温度は上昇するが,その温度は次式
(1)により求められる。
の解放により,その温度は上昇するが,その温度は次式
(1)により求められる。
ΔT1=q・W/ρ・t・cp (1) ただし, ΔT1:鋼帯の温度上昇(℃) q:メッキ金属の凝縮熱(kcal/g) W:表面メッキ付着量(g/m2) ρ:鋼帯の密度(g/m3) t:鋼帯の板厚(mm) cp:鋼帯の比熱(kcal/kg・℃) 鋼帯に亜鉛を蒸着メッキする場合には, q:0.415 kcal/g ρ:7.85g/cm3 cp:0.13kcal/kg・℃ であり、(1)式は次の(2)式に書き変えられる。
ΔT1=0.41W/t (2) また鋼帯は真空蒸着室において加熱されている支持ロー
ル7に巻付けられるので,該ロール7からの熱伝達によ
り鋼帯1の温度が上昇する。この温度上昇ΔT2は次式
(3)により求められる。
ル7に巻付けられるので,該ロール7からの熱伝達によ
り鋼帯1の温度が上昇する。この温度上昇ΔT2は次式
(3)により求められる。
ただし, ΔT2:鋼帯の温度上昇 T0:鋼帯支持ロールの温度(℃) T :蒸着直前の鋼帯温度(℃) α :熱伝達率(kcal/m2hr) A :鋼帯と支持ロールの接触面積(cm2) G :鋼帯流量(kg/hr) cp:鋼帯比熱(kcal/kg℃) この鋼帯がシールロール室4bを通過する間な真空中で
あるため,放熱は少なく,実質的には鋼帯の温度は蒸着
室での温度のまま保持される。蒸着メッキ直後より,シ
ールロール室4bの最後ロール10までの長さをl(m)
とすると,板温保持時間Sはラインスピードv(m/min)の
関数として, S(sec) = 60・l/v (4) で表される。
あるため,放熱は少なく,実質的には鋼帯の温度は蒸着
室での温度のまま保持される。蒸着メッキ直後より,シ
ールロール室4bの最後ロール10までの長さをl(m)
とすると,板温保持時間Sはラインスピードv(m/min)の
関数として, S(sec) = 60・l/v (4) で表される。
一方,亜鉛蒸着メッキ鋼板を合金化するための加熱条件
は亜鉛メッキの付着量によって異なる。
は亜鉛メッキの付着量によって異なる。
第1図に示す連続真空蒸着亜鉛メッキ鋼板の製造装置を
用いて実験を重ねたところ,第2図に示すような合金化
可能範囲が判明した。
用いて実験を重ねたところ,第2図に示すような合金化
可能範囲が判明した。
第2図の直線aは,メッキ付着量がW(g/m2)の亜鉛蒸着
メッキ鋼板について,メッキ表面までFe−Zn合金層
を成長させて合金化するのに必要な最低の蒸着後板温T
Mim (℃)と,板温保持時間S(sec) の関係を示してお
り,直線aの右上の範囲が合金化可能の範囲である。
メッキ鋼板について,メッキ表面までFe−Zn合金層
を成長させて合金化するのに必要な最低の蒸着後板温T
Mim (℃)と,板温保持時間S(sec) の関係を示してお
り,直線aの右上の範囲が合金化可能の範囲である。
この直線aは,合金化に必要な最低の蒸着後板温TMim,
板温保持時間Sおよび付着量Wの関数として式(5)で表
される。
板温保持時間Sおよび付着量Wの関数として式(5)で表
される。
TMim =−S4/3 + 403 +0.7 (5) 式(5)からわかるように,付着量Wの蒸着亜鉛メッキ鋼
板を合金化させる場合,板温保持時間Sを大きくすれば
板温TMim は小さくなる。逆に,板温保持時間Sを小さ
くすれば板温TMim は大きくなる。ここで,付着量Wが
大きくなれば直線aは高板温側(図の右側)へ移動す
る。なお第2図中の直線aは付着量10g/m2を例として示
してある。
板を合金化させる場合,板温保持時間Sを大きくすれば
板温TMim は小さくなる。逆に,板温保持時間Sを小さ
くすれば板温TMim は大きくなる。ここで,付着量Wが
大きくなれば直線aは高板温側(図の右側)へ移動す
る。なお第2図中の直線aは付着量10g/m2を例として示
してある。
このように,付着量Wの蒸着亜鉛メッキ鋼板を合金化さ
せるための制御要因は板温と板温保持時間のみであるか
ら,蒸着メッキ後の実際の板温T3と板温保持時間Sお
よび付着量Wの関係が, T3≧−S4/3+403 +0.7W (5)′ を満足できれば,加熱手段等によらず合金化が可能であ
る。したがって,これは特定の装置だけに許される装置
要件ではなく,この関係を満たす操業ができる装置であ
ればよいことになる。
せるための制御要因は板温と板温保持時間のみであるか
ら,蒸着メッキ後の実際の板温T3と板温保持時間Sお
よび付着量Wの関係が, T3≧−S4/3+403 +0.7W (5)′ を満足できれば,加熱手段等によらず合金化が可能であ
る。したがって,これは特定の装置だけに許される装置
要件ではなく,この関係を満たす操業ができる装置であ
ればよいことになる。
第2図の直線bは蒸着後の板温の上限値TMax (℃)を
示すもので, TMax =420 (6) で表される。蒸着後の板温の上限値TMax が420℃に
限定される理由は,それを超える温度では鋼帯表面の亜
鉛が溶解することによる。これも装置要件とは無関係に
決まるものであり,また付着量に対しても不変の値であ
る。
示すもので, TMax =420 (6) で表される。蒸着後の板温の上限値TMax が420℃に
限定される理由は,それを超える温度では鋼帯表面の亜
鉛が溶解することによる。これも装置要件とは無関係に
決まるものであり,また付着量に対しても不変の値であ
る。
直線cとdは,それぞれ板温保持時間Sの下限と上限を
示す直線である。
示す直線である。
板温保持時間Sは,式(4)のように,蒸着メッキ直後
よりシールロール室4bの最後シールロール10までの
間の長さlと,ラインスピードvの関係から定まるが,
その下限は蒸着メッキ直後から最終シールロールまでの
長さで制約される。すなわち,式(4)の関係からライ
ンスピードを大きすすれば板温保持時間は短くなるが,
蒸着メッキ直後から最終シールロールまでの長さは蒸着
メッキ装置によって定まっているので,そこを通過する
までに或る時間を要し,この時間はたとえばラインスピ
ードを大きくしても,一定時間以下にはできない。
よりシールロール室4bの最後シールロール10までの
間の長さlと,ラインスピードvの関係から定まるが,
その下限は蒸着メッキ直後から最終シールロールまでの
長さで制約される。すなわち,式(4)の関係からライ
ンスピードを大きすすれば板温保持時間は短くなるが,
蒸着メッキ直後から最終シールロールまでの長さは蒸着
メッキ装置によって定まっているので,そこを通過する
までに或る時間を要し,この時間はたとえばラインスピ
ードを大きくしても,一定時間以下にはできない。
また,付着量が多くなった場合は,式(5)から第2図
の直線aが示す合金化可能範囲は高板温側へ移動する
が,板温の上限が420℃に限定されるので,ラインス
ピードを小さくして板温保持時間をそれだけ長くしなけ
ればならない。
の直線aが示す合金化可能範囲は高板温側へ移動する
が,板温の上限が420℃に限定されるので,ラインス
ピードを小さくして板温保持時間をそれだけ長くしなけ
ればならない。
しかし,蒸着メッキ直後から最後シールロールまでの長
さは定まっており,また,ラインスピードを小さくすれ
ば生産性が低下することになるから,おのずとラインス
ピードには下限がある。したがって,板温保持時間の上
限は蒸着メッキ直後から最終シールロールまでの長さお
よびラインスピード,すなわち生産性により制約される
ことになる。
さは定まっており,また,ラインスピードを小さくすれ
ば生産性が低下することになるから,おのずとラインス
ピードには下限がある。したがって,板温保持時間の上
限は蒸着メッキ直後から最終シールロールまでの長さお
よびラインスピード,すなわち生産性により制約される
ことになる。
このようなことから,第2図では直線cとdで板温保持
時間の上・下限(25秒・5秒)を例示したが,これは
蒸着メッキ直後から最終シールロールまでの長さおよび
生産性により決定されるものであり,本発明において板
温保持時間の上・下限は第2図の値に限定されるもので
はない。
時間の上・下限(25秒・5秒)を例示したが,これは
蒸着メッキ直後から最終シールロールまでの長さおよび
生産性により決定されるものであり,本発明において板
温保持時間の上・下限は第2図の値に限定されるもので
はない。
以上のことから,蒸着後に亜鉛が合金化されるために
は,付着量および板温保持時間との相関において,メッ
キ後の鋼帯温度T3が次式に示される温度範囲にあるこ
とが必要である。
は,付着量および板温保持時間との相関において,メッ
キ後の鋼帯温度T3が次式に示される温度範囲にあるこ
とが必要である。
−S4/3 +403 +0.7W≦T3≦420 (7) 一方,蒸着後の板温T3は蒸着前鋼帯温度Tに対して上
記ΔT1およびΔT2の温度上昇が加わり,次式で表され
る。
記ΔT1およびΔT2の温度上昇が加わり,次式で表され
る。
上記(7)式は(8)式により次のように示される。
−S4/3 +403 +0.7W−ΔT1−ΔT2 ≦T≦ 420 −ΔT1−ΔT2 (9) このように,メッキ前鋼帯温度T,蒸着潜熱によ温度上
昇ΔT1および支持ロールからの熱伝達による温度上昇
ΔT2を夫々制御して最終的な蒸着後の鋼帯温度T3を
上記合金化温度範囲内にすることにより,ライン内で自
動的かつ連続的に合金化蒸着亜鉛メッキ鋼板を製造でき
る。
昇ΔT1および支持ロールからの熱伝達による温度上昇
ΔT2を夫々制御して最終的な蒸着後の鋼帯温度T3を
上記合金化温度範囲内にすることにより,ライン内で自
動的かつ連続的に合金化蒸着亜鉛メッキ鋼板を製造でき
る。
尚,実操業においては,鋼帯支持ロールは熱容量が大き
いので瞬時の温度制御には適さず,メッキ前の鋼帯温度
Tを制御する方が容易である。具体的には,上記
(5),(6)で示される温度に対し,夫々予めΔ
T1,ΔT2の温度上昇分より低く鋼帯温度Tを設定す
れば良い。
いので瞬時の温度制御には適さず,メッキ前の鋼帯温度
Tを制御する方が容易である。具体的には,上記
(5),(6)で示される温度に対し,夫々予めΔ
T1,ΔT2の温度上昇分より低く鋼帯温度Tを設定す
れば良い。
<実施例および比較例> 第1図に示す連続真空蒸着メッキ装置を用いて本発明の
方法に従い,蒸着前の鋼帯温度Tを制御してメッキ後の
鋼帯温度T3が第2図の範囲になるように真空蒸着亜鉛
メッキを施し,自動的,連続的に片面合金化差厚蒸着亜
鉛メッキ鋼板を製造した。製造条件は次の通りである。
方法に従い,蒸着前の鋼帯温度Tを制御してメッキ後の
鋼帯温度T3が第2図の範囲になるように真空蒸着亜鉛
メッキを施し,自動的,連続的に片面合金化差厚蒸着亜
鉛メッキ鋼板を製造した。製造条件は次の通りである。
上記合金化処理の結果を次表に示す。また,比較例とし
てメッキ前の鋼帯温度Tを低くし,かつ亜鉛付着量およ
び通板速度を変えてメッキ後の鋼帯温度T3が第2図の
直線aから外れるものを併せて次表に示す。
てメッキ前の鋼帯温度Tを低くし,かつ亜鉛付着量およ
び通板速度を変えてメッキ後の鋼帯温度T3が第2図の
直線aから外れるものを併せて次表に示す。
第1図は本発明方法を実施するための装置の一例を示す
概略的断面図である。 第2図は本発明方法の実施可能条件を示す蒸着後鋼帯温
度と鋼帯温度保持時間の関係を示す図である。
概略的断面図である。 第2図は本発明方法の実施可能条件を示す蒸着後鋼帯温
度と鋼帯温度保持時間の関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】支持ロールが設置された蒸着室内に鋼帯を
該支持ロールで案内しながら鋼帯表面に亜鉛を連続的に
蒸着メッキし,この支持ロール通過後,メッキ鋼帯をシ
ールロール室を経て装置外に導く蒸着亜鉛メッキ方法に
おいて, −S4/3+403+0.7W≦T3≦420 の関係が満足するようにS,WおよびT3を調節して蒸
着亜鉛を合金化することを特徴とする合金化蒸着亜鉛メ
ッキ鋼帯の製造方法, ただし,T3=T+ΔT1+ΔT2であり, S:板温保持時間(シールロール室を通過する時間)(s
ec), W:メッキ付着量(g/m2), T3:蒸着後の鋼帯温度(℃), T:蒸着直前の鋼帯温度(℃), ΔT1:蒸着亜鉛の凝縮熱による鋼帯の温度上昇分
(℃), ΔT2:支持ロールからの熱伝達による鋼帯の温度上昇
分(℃), を表す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14621886A JPH0660396B2 (ja) | 1986-06-24 | 1986-06-24 | 合金化蒸着亜鉛メツキ鋼帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14621886A JPH0660396B2 (ja) | 1986-06-24 | 1986-06-24 | 合金化蒸着亜鉛メツキ鋼帯の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS634057A JPS634057A (ja) | 1988-01-09 |
JPH0660396B2 true JPH0660396B2 (ja) | 1994-08-10 |
Family
ID=15402780
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14621886A Expired - Lifetime JPH0660396B2 (ja) | 1986-06-24 | 1986-06-24 | 合金化蒸着亜鉛メツキ鋼帯の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0660396B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9623632B2 (en) | 2009-02-04 | 2017-04-18 | Umicore | Process for coating discrete articles with a zinc-based alloyed layer and articles obtained therefrom |
CA2751432C (en) | 2009-02-04 | 2017-10-10 | Umicore | Process for coating discrete articles with a zinc-based alloyed layer |
UA116262C2 (uk) * | 2013-08-01 | 2018-02-26 | Арселорміттал | Сталевий лист з цинковим покриттям |
UA117592C2 (uk) | 2013-08-01 | 2018-08-27 | Арселорміттал | Пофарбований оцинкований сталевий лист та спосіб його виготовлення |
-
1986
- 1986-06-24 JP JP14621886A patent/JPH0660396B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS634057A (ja) | 1988-01-09 |
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