JPH0659169B2 - 飼料用ビール粕発酵物の製造法 - Google Patents

飼料用ビール粕発酵物の製造法

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JPH0659169B2
JPH0659169B2 JP63029880A JP2988088A JPH0659169B2 JP H0659169 B2 JPH0659169 B2 JP H0659169B2 JP 63029880 A JP63029880 A JP 63029880A JP 2988088 A JP2988088 A JP 2988088A JP H0659169 B2 JPH0659169 B2 JP H0659169B2
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、嗜好性及び飼料効果に優れた長期保存可能な
飼料用ビール粕発酵物の製造法に関する。本明細書にお
いて百分率は、特に断りのない限り重量による値であ
る。
従来の技術の説明 ビール粕は、ビールの製造における麦汁製造工程におい
て、濾過器又は濾過層に残る湿潤固形分であって、それ
は主として麦芽殻皮及び糖化残渣物からなる。ビール粕
の主たる用途は、家畜用飼料であり、特に乳牛の良好な
粗飼料として利用されている。
麦汁製造工程で得られたビール粕は、水分が80%(重
量、以下同じ)にも及び、それゆえ変敗し易い。この保
存性の問題が、ビール粕を飼料として供給する上に大き
な障害となっている。特に、ビールの消費が最盛となる
6〜8月は、ビール粕の産出量も最大となり、その量は
飼料その他の利用資源としての需要を遥かに上回る。従
って、ビール産業界においては、季節的に過剰となるビ
ール粕の処理が重大な問題となっている。
この対策として、ビール粕を乾燥すること、酪農家の庭
先の簡易サイロに詰めてサイレージ化すること、が行わ
れている。前者は、乾燥に要するコストが割高であるた
めに、供給側及び需要側での経済的メリットが損なわ
れ、また後者は酪酸発酵による変敗、カビによる汚染が
避けられず、飼料価値は低下し、何れの場合にも満足な
結果が得られていないのが現状である。
特開昭60−210953号公報には、農産物残渣物、
食品加工残渣物からなる植物性有機物を破砕した原料と
添加栄養物と発酵促進菌との混合物を嫌気発酵させたこ
とを特徴とする飼料、及びその製造法が開示されてい
る。この文献においては、稲藁等の農産物残渣の破砕
物、ビール粕等の食品加工残渣の破砕物、澱粉質物、糖
蜜等の栄養物との混合物を原料とし、該原料を乳酸菌や
酵母等の発酵促進菌によって嫌気性条件下で発酵させて
いる。
「畜産の研究」,第41巻,第7号,849〜853頁
(1987)には、乳酸菌を添加した余剰産物のサイレ
ージ化についての報告があり、特に第851頁〜第85
2頁には、ポリバケツにビール粕、乳酸菌及びグルコー
スを収容して、室温で36日間保存することにより、ビ
ール粕を良質なサイレージとして保存することができた
との報告がある。
本発明が解決しようとする問題点 従来、ビール粕を含む原料に糖分等を加え、得られた混
合物を嫌気性条件下で発酵することにより、飼料用発酵
ビール粕(飼料用ビール粕発酵物)を製造する製造法は
知られているが、これらは、何れも比較的少量、短期間
の保存方法に過ぎなかった。従って、ビール粕産出量の
多い季節間の大量、長期保存に適しており、また嗜好性
においても満足なビール粕発酵物の製造法が、ビール粕
の供給側及び需要側において望まれていた。
従って、本発明の目的は、ビール粕から、30℃で3カ
月保存しても変敗することなく嗜好性に優れた長期保存
可能な飼料を廉価に製造する方法を提供することであ
る。
本発明の他の目的は、ビール粕から、嗜好性の優れた飼
料を廉価に製造する方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、ビール粕から、栄養価が高い飼
料を廉価に製造する方法を提供することである。
発明の具体的な説明 本発明においては、ビール粕を含む発酵原料を嫌気的に
発酵させて飼料用ビール粕発酵物を製造する方法におい
て、上記発酵原料の水分を45〜75%(重量)、ビフ
ィズス菌及び乳酸菌による発酵可能な糖分を0.5%
(重量)以上に調整し、ビフィズス菌、ビフィズス菌と
乳酸菌、及び少なくとも1種のホモ型乳酸菌と少なくと
も1種のヘテロ型乳酸菌からなる群より選択される微生
物の生菌数を、上記発酵原料1g当たり少なくとも10
4個の割合に調整し、かくて得られた混合物の見掛け密
度を0.6g/cm3以上に調整し、嫌気的に発酵す
る。
本発明において使用されるビール粕を含む発酵原料は、
水分を45〜75%、望ましくは50〜70%に調整さ
れる。
ビール生産における麦汁製造工程で得られた直後のビー
ル粕(以下、生ビール粕と称する)は、約80%もの水
分を含むので、これを前記の水分範囲に調整するには、
脱水処理、部分乾燥処理することもできるが、経済性の
観点から、水分の低い他の原料と混合することによって
上記の水分範囲に調整するのが有利である。ビール粕に
配合される他の原料は、一般に利用されている飼料原料
であって良く、それらを例示すれば下記の如くである。
1) 大麦、とうもろこし等の殻類、 2) ビートパルプ、ふすま、米糠等の農産物加工残
渣、及び 3) 牧草、稲藁等、又はそれらの乾燥物。
また、ビール粕の水分が、万一45%に満たない場合に
は、加水するか、水分の多い上述の他の飼料原料と混合
することによって、水分を45〜75%に調整できる。
発酵原料中のビール粕含量には、制限はないが、本願
は、飼料用ビール粕の発酵物の製造方法であり、原則と
して30%以上を用いる。勿論、ビール粕含量はそれ以
下であっても、また100%であっても良い。
発酵に利用されるビフィズス菌は、ビフィドバクテリウ
ム属(以下B.と記載する)に属する公知の総ての菌種
であって良い。それらの主なものを列挙すれば下記の如
くである。
1)動物由来のビフィズス菌 B.シュードロンガム(B.pseudolongum) B.アニマリス(B.animalis) B.サーモフィラム(B.thermophilum) 2)人由来のビフィズス菌 B.ロンガム(B.longum) B.ビフィダム(B.bifidum) B.ブレーベ(B.breve) B.インファンティス(B.infantis) 上述のうち、B.シュードロンガム、B.マニマリス、
B.サーモフィラムが特に望ましい。
乳酸菌としては、ラクトバチルス属(以下、L.と記載
する)、あるいはストレプトコッカス属(以下、S.と
記載する)等に属するホモ型乳酸菌及びヘテロ型乳酸菌
の公知の総ての菌種を使用することができる。ホモ型乳
酸菌を例示すれば下記のとおりである。
L.ブルガリカス(L.bulgaricus) L.カゼイ(L. casei) L.プランタラム(L. plantarum) S.サーモフィラス(S. thermophilus) S.フェカーリス(S. faecalis) ヘテロ型乳酸菌を例示すれば下記のとおりである。
L.ブレビス(L. brevis) L.ブッヒネリ(L. buchneri) L.ファーメンティ(L. fermenti) S.ジアセチラクティス(S. diacetilactis) これらの中でも、L.カゼイ、L.プランタラム、S.
フェカーリス、L.ブレビス、L.ブッヒネリ、L.フ
ァーメンティが特に望ましい。
これらのビフィズス菌と乳酸菌とは、勿論1種類の菌だ
けでも使用可能であるが、ビフィズス菌と乳酸菌との併
用が望ましく、次いでビフィズス菌の単用が望ましく、
次いでヘテロ型とホモ型の乳酸菌の併用が望ましい。し
かしながら、ホモ型またはヘテロ型の乳酸菌の1種類の
みを単用しても良い。
これらの微生物の生菌数を、上記発酵原料1g当たり少
なくとも104個の割合に調整する。
麦汁製造工程の直後に得られたビール粕は、ほぼ無菌状
態であるが、採取された後は時間の経過とともに微生物
が増殖する。これらの微生物にはビフィズス菌、乳酸菌
が含まれている。従って、発酵原料1g当たり104
以上のビフィズス菌及び/又は乳酸菌が含まれている場
合には、改めてビフィズス菌及び/又は乳酸菌を添加す
る必要はない。ビフィズス菌及び/又は乳酸菌の生菌数
が不足する場合には、それらの微生物を添加して、当該
微生物の生菌数を上記発酵原料1g当たり少なくとも1
4個の割合に調整すれば良い。しかしながら、ビフィ
ズス菌及び/又は乳酸菌の生菌数が過剰な場合には発酵
が速く進行するに過ぎないので、実際には、発酵原料中
の生菌数をわざわざ測定する必要はない。
これらの微生物を含む上記発酵原料の混合物を容器に充
填した後、発酵に先立って圧縮又は脱気等の操作によ
り、当該混合物の見掛け密度(一定体積に対する重量)
を0.6g/cm3以上、望ましくは0.7g/cm3
上に調節する。
更に、ビフィズス菌及び/又は乳酸菌が発酵するために
は、それらが発酵可能な糖分(例えば、単糖類、オリゴ
糖類)が含まれていることが必要であり、その糖分濃度
は発酵原料中の水分によって変化するものの、0.5%
(重量)以上含まれていれば良い。従って、発酵原料中
にかかる糖分が不足することが予想される場合には、ビ
フィズス菌及び/又は乳酸菌が発酵可能な糖分として、
例えばグルコース、乳糖、廃糖蜜等を添加することがで
きる。
以上に本発明の概要を述べたが、以下に本発明の試験例
を通じて、本発明を例証する。尚、本発明の試験例にお
いては、特定の菌株を用いているが、それは特定の菌株
に固有の性質を利用するものではなく、単に特定の属、
特定の種に属する菌を使用したことを明確にするためで
ある。
《試験例1》 乳酸菌粉末A(L.プランタラム,ホモ型乳酸菌)を下
記による調製した。
L.プランタラムATCC14917株(ホモ型乳酸
菌)を、酵母エキス1.0%、肉エキス1.5%、ペプ
トン1.0%、リン酸1カリウム0.1%、リン酸2カ
リウム0.2%、無水酢酸ナトリウム0.5%、乳糖
3.0%、シスチン0.04%よりなる2の培値(p
H6.8)を用いて、37℃で16時間培養した後、遠
心分離して菌体を集め、10%の還元脱脂乳100ml
に十分懸濁させた後、その懸濁液を凍結乾燥して、1g
当たり10×1010個の生菌を含むL.プランタラムの
菌粉末約10gを得た。得られた菌粉末に脱脂粉乳90
gを粉末混合し、10×109個/gの生菌を含む乳酸
菌粉末A約100gを得た。
水分が、80%の生ビール粕と、水分が10%の乾燥ビ
ール粕とを入手し、水分が異なる8種類のビール粕(第
1表参照)を調製した。水分が60〜75%のビール粕
は、水分が80%のビール粕を脱水して調製し、水分が
30〜50%のビール粕は、水分が10%のビール粕に
加水して調製した。
水分の異なる上記8種類のビール粕の夫々1kgに対し
て、グルコース10g(約1%)及び乳酸菌粉末A0.
2g(発酵原料1g当たりの生菌数:2×106個)を
添加し、十分に混合して、8種類のサンプルを調製し
た。
調製した8種類のサンプルを、夫々2容のビーカーに
移し、圧縮して見掛け密度を0.8g/cm2に調整し
た後、30℃で嫌気的に発酵させた。
発酵開始後、1週間目のビール粕被発酵物の夫々につい
て、pH、外観、性状、発酵臭、及び搾乳牛による嗜好
性テストを行った。これらの結果は第1表に示されてい
る。
嗜好性テストは、健康な5頭の搾乳牛に対して、夫々の
ビール粕発酵物約100gを給与して、下記の基準で評
価した。即ち、 不可:通常の飼料給与直前の空腹時に給与した場合にお
いても、3頭以上が摂取しなかった場合 可: 通常の飼料給与を行った直後の満腹時において
も、少なくとも1頭が摂取した場合 良: 通常の飼料給与を行った直後の満腹時において
も、3頭が摂取した場合 最良:通常の飼料給与を行った直後の満腹時において
も、4頭以上が摂取した場合 第1表より明らかなように、サンプル1(水分80%)
の発酵物は、カビの発生、酪酸発酵による変敗が認めら
れ、嗜好性が極めて悪く、飼料に適さなかった。サンプ
ル2(水分75%)の発酵物は、僅かな酸敗臭が感じら
れたが、嗜好性は一応満足いくものであった。水分が4
0%以下のサンプル7、8の発酵物は変敗はしていない
が、発酵が殆ど進行していなかった。サンプル6(水分
45%)の発酵物は、発酵の進行が緩やかであったが、
変敗は認められず嗜好性は満足いくものであった。水分
が50〜70%のサンプル3〜5では、発酵が順調に行
われ、pHの低下と共に爽やかな酸臭の増大が認めら
れ、変敗することなく、嗜好性が良好な発酵物が得られ
た。
尚、サンプル3〜8(水分70〜30%)の発酵物は、
30℃で3カ月後でも変敗することなく嗜好性にも変化
は認められなかった。
更に、使用菌株をホモ型乳酸菌、ヘテロ型乳酸菌及びビ
フィズス菌の菌株(何れも単用)に変更した以外は、上
記と同様の試験を行ったが、何れの試験においても上記
と同様の結果が得られた。
従って、発酵原料の水分は45〜75%、望ましくは5
0〜70%に調整することが必要であることが判った。
《試験例2》 使用菌を変えた以外は試験例1と同一の方法で培養、集
菌、凍結乾燥し、脱脂粉乳を粉末混合して、下記の2種
類の菌粉末を調製した。
乳酸菌粉末B: L.ブッヒネリATCC4005
株(ヘテロ型乳酸菌、生菌数:1g当たり5×109個 ビフィズス菌粉末X:B.アニマリスATCC2552
7株(動物由来のビフィズス菌、生菌数:1g当たり1
0×109個) 0.05gを乳酸菌粉末A、0.2gの乳酸菌粉末B及
び0.05gのビフィズス菌粉末Xの混合菌粉末(発酵
原料1g当たりの生菌数2×106個)を添加した以外
は、試験例1と同一の方法で8種類の発酵物を調製し
た。
発酵開始後、1週間目の発酵物について、試験例1と同
一の方法で評価した結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、水分が80%のサンプル1
及び水分が40%以下のサンプル7、8の発酵物は、試
験例1と同様な結果を示した。しかしながら、本試験例
では、水分が45%のサンプル5及び水分が75%のサ
ンプル2の発酵物においても、ビフィズス菌及び乳酸菌
による発酵が順調に進んでおり、pHの低下と共に爽や
かな酸臭が認められ、変敗することなく、嗜好性も良好
であった。特に水分が70〜50%のサンプル3〜5の
発酵物は、爽やかな酸臭と共にフルーツ臭の生成が認め
られ、また嗜好性は極めて良好であった。
尚、サンプル2〜8(水分75〜30%)の発酵物は3
カ月後でも変敗することなく、嗜好性にも変化が認めら
れなかった。
更に、使用菌株を変更して、ビフィズス菌と乳酸菌との
併用、又はホモ型乳酸菌とヘテロ型の乳酸菌との併用に
ついて、試験例2と同一の試験を行ったところ、ほぼ同
様の結果が得られた。但し、後者の場合にはフルーツ臭
の生成は前者に比べてかなり弱かった。
以上の結果から、ビフィズス菌と乳酸菌との併用、又は
ヘテロ型乳酸菌とホモ型乳酸菌との併用の場合には、発
酵原料の水分を45〜75%に調整すれば良く、特に5
0〜70%に調整したときは優れた発酵物が得られるこ
とが判った。
《試験例3》 水分80%の生ビール粕を脱水して、水分が70%のビ
ール粕7kgを用意し、これにグルコース70g(約1
%)及び乳酸菌粉末B2.8g(発酵原料1g当たりの
生菌数2×106個)を添加し、十分に混合した。
得られた混合物を、2容のビーカーに1kgずつ採取
し、夫々圧縮して見掛け密度の異なる(第3表参照)6
種類のサンプルを調製し、30℃で嫌気的に発酵させ、
発酵開始後1週間目の発酵物の夫々について、試験例1
と同一の評価を行った。その結果は第3表に示されてい
る。
第3表から明らかなように、見掛け密度が0.5g/c
3(サンプル1)の発酵物は、酪酸発酵により変敗
し、嗜好性も極めれ悪く、飼料には適さなかった。見掛
け密度が0.6g/cm3(サンプル2)の発酵物は、
変敗はしていないものの、乳酸菌による発酵が緩慢で、
表面に僅かにカビの発生が認められたが、嗜好性は一応
満足のいくものであった。見掛け密度が0.7〜1.2
g/cm3(サンプル3〜6)の発酵物は、発酵が順調
に行われており、pHの低下と共に爽やかな酸臭が認め
られ、カビの発生及び変敗もなく、嗜好性も良好であっ
た。
尚、サンプル3〜6(見掛け密度0.7g/cm3
上)の発酵物は3カ月後においても変敗することなく、
嗜好性にも変化は認められなかった。
更に、見掛け密度を1.2g/cm3以上に調製したサ
ンプルについて、同様な試験を行った結果、発酵に及ぼ
す影響は見掛け密度が0.7〜1.2g/cm3の場合
と同様であった。
従って、発酵原料は、物理的に可能な範囲で、発酵に先
立って見掛け密度を1.2g/cm3以上に調整しても
良いことが判った。
そのうえ、更に、使用菌株をビフィズス菌又は乳酸菌の
他の菌株(何れも単用)に変更して、同様の試験を行っ
たが、同様の結果が得られた。
従って、ビフィズス菌若しくは乳酸菌を単用する場合に
おいて、見掛け密度を0.6g/cm3以上、望ましく
は0.7g/cm3以上にする必要があることが判っ
た。
《試験例4》 乳酸菌粉末A0.35g、乳酸菌粉末B1.4g、ビフ
ィズス菌粉末X0.35gの混合粉末(発酵原料1g当
たりの合計生菌数2×106個)を使用した以外は、試
験例3と同一の方法で発酵物を調製し、且つ評価した。
その結果は、第4表に示されている。
第4表から明らかなように、見掛け密度が0.5g/c
3のサンプル1の発酵物は、酪酸発酵により変敗し、
嗜好性も極めて悪く、飼料には適さないことが判った。
見掛け密度が0.6g/cm3以上のサンプル2〜6の
発酵物は、ビフィズス菌及び乳酸菌による発酵が順調に
進行しており、pHの低下と共に爽やかな酸臭が増加
し、カビの発生及び変敗も認められず、嗜好性も良好で
あった。特に見掛け密度が0.7g/cm3以上のサン
プル3〜6の発酵物は、爽やかな酸臭と共にフルーツ臭
が生成され、嗜好性が極めて良好であった。
尚、サンプル2〜6(見掛け密度0.6g/cm3
上)の発酵物は、3カ月後でも変敗はなく、嗜好性にも
変化は認められなかった。
更に、ビフィズス菌と乳酸菌の菌株を変更して併用し、
また乳酸菌のホモ型とヘテロの他の菌株とを併用して、
同様の試験を行ったが、同様の結果が得られた。但し、
乳酸菌のヘテロ型とホモ型との併用の場合には、フルー
ツ臭の生成がかなり弱かった。
これらの結果から、ビフィズス菌と乳酸菌との併用、及
び乳酸菌のホモ型とヘテロ型との併用の場合には、見掛
け密度は0.6g/cm3以上に調整すれば良いことが
判った。
《試験例5》 試験例1と同一の方法で下記の乳酸菌粉末を夫々100
gずつ調製した。
乳酸菌粉末C:L.カゼイ、IFO−3425株(ホモ
型乳酸菌、粉末1g当たりの生菌数10×109個) 乳酸菌粉末D:L.ブレビス、ATCC−14434株
(ヘテロ型乳酸菌、粉末1g当りの生菌数10×109
個) 水分82%のビール粕を脱水して、水分を75%に調整
したビール粕1kgに対して、夫々グルコース5g(約
0.5%)及び乳酸菌粉末A〜D及びビフィズス菌粉末
Xを第5表に示す如く単用し、あるいは種々の組み合わ
せで併用して、0.05〜0.4g添加し、良く混合し
て7種類のサンプルを調製した。
夫々のサンプルを夫々2容のビーカーに移し、圧縮し
て見掛け密度を総て0.6g/cm3に調製したのち、
夫々30℃で嫌気的に発酵させ、発酵開始後1週間目の
発酵物の夫々について試験例1と同一の方法で評価し
た。その結果は、第5表に示されている。
乳酸菌粉末AあるいはBを単用したサンプル1、2の発
酵物は、何れも変敗しなかったものの、乳酸菌による発
酵がやや緩慢で、表面には僅かにカビの発生が認められ
た。しかしながら、嗜好性は一応満足のいくものであっ
た。ビフィズス菌粉末Xを単用したサンプル3、乳酸菌
粉末CとDとを併用したサンプル4、ビフィズス菌粉末
Xと乳酸菌粉末A〜Cの少なくとも一種類とを併用した
サンプル5、6、7の発酵物は、何れも発酵が順調に進
行しており、pHの低下と共に爽やかな酸臭が増大し、
カビの発生及び変敗が認められず、嗜好性も良好であっ
た。特にビフィズス菌と乳酸菌とを併用したサンプル
5、6、7の発酵物は、爽やかな酸臭と共にフルーツ臭
が生成し、嗜好性が極めて良好であった。
更に、第5表のサンプルにおいて、夫々の菌の菌株を変
更して、詳述すれば、ビフィズス菌についてはビフィズ
ス菌の他の菌株を、ホモ型乳酸菌についてはホモ型乳酸
菌の他の菌株を、ヘテロ型乳酸菌についてはヘテロ型乳
酸菌の他の菌株を用いて、同様の試験を行ったが、ほぼ
同様の結果が得られた。
尚、ビフィズス菌及び/又は乳酸菌の発酵原料1g当た
りの生菌数を様々に変更し試験例5と同一の試験を行っ
たところ、1g当たり104個、望ましくは105個以上
であれば、ほぼ同様の結果が得られることが判った。し
かしながら、例えば麦汁製造後サイロに貯蔵され、自然
に生息するビフィズス菌及び/又は乳酸菌の発酵を受け
たビール粕を用いる場合には、それに含まれる生菌数が
上記の下限値以上であれば、改めてビフィズス菌及び/
又は乳酸菌添加する必要はない。また、たとえ過剰な生
菌数が含まれていても、発酵日数が短縮されるだけであ
り、従って、現実にビール粕に含まれるビフィズス菌及
び/又は乳酸菌を生菌数濃度を測定する必要はなく、最
低所要濃度のビフィズス菌及び/又は乳酸菌を添加すれ
ば良い。
《試験例6》 試験例1と同一の方法で得られたサンプル4(水分60
%、発酵前)を用いて下記の配合による搾乳牛用配合飼
料(対照区)を100kg準備した。
ちなみに、上記サンプル4(発酵前、水分60%)は、
乳酸菌粉末A(L.プランタラム)は添加されている
が、発酵されていない。
試験区として、上記の組成の発酵原料の代わりに、試験
例1と同一の方法で得られたサンプル4の発酵物(水分
60%)を同量用いたことを除いて、上記と同一の配合
飼料100kgを調製した。
健康なホルスタイン種の搾乳牛10頭の総てに、上記対
照区の飼料を10日間、夫々朝夕2回、毎回10kg
を、搾乳後に給与した。その後、総ての搾乳牛に試験区
の配合飼料を更に10日間、同一の態様で給与した。
上記の飼料給与全期間中(20日間)の1日当たりの平
均乳量、及び乳の平均脂肪率を測定した。その結果を、
対照区の飼料を給与した10日間と試験区の飼料を給与
した10日間との間で対比して第6表に示す。
第6表から明らかなように、平均乳量及び平均乳脂肪率
の10日間の平均は、対照区の飼料給与期間では249
kg及び3.44%であったのに対して、試験区の飼料
給与期間では明らかに増加し、夫々276kg(対照区
に対して110.8%)及び3.60%(対照区に対し
て104.6%)であり、本発明の飼料用ビール粕発酵
物を含む飼料の給与効果は顕著であった。また、試験区
の飼料に切り替えた2日後から、平均乳量及び平均脂肪
率の増加が認められ、このことは一般に、給与された飼
料が、乳量及び脂肪率に反映する時間が2日程度である
との知見と符合している。
《試験例7》 下記の配合による肥育牛用配合飼料(対照区)を1,1
00kg準備した。
ちなみに、試験例1と同一の方法で得た上記のサンプル
4(発酵前、水分60%)は、乳酸菌粉末A(L.プラ
ンタラム)は添加されているが、発酵されていない。
試験区として、上記のサンプル4(未発酵)の代わり
に、そのサンプル4の発酵物(水分60%)を同量用い
たことを除いて、上記と同一の配合飼料1,100kg
を調製した。
8〜9カ月令の健康なホルスタイン種去勢雄牛6頭を3
頭ずつ2群に分け、同一牛舎内において、通風、採光及
び保温に十分配慮しながら各群に対して上記各飼料を朝
夕毎回6kg、4週間にわたり給与した。尚、水につい
ては自由飲水とした。この試験期間中、各牛(試験No.
1〜6)について、毎日の飼料摂取量並びに試験開始後
2週及び4週目に体重を測定し、その間における増体
重、1日当たり平均増体重及び飼料要求率(体重増加1
kg当たりの飼料摂取量(kg)を算出し、比較した。
その結果を第7表〜第9表に示した。
第7表〜第9表から明らかなように、対照区の飼料に比
べて、本発明のビール粕発酵物を配合した試験飼料は、
1日当たりの増体重の平均並びに飼料要求率において、
何れも優れた結果を示した。
《試験例8》 実施例2で調製した発酵原料と菌粉末との混合物(未発
酵)を、下記の配合で均一に混合した肥育用豚配合飼料
(対照区)を300kg準備した。
肥育用豚配合飼料 とうもろこし 25% マイロ 25 魚粉 1.5 大豆粕 10 麸 5 糖密 11 食塩 0.5 炭酸カルシウム 0.5 燐酸3石灰 1.0 ビタミン、ミネラル混合物 0.5発酵原料/菌粉末混合物 20 合 計 100.0 試験区として、対照区で用いた実施例2の発酵原料と菌
粉末との混合物(未発酵)の代わりに、その発酵物を用
いた以外は、上記配合と同一の飼料を300kg調製し
た。
ちなみに、発酵原料及び菌粉末の混合物(発酵前)のデ
ータは下記のとおりである。
ビール粕(水分68%) 1200kg 廃糖密(発酵可能糖分70%) 20kg 乳酸菌粉末E(L.カゼイ) 500g ビフィズス菌粉末Y(B.サーモフィラム) 500g 混合物1g当たりの合計生菌数 1.6×107個 約3.5カ月令のランドレース種去勢雄豚6頭(体重5
6.9〜62.8kg)を3頭ずつ2群に分け、同一豚
舎内で通風、採光及び保温に十分配慮しながら、一方の
群に対照区の飼料を、他方の群に試験区の飼料を夫々摂
取させ、4週間飼育した。その間、飲水は自由飲水とし
た。各試験豚(No.7〜12)について試験例7と同
一項目について同一の測定及び計算を行った。その結果
を第10表〜第12表に示す。
第10表〜12表から明らかなように、対照区の飼料に
比して、本発明の飲料用ビール粕発酵物を配合した試験
区の飼料は1日当たりの増体重の平均並びに飼料要求率
において、何れも優れた結果を示した。
以上に本願発明を例証する試験例について詳述したが、
以下に本願の実施例を示して更に本願発明を詳述する。
《実施例1》 下記の乳酸菌、及びビフィズス菌の粉末を下記の方法に
より調製した。
乳酸菌粉末E:(L.カゼイ、サイレージから分離) 34.5kg(粉末1g当りの生菌数20×109個) 乳酸菌粉末F:(L.ブッヒネリ、サイレージから分
離) 34.5kg(粉末1g当りの生菌数10×109個) ビフィズス菌粉末Y:(B.サーモフィラム、牛の糞便
より分離) 34.5kg(粉末1g当りの生菌数20×109個) 夫々の採取源から分離した菌を試験例1に記載した培地
6,000で37℃16時間培養した後、10℃に冷
却し、アルファラバル社製のMRPX−418型遠心分
離器で1時間当り6,000の流速で通液して、濃縮
菌液150を調製した。これを20%の還元脱脂乳1
50とよく混合した後、共和真空(株)の凍結乾燥機
RL型を用いて0.3Torr、30℃で14時間凍結
乾燥した。
下記の配合の発酵原料と菌粉末との混合物をコンプリー
トフィーダー社のコンプリートミキサーCM型を用い
て、十分混合して、水分を60%に調整した。
生ビール粕(水分80%) 2000kg ビートパルプ 200kg 大麦 100kg とうもろこし 100kg 麦芽穀 50kg グルコース 20kg 乳酸菌粉末E(L.カゼイ) 130g 乳酸菌粉末F(L.ブッヒネリ) 130gビフィズス菌粉末Y(B.サーモフィラム)130g 合計 2470.39kg 得られた混合物を、王子製紙(株)製の1m3用フレキ
シブルバッグ2個に600kgずつ充填し、業務用の大
型掃除機で3分間脱気してバッグを収縮させ、見掛け密
度を調整して密封した後、屋外に貯蔵して発酵を開始さ
せた。発酵開始後2週間後には、変敗することなく、爽
やかな酸臭とフルーツ臭を呈し、嗜好性の極めて良好な
飼料用ビール粕発酵物(pH3.81)約1200kg
が得られた。
発酵開始前の上記発酵原料と菌粉末との混合物の主要デ
ータは下記のとおりであった。
発酵に利用可能な糖分:約0.8% 混合物1g当りの合計生菌数:2.6×106個 見掛け密度:0.8g/cm3 発酵時の外気温度:20±7℃ 本発酵物は、屋外に1年以上保管しても(密封したま
ま)変敗せず、嗜好性も変化せず、保存性は極めて良好
であった。
尚、この発酵物を用いた飼料の飼料効果は、試験例6、
7に示したとおりであった。
《実施例2》 水分80%のビール粕を、加藤鉄工所(株)製の脱水機
PB−100Tで脱水し、水分68%の脱水ビール粕1
200kgを調製した。
実施例1と同じコンプリートミキサーを用いて、発酵原
料と菌粉末とを下記の配合で均一に混合し、水分を68
%に調整した。
ビール粕(水分68%) 1200kg 廃糖密(糖分70%) 20kg 乳酸菌粉末E(L.カゼイ) 500gビフィズス菌粉末Y(B.サーモフィラム)500g 合計 1221kg 上記混合物600kgを1m3のフレキシブルバッグ1
個に充填し、業務用大型掃除機で5分間脱気して見掛け
密度を調整した後、屋外に貯蔵して発酵を開始した。
発酵開始前の上記混合物のデータの詳細は下記のとおり
であった。
発酵に利用可能な糖分: 約1.1% 混合物1g当りの合計生菌数: 1.6×107個 見掛け密度: 1.1g/cm3 発酵時の外気温度: 20±7℃ 発酵開始後1週間で、変敗することなく、爽やかな酸臭
とフルーツ臭を呈した嗜好性の極めて良好な飼料用ビー
ル粕発酵物(pH4.0)約600kgが得られた。
本発酵物は、屋外に1年以上保管(密封状態)しても、
変敗せず、嗜好性も変化せず、保存性が極めて良好であ
った。
尚、この発酵物を用いた飼料の飼料効果は試験例8に示
したとおりであった。
《実施例3》 実施例1と同一の方法で、下位の配合の発酵原料と菌粉
末との混合物(水分70%)を調製した。
生ビール粕(水分79%) 600kg ビートパルプ 50kg 大麦 30kg ふすま 30kg とうもろこし 30kg グルコース 5kg ビフィズス菌粉末Y(B.サーモフィラム) 5g乳酸菌粉末F(L.ブッヒネリ) 10g 合計 745.015kg 上記混合物を1m3のフレキシブルバッグに充填し、業
務用の大型掃除機で4分間脱気して、バッグ及び充填容
積を減少させて見掛け密度を調整し、屋外に貯蔵して発
酵を開始させた。
この発酵前の混合物の詳細なデータの下記のとおりであ
った。
発酵に利用可能な糖分: 約0.7% 混合物1g当りの合計生菌数: 2.8×105個 見掛け密度: 1.0g/cm3 発酵時の外気温度: 20±7℃ 発酵を開始してから1カ月後には、変敗することなく、
爽やかな酸臭とフルーツ臭を呈した嗜好性の極めて良好
な飼料用ビール粕発酵物(pH3.9)約740kgが
得られた。
この発酵物は、屋外で1年以上保管しても、変敗せず、
嗜好性も変化せず、保存性が極めて良好であった。
《実施例4》 実施例1と同一の方法で、下記配合の発酵原料と菌粉末
との混合物(水分50%)を調製した。
乾燥ビール粕(水分10%) 450kg 水 1300kg ビートパルプ 300kg ふすま 300kg 廃糖密(糖分70%) 20kg 乳酸菌粉末E(L.カゼイ) 50kg乳酸菌粉末F(L.ブッヒネリ) 50g 合計 2370.1kg 酪農家の庭先の鉄板製簡易サイロの内側側面をビニール
シートで覆った後、上記混合物を踏み込みをしながら充
填し、更に表面をビニールシートで覆い、重石と砂とを
乗せて、見掛け密度を調整して発酵を開始した。
発酵開始前の上記混合物の詳細は下記のとおりであっ
た。
発酵に利用可能な糖分: 約0.6% 混合物1g当りの合計生菌数: 6.5×105個 見掛け密度: 0.8g/cm3 発酵時の外気温度: 20±7℃ 発酵を開始してから1カ月後には、変敗することなく、
爽やかな酸臭を呈した、嗜好性の良好な飼料用ビール粕
発酵物(pH4.0)約2350kgが得られた。
この発酵物は、そのまま1年以上保管しても変敗せず、
嗜好性も変化する事なく、保存性が極めて良好であっ
た。
《実施例5》 実施例1と同一の方法で下記の配合の発酵原料及び菌粉
末混合物(水分65%)を調製した。
生ビール粕(水分78%) 600kg ビートパルプ 60kg 大麦 30kg ふすま 30kg グルコース 6kgビフィズス菌粉末Y(B.サーモフィラム)100g 合計 726.1kg 上記混合物を全容1m3のフレキシブルバッグに全量充
填し、業務用大型掃除機で3分間脱気してバッグ及び充
填容積を減らして見掛け密度を調整した後、密封して、
発酵を開始した。
発酵開始前の、上記混合物の詳細は下記のとおりであっ
た。
発酵に利用可能な糖分: 約0.8% 合計生菌数: 2.7×106個 見掛け密度: 0.8g/cm3 発酵時の外気温度: 20±7℃ 発酵を開始してから2週間目には、変敗することなく、
爽やかな酸臭を呈した、嗜好性の良好な飼料用ビール粕
発酵物(pH3.9)約720kgが得られた。
この発酵物は、屋外で1年以上保管しても、変敗せず、
嗜好性も変化せず保存性が極めて良好であった。
発明の効果 本発明によって奏せられる効果は下記のとおりである。
(1) 保存性が極めて優れたビール粕発酵物が得られ
る(3カ月〜1年以上)。
(2) ビフィズス菌及び/又は乳酸菌が生産した有用
代謝産物を豊富に含んでおり、爽やかな酸臭を呈し、飼
料として優れた嗜好性と栄養価とを有するビール粕発酵
物が得られる。その発酵物は乳牛に対しては乳量及び乳
脂肪率を高めると共に、牛、豚等の一般経済動物の飼料
要求率を著しく改善する。
(3) しかも、廃棄物同然のビール粕を有効活用でき
るので、経済的観点からも極めて有意義である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビール粕を含む発酵原料を嫌気的に発酵さ
    せて飼料用ビール粕発酵物を製造する方法において、上
    記発酵原料の水分を45〜75%(重量)、ビフィズス
    菌及び乳酸菌による発酵可能な糖分を0.5%(重量)
    以上に調整し、ビフィズス菌、ビフィズス菌と乳酸菌、
    及び少なくとも1種のホモ型乳酸菌と少なくとも1種の
    ヘテロ型乳酸菌からなる群より選択される微生物の生菌
    数を、上記発酵原料1g当たり少なくとも104個の割
    合に調整し、かくて得られた混合物の見掛け密度を0.
    6g/cm3以上に調整し、嫌気的に発酵することを特
    徴とする30℃で3カ月保存しても変敗することなく嗜
    好性に優れた飼料用ビール粕発酵物の製造法。
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