JPH0659120A - 波長帯域選択性吸収膜 - Google Patents

波長帯域選択性吸収膜

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JPH0659120A
JPH0659120A JP23643592A JP23643592A JPH0659120A JP H0659120 A JPH0659120 A JP H0659120A JP 23643592 A JP23643592 A JP 23643592A JP 23643592 A JP23643592 A JP 23643592A JP H0659120 A JPH0659120 A JP H0659120A
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JP
Japan
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film
refractive index
layer
wavelength band
region
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JP23643592A
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English (en)
Inventor
Makoto Tanabe
誠 田辺
Makoto Tanaka
田中  誠
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 太陽光の効率的な吸収を行なうフィルム材
(波長帯域選択性吸収膜)を提供する。 【構成】 波長帯域選択性吸収膜は、適宜の基材上に形
成されるものであり、赤外領域で5以上の屈折率を有す
る金属層と、その金属層上に形成された光学的バンドキ
ャップ0.4〜1.2eVのアモルファス炭素膜との積
層からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は波長帯域選択性吸収膜に
関し、詳しくは、特に太陽光のうちの熱エネルギーを効
率よく利用するのに適した波長帯域選択特性を有する吸
収膜に関する。
【0002】
【従来の技術】化石燃料の枯渇が心配されるのにつれ
て、天然のエネルギー特に太陽熱エネルギーを有効に利
用することが真剣に考えられるようになってきており、
その一部は既に実用化されている。身近な例としては、
太陽熱エネルギーを電気エネルギーに変換すること等で
ある。近時は、太陽光の屋内への効率よい取り込み、取
り込んだ熱の外部への放出を抑える波長帯域選択性吸収
膜の技術は、窓部の大きい建築構造物にあっては、冷暖
房設備費低減をいかにするかとの問題にも関連してい
る。
【0003】かかる波長帯域選択性吸収膜には(1)半
導体材料(例:Si/Mo、PbS/Alなど)、
(2)光学多層膜(例:Nb25/Nb、SiO/Al
など)、(3)表面構造処理を付した膜(Wウイスカ、
Cermetなど)等が提案されている(「薄膜ハンド
ブック」第821頁〜823頁、昭和58年12月10
日、オーム出版社発行)。
【0004】だが、これら材料によったのでは下記のこ
とを同時に達成することができず、いまだ改善の余地が
残されている。即ち、入射光を効率よく取り込むため
に、界面での反射を抑える必要があり、更に、太陽光を
取り入れる上層部膜を二重構造にし、その二つの膜の屈
折率を制御できる必要がある。対環境性(特に酸性雨
等についての対薬品性)を有していることが望まれる。
大量生産に適するように安価で取扱いの容易な原料で
なければならない。更に、変形曲面への取り付けにも
対処できることが必要である、等である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、太陽
光の効果的な吸収を行なうフィルム材(波長帯域選択性
吸収膜)を提供するものである。本発明の他の目的は、
安価で大量生産に適した波長帯域選択性吸収膜を提供す
るものである。本発明の更に他の目的は、対環境性にす
ぐれているとともに、(i)入射光を取り込む膜は光吸
収端を決める光学的バンドギャップが可視光エネルギー
と赤外光エネルギーとの中間値であること、また熱伝導
性にすぐれること、(ii)下層金属膜が赤外域で高い
屈折率(波長1240nmで5以上)を有し赤外線反射
率が100%になるべく近くなること、更に、必要に応
じて(iii)入射光マド材として光吸収層の上部に更
に可視光域での屈折率の制御が可能な膜を取り付けるこ
とにより入射光の反射を低減することである波長帯域選
択性吸収膜を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、適宜の基板材
上に形成させる波長帯域選択性吸収膜であって、赤外領
域で5以上の屈折率を有する金属層(赤外線反射層)
と、その金属層上に形成された光学的バンドギャップ
0.4〜1.2eVのアモルファス炭素膜(a−C膜入
射光吸収層)との積層からなることを特徴としている。
なお、本発明の波長帯域選択性吸収膜は、前記のアモル
ファス炭素膜上に、更に光学的バンドギャップが2.4
eV以上でかつ可視光域での屈折率が下層のアモルファ
ス炭素膜の屈折率に対して平方根で与えられる値又はそ
れに近い値を有する水素化されたアモルファス炭素膜が
(a−C:H膜入射光反射防止層)積層されたものであ
ればより望ましい。
【0007】本発明の波長帯域選択性吸収膜によれば、
上層二膜で太陽光を効果的に取り込み吸収(特に太陽エ
ネルギーの吸収)を行ない、取り込んだ熱は金属層を介
して熱交換媒体(例えば基板下を流れる水やガス体)に
送られる。取り込まれた熱は金属層でとじこめられて外
界には再放射されない。
【0008】以下に、本発明を添付の図面に従がいなが
らさらに詳細に説明する。図1は、約0.5μmにピー
クを持つ太陽スペクトル(即ち太陽熱エネルギー)を効
果的に取り込み、その熱を効率高く輸送し、更に、取り
込まれた熱の再放出をふせぐ動作・作用を説明するため
のものであり、ここで、1はa−C:H膜(水素化され
たアモルファス炭素膜)即ち入射光反射防止層、2はa
−C膜(アモルファス炭素膜)即ち入射光吸収層、3は
金属層(金属赤外線反射層)、4は基材を表わしてい
る。なお、図2のa−C:H膜は必要に応じて設けられ
るものである。
【0009】機械的強度及び化学的安定性を有した基材
4例えばガラス板の片面には金属(Al、Ni、Agな
ど)を塗付法、スパッタ法、蒸着法等で0.1μmから
50μmまでくらいの厚さで、熱線のしみだし効果を防
ぐ為には、好ましくは5μmから19μmまでくらいの
厚さに堆積され赤外線反射層3が形成されている。ここ
での金属赤外線反射層3の材料としては、安価で赤外域
での屈折率が非常に高いAlの使用が望ましい。
【0010】金属赤外線反射層3上には、スパッタ法、
CVD法等で1μmから50μmまでくらいの厚さでa
−C膜(入射光吸収層)2が堆積される。この時、a−
C膜2は光学的バンドキャップが0.4eV以上で1.
2eV以下にし、好ましくは0.7eVから0.8eV
の範囲に入るようにする。光学的バンドキャップは本発
明の太陽光吸収端を決めるもので、赤外域と可視光域と
の中間に位置することが必要である。
【0011】最上部のa−C:H膜1は必要に応じて設
けられるものであるが、入射光に対し反射率を低減させ
ることと、対環境性を上げる目的で形成するのが望まし
い。この時、a−C:H膜1のマド層の屈折率は、下記
の入射光に対する最少反射率の式から反射率を0とする
為にa−C太陽光吸収層2の屈折率値の平方根とするの
が好ましい。
【数1】 から2.5までくらいに制御することが可能である。ま
た、水素化処理を付したa−C:H膜1は屈折率を1.
55から2.2までくらいに制御できる。このことか
ら、a−C膜2の屈折率を2.5に近い値にし、a−
C:H層1の屈折率を1.55に押さえることにより反
射率を下げることができる。この結果、反射率は1%程
度に押えられ、高い効率で太陽光を取り込める。最上層
a−C:H膜1の形成は、a−C膜2の形成後に同行程
中に水素ガスを同入し表面処理をほどこすことにより容
易に行える。
【0012】更に、基材4に関しては、曲面への取り付
けを考慮するとポリフィルム材を選定するとよい。この
とき、ポリエチレンテレフタレート(PET)を使用す
ると良い。理由は、耐水性、耐環性にすぐれ、熱交換材
との界面でも良好で、更に弾性率も高く、内部応力の強
いa−C膜2を形成しても局所変形しにくく、また、安
価であるためである。さらに、金属膜からの熱をより効
果的に熱交換材に取り込むために、基材4であるポリフ
ィルムは多孔質状または、織布状の構造を有したもので
あってもかまわない。
【0013】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をより具体的に説
明する。
【0014】実施例1 ガラス基板に約5μmの厚さでAlを蒸着し金属赤外線
反射層を形成した。Al金属層の上面にa−C層をを高
周波CVD法で下記の条件で約10μmの厚さに堆積し
た。 ─────────────────────── rf投入電力 0.3〜0.5W/cm2 自己バイアス −300〜−500V チャンバー圧力 0.1〜0.5torr ─────────────────────── 原料ガス CH4 ─────────────────────── 作製されたa−C膜は透過率・反射率の測定から光学的
バンドキャップが0.8eVあり、屈折率は太陽スペク
トルピーク位置に相当する500nmで2.2であっ
た。入射光に対するa−C膜表面による反射は約15%
であった。また、赤外線反射測定よりAl膜から95%
以上の反射がみとめられた。このことから、取り扱いが
容易な原料材から、簡易な構造体で波長帯域選択性吸収
膜が作製できた。
【0015】実施例2 実施例1と同様の工程により、Alとa−C膜を形成し
た後に、a−C膜形成用CVD反応器にH2ガスを導入
し、高周波放電により水素プラズマを発生させ、a−C
膜上部に水素改質を施した。この改質条件は下記のとお
りである。 ──────────────────────── rf投入電力 0.1〜0.2W/cm2 自己バイアス −30〜−100V チャンバー圧力 0.01〜0.1torr ──────────────────────── 原料ガス H2 ──────────────────────── この改質でa−C膜上部を約1000Åの深さでa−
C:H層に変質せしめた。測定の結果、光学的バンドキ
ャップは2.4eVに上昇し、屈折率は1.57に低下
した。このことにより、入射光に対する反射率は4%以
下に押えることができた。
【0016】実施例3 基板材にPETにポリフィルムを使用し、実施例1及び
2の工程を使い、吸収膜を作製した。曲面設置対応の為
に、Alの膜厚は約5000Åにし、a−C膜とa−
C:H膜とは約1μmと約500Åとし、同時にa−C
膜の内部応力による膜の局所的なたわみの問題に対応し
た。
【0017】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、大量生産方式
によって安価な原料から耐環境性にすぐれた波長帯域選
択性吸収膜がつくられる。請求項2の発明によれば、入
射可視光に対し反射率を低減させ、太陽エネルギーの効
果的取り込みが更に良好なものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る波長帯域選択性吸収膜の概略図。
【図2】本発明に係る他の波長帯域選択性吸収膜の概略
図。
【符号の説明】
1 a−C:H膜(入射光反射防止層) 2 a−C膜(入射光吸収層) 3 金属赤外線反射層 4 基材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適宜の基材上に形成させるものであっ
    て、赤外領域で5以上の屈折率を有する金属層と、その
    金属層上に形成された光学的バンドギャップ0.4〜
    1.2eVのアモルファス炭素膜との積層からなること
    を特徴とする波長帯域選択性吸収膜。
  2. 【請求項2】 前記アモルファス炭素膜上に、更に光学
    的バンドギャップが2.4eV以上でかつ可視光帯域で
    の屈折率が下層のアモルファス炭素膜の屈折率に対して
    平方根で与えられる値又はそれに近い値を有する水素化
    されたアモルファス炭素膜が積層されてなる請求項1記
    載の波長帯域選択性吸収膜。
JP23643592A 1992-08-12 1992-08-12 波長帯域選択性吸収膜 Pending JPH0659120A (ja)

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