JPH0658202B2 - 走査型トンネル顕微鏡 - Google Patents

走査型トンネル顕微鏡

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JPH0658202B2
JPH0658202B2 JP25500687A JP25500687A JPH0658202B2 JP H0658202 B2 JPH0658202 B2 JP H0658202B2 JP 25500687 A JP25500687 A JP 25500687A JP 25500687 A JP25500687 A JP 25500687A JP H0658202 B2 JPH0658202 B2 JP H0658202B2
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洋志 徳本
真 岡野
和佳 杉原
善昭 赤間
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、走査型トンネル顕微鏡(STM)に係り、特
にトンネル電流検出の前段階として探針と試料表面とを
微動機構による検査可能範囲まで近接させるために用い
られる粗動機構を改良した走査型トンネル顕微鏡に関す
る。
(従来の技術) 近年、原子の一つ一つを直接観察できる走査型トンネル
顕微鏡(STM)が注目を集めている。このSTMを使
えば、半導体や金属の原子ステップ、清浄な表面の原子
配列から、原子スケールより少しマクロな表面の粗さや
形状、スパッタ金属の表面や表面欠陥等まで検査すると
ができる。
このSTMの原理を簡単に説明する。導電性物質からな
る試料と金属の探針との間に電圧を加えて1nm程度の距
離まで近付けると、これらの間にトンネル電流が流れ
る。この電流は、両者の距離変化に敏感で、例えば0.1n
mの距離変化に対してトンネル電流が1桁変わる。ST
Mでは、三次元的に微動・走査が可能な電圧素子からな
る微動機構を用い、前記探針を試料の表面に沿ってXー
Y走査させながら、トンネル電流を一定に保つように探
針をZ方向に移動させる。すなわち、探針が試料の凸部
分にくるとトンネル電流が増えるので一定の電流になる
ように探針を上げ、凹部分では逆に探針を下げる。した
がって、探針の上下の動きが試料表面の凹凸に対応す
る。この操作を繰返し、微動機構を構成する圧電素子に
加えた電圧変化を取出して画像化すれば、被検査試料の
表面構造を原子のスケールで観測することができる。
ところで、STMにおいては、上述した微動機構のほか
に、被検査試料を探針から数10mm以上離れた位置から数
nm離れた位置まで、原子のスケールに比べてはるかに大
きいマクロな距離で動かすための粗動機構が必要とな
る。この粗動機構は、探針を原子尺度で3次元的に微動
・走査する微動機構との連続性が求められるので、1ス
テップの精度は1nm程度必要となる。また、粗動機構で
被検査試料を動かした後は、被検査試料と探針との間隔
が原子スケールの精度で動かないように保持・固定する
必要がある。
このような粗動機構としては、従来、以下のようなもの
が知られている。たとえば、圧電素子と静電吸着素子
とを用い、被検査試料又は探針を尺取り虫のように水平
方向に移動させる電圧粗動機構、永久磁石と電流が流
れるコイルとを用い、ローレンツ力によって被検査試料
又は探針を水平方向に移動させる磁気粗動機構、あるい
は拡大てこ、縮小てこを利用し、被検査試料又は探針
を機械的に移動させる粗相機構等である。
しかし、前記、のように被検査試料又は探針を水平
方向に移動させる粗動機構では、粗動機構を構成する支
持体部分と基台との間の摩擦力の影響が大きいため、粗
動の精度が悪くなるという問題が生じることがある。し
たがって、こうした観点からは、前記のような機械的
な粗動機構の方が好ましいといえる。
第2図は拡大てこ及び縮小てこを利用して被検査試料を
移動させる粗動機構の一例を示す側面図である。第2図
において、基台1は防振機構2上に設けられ、基台1上
には水平方向に延びる支持腕3aを有する脚柱3が立設
されている。脚柱3の支持腕3aの最先端にはナイフエ
ッジ4がその先端を下方に向けて取付けられている。ま
た、支持腕3aの下面には微動機構5が取付けられ、こ
の微動機構5に探針6がその先端を下方に向けて取付け
られている。ここで、探針6の下端はナイフエッジ4の
下端よりも僅かに上昇した位置となるように取付けられ
ている。上記脚柱3には軸受7が取付けられ、この軸受
7によって試料台8が回動自在に軸支されている。そし
て、試料台8の上面の上記探針8の下端に対向する位置
に試料9が保持される。更に、基台1には脚柱3に近接
してマイクロメータヘッド10が取付けられており、マイ
クロメータヘッド10の上端は試料台8の下面に当接して
いる。
上記構成の粗動機構においては、試料台8を図中一点鎖
線で示す位置にした状態で試料9が交換されるものとな
っている。試料台8に保持された試料9を探針6に近付
けるには、マイクロメータヘッド10を動かし、その先端
を上方に移動させる。これにより、試料台8は軸受7を
中心に回動する。この際の試料9の探針6への接近量d
は、マイクロメータヘッド10の先端の移動量をd、試
料台8の軸心からマイクロメータヘッド10との当接点ま
での水平距離をL、試料台8のマイクロメータヘッド
10との当接点から探針6の先端までの水平距離をL
すると、 d=d×{(L+L)/L} となる。すなわち、試料台8は拡大てこの働きをする。
また、試料9がナイフエッジ4に当接した後も、マイク
ロメータヘッド10を動かすと試料9は試料台8の弾性に
応じて移動するが、このときの試料9の探針への接近量
は、探針6の先端からナイフエッジ4の先端までの
水平距離をLとすると、 d=d×{L/(L+L)} となる。つまり、試料台8は弓なりに僅かに弾性変形す
ることで、縮小てことして動作する。このようにして試
料9の表面を探針6から数nmまで近付けることが可能と
なる。
しかしながら、この種の粗動機構を用いたSTMにあっ
ては次のような問題があった。すなわち、縮小てことし
て動作させる場合、Lを大とした方がストロークが大
となるので有利であるが、反面、剛性が低下してしま
う。また充分な剛性を得るために、Lを小とすると、
粗動機構の構成上、試料台8および支持腕3aの長さが
短くなるので試料9を交換する際に試料9を探針6から
十分に離すことができず、試料9の交換が面倒化するば
かりか、試料9の交換時に探針6を損傷させることがあ
った。また、試料台8を大きく弾性変形させようとする
と、マイクロメータヘッド10が反力を受けて逆転し、試
料9と探針6との間を同一距離に保持固定することがで
きないことがあった。
そこで、上記の問題を解決するために、本発明者等は先
に以下に示す装置を提案した(特願昭62−71089
号)。すなわち、第3図(a)および(b)は、その一
実施例における走査型トンネル顕微鏡の概略を示す側面
図および平面図である。第3図(a)および(b)にお
いて、基台11は防振機構12上に設けられている。この基
台11の周縁部上には、ナイフエッジ13がその先端を上方
に向けて設けられている。また、基台11の上には、ナイ
フエッジ13よりも内側に微動機構14が取付けられ、この
微動機構14に探針15がその先端を上方に向けて取付けら
れている。ここで、探針15の上端はナイフエッジ13の上
端よりも僅かに下降した位置となるように設定される。
また、基台11の上には一対の脚柱16,16が取付けられ、
これら脚柱16,16に設けられた軸受17、17によってウォー
ム18が回転自在に軸支されている。また、基台11の上に
は一対の脚柱19,19が取付けられ、これら脚柱19,19に設
けられた軸受20、20によってホイール21が上記ウォーム1
8と噛合するように回転自在に軸支されている。このホ
イール21には2個の剛体部材22,23を弾性部材24で結合
した試料台25が、ホイール21の軸に一方の剛体部材22の
一端側を取付けて一体に固着されている。そして、試料
台25を構成する他方の剛体部材23の先端の上記探針15と
対向する位置に試料26が保持される。
上記構成のSTMの動作を説明する。最初に、試料台25
を例えば第3図(a)中一点鎖線で示す位置まで回動さ
せて試料26の交換や表面処理を行なう。次に、ウォーム
18を回転させてホイール21および試料台25を図の矢印方
向に回動させ、試料台25を構成する剛体部材23の先端部
をナイフエッジ13の上端に当接させる。この状態で更に
ウォーム18を回転させると、試料台25を構成する弾性部
材24が屈曲する。このときの弾性部材24の屈曲位置での
下降量をd、弾性部材24の屈曲位置から探針15の先端ま
での水平距離をL、探針15の先端からナイフエッジ13
の先端までの水平距離をLとすると、試料26の探針
15への接近量d′は、 d′=d×{L/(L+L)} となる。すなわち、試料台25は縮小てことして動作す
る。このようにして試料26を探針15に接近させ、所望の
トンネル電流が流れる距離まで接近させて粗動機構の駆
動を停止する。その後は、微動機構14による操作を行な
い、試料26の表面を検査する。
このようなSTMによれば、従来の拡大てこ・縮小てこ
を利用した粗動機構の場合と異なり、試料台25を約180
度あるいはそれ以上にわたって回動させることができる
ので、十分なスペースを確保して試料26の交換等を容易
に行なうことができる。また、ウォーム18の駆動を停止
しても、その状態がウォーム−ホイールのセルフフロッ
ク機能によって保持される。これは、ウォーム側からの
慣性モーメントに比べてホイール側からの慣性モーメン
トを極めて大きくすることができるためである。この機
能は、従来の粗動機構で用いられているマイクロメータ
ヘッド等に使用されている三角ネジ・メネジの組合わせ
に比べて数倍大きい。したがって、試料台25の弾性変形
に伴う反力を受けても、ウォーム−ホイール部での逆転
が生じにくいため、確実に固定することができ、試料26
と探針15との間の間隔を一定に保持することができる。
しかしながら、第3図に示した走査型トンネル顕微鏡で
試料の原子像の観察を行ったところ、以下に述べるよう
な問題点が見付かった。
探針と試料との間の剛性を安定した再現性のあるST
M像が得られるまで高めることができない。すなわち、
弾性部材24は、剛性部材23がナイフエッジ13に当接した
後に折曲して探針15に試料26を微少量接近させる機能を
発揮しなければならないので、ある程度の弾性が必要で
ある。したがって、前述した剛性はこの弾性部材24によ
って制限されてしまう。試料26と探針15との間を一
定にして固定後、剛性部材24の応力緩和に伴って、両者
間の距離が長時間に亙って徐々に変化してしまい、観察
の精度が低下してしまう。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので
あり、探針から十分に離れた位置で試料交換を行うこと
ができることは勿論のこと、試料と探針との間にドリフ
トを生じることなく、安定して再現性のあるSTM像を
得ることができる走査型トンネル顕微鏡を提供すること
を目的としている。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明は、基台と、この基台上に立設された探針と、こ
の探針と前記基台との間に設けられ駆動信号に対応させ
て上記探針を3次元的に微少動させる微動機構と、被検
査試料を保持する試料ホルダーと、この試料ホルダーを
選択的に移動させて上記試料ホルダーに保持されている
前記被検査試料の表面を前記探針の先端に対向近接させ
る粗動機構とを備えた走査型トンネル顕微鏡において、
前記粗動機構を互いに関連して動作しない第1の粗動機
構と第2の粗動機構とで構成している。すなわち、粗動
機構は、外部から駆動力を受けて前記試料ホルダーを前
記探針に対向する検査セット位置と該検査セット位置と
は離れた試料交換位置とに移動させるとともに上記試料
ホルダーを上記検査セット位置に移動させたときには上
記検査セット位置に上記試料ホルダーを剛に固定する第
1の粗動機構と、前記基台と前記微動機構との間に設け
られ外部から駆動力を受けて上記微動機構と一体に前記
探針を検査開始位置へ移動可能とする第2の粗動機構と
で構成されている。
(作用) 本発明では、試料ホルダーを検査セット位置に移動させ
てセットする機能を第1の粗動機構で行なわせ、また続
いて必要な検査開始位置への探針の移動を第2の粗動機
構で行なわせるようにしている。したがって、両機能を
1つの粗動機構で行なわせるようにした従来のものとは
違って、試料ホルダーを弾性変形する部材で支持する必
要性をなくすことができ、試料ホルダーを含めて試料ホ
ルダーを検査セット位置に固定しておくための要素のす
べてを剛性の高い部材で構成するとができる。このた
め、これら要素の応力緩和を防止でき、試料ホルダーを
高い剛性を保って検査セット位置に固定できる。また、
第1の粗動機構は、試料ホルダーを検査セット位置と試
料交換位置とへ移動できる機能を備えていればよく、試
料交換位置が検査セット位置から離れていても何等支障
は生じない。したがって、探針から十分離れた位置にお
いて試料の交換も可能化できる。また、第2の粗動機構
は検査開始位置へ探針の移動だけを行なうものであるた
め、探針の試料への接近をスムーズに行なわせることも
できる。
(実施例) 以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の一実施例に係る走査型トンネル顕微鏡
の要部の概略構成を示す斜視図である。
同図において、111は基台であり、この基台111は図示し
ない防振機構の上に設けられている。基台111の上には
外形が角柱状に形成されたハウジング112が立設されて
いる。ハウジング112には円柱状の孔113が軸心線に沿っ
て形成されている。ハウジング112の上端面には3箇所
にわたって凸部114が設けられており、また側壁要部に
は側方から内部を観察することを可能とする観察孔115
が形成されている。そして、ハウジング112の孔113内に
は探針116を支持した微動機構117が探針116の先端を上
方に向けて収容されている。なお、微動機構117は圧電
素子で構成され探針116を3次元的に走査できるように
なっている。
上記微動機構117は、孔113内に、この孔の内面にガイド
されて上下動自在に収容された円柱状の台座118の上に
固定されている。台座118には横穴119が設けてあり、こ
の横穴119にはハウジング118の壁を回転自在に貫通した
軸120の一端側が侵入している。そして、軸120の横穴11
9内に位置する部分の外周には横穴119の内面上部に摺接
する偏芯カム121が取付けられている。軸120のハウジン
グ112外に延びた部分はウォームホイール機構122のホイ
ール123に接続されており、このホイール123に歯合する
ウォーム124は図示しない回転伝達機構を介して真空雰
囲気外に設けられた回転駆動機構に連結されている。し
たがって、ウォーム124が回転すると、この回転がホイ
ール123を介して軸120に伝えられる。この結果、偏心カ
ム121が回転して台座118、つまり探針116を上下動させ
る。つまり、孔113と、この孔113の内面にガイドされて
上下動する台座118と、軸120と、偏心カム121と、ウォ
ームホイール機構122とは探針116を上下動させるための
粗動機構Pを構成している。なお、ハウジング112の側
壁にはネジ孔125が設けてあり、このネジ孔125には孔11
3の内面と台座118との間にガタが生じるのを防止すため
に台座118に予圧を加えるボールプランジャー126が装着
されている。
一方、基台111の上には一対の支持脚131,132(支持脚13
2は図示せず)が対向する関係に立設されている。これ
ら支持脚131,132には基台111の上面と平行に配置された
軸133の両端が回転自在に支持されている。軸133には支
持座134とウォームホイール機構135の一部切欠されたホ
イール136とが固定されている。そして、ホイール136に
歯合するウォーム137は軸138および図示しない回転力伝
達機構を介して真空雰囲気外に設けられた回転駆動機構
に連結されている。支持座134の両側面には支持部材13
9,140(支持部材140は図示せず)の一端側がそれぞれ固
定してあり、これらの支持部材139,140の他端側には軸1
41,142(軸142は図示せず)を介してセラミック製の試
料ホルダー143が支持されている。試料ホルダー143は、
支持部材139,140が図示位置まで回動したとき丁度前述
したハウジング112の上端面に衝合する大きさに形成さ
れている。試料ホルダ143の中央部には被検査試料144を
保持する保持部145が形成さてれおり、また前記凸部114
に対応する位置には凸部114を嵌入させて試料ホルダー1
43をハウジング112の上端面に対して位置決めするため
の凹部146が設けられている。また、支持座134の上面に
は試料ホルダー143にハウジング112方向への押圧力を付
与するためのステンレス鋼製の押圧部材147が固定され
ており、この押圧部材147の押圧力は凹部146に対向する
部分に装着されたネジ148を介して与えられるようにな
っている。したがって、軸138を回転させることによっ
て支持座134を回動させると、試料ホルダー143を図示の
ようにハウジング112の上端面に当接させた位置(検査
セット位置)と図中二点鎖線で示す位置(試料交換位
置)とに移動させることができる。つまり、軸133と、
ウォームホイール機構135と、支持座134と、支持部材13
9,140と、押圧部材147と、ハウジング112とは試料ホル
ダー143を検査セット位置と試料交換位置とへ移動させ
る粗動機構Qを構成している。
次に、上記構成のSTMの動作について説明する。ま
ず、最初に軸138を回転させ、ウォーム137およびホイー
ル136を回転させることにより、試料ホルダー143を第1
図中二点鎖線で示す位置まで回動させる。この状態で被
検査試料144の交換或いは表面処理を行う。次に、軸138
を逆方向に回転させて試料ホルダー143をハウジング112
の上端面に当接させ、凹部146と凸部114を嵌合させてハ
ウジング112に対して試料ホルダー143を位置決めする。
さらに軸138を回転させ、押圧部材147の先端に装着され
たネジ148で試料ホルダー143の3箇所を押し付け、試料
ホルダー143をハウジンブ112の上端面に固定する。上記
説明から判かるように、ハウジング112は、その上端面
で試料ホルダー143を受け止めて試料ホルダー143を、検
査セット位置に保持する受け部材としての機能を発揮し
ている。このため、試料ホルダー143は弾性変形するこ
となく、ハウジング112の上端面上に高い剛性を持って
固定されることになる。この場合、弾性変形するのは押
圧部材147だけで、試料ホルダー143とハウジング112に
は弾性変形が起り難い。
次に、被検査試料144と探針116との間に所定の電圧を印
加している状態で、ウォーム124を回転させることによ
って軸120の外周に装着された偏心カム121を回転させ、
これによって台座118を上方向に移動させて探針116を上
方、つまり被検査試料144に近付ける方向へ移動させ
る。この場合、ウォームホイール機構122で減速してい
るので、探針116の移動速度を十分遅くできる。そし
て、所望のトンネル電流が流れる距離、つまり検査開始
位置まで探針116を接近させた時点でウォームホイール
機構122の駆動を停止する。その後に、微動機構117を駆
動し、探針116で被検査試料144の表面近傍を3次元的に
走査して、試料144の表面を検査する。
このように、試料ホルダー143を検査セット位置に移動
させてセットする粗動機構Qと、セット後に探針116を
検査開始位置へ移動させる粗動機構Pとを完全に独立さ
せている。したがって、両機能を1つの粗動機構で行な
わせるようにした従来のものとは違って、試料ホルダー
143を弾性変形する部材で支持する必要性をなくすこと
ができ、試料ホルダー143含めて試料ホルダー143を検査
セット位置へ固定しておくための要素のほとんどを剛性
の高い部位で構成することができる。このため、これら
要素の応力緩和を防止でき、試料ホルダー143を高い剛
性を保って検査セット位置に固定することができるの
で、安定した再現性のあるSTM像を得ることができ
る。また、試料ホルダー143を移動させるための粗動機
構Qは、試料ホルダー143を検査セット位置と試料交換
位置とへ移動できる機能を備えていればよく、試料交換
位置が検査セット位置から離れていても何等支障は生じ
ない。したがって、探針116から十分離れた位置におい
て被検査試料の交換も可能化できる。また、探針116を
検査開始位置へ移動させるための粗動機構Pは、上記機
能だけを行なうものであるため、探針116の被検査試料1
44への接近をスムーズに行なわせることもできる。
なお、上記実施例のようにウォームホイール機構を使っ
て駆動するようにすると、減速機能が得られるばかり
か、セルフロック機能によって位置を固定できるので極
めて都合がよい。また、実施例で用いたウォームホイー
ル機構のウォームとホイールとは良好な潤滑が得られる
ように種類の異なる材質を用いることが望ましい。たと
えば、それぞれ焼入れされたステンレス鋼とチッ化鋼と
の組み合わせ、或いは、これらに二硫化モリブデン等の
固体潤滑剤をコーティングしたものが良い。また、上述
した実施例では、試料ホルダー143を検査セット位置に
受止める機能と、台座118をガイドする機能とをハウジ
ング112で行なわせているが、試料ホルダーを検査セッ
ト位置において受止める受け面を有した受け部材と、台
座をガイドするガイド部材とを別々に設けてもよい。ま
た、本発明は上述した実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能であ
る。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、探針から十分離れ
た位置で試料交換を行うことができ、しかも試料ホルダ
ーとハウジングに弾性変形を与えることなく、試料ホル
ダーを高い剛性を保った状態で検査セット位置に固定で
きる。したがって、安定した再現性のあるSTM像の観
測に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る走査型トンネル顕微鏡
の要部だけを取出して示す一部切欠概略斜視図、第2図
は従来の走査型トンネル顕微鏡の要部概略構成図、第3
図は先に本発明者等が提案した走査型トンネル顕微鏡の
要部概略構成図である。 111……基台、112……ハウジング、113……孔、114……
凸部、116……探針、117……微動機構、118……台座、1
20……軸,121……偏心カム、122……ウォームホイール
機構、133……軸、134……支持座、135……ウォームホ
イール機構、139……支持部材、141……軸、143……試
料ホルダー、144……被検査試料、146……凹部、147…
…押圧部材、P、Q……粗動機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉原 和佳 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 赤間 善昭 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 審査官 新井 重雄 (56)参考文献 特開 昭62−34746(JP,A) 実開 昭61−131060(JP,U) 米国特許4343993(クラス250/306) (US,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基台と、この基台上に立設された探針と、
    この探針と前記基台との間に設けられ駆動信号に対応さ
    せて上記探針を3次元的に微少動させる微動機構と、被
    検査試料を保持する試料ホルダーと、この試料ホルダー
    を選択的に移動させて上記試料ホルダーに保持されてい
    る前記被検査試料の表面を前記探針の先端に対向近接さ
    せる粗動機構とを備え、前記探針と該探針に対向近接し
    た前記被検査試料との間に所定の電圧を印加し、両者間
    に流れるトンネル電流に基いて上記被検査試料の表面を
    検査するようにした走査型トンネル顕微鏡において、前
    記粗動機構は、外部から駆動力を受けて前記試料ホルダ
    ーを前記探針に対向する検査セット位置と該検査セット
    位置とは離れた試料交換位置とに移動させるとともに上
    記試料ホルダーを上記検査セット位置へ移動させたとき
    には上記検査セット位置に上記試料ホルダーを剛に固定
    する第1の粗動機構と、前記基台と前記微動機構との間
    に設けられ外部から駆動力を受けて上記微動機構と一体
    に前記探針を検査開始位置へ移動可能とする第2の粗動
    機構とで構成され、前記第1の粗動機構は、外部から駆
    動力を受けて回転するウォームと、このウォームに噛合
    して前記基台と平行する軸回りに回動するホイールと、
    このホイールと一体に回動する支持座と、この支持座に
    一端側が固定され他端側で前記試料ホルダーを回動自在
    に支持するとともに上記支持座の回動に伴って上記試料
    ホルダーを前記検査セット位置と前記試料交換位置へと
    移動させる支持部材と、前記基台に固定され前記試料ホ
    ルダーを前記検査セット位置において受け止める受け面
    を有した受け部材と、一端側が前記支持座に固定され他
    端側が前記試料ホルダーを前記受け面方向へ押圧する押
    圧部材とで構成されてなることを特徴とする走査型トン
    ネル顕微鏡。
  2. 【請求項2】前記試料ホルダーと前記受け部材の前記受
    け面とには、互いに噛み合って上記試料ホルダーの位置
    決めをなす凹部と凸部とが一対以上設けられていること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の走査型トンネ
    ル顕微鏡。
  3. 【請求項3】前記第2の粗動機構は、前記微動機構を支
    持した台座と、この台座を前記探針の延びる方向へ移動
    自在にガイドするガイド部材と、外部から駆動力を受け
    て回転するウォームと、このウォームに噛合して回動す
    るホイールと、このホイールと一体に回転する軸と、こ
    の軸の外周に設けられ上記軸の回転に伴って前記台座を
    前記探針の延びる方向に移動させるカム機構とで構成さ
    れていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    走査型トンネル顕微鏡。
  4. 【請求項4】前記ガイド部材は、前記受け部材を兼用し
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の走
    査型トンネル顕微鏡。
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