JPH0657749B2 - ポリホスフアゼンの製造方法 - Google Patents

ポリホスフアゼンの製造方法

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JPH0657749B2
JPH0657749B2 JP61205138A JP20513886A JPH0657749B2 JP H0657749 B2 JPH0657749 B2 JP H0657749B2 JP 61205138 A JP61205138 A JP 61205138A JP 20513886 A JP20513886 A JP 20513886A JP H0657749 B2 JPH0657749 B2 JP H0657749B2
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polyphosphazene
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明はポリホスファゼンの製造方法に関する。さらに
詳しくは、アミノ基を有するアルコキシ基又はアリーロ
キシ基を直接ポリホスファゼン骨格に導入することによ
り性能の改良されたポリホスファゼンを製造する方法に
関する。
(b)従来の技術 ポリホスファゼンは主鎖が無機元素のみからなり、耐熱
性,耐薬品性の良好なエラストマーとして良く知られて
いる。また側鎖の置換基を選ぶことによって耐摩耗性,
耐酸化性,撥水性,生体親和性等の優れた特性を有する
ポリホスファゼンが得られることも良く知られている。
これらのポリホスファゼンは、下記式(III)に示す反応
で得られるポリジクロロホスファゼンと各種反応剤とを
反応させて得られる。
(c)発明が解決しようとする問題点 しかし、上記ポリジクロロホスファゼンは水分の存在に
より加水分解しやすく安定性が不十分である上、副生す
る塩化水素で反応装置が腐蝕するという不都合な面があ
る。
さらに、上記方法では、水酸基とアミノ基の二種の官能
基が存在している化合物とポリジクロロホスファゼンと
の反応はどちらの官能基を選択的にクロロ基と反応させ
るかの制御が非常に困難である。このため、水酸基側を
ポリジクロロホスファゼンと反応させてアミノ基を残す
場合には、通常は、水酸基とニトロ基をもつ化合物とポ
リジクロロホスファゼンとの反応を行った後にニトロ基
を還元してアミノ基にするという手法がとられる[例え
ばMacromolecules(1984),14 1616参照]。
しかしこの反応は反応工数が多く、ポリホスファゼンの
側鎖にアミノ基を導入するのに良い方法とは言い難い。
(d)問題を解決するための手段 本発明者らは、かかる不都合な点を有する不安定なポリ
ジクロロホスファゼンを用いる時間及び回数を可能な限
り減らし、さらに、かかる不都合な点を有するアミノ基
を有する側鎖をポリホスファゼンに導入する方法を改良
した製造法について鋭意検討した結果、本発明に到達し
たものである。即ち、本発明は、下記一般式(I)で表
わされる繰り返し単位を主たる構成成分とするポリホス
ファゼンを、溶媒中で下記一般式(II)で表わされる化合
物と反応せしめることを特徴とする、式(I)のR
び/又はRの少なくとも一部がRNHに置換され
たポリホスファゼンの製造方法である。
上記一般式(I)においてR・Rは炭素数1以上10
以下の直鎖の脂肪族基が好んで用いられる。
これらの脂肪族基における水素原子はハロゲン原子によ
って置換されていてもよい。好適に用いられるポリホス
ファゼンとしては例えば、次のようなものをあげること
ができる。
又、これらの共重合体であっても良く、側鎖が他の脂肪
族基で置き換ったものであってもよい。さらに一部がア
リーロキシ基,アミノ基などで置換されていてもよい。
本発明方法で使用される一般式(II)であらわされる化合
物は目的とする生成物に賦与する特性によりRを適宜
選択することができる。例えば耐熱性を与えるためには
が芳香族鎖のもを用いる。又、金属を取り込ませて
イオン導電性を与えるためにはアルキレンオキシ鎖のも
のを用いる。
側鎖にアミノ基をもったポリホスファゼンをアミノ基と
反応する試薬と反応させることで側鎖をさらに伸長させ
ることができる。
例えば、酸塩化物と反応させてアミド結合で側鎖を伸長
させたり、アルデヒド類とイミン結合で側鎖を伸長させ
ることができる。かくしてさらなる機能、特性を賦与す
ることができる。
側鎖にアミノ基を有するポリホスファゼンは遷移金属の
配位子としても用いることができる。
かくして、このポリホスファゼンは高分子触媒等に用い
ることができる。これらのポリホスファゼンの側鎖に導
入されたアミノ基を他の官能基に変換して有効利用する
ことも可能である。例えばアミノ基を公知の方法でジア
ゾ化し、これを利用して側鎖にさらなる機能をもつ化学
物質を導入することも可能である。
一方、一般式(II)においてMで表わされる金属はアルカ
リ金属好ましくはNa,K,Liさらに好ましくはN
a,Kをあげることができる。かかる金属塩化合物は別
途あらかじめ調製しておいたものを用いても良いし、ま
た本発明方法を実施するときに対応する有機水酸化物に
アルカリ金属単体もしくはアルカリ金属酸化物、アルカ
リ金属水素化物を添加して調製してもよい。添加するア
ルカリ金属の量はモル比で有機水酸化物/アルカリ金属
の値が1以上10以下の割合が、又、有機水酸化物のアル
カリ金属塩/置換したいアルコキシ基の値が1以上30以
下の割合が好適である。
本発明方法において、一般式(I)及び(II)で表わされ
る物質の割合を変えて反応させることによって、生成し
たポリホスファゼンにおける変換したい側鎖の置換基の
割合を任意に変えることができる。
本発明方法では反応は上記一般式(I)及び(II)で表わ
される物質を共に溶解させるようなプロトン供与性のグ
ループをもたない溶媒中で行う。例えば、ヘキサメチル
ホスホルアミド,N−メチルピロリドン,ジメチルスル
ホキシド,ジメチルホルムアミド,テトラヒドロフラ
ン,ジエチルエーテル,ジオキサンジエチレングリコー
ルジメチルエーテルの非プロトン性極性溶媒が考えられ
る。上記一般式(I)及び(II)で表わされる物質を共に
溶解できるなら非プロトン性非極性溶媒、例えば、ベン
ゼン,トルエン,キシレン,ヘキサンなどを混合しても
良い。通常、体積比で非プロトン性非極性溶媒/非プロ
トン性極性溶媒の値が0以上10以下が好んで用いられる
が、この値より大きい場合でも、上記一般式(I)及び
(II)で表わせる物質を共に溶解できるならば、使用可能
である。
上記一般式(II)で表わされる物質が溶媒に難溶である場
合は、相間移動触媒例えばテトラ−n−ブチルアンモニ
ウムブロマイドなどを用いることが有効である。
本発明方法において、反応は常圧もしくは加圧下に行
う。また反応温度は0℃〜200℃特に40℃〜130℃である
ことが好ましい。
これより低い温度では反応は進行し難く、又、これより
高い温度ではポリホスファゼンが分解・架橋を起こすた
め好ましくない。
(e)発明の効果 以上説明したように、本発明方法において、不安定なポ
リジクロロホスファゼンを用いる時間及び回数を減らし
て安定なポリホスファゼンを得た後、これをアミキ基を
有した有機水酸化物のアルカリ金属塩で直接処理するこ
とによりアミノ基を側鎖に有するポリホスファゼンを製
造することができる。
従来のように、ポリホスファゼンの機能化のために種々
の側鎖を導入する方法として、常にポリジクロロホスフ
ァゼンを原料として使用していたのでは架橋や加水分解
などの可能性および反応装置の腐蝕の問題等、反応過程
の取り扱いが非常に難しい。さらに、このような方法で
は、水酸基とアミノ基の二種の官能基が存在している化
合物とポリジクロロホスファゼンとの反応は、どちらか
の官能基を選択的にクロロ基と反応させるかの制御が非
常に困難であった。
しかし、本発明の方法ではこのように難かしいポリジク
ロロホスファゼンの反応を比較的容易な最初の一般式
(I)で表わされるポリホスファゼンの製造の段階に用
いて一般式(I)で表わされるポリホスファゼンを大量
に製造した後、比較的容易な取り扱いで各種機能をもっ
たポリホスファゼンを製造することができる。さらに、
本発明の方法では側鎖にアミノ基を導入する段階でポリ
ジクロロホスファゼンを用いないため水酸基側が選択的
にポリホスファゼン骨格に導入される。
かくして得られるポリホスファゼンは医療用,電気部
品,化学工業分野等での幅広い分野に適用できる。
(f)実施例 以下実施例によって本発明をさらに詳細な説明するが本
発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 テトラヒドロフラン10mlで2−アミノエタノール2.03g
と金属ナトリウム0.38gとを反応させた。これにポリビ
ス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン2gのテトラ
ヒドロフラン溶液(テトラフドロフラン20ml)を滴下し
たあとテトラヒドロフラン還流下で4時間反応させた。
この反応系を室温に戻したあと、内容物を大量の水中に
投入して硫酸で中和して析出物を得た。これを濾過後水
分を除き反応開始時のポリホスファゼンの全トリフルオ
ロエトキシ基が97%アミノエチル基によって置換された
ポリホスファゼンの1.18g得た。この生成したポリホス
ファゼンの赤外吸収スペクトルを測定すると3100cm-1
近に幅広いアンモニウム塩に特有の特性吸収が見られ
た。さらにH−NMRスペクトルではδ値で3.2〜4.0
(2H)4.2〜5.2(2H)6.0〜6.6(2H)にピークが
見られた。なお、置換率は置換反応終了後水溶液中に存
在しているトリフルオロエタノールの量がガスクロマト
グラフィーで測定することにより求めた。
実施例2 テトラヒドロフラン10ml中で、4−アミノフェノール3.
63gと金属ナトリウム0.38gとを反応させた。これにポ
リビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン2gのテ
トラヒドロフラン溶液(テトラヒドロフラン20ml)を滴
下したあと、テトラヒドロフラン還流下で、4時間反応
させた。この反応系を室温で戻したあと、内容物を大量
の水中に投入して硫酸で中和して析出物を得た。これを
濾過後水とメタノールで析出物を洗って反応開始時のポ
リホスファゼンの全トリフルオロエトキシ基が25%4−
アミノフェノキシ基で置換されたポリホスファゼンを1.
86g得た。この生成したポリホスファゼンの赤外吸収ス
ペクトルを測定すると3000cm-1付近に幅広いアンモニウ
ム塩特有の特性吸収が見られた。なお置換率は置換反応
終了後水溶液中に存在しているトルフルオロエタノール
の量をガスクロマトグラフィーで測定することにより求
めた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表わされる繰り返し単
    位を主たる構成成分とするポリホスファゼンを溶媒中で
    下記一般式(II)で表わされる化合物と反応せしめること
    を特徴とする式(I)のR及び/又はRの少なくと
    も一部がRNHに置換されたポリホスファゼンの製
    造方法。
JP61205138A 1986-09-02 1986-09-02 ポリホスフアゼンの製造方法 Expired - Lifetime JPH0657749B2 (ja)

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