JPH0657083A - メタクリル系樹脂組成物 - Google Patents

メタクリル系樹脂組成物

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JPH0657083A
JPH0657083A JP21114892A JP21114892A JPH0657083A JP H0657083 A JPH0657083 A JP H0657083A JP 21114892 A JP21114892 A JP 21114892A JP 21114892 A JP21114892 A JP 21114892A JP H0657083 A JPH0657083 A JP H0657083A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 多層構造アクリル系重合体(A)、アクリル
系共重合体(B)、および脂肪酸の炭素数が22以上で
ある飽和脂肪酸グリセリンエステルの少なくとも1種か
らなる多層構造アクリル系樹脂組成物。 【効果】 本発明の組成物は、金属との密着性が小さい
ために優れた成形加工性を有し、アクリル樹脂本来の特
長である透明性、耐候性を保ちながら、耐衝撃性に優
れ、良好な外観を有する射出成形品およびシート、フィ
ルム、異形押出成形品を与えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明性、離型性、耐候
性、および耐衝撃性に優れたメタクリル系樹脂組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリメチルメタクリレートは透明性や耐
候性、表面硬度に優れるため、自動車外装部品、エクス
テリア用品、光学用レンズ、光ディスク等に屋内、屋外
を問わず広く使用されている。しかし、ポリメチルメタ
クリレートは金属に対する密着性が比較的強く、かつ脆
いため、射出成形においては金型からの離型不良に由来
して成形品の割れ、ひびといった不良が発生しやすく、
さらに押出成形においてはダイライン等の品質不良が発
生しやすいといった問題があった。
【0003】ポリメチルメタクリレートの離型性を改良
する技術として、例えば多価アルコ−ルと脂肪酸のエス
テル、1価のアルキルアルコール、脂肪酸、脂肪酸アミ
ド、脂肪酸金属塩の内の少なくとも1種を添加する方法
(特開昭61−73754号公報)、グリセリン高級脂
肪酸エステルと飽和脂肪族アルコールを添加する方法
(特開平1−294763号公報)、ステアリン酸グリ
セライド、ベヘン酸グリセライド、脂肪酸アルキルエス
テルの内の少なくとも1種を添加する方法(特開平2−
115255号公報)等が知られている。
【0004】一方、ポリメチルメタクリレートの耐衝撃
性改良技術として、例えば3層またはそれ以上の多段階
重合体と熱可塑性重合体とのブレンドによって透明性を
損なわずに耐衝撃性を改良したもの(特公昭55−27
576号公報)、3層構造を基本とし、かつこれらの各
層間にほぼ定率で変化する濃度勾配をもった中間層を有
するもの(特公昭58−1694号公報)、基本的に硬
質層−軟質層−硬質層の3層構造であって、最外硬質層
の分子量が内側から外側に向かって次第に小さくなって
いるもの(特公昭60−17406号公報)、特定の軟
質層比率と平均粒子径、さらにグラフト率とアセトン不
溶部の引張り弾性率を有する硬質層−軟質層−硬質層の
3層構造を有するもの(特開平3−199213号公
報)等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複雑な
形状を有する成形品の射出成形や異形押出成形、あるい
は肉厚が薄いフィルムの成形においては、例えばポリメ
チルメタクリレートに上記の添加剤を添加した場合、確
かに添加剤量に応じて離型性は改良できるものの、添加
量が多いと金型内面やダイのリップ部に添加剤が析出す
るため、良好な表面を有する成形品が得られないという
問題があった。一方、耐衝撃性アクリル樹脂を用いる場
合、機械強度が改良されて割れ等の不良は減少するもの
の、樹脂自体の離型性は改良されていないので、例えば
射出成形時に金型から成形品が取り出される際に突き出
しピンによって成形品が白化する等のトラブルは残って
おり、いずれも問題を完全に解決したとは言えなかっ
た。
【0006】とりわけ、薄いフィルム用途では引張り伸
びや柔軟性が要求されることが多く、ポリメチルメタク
リレートにエラストマ−成分として多量の多層構造アク
リル系重合体を配合するため、金属との密着性がいよい
よ強まり、フィルム成形時にダイラインが出易く、商品
価値を著しく損なうという問題があった。さらに特公昭
58−1694号あるいは特公昭60−17406号公
報に記載されているように、多層構造アクリル系重合体
に特殊な構造を付与する事によって応力白化を防止する
試みがなされているが、それだけでは金属との密着性を
改良した事にはならず、依然押出成形におけるダイライ
ン発生等の品質トラブルは未解決であった。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、ポリメ
チルメタクリレ−トが金属に対して密着しやすく、かつ
脆いために割れ・ひび・ダイライン等の成形加工上のト
ラブルが発生するという問題点を抜本的に解決する目的
で、鋭意研究を重ねてきた。その結果、多層構造アクリ
ル系重合体とアクリル系共重合体からなる樹脂組成物に
対して、特定の化合物を適量添加する事によって顕著な
効果が得られることを見出し、本発明を完成するにいた
った。
【0008】すなわち、本発明は、多層構造アクリル系
重合体(A)2〜80重量部、メチルメタクリレート単
位80〜99重量%およびアルキル基の炭素数が1〜4
であるアルキルアクリレ−ト単位1〜20重量%からな
り、クロロホルム中、25℃で測定した還元粘度が30
〜120g/mlであるアクリル系共重合体(B)20
〜98重量部、(ここで(A)と(B)の合計を100
重量部とする)、および炭素数が22以上の飽和脂肪酸
グリセリンエステルの少なくとも一種0.01〜5重量
部からなるメタクリル系樹脂組成物である。
【0009】本発明における多層構造アクリル系重合体
(A)は、メチルメタクリレート、アルキル基の炭素数
が1〜8であるアルキルアクリレート、グラフト結合性
単量体を必須成分とし、必要に応じて他のビニル単量体
や多官能架橋性単量体からなる3層、または4層以上の
多層構造を有する重合体であれば良い。例えば、硬質層
−軟質層−硬質層の3層構造を有するもの、硬質層−軟
質層−硬質層−軟質層−硬質層の5層構造を有するも
の、軟質層−硬質層−軟質層−硬質層の4層構造を有す
るもの、基本的には硬質層−軟質層−硬質層の3層構造
であって、各層間にほぼ組成が定率で変化する中間層を
もったもの(硬質層−中間層−軟質層−硬質層、硬質層
−軟質層−中間層−硬質層、硬質層−中間層−軟質層−
中間層−硬質層等)、同じく基本的には3層構造であっ
て,最外硬質層の分子量が内側から外側に向かって次第
に小さくなっているもの、を含む事ができる。
【0010】更に言えば、硬質層が80〜99重量%の
メチルメタクリレートと1〜20重量%のメチルメタク
リレートと共重合可能な他のビニル単量体を重合して得
られるものであり、また軟質層が70〜99重量%のア
ルキル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレート
と0〜25重量%のアルキルアクリレートと共重合可能
な他のビニル単量体、および0.1〜8重量%のグラフ
ト結合性単量体、そして0〜5重量%の多官能架橋性単
量体を重合して得られるものであることが好ましい。こ
こで、硬質層のメチルメタクリレートと共重合可能な他
のビニル単量体としてはメチルアクリレート、エチルア
クリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、スチレン等を、また軟質層のアルキ
ルアクリレートと共重合可能な単量体としてはメチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、スチレン等を例示する事ができる。
【0011】グラフト結合性単量体としてはジビニル化
合物,ジアリル化合物,ジアクリル化合物,ジメタクリ
ル化合物等の一般に用いられる架橋剤が使用できる。グ
ラフト結合性単量体としては異なる官能基を有する多官
能単量体,例えばアクリル酸,メタクリル酸,マレイン
酸,フマル酸等のアリルエステルが挙げられる。
【0012】多層構造アクリル系重合体(A)は乳化重
合によって製造されるが、最内硬質層を除く硬質層や軟
質層、中間層の重合を行う際に新たな粒子を生成しない
ような重合条件を選ぶ事が重要であり、この目的の為に
いわゆるシード重合法を用いる。次の層の重合を行う際
に新たに乳化剤を添加しないか、もし添加する必要があ
る場合も新しい粒子が生成しない範囲にとどめる必要が
ある。新しい粒子の生成の有無は、電子顕微鏡によって
容易に検知する事ができる。
【0013】乳化重合に用いられる乳化剤については特
に制限がなく、従来採用されているものの中から任意の
ものを選ぶ事ができる。例えば,長鎖アルキルカルボン
酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩,アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。また、重合開始剤
についても特に制限はなく、通常用いられている水溶性
の過硫酸塩、過ホウ酸塩等の無機系開始剤を単独で、或
いは亜硫酸塩、チオ硫酸塩等と併用してレドックス開始
剤系として用いる事ができる。更に、。溶性の有機過酸
化物/ナトリウムスルホキシレートのようなレドックス
開始剤系も用いる事ができる。
【0014】多層構造アクリル系重合体(A)の粒子径
は0.05〜0.5μmの範囲が好ましく、乳化重合速
度および重合ラテックスの安定性の点で0.05〜0.
3μmの範囲が更に好ましい。このようにして得られた
多層構造アクリル系重合体(A)は、重合ラテックスの
状態から公知の方法によって塩析、洗浄、乾燥等の処理
を行う事によって粒子状固形物として回収できる。
【0015】本発明におけるアクリル系共重合体(B)
は、メチルメタクリレート単位80〜99重量%とアル
キル基の炭素数が1〜4であるアルキルアクリレート単
位1〜20重量%よりなるものである。共重合体中のア
ルキルアクリレート単位の割合が20重量%を超えると
組成物の耐溶剤性が低下し、1重量%未満では熱分解し
やすくなっていずれも好ましくない。アルキルアクリレ
ートとしてはメチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート等が通常工業的に使用され
る。また共重合体のクロロホルム中、25℃で測定した
還元粘度は30〜120g/mlであり、35〜100
g/mlが好ましい。還元粘度が、30g/ml未満で
は組成物の耐衝撃性と耐溶剤性に劣り、一方、120m
l/gを越えると成形加工性が低下するので、いずれも
好ましくない。
【0016】アクリル系共重合体(B)の重合法につい
ては特に制限がなく、通常工業的に行われているラジカ
ル重合法、すなわち懸濁重合、塊状重合、溶液重合によ
って製造することができる。本発明におけるアクリル樹
脂組成物中の多層構造アクリル系重合体(A)とアクリ
ル系共重合体(B)の割合は、(A)が2〜80重量
部、(B)が20〜98重量部(ここで(A)と(B)
の合計を100重量部とする)である。組成物100重
量部中に(A)が2重量部未満の場合は、耐衝撃性や耐
溶剤性に劣り、80重量部を越える場合は、組成物の流
動性が低く、加工性に劣るので好ましくない。
【0017】本発明に用いる脂肪酸の炭素数が22以上
の飽和脂肪酸グリセリンエステルとしては、グリセリン
モノベヘネ−ト、グリセリンジベヘネ−ト、あるいはこ
れらの混合物が工業的に入手しうる。本発明における多
層構造アクリル系重合体(A)とアクリル系共重合体
(B)とからなるアクリル樹脂組成物100重量部に対
して、飽和脂肪酸グリセリンエステルの添加量が0.0
1重量部未満では組成物の離型性改良効果が不十分であ
り、一方、5重量部を超えて添加しても離型性で顕著な
改良効果は見られず、コスト的に引き合わないので好ま
しくない。また、あまり多量に添加すると組成物の耐熱
性が低下し、さらに加工時に一部が金型表面や押出ダイ
のリップ部分に析出して成形品の表面不良の原因となる
ので好ましくない。
【0018】本発明の組成物を製造する方法は特に限定
される事なく、公知の方法を採用する事ができる。例え
ば、多層構造アクリル系重合体(A)とアクリル系共重
合体(B)、および飽和脂肪酸グリセリンエステルをタ
ンブラーやミキサーによって所望の割合で混合し、押出
機を用いてペレット化する方法を挙げる事ができる。こ
こで、アクリル系共重合体(B)の流動性が良い場合、
押出機のシリンダ−およびダイの温度設定を下げない
と、溶融ストランドのドロ−ダウンが大きく、安定した
造粒が困難となるが、この時多層構造アクリル系重合体
(A)が溶融不足となり、均一な組成物を得ることがで
きず、ペレット中にブツが発生するという問題が生じ
る。そこで、多層構造アクリル系重合体(A)の割合を
高くした配合物を比較的高温で押出して濃縮ペレットと
し、しかるのちこの濃縮ペレットをアクリル系共重合体
(B)で所望の多層構造アクリル系重合体濃度になるよ
うに希釈して比較的低温で再度押出すようにすれば、安
定して均一な組成物を得ることが可能である。
【0019】また配合の際に本発明の効果を損なわない
範囲で、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、光拡
散剤、染料、顔料等を添加する事も可能である。さら
に、得られたペレットを用いてフィルムやシートを製造
する事ができる。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではな
い。なお,実施例、比較例における測定は次に記載する
方法、もしくは測定機器を用いて行った。 (1)平均粒子径 透過型電子顕微鏡写真を用いて平均粒子径をあらかじめ
計測しておいたラテックスサンプルを少量採取して、固
形分が50ppmになるように水で希釈し、分光光度計
を用いて波長550nmでの吸光度を測定して、平均粒
子径と吸光度の検量線を作成する。測定したいラテック
スサンプルについて同様に吸光度を測定し、検量線から
平均粒子径を求める。 (2)重量平均分子量 重合体50mgをテトラヒドロフラン30mlに溶解し
て試料溶液を調製し、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)法で標準PMMAによる検量線から
重量平均分子量を得る。 (3)ヘ−ズ 積分球式ヘイズメ−タ−を使用して、厚さ0.4mmの
試験片の23℃におけるヘ−ズを測定した。 (4)アイゾット衝撃強度 射出成形で作成した厚さ3mmの試験片についてAST
M D256のの方法に基づいて測定する。 (5)離型性 射出成形機に図1に示すような4段プレート型の金型を
取り付け、成形温度260℃、金型温度50℃、および
射出圧力1000kg/cm2 の条件下で成形を行った
とき、成形品にクラック、折れ曲がり、あるいは白化が
発生したものを不良品とみなし,全成形品中の不良品の
割合を不良発生率として定義する。サンプルは、射出成
形条件を一定にするために200ショット成形した後、
100ショット成形を行って評価した。即ち、サンプル
総数は100である。
【0021】なお,成形前にペレットを乾燥して、ペレ
ットの含水率を0.06重量%以下で成形を行った。 (6)金型表面曇り評価 離型性評価の100ショットを成形した後金型の表面を
観察し、その曇りの程度をランク付けする。
【0022】○ 曇りなし △ わずかに曇り発生 × 曇り発生、あるいは著しい曇り (7)耐候性試験 スガ試験機製のサンシャインウエザ−メ−タ−(以下S
WOMと略す)でサンシャインス−パ−ロングライフカ
−ボンを使用し温度は63℃一定で、降雨無し(2時
間)、降雨有り(18分)のサイクルを繰り返す条件下
で2000時間照射後のサンプルの変色を目視にて観察
し、また暴露後のヘ−ズを測定する。
【0023】また、実施例及び比較例において用いた略
号は、以下の化合物を示す。 MMA;メチルメタクリレ−ト BA;n−ブチルアクリレ−ト MA;メチルアクリレ−ト St;スチレン ALMA;アリルメタクリレ−ト PEGDA;ポリエチレングリコ−ルジアクリレ−ト
(分子量200) DPBHP;ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキ
サイド n−OM;n−オクチルメルカプタン DBPMS;1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン EB;エチルベンゼン LPO;ラウロイルパ−オキサイド さらに、特に断らない限り、以下の%と部はそれぞれ重
量%と重量部を示すものとする。
【0024】
【実施例1】 [多層構造アクリル系重合体の調製]内容積250リッ
トルの攪拌翼付き耐圧反応器に、イオン交換水150リ
ットル、乳化剤としてジヘキシルスルホコハク酸ナトリ
ウム620gを入れ、攪拌下75℃に昇温して均一に溶
解した。最内硬質層原料のMMA23.8kg、BA1
500g、およびALMA25.3gからなる単量体混
合物の内7kgを重合反応器へ一括添加し、5分後に過
硫酸アンモニウム5gを添加して、75℃で重合反応を
行った。その40分後から残りの単量体混合物を20分
かけて連続的に重合反応器へ供給し、添加終了後更に6
0分間保持して反応を完了させた。
【0025】次に過硫酸アンモニウム23gを添加した
後、軟質層原料のBA23.1kg、St5.0kg、
ALMA600g、およびPEGDA60gからなる単
量体混合物を140分間かけて連続的に重合反応器へ添
加し、添加終了後更に180分間重合を継続して反応を
完了させた。次に過硫酸アンモニウム7gを添加した
後、最外硬質層原料のMMA15.9kg、BA101
0g、およびn−OM17.0gからなる単量体混合物
を40分間かけて連続的に重合反応器へ添加し,添加終
了後更に60分間反応を継続して重合を完了した。
【0026】このようにして得られたラテックスを少量
採取し,吸光度法によって平均粒子径を測定したところ
0.23μmであった。残りのラテックスを95℃に昇
温した3重量%硫酸ナトリウム水溶液中へ投入して塩
析、凝固させ、次いで脱水、洗浄を3回繰り返した後乾
燥して多層構造アクリル系重合体(A−1)の白色パウ
ダ−を得た。 [メタクリル系樹脂組成物の調製と評価]この重合体
(A−1)50重量部とMMA/MA共重合体(B−
1)[MMA/MA=88/12重量比、クロロホルム
中、25℃での還元粘度は43g/ml]50重量部と
をヘンシェルミキサー中で2分間混合した後、スクリュ
−径が30mmのベント付き2軸押出機を用いて、25
0℃で造粒し、濃縮ペレットを得た。この濃縮ペレット
40重量部、共重合体(B−1)60重量部、グリセリ
ンモノベヘネ−ト(理研ビタミン製、リケマ−ルB−1
00)2重量部、および紫外線吸収剤としてHMBT
0.1重量部をヘンシェルミキサーで2分間混合した
後、先の押出機を用いて、220で再度造粒して、重合
体(A−1)と共重合体(B−1)の重量比が20/8
0であるメタクリル系樹脂組成物を調製した。
【0027】得られたペレットから射出成形によって所
定の試験片を作成し、物性を測定したところヘ−ズは
1.0%,アイゾット衝撃強度は3.4kg・cm/c
mであった。また耐候性テストによる変色はほとんどな
く、暴露後のヘーズも2.5%であって、ヘーズの増大
は小さいものであった。更に離型性を評価したところ、
不良発生率は1%(折れ曲がり)で、金型表面の曇りは
生じなかった。結果を表1にまとめた。
【0028】
【実施例2】メタクリル系樹脂組成物の調製時に添加す
るグリセリンモノベヘネ−ト量を0.09重量部とした
以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示し
た。
【0029】
【比較例1】メタクリル系樹脂組成物の調製時に添加す
るグリセリンモノベヘネ−トを添加しない以外は、実施
例1と同様に実施した。得られた樹脂組成物の離型性を
評価したところ,不良発生率は54%(白化、折れ曲が
り)と多くの離型不良が発生した。金型表面の曇りは発
生しなかった。
【0030】結果をまとめて表1に示した。
【0031】
【比較例2】メタクリル系樹脂組成物の調製時に添加す
るグリセリンベヘネ−ト量を8重量添加した以外は、実
施例1と同様に実施した。得られたペレットから射出成
形によって所定の試験片を作成したところ、ヘ−ズが
2.1%とやや大きかった。この樹脂組成物の離型性を
評価したところ、不良発生率は0%で極めて良好であっ
たが、金型表面の曇りが発生した。添加剤が過多、又
は、不敵の場合には、金型表面に添加剤が付着し曇りが
発生すると思われる。
【0032】結果をまとめて表1に示した。
【0033】
【実施例3】 [多層構造アクリル系重合体の調製]内容積250リッ
トルの攪拌翼付き耐圧反応器に、イオン交換水150リ
ットル、乳化剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム1kgを入れ、攪拌下75℃に昇温して均一に溶解
した。開始剤として過硫酸アンモニウム1.5gを投入
後、最内硬質層重合体原料のMMA6390g、BA4
10g、およびALMA6.8gからなる単量体混合物
を投入し、75℃で重合反応を行った。投入後約20分
で反応は完了した。次に、過硫酸アンモニウム13.8
gを投入後、軟質層重合体原料のBA33.3kg、A
LMA1080g、およびPEDGA167gからなる
単量体混合物を2時間かけて連続的に重合反応器へ供給
し、75℃でさらに約90分間重合反応を行って、反応
を完了させた。次に、最外硬質層1段目の原料のMMA
12500gとBA800gからなる単量体混合物を3
0分間かけて連続的に重合反応器へ供給し、75℃でさ
らに20分間重合反応を行って、反応を完了させた。最
後に、最外硬質層2段目の原料のMMA12500g、
BAを800g、およびn−OM40gからなる単量体
混合物を30分間かけて連続的に重合反応器へ供給し、
75℃でさらに20分間重合反応を行って、反応を完了
させた。得られたラテックスサンプルを用いて、平均粒
子径を測定したところ、0.08μmであった。
【0034】残りのラテックスを実施例1と同様に後処
理して多層層構造アクリル系重合体(A−2)の白色パ
ウダ−を得た。最外硬質層各段の分子量を調べるため
に、2リットルの攪拌機付きセパラブルフラスコを用い
て、最外硬質層1および2段目原料の単量体混合物をそ
れぞれ単独で乳化重合し、上記と同様な後処理を行っ
て、各段に相当する重合体を白色パウダ−として得た。
これらのGPC測定により、最外硬質層1段目に相当す
る重合体の重量平均分子量は122万、2段目に相当す
る重合体の重量平均分子量は9万であった。 [アクリル系共重合体の調製]MMA66.8重量%、
MA3.2重量%、およびEB30重量%からなる単量
体混合物に、DBPMS300ppmおよびn−OM2
000ppmを添加し、均一に混合した。この溶液を内
容積10リットルの密閉式耐圧反応器に連続的に供給
し、攪拌下に平均温度130℃、平均滞留時間2時間で
重合した後、貯槽に連続的に送り出し、減圧下に揮発分
を除去し、さらに押出機に連続的に移送してペレットを
得た。これをアクリル系共重合体(B−2)とする。こ
の共重合体の還元粘度は、36ml/gであった。ま
た、この共重合体を熱分解ガスクロ法を用いて組成分析
したところ、MMA/MA=95.5/4.5(重量
比)の結果を得た。 (注)熱分解ガスクロ法 ポリマ−のジクロロメタン溶液を白金製ボ−トに流延・
乾燥し、熱分解炉(島津製PYR−2A)内で450℃
にて分解し、分解ガス成分をただちにガスクロカラムに
導入、分析した。結果は、塊状重合で得られた組成既知
のポリマ−分析結果を標準として、定量計算した。 [メタクリル系樹脂組成物の調製と評価]実施例1と同
様にして行った。結果を表1にまとめて示した。
【0035】
【比較例3】アクリル樹脂組成物の調製時に(A−2)
90重量部、(B−2)10重量部、グリセリンモノス
テアレ−ト0.06重量部、およびHMBT0.1重量
部ををヘンシェルミキサー中で2分間混合した後、スク
リュ−径が30mmのベント付き2軸押出機を用いて、
250℃で造粒てメタククリル系樹脂組成物を調製した
以外は実施例3と同様に実施した。
【0036】耐候性試験によりわずかに黄変が認めら
れ、暴露後のヘーズは5.6%と増大した。更に離型性
を評価したところ、不良発生率は87%(折れ曲がり)
と非常に多くの離型不良が発生した。また金型表面の曇
りがわずかに発生した。結果をまとめて表1に示した。
【0037】
【実施例4】 [多層構造アクリル系重合体の調製]内容積250リッ
トルの攪拌翼付き耐圧反応器に、イオン交換水150リ
ットル、乳化剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム500gを入れ、攪拌下80℃に昇温して均一に溶
解した。還元剤としてナトリウムホルムアルデヒドスル
ホキシレ−−ト34gを投入後、最内硬質層重合体原料
のMMA5280g、BA66g、ALMA5.3g、
およびDPBHP5.3gからなる単量体混合物を投入
し、80℃で重合反応を行った。投入後約20分で反応
は完了した。次に、ナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレ−ト28gを投入後、軟質層重合体原料のBA3
9kg、St9.1kg、ALMA190g、PEDG
A1160g、およびDPBHP48gからなる単量体
混合物を2時間かけて連続的に重合反応器へ供給し、8
0℃でさらに90分間重合反応を行って、反応を完了さ
せた。次に、最外硬質層1段目の原料のMMA5280
g、BA64g、およびDPBHP 5.3gからな
る単量体混合物を30分間かけて連続的に重合反応器へ
供給し、80℃でさらに20分間重合反応を行って、反
応を完了させた。最後に、最外硬質層2段目の原料のM
MA10600g、BA128g、DPBHP10.7
gおよびn−OM32gからなる単量体混合物を30分
間かけて連続的に重合反器へ供給し、80℃でさらに2
0分間重合反応を行って、反応を完了させた。得られた
ラテックスサンプルを用いて、平均粒子径を測定したと
ころ、0.11μmであった。
【0038】残りのラテックスを実施例1と同様に後処
理して多層層構造アクリル系重合体(A−3)の白色パ
ウダ−を得た。最外硬質層各段の分子量を調べるため
に、2リットルの攪拌機付きセパラブルフラスコを用い
て、最外硬質層1および2段目原料の単量体混合物をそ
れぞれ単独で乳化重合し、上記と同様な後処理を行っ
て、各段に相当する重合体を白色パウダ−として得た。
これらのGPC測定により、最外硬質層1段目に相当す
る重合体の重量平均分子量は126万、2段目に相当す
る重合体の重量平均分子量は10万であった。 [メタクリル系樹脂組成物の調製と評価]この重合体
(A−3)35重量部とMMA/MA共重合体(B−
3)[MMA/MA=97/3重量比、クロロホルム
中、25℃での還元粘度は54g/ml]65重量部、
グリセリンリンモノベヘネ−トト1重量部,およびHM
BT0.1重量部とをヘンシェルミキサー中で2分間混
合した後、スクリュ−径が30mmのベント付き2軸押
出機を用いて、260℃で造粒し、メタクリル系樹脂組
成物を調製した。結果を表1にまとめて示した。
【0039】
【比較例4】実施例4の共重合体(B−3)100重量
部とグリセリンモノベヘネ−ト0.05重量部,そして
HMBT0.1重量部をヘンシェルミキサーで2分間混
合した後、スクリュー径30mmのベント付き2軸押出
機を用いて220℃でペレット化しメアクリル系樹脂組
成物を調製した。
【0040】得られたペレットから射出成形によって試
験片を作成し、物性を測定したところヘーズは0.3%
と優れた透明性を示したが、アイゾット衝撃強度は1.
2kg−cm/cmと低いものであった。耐候性テスト
による変色はほとんどなく、暴露後のヘーズも0.5%
と変化は小さいものであった。更に離型性を評価したと
ころ、不良発生率は6%(クラック)で、金型表面の曇
りは発生しなかった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明の組成物は、金属との密着性が小
さいために優れた成形加工性を有し、アクリル樹脂本来
の特長である透明性、耐候性を保ちながら、耐衝撃性に
優れ、良好な外観を有する射出成形品およびシート,フ
ィルム,異形押出成形品を与えることができるので、工
業的な価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において、離型性の評価ために
成形される成形品の模式図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層構造アクリル系重合体(A)2〜8
    0重量部、メチルメタクリレート単位80〜99重量%
    およびアルキル基の炭素数が1〜4であるアルキルアク
    リレート単位1〜20重量%からなり、クロロホルム
    中、25℃で測定した還元粘度が30〜120g/ml
    であるアクリル系共重合体(B)20〜98重量部、お
    よび(A)と(B)の合計100重量部に対して0.0
    1〜5重量部の炭素数が22以上の飽和脂肪酸グリセリ
    ンエステルの少なくとも一種とからなるメタクリル系樹
    脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999006485A1 (fr) * 1997-07-31 1999-02-11 Sumitomo Chemical Company, Limited Pellicule en resine acrylique et film stratifie contenant cette pellicule
JP2007112900A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd マイクロレンズ用樹脂組成物および成形体

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