JPH0656996U - ガス入り放電管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】組立が容易であって振動や衝撃等の外力に強い
シリーズギャップ用に適したガス入り放電管を提供す
る。 【構成】電気絶縁性筒体の両端に一対の電極を備えかつ
ガスを封入した放電管において、電極に貫設したガス封
入管と同軸に大径筒状の保護端子管を電極と一体に突設
してなり、保護端子管の先端部側面にはガス封入管に対
する封止工具を挿入し得る開口部を設けて、ガス入り放
電管を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電圧制御用放電管、特に自動車エンジン等の点火装置におけるシリー ズギャップ用として用いられるガス入り放電管に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車エンジン等における点火装置は点火プラグに高電圧を印加して火花を発 生させるようになっているが、点火時のくすぶりの発生を防いで点火時期を正確 に制御するために、点火プラグと直列に放電間隙を設けた、所謂シリーズギャッ プ付点火装置が提案されている。そして、このようなシリーズギャップ形成用と して、筒体の両端に放電電極を設けかつ不活性ガスを封入した放電管が知られて いる。

【０００３】 このような放電管の組立に当たっては、高電圧に耐える電気絶縁性の材料、例 えばガラスやセラミックスなどで形成された絶縁性筒体と、金属製の電極端子と をガラスフリットまたは金属鑞などを用いて気密に融着したのち、放電管内部の ガスを抜いたうえで電極端子に貫設したガス封入管を介してガスを封入し、その 後ガス封入管を圧し潰して溶封するなどの方法で高圧ガスを封入していた。

【０００４】 一方、自動車エンジン等における点火装置には常時強い振動が加わっているた め、点火プラグに対して高電圧を供給する高圧ケーブル装置、特に高圧ケーブル 装置に組み込まれているシリーズギャップ用放電管も振動に耐える必要がある。 またこのような放電管から突出しているガス封入管は、上記のような振動のほか 取扱に際して外部の物体との衝突などによって損傷を受けるおそれがある。そこ でガス封入管部分を保護するために、図５に示すようにガス入り放電管の電極端 子２に貫設したガス封入管３に対して保護端子５を被着し、導電性接合剤６によ って電極台４に固定する方法が提案されている（実開平３−２２３８９）。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしこのような従来技術のガス封入管の保護手段を利用してガス入り放電管 を製造すると、部品点数が多くなるばかりでなく組立工数も多く、生産性を高め ることが難しいという問題があった。 そこで本考案は、組立が容易であって振動や衝撃等の外力に強いシリーズギャ ップ用に適したガス入り放電管を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このような本考案の目的は、電気絶縁性筒体の両端に一対の電極を備えかつガス を封入した放電管において、電極端子に貫設したガス封入管と同軸に大径筒状の 保護端子管を該電極端子と一体に突設してなり、該保護端子管の先端部側面には 該ガス封入管に対する封止工具を挿入し得る開口部を設けたことを特徴とするガ ス入り放電管によって達成することができる。

【０００７】

【作用】

本考案のガス入り放電管は、たとえば真空中で組み立てたのち、電極を貫いて 設けたガス封入管を通じて内部に所望組成のガスを所望圧力となるよう導入し、 次いで保護端子管の先端部側面に設けた開口部を介して封止工具を挿入してガス 封入管を封止し切断する方法によって製造されるが、その封止端は保護端子管の 先端部より突出することがないから、外部からの振動や衝撃などによってガス封 入管が損傷を受けることがない。

【０００８】

【実施例】

本考案のガス入り放電管を図１によって説明するが、絶縁筒体１の端部に接合 された電極端子２を貫通してガス封入管３が設けられており、またガス封入管３ を囲むようにして同軸に保護端子管７が電極端子２から一体に突設されている。 保護端子管７の先端部には切り欠き状の開口部７ａが対向して形成されており、 ガス封入管３を封止するための封止工具を挿入することができるようになってい る。なお、３ａはガス封入管３の封止部である。

【０００９】 このような本考案のガス入り放電管の保護端子管７は大径であるうえに電極端 子２と一体に形成されているので、剛直であって外部から少々強い力がかかって も容易に変形することがなく、ガス封入管３は安全に保護される。またガス入り 放電管をシリーズギャップ用放電管として高圧ケーブル装置に組み込むときは、 図２に示すように、保護端子管７に高圧ケーブル８の端子８ａが嵌着されて確実 に結合されるものである。

【００１０】 図３及び図４には本考案のガス入り放電管の保護端子管の別な例を示すが、保 護端子管１７は円形の開口部１７ａが形成されている例であり、保護端子管２７ は方形の開口部２７ａが形成されている例である。これらの開口部は、いずれも ガス封入管３の封止工具を挿入するに適した形状を有しており、接続端子として の機能も全く同様である。

【００１１】

【考案の効果】

本考案のガス入り放電管は、電極端子と一体に形成された保護端子管がガス封 入管を包囲して設けられており、ガス封入管の封止作業に全く支障がないうえに ガス封入管の封止部が保護端子管内で外部の力が及ばない位置に形成されるから 、取扱上極めて安全である。更にまた、保護端子管は接続端子としてそのまま利 用できるので、放電管の部品点数の削減ができるばかりでなく組立工数も削減で き、おおいに経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のガス入り放電管の例の要部の断面図で
ある。

【図２】本考案のガス入り放電管を高圧ケーブルの端子
と接続した状態の説明図である。

【図３】本考案のガス入り放電管の他の例の保護端子管
部分の斜視図である。

【図４】本考案のガス入り放電管のまた別な例の保護端
子管部分の斜視図である。

【図５】従来技術のガス入り放電管の例の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 絶縁筒体 ２ 電極端子 ３ ガス封入管 ３ａ 封止部 ４ 電極台 ５ 保護端子 ６ 導電性接合剤 ７ 保護端子管 ７ａ 開口部 ８ 高圧ケーブル ８ａ 端子 １７ 保護端子管 １７ａ 開口部 ２７ 保護端子管 ２７ａ 開口部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気絶縁性筒体の両端に一対の電極を備
   えかつガスを封入した放電管において、電極端子に貫設
   したガス封入管と同軸に大径筒状の保護端子管を該電極
   端子と一体に突設してなり、該保護端子管の先端部側面
   には該ガス封入管に対する封止工具を挿入し得る開口部
   を設けたことを特徴とするガス入り放電管。