JPH0656793B2 - 自動温度調節ヒータを配置してなる熱処理装置 - Google Patents

自動温度調節ヒータを配置してなる熱処理装置

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JPH0656793B2
JPH0656793B2 JP60501327A JP50132785A JPH0656793B2 JP H0656793 B2 JPH0656793 B2 JP H0656793B2 JP 60501327 A JP60501327 A JP 60501327A JP 50132785 A JP50132785 A JP 50132785A JP H0656793 B2 JPH0656793 B2 JP H0656793B2
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heat
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    • C21METALLURGY OF IRON
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    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 冶金学の分野に於て、熱処理は様々な目的のために利用
されている。広い意味で云えば、熱処理は材料の特性を
制御するためのすべての温度的な処理を包含している。
例えば、鉄その他の金属合金に於ける焼入れや焼戻し
は、特に広く知られている熱処理方法である。
金属特性の所望の改変を目的とする熱処理は、多くの場
合、特定の温度で最適の条件下で実施される。このよう
な熱処理期間中に於ける温度の制御を行なうために、一
般的には加熱炉や、ヒータとサーモスタットを組み合わ
せた複雑な装置等が使用されている。
而して、多くの場合、熱処理は物品が使用現場に提供さ
れる前に実施されるようになっている。即ち、物品の特
性は、製造所や工場或いはその他の製造設備中にある段
階で決定される。然しながら、物品を取り付ける際や、
物品が相当の期間使用された後に、加熱炉やオーブン若
しくはヒータとセーモスタットを組み合わせた装置等を
用いることなく、当該物品をその使用現場或いは取り付
けられた位置に於て当該物品の冶金学的特性を改変する
ことが望ましい場合が多々ある。即ち例えば、寒冷地に
敷設したパイプライン中に於けるパイプセクションの特
性が劣化した場合、当該パイプセクションを取り外すこ
となくその使用現場で直接これに熱処理を施すことが望
ましい。同様に、ストレスや疲労、或いは温度等がパイ
プライン中のパイプセクションや橋梁の支柱等に悪影響
を及ぼしている場合、その使用現場に於て熱処理を施す
ことが望ましい。更にまた、多量の中性子照射を受けた
スチールは一般的にその脆性が増大している。また、取
り付けられた位置に於てストレスを除去することも重要
な意義がある。
上記の如き状況、若しくは他の状況に於ても、物品の或
る一部分に対してのみ熱処理が必要な場合があり、その
ような場合には、上記熱処理は当該部分にのみ限定すべ
きであり、しかもこれらの部分は均一な温度で加熱すべ
きであることが判明している。即ち、物品の一部分だけ
を硬化、軟化、耐久性の増強、ストレス除去、焼入れ、
焼戻し或いは他の処理を施すべき場合があり、そのよう
な場合には局部的な熱処理を施すことが望ましい。
発明の概要 本発明によれば、自動温度調節ヒータを用いて金属製の
物品をその使用現場に於てその特性を改変するための熱
処理を施し得る装置及び方法が提供される。上記自動温
度調節ヒータは物品の熱処理を必要とする箇所に配置さ
れ、これにより局部的な熱処理が可能となる。
更にまた、上記自動温度調節ヒータは、その自動調節温
度(autoregulating temperature)より下の温度と上の
温度との間でその侵入度が大幅に変化する磁性体材料か
ら成る少なくとも第一の磁性体層を有している。上記自
動調節温度は、キュリー温度との関連で決定されのもの
であり、当該キュリー温度の近くの温度となる。上記侵
入度の変化は、上記第一の磁性体材料に加えられる交流
電流によって生み出される熱のレベルの変動に応じて発
生する。従って、本発明の典拠となるCarter及びKrumme
の米国特許第 4,256,945号『自動温度調節ヒータ』に記
載されている如く、ヒータに発生する熱量は、ヒータの
温度と逆の関係を有している。ヒータの温度とヒータが
発生する熱との上記の如き逆関係は、ヒータの自動温度
調節機能若しくは自己温度調節機能をもたらすものであ
る。このように、本発明の目的は、金属製の物品をその
使用現場に於て自動温度調節ヒータによって決定される
温度に於て熱処理することにある。
更にまた、本発明の目的は、自動温度調節ヒータの少な
くとも一つの磁性体層に自動調節された熱を発生させる
ことにあり、その場合上記磁性体層は例えば焼入れ、焼
戻し等の熱処理が行なわれるべき温度に実質的に対応す
る自動調節温度を有するよう構成される。
本発明のもう一つの目的は、熱処理を施すべき物品に取
り付ける自動温度調節ヒータに於て、少なくとも二つの
熱伝導性の層を有し、その一つは磁性体層から成り、他
の一つは抵抗の低い非磁性体層から成り、上記磁性体層
は上記物品の熱処理のために必要な所望の温度と実質的
に等しい自動調節温度を有するような上記自動温度調節
ヒータを提供することにある。このような実施例に於て
は、ヒータの温度が上記自動調節温度より低い当初の時
期に於ては交流電流は上記磁性体層の浅い領域を流れ、
ヒータの温度が上記自動調節温度以上になると電流は上
記抵抗の低い非磁性体層へ侵入し、これにより自動調節
温度以上の温度に達すると熱の発生量が大幅に減少する
ようになっている。所望の熱処理温度と実質的に等しい
温度に於ける自動調節機能は、一般的に上記磁性体層の
キュリー温度よりも数度低い温度に於て達成される。更
にまた、上記抵抗の低い非磁性体層の厚さを適切に設定
することにより、上記ヒータから外部に電磁波信号が漏
洩、放射されないようにするためのシールド効果を得る
ことができる。
更に別の実施例に於ては、使用現場に於て熱処理を施す
べき物品に対して取り付けられ、これに熱を伝達する自
動温度調節ヒータに於て、複数の磁性体層を有するもの
が提供される。当該実施例に於ては、上記のそれぞれ異
なった磁性体層に対応する異なった自動温度調節機能が
達成されるよう、交流電流の接続が上記それぞれの磁性
体層に切換え可能なようになっている。これにより、物
品に対して幾つかの異なった温度の熱処理を施すことが
可能となる。例えば焼入れのような熱処理が、所定の温
度と時間を指定した複数の熱処理段階を含む場合、上記
の如き実施例であれば選択された温度に於ける選択され
た自動温度調節が可能となるものである。上記自動温度
調節ヒータの二つの磁性体層の間に、これらと接触する
形で抵抗の低い磁性体層を設け、物品の使用現場に於て
物品に対して選択的な自動温度調節を行ない得るように
した自動温度調節ヒータを提供することも可能である。
本発明の更にもう一つの目的は、上に述べたような自動
温度調節ヒータのいずれか任意のものを、熱処理を施す
べき物品若しくはその物品の一部分に一体的に取り付け
ることである。上記の如く物品と一体化されたヒータ
は、所望の箇所に取り付けられ、これに交流電流を接続
して作動させることにより使用現場に於て熱処理を施す
ことが可能となる。この場合、上記ヒータは物品内に固
着若しくは物品に沿って一体的に形成されている。例え
ばスチールパイプの場合、上記パイプ自体が自動温度調
節ヒータの磁性体層によって作製される。
本発明のもう一つの目的は、金属製の物品の所望の部分
の周囲にその使用現場に於て自動温度調節ヒータを巻き
付け、上記ヒータの磁性体層の自動調節温度に対応する
温度によって、自動調整された熱処理を施す方法を提供
することにある。その場合、上記磁性体層としては所望
の熱処理温度に実質的に等しい自動調節温度を有するも
のが選択される。
このように、本発明の主要な目的は、制御された雰囲気
中で熱処理を行なう必要のあるオーブン型加熱炉や複雑
なヒータ及びサーモスタットを用いることなく、物品の
使用現場に於て簡便に且つ効果的に実施し得る熱処理方
法を提供することにある。
本発明の最後の目的は、物品に対する熱処理により硬
化、軟化、ストレス除去、焼入れ、焼戻し、強化若しく
は他の処理を施し、これによって物品の機能若しくは使
用目的に適合する所望の冶金学的特性を発現、維持及び
/又は再現せしめる自動温度調節サれた加熱手段を提供
することにある。例えば、使用現場に於て過剰に硬化
し、或いは放射線照射により脆性が増大し、或いは機械
加工により過剰に加工硬化し、或いはまたは使用現場に
於て繰り返し生じる疲労によいひび割れ若しくは破損を
生じる虞れのある物品若しくはその一部分のストレスを
排除することにある。また、本発明は使用現場に於て取
り付けられたまゝのスチールに熱処理を施し、且つその
熱処理温度を適切に決定することにより物品に対して窒
化若しくは炭化等の表面処理を施すことにある。
図面の簡単な説明 第I図は、本発明にかゝる自動温度調節ヒータを用いて
使用位置に取り付けられたまゝのパイプに熱処理を施し
ている状態を示す説明図、 第II図及び第III図は、自動温度調節ヒータのそれぞれ
異なった二つのタイプのものを示す断面図、 第IV図は、第III図に示した本発明にかゝるヒータの一
実施例の正面斜視図、 第V図は、本発明に従い、スプリングに対してその最終
使用特性を付与するよう熱処理を施す状態を説明図、 第VI図は、自動温度調節ヒータと、熱処理を施すべき物
品を、それらが一体となって単一の曲げられたエレメン
トを形成した状態を示す説明図、 第VII図は、熱処理を施すべき物品と、熱処理の温度を
選択的に制御し得る自動温度調節ヒータとから成る三層
構造のパイプを示す正面斜視図である。
発明の説明 第I図を参照すれば、同図には金属性のパイプセクショ
ン100 が、他のパイプセクション102 及び104 の間に結
合された状態で示されている。上記パイプセクション10
0 は、パイプライン106 に沿っての一部として設けら
れ、望ましくはオイル若しくはガス等の流体を輸送する
ようになっている。このような状態に於て、パイプセク
ション100 はその構造及び特性に悪影響を及ぼす様々な
条件に曝されることがある。例えば、熱的な変化はパイ
プセクション100 に対してストレスを与える。また、パ
イプセクション100 に沿ってその使用現場で溶接を行な
う場合には、溶接のあとストレスを除去する必要があ
る。上記の如くストレスを除去し、若しくはパイプセク
ション100 の冶金学上に於ける特性を向上させるため
に、パイプセクション100 をその使用現場で(取り付け
たまゝの状態で)熱処理するために、自動温度調節ヒー
タ110 が設けられる。この場合、熱処理に於ける過剰加
熱や加熱不足によって悪影響が生じることのないよう上
記熱処理は極めて正確に制御する必要がある。後述する
如く、自動温度調節ヒータ110 は様々な形態をとる得る
が、いずれの場合に於ても上記自動温度調節ヒータ110
は、(a)パイプセクション100 (若しくは他のワークピ
ース)の長手方向に沿って加熱の必要な箇所に配置さ
れ、(b)パイプセクション100 の使用現場に於て熱処理
に適切な温度に調節するものでなければならない。更に
また、上記自動温度調節ヒータ100 は熱処理を施すべき
パイプセクション100 の特定の領域Lに沿って、均一な
温度を維持する特性を有する必要がある。
第I図を再度参照すれば、同図には交流電流(a.c.curr
ent source)112 が示されている。上記電源112は、
“一定の”電流を供給する電源であり、望ましくは選択
された一定の周波数を有するものである。上記電流はこ
れが加熱構造114 中を流れ得るように接続される。
第II図及び第III図には、上記発熱構造114 の幾つかの
実施例が示されている。第II図に於ては、単一の磁性体
層202 を巻き付けたパイプセクション200 が示されてい
る。上記磁性体層202 は、上記磁性体層202 を使用現場
に於て上記パイプセクション200 の周りに捲回した状態
に保つためのクランプ部材204 を有している。また、上
記磁性体層202 は、指定された抵抗率(ρ)と透磁率
(μ)を有しており、これらの抵抗率と透磁率は自動調
節温度(autoregulation temperature)の上と下とで急
激に変化するようなものが選定されている。上記自動調
節温度は、従来は多くの場合、上記磁性体層200 のキュ
リー温度より数度低い値に設定されている。磁性体材料
の幾つかの例を下記の表に示す。
上記磁性体層202 の透磁率(μ)の値は、周知の通り、
上記自動調節温度より充分低い温度に於ては実質的に実
効透磁率と等しく、自動調節温度よりも高い温度に於て
は略1となるものである。温度の変化に伴う上記透磁率
の変化は、侵入度の変化に対応し、この場合侵入度は に比例している。即ち、温度が上記自動調節温度にまで
上昇すると、上記透磁率は例えば400 から1まで低下
し、これにより上記侵入度は約20に増大する。侵入度の
増加は、交流電流が当初制限されて流えていた断面積を
増加させる結果となる。その場合、交換電流が磁性体材
料中を流れる深さに関する電流の分布状態は、指数関数
に従うものであり、即ち、tを厚さ、S.D.を侵入度とし
た場合、〔1−ett/S.D.〕の割合で低下するものであ
る。従って、電流の63.2%は侵入度の1倍の領域内に制
限されて流れる。即ち、IRが発生する熱であり、こ
ゝでIが比較的“一定”であるとした場合、Rの変化
はそのまゝ発生する熱の変化となって表われるものであ
る。従って、磁性体202 の温度が自動調節温度以上に上
昇すると、発生する上記IR熱は低下する。逆に、温
度が自動調節温度以下に低下すると、上記IR熱は侵
入度の変化に従って増大する。このような効果が、ヒー
タの自動調節機能若しくは自己調節機能を特徴づけるも
のである。本発明に於て用いられる“一定”の電流と
は、電流の変化(ΔI)と抵抗の変化(ΔR)とが下記
の式を満たす場合を指している。
再度第II図を参照すれば、磁性体層202 に“一定”交流
電流が通じられたとき、上記電流は上記磁性体層202 の
温度が上記自動調節温度より低い場合には、外周の浅い
領域に限定されて流れる。温度が上昇し、上記自動調節
温度を超えると、侵入度はより深い領域まで達し、これ
により電流はより広い断面積の部分を流れることにな
る。これによって発生する熱は減少する。
磁性体層202 が熱伝導性を有する場合には、侵入度が浅
い場合に於て発生した熱は、パイプセクション200 へ伝
達される。また、磁性体層202 のそれぞれの部分に於て
それぞれの温度に対応した熱が発生するから、冷たい領
域には多くの熱が供与され、温かい領域には少しの熱し
か与えられない。このようにして、磁性体層202 から発
せられる熱は、所定の流さの領域L(第I図参照)の温
度をこれが均一なレベルになるまで上昇させる。本発明
にかゝる第II図に示した装置に於ては、上記の均一な温
度レベルは磁性体層202 の自動調節温度に対応し、これ
は即ち上記領域Lに於て所望の熱処理が行なわれる温度
に対応する。
具体的には、上記第一の磁性体層202 の自動調節温度
は、パイプセクション100 の焼入れ温度に対応して選択
可能である。その場合、磁性体層202 の磁性体合金とし
て適切なものを選択することにより、キュリー温度近く
の自動調節温度として1120℃(コバルトのキュリー温
度)のような高い自動調節温度を発生させることも容易
に可能である。
パイプセクション100 を作製するためのスチール若しく
は他の金属(例えば合金)の熱処理は、殆どの場合上記
自動調節温度の上限温度よりも低い温度で実施可能であ
る。従って、自動調節温度が所望の熱処理温度と実質的
に一致するような合金を適切に選択することが可能であ
る。
通常、熱処理は予め定められた所定の時間だけ行なわれ
るものであるから、上記所望の熱処理時間を達成するた
め、上記電源112 が選択的にオンとオフの状態に切り換
えられるようなものであっても良い。或いはまた、上記
ヒータ(若しくはヒータを兼ねる物品)が、上記電源11
2 を必要に応じて選択的に接続若しくは分離可能にする
ためのプラグ若しくは接点部材を有するように構成して
も良い。
再度第I図を参照すれば、電源112 は、パイプセクショ
ン100 及び磁性体層110 間に接続されていることが理解
される。この実施例に於ては、上記パイプセクション10
0 は例えば抵抗の低い非磁性体材料である。上記磁性体
層110 の侵入度が増大したときには、電流は最終的にパ
イプセクション100 の部分へ広がって流れるようにな
る。そのため抵抗Rが急激に低下し、IR熱は僅かし
か発生しなくなる。必要があれば、電源112 を保護する
ための回路(図示せず)を設けることも可能である。上
記磁性体層110 の厚さは、その温度がキュリー温度以上
に達したとき電流をパイプセクション100 中へ広がって
流れるようにする厚さでなければなない。上記磁性体層
の厚さは、様々な厚さとすることが可能であるが、望ま
しくは(実行透磁率に於ける)侵入度の 1.0倍ないし
1.8倍とされる。
第I図に示したパイプセクション100 が抵抗の低い材料
でない場合には、上記電源112 は上記磁性体層110 に直
接的に接続するようにしても良く、その場合、必要に応
じて磁性体層110 にこれを電源112 に接続するためのカ
ップリングエレメント(図示せず)を設けるようにして
も良い。
次に第III図を参照すれば、同時にはヒータ301 を巻き
付けたパイプセクション300 が示されており、上記ヒー
タ301 は低抵抗の層302 (例えば銅)と、これを囲繞す
る磁性体層304 とを有している。上記層302 及び304 は
互いに接触しており、いずれも熱的な伝導性を有してい
る。上記ヒータ301 に交流電流を通じると、上記自動調
節温度以下に於ける当初の期間中は電流は浅い部分に限
定して流れ、自動調節温度以上になると上記低抵抗の部
分へ広がって流れるようなる。これにより上記パイプセ
クション300 に対し上記自動温度調節ヒータ301 と接触
した領域に於て熱が与えられることになる。
第IV図には、前記ヒータ301 と同様の自動温度調節ヒー
タ400 に対して、実質的に一定の交流電流を通ずるため
の接続状態が示されている。電源402 から供給される交
流電流は、最初のうちは外側の磁性体層404 の外周表面
近くに制限されて流れる。内側の層406 は抵抗の低い非
磁性体層406 から成り、パイプ、支柱、桁等々の硬い物
品408 の周囲を囲繞している。上記磁性体層404 がその
自動調節温度(多くの場合そのキュリー温度より数度低
い温度)以下である場合には、上記磁性体層内に多大の
熱が発生する。温度が上記自動調節温度以上に上昇する
と、交流電流は抵抗の低い層406 中へ侵入し、その結果
として発生する熱が減少する。即ち、当技術分野に於て
公知の通り、上記a.c.電流は温度が上記自動調節温度以
下であるときには、主として層404 の外側の表面(ルー
プ状の回路に近接した面)に沿って流れる。温度が上記
自動調節温度に達すると、上記交流電流は、層406 がそ
の実行透磁率を有するときの侵入度の望ましくは数倍の
厚さを有する層404 を貫通して層406 中へ広がり、その
結果IR熱は減少する。
第II図に示したヒータに対する交流電流の接続は、第IV
図に示したものと同様の形態で行なうことが可能であ
る。更にまた、第II図のヒータは第II図に示す如き中空
の物品の代わりに中密の物品に巻き付けてこれの熱処理
を行なうことが可能である。このような熱処理として
は、焼入れ、焼戻し、耐久性の増強、延性の増大化、応
力の除去、或いはその他の金属部材の冶金学的な特性に
影響を与える処理が含まれる。上記熱処理は、所望の特
性を確保し、維持し或いは再現させるために、金属部材
の組立て工程、修理過程若しくはサービス過程に於て行
なうことができる。
次に第V図を参照すれば、銅図にはベリリウム−銅の層
502と、磁性体合金層504 とから成るスプリング500 が
示されている。柔軟で延性を有する上記ベリリウム−銅
の層502 は、所望の箇所に取付け可能なよう形成され、
取り付けられるようになっている。これを取り付けた
後、上記磁性体合金層504 を電源506 に接続して交流電
流を通ずると、先ずヒータ500 の温度が上昇する。上記
温度は層504 のキュリー温度に調節される。上記調節温
度は、実質的に上記ベリリウム−銅の層502 が硬化して
強度を増し、スプリングとしての焼入れが行なわれる温
度に対応するようになっている。この熱処理は望ましく
約 400℃で数分間行なわれる。他の合金、即ち例えばア
ルミニウムとマグネシウムの合金等もこのような低い温
度で短い時間の熱処理で硬化させることができる。これ
ら合金は、その固有の導電性により、本発明にかゝるヒ
ータによって熱処理さるるのに適している。
硬化処理を行なう代わりに、高温若しくは長時間の加熱
を行なうことにより合金を軟化処理するとも可能であ
る。従って、本発明は硬化処理と同様に軟化処理にも適
用可能なものである。
次に第IV図を参照すれば、同図には電力ケーブル600 が
クランプリング604 によってターミナルバス602 に於て
終結している状態が示されている。上記リング604 は当
初は柔軟で、ケーブル600 の終結部に折り曲げて適合可
能なようになっている。上記リング604 は磁性体合金
(前記の表を参照)から成り、交流電流がこれに供給さ
れるようになっている。上記リング604 はその自動調節
温度に調節する機能を有し、所望の最終的な使用のため
の機能を達成するため硬化する。従って、上記リング60
4 は、加熱処理されるべき物品であると同時にヒータと
しての役割を果たしている。
第I図ないし第IV図を再度参照すれば、これらの図に示
された本発明にかゝる実施例は、使用現場に於て物品の
周りにヒータが巻き付けられるものに限定される訳では
ないという点に留意すべきである。本発明は、ヒータと
物品が一体的な構造となっている実施例も包含するもの
である。即ち加熱されるべき物品自体が磁性体材料で作
製され、これが自分自身の温度を自動調節するようにす
ることができる。更にまた、物品が複数の層を含むよう
な実施例も可能であり、例えば第I図に示したパイプ
が、磁性体層と、当該磁性体層に対して同軸に配置され
た非磁性体層とによって構成されるようにしても良い。
そのような実施例のものは、第III図に於ける層302 と3
04 の役割を果たす。同様に、上記パイプを、非磁性体
材料を間に挟んだ二つの磁性体層で構成するようにして
も良い。そのような実施例に於いては、ヒータ402 が、
加熱されるべき物品に沿って配置され、且つ熱処理を施
すべき物品の少なくとも一部となっている点を除けば、
第IV図に於ける三つの層404 ないし408 と同様の作動を
示すものである。第VII図には、同軸に設けられた二つ
の磁性体層702 及び704 と、その間に設けられた非磁性
体層706 から成る三つの層を有するパイプ700 が示され
ている。“一定の”交流電源708 は、層702 又は層704
の自動調節温度以下に於て、パイプ700 の外側の層又は
内側の層に流れる電流を切換え可能なように接続されて
いる。上記パイプ700 は、熱処理を施すべき物品と、こ
れに沿って設けられるヒータとの両方を兼ねている。
更にまた、いずれの実施例に於ても、必要に応じて単に
交流電源をヒータに接続し、これに電流を通ずるだけで
所望の熱処理を繰り返し施すことが可能である点にも留
意しなければならない。
更にまた、使用現場に於ける熱処理のもう一つ異なった
実施例に於ては、本発明に従い上記の如き様々なメカニ
ズムにより金属を加熱すると共に、ガスを用いて使用現
場で上記の如く加熱された金属を赤熱せしめ、窒化若し
くは炭化反応を生ぜしめることも可能である。炭化若し
くは窒化反応は表面処理技術として公知であり、本発明
に従えば上記反応が使用現場に於て物品が自動調節され
た温度に加熱された状態で実施される。
当業者であれば、上記の説明か様々な実施例に於て絶縁
手段や回路保護手段を設けたりすることが可能であろ
う。
また、当業者であれば、上記の説明に基づいて他の多く
の変更実施例や改良実施例を容易に相到し得るであろ
う。従って、それらの変更実施例や改良実施例は、以下
の請求の範囲に規定された本発明の範囲に属するもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブツシユ ポール エフ アメリカ合衆国 カリフオルニア 94022 ロスアルトスヒルズ ビスケイノコート 12630番地 (56)参考文献 特開 昭50−60694(JP,A) 特開 昭50−133964(JP,A) 米国特許4256945(US,A) 米国特許2785263(US,A)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用現場において、円筒形で且つ金属製の
    物品の少なくとも一部分だけの硬化、軟化、耐久性の増
    強、ストレス除去、焼入れ、焼戻し等の処理を施す場
    合、該物品に局部的な熱を付与する熱処理装置におい
    て、 熱処理を施すべき上記物品の所望の箇所に沿って、下記
    (a)及び(b)項記載の要素から成り且つ下記(c)
    の形状である自動温度調節ヒータを配置して成る熱処理
    装置。 (a)上記物品の一部を熱処理すべき温度と実質的に対
    応するような第一の自動調節温度を設定し、上記第一の
    自動調節温度以下に於てはその透磁率の値が1を大幅に
    超過し、上記第一の自動調節温度以上に於ては上記透磁
    率が少なくとも1に略等しい値を有する磁性体材料から
    成る第一の層。 (b)上記第一の層に交流電流を通ずる手段。 (c)上記自動温度調節ヒータは、上記物品の周囲に環
    状に巻き付けられてこれに熱処理用の熱を付与する可撓
    性の帯体の形状である。
  2. 【請求項2】一定の電流値と一定の周波数を有し、上記
    第一の層に接続される電源を有する請求の範囲第1項記
    載の熱処理装置。
  3. 【請求項3】上記物品が焼戻し可能な金属から成り、上
    記第一の層の自動調節温度が、熱処理を施すべき上記物
    品の一部分の焼戻し温度と実質的に等しい請求の範囲第
    2項記載の熱処理装置。
  4. 【請求項4】上記物品が焼入れ可能な金属から成り、上
    記第一の層の自動調節温度が、熱処理を施すべき上記物
    品の一部分の焼入れ温度と実質的に等しい請求の範囲第
    2項記載の熱処理装置。
  5. 【請求項5】上記自動温度調節ヒータが、熱処理すべき
    物品の一部分と一体的に結合された請求の範囲第1項記
    載の熱処理装置。
  6. 【請求項6】上記物品がベリリウム−銅合金製のスプリ
    ングであり、 上記第一の層の自動調節温度が、上記スプリングがその
    耐久特性を増大させるような温度と実質的に等しい温度
    である請求の範囲第1項記載の熱処理装置。
  7. 【請求項7】上記物品が合金であり、 上記第1の層の自動調節温度が、熱処理を施すべき上記
    物品の一部分の脆性が減少し当該部分におけるストレス
    の除去がなされる温度と実質的に等しい温度である請求
    の範囲第1項記載の熱処理装置。
  8. 【請求項8】上記物品が合金であり、 上記第1の層の自動調節温度が、熱処理を施すべき上記
    物品の一部分を軟化しその延性を増大せしめる温度と実
    質的に等しい温度である請求の範囲第1項記載の熱処理
    装置。
  9. 【請求項9】上記自動温度調節ヒータが、 上記第一の層とは異なった抵抗率と透磁率特性を有し上
    記第一の層上に重ねられる第二の層を有すると共に、 上記第一の層及び第二の層上の二点が、上記第一の層の
    自動調節温度以下の温度に於ては上記電源からの電流の
    大部分が上記第一層の浅い領域に制限されて流れ、上記
    第一の層の自動調節温度以上の温度に於ては上記第一の
    層の侵入度が上記第一の層の厚さ以上となり上記電流が
    実質的に上記第二の層中をも流れるようにそれぞれ配置
    された請求の範囲第2項記載の熱処理装置。
JP60501327A 1984-03-06 1985-03-06 自動温度調節ヒータを配置してなる熱処理装置 Expired - Lifetime JPH0656793B2 (ja)

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