JPH0656745U - 管体の内部詰り検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑に曲折した細管などの管体におけるわず
かな内部詰まりも正確かつ容易に検出できるようにす
る。 【構成】 管体である被検査物の一方の端部から該被検
査物の内部にエアを吹き込むエア吹込装置と、該エア吹
込装置と被検査物を結ぶ導風管中に設けたオリフィス
と、該オリフィスの両側の静圧を測定する圧力計とを具
備している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、加圧エアを管体内に吹き込むことにより管体の内部詰り状態を検査 する検査装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

複雑に曲折した細管等の内部詰り状態を検査する方法として、導風管を通じて 被検査物である管体の一方の端部に一定圧力（Ｐ₀ ）のエアを吹き込み、導風管 の適所における静圧Ｐを測定して、その圧力降下の度合いから被検査物の内部詰 り状態を判断する方法がある。この検査方法は、被検査物の内部にある異物の量 によって空気抵抗が変化することを利用したものであり、内部詰りが少ない場合 は圧力降下が大きく、内部詰りが多くなるほど圧力降下が小さくなる。

【０００３】 すなわち、被検査物が完全に詰っている場合の圧力はＰ₀ であり、被検査物に 全く詰りがない場合の静圧をＰ₁ 、被検査物に多少詰りがある場合の静圧をＰ₂ とすると、Ｐ₂ ＞Ｐ₁ となり、（Ｐ₁ −Ｐ₂ ）値を求めることにより、内部詰り 状態を知ることができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、エアの吹込圧力はかなり高く（例えば、Ｐ₁ ＝３kg／cm² Ｇ） 設定されているため、被検査物内へのエア流入量が大き過ぎ、内部詰りの程度に よる圧力降下の差が顕著に現れないので、わずかな内部詰りは検出することがで きなかった。なお、エアの吹込圧力を低くすると、初期圧と測定静圧の差も小さ くなり、内部詰りの程度を判断できなくなる。

【０００５】 本考案は、上記事情に鑑み、管体のわずかな内部詰りも正確に検出できるよう にすることを課題としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は次のように構成した。すなわち、本考案 にかかる内部詰り検査装置は、管体である被検査物の一方の端部から該被検査物 の内部にエアを吹き込むエア吹込装置と、該エア吹込装置と被検査物を結ぶ導風 管中に設けたオリフィスと、該オリフィスの両側の静圧を測定する圧力計とを具 備することを特徴としている。

【０００７】

【作用】

被検査物の断面積、長さ等に応じた適正なオリフィスをエア吹込装置と被検査 物を結ぶ導風管中に設けることにより、導風管を流通するエアの流量規制が行わ れ、オリフィスの両側に大きな圧力差が生じる。このため、オリフィスの両側の 圧力差を圧力計で測定することにより、被検査物のわずかな内部詰りも検出する ことができる。

【０００８】

【実施例】

図１は本考案の構成を概念的にあらわす図であり、同図において、１はブロア 等のエア吹込装置、２はバッファタンク、３は導風管、４は前記導風管３中に設 けられたオリフィス、５は被検査物である管体、６，７，８はコック、９は圧力 制御弁、１０，１１，１２は圧力計である。

【０００９】 図２は導風管３と被検査物５の要部をあらわし、図示の如く、導風管３として は被検査物５よりも太いものを使用し（Ｄ₁ ＞Ｄ₃ ）、またオリフィス４の内径 も被検査物５の内径よりも若干大きくしておく（Ｄ₂ ＞Ｄ₃ ）。導風管３と被検 査物５とは接続管１４等を用いて気密状態に接続する。図２における１５は被検 査物５の内壁に付着した異物で、これにより被検体５の断面積が部分的に小さく なっている。

【００１０】 検査を行うに際しては、コック６，７を開いたうえでエア吹込装置１を作動さ せ、導風管３を通じて被検査物５の一方の端部にエアを吹き込ませる。この時、 エアの初期圧Ｐ₀ が適当な圧力になるよう圧力制御弁９で制御する。そして、オ リフィス４の両側の静圧Ｐ_A ，Ｐ_B を圧力計１１，１２でそれぞれ測定し、両者 の差Ｐ_A −Ｐ_B を算出する。

【００１１】 被検査物５が完全に詰っている場合は、Ｐ_A ＝Ｐ_B ＝Ｐ₀ （一定値）となり、 Ｐ_A −Ｐ_B ＝０である。

【００１２】 被検査物５に全く詰りがない場合、Ｐ_A ＝Ｐ₃ （測定値）、Ｐ_B ＝Ｐ₄ （測定 値）とすると、Ｐ_A −Ｐ_B ＝Ｐ₃ −Ｐ₄ で、この値は最大である。

【００１３】 被検査物５に多少詰りがある場合、Ｐ_B ＝Ｐ_X （測定値）とすると、Ｐ_A −Ｐ _B ＝Ｐ₃ −Ｐ_X となる。

【００１４】 ところで、詰まりがない場合の圧力降下値（Ｐ₃ −Ｐ₄ ）は予め測定しておく ことができるので、この値とＰ₃ −Ｐ_X の値を比較することにより、被検査物５ の内部詰りの程度を知ることができるのである。

【００１５】

【表１】

【００１６】 表１は本考案の内部詰り検査装置を用いて行った検査の測定データである。初 期圧Ｐ₀ は３kg／cm² Ｇとし、同寸の３本の管体Ａ，Ｂ，Ｃについて、該管体を 接続しない場合と接続した場合のオリフィスの両側の静圧Ｐ_A ，Ｐ_B を測定した 。

【００１７】 この結果、Ａの管体は内部詰まりが非常に多く、Ｂの管体は内部詰まりがほと んどなく、Ｃの管体は若干内部詰まりがかなりあることが判明した。

【００１８】

【考案の効果】

以上に説明した如く、本考案にかかる内部詰り検査装置を使用すると、管体内 部のわずかな詰りも容易に検出することができるので、配管の老朽化や異常の早 期発見が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の構成を概念的にあらわす図である。

【図２】導風管と被検査物の要部をあらわす断面図であ
る。

【符号の説明】

１ エア吹込装置 ３ 導風管 ４ オリフィス ５ 被検査物

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 管体である被検査物の一方の端部から該
   被検査物の内部にエアを吹き込むエア吹込装置と、該エ
   ア吹込装置と被検査物を結ぶ導風管中に設けたオリフィ
   スと、該オリフィスの両側の静圧を測定する圧力計とを
   具備することを特徴とする管体の内部詰り検査装置。