JPH0656013B2 - 土砂止めシート - Google Patents

土砂止めシート

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JPH0656013B2
JPH0656013B2 JP29489788A JP29489788A JPH0656013B2 JP H0656013 B2 JPH0656013 B2 JP H0656013B2 JP 29489788 A JP29489788 A JP 29489788A JP 29489788 A JP29489788 A JP 29489788A JP H0656013 B2 JPH0656013 B2 JP H0656013B2
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Retaining Walls (AREA)
  • Road Paving Structures (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、良好な通水性と土砂流出の防止性を兼ね備え
た新規な土砂止めシートに関する。
さらに詳しくは、特殊なシート構造を有することによ
り、土、砂などを流出させることなく、適度な湿り気を
残した状態で、土中水、降雨水等を地盤から排出するの
に良好な効果を奏する土砂の流出止めシート資材に関す
る。
[従来の技術] 現在まで地盤改良工法として、種々の排水工法が提案さ
れている。
毎年、台風や梅雨の大雨時によく発生する土砂崩れ、崖
崩れの主な原因は、土中に多量の水が流入し土中の微細
な粒子を流失させ、上部にある多量の土砂を支える力を
失なわせることにある。
したがって、土砂を流出させることなく、土中の飽和量
以上の水分を土中より脱水すれば土砂崩れ、崖崩れは防
止し得るのである。
従来、このような土砂崩れ等の生じそうな場所における
土の脱水・排水は、崖崩れ防止用の土止め石垣、ブロッ
ク等に単なるパイプを差し込んでおく程度の処置で行な
われるのが常であった。しかし、このようなパイプは事
実上気休め程度の効果しか発揮し得ない。すなわち、短
時間にこのパイプ中に土砂が流入してしない詰まって脱
水路の機能を喪失するとともに、詰まらない状態であっ
ても脱水能力は極めて低いからである。また、容易にパ
イプに亀裂が生じ、耐久性に乏しいことも大きな問題と
なる。
他方、水を通し得るということで、不織布材料もよく用
いられる。かかる用途に用いられる不織布材料は、一般
にニードルパンチング不織布が主流であるが、かかる材
料は、強力が低く伸びが大きいため変形が大きく実用上
問題がある。さらには、土圧に対する厚み変化が大きい
ため、不織布の空隙率の低下が著しく、面方向及び垂直
方向の透水性は大きく低下される。また、水ぬれ性も十
分でないため、さらに透水性低下を招く。しかも、かか
る用途に用いられる不織布は、一般に目が粗いため、不
織布内部への土粒子滞留による目詰りも促進され、長期
使用に耐えない等の問題がある。また、最近、これらの
問題を防止するための改良品として、不織布の目をより
粗くした材料も見受けられるが、該材料では目詰まりは
防止されるが、水の流れとともに土砂も流出しやすく治
水工事に重大な影響を与える。
したがって、いまだ通水性、透水性が良好でかつ土砂の
流出も少ないという、これらの2つの相反する要求特性
を満たした土砂止めシート材料は見受けられないのが現
状である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上記したような点に鑑み、従来品には
見られなかった、良好な透水・通水機能を有するととも
に良好な土砂止め効果をもむろん保有する新規な土砂止
めシートを提供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記の目的を達成するために次の構成からな
るものである。
すなわち、本発明の土砂止めシートは、細幅シートの多
数が多層構造を呈しつつかつ隣接する細幅シート間に空
隙が形成され得るようにして連繋されてなる特殊布帛か
らなることを特徴とする土砂止めシートである。
[作用] 以下、図面などにしたがって、本発明の土砂止めシート
について更に詳しく説明する。
本発明で土砂止めシートとは、次のようなものを言う。
すなわち、擁壁、トンネル、道路、カルバート、ゴルフ
場、用水・排水路、法面、軟弱地盤等の土木・建築用の
排水材の他、石炭集積山における排水材、植木鉢などの
土の脱水用シート材などを言うものである。
第1図は、良好な通水性を有しながら良好な土砂止め効
果を有する本発明にかかる土砂止めシートが持つそれら
効果を説明する概略モデル図であり、1は本発明の土砂
止めシート、2は土砂層である。
第1図の1に示した布帛の持つ構造は、後述する多層構
造布帛の基本構造であるものである。本発明の主として
土木・建築用に用いられる土砂止めシートは、細幅シー
トの多数が多数構造を呈しつつかつ隣接する細幅シート
間に空隙が形成され得るようにして連繋されてなる布帛
から形成されているものである。
第2図は、従来から通水性のある土砂止めシートして一
般に使用されている粗目の不織布3における、通水性効
果と土砂止め効果を説明する概略モデル図であり、4は
土砂層である。
第3図A、B、Cは、いずれも細幅シートが多数連繋さ
れてなる本発明の土砂止めシートの、細幅シートの連繋
接合部付近における断面構造を示したモデル図であり、
同図Aにおいては、細幅シートS1、S2、S3、S4、S
5、S6、S7が、幾重にも順次位置を幅方向にずらしつ
つ重なってなる、ちょうど瓦ぶきの屋根もしくは蓑の如
き多層の重畳構造をモデル的に示したものである。同図
Aにおいて、矢印bは、多層構造の上層側から下層側に
向かう順方向を示している。
第3図Bは、第3図Aに示したものに加えて、細幅シー
トのS′1、S′2、S′3、S′4、S′5、S′6、S′
7が幾重にも順次位置をずらしつつ重なってなる、同様
な多層の重畳構造を有するシート材が、もう1枚裏側に
対称状に用いられて2重の多層構造を呈するように構成
された本発明の土砂止めシートを示したものである。
第3図Cは、細幅シートS1、S2、S3、S4、S5
6、S7が一つの層をなすように連繋されており、その
層に細幅シートの位置がずらして重ね合されるように、
細幅シートS′1、S′2、S′3、S′4、S′5
S′6、S′7よりなる別の層が設けられて多層構造シー
トを呈している態様例を示したものである。
第4図A、B、Cは、それぞれ第3図A、B、Cに対応
するもので、いずれも細幅シートが多数連繋されてなる
本発明の土砂止めシートの隣接する連繋接合部の中間付
近(非連繋部)における断面構造を示したモデル図であ
り、細幅シートS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7
およびS′1、S′2、S′3、S′4、S′5、S′6
S′7どうしが、隣接する細幅シート間で適宜の空隙を
持ちつつ存在する状態をモデル的に示したものである。
第5図は、第3図A〜C、第4図A〜Cなどに示した本
発明にかかる土砂止めシートの1実施態様における代表
構造例をモデル的に示した平面図であり、多数の細幅シ
ートS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7が、ほぼ等間
隔のミシンがけにより縫合されてその幅方向下に連繋を
されて、シート状に形成されてなる状態を示した概略平
面図である。
同図において、点線5、6、7、8はミシン縫合線であ
り、またc−c断面図が上述第3図A〜Cの連繋接合部
(縫合線部)付近における断面図、d−d断面図が第4
図A〜Cの隣接する連繋接合部の中間付近(非連繋部)
における断面図にそれぞれ該当するものである。
本発明にかかる土砂止めシートは、このような特異な構
造を有することにより、第1図のモデル図に示したよう
に、細幅シート間に狭い空隙が形成され、水はその空隙
から矢印aに示した水の排出通路の如く排出され、一
方、土砂層2中の土、砂などある程度の粒形を有するも
のは流出されない構造となっている。さらに、細幅シー
トよりなる多層構造となっていることにより、フィルタ
ー効果も有し、目詰まりも発生しにくいものである。し
たがって、本発明の土砂止めシートは、高度な排水・透
水・通水効果と、土砂などの流出防止効果を同時に得る
ことができるのである。
一方、従来の粗目の不織布を用いた土砂止めシートで
は、第2図に示したように、不織布の目に土砂の滞留に
より目詰りが生じて排水路は矢印aの如く非常に狭く排
水・透水効果が著しく低下したり、さらには、その土砂
が流出してしまうなどの不都合があるのである。
本発明において、細幅シートとは、長さに比較して幅が
細いシート状のものであればよく、その幅としては特に
限定されるものではないが、好ましくは1mm〜200mm
の幅である織物、編物、不織布、フィルムなどのシート
状物であり、本発明の効果をより有効ならしめ、また製
造する際の作業性などにおいて織編物であるものが最も
好ましい。
細幅シートの製造法としては、所望の織幅でリボン織機
やテープ織機などで製織する方法、広幅織機で製織し機
上でもしくは製織終了後に溶断カッター等で所望の幅に
溶融裁断する方法、さらに、易溶解性繊維をスリットす
べき境界部に交織しておき製織後に該易溶解繊維を溶解
させる液中で処理することにより所望の細幅織物を得る
方法などがあり、適宜作業性、所望の細幅シートの仕様
等を考慮して具体的な製造方法を選択すればよい。
細幅シートは、該幅が1mm未満では該シートを製造する
ことが一般に難しいこと、また、多層構造にして布帛を
形成することが一般に難しいので好ましくなく、また、
200mmを越える幅になると、機能性の点、特に本発明
の特徴である通水性と土砂止め性のバランスにおいて劣
る傾向にあるので好ましくない。
したがって、好ましい細幅シートの幅としては2mm〜1
00mm、さらに好ましくは3mm〜30mmの範囲のもので
ある。さらに、平均幅が1mm〜200mm程度の範囲内で
適度な凹凸状や波形状を示すような異形細幅シートを用
いてもよい。また、その横断面形状は、平べったい生地
片の他、「へ」の字型または「く」の字型、さらにはこ
れらの組合さった「W」の字型など、あるい
は、]、〕、)、】、」、∫、I、〜型などに折れ曲っ
た断面構造を持つものであってもよい。
また、細幅シートの構造は、通常、一重のものであって
もよいが、場合によっては、筒状のものや、あるいは2
重織物などの2重構造のシートであってもよい。なお、
シート幅とは、シートの短方向における両端幅を言うも
のである。ただし、折れ曲ったり、湾曲した横断面形状
のものについては、折れ曲ったり、湾曲した状態におけ
る両端幅を言うものである。さらに、筒状のものであれ
ば、該筒における直径を言う。
細幅シートは、排水材にしたときの強度、耐久性、柔軟
性などの点からは、織物、編物、不織布などの繊維製品
で、しかも、高密度であるものが好ましく、その際、該
細幅シート基材に使用される繊維としては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、あるいはその共重合体、ポ
リブチレンテレフタレートあるいはその共重合体等のポ
リエステル、ポリアミド及びその共重合体、アクリル系
重合体、ポリウレタン、ポリエチレン、超高分子量ポリ
エチレン、ポリプロピレン及びその共重合体、ポリ塩化
ビニリデン、芳香族サルファイド(PPS)、アラミド
繊維、炭素繊維などの合成繊維が好ましく、これらの繊
維を単独で、もしくは複合、混織、混紡、交撚、交織な
ど適宜目的に応じて組合せて用いればよい。
これらのうちでも、ポリエステル繊維とポリアミド繊維
との組合せになる複合糸使い細幅シート、さらに、ポリ
エステル繊維においてイソフタル酸を共重合させてなる
高収縮性繊維糸と低収縮繊維糸などの異繊維糸との組合
せになる複合糸使い細幅シート、さらに低ケンカ度のポ
リビニールアルコールを紡糸して得られる水感性繊維な
どを用いてなる細幅シートは、加工中に収縮性能を発揮
し、バルキーアップ(嵩高性向上)となり、良好な嵩高
性が得られることによって、密着性がなくなり、空隙が
良好に形成され得、通水性がより向上し、好ましいもの
である。さらに嵩高性を得る方法として、単一のマルチ
フィラメントにウーリィ加工などの嵩高加工を施した糸
を用いて、細幅シートを構成せしめる方法もある。
さらに、より高い嵩高性と通水性を有する多層構造布帛
とするには、たとえば、特にポリウレタン繊維等を含ん
でなる伸縮性細幅テープを用いて、多層構造布帛となす
ときに、該テープを適度の緊張下で仮接着し、細幅テー
プ間を縫合接合した後、仮接着を解除する等の手段をと
ることによりテープが波形状化し、より大きなシート間
の空隙構造を得ることができる。
また、ポリウレタン繊維等を含んでなる伸縮性細幅テー
プと、他の繊維よりなる細幅テープとを交互配列し、ポ
リウレタン繊維等を含んでなる伸縮性細幅テープに適度
の緊張を加えておいて布帛化し、緊張を解除するのも、
得られる波形状が互いに異なるので、より大きな空隙を
付与することができ好ましい。
本発明で言う細幅シートを用いてなる多層構造とは、第
3図A〜Cや第4図A〜Cに示した如き、複数の細幅シ
ートよりなる重畳構造や重ね合せ構造のものを示す総称
である。すなわち、重畳構造の布帛とは、第3図Aのよ
うに、細幅シートが幾重にも重なって形成されている布
帛のことであり、例えば、瓦ぶきの屋根もしくは縦断面
構造で見れば重なり合った蓑の如き構造のものである。
また、重ね合せ構造の布帛とは、前述第3図Cのような
縦断面構造を有する細幅シートにより形成された布帛
が、二枚以上、幾重にも重なって得られる布帛のことで
ある。したがって、第3図Bに示したようなものは、重
畳構造と重ね合せ構造の両構造を併せ持ったものとなっ
ている。
多数の細幅シートを使用してこれを多層構造シート材に
形成する方法は、各種の具体的方法があり、必ずしも限
定されるものではないが、例えば、第3図A、第4図A
の如き重畳構造シート材を形成する方法としては、表面
がポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂でコーテ
ィングされた適度な大きさの円筒に、水溶性糊剤(ポリ
ビニールアルコール系、アクリル系糊剤など)が含浸さ
れた細幅シートを、所望の重ね幅下に円筒を回転させつ
つ順次巻き付けて乾燥し、隣接の細幅シートを相互に仮
接着させた後、円筒の軸方向に裁断し、細幅シートによ
り重畳構造となった仮接着シート状物を得る。そして、
さらに、このようにして得られた細幅シートの仮接着シ
ート状物を、たとえば、多層構造(重畳構造)の順方向
すなわち細幅シートのめくり上がりのない方向に所望の
間隔でミシンがけを行ない、細幅シートを一定間隔もし
くはランダムな間隔で相互に縫合接合して、その後、該
シート材を温水液中に浸漬処理して、仮接着のために使
用した水溶性糊剤を溶解除去することにより、本発明の
土砂止めシートを得ることができる。
なお、仮接着シートを得る方法として、上記のような予
め細幅シートに水溶性糊剤を含浸し未乾燥の状態でテー
プを円筒に巻きつけた後、乾燥、仮接着させる方法の他
に、細幅シートを円筒に巻きつけた後、水溶性糊剤の調
合液をスプレーまたは刷毛を用いて細幅シートに塗布、
乾燥して仮接着シートを得る方法がある。
また、細幅シートどうしを接合し連繋させる方法として
は、高周波ミシンや超音波ミシンなどを用いてもよい。
該細幅シートの接合、連繋方法としては、ミシンがけに
限定されるものではなく、接着材による方法などの、そ
の他の方法も採用できるが、ミシンがけの場合は、重畳
構造シート状物の順方向に処理することができ、これが
シワの発生を極力防止できる点、また作業も簡便である
点などについて実際的である。
また、仮接着後、ミシンがけにより細幅シートを縫合し
てシート材化せしめるに際し、該縫合箇所に縫い目補強
用テープを重ね、該補強テープをいっしょに縫い込むよ
うにしてもよい。また、シート材化後、多層構造をより
強固に安定化せしめるために、多層構造の順方向下に、
アイロンがけまたは/および熱プレスを行なうことも好
ましい。
さらに、該シート材に対し撥水処理を施すことも用途に
より、より好ましいものである。撥水処理は、例えば、
シリコン系またはフッ素系などの適宜の撥水剤を、スプ
レー法、パッティング法、浸漬法、コーティング法など
にて付与することで容易に行なうことができ、この中で
も、パッディング法は、均一に撥水剤をシート剤に付与
し得る点において最も優れており、またパッディング処
理時においても、前述ミシンがけ方法と同様に、重畳構
造シート状物の順方向に処理することがシワの発生を未
然に防止する上で効果的であって、これらの点などにお
いてパッディング法が好ましい。
次に、本発明にかかる細幅シートからなる多層構造の布
帛を用いて、本発明の土砂止めシートを製造するに際し
ては、該布帛100%使いであってもよく、他の布帛素
材と組合せたものであってもよい。
[実施例] 次に実施例を示すが、これは本発明をより明確にするた
めであって、本発明はかかる実施例によって限定された
り制限を受けるものではない。
実施例 500デニール、36フィラメントからなるポリエステ
ルフィラメント糸をタテ糸に用い、250デニール、4
8フィラメントからなるポリエステルフィラメント糸を
ヨコ糸として用いて、テープ織機にて幅20mmの織物を
製織して細幅シートを得た。
この細幅シートを、水溶性ポリビニールアルコール糊剤
中に浸漬し、表面がフッ素樹脂コーテングされた円筒ロ
ールに重なり幅が7mmとなるようにロールを回転しつ
つ、所望の幅に巻き上げた。このようにして得られたシ
ートを乾燥後、ロール軸方向に裁断し、前述水溶性糊剤
により仮接着されたシートを得た。
次いで、該シートを産業用ミシンにより20mmの等間隔
で細幅シートの幅方向に、また細幅シートがめくり上が
らない方向(順方向)に2回ミシンがけを行なって、第
3図Aと第4図Aに示した如き重畳構造状の多層構造布
帛を得た後、80℃の熱水中に浸漬処理し、水溶性糊剤
を溶解除去した。
こうして細幅シートの幅20mm、重なり幅7mm、縫合ピ
ッチ幅20mmの重畳多層構造を有する本発明の土砂止め
シートを得た。
一方、比較品として、従来から土砂止め用途に使用され
ている粗目のニードルパンチング不織布を準備した。
これら両布帛を用い、実際に水分を多量に含んだ軟質土
砂を同条件で布帛上に載せ、排水性テストを行なったと
ころ、本発明にかかる土砂止めシートは、土砂を流出さ
せることなく適度な湿りを残し排水できたのに比べ、従
来品のニードルパンチング不織布からなるものは、かな
りの土砂と水の双方を同時に排出し、しかも所々、土砂
による目詰り現象も見られる全く好ましくないものであ
った。
[発明の効果] 以上述べた通りの本発明の土砂止めシートは、前記した
構成とすることにより、次のような優れた作用、効果を
奏するものである。
(1)多層構造を呈して存在する隣接細幅シートの間に形
成される微細な空隙を数多く有することにより、土砂を
流失させることなく水分のみを排出させることができ
る。
(2)微細な空隙が多層構造となって斜目方向に幾重にも
有することにより、土砂が流入しにくく目詰まりの防止
性があり、排水効果の低下も防止できる。
(3)柔軟性を有することにより、地盤の変動や耐圧の変
化に長期にわたって対応できる。
(4)取扱い性が良好である。
(5)本発明の土砂止めシートは、特殊な立体構造の布帛
を用い、これを適宜に裁断、縫製などして簡単に得られ
るものであり、擁壁、トンネル、道路、カルバート、ゴ
ルフ場、用水・排水路、法面、軟弱地盤等の土木建築用
の資材、さらに石炭集積山における脱水材、植木鉢など
の土の排水シート材など、各種の広い範囲において非常
に簡便に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、良好な通水性を有しながら良好な土砂止め効
果を有する本発明にかかる土砂止めシートが持つそれら
効果を説明する概略モデル図である。 第2図は、従来から通水性のある土砂止めシートとして
一般に使用されている粗目の不織布における通水性効果
と土砂止め効果を説明する概略モデル図である。 第3図A、B、Cは、いずれも細幅シートが多数連繋さ
れてなる本発明の土砂止めシートの、細幅シートの連繋
接合部付近における断面構造を示したモデル図である。 第4図A、B、Cは、それぞれ第3図A、B、Cに対応
するもので、いずれも細幅シートが多数連繋されてなる
本発明の土砂止めシートの隣接する連繋接合部の中間付
近(非連繋部)における断面構造を示したモデル図であ
る。 第5図は、第3図A〜C、第4図A〜Cなどに示した本
発明にかかる土砂止めシートの1実施態様における代表
構造例をモデル的に示した平面図である。 S1〜S7、S′1〜S′7:細幅シート 1:本発明の土砂止めシート 2:土砂層 3:粗目の不織布からなる土砂止めシート 4:土砂層 5、6、7、8:ミシン縫合部 矢印a:水の排出路 矢印b:多層構造の順方向

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細幅シートの多数が多層構造を呈しつつか
    つ隣接する細幅シート間に空隙が形成され得るようにし
    て連繋されてなる布帛からなることを特徴とする土砂止
    めシート。
  2. 【請求項2】細幅シートの多数が多層構造を呈しつつか
    つ隣接する細幅シート間に空隙が形成され得るようにし
    て連繋されてなる布帛が、部分的に用いられてなること
    を特徴とする請求項第(1)項記載の土砂止めシート。
JP29489788A 1988-11-22 1988-11-22 土砂止めシート Expired - Lifetime JPH0656013B2 (ja)

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