JPH065548A - Ecrエッチング装置 - Google Patents
Ecrエッチング装置Info
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- JPH065548A JPH065548A JP16059392A JP16059392A JPH065548A JP H065548 A JPH065548 A JP H065548A JP 16059392 A JP16059392 A JP 16059392A JP 16059392 A JP16059392 A JP 16059392A JP H065548 A JPH065548 A JP H065548A
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- magnetic
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高エッチング速度,高選択比といったエッチ
ング性能を維持しつつ,エッチング形状を試料に対して
垂直にし,かつ試料に対するダメージを低減することの
できるECRエッチング装置。 【構成】 このECRエッチング装置A′は,並設され
た少なくとも1対の磁気コイル6,6に同一方向に電流
を流すことにより発生させる磁場と,この磁場内にマイ
クロ波を導入することにより発生させる電場との相互作
用により生じる電子サイクロトロン共鳴(ECR)現象
を用いてプラズマ化された処理ガス中のイオンを試料基
板3に照射するに際し,磁気コイル6,6の中心軸方向
の中間部に試料基板3を配置すると共に,磁気コイル
6,6の近傍に該コイルと同心に補助コイル7を配設す
ることにより磁場プロフィールを変化させるように構成
されている。上記構成により高エッチング速度,高選択
比といったエッチング性能を維持しつつ,エッチング形
状を試料に対して垂直にし,かつ試料に対するダメージ
を低減することができる。
ング性能を維持しつつ,エッチング形状を試料に対して
垂直にし,かつ試料に対するダメージを低減することの
できるECRエッチング装置。 【構成】 このECRエッチング装置A′は,並設され
た少なくとも1対の磁気コイル6,6に同一方向に電流
を流すことにより発生させる磁場と,この磁場内にマイ
クロ波を導入することにより発生させる電場との相互作
用により生じる電子サイクロトロン共鳴(ECR)現象
を用いてプラズマ化された処理ガス中のイオンを試料基
板3に照射するに際し,磁気コイル6,6の中心軸方向
の中間部に試料基板3を配置すると共に,磁気コイル
6,6の近傍に該コイルと同心に補助コイル7を配設す
ることにより磁場プロフィールを変化させるように構成
されている。上記構成により高エッチング速度,高選択
比といったエッチング性能を維持しつつ,エッチング形
状を試料に対して垂直にし,かつ試料に対するダメージ
を低減することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はECRエッチング装置に
係り,詳しくはLSI等の製造に用いられるECRエッ
チング装置に関するものである。
係り,詳しくはLSI等の製造に用いられるECRエッ
チング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,LSI等の製造ではプラズマ反応
によるリソグラフィ技術であるECRエッチング処理方
法が広く用いられている。エッチング処理を行うECR
エッチング装置は,磁場とマイクロ波により発生する電
場との相互作用によって生じる電子サイクロトロン共鳴
( Electron Cyclotron Resonance, ECR)現象を用いてプ
ラズマ化された処理ガス中のイオンを試料基板に照射す
ることによりエッチング処理を行うものである。図5は
従来のECRエッチング装置Aの一例における概略構成
を示す模式図,図6はECRエッチング装置Aにおける
磁力線プロフィール等を示す説明図である。図5に示す
如く従来の装置Aでは,マイクロ波は図示しないマイク
ロ波発振器から発振され導波管1を介して石英ガラス板
よりなるマイクロ波導入窓2から試料基板3の入った真
空容器4内へ導入される。処理ガスは処理ガス導入口5
から真空容器4内へ導入される。真空容器4の周りにこ
れを取り囲むように配置された磁気コイル6,6に同一
方向に電流を流すことにより真空容器4内にミラー磁場
が印加される。マイクロ波としては,一般的には工業周
波数である2.45GHzのものが利用される。したが
って,ECR条件を満たす磁場強度(磁束密度)は87
5G(ガウス)となり,この875Gの面が最大プラズ
マ密度が得られるECR面となる。通常,この種のEC
Rエッチング装置Aでは,図6に示すように高磁場側か
らマイクロ波が導入される。すなわち,磁場強度が87
5Gより大きい方からマイクロ波は伝搬してきて,87
5Gとなったところでプラズマ吸収される。そこで発生
した電子(e- )は,磁場に垂直に右周りに回転して磁
力線の方向に運動する。図6に示すような発散磁界を用
いた場合は,電子(e- )が磁力線にまとわりついて斜
め方向に運動し,イオン(+)は初期速度の方向に運動
していく。このため,プラズマ発生場所(ECR面)か
ら離れるにしたがって電子(e−)とイオン(+)とが
離れていく荷電分離により電界が発生し,E×Bドリフ
トによってプラズマが拡散する。従って,プラズマ中の
荷電粒子(イオン(+)や電子(e- ))はECR面か
ら少し離して配置された試料基板3方向に除々に磁場強
度が弱くなる上記発散磁界により拡散されつつ,試料基
板3へ照射される。この照射により試料基板3のエッチ
ング処理が行われる。この場合,電荷粒子は発散磁界に
より拡散されるため,試料基板3に入射するイオンエネ
ルギやイオン密度が小さくなり,高いエッチング速度が
得られない。このため,試料基板3が載置される試料台
に高周波を印加してDCバイアスを与えることによりエ
ッチング速度を高める技術が公知である(特開昭60−
134423)。また最近では,ECR面を試料台近傍
に形成し,試料台には高周波を印加することなくエッチ
ング処理を行うようにしたものも開発されている(特開
平3−259517)。
によるリソグラフィ技術であるECRエッチング処理方
法が広く用いられている。エッチング処理を行うECR
エッチング装置は,磁場とマイクロ波により発生する電
場との相互作用によって生じる電子サイクロトロン共鳴
( Electron Cyclotron Resonance, ECR)現象を用いてプ
ラズマ化された処理ガス中のイオンを試料基板に照射す
ることによりエッチング処理を行うものである。図5は
従来のECRエッチング装置Aの一例における概略構成
を示す模式図,図6はECRエッチング装置Aにおける
磁力線プロフィール等を示す説明図である。図5に示す
如く従来の装置Aでは,マイクロ波は図示しないマイク
ロ波発振器から発振され導波管1を介して石英ガラス板
よりなるマイクロ波導入窓2から試料基板3の入った真
空容器4内へ導入される。処理ガスは処理ガス導入口5
から真空容器4内へ導入される。真空容器4の周りにこ
れを取り囲むように配置された磁気コイル6,6に同一
方向に電流を流すことにより真空容器4内にミラー磁場
が印加される。マイクロ波としては,一般的には工業周
波数である2.45GHzのものが利用される。したが
って,ECR条件を満たす磁場強度(磁束密度)は87
5G(ガウス)となり,この875Gの面が最大プラズ
マ密度が得られるECR面となる。通常,この種のEC
Rエッチング装置Aでは,図6に示すように高磁場側か
らマイクロ波が導入される。すなわち,磁場強度が87
5Gより大きい方からマイクロ波は伝搬してきて,87
5Gとなったところでプラズマ吸収される。そこで発生
した電子(e- )は,磁場に垂直に右周りに回転して磁
力線の方向に運動する。図6に示すような発散磁界を用
いた場合は,電子(e- )が磁力線にまとわりついて斜
め方向に運動し,イオン(+)は初期速度の方向に運動
していく。このため,プラズマ発生場所(ECR面)か
ら離れるにしたがって電子(e−)とイオン(+)とが
離れていく荷電分離により電界が発生し,E×Bドリフ
トによってプラズマが拡散する。従って,プラズマ中の
荷電粒子(イオン(+)や電子(e- ))はECR面か
ら少し離して配置された試料基板3方向に除々に磁場強
度が弱くなる上記発散磁界により拡散されつつ,試料基
板3へ照射される。この照射により試料基板3のエッチ
ング処理が行われる。この場合,電荷粒子は発散磁界に
より拡散されるため,試料基板3に入射するイオンエネ
ルギやイオン密度が小さくなり,高いエッチング速度が
得られない。このため,試料基板3が載置される試料台
に高周波を印加してDCバイアスを与えることによりエ
ッチング速度を高める技術が公知である(特開昭60−
134423)。また最近では,ECR面を試料台近傍
に形成し,試料台には高周波を印加することなくエッチ
ング処理を行うようにしたものも開発されている(特開
平3−259517)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
ECRエッチング装置Aでは,以下の問題点を生じる場
合がある。 発散磁界を用いているため,磁力線が試料基板3面全
体にわたって垂直に入射せず,試料基板3周辺部におい
てエッチングされた側壁が傾斜する場合がある。即ち,
電子(e- )とイオン(+)との運動方向が異なるた
め,荷電分離によって乱れた電場が発生し,これによっ
てイオン(+)の運動方向が乱されてエッチング形状が
逆テーパ(エッチングされたパターンの上部より底部の
方が細くなる現象)となる場合がある(図7参照)。 発散磁界を用いることによるエッチング速度の低下を
補うため,試料台に高周波を印加してエッチング速度を
高めるようにしているものでは,ポリシリコンなどのエ
ッチング対象物とシリコン酸化膜(SiO2)などの下
地との選択比が小さくなる傾向がある。このため,エッ
チング対象物を選択的に処理することが困難である。 ECR面を試料基板3近傍に形成するようにしたも
のでは,高エッチング速度,高選択比が得られるもの
の,ECR面がプラズマ中の電子(e- )の運動により
高磁場側あるいは低磁場側にシフトする場合がある。従
って,試料基板3のわずかな位置のずれによるエッチン
グ速度の変化が大きく,再現性の問題を生じやすい。ま
た,マイクロ波が試料基板3まで到達して試料基板3が
マイクロ波加熱され,試料基板3の加熱や試料基板3上
のデバイスがダメージを受けるなど試料基板3にダメー
ジを与えるおそれがあった。 本発明は,このような従来の技術における課題を解決す
るために,ECRエッチング装置を改良し,高エッチン
グ速度,高選択比といったエッチング性能を維持しつ
つ,エッチング形状を試料に対して垂直にし,かつ試料
に対するダメージを低減することのできるECRエッチ
ング装置を提供することを目的とするものである。
ECRエッチング装置Aでは,以下の問題点を生じる場
合がある。 発散磁界を用いているため,磁力線が試料基板3面全
体にわたって垂直に入射せず,試料基板3周辺部におい
てエッチングされた側壁が傾斜する場合がある。即ち,
電子(e- )とイオン(+)との運動方向が異なるた
め,荷電分離によって乱れた電場が発生し,これによっ
てイオン(+)の運動方向が乱されてエッチング形状が
逆テーパ(エッチングされたパターンの上部より底部の
方が細くなる現象)となる場合がある(図7参照)。 発散磁界を用いることによるエッチング速度の低下を
補うため,試料台に高周波を印加してエッチング速度を
高めるようにしているものでは,ポリシリコンなどのエ
ッチング対象物とシリコン酸化膜(SiO2)などの下
地との選択比が小さくなる傾向がある。このため,エッ
チング対象物を選択的に処理することが困難である。 ECR面を試料基板3近傍に形成するようにしたも
のでは,高エッチング速度,高選択比が得られるもの
の,ECR面がプラズマ中の電子(e- )の運動により
高磁場側あるいは低磁場側にシフトする場合がある。従
って,試料基板3のわずかな位置のずれによるエッチン
グ速度の変化が大きく,再現性の問題を生じやすい。ま
た,マイクロ波が試料基板3まで到達して試料基板3が
マイクロ波加熱され,試料基板3の加熱や試料基板3上
のデバイスがダメージを受けるなど試料基板3にダメー
ジを与えるおそれがあった。 本発明は,このような従来の技術における課題を解決す
るために,ECRエッチング装置を改良し,高エッチン
グ速度,高選択比といったエッチング性能を維持しつ
つ,エッチング形状を試料に対して垂直にし,かつ試料
に対するダメージを低減することのできるECRエッチ
ング装置を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は,並設された少なくとも1対の磁気コイル群
に同一方向に電流を流すことにより磁場を発生させる磁
場発生手段と,上記磁場発生手段により発生させる磁場
内にマイクロ波を導入して電場を発生させる電場発生手
段とを備え,上記磁場発生手段により発生させる磁場と
上記電場発生手段により発生させる電場との相互作用に
よって生じる電子サイクロトロン共鳴現象を用いてプラ
ズマ化された処理ガス中のイオンを試料に照射すること
によりエッチング処理を行うECRエッチング装置にお
いて,上記磁気コイル群の中心軸方向の中間部に上記試
料を配置すると共に,上記磁気コイル群の近傍に該磁気
コイル群と同心に配設されて上記磁場発生手段により発
生される磁場のプロフィールを変化させる補助磁石を設
けてなることを特徴とするECRエッチング装置として
構成されている。
に本発明は,並設された少なくとも1対の磁気コイル群
に同一方向に電流を流すことにより磁場を発生させる磁
場発生手段と,上記磁場発生手段により発生させる磁場
内にマイクロ波を導入して電場を発生させる電場発生手
段とを備え,上記磁場発生手段により発生させる磁場と
上記電場発生手段により発生させる電場との相互作用に
よって生じる電子サイクロトロン共鳴現象を用いてプラ
ズマ化された処理ガス中のイオンを試料に照射すること
によりエッチング処理を行うECRエッチング装置にお
いて,上記磁気コイル群の中心軸方向の中間部に上記試
料を配置すると共に,上記磁気コイル群の近傍に該磁気
コイル群と同心に配設されて上記磁場発生手段により発
生される磁場のプロフィールを変化させる補助磁石を設
けてなることを特徴とするECRエッチング装置として
構成されている。
【0005】
【作用】本発明によれば,磁場発生手段を構成する磁気
コイル群の中心軸方向の中間部に試料が配置されると共
に,上記コイル群の近傍に該コイル群と同心に補助磁石
が配設され,上記補助磁石により上記磁場発生手段によ
り発生される磁場のプロフィールを変化させる。即ち,
ECR面から試料までの磁力線の方向を揃え,イオンの
運動方向を上記試料に対して垂直方向に制御することが
できる。その結果,高エッチング速度,高選択比といっ
たエッチング性能を維持しつつ,エッチング形状を試料
に対して垂直にし,かつ試料に対するダメージを低減す
ることのできるECRエッチング装置を得ることができ
る。
コイル群の中心軸方向の中間部に試料が配置されると共
に,上記コイル群の近傍に該コイル群と同心に補助磁石
が配設され,上記補助磁石により上記磁場発生手段によ
り発生される磁場のプロフィールを変化させる。即ち,
ECR面から試料までの磁力線の方向を揃え,イオンの
運動方向を上記試料に対して垂直方向に制御することが
できる。その結果,高エッチング速度,高選択比といっ
たエッチング性能を維持しつつ,エッチング形状を試料
に対して垂直にし,かつ試料に対するダメージを低減す
ることのできるECRエッチング装置を得ることができ
る。
【0006】
【実施例】以下,添付図面を参照して本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は本発明の一実施例に係るECRエッチング装
置A′の概略構成を示す模式図,図2はECRエッチン
グ装置A′における磁場プロフィール等を示す説明図,
図3はECRエッチング装置A′による試料基板のエッ
チング形状を示す断面拡大図,図4は本発明の他の実施
例に係るECRエッチング装置A″の概略構成を示す模
式図を示す。また,前記図5に示した従来のECRエッ
チング装置Aの一例における概略構成を示す模式図と共
通する要素には同一の符号を使用する。図1に示す如
く,本実施例に係るECRエッチング装置A′は,電場
発生手段に相当するマイクロ波発振器(不図示),導波
管1及びマイクロ波導入窓2と,試料に相当する試料基
板3を入れた真空容器4と,処理ガス導入口5と,磁場
発生手段に相当する磁気コイル6,6とを備えている点
は従来例と同様である。しかし,本実施例では磁気コイ
ル6,6の中心軸方向の中間部に試料基板3を配置する
と共に,磁気コイル6,6の内側に磁気コイル6,6と
同心に補助コイル7(補助磁石に相当)を配設し,磁気
コイル6,6により発生される磁場プロフィールを補助
コイル7により変化させる点で従来例と異なる。本実施
例では主として従来例と異なる部分について説明し,従
来例と同様の部分については既述の通りであるのでその
詳細な説明は省略する。以下,本実施例に係るエッチン
グ装置A′の動作について説明する。まず磁気コイル
6,6に同一方向に同一の励磁電流を流すことにより,
真空容器4内にミラー磁場を印加する。試料基板3を磁
気コイル6,6の中心軸方向の中間部に配置すると,試
料基板3の近傍で875G(ガウス)の均一磁界が形成
される。次に,補助コイル7に通電することにより,マ
イクロ波導入窓2近くの磁場を875Gよりも大きくす
る。この時,マイクロ波は,図2に示すように高磁場側
から真空容器4内に導入され,磁場に平行に伝わるホイ
スラー波によってプラズマ中を伝搬する。そして,マイ
クロ波が反射されない高密度プラズマが形成される。即
ち,高磁場側から導入されたマイクロ波により,磁場強
度が875Gとなったところ(ECR面)でプラズマを
発生させ,ECR面から試料基板3まで試料基板3に対
して垂直かつ均一な磁力線を形成することによって,電
子(e- )の運動方向とイオン(+)の運動方向とを揃
えることができる。従って,従来例におけるような荷電
分離は発生せず,荷電分離と斜め方向の磁力線によって
発生していた乱れた電場も生じない。即ち,試料基板3
に対して垂直方向の運動成分をもったイオン(+)を多
量に発生させることができる。その結果,試料基板3が
ECR面より遠ざけて配置された状態においても,高エ
ッチング速度にてエッチング対象物(ポリシリコンな
ど)のエッチング処理を行うことができる。
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は本発明の一実施例に係るECRエッチング装
置A′の概略構成を示す模式図,図2はECRエッチン
グ装置A′における磁場プロフィール等を示す説明図,
図3はECRエッチング装置A′による試料基板のエッ
チング形状を示す断面拡大図,図4は本発明の他の実施
例に係るECRエッチング装置A″の概略構成を示す模
式図を示す。また,前記図5に示した従来のECRエッ
チング装置Aの一例における概略構成を示す模式図と共
通する要素には同一の符号を使用する。図1に示す如
く,本実施例に係るECRエッチング装置A′は,電場
発生手段に相当するマイクロ波発振器(不図示),導波
管1及びマイクロ波導入窓2と,試料に相当する試料基
板3を入れた真空容器4と,処理ガス導入口5と,磁場
発生手段に相当する磁気コイル6,6とを備えている点
は従来例と同様である。しかし,本実施例では磁気コイ
ル6,6の中心軸方向の中間部に試料基板3を配置する
と共に,磁気コイル6,6の内側に磁気コイル6,6と
同心に補助コイル7(補助磁石に相当)を配設し,磁気
コイル6,6により発生される磁場プロフィールを補助
コイル7により変化させる点で従来例と異なる。本実施
例では主として従来例と異なる部分について説明し,従
来例と同様の部分については既述の通りであるのでその
詳細な説明は省略する。以下,本実施例に係るエッチン
グ装置A′の動作について説明する。まず磁気コイル
6,6に同一方向に同一の励磁電流を流すことにより,
真空容器4内にミラー磁場を印加する。試料基板3を磁
気コイル6,6の中心軸方向の中間部に配置すると,試
料基板3の近傍で875G(ガウス)の均一磁界が形成
される。次に,補助コイル7に通電することにより,マ
イクロ波導入窓2近くの磁場を875Gよりも大きくす
る。この時,マイクロ波は,図2に示すように高磁場側
から真空容器4内に導入され,磁場に平行に伝わるホイ
スラー波によってプラズマ中を伝搬する。そして,マイ
クロ波が反射されない高密度プラズマが形成される。即
ち,高磁場側から導入されたマイクロ波により,磁場強
度が875Gとなったところ(ECR面)でプラズマを
発生させ,ECR面から試料基板3まで試料基板3に対
して垂直かつ均一な磁力線を形成することによって,電
子(e- )の運動方向とイオン(+)の運動方向とを揃
えることができる。従って,従来例におけるような荷電
分離は発生せず,荷電分離と斜め方向の磁力線によって
発生していた乱れた電場も生じない。即ち,試料基板3
に対して垂直方向の運動成分をもったイオン(+)を多
量に発生させることができる。その結果,試料基板3が
ECR面より遠ざけて配置された状態においても,高エ
ッチング速度にてエッチング対象物(ポリシリコンな
ど)のエッチング処理を行うことができる。
【0007】また,対下地(シリコン酸化膜など)選択
比としては,試料台に高周波を印加しなくても高エッチ
ング速度が得られることから,高選択比が得られる。更
に,試料基板3に対して垂直な磁力線によりイオン
(+)が試料基板3面全体にわたって垂直に入射するた
め,試料基板3周辺部においてエッチング側壁が傾斜す
ることなく試料基板3全体にわたって図3に示すような
垂直エッチングを行うことができる。また,試料基板3
をECR面から離しているため,マイクロ波加熱による
試料基板3に対するダメージを低減できる。図4は本発
明の他の実施例に係るECRエッチング装置A″であ
り,補助コイル7′を試料基板3の近傍に配設したもの
である。この場合も上記実施例と同様,補助コイル7′
により磁場コイル6,6による磁場プロフィールを変化
させることができ,従って上記実施例と同様の効果を奏
する。以上のように,磁気コイル6,6および補助コイ
ル7(又は7′)によって形成される磁場プロフィール
において,マイクロ波導入窓2の真空容器4内側近傍の
みをECR条件に必要な磁場とし,そこから試料基板3
にかけてECR条件に必要な磁束密度より低い均一な磁
束密度の磁場とする。従って,ECR領域で生成された
プラズマ中の電子(e- )およびイオン(+)が,均一
な磁力線にそって試料基板3に輸送され,高密度プラズ
マを維持したまま,またイオン(+)が垂直成分をもっ
たまま試料基板3に入射される。その結果,高エッチン
グ速度,高選択比といったエッチング性能を維持しつ
つ,エッチング形状を試料基板3に対して垂直にし,か
つ試料基板3に対するダメージを低減することができ
る。尚,上記実施例では補助コイル7(又は7′)を1
個設けたが,実使用に際しては補助コイル7,7′の両
方を設けるか又はいずれかを複数設けても良い。このよ
うに複数の補助コイルを設けた場合は,より木目細かく
磁場プロフィールを変化させることができ,エッチング
形状の仕上り精度を更に向上させることができる。尚,
上記実施例では補助コイル7(又は7′)を磁気コイル
6,6の内側に設けたが,実使用に際しては磁気コイル
6,6の外側(但し,近傍)に設けても何ら支障はな
い。尚,上記実施例では補助磁石として補助コイル7
(又は7′)を設けたが,実使用に際しては補助コイル
の代わりに永久磁石を設けても何ら支障はない。
比としては,試料台に高周波を印加しなくても高エッチ
ング速度が得られることから,高選択比が得られる。更
に,試料基板3に対して垂直な磁力線によりイオン
(+)が試料基板3面全体にわたって垂直に入射するた
め,試料基板3周辺部においてエッチング側壁が傾斜す
ることなく試料基板3全体にわたって図3に示すような
垂直エッチングを行うことができる。また,試料基板3
をECR面から離しているため,マイクロ波加熱による
試料基板3に対するダメージを低減できる。図4は本発
明の他の実施例に係るECRエッチング装置A″であ
り,補助コイル7′を試料基板3の近傍に配設したもの
である。この場合も上記実施例と同様,補助コイル7′
により磁場コイル6,6による磁場プロフィールを変化
させることができ,従って上記実施例と同様の効果を奏
する。以上のように,磁気コイル6,6および補助コイ
ル7(又は7′)によって形成される磁場プロフィール
において,マイクロ波導入窓2の真空容器4内側近傍の
みをECR条件に必要な磁場とし,そこから試料基板3
にかけてECR条件に必要な磁束密度より低い均一な磁
束密度の磁場とする。従って,ECR領域で生成された
プラズマ中の電子(e- )およびイオン(+)が,均一
な磁力線にそって試料基板3に輸送され,高密度プラズ
マを維持したまま,またイオン(+)が垂直成分をもっ
たまま試料基板3に入射される。その結果,高エッチン
グ速度,高選択比といったエッチング性能を維持しつ
つ,エッチング形状を試料基板3に対して垂直にし,か
つ試料基板3に対するダメージを低減することができ
る。尚,上記実施例では補助コイル7(又は7′)を1
個設けたが,実使用に際しては補助コイル7,7′の両
方を設けるか又はいずれかを複数設けても良い。このよ
うに複数の補助コイルを設けた場合は,より木目細かく
磁場プロフィールを変化させることができ,エッチング
形状の仕上り精度を更に向上させることができる。尚,
上記実施例では補助コイル7(又は7′)を磁気コイル
6,6の内側に設けたが,実使用に際しては磁気コイル
6,6の外側(但し,近傍)に設けても何ら支障はな
い。尚,上記実施例では補助磁石として補助コイル7
(又は7′)を設けたが,実使用に際しては補助コイル
の代わりに永久磁石を設けても何ら支障はない。
【0008】
【発明の効果】本発明に係るECRエッチング装置は,
上記したように構成されているため,磁気コイルおよび
補助コイルによって形成される磁場プロフィールにおい
て,マイクロ波導入窓の真空容器内側近傍のみをECR
条件に必要な磁場とし,そこから試料基板にかけてEC
R条件に必要な磁束密度より低い均一な磁束密度の磁場
とする。従って,ECR領域で生成されたプラズマ中の
電子およびイオンが,均一な磁力線にそって試料基板に
輸送され,高密度プラズマを維持したまま,またイオン
が垂直成分をもったまま試料基板に入射される。その結
果,高エッチング速度,高選択比といったエッチング性
能を維持しつつ,エッチング形状を試料基板に対して垂
直にし,かつ試料基板に対するダメージを低減すること
ができる。
上記したように構成されているため,磁気コイルおよび
補助コイルによって形成される磁場プロフィールにおい
て,マイクロ波導入窓の真空容器内側近傍のみをECR
条件に必要な磁場とし,そこから試料基板にかけてEC
R条件に必要な磁束密度より低い均一な磁束密度の磁場
とする。従って,ECR領域で生成されたプラズマ中の
電子およびイオンが,均一な磁力線にそって試料基板に
輸送され,高密度プラズマを維持したまま,またイオン
が垂直成分をもったまま試料基板に入射される。その結
果,高エッチング速度,高選択比といったエッチング性
能を維持しつつ,エッチング形状を試料基板に対して垂
直にし,かつ試料基板に対するダメージを低減すること
ができる。
【図1】 本発明の一実施例に係るECRエッチング装
置A′の概略構成を示す模式図。
置A′の概略構成を示す模式図。
【図2】 ECRエッチング装置A′における磁場プロ
フィール等を示す説明図。
フィール等を示す説明図。
【図3】 ECRエッチング装置A′による試料基板の
エッチング形状を示す断面拡大図。
エッチング形状を示す断面拡大図。
【図4】 本発明の他の実施例に係るECRエッチング
装置A″の概略構成を示す模式図。
装置A″の概略構成を示す模式図。
【図5】 従来のECRエッチング装置Aの一例におけ
る概略構成を示す模式図。
る概略構成を示す模式図。
【図6】 ECRエッチング装置Aにおける磁場プロフ
ィール等を示す説明図。
ィール等を示す説明図。
【図7】 ECRエッチング装置Aによる試料基板のエ
ッチング形状を示す断面拡大図。
ッチング形状を示す断面拡大図。
A′…ECRエッチング装置 3…試料基板(試料に相当) 6…磁気コイル(磁場発生手段に相当) 7…補助コイル(補助磁石に相当)
Claims (1)
- 【請求項1】 並設された少なくとも1対の磁気コイル
群に同一方向に電流を流すことにより磁場を発生させる
磁場発生手段と,上記磁場発生手段により発生させる磁
場内にマイクロ波を導入して電場を発生させる電場発生
手段とを備え,上記磁場発生手段により発生させる磁場
と上記電場発生手段により発生させる電場との相互作用
によって生じる電子サイクロトロン共鳴現象を用いてプ
ラズマ化された処理ガス中のイオンを試料に照射するこ
とによりエッチング処理を行うECRエッチング装置に
おいて, 上記磁気コイル群の中心軸方向の中間部に上記試料を配
置すると共に, 上記磁気コイル群の近傍に該磁気コイル群と同心に配設
されて上記磁場発生手段により発生される磁場のプロフ
ィールを変化させる補助磁石を設けてなることを特徴と
するECRエッチング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16059392A JPH065548A (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | Ecrエッチング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16059392A JPH065548A (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | Ecrエッチング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH065548A true JPH065548A (ja) | 1994-01-14 |
Family
ID=15718311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16059392A Pending JPH065548A (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | Ecrエッチング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH065548A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024018960A1 (ja) * | 2022-07-20 | 2024-01-25 | 東京エレクトロン株式会社 | プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 |
-
1992
- 1992-06-19 JP JP16059392A patent/JPH065548A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024018960A1 (ja) * | 2022-07-20 | 2024-01-25 | 東京エレクトロン株式会社 | プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 |
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