JPH065541Y2

JPH065541Y2 - 空気調和設備

Info

Publication number: JPH065541Y2
Application number: JP1989018071U
Authority: JP
Inventors: 耕一村田; 悳岡本; 元奥平
Original assignee: 株式会社大氣社
Priority date: 1989-02-17
Filing date: 1989-02-17
Publication date: 1994-02-09
Anticipated expiration: 2004-02-09
Also published as: JPH02109941U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野この考案は、たとえば手術室、製薬用または電子部品組
立用のクリーンルームなどの空気調和設備に関する。

従来の技術および考案の課題たとえば手術室においては、手術台のまわりに清浄空気
領域を形成して細菌などが傷口に接近する可能性を最小
限に抑えるために、室内の空気を吸込んで下方に吹出す
清浄空気領域形成装置が室内の手術台の上方に設置され
る（特公昭５９−５０３６９号参照）。また、手術室の
温度および湿度の調節は、室外に設置された空気調和器
から外気を一部取入れた調和空気を手術室に供給するこ
とにより行なわれている。

ところで、手術中は、とくに手術台のまわりの温度およ
び湿度を一定に保つ必要があるが、上記のように調和空
気を室内に供給するだけでは長時間にわたって手術台の
まわりの温度および湿度を一定に保つことは困難であ
る。また、従来の空気調和装置では、清浄空気領域形成
装置のファンが室内からの空気吸込み口の近くに設けら
れているため、ファン自体の音や空気の吸込み音が大き
く、とくに手術室などではこのような騒音が問題とな
る。

この考案の目的は、上記の問題を解決した空気調和設備
を提供することにある。

課題を解決するための手段この考案による空気調和設備は、室内の空気を吸込んで
下方に吹出す清浄空気領域形成装置が室の上部に設けら
れ、外気を一部取入れる空気調和器が室外に設けられて
おり、空気調和器からの調和空気が室内上部と清浄空気
領域形成装置の空気吸込み部に供給され、室内の空気が
一部空気調和器に戻されるようになされており、清浄空
気領域形成装置が、内側に空気吹出し空間が形成された
平面視ロ字形のケースを備え、ケースの対向する２辺に
ある空間が空気吸込み部となっており、室内からの空気
吸込み口が空気吸込み部の外側面に形成され、空気吸込
み部から空気を吸込んで空気吹出し空間内に吹出すファ
ンがケースの残りの対向する２辺にある空間内に配置さ
れているものである。

空気調和器から清浄空気領域形成装置への空気供給径路
に、加熱冷却用の熱交換器が設けられてもよい。

作用空気調和器からの調和空気が清浄空気領域形成装置の空
気吸込部に供給され、室内から吸込まれた空気とともに
下方に吹出される。そして、空気調和器からの調和空気
により、清浄空気領域形成装置下方の清浄空気領域の温
度および湿度が調節される。このとき、室内の空気は、
清浄空気領域形成装置において、ファンにより、空気吸
込み口から吸込まれて空気吹出し空間に吹出されるが、
平面視ロ字形のケースのファンが設けられていない２辺
にある空間（空気吸込み部）の外側面に空気吸込み口が
設けられているので、ファンと空気吸込み口との距離が
遠くなり、ファン自体の音や空気の吸込み音が低減す
る。

空気調和器から清浄空気領域形成装置への空気供給径路
に加熱冷却用の熱交換器が設けられている場合は、これ
によっても清浄空気領域の温度の調節が行なわれる。

実施例以下、図面を参照して、この考案の実施例を説明する。

第１図は手術室(1)の空気調和設備の全体構成を示し、
第２図には手術室(1)およびその周辺部分を拡大して示
す。

第２図に詳細に示すように、室(1)内の床(2)の中央部に
手術台(3)が設置されている。室(1)内上方のスラブ(4)
の下方に天井板(5)が配置され、天井板(5)と床(2)の間
が実際の手術室(1)となっている。室(1)の両側の相対す
る側壁(6)の下部に粗フィルタ(7)を備えた還気吸込みボ
ックス(8)がたとえば２組ずつ合計４組設けられ、これ
らには還気ダクト(9)がそれぞれ接続されている。片側
の側壁(6)の中間部に、開閉自在な排気口(10)が設けら
れている。また、側壁(6)の上部には、殺菌灯(11)が設
けられている。天井板(5)の端寄りの部分に、室内灯(1
2)が設けられている。天井板(5)のたとえば両端寄りの
２箇所に超高性能フィルタ（ＨＥＰＡフィルタ）(13)を
備えた空気吹出しボックス(14)が設けられ、これらには
調和空気給気ダクト(15)がそれぞれ接続されている。ま
た、天井板(5)の中央部下面に、手術台(3)の真上に位置
する清浄空気領域形成装置（清浄ユニット）(16)が配置
されている。

第２図〜第４図に詳細に示すように、清浄ユニット(16)
は平面視ロ字形のケース(17)を備えている。このケース
(17)は、長方形の開口を有する外形長方形の上板(18)
と、同じ形の下板(19)と、上下板(18)(19)の内周縁同志
を連結する内側板(20)(21)と、上下板(18)(19)の外周縁
同志を連結する外側板(22)(23)とからなり、内側板(20)
(21)の内側に空気吹出し空間(24)が形成されている。対
称位置にある２つの第１内側板(20)とこれらの外側の第
１外側板(22)との間の空間が空気吸込み部(25)となって
おり、第１外側板(22)には、Ｖ型可変スリットとプレフ
ィルタを備えた空気吸込み口(26)がたとえば４つずつ形
成されている。各空気吸込み口(26)は、それぞれ取外し
可能なフレーム(39)内に設けられている。残りの２つの
第２内側板(21)と第２外側板(23)の間の空間に、２つの
ファンを備えたツインファン(27)がたとえば２台ずつ設
置されており、各ファン(27)の吹出し口(28)は第２内側
板(21)に形成された吹出し用開口(29)を通して空気吹出
し空間(24)に臨んでいる。第２外側板(23)には、通常は
蓋(30)によって塞がれている点検用開口(31)が形成され
ている。ケース(17)の４隅部の上板(18)に、これを形成
された開口を通して空気吸込み部(25)と連通する調和空
気給気ダクト(32)が接続されている。また、各空気吸込
み部(25)の両端寄り部分の合計４箇所において、垂直な
呼気排気用ダクト(33)が上下板(18)(19)を貫通し、適宜
な手段によって固定されている。

ケース(17)の空気吹出し空間(24)の下部に長方形の底板
(34)が配置され、その外周縁部がケース(17)の内周縁部
に固定されている。底板(34)には複数の開口(35)が形成
され、各開口(35)の上に超高性能フィルタ(36)がそれぞ
れ取付けられている。そして、各フィルタ(36)の下側が
薄い穴あき板(37)により覆われて、空気吹出し部分とな
っている。また、底板(34)の中央部に、２つの無影灯用
開口(38)が形成されている。

ケース(17)下面の内周縁部全周に、全体として長方形の
中空ナイフエッジ型垂れ壁(40)が設けられている。垂れ
壁(40)の内側カバー(41)はたとえば乳白色帯電防止アク
リル樹脂板などの半透明板または透明板などによって曲
面状に形成され、外側カバー(42)はたとえば鋼板などの
不透明板などによって平面状に形成されている。そし
て、その内部に、照明灯(43)がたとえば上下２段に配置
されている。

清浄ユニット(16)は、たとえば次のように、呼気排気用
ダクト(33)を利用して、スラブ(4)に固定されている
（第２図および第４図参照）。

スラブ(4)の下方に複数本たとえば２本のＨ型鋼製の第
１吊り部材(44)が支持部材(68)によって水平かつ平行に
固定され、これらの上に複数本のみぞ型鋼製の第２吊り
部材(45)が直角にわたされている。清浄ユニット(16)は
天井板(5)の下面に密接させられ、４本の呼気排気用ダ
クト(33)が天井板(5)に形成された開口を貫通して、２
本の第２吊り部材(45)の間から上方に突出している。呼
気排気用ダクト(33)の上部には、下端に鍔部(46a)が形
成された固定部材(46)が固定されており、この鍔部(46
a)が第２吊り部材(45)の上にのせられて固定されてい
る。そして、ケース(17)の外周縁部と天井板(5)の間
に、適当なシール(69)が施されている。天井板(5)とス
ラブ(4)の間の空間に呼気排気管(47)が通されており、
これに各呼気排気用ダクト(33)の上端部が接続されてい
る。なお、清浄ユニット(16)の４つの調和空気給気ダク
ト(32)も、天井板(5)に形成された開口を貫通し、図示
しない給気用ダクトに接続されている。清浄ユニット(1
6)中央部上方の２本の第２吊り部材(45)に無影灯固定用
プレート(48)が固定されており、その下面に直角に固定
された無影灯シャフト(49)が天井板(5)に形成された開
口、清浄ユニット(16)の空気吹出し空間(24)および底板
(34)の開口(38)を通って下方に突出している。そして、
これらのシャフト(49)の下端部に無影灯(50)が取付けら
れている。また、図示は省略したが、各呼気排気用ダク
ト(33)の下端部には、医師が被るヘルメットの呼気排気
用ホースが接続される。

第１図に示すように、自浄式オートエアフィルタ(51)、
中性能フィルタ(52)、冷却コイル(53)および加熱コイル
(54)などを備えた公知の空気調和器(56)が室(1)外に設
置されている。空気調和器(56)の吸込み管(57)は、ダン
パ(58)を介して外気取入れ口(59)に接続されている。還
気吸込みボックス(8)の還気ダクト(9)は１本に合流して
還気送風機(60)の吸込み口に接続され、この送風機(60)
の吹出し口はダンパ(61)を介して外気への排気口(62)に
接続されるとともに、ダンパ(63)を介して空気調和器(5
6)の吸込み管(57)に接続されている。空気調和器(56)の
吹出し管(64)は給気送風機(65)の吸込み口に接続されて
おり、この送風機(65)の吹出し口は空気吹出しボックス
(14)の調和空気給気ダクト(15)に接続されるとともに、
清浄ユニット(16)の調和空気給気ダクト(32)に接続され
ている。なお、清浄ユニット(16)の各調和空気給気ダク
ト(32)には、ダンパ(66)と加熱冷却用の熱交換器(67)が
設けられている。

上記の空気調和設備において、室(1)内の空気の一部は
４つの還気吸込みボックス(8)から還気ダクト(9)に吸込
まれ、その一部が排気口(62)から外気に排出される。還
気ダクト(9)からの残りの空気と外気取入れ口(59)から
の外気が空気調和器(56)に取入れられ、空気調和器(56)
からの調和空気の一部が空気吹出しボックス(14)から室
(1)内に吹出され、残りが熱交換器(67)を通って清浄ユ
ニット(16)の空気吸込み部(25)に供給される。一方、室
(1)内の空気の一部は清浄ユニット(16)の空気吸込み口
(26)から空気吸込み部(25)に吸込まれ、この空気と空気
調和器(56)からの調和空気がファン(27)によって空気吹
出し空間(24)内に吹出される。そして、この空気がフィ
ルタ(36)を通して下方に吹出され、手術台(3)のまわり
に清浄空気領域(A)が形成される。また、室(1)内の空気
の一部は、排気口(10)から室(1)外に排出される。な
お、第１図には、空気調和設備の各部を通る空気量の１
例を数値で示している。

上記のように空気調和器(56)からの調和空気が清浄ユニ
ット(16)の空気吸込み部(25)に供給され、室(1)内から
吸込まれた空気とともに下方に吹出されるので、空気調
和器(56)からの調和空気により、清浄空気領域(A)の温
度および湿度を調節することができる。また、清浄ユニ
ット(16)の調和空気給気ダクト(32)に設けられた熱交換
器(67)によっても清浄空気領域(A)の温度の調節ができ
る。また、ケース(17)の空気吸込み口(26)はファン(27)
が設けられていない側面に形成されているので、ファン
(27)と空気吸込み口(26)との距離が遠くなり、ファン(2
7)自体の音や吸込み音などが低減する。

上記のような清浄ユニット(16)では、清浄空気領域(A)
において、外からの汚染空気の巻き込みなどを防止する
ために、領域(A)内の空気流の乱れを防止して、層流を
維持することが重要である。また、手術台(3)上におい
ては、高い照度を保つ必要がある。上記の清浄ユニット
(16)の場合、垂れ壁(40)により、気流拡散を抑えて、清
浄空気領域(A)内への汚染空気の誘引を防止することが
できる。そして、垂れ壁(40)に照明灯(43)が内蔵され、
垂れ壁(40)の外側カバー(42)が不透明で内側カバー(41)
が半透明または透明であるため、中央部の照度が高くな
り、中央部に取付けられる無影灯(50)などの照明器具を
最小にすることができる。このため、照明器具などによ
る空気流の乱れを最小にして、清浄空気領域(A)の層流
維持効果を高めることができる。

清浄ユニット(16)には、呼気排気用ダクト(33)が取付け
られない場合もある。この場合は、ダクト(33)が貫通す
るケース(17)の上下板(18)(19)の開口を塞ぎ、他の適宜
な手段によって清浄ユニット(16)を手術室(1)上部に固
定するようにすればよい。

なお、この考案は、手術室以外の空気調和設備にも適用
することができる。

考案の効果この考案の空気調和設備によれば、上述のように、空気
調和器からの調和空気が清浄空気領域形成装置の空気吸
込部に供給されて、室内から吸込まれた空気とともに下
方に吹出されるので、空気調和器からの調和空気によっ
て清浄空気領域の温度および湿度を調節することができ
る。さらに、平面視ロ字形のケースの対向２辺にある空
間（空気吸込み部）の外側面に空気吸込み口が形成さ
れ、ケースの残りの対向２辺にある空間内にファンが配
置されているので、ファンと空気吸込み口との距離が遠
くなり、ファン自体の音や空気の吸込み音を低減するこ
とができる。

また、空気調和器から清浄空気領域形成装置への空気供
給径路に加熱冷却用の熱交換器が設けられることによ
り、これによっても清浄空気領域の温度の調節ができる
ようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例を示す空気調和設備の全体
構成図、第２図は空気調和設備が設けられている手術室
の縦断面図、第３図は第２図Ｘ−Ｘ線の断面図、第４図
は第２図Ｙ−Ｙ線の拡大断面図である。 (1)…手術室、(8)…還気吸込みボックス、(9)…還気ダ
クト、(14)…空気吹出しボックス、(15)…調和空気給気
ダクト、(16)…清浄空気領域形成装置、(17)…ケース、
(24)…空気吹出し空間、(25)…空気吸込み部、(26)…空
気吸込み口、(27)…ツインファン、(32)…調和空気給気
ダクト、(56)…空気調和器、(59)…外気取入れ口、(67)
…熱交換器、(A)…清浄空気領域。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】室内の空気を吸込んで下方に吹出す清浄空
気領域形成装置が室の上部に設けられ、外気を一部取入
れる空気調和器が室外に設けられており、空気調和器か
らの調和空気が室内上部と清浄空気領域形成装置の空気
吸込み部に供給され、室内の空気が一部空気調和器に戻
されるようになされており、清浄空気領域形成装置が、
内側に空気吹出し空間が形成された平面視ロ字形のケー
スを備え、ケースの対向する２辺にある空間が空気吸込
み部となっており、室内からの空気吸込み口が空気吸込
み部の外側面に形成され、空気吸込み部から空気を吸込
んで空気吹出し空間内に吹出すファンがケースの残りの
対向する２辺にある空間内に配置されている空気調和設
備。
【請求項２】空気調和器から清浄空気領域形成装置への
空気供給径路に、加熱冷却用の熱交換器が設けられてい
る請求項(1)の空気調和設備。