JPH0655166B2 - スリッパに於ける甲裏の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はスリッパに於ける甲裏の製造方法に関するもの
である。

（従来の技術） 従来、特開昭６２−１０６７０１号公報によって、熱可
塑性高分子物質のステーブルファイバー等を原料とする
フェルト状布材に胛の形状を呈する型を当てながら加圧
および加熱を施す賦形工程と裁断工程とによって裾縁に
外向フランジ状の止着縁を一体に備えた胛の形状を呈す
る立体の胛部材を構成し、この胛部材の下面に適宜の底
部材を配して当該底部材の外周縁に上記の止着縁を止着
することを特徴とする履物の製法が公知である。

（発明が解決しようとする課題） 上記公知例の履物の製法によって得られる製品は、その
胛が型を当てながら加圧および加熱することによって所
望の形状に賦形されるが、賦形後もまだ熱が残存するの
でその熱可塑性によって変形しやすい状態にあり、その
後の工程中に作業する外圧によって変形する虞があり、
形くずれを防止できないという問題があった。

そこで本発明は、甲部材における甲裏を所望の形状に成
形したのち、その形状を固定して形くずれを確実に防止
できるスリッパに於ける甲裏の製造方法を提供すること
を目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本発明のスリッパに於ける甲
裏の製造方法は、シート状フェルト製の甲裏素材に加熱
された甲吊り込み機を以て成形を施したのちに当該成形
物の形状を冷却用吊り込み機を以て整えることを特徴と
するものである。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に依拠して説明する。

１１０℃で処理された低融点ポリエステルと１７０℃で
処理された高融点ポリエステルの混合原料をニードルパ
ンチ製法でフェルト状としたのち１１０℃〜１３０℃で
熱溶融処理を施すことにより得た甲裏素材１の上面に生
地１′をラミネートすると共にこの甲裏素材１に１００
℃〜１５０℃に加熱された甲吊り込み機２を以て成形を
施したのち当該成形物３の形状を冷却用吊り込み機４を
以て整えることによって甲部材５を構成し、 また、これとは別個に上記甲裏素材１と同様にして得た
厚い生地７′をラミネートされた中敷素材７を下面に多
数の凹孔８′を有する１００℃〜１５０℃に加熱された
上型８と上面の平らな下型９との間に挟んで加圧するこ
とにより成形を施したのち当該成形物１０の形状を冷却
用型１１を以て所定温度に冷却して整えることによって
中敷１２を構成し、 更に、中敷１２をスポンジ芯１４にビニール、布地等外
皮１５を纒着した本底１６の上に重合し且つ同中敷１２
の前半部の上に上記甲部材５を重合すると共にこれ等中
敷１２、本底１６、甲部材５の縁を糸条１７により縫合
して完成品イを得るようにしたものである。

尚、図中１９は布製縁巻部材を示す。

本発明は金型に彫刻することによって甲裏、中敷に文
字、トレードマーク等をエンボスすること、中敷の上面
を足の裏の曲面と同様の形とすること、甲部材５の裾縁
５′を内向きフランジ状とすること、中敷を単に取替自
在に敷き置くようにすること、生地１′７′を布とする
こと、により実施できる。

（発明の作用効果） 本発明は上記の通り、シート状フェルト製の甲裏素材に
加熱された甲吊り込み機を以て成形を施したのちに当該
成形物の形状を冷却用吊り込み機を以て整えることを特
徴とするものであり、特に甲裏素材に成形を施したのち
に当該成形物の形状を冷却用吊り込み機を以て整えるこ
とにより、整形と同時に冷却して熱を奪うことによりそ
の後の復元を困難にして形状を固定してしまうので、確
実に甲部材の形くずれを防止できるという顕著な作用効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による完成品を示す斜視図、第２図は第
１図Ａ−Ａ線に沿う断面図、第３図乃至第５図は甲裏の
製造工程を順に示す断面図、第６図乃至第８図は中敷の
製造工程を順に示す断面図、第９図は中敷の斜視図であ
る。 １…甲裏素材、１′…生地、２…甲吊り込み機、３…成
形物、４…冷却用吊り込み機、５′…裾縁、７…中敷素
材、８…上型、８′…凹孔、９…下型、１０…成形物、
１１…冷却用型、１２…中敷、１４…スポンジ芯、１５
…外皮、１６…本底、１７…糸条、イ…完成品。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シート状フェルト製の甲裏素材に加熱され
   た甲吊り込み機を以て成形を施したのちに当該成形物の
   形状を冷却用吊り込み機を以て整えることを特徴とする
   スリッパに於ける甲裏の製造方法。