JPH0655152B2 - ミナクチビンの製造方法 - Google Patents

ミナクチビンの製造方法

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JPH0655152B2
JPH0655152B2 JP60503603A JP50360385A JPH0655152B2 JP H0655152 B2 JPH0655152 B2 JP H0655152B2 JP 60503603 A JP60503603 A JP 60503603A JP 50360385 A JP50360385 A JP 50360385A JP H0655152 B2 JPH0655152 B2 JP H0655152B2
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バイオテクノロジー・オーストラリア・ピーテイーワイ・リミテツド
ジ・オーストラリアン・ナシヨナル・ユニバーシテイー
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ある種の細胞から分離した新しい蛋白質ミ
ナクチビンの製造方法に関するものであり、この蛋白質
は、ウロキナーゼタイプのプラスミノーゲンアクチベー
ターの特異的な不活性化因子として作用するものであ
る。
この発明は、人血の単核細胞、ある種のマクロファージ
及び単核細胞由来の形質転換細胞を付着単層培養するこ
とにより分離、同定された、ウロキナーゼ タイプのプ
ラスミノーゲン アクチベーターの特異的不活性化因子
の製造方法に関するものである。この不活性化因子を
「ミナクチビン」と名付け、この物質について当該明細
書中ではこの名前を用いることとする。
〔従来の技術〕
プラスミノーゲン アクチベーターは、多くの動物組織
及び分泌液中に存在する蛋白質分解酵素である。最も広
く知られているプラスミノーゲン アクチベーターの機
能は、プラスミノーゲンをその活性型であるプラスミン
へ転換する触媒作用である。プラスミンの主な役割は、
線維素の溶解又は凝血塊の溶解作用である。分子量、ア
ミノ酸配列及び免疫反応性を異にする二つのタイプの哺
乳類プラスミノーゲン アクチベーターに大別され、ウ
ロキナーゼ タイプのプラスミノーゲン アクチベータ
ーと、組織タイプのプラスミノーゲン アクチベーター
に特徴付けられる。乳房、肺臓、結腸及び前立腺の癌腫
を含む人の主要な癌は、異常な高レベルでウロキナーゼ
タイプのプラスミノーゲン アクチベーターを生産す
ることが知られており、また、一連の証拠によって、こ
のことは腫瘍が隣接組織へ侵入する過程と関係すること
が分っている。
〔発明が解決しようとする課題〕
この発明は、人血の単核細胞を付着単層培養して得た上
澄が、ウロキナーゼ タイプのプラスミノーゲン アク
チベーターの有力な不活性化因子であるミナクチビンを
含有することを発見したことを基礎としている。ミナク
チビンは、侵入する腫瘍と深く関連するプラスミノーゲ
ン アクチベーターの天然の不活性化因子であり、それ
故に、腫瘍の侵入及び転移に対する体内の通常の防御
に、決定的な役割を持つものであることが示唆されてい
る。ミナクチビンは、更に、医学の領域、種々のタイプ
の癌腫の生体内及び生体外診断、そしてそれらの症状の
治療などにおける臨床上の試薬として広く応用し得る可
能性を有している。ミナクチビンは、マクロファージ及
び単核細胞由来の形質転換細胞の培養によっても分離、
同定された。
この発明の第一点として、ウロキナーゼ タイプのプラ
スミノーゲン アクチベーターの特異的不活性化因子で
あるミナクチビンが、著しく精製することができる方法
を提供できる。この発明は、また、ウロキナーゼ タイ
プのプラスミノーゲン アクチベーターの特異的不活性
化因子であるミナクチビンを含む培養上澄を提供するも
のであり、この培養上澄は、ミナクチビン生産性細胞を
培養することにより得られる。この発明は、更に、ミナ
クチビンを含む培養上澄から得られた、少なくとも部分
精製されたミナクチビン生産物を提供するものである。
その他のミナクチビンの特徴については、後に詳しく記
述する。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、ミナクチビンの製造方法を提供することで
あり、それは、ミナクチビン生産性細胞の培養と、培養
上澄の回収から成る。ミナクチビンは、少なくとも部分
精製生産物として培養上澄から回収される。ミナクチビ
ン生産性細胞には、人血の単核細胞、ある種のマクロフ
ァージ及び人の形質転換セルラインが含まれるが、特に
詳細に説明する。細胞から分泌されたミナクチビンを含
む培養上澄は、含まれるミナクチビンを濃縮すべくそし
て、少なくとも部分精製されたミナクチビンを生産すべ
く処理され、他の培養上澄の成分は除去される。この濃
縮及び精製は、例えば、フェニル−セファロース又はD
EAE−セファロースを用いたハイドロフォービックイ
ンターラクションクロマトグラフィーを利用し、目的生
産物を溶出させることにより実施される。この生産物
は、更に、アフィニティー クロマトグラフィー(例え
ば、シバクロンブルー−セファロース又はハイドロキシ
ル アパタイト)又は予備的非変性ゲル電気泳動を用い
て他の不純物を除去することにより実施される。
研究によると、ミナクチビンは、分子サイズが約60〜
70,000(ゲルろ過クロマトグラフィーによる)で
あり、その阻害効果は、Mr52,000(HPA5
2)及び36,000(HPA36)のプラスミノーゲ
ン アクチベーター(ウロキナーゼの如き)に特異的で
あり、そのことは、(a)プラスミノーゲン依存性の線
維素溶解作用の阻害、(b)比色定量アッセイで見られ
るプラスミノーゲン賦活レベルでの阻害、及び(c)プ
ラスミノーゲン賦活化活性の不可逆的消失、によって示
されるが、これらは、培養基で前培養した後、電気泳動
させると明白である。ミナクチビンとHPA36型のプ
ラスミノーゲン アクチベーターの複合体は、界面活性
剤耐性を示し、Mr70〜75,000で特徴付けられ
る(ミナクチビン−HPA36複合体)。
更に、ミナクチビンは、ウロキナーゼ タイプのプラス
ミノーゲン アクチベーターを選択的に阻害し、トリプ
シン、プラスミン又は組織タイプのプラスミノーゲン
アクチベーター(HPA66又は66,000Mr ア
クチベーター)は阻害しないことが明らかとなった。
ミナクチビンは、人の単核細胞のみならず、ある種のマ
クロファージ及びマクロファージ直系の形質転換細胞に
よっても生産されることが見い出された。特に、腹膜マ
クロファージ及び骨髄質マクロファージは、付着単層培
養することにより、相当量のミナクチビンを生産し、分
泌することが見い出された。人マクロファージセルライ
ンのU937は、デキサメタゾン(dexamethasone)を
添加して培養すると、ミナクチビンを生産することが見
い出された。この点については、更に、付着単層培養に
よってミナクチビンを人血の単核細胞から生産する場
合、ムラミル ジペプチド(アジュバンド ペプチ
ド)、バクテリアのリポポリサッカライド又は活性化し
たリンパ球の培養物のリンホカイン含有上澄、を用いて
細胞を活性化することによって、生産を刺激し又は増強
することができることが分かった。
人結腸の癌腫セルラインのCOLO394の培養物に添
加すると、ミナクチビンは、特異的にプラスミノーゲン
アクチベーター(HPA52)を不活性化すること
が、比色定量アッセイ及び電気泳動によって確認され
た。更に、ミナクチビンは、外科的に切除して得た人腫
瘍の組織ホモジエネートにおけるプラスミノーゲン ア
クチベーター活性を、特異的に不活性化することができ
る。プラスミノーゲン アクチベーターのレベルは腫瘍
組織においては、相当する結腸の正常組織と比較して著
しく高いことが証明された。同様の観察は、広範囲の充
実性腫瘍に関して、他の研究者によっても実証されてい
る。
それ故に、ウロキナーゼ タイプのプラスミノーゲン
アクチベーターに対するミナクチビンの特異性及び腫瘍
組織におけるこのプラスミノーゲン アクチベーターの
著しく増強されたレベルの観点から、当該生産物は、組
織学的標本及び生体における腫瘍の境界の位置を定め、
特定するための試薬として応用できる。このように、ミ
ナクチビンは、生体内の腫瘍を仮想するのに使用し得
る。特に、乳房、前立腺、結腸及び肺臓のような、プラ
スミノーゲン アクチベーターを生産する充実性腫瘍
は、ミナクチビンによって標的となり得る。このような
癌腫は一般的に、外科的処置で直るので、そのような腫
瘍を仮想する際のミナクチビンの利用は、外科的処置の
後に生起する小さい転移性癌を確認するのに特に有用で
ある。ミナクチビンは、天然生産物であるので、抗原性
がなく、体内での排除の問題を回避し出る長所があるこ
とももちろん評価されよう。そのような腫瘍を生体内で
仮想する場合、ミナクチビンを、ラベルした形例えば、
適当な放射性同位体(テクネチウム99など)でラベルし
て、投与した後、ミナクチビンにより仮想される腫瘍の
位置と境界は、通常のラジオアイソトープの操作手段で
決定することができる。
組織学的標本における腫瘍の境界の位置の決定と特定に
おいて、ミナクチビンは、上記した放射性同位体と結合
するか、又は、標準的な操作手段を用いて、適当な酵素
(又は他の適当な試薬)と結合させてラベル化できる。
組織学的標本がミナクチビン−酵素複合体と接触する
と、ミナクチビンは、ウロキナーゼと、それが分泌され
て高濃度である位置において反応し、それによって、腫
瘍の境界が確認される。この高濃度の位置において見い
出されるミナクチビン−酵素複合体の検出は、通常の方
法、例えば、酵素の基質を利用して、基質に対する酵素
の反応を検知する指示薬によって実施される。
腫瘍を仮想することに加えて、ミナクチビンは、また、
腫瘍のプラスミノーゲン アクチベーター活性を減ずる
ので直接腫瘍の治療に用いられ、この活性は、腫瘍が隣
接組織に侵入する過程に関連していることから、腫瘍の
侵入を規制し、特に阻害することが可能となる。
ミナクチビンの一般的性質 ミナクチビンは、56℃以上の温度で不安定であり、−
20℃の冷凍及び解凍に対しては安定である(一サイク
ルすると0〜5%の活性を失う)。無菌条件下で採取し
た上澄を含みミナクチビンは、4℃においてゲンタマイ
シンの存在下で、著しく活性が低下することなく、2ケ
月間保存できる。
プラスミノーゲン アクチベーターとミナクチビンの相
互作用は、イオン強度がプラスミノーゲンの活性化に逆
の効果を有するにもかかわらず〔後述の19の文献参照、
以下( )内の数字は、後述の文献番号を示す〕、イオ
ン強度に依存しないようである。ウロキナーゼ活性は、
比色定量アッセイにおいて、塩濃度により著しく阻害さ
れるが、減少したウロキナーゼ活性に対するミナクチビ
ンの効果は、比例的に同じである。
ミナクチビンは、pH5〜9で4℃において比較的安定で
ある。塩の存在下でセファクリルS 300(Pharmaci
a)によるミナクチビン標品のゲルろ過によると、ミナ
クチビンの分子サイズは、血清アルブミンを標準とし
て、60〜70,000(第10図)と同定された。こ
のカラムから得た濃縮ミナクチビン標品の特異性をSD
S−PAGE−線維素カラムで分析したところ、単核細
胞培養から得たミナクチビン上澄について第6図で得た
結果と同じであった。しかしながら、ウロキナーゼの不
活性化は、以下の点で血清アルブミンの特性と異なる。
すなわち、(a)人血清アルブミンは、ウロキナーゼの
比色定量アッセイに効力を有しない。(b)ミナクチビ
ン活性は、ブルー−セファロース(Pharmacia)のアル
ブミン アフィニティーカラムにより保持されない、
(c)人血清アルブミンの培地濃度は、ムラミル ジペ
プチド又は前記の誘導実験における細胞タイプで変化し
得ない、(d)アルブミン又は血清の補充なしで単核細
胞はミナクチビンを生産する。
腫瘍の診断及び治療におけるミナクチビンの役割 ある種の主要な人癌腫が、ウロキナーゼ タイプのプラ
スミノーゲン アクチベーター(HPA52)を正常の
組織に見られるレベルより著しく高レベルで生産するこ
とが立証された。Markus及び共同研究者らの最近の研究
では、酵素の含有量と種類につき、短期間の組織培養に
よる分泌割合(34〜35)と同様に留意しており、肺
臓、前立腺、乳房及び結腸の腫瘍が含まれている(30
〜32)。更に、HPA52は、異なる遺伝子の生産物
であり(36)、結腸の内皮性食細胞のような全ての血管新
生組織中に偏在する組織タイプのプラスミノーゲン ア
クチベーター(HPA66)の蛋白質分解又は他の修飾
によって得られるものではないことが確認された。遺伝
子発現の変化は、人結腸癌の発達の間に上皮細胞で起こ
り、高レベルのHPA52が生じることは明らかであ
る。
細胞のプラスミノーゲン アクチベーターが関連する生
物学的過程は、炎症反応及び腫瘍の転移のような侵入及
び組織破壊と関連するこれらの生理学上の結果を含んで
いる(38)。腫瘍の侵入の媒介者としての役割に関係する
プラスミノーゲン アクチベーターの特異的作用は、細
胞分裂を刺激すること(39)、細胞表面を修飾すること(4
0)、細胞転移を促進すること(41)、腫瘍に隣接した線維
素を消化すること(42)、そして、コラーゲナーゼを活性
化すること(43)などを含んでいる。
ミナクチビンは、ウロキナーゼ タイプのプラスミノー
ゲン アクチベーター(HPA52及びHPA33)の
有力な特異的阻害因子であるので、慢性の炎症及び種々
のタイプの癌腫の診断、臨床試薬として、これらの症状
の治療と同様に、応用される。HPA52の生体内活性
を特異的に調節することによって、ミナクチビンは、組
織タイプのプラスミノーゲン アクチベーター(HPA
66)の役割に、止血の維持の点で、影響を持たない。
更に、ミナクチビンは、天然生産物であるので、抗原性
が無い長所があり、また、体内での排除の問題を回避し
得る。
ミナクチビンは、それ故に、炎症的病状の指標として応
用できる。最近、慢性的炎症は、ステロイドで処理され
るが、一般的に、治療の経過をモニターすることは困難
である。ミナクチビンに対する抗体を用いて、体液又は
組織中のマクロファージの活性状態がモニターされ、治
療の経過もモニターされる。炎症又は慢性的潰瘍及び粘
膜状の表面細胞層又は上皮に対する損傷は、多量の血液
の単核細胞の損傷領域への浸潤をもたらす。この際に、
単核細胞は、炎症の広がりに応じてミナクチビンを生産
すべく刺激される。
更に、ミナクチビンは、組織学的標本及び生体内におけ
る腫瘍の境界を確認し、決定するための試薬として応用
される。充実性腫瘍は、一般的に、外科的処置により除
かれるので、ミナクチビンの使用は、外科的処置に続い
て生起する小さい転移性癌の確認を可能とする。組織学
的標本の分析において、ミナクチビン又はその抗体は、
131のようなアイソトープでラベルされるか、又は、
適当な酵素又は他の化学試薬に結合される。組織学的標
本に接触して、ミナクチビンは、腫瘍タイプのプラスミ
ノーゲン アクチベーターとその分泌位置において結合
し、それによって腫瘍の境界が確認される。複合体のミ
ナクチビンは、公知の操作手段(44〜47)によっ
て、目で観察し得る。生体内の腫瘍を仮想するために、
テクネチウム99のような適当なアイソトープでミナクチ
ビンをラベルし、投与した後腫瘍の位置及び境界が公知
のラジオアイソトープ法(47〜50)によって決定さ
れる。更に、ミナクチビンは、プラスミノーゲン アク
チベーターの活性型とのみ結合するので、生長又は侵入
段階の腫瘍細胞を標的とし得る。
診断上の応用に加えて、ミナクチビンは、腫瘍の直接治
療いおいても使用される。腫瘍が隣接組織に侵入する過
程に関連する酵素の特異的阻害因子として、腫瘍の生長
及び転移を規制し特に、阻害することができる。更に、
ミナクチビンは、生育する腫瘍に直接レクチン又は毒素
を運搬する医薬運搬システムとして使用される。このこ
とは、特異的で著しく有力な抗腫瘍効力の見地から、多
くの長所をもたらすものであることを認識させる。
〔実施例〕
ミナクチビンの生産、精製及び同定についての詳細は、
以下の実施例により、添付した図面と関連させて開示す
るが、これは、この発明の範囲を限定するものではな
い。
この発明の好ましい具体例 実施例1 ミナクチビンの生物学的な同定及び特徴 方法 1)プラスミノーゲン アクチベーターの比色定量アッ
セイ いくつかのタイプのプラスミノーゲン アクチベーター
酵素を、0.1%トライトンX−100及び0.1%ゼ
ラチンを含む50mMグリシン緩衝液、pH7.8、中
で、Coleman及びGreenの方法(12)を用いて分析した。2
〜8mPlough単位(mPU)の活性範囲を保つように希
釈した。酵素(10μl)、プラスミノーゲン(0.1
mg/ml、20μl)及び分析緩衝液(20μl)を45
分間、37℃で培養し、次いで、プラスミン分析試薬
(1ml、参考文献12参照)を加え、30分間、37℃
で培養した。反応をトラシロールを加えて停止し(0.
3mg/mlで20μl)、412nmの吸収をモニターし
た。単核細胞培養で補充的に用いた人血清アルブミン
(1%)は、この方法では、ウロキナーゼの分析に影響
しなかった。
人プラスミノーゲンは、リジン−セファロース(Pharma
cia)カラム(13)のアフィニテイークロマトグラフィー
で、保存新鮮血漿より精製を2度繰り返し、最終濃度
0.3μMで分析に用いた。人プラスミノーゲン アク
チベーターの利用可能な市販製品、すなわち、Calbioch
em-Behring Corp.La Jolla、CA.のCalboiochemの資料の
標準品のウロキナーゼ(lot 103285,1700 Plough単位/
小ビン)及びSigmaウロキナーゼ(lot 101F-05991、約4
0,000Plough単位/mg蛋白)を使用した。これらは、こ
こでは、CUK及びSUKと、各々、する。これらの標
品は、SDS−PAGE及びそれに線維素を付加して展
開させることにより、Mr52,000(HPA52)
のプラスミノーゲン アクチベーターとMr36,00
0(HPA36)の蛋白質分解生産物の混合物であるこ
とが分かった。ラットの乳腺癌ライン13762(Dr
I.Ramshaw,Dept.Experimental Pathology,JCSMRより入
手)を、0.5%トライトンX−100を含むpH7.8
の50mMグリシン中でホモゲナイズした。牛のトリプ
シン(1Xタイプ)、牛のトロンビン(グレード1)及
び豚の血漿は、Sigmaから入手した。
2)ミナクチビンの比色定量アッセイ 培養上澄及び細胞溶解質中のミナクチビンの量は、ウロ
キナーゼ標準品の比色定量アッセイ(12)における阻害作
用により決定した。試料(20μl)は、プラスミノー
ゲンの添加に先立って4mPUのウロキナーゼと90分
間、23℃に前培養した。阻害作用は、プラスミノーゲ
ン活性作用のレベルであってプラスミンの阻害作用では
ないことを実証するために、ミナクチビンを相当するプ
ラスミンの分析に直接添加することによるコントロール
を実施した。1単位のミナクチビンが、ウロキナーゼの
1Plough単位を阻害する量であることが判明した。
3)ラジアル ディフュージョン アッセイ フィブリノーゲン(SigmaタイプX)、人プラスミノー
ゲン及びトロンビン(Sigma1グレート)を1.25%
のアガロース(Plaque、FMC Corp.,Rockland、ME USA)の
ゲルの1.2mm厚の基質に投じた。37℃で固まった
後、ゲルを4℃で固化させ、ウロキナーゼ/ミナクチビ
ン混合物(5μl)を適用させるために3mmにカットし
た。
4)SDS−PAGE及び線維素オーバーレイによるプ
ラスミノーゲン アクチベーター活性の展開 SDS電気泳動ゲルに供する試料は、分析緩衝液中プラ
スミノーゲン アクチベーター酵素のみか、あるいは、
培養上澄及び/又はプロテアーゼ阻止因子と90分間、
23℃で前培養した酵素を含み、最終体積を100μl
とすべくSDS試料緩衝液を加える。用いたプロテアー
ゼ阻止因子は、トラシロール、α1−アンチトリプシン
(Sigma)、大豆トリプシン阻害剤(Sigma)、ヨードア
セトアミド、EDTA、SDS、トラネキサミン酸(Al
drich Chemicals.Milwaukee WI)及びベンズアミジンで
あった。ゲルの平板は、11%ポリアクリルアミドであ
り、垂直に位置させ、トライトンX−100で洗浄し、
Granelli-Piperno & Reichの方法(13)に従って、線維素
/アガロースゲルの接触溶解により展開した。線維素溶
解の展開時間は、通常、37℃で5〜8時間であった。
酵素的溶解バンドの分子量は、市販酵素の場合と比較し
て、アクリルアミドゲル中の標準蛋白質の発色位置(Ph
armacia LMW Kit)により決定した。
5)形態学及び細胞化学 位相差顕微鏡検出法のために、付着した単核細胞又はマ
クロファージの単層を2回洗浄し、0.1Mカコジル酸
塩緩衝液(pH7.4)中で1.5%グルタールアルデヒ
ド(9)に実験に先立ち少なくとも室温で30分間固定し
た。細胞遠心分離標品を、Shandon Southern遠心機で調
製した。詳しくは、10%牛胎児血清中に50,000
細胞を含む0.2mlの標品を500rpmで3分間回転さ
せた。標品は、続いて、ドライヤーで直ちに乾燥し、こ
れをMay-Grunwald Giemsaで発色させた。
非特異的なエステラーゼの存在は、基質としてα−ナフ
チルアセテート(10,11)を用いて評価した。
食細胞活性は、付着単核細胞又は細胞懸濁液10%人A
B血清及び1.1μmラテックス ビーズ(Sigma)を
細胞当たり100ビーズの濃度で含むRPMI−164
0中にて、37℃、60分間培養することにより評価し
た。非摂取のビーズは、単層又は細胞懸濁液をRPMI
−1640で3回、20℃、150gにて10分間洗浄
することにより除去した。2以上のラテックスビーズを
摂取している細胞を食細胞と判定した。
6)単核細胞及びマクロファージ細胞標品 人単核細胞の白血球を、Ficoll-Hypaque(Pharmacia Fin
e Chemicals.Sydney.Australia)グラジエントにより、
Woden Valley病院の赤十字血液輸血サービスにおいて除
去された軟層から分離した。混在する血小板を除去する
ために、4℃でPi/NaCl中で4回洗浄した後、細
胞ペレットを60単位/mlのゲンタマイシンを含むRP
MI−1640(Gibco、Grand Island、N.Y.)中に懸濁
させた。精製単核細胞の単層は、107単核細胞を、人
AB血清2mlを30分間プレコートした30mmのウエル
(Linbro multiwell plates.Cat.No.7605805)中、10
%AB血清とRPMI−1640にて平板培養すること
によって得られた。単核細胞は、空気中5%のCO2
件で、37℃にて60分間付着させた。非付着細胞は、
37℃にて、RPMI−1640で単層を6回洗浄する
ことにより除去した。
付着した単核細胞は、いくつかの基準により85%の単
核細胞より多いことが分かった。単核細胞をホリクロー
ム酸塩で発色することにより、94±6%の細胞は、好
塩基性細胞質を有する円形又はへこんだ大きな核を有す
る単核細胞であることが示された。細胞質の酵素の発色
により、非特異的エステラーゼは単核細胞の85±2%
がこの単核細胞マーカーに対して陽性であることを示し
た。91%の付着細胞がラテックスビーズを食したこと
は、単核食細胞の形態学的、組織学的外観を示す付着細
胞集団がこの特徴的な機能特性をも表わすことを確認さ
せるものである。
生体外培養の間に、単核細胞は細胞サイズ及び形態学的
に著しい変化を被る。培養単核細胞の細胞遠心分離標品
は、単核細胞が培養期間中そのサイズを増加させ、7日
目の終わりには見かけサイズは倍以上になる。時々、二
核化した細胞も見られる。単核細胞はサイズを増し、そ
の細胞質は空胞の生じた状態になり、細胞質の顆粒が顕
在化する。更に培養すると多核の大型細胞の形成が増加
する。
b)腹膜マクロファージ 慢性の腎不全のため日常的に腹膜透析を受けている患者
から得た2リットルの透析液を、20℃、300gに
て、10分間遠心分離した。細胞ペレットを50mlのR
PMI−1640に再懸濁し20℃、200gにて10
分間再遠心した。細胞を、次いで、ml当たり約2×10
6の最終濃度にすべくRPMI−1640中に再懸濁
し、腹膜細胞懸濁液6mlをFicoll-Hypaque3mlと20
℃、400gにて20分間遠心分離した。細胞を10%
人AB血清を含むRPMI−1640中に1×106/ml
の濃度まで再懸濁した。
高収率の単核細胞が、腹膜洗浄物のFicoll-Hypaqueグラ
ジエントにより得られた。細胞の47%は、形態学的基
準から判定するとマクロファージであった。単核細胞の
フラクションの細胞遠心分離標品は、マクロファージ集
団は不均質であって、豊富な細胞質及び時として二核を
持つ成熟細胞を、へこんだ核及び細胞質の割合に応じた
仁を有する単核細胞に特徴的な小さい細胞と同様に、含
んでいることを示した。
腹膜マクロファージは、更に、単核細胞について前記し
たように、プラスチックの培養トレイに付着させて精製
した。非付着性の細胞層を除去した後、培地を2〜3日
毎に取り変えて、生存する腹膜マクロファージを、3週
間に至るまで培養維持できた。腹膜マクロファージは、
非特異的エステラーゼで発色させて決定した87%のマ
クロファージよりも通常的に大きかった。
c)骨髄質由来のマクロファージ 新鮮な人腸骨稜及び肋骨髄質を整形外科的処理により得
てこれを10%の巨大細胞腫瘍(GCT)培養上澄(Gi
bo-Biocult、Grand Island、NY、USA)及び10%牛胎児血
清を含むRPMI−1640培地中に分散させた。この
第一培養は、ゼラチンをコーティングしたフラスコ
(1)で7日間続けた。その後、血液の単核細胞の場合
と同じ培養皿に付着させて、単核細胞/マクロファージ
を精製し、ミナクチビン測定のために、第二付着培養を
実施した。得られた細胞は、非特異的エセテラーゼの9
0%の陽性細胞より大きかった。
d)結腸粘膜マクロファージ これらの細胞は、Golder及びDoeの方法(2)により結
腸粘膜の酵素的分離によって、切除された結腸から得
た。これらは、単核細胞として、RPMI−1640中
で付着単層として生育した。得られた細胞は、85%非
特異的エステラーゼ陽性細胞より大きく、ヒツジ赤血細
胞を食する。
7)細胞培養 a)単核細胞及びマクロファージ 単核細胞又はマクロファージ単層は、1%人血清アルブ
ミン(Commonwealth Serum Labs.,Melbourne、Australi
a)を含むRPMI−1640中で培養した。前記
(a)〜(d)起源の細胞の培養は、3×106cells/m
l培地の割合まで出来る限り高密度に保って行なった。
以下の試剤を、細胞培養実験で用いた。
(a)ムラミル ジパプチド(N−アセチル−ムラミル
−L−アラニル−D−イソグルタミン、Peninsula Labo
ratories.San Carlos.CA.USA)を5μg/ml、(b)Sa
lmonella minnesota R595の細胞壁リポポリサッカライ
ド(3)。後者は0.1%トリエチルアミン中水溶解性
抽出物を超音波処理し、Pi/NaClに対して透析し
て調製した。培養物中の最終濃度は0.1μg/mlであ
る。デキサメタゾン及びフォルボール ミラステイト
アセテイト(Sigma Chemical Co.,St.Louis.MO.USA)
は、最終濃度0.1μM及び10ng/mlで各々用い
た。
b)形質転換セルライン 人マクロファージ様セルライン U937(4)及びH
L60(5)は、Drs RUlevitich及びR G Painter(Scri
pps Clinic.and Research Foundation.La Jolla.CA.US
A)から入手した。U937 セルラインは、ATCC
(Rockville.Maryland.USA)からも入手した。RC2A
(6)は、Dr N Kraft(Prince Henry's Hosopital.Melb
ourne.Australia)から入手した。MLA144は、手
長ザルのT−リンパ球ライン(7)である。人赤血球ラ
インK562(8)は、Dr H S Warren.Cancer Reserch
Unit.Woden Valley Hospitalから入手した。COLO
394は、人結腸癌腫細胞セルラインであり、Dr R Whi
tehend.Ludwig Institute of Cancer Reserch.Royal Me
lbourne Hosopital.Melbourneより入手した。これらの
細胞は、分析のための上澄の採取に先立って、全て、血
清なしにRPMI−1640培地で生育した。細胞溶解
質は、酵素研究のために0.5%トライトンX−100
の存在下で調製した。
ミナクチビンの生物学的特徴 結果 細胞集団におけるミナクチビンの生産 a)人血の単核細胞 ミナクチビンは、Coleman及びGreenの比色定量アッセイ
(12)(第1図)におけるウロキナーゼ活性の阻害作用に
より、付着性の人単核細胞から血清の存在しない培地条
件で生産されることが示された。この阻害作用は、人血
清によって細胞の初期的付着化が促進されるか否かにか
かわらず観察される。付着性単層の調製の間に得られる
非付着性単核フラクションは、培養中、全くミナクチビ
ンを生産しない。
最大限のミナクチビン活性は、単核細胞の培養の最初の
24時間の培養上澄を用いて得られた。継続する各24
時間の阻害因子生産率は、4日後にわずかになるまで減
少を示した。このことは、培養上澄及び細胞溶解質の双
方に見られた。しかしながら、ムラミル ジペプチド又
はバクテリアのリポポリサッカライドによって単核細胞
の生体外の活性化し、ミナクチビンの生産及び分泌を促
進させた(第1A及び1B図)。最初の24時間の期間
の培養上澄における阻害因子の量は、細胞数と相関関係
を示す(第2図)。ミナクチビンの最大レベルは、細胞
濃度が106cells/mlより大きい培養条件で生産され
う。少い量のミナクチビンが(細胞当たり)、高い細胞
濃度において生産される。人の線維芽細胞の培養におい
てプラスミノーゲン アクチベーターの阻害因子の合成
を誘導することが以前に示されたデキサメタゾンと単核
細胞を培養しても(10-6〜10-8M)ミナクチビンの
生産上影響を示さなかった。
b)人腹膜マクロファージ 新鮮に分離した血液単核細胞の溶解質は、ミナクチビン
を含有していないが(第1B図参照)、新鮮に分離した
付着性の腹膜マクロファージの溶解質は、全て、著しい
レベルのミナクチビンを含んでおり(約30%の阻害作
用)、続いて培養中に増加する(第3図)。このミナク
チビンの持続的生産は、相当する培養上澄中で測定され
る分泌生産物のレベルにも反映される。コントロールの
単核細胞培養と違って、腹膜マクロファージ溶解質のミ
ナクチビンのレベルは、3日間の培養期間中高レベルを
保持した。この細胞集団は、形態学的にみて大部分新し
く増加した単核細胞から成ると考えられ、繰り返される
透析によって誘導される軽い炎症による生体内での刺激
は、腹膜腔内においてミナクチビンを生産するための単
核細胞を増加させ、活性化するに充分なものであること
が示される。腹膜マクロファージは、溶解質又は上澄中
でのミナクチビンの生産に対してムラミル ジペプチド
の添加が影響しないことから、更に活性作用を高めるこ
とはないと考えられた(第3図)。
c)骨髄質由来マクロファージ 骨髄質マクロファージは、最初の骨髄質培養で生育を刺
激してGCT(giantcellの腫瘍培養上澄)の7日後の
付着性細胞として得た。この細胞は、組織の7日間の最
初の培養の後の第二培養として研究が行なわれたので、
それらの最初のミナクチビン生産及び分泌は、新鮮に分
離した血液単核細胞又は腹膜マクロファージと直接比較
できない。
それにもかかわらず、7日間の最初の培養の後、第二培
養の間に得た付着性骨髄質マクロファージの溶解質は、
ムラミル ジペプチドの存否にかかわらず減少を示した
ミナクチビン活性を高レベルで示した(第4図)。これ
らの骨髄質細胞は、上澄に高レベルのミナクチビンを分
泌することが見い出され、そのレベルは溶解質で観察さ
れたように、ムラミル ジペプチドの影響は受けなかっ
た(第4図)。
d)結腸粘膜マクロファージ 切除した人結腸の酵素的分離粘膜から分離したマクロフ
ァージは、培養中きわめて限られた活性のミナクチビン
を生産し、そのレベルは、前記の3種の場合と比較する
とわずかであった(4つの実験で24時間の上澄の阻害
作用の平均値は4%)。この低レベルは、Salmonella m
innesotaのリポポリサッカライドを培養物に添加しても
(0.1μg/ml)、増加しなかった。
腸のマクロファージの反応の不足は、それらの分離に際
して用いた分解酵素(コラゲナーゼ及びDNA ase)
に長くさらしたことによるかどうか確認するために、正
常の人血単核細胞を腸のマクロファージ標品からの上澄
培地で数時間培養させた。血液単核細胞を処理した酵素
は、続く培養中ミナクチビンを生産し、分泌する機能を
保持していた(表1)。
表1 コントロール単核細胞 酵素処理 溶解質 90% 100% 上澄 67% 72% DNAase及びコラゲナーゼを含む結腸分解物の上澄で
培養した前又は後の人血単核細胞によるミナクチビンの
生産。結果は、単核細胞上澄によるウロキナーゼアッセ
イの阻害%として示した。
このように、血液単核細胞は、ミナクチビンの分泌を可
能とする理想的生育段階にあることが示される。この可
能性は、ムラミル ジペプチドで生体外で活性化される
か、又は生体内の炎症部位に対して活性が増加すること
で実現される。一方、腸粘膜から分離された成熟組織の
マクロファージは、刺激にかかわらず、分泌ミナクチビ
ンを生産する能力を欠乏しているように見える。
e)人マクロファージ セルラインU937 ミナクチビン活性は、Coleman及びGreenの方法(12)によ
って評価した場合、人マクロファージ セルラインU9
37から得た上澄中に見い出すことができなかった。し
かしながら、このセルラインをデキサメタゾン(1μ
M)の存在下で培養した場合、著しいレベルのミナクチ
ビンが培養上澄中で測定された。このことは、生産され
たミナクチビンと実際上結合したU937細胞によるプ
ラスミノーゲン アクチベーターの付随した生産によっ
て説明され、従って、比色定量アッセイでは、隠れて探
知し得ない。実際に、U937細胞を72時間培地を含
むデキサメタゾンで処理すると、高レベルの細胞内のプ
ラスミノーゲン アクチベーター活性が、0.5%トラ
イトンX−100の細胞抽出物中のプラスミノーゲン
アクチベーター活性の評価によって測定されるものとし
て誘導された。デキサメタゾンなしで7日間以上培養し
たU937細胞は、完全に、ミナクチビン生産能を失っ
た。デキサメタゾンの付加は、最終濃度10μMに至る
と、ミナクチビン生産を回復しえなかった。
U937細胞により本質的に分泌されるミナクチビンの
レベルは、培養中ムラミル ジペプチドで誘導される単
核細胞による生産レベルの約4倍低かった。しかしなが
ら、U937細胞により分泌されるミナクチビンのレベ
ルは、フォルボール ミラステート アセテートのよう
なフォルボール エステルを培養中の細胞に添加するこ
とによって16倍に増強された。ミナクチビン活性は、
人のマクロファージ様セルラインRC2A又は人(Jurk
at)及び手長ザル(MLA144)由来のT−リンパ球セルラ
インから得た上澄中には見い出せなかった。
2)ミナクチビンの特異性 a)線維素溶解の阻害作用 プロテアーゼのミナクチビンによる阻害作用の特異性
は、単核細胞の培養上澄を含むミナクチビンをフィブリ
ン/アガロース ゲルを入れたマイクロウェル中にて種
々の酵素と培養することによって研究された。プラスミ
ノーゲン(20μg/ml)を、プラスミノーゲン アク
チベーター活性を発現し得るべくゲル混合物中に含有さ
せ、37℃、20時間の培養後に比較し得る溶解性を与
えるべく適当な酵素濃度が選ばれた(第5図の記載参
照)。
ミナクチビンは、明らかにプラスミン又はトリプシンの
阻害因子でないことが、23℃、2時間これらの酵素と
前培養して判明した(第5図)。人のプラスミノーゲン
アクチベーターの内、ミナクチビンで処理した場合、
ウロキナーゼの二種の標品(CUK及びSUK)が、全
て、線維素溶解能を失った。しかしながら、ほぼ全てが
組織タイプのプラスミノーゲン アクチベーター(HP
A66)(以下参照)である人メラノーマの培養上澄に
よる線維素溶解活性は、ミナクチビンによって、前培養
の後でも阻害されなかった。トロンビンによるフィブリ
ノーゲンの凝血化も、ミナクチビンの影響を受けなかっ
た。
b)比色定量アッセイによる阻害作用 Coleman及びGreen(12)の評価方法を、ミナクチビン阻害
作用の特異性を研究するために、更に、利用した。プラ
スミノーゲンの不存在下でプラスミン アッセイ試薬と
培養する方法が(12)、プラスミンと同様のトリプシンの
高感度の評価法として使用され、一方、プラスミノーゲ
ンの存在下で、数タイプのプラスミノーゲン アクチベ
ーターが評価された。しかしながら、記載すべき例外
は、人のメラノーマの培養物中のHPA66であり、こ
れは、おそらくフィブリンの欠乏によって(16)、この評
価においては不活性であった。
ミナクチビンは、トリプシン又はプラスミンのリジン
チオエステラーゼ活性を阻害しなかった(表2)。しか
しながら、ウロキナーゼ タイプのプラスミノーゲン
アクチベーター、CUK、SUK及び手長ザルのT−リ
ンパ球ライン(MLA144)のAPA52、のプラスミノー
ゲン依存活性は、ミナクチビンによって著しく阻害され
た。更に、ウロキナーゼの阻害は、ミナクチビンが、プ
ラスミノーゲンと培養する間に存在する場合にのみ観察
され、プラスミンアッセイ段階でミナクチビンを添加し
ても起こらなかった。
希釈したラット13762腫瘍のホモジエネート中に存
在するラット プラスミノーゲン アクチベーター活性
(RPA48、おそらくHPA52と同類体)は、ミナ
クチビンに影響されなかった。
表2はミナクチビンによるプロテアーゼ比色定量アッセ
イの阻害作用を示す。非希釈ミナクチビン培養上澄(2
0μl)を、最終体積が40μlとなるようにして酵素
と23℃、2時間前培養した。
プラスミノーゲン(20μl、100μg/ml)を、次
いで、アクチベーターに添加し、プラスミンアッセイ試
薬(1ml)を、他のプロテアーゼに添加し、各々発色評
価を行なった。
c)SDS−PAGE及び線維素オーバーレイ Granelli-Piperno & Reichの線維素オーバーレイ方法(1
4)をミナクチビンの阻害作用の特異性を立証し、ミナク
チビンによって種々のプラスミノーゲン アクチベータ
ーが不可逆的に不活性化されるかどうか確認するため利
用した。
酵素のミナクチビンとの前培養は、SDS−PAGEに
より行ない、残余の酵素活性は、プラスミノーゲンを補
充したフィブリン/アガロースゲルの溶解領域として観
察した。
アクリルアミド及びフィブリン ゲルを一緒に5時間培
養して、コントロール(未処理)のウロキナーゼ(CU
K)による顕著なバンドが形成された。一つは、HPA
52の特徴を示し、他は、その蛋白質分解生産物、HP
A36の特徴を示した(17)(第9図レ−ン1)。しかし
ながら、SDS−PAGEの前に、CUKをミナクチビ
ンと前培養すると、わずかに溶解した一本のバンドが、
5時間後に、オーバーレイしたゲル中に見い出され、こ
れはHPA52よりも高分子量の位置に位置していた。
(第9A図、レーン10)。ゲルを20時間培養する
と、このバンドは、著しく増加し、HPA36として観
察されたものよりも高分子量の位置にバンドが加わった
(第6図、レーン2)。これらの結果は、最終的に残っ
た活性が未処理の酵素のものより高分子量のものを生起
させる形で、ミナクチビンがHPA52及びHPA36
を不活性化することを示す。このように、ミナクチビン
とウロキナーゼの相互作用の形態は、複合体の形成又は
ウロキナーゼの構造上のラジカルな変化であり、これが
電気泳動の移動度に影響すると考えられる(後述の3、
参照)。HPA36は、HPA52よりも不活性化を受
け易いと考えられる。
手長ザル セルラインMLA144は、血清の存在しな
い培地中にプラスミノーゲン アクチベーターを分泌さ
せるが、SDS−PAGE及び線維素で展開すると、こ
の活性は、人ウロキナーゼのHPA52と同じ分子量上
に二つに分離したバンドを形成した(第6図、レーン
3)。これらのバンドは、いずれも、MLA144の培
養上澄をミナクチビンと前培養しても影響を受けなかっ
た(第6図、レーン4)。人メラノーマの培養のMr6
6,000のプラスミノーゲン アクチベーター及びラ
ット腫瘍のMr48,000のプラスミノーゲン アク
チベーターは、ミナクチビンで処理しても影響を受けな
かった(第6図、レーン7&8)、これらの結果は、ミ
ナクチビンは、人ウロキナーゼ タイプのプラスミノー
ゲン アクチベーター(HPA52及びHPA36)を
特異性に阻害し、人組織タイプのプラスミノーゲン ア
クチベーター(HPA66)及び、他の(少なくともあ
る種の)哺乳動物のプラスミノーゲン アクチベーター
を阻害しないことを示している。
3)ミナクチビンとウロキナーゼ タイプのプラスミノ
ーゲン アクチベーターの相互作用 ミナクチビンとウロキナーゼの相互作用を、プラスミノ
ーゲンの存在下でミナクチビン及びCUKを前培養し
て、続いて、前記した比色定量アッセイにおける残余の
プラスミノーゲン アクチベーター活性を評価すること
により、分析した。不活性化は、23℃で2時間以上の
時間を要し、残余のプラスミノーゲン アクチベーター
活性の最終レベルは、ウロキナーゼ、ミナクチビン及び
プラスミノーゲンを混合したゼロ時間の半分以下であっ
た(第7図)。2時間の前培養の間に、不活性化は、当
初、急速で、それ以降、一定となり、更に、前培養して
も残余のウロキナーゼは不活性化しなかった。この結果
は、反応が、例えばウロキナーゼがプロテアーゼで分解
されるというよりも化学量論的に行なわれたことを示唆
した。培養上澄を含むミナクチビンの希釈液でウロキナ
ーゼを滴定して、第8図に示す相互作用曲線を得た。4
mPUのウロキナーゼ(CUK)活性は、この実験で用
いた培養上澄1.5μlの等量で、50%不活性化され
た。
この実験で用いた培養上澄は、前記の線維素溶解実験に
おけるコントロールで示されるように(第5図)、一般
的な蛋白分解活性を、高感度比色定量アッセイにおける
リジン チオエステラーゼ活性を欠くことからして、示
さなかった。しかしながら、ミナクチビンによるウロキ
ナーゼの不活性化に、これら二つの分子のいずれかの蛋
白分解活性が含まれるか否か確認するために、CUKを
ミナクチビンなしで、広範囲のプロテアーゼ阻害剤の存
在下で、前培養した。プロテアーゼ阻害剤及びその最終
濃度は、次の通りであった。トラシロール0.2mg/m
l、α1−抗トリプシン16μg/ml、大豆トリプシン阻
害剤0.16mg/ml、ヨードアセトアミド3mM,ED
TA6mM,SDS0.6%、トラネキサミン酸3mM
及びベンズアミジン3mM。これらの前培養物を次いで
SDS−PAGEで処理し、ウロキナーゼ活性を、前記
のように線維素溶解により観察した。ミナクチビンの存
在下における各プロテアーゼ阻害剤によるコントロール
の前培養によって、大豆トリプシン阻害剤のみが、電気
泳動後に見られる通常のHPA52及びHPA36のバ
ンドを消失させることが示された。ミナクチビンの存在
下で各前培養を行なった場合、他のどのプロテアーゼ阻
害剤も、ミナクチビンによるウロキナーゼの不活性化を
防ぐことはできなかった。しかしながら、SDSは、ミ
ナクチビンの添加の前後のウロキナーゼに添加すると、
その不活性化を防止した(第9図、レーン8)。このよ
うに、ミナクチビンはプラスミノーゲン アクチベータ
ーの阻害剤というよりも、不活性化因子であるといえよ
う。
更に、これらの結果は、ミナクチビンとウロキナーゼの
反応形態として、先ず可逆的な複合体の形成段階、次い
で、酵素とミナクチビンの1:1の複合体の分子量より
も小さく、酵素自体よりも高分子量の不可逆的生産物を
生じるSDS−感受性段階(プロテアーゼ阻害剤に対し
ては非感受性)のあることを示す。このように、前培養
のゼロ時間にSDSを添加すると、完全に、ミナクチビ
ンの阻害効果を消失させ、ミナクチビンによる前培養に
次いでSDSで処理すると、HPA52及びHPA36
を完全に、阻害する。わずかの活性が、長時間展開させ
ると、高分子量の位置に見られたが、これは、ミナクチ
ビンを添加すると阻害された。これらは、少量の一部活
性化した酵素か又は当初の可逆的複合体からの解離によ
ることを示す。
人マクロファージ直系の形質転換細胞から得た多くのプ
ラスミノーゲン アクチベーターについて、比色定量ア
ッセイによりそのミナクチビンの不活性化作用をテスト
した。ミナクチビンは人マクロファージ プレカーサー
セルライン(HL60)及び人マクロファージ様白血
球セルライン(RC2A)のプラスミノーゲン アクチ
ベーターを著しく阻害した(表3)。人赤血球セルライ
ン(K562)及び霊長類のT−リンパ球セルライン
(MLA144)によって分泌されるプラスミノーゲン アク
チベーターは、阻害されたが、マウスの尿のウロキナー
ゼは阻害されなかった。
表3 PA起源 ウロキナーゼと等価にした阻害率% ウロキナーゼ 95 単核細胞 18 RC2A 80 HL60 78 K562 75 MLA144 60 マウスの尿 4 人の変換セルラインを含む、種々の起源から得たプラス
ミノーゲン アクチベーターの単核細胞ミナクチビンに
よる阻害。
4)他の細胞集団から得たミナクチビンの特異性 他のマクロファージ細胞集団によって生産されるミナク
チビンは、単核細胞によって生産されるミナクチビンと
同じく、人ウロキナーゼ タイプのプラスミノーゲン
アクチベーターに著しい特異性を示すことが、フィブリ
ン ラジアルディフュージョン アッセイにより確認さ
れた。
プロテアーゼ、プラスミノーゲン アクチベーター、プ
ラスミン、トリプシン、HPA66(メラノーマ培養上
澄から得た組織タイプのアクチベーター)及び人ウロキ
ナーゼ(HPA52及びHPA36)を選択して、各細
胞集団で生産されるミナクチビンによる阻害作用を検査
した。
ウロキナーゼ タイプのプラスミノーゲン アクチベー
ターの特異的阻害作用は、腹膜マクロファージ及び血液
単核細胞の培養上澄に観察された(第11図)。これら
の細胞で生産されたミナクチビンは、プラスミン、トリ
プシン又はHPA66の活性に影響を示さなかった。腹
膜マクロファージ、血液単核細胞、骨髄マクロファージ
のトライトンX−100で溶解した全細胞溶解質は、全
て、ウロキナーゼ タイプのプラスミノーゲン アクチ
ベーターを阻害し、プラスミン又はトリプシンを阻害し
なかった。しかしながら、血液単核細胞及び腹膜マクロ
ファージの溶解質は、HPA66に弱い阻害作用を示し
た(第11図)。
U937セルにより生産されるミナクチビンは、その一
般的特徴において、単核細胞由来のミナクチビンと同じ
であった。U937及び単核細胞の精製ミナクチビンを
用いたフィブリンラジアル デュフュージョン アッセ
イにより特異性を比較して、これらのミナクチビンは、
ウロキナーゼ タイプのプラスミノーゲン アクチベー
ター、CUK及びSUKを特異的に阻害し、組織タイプ
のプラスミノーゲン アクチベーター(HPA66)を
阻害しないことが確認された(第12図)。プラスミン
及びマウスのウロキナーゼでは、阻害作用が見られなか
った。
単核細胞及びU937セル由来のミナクチビン標品の電
気泳動における移動度は、非変性、不連続性ポリアクリ
ルアミドゲル システムで比較すると、非常に似たもの
であった(第13図)。U937セルラインのミナクチ
ビン標品は、単核細胞のミナクチビンより、わずかに大
きい電気泳動上の移動度を示した(第13図)。このわ
ずかの差異は、ゲル上の溶解の量的差異又はこの異なる
起源のミナクチビンのグリコシレーションの差異によろ
う。
U937セル又は単核細胞から分離したミナクチビン
は、フィブリン ラジアル デュフュージョン アッセ
イによると、人胎盤から分離したプラスミノーゲン ア
クチベーター阻害因子(23)と特異性を異にする(第12
図)。人胎盤阻害因子(Calbiochem)は、ウロキナーゼ
タイプ及び組織タイプのプラスミノーゲン アクチベ
ーターの両者を、ミナクチビンの阻害作用は前者を特異
的に不活性化すると考えられる。
実施例2 ミナクチビンの製造方法 1)人単核細胞培養からのミナクチビンの精製 人血を、先ず白血球の白い「軟層」を赤血球層の上部に
形成させるべく遠心分離して、単核細胞を分離した。Fi
coll-Hypaque上で層を形成させて、白血球を、顆粒球単
核細胞を含むリンパ球に分離した。単核細胞は、リンパ
球より、遠心分離溶出法により分離した。
精製単核細胞(通常、3〜4リットルの血液から5〜8
×108細胞が得られる)は、0.20〜0.34×1
6cells/cm2の密度で15cmのプラツチック皿(ゼラチ
ンで前処理し、人血清で洗浄する)に付着させ、0.0
5μg/mlのムラミル ジペプチド(アジュバンド ペ
プチド)を含む血清不存在のRPMI−1640(0.
50〜0.75ml/106cells)で培養した。培養を3時
間続けた後、培地を採取し、遠心分離により清澄化し
た。次いでNaClを上澄に2Mまで添加し、これを4
℃でフェニル−セファロース アフィニティー(Pharma
cia)にかけた。カラムを2M NaClを含む、pH
7.8の50mMグリシンで洗浄して蛋白質を除去し、
そして同じ緩衝液中NaClの下降グラジエントにより
固着した蛋白質を溶出させた。このグラジエントのフラ
ンクションを用いて、Coleman及びGreenの方法(12)によ
り、ミナクチビン活性を評価した。蛋白質濃度は、Lowr
y法(24)により決定した。代表的結果を第14図に示
す。最も活性の高いフラクションを保管し、pH7.8の
50mMグリシンで透析し同じ緩衝液で平衡にしたCiba
cron Blue−セファロース(Phermacia)のアフィニティ
カラムに、そのまま又はCentricon 30(Amico)で濃縮
して、かけた。ミナクチビンは、吸着されないが、他の
不純蛋白質は、カラム中に残った。この操作によって得
られた精製度合は、蛋白質(Lowry法)及びウロキナー
ゼ阻害作用の比色定量アッセイにおけるミナクチビン活
性の滴定を基礎として、1,000倍のオーダーであっ
た。ミナクチビン生産物とウロキナーゼの相互作用は、
ミナクチビン培養上澄について観察されたように(第8
図)、化学量論的であった。ミナクチビン生産物は、2
00〜500単位/mlのミナクチビンを含むが、ミナク
チビン成分は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動によっても明確に同定し得なかった。
この方法によるミナクチビンの精製に続いて、培養中生
体内にラベルした(35S−メチオニン)単核細胞標品を
用いてSDS−ポリアクリルアミド ゲル電気泳動を行
なった。3日間で多くの蛋白質が血清不存在の培養基中
に分泌され、続くフェニル−セファロース クロマトグ
ラフィーにより、著しく比活性が増加した(第15
図)。他の不純蛋白質は、更に、Blue−セファロース
クロマトグラフィにより除去した(第16図)。ウロキ
ナーゼ(HPA36)を、これらのミナクチビン標品と
培養したところ、分子量の移動が観察され、Mr70〜
75,000のウロキナーゼ−ミナクチビン複合体が得
られた(第16図)。電気泳動の移動度におけるこの変
化は、ミナクチビンとしての蛋白質の分子量を同定する
ために利用可能である。この移動はMr39〜48,0
00のミナクチビン標品中の主要な蛋白質バンドの消失
と相互に関係する。Mr60,000及び32,000
のバンドも観察された。単一の蛋白質バンドは、分子量
30〜35,000に相当するものであった。
2)人マクロファージ セルライン U937のミナク
チビンの精製 細胞培養 非付着性の人マクロファージ セルライン U937
を、10%牛胎児血清及び1μMデキサメタゾンを含む
RPMI1640中で、T175培養フラスコ又は10
リットルBraunファーメンターを用いて培養した。細胞
濃度は、1〜3×106cells/mlに保持した。生長期の
間に、細胞によってミナクチビンが分泌されるが、細胞
は、ミナクチビン精製のための上澄を得るべく血清不存
在の培地に移した。細胞ペレットを、洗浄し、1μMの
デキサメタゾンを含むRPMI1640中に懸濁させ、
3日間培養した。細胞の生育力を高めるために、0.7
%ゼラチンを血清不存在培地に添加した。ゼラチンの添
加により、ミナクチビンの活性は、4〜8倍に増加し
た。(第17図)。
細胞を採取し、上澄を精製の実施例に用いた。実施例
は、精製ミナクチビン標品を得るために、適宜の組み合
わせ及び順序で行ない得る。
精製実施例1 ステップpH溶出法によるフェニル−セフ
ァロース クロマトグラフィー 0.7%ゼラチンの存在下で培養したU937細胞から
得た上澄を用いてミナクチビンを精製した。50mlのフ
ェニル−セファロース カラムを、2M NaClを含
む、pH5.5の50mMクエン酸塩で平衡にした。U9
37培養上澄1.6リットルについて、クエン酸でpH
5.5に調節し、カラムにかける前に、NaClを2M
濃度まで添加した。カラムは、同等の緩衝液で、充分、
洗浄し、次いで、0.5M NaClを含む、pH5.5
の50mM クエン酸塩で洗浄した。次いで、ミナクチ
ビンを50mM グリシン、pH7.8で溶出し、Colema
n及びGreenの比色定量法(12)により活性を評価した。蛋
白質含有量は、Bradford法(25)により決定した。結果
を、第18図に示す。
回収率は、3,360ミナクチビン単位、又は、比活性
では140単位/mgで、66%であった。これは、21
4倍の比活性の増加を意味する。
精製実施例2 塩溶出法によるバッチ式フェニル セフ
ァロース クロマトグラフィー U937細胞をゼラチン不存在下で培養して得た上澄を
用いてミナクチビンを精製した。
a)血清不存在ミナクチビン上澄の濃縮 4〜5リットルの上澄を、30,000MWカットオフ
カートリッジを装備したAmicon DC2 Hollow Fiber Di
alysis/Concentrationユニットを用いて、10倍濃度に
濃縮した。濃縮物は、次いで、全ての着色物を除去する
ために、pH7.8の50mMグリシンで透析した。
b)ミナクチビン濃縮物の遠心分離 透析した濃縮物を、JALOロータ中で、残余の細胞の破片
及び透析中に沈澱した蛋白質を除去すべく、4℃、8,
000rpmで30分間遠心分離した。清澄化した上澄を
分画し、−20℃に凍結して続く精製処理に備えた。こ
の段階では、当初のミナクチビン活性が100%回収さ
れ、比活性20単位/mgで10〜20,000単位のミ
ナクチビンが得られた。
c)バッチ式 フェニル−セファロース クロマトグラ
フィー ミナクチビンは、濃縮培養上澄(0.7ゼラチンの存在
下で培養した細胞から得た。比活性は、1単位/mg)を
用いて、更に、フェニル−セファロースを使用したバッ
チ式塩溶出法により、精製を行なった。上澄(750mls)
のイオン強度を、NaClで2Mに調節した。2M N
aClを含む、pH7.8の50mMグリシンで平衡させ
たフェニル−セファロースを、上澄に対して1:7.5
(w/v)の割合で添加した。懸濁液を室温で2時間又
は4℃で一夜、攪拌下で培養した。フェニル−セファロ
ースを、グラスフィルターで除去し、次いで、同じ緩衝
液を用いて完全に洗浄し、不純蛋白質を除去するべく、
1.4M NaClを含むpH7.8の50mMグリシン
で洗浄した。ミナクチビンは、次いで、pH7.8、50
mMグリシンによりカラムから溶出した。
この方法によるミナクチビン活性の収量は、4,800
単位であり、これは、出発物質の35%収率に相当す
る。ミナクチビン生産物の比活性は、96単位/mgで約
100倍増加した。
精製実施例3 ステップpH溶出法によるDEAE−セフ
ァロース クロマトグラフィー 細胞不存在の上澄について、実施例2に記載のステップ
(a)及び(b)に従って、pH溶出を行なった。濃縮し
たミナクチビンの上澄(40ml、6.5単位/ml)を、
pH7.8、50mMグリシンで平衡にしたDEAE−セ
ファロース カラムにかけた。非吸着の蛋白質を除くた
めに、同等の緩衝液で完全に洗浄後、ミナクチビンを、
pH5.0、25mMクエン酸−リン酸塩で溶出させた。
次いで、残余の蛋白質を除去するために、2M NaC
lを含む、pH5.0、25mMクエン酸−リン酸塩で洗
浄した。結果を第19図に示す。
この方法によって生成されたミナクチビンは、比活性が
63単位/mgで、35%の収率で回収された。これは、
比活性で10倍の増加を意味する。
精製実施例4 予備的な非変性ゲル電気泳動 細胞不存在の上澄について、実施例2に記載のステップ
(a)、(b)及び(c)に従って、ミナクチビン
(3.5単位、比活性25単位/mg)及び適当な標準蛋
白質を電気泳動に先立って、等量の緩衝液で混合した。
緩衝液は、0.025%ブロモフェノール ブルー、
0.025%キシレン−シアノール、50mMトリス−
HCl、pH7.5、18%シュクロース及び1%トライ
トンX−100から成る。ゲルは、5〜15%直線ビス
−アクリルアミドグラジエントで構成され、ゲルシステ
ムは、基本的には、ナトリウム ドデシル−サルフェー
トを無添加として、Laemmliの方法(26)を用いた。緩衝
液槽のランニング緩衝液としては0.15%トライトン
X−100をSDSの代用に用いた。サンプルをゲルに
供して、100mAにて電気泳動を行なった。温度は、
水冷システムにより25℃以下に保持した。低移動性の
キシレン−シアノールの発色が、ゲルの全長を移動した
後に、ゲルを取り除いた。ゲルをセクション(約0.5
×1cm)にカットし、pH7.8、50mMグリシン15
0μlを添加し、サンプルをBranson Soifier cell dis
rupterを用いて、10〜20秒間、4℃、ソニック パ
ワー20で超音波処理した。蛋白質は、ゲルセクション
より攪拌下で一夜溶出させた。サンプルを14,930
g、10分間遠心分離して、ゲルをペレット化し、上澄
を分離してミナクチビン活性の評価に用いた。蛋白質の
含有量を発色させて観察させるために、重複してサンプ
ルを処理した。結果を、第20図に示す。
ゲルからのミナクチビンの回収率は高く、一回の抽出
で、当初活性の64%が回収された。更に13%が第二
回の抽出で回収された。銀白色に発色した蛋白質の状況
から、ミナクチビン活性は、標品中の不純蛋白質からな
り分離していることが分った。得られたミナクチビンの
比活性は、2323単位/mgで、これは、このステップ
で93倍精製されたことを意味する。
精製実施例5 Blue−アガロース クロマトグラフィー 細胞不存在の上澄について、実施例2に記載にステップ
(a)及び(b)に従って、10mlの濃縮上澄(600
単位、20.0mg、比活性30.0)を、pH7.0、1
00mM Na フォスフェートで平衡にした3.2cm
×2.8cmのBlue−アガロース カラムに供した。カラ
ムを、同じ緩衝液で洗浄し、8.1mlのフラクションを
集めた。フラクションを7グループに分けて保管し、pH
7.8、50mMグリシンで4℃、一夜透析し、次い
で、蛋白質含有量及びミナクチビン活性について評価し
た。ミナクチビンは、カラムから溶出され、その比活性
は120単位/mgで、4倍の増加を示した。
精製実施例6 塩グラジエント溶出法によりDEAE−
セファセル クロマトグラフィー 細胞不存在の上澄について、実施例2に記載のステップ
(a)及び(b)に従って、10mlの濃縮上澄(640
単位、20.0mg、比活性32.0単位/mg)を、pH
7.8、50mMグリシンで平衡にした2.6cm×6cm
のDEAE−セファセル カラムに供した。カラムを、
pH7.8、50mMグリシン50mlで洗浄し、次いで同
じ緩衝液で、0から0.5Mに至るNaClの直線グラ
ジエントを500ml NaClで行なった。完了後、グ
ラジエント カラムを、1M NaClを含むpH7.
8、50mMグリシン90mlで、更に、洗浄した。6ml
のフラクションを集めた。10フラクションを保管し、
pH7.8、50mMグリシンで4℃、一夜透析を行な
い、ミナクチビン活性及び蛋白質含有量を評価した。結
果を第21図に示す。ミナクチビンは、0.24M N
aClで溶出され、最大活性を示すフラクションは、比
活性216単位/mgで、回収率79%であった。これ
は、6.75倍に精製されたことを意味する。
精製実施例7 pHグラジエント溶出法によるDEAE−
セファセル クロマトグラフィー 細胞不存在の上澄について、実施例2に記載のステップ
(a)及び(b)に従って、10mlの濃縮培地(400
単位、20mg、比活性20.0単位/mg)を、pH6.
9、20mM NH4Acで平衡にした2.6cm×6cm
のDEAE−セファセル カラムに供した。カラムを、
pH6.9、20mM NH4Ac 30mlで洗浄し、次
いで20mM NH4Acから20mM酢酸に至る50
0mlのグラジエントによりミナクチビンを溶出させた。
完了後、カラムを20mM酢酸で、275nmの吸収がベ
ースラインに至るまで、洗浄した。5.5mlのフラクシ
ョンを集めた。10グループのフラクションを保管し、
NaOHでpHを7及び8の間に調節した。5.0mlの各
保管標品を、pH7.8、50mM グリシンで一夜透析
し、次いで、ミナクチビン活性及び蛋白質含有量を評価
した。結果を第22図に示す。pH5.3で溶出された最
大活性を示すフラクションは、出発材料と比較して74
%の活性を示した。比活性は、1966単位/mgで、9
8倍に精製されたことを示した。各保管フラクションよ
り70μgの蛋白質が回収され、SDS−PAGEで評
価した。結果を第23図に示す。
精製実施例8 ハイドロキシル アパタイト クロマト
グラフィー 細胞不存在の上澄について、実施例2に記載のステップ
(a)及び(b)に従って、10mlの濃縮上澄〔520
単位、16.6mg、比活性31.0単位(mg〕を、pH
7.8、50mM グリシンで平衡にしたハイドロキシ
ルアパタイト カラム(2.6cm×4.5cm)に供し
た。カラムを、pH7.8、50mMグリシンで洗浄し、
次いで、50mMグリシン、pH7.8から0.5Mナト
リウム フォスフェート、pH7.0に至る500mlのグ
ラジエントを行なった。10グループのフラクションに
保管し、4℃、一夜透析した。これらのミナクチビン活
性及び蛋白質含有量につき評価した。第24図による
と、ミナクチビンは、グラジエントの最終段階で溶出さ
れ、最大活性フラクションは、50%の回収率を示し
た。比活性は、651単位/mgで、21倍に精製された
ことを示す。各フラクションから70μgの蛋白質を回
収し、SDS−PAGEで評価した。その結果を第25
図に示す。
実施例3 腫瘍組織のミナクチビンの効果 この実施例では、結腸腫瘍細胞に対するミナクチビンの
効果について検討するに際して使用した方法について詳
しく説明する。
方法 1)組織サンプル及び均質化 人結腸のサンプルは、外科的に切除して入手した。粘膜
筋より解剖操作で結腸粘膜を取り出し、これをHank's溶
液で洗浄した。肉眼的にみて正常な粘膜及び直性癌腫を
各結腸から採取し、凍結貯蔵した。一部を解凍し、計量
され、mg組織当り(含水重量)10μlの緩衝液を用い
て、0.5%トライトンX−100を含むpH7.8、5
0mMグリシンで静かにホモゲナイズした。
2)プラスミノーゲン アクチベーターの比色定量アッ
セイ 組織均質物及び細胞培養上澄のプラスミノーゲン アク
チベーター含有量を、Coleman及びGreenの評価方法(12)
によって実施例1と同様にして測定した。前記のように
して調製した均質物は、評価に先立って、1:10に希
釈した。
3)SDS−PAGE及び線維素オーバーレイ Granelli-Piperno及びReichの方法(13)を、実施例1に
記載した如く、当該分離技術のめに利用した。組織均質
物を、11%アクリルアミド ゲルに、(a)そのまま
未処理で、(b)アフィニティーで精製した人プラスミ
ノーゲンと、37℃、30分間培養した後、(c)単核
細胞ミナクチビンと、23℃、90分間培養した後、又
は(d)先ず、プラスミノーゲンと、次いで、ミナクチ
ビンと培養した後、通した。上記培養物の未処理サンプ
ル(60μl)を、SDSサンプル緩衝液(40μl)
を用いて、ゲルに通した。
4)ラジアル ディフュージョン アッセイ 実施例1に記載した通りに、ラジアル ディフュージョ
ンアッセイを行なった。培養に用いたプロテアーゼは、
カリクレイン(1.5μg)、プラスミン(150μ
g)、マウス ウロキナーゼ(2.5mPU)HPA6
6(メラノーマ培養上澄)、人ウロキナーゼ(12.5
mPU)及びCOLO394上澄(1.3mPU HP
A52を含む)である。これらの酵素は、過剰量のミナ
クチビンと、23℃で90分間培養し、次いで、ゲルに
供した。
5)結腸腫瘍細胞の培養 人結腸腫瘍セルラインCOLO394(28)を、10%牛
胎児血清を補足したRPMI−1640中で培養し、2
週間経過させた。
ミナクチビン及び腫瘍細胞の酵素の効果を研究するため
に、約3×106cells/wellを、6−place multi-well
plate(Linbro No.76-058-05)に供した。一夜付着培養
させた後、細胞を洗浄し、48時間、血清不存在のRP
MI−1640で培養した。三つの実験用培地として、
1)人プラスミノーゲン(15μg/ml)、2)プラス
ミノーゲンとミナクチビン(1PUのウロキナーゼと等
価)、3)プラスミノーゲン、ミナクチビン及びトラシ
ロール(18μg/ml)、を更に用いた。
6)ミナクチビン標品 この実験で用いたミナクチビンは、実施例6に記載され
た通り、人血単核細胞の培養上澄から調製した。プラス
チック皿上での単核細胞の付着培養は、ムラミル ジペ
プチド0.05μg/mlを含むPRMI1640で3時
間行なった。
結果 腫瘍組織均質物のミナクチビンの効果 1)正常及び腫瘍結腸組織のプラスミノーゲン アクチ
ベーター含有量の比較 a)比色定量アッセイ 結腸粘膜の希釈ホモジエネートのプラスミノーゲンアク
チベーターについて、Coleman及びGreenの方法(12)で評
価を行なった。この評価では、用いたプラスミノーゲン
基質が前酵素の活性化に充分な量で含まれていることか
ら、プラスミノーゲン アクチベーター酵素(すなわ
ち、前酵素及び活性化酵素)の全量を測定した。希釈ホ
モジエネート中のプラスミノーゲン非依存性の天然プロ
テアーゼによるリジン チオエステル プラスミン基質
の直接的加水分解は、発色展開に著しい影響を示さなか
った。癌化した結腸の組織学上の正常領域と、直性結腸
癌組織について、第26図に示した如くプラスミノーゲ
ン アクチベーター活性を評価した。
正常組織ホモジエネートの活性は、平均値0.5±0.
16の範囲に集中していた。サンプルの一部がSDS−
PAGE 線維素オーバーレイでウロキナーゼ活性バン
ドを示したが、より高感度の比色定量アッセイでは、正
常組織のホモジエネートは全てプラスミノーゲン アク
チベーターを含んでいた。これは低レベルのウロキナー
ゼ タイプのプラスミノーゲン アクチベーター(HP
A52)によるものであって、偏在する組織タイプのプ
ラスミノーゲン アクチベーター(HPA66)による
ものではないと考えられる(29)。
しかしながら、腫瘍ホモジエネートは、10倍の吸収レ
ンジをカバーするプラスミノーゲン アクチベーター活
性の広いスペクトルを示した。平均吸収値は、1.15
±0.56であり、正常の組織ホモジエネートの平均値
の2倍以上であった。しかしながら、この割合は、全て
の材料サンプルを包含するものであり、腫瘍サンプル
を、各結腸の正常組織の相当するサンプルと組み合わせ
た場合(第27図)は、5倍以上の組み合わせもあり、
平均値は3倍以上に増加した。
b)SDS−PAGE及び線維素オーバーレイ 癌化した結腸の組織学的に正常な領域から得た結腸粘膜
は、人メラノーマ培養上澄の組織タイプ プラスミノー
ゲン アクチベーター(HPA66)に相当する、SD
S−PAGEの線維素−アガロース ツイモグラム上で
の、唯一の主要溶解バンドを形成した(第28A図)。
分子量約96,000及び110,000に相当する他
のバンドも形成された。しかしながら、正常組織のホモ
ジエネートは、高分子量のウロキナーゼ、すなわちHP
A52に相当する溶解バンドを形成した(以下参照)。
代表的な正常な結腸の非希釈ホモジエネートをアッセイ
緩衝液中で人プラスミノーゲンと培養すると、プラスミ
ノーゲンの活性化が起こりプラスミンのバンドがツイモ
グラム上のMr85,000上に形成された(第28A
図、レーン2)。サンプルを取り除き、プラスミノーゲ
ンと2時間培養すると、HPA66の活性は、消失し
た。96,000及び110,000の主要バンドもす
みやかに消失した。
癌組織のホモジエネートは、HPA52の主要バンド
と、相対強度を異にした第2のHPA66 バンドを形
成した(時として、ほとんどわずかである)(第28
B)。前記した副次的なバンドは、通常、きわめてわず
かであるか又は形成されない。プラスミノーゲンと前培
養すると、37℃、2時間後に消失した(第28B図、
レーン2〜4)。生産されたプラスミン(Mr85,0
00の溶解)は、HPA52を分解して約Mr33〜3
6,000の活性分解物を生産した。
2)ウロキナーゼ タイプのプラスミノーゲン アクチ
ベーターとミナクチビンの結腸粘膜ホモジエネート中で
の相互作用 正常結腸組織ホモジエネートを電気泳動に先立ってミナ
クチビンで処理しても、組織タイプのプラスミノーゲン
アクチベーターによって形成される溶解バンドに影響
を与えないが、副次的なHPA52バンドは、ほとんど
すべて消失させる(第29A)。
ホモジエネートをプラスミノーゲンと前培養すると、H
PA52 バンドを消失させ、その活性分解物のMr3
3〜36,000に相当するわずかなバンドを形成させ
る、プラスミンが生産された。プラスミノーゲンと前培
養し、ミナクチビンで処理すると、HPA52 バンド
及び33〜36,000のわずかなバンドは消失した。
腫瘍ホモジエネートは、ミナクチビンと培養することに
よって消失される、顕著なHPA52の溶解バンドを形
成した(第29B図)。電気泳動に先立ってプラスミノ
ーゲンと前培養すると、プラスミンが生産され、これ
は、正常組織ホモジエネートで観察されたように、HP
A52をHPA33〜36に、順次、変換された。この
ように、ミナクチビンはHPA66に影響を与えない
が、腫瘍結腸組織及びこれらの正常結腸組織のホモジエ
ネート中のMr52,000バンドを形成する酵素は、
人単核細胞ミナクチビンと培養すると影響を受ける。ホ
モジエネートを、当初、プラスミノーゲンで、次いでミ
ナクチビンで処理すると電気泳動の後に通常見られるH
PA52バンドは消失し、HPA33〜36に相当する
バンドも無くなった(第29B図)。このように、HP
A52をミナクチビンで不活性化も、次いでプラスミノ
ーゲンで処理すると、未処理ホモジエネートの場合より
も著しく効果的であるように見える。このことは、組織
中のHPA52の形は、実際には、前酵素であり、ミナ
クチビンとの反応は、おそらくプラスミンによる。活性
酵素への変換に関することを示唆している。
3)ウロキナーゼ タイプのプラスミノーゲン アクチ
ベーターの前酵素体についてのミナクチビンの特異性
(比色定量アッセイ) ミナクチビンとウロキナーゼの化学量論的な相関関係
は、ウロキナーゼ濃度の広い範囲、すなわち、10mP
Uから1000mPUにわたって適用される(第30
図)。しかしながら、結腸粘膜の希釈ホモジエネート中
のプラスミノーゲン アクチベーターのミナクチビンに
よる阻害作用を滴定定量してみると、このような特性は
示されない(第31図)。実際には、腫瘍組織ホモジエ
ネート中の増強された活性を阻害する場合よりも、正常
組織中のHPA52の低レベルの活性を阻害する場合
は、より多くのミナクチビンが必要とされる。このこと
は、組織ホモジエネート中のHPA52の前酵素体の存
在と矛盾するものではない。
このHPA52前酵素体の存性は、結腸腫瘍の形質転換
セルラインCOLO394を培養して得た血清不存在の
上澄を用いて示される。このセルラインにより分泌され
るプラスミノーゲン アクチベーターは、本質的に、わ
ずかのより高分子量のバンドを伴ったHPA52から成
り、これは、腫瘍組織ホモジエネートと非常に類似した
パターンを示す(第32図)。プラスミノーゲンが培地
中に含まれていると、HPA52のHPA36への変換
を促進するプラスミン(第33図、比色定量アッセイで
示される)が生産される。培地に、ミナクチビンとプラ
スミノーゲンが加えられると、培養中に生産されるプラ
スミノーゲン アクチベーターは、SDS−PAGE及
び線維素オーバーレイ展開(第32図)、及び比色定量
アッセイ(第33図)に見えられる如く、不活性化され
る。しかしながら、プラスミンの有力な阻害剤であるト
ラシロールを、プラスミノーゲン及びミナクチビンと一
緒に培地に添加すると、不活性化は起らない(第32
図)。トラシロールは、ミナクチビンとウロキナーゼの
反応に直接影響を与えないので、これらの結果は、CO
LO394により生産されるHPA52は、活性の発現
及びミナクチビンとの反応にプラスミンを必要とする前
酵素体であること示す。SDS−PAGE線維素オーバ
ーレイシステムにおいては、活性化は、プラスミノーゲ
ン基質中に存在するわずかのプラスミンにより生じる。
これは、プラスミンがトラシロールにより阻害されると
生じない。
これらの結果は、主要な人癌腫が、隣接する組織の場合
よりも著しく多量のウロキナーゼタイプのプラスミノー
ゲン アクチベーターを生産することを示すものであ
る。ミナクチビンは、直接、組織ホモジエネートに添加
すると、人ウロキナーゼタイプのプラスミノーゲン ア
クチベーター、HPA52を少なくとも部分的に阻害す
る。この不活性化作用は、ウロキナーゼ タイプのプラ
スミノーゲン アクチベーター、HPA52に特異的で
ある。ミナクチビンは、HPA52前酵素体には作用し
ないこと、ミナクチビンと反応する前にHPA52を活
性型に変換するためにプロテアーゼ活性が必要とされる
こと(この場合、プラスミン)、が確認された。
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【図面の簡単な説明】
第1図 血液の単核細胞培養にるミナクチビンの生産。 単核細胞の付着培養において、△−△は、リポポリサッ
カライド(0.1mg/ml)、○−○は、ムラミル ジペ
プチド(10μg/ml)を含むコントロール培地。□−
□は、A:培養上澄をウロキナーゼで評価し、24時間
毎に新鮮培地に置き換えた。 B:細胞溶解質中のミナクチビンのコントロール。 第2図 単核細胞の培養中のミナクチビン活性度合。24時間培
養した上澄を希釈して評価した。 △−△、1:5希釈、□……□、1:10、 ○−○又は……、1:20 第3図 人腹膜マクロファージの培養によるミナクチビンの生産
及び分泌。付着マクロファージは、コントロール培地△
−△、又はムラミル ジペプチド(10μg/ml)含有
培地□−□で生長した。下の2本の曲線は、溶解質を、
上の2本の曲線は上澄を示す。 第4図 人骨髄質マクロファージの第2培養におけるミナクチビ
ンの生産及び分泌。条件は、第3図と同じ。 第5図 線維素溶解におけるミナクチビンの効果。 プロテアーゼ溶液(10μl)を、ミナクチビン培養上
澄(10μl)と共に(上の二列)又は、加えることな
く(下の列)と前培養し、混合物(5μl)を、プラス
ミノーゲンを補足した線維素/アガロース ゲルに供し
た。20μlの前培養当たり用いた酵素とその量は、
2.トリプシン100ng、プラスミン600ng、
4.CUK(Calbiochemウロキナーゼ)50mPU、
5.SUK(Sigmaウロキナーゼ)100mPU、及び
6.メラノーマ培養上澄の希釈物、であり、コントロー
ル ウエル 1及び7は、緩衝液及びミナクチビン上澄
を、各々含有する。ゲルは、30℃で20時間培養し
た。 第6図 ミナクチビン前培養後のSDS−PAGE処理。 CUK(30mPU、レーン1及び2)、MLA144
(30μl希釈培養上澄、レーン3及び4)、人メラノ
ーマ(20μl培養上澄、レーン5及び6)、及びラッ
ト13762腫瘍(20μl 1%ホモジエネート、レ
ーン7及び8)のプラスミノーゲン アクチベーター
を、ミナクチビン培養上澄の存在下(偶数番号)及び不
存在下(奇数番号)でSDS−PAGE処理に先立って
前培養した。37℃で20時間培養して線維素オーバー
レイ ゲルで展開した。 第7図 ミナクチビンと前培養することによるCUKの不活性
化。ウロキナーゼ(4mPU)標品を、単核細胞培養上
澄(6μl)と、23℃で、種々の時間前培養し、次い
で、テストに示した如く比色定量アッセイを行なった。
上の曲線は、緩衝液で前培養したウロキナーゼである。 第8図 CUKのミナクチビンによる滴定定量 ウロキナーゼ標品(4mPU)を、希釈ミナクチビン上
澄(20μl)と前培養し、次いで、比色定量アッセイ
を行った。 第9A図 ミナクチビンでCUKを不活性化するためのプロテアー
ゼ阻害剤コントロール。 ウロキナーゼ標品(20mPU)を、以下のプロテアー
ゼ阻害剤と前培養した。すなわち、レーン1:コントロ
ール、レーン2:トラシロール(0.2mg/ml)、レー
ン3:α1−抗トリプシン(16μg/ml)、レーン
4:トラネキサミン酸(3mM)、レーン5:ヨードア
セトアミド(3mM)、レーン6:EDTA(6m
M)、レーン7:大豆トリプシン阻害剤(0.16mg/m
l)、レーン8:SDS(0.6%)、レーン9:ベン
ズアミジン(3mM)及びレーン10:ミナクチビン培
養上澄(20μl)。 第9B図 プロテアーゼ阻害剤の存在下におけるCUKのミナクチ
ビンによる不活性化。 第9A図の前培養を、各々プロテアーゼ阻害剤前培養に
含まれるミナクチビン培養上澄(20μl)で繰り返し
た(レーン2〜9)。 第10図 2.5mlのアルブミンを含まないミナクチビン培養上澄
−、及び1.0mlの1%血清アルブミンを含む未調整R
PMI……の溶出について、ウロキナーゼ阻害作用及び
蛋白質を評価した。 セファクリル S 300(95×1.5cm)をカラム
に詰め、0.15M NaClを含む50mMグリシン
(pH7.8)で6m/hrの速度で溶出させた。矢印は、
ボイド ボリューム及びベッド ボリュームを示す。 第11図 プロテアーゼ阻害作用のラジアル ディフュージョン線
維素ゲル アッセイ。 A列:HPA66を含む人メラノーマ セル ラインの
上澄、B列:HPA52及びHPA36を含むウロキナ
ーゼ、C列:トリプシン、D列:プラスミン。カラム1
及び2は、人腹膜マクロファージ及び血液単核細胞の上
澄を、各々、含み、カラム4〜6は、骨髄質マクロファ
ージ、腹膜マクロファージ及び血液単核細胞の溶解質を
各々含む。カラム3及び7は、培地及び溶解緩衝液を含
むコントロールを示す。 第12図 プロテアーゼ阻害作用のラジアル ディフュージョン線
維素ゲル アッセイ。 A列:緩衝液コントロール、B列:単核細胞のフェニル
−セファロース精製ミナクチビン、C列;U937細胞
のフェニル−セファロース精製ミナクチビン、D列:胎
盤阻害剤(Calbiochem)、カラム1:豚プラスミン60
μg/ml(Sigma)、カラム2:HPA52を含むウロキ
ナーゼ、CUK:5PU/ml、カラム3:HPA36を
含むウロキナーゼ、SUK:5PU/ml、カラム4:人
メラノーマ セルライン上澄、MM170:HPA66
含有、カラム5:マウス ウロキナーゼ、1/10希釈
のマウスの尿。 第13図 ミナクチビンによって生じるU937及び単核細胞の電
気泳動移動度。 サンプルを6〜16%グラジエントの未変性(非SD
S)ポロアクリルアミドゲルで電気泳動し、10mlのS
UK、1PU/mlで、23℃、1時間培養し、線維素/
アガロースゲルにオーバーレイし、一夜展開させた。同
一サンプルを、電気泳動し、Comassie Blueで発色させ
た。レーン4:標準分子量、レーン3:フェニル−セフ
ァロース精製U937ミナクチビン、レーン2:フェニ
ル−セファロース精製単核細胞ミナクチビン、レーン
1:レーン3と同じ。 第14図 フェニル−セファロースによる単核細胞ミナクチビンの
精製状況 フェニル−セファロース カラムを、2M NaClを
含むpH7.8の50mMグリシン緩衝液で平衡にした。
2M NaClに合わせた単核細胞上澄を通した後、グ
リシン−NaClを用いて洗浄した。グリシン緩衝液中
NaClの下降グラジエントによってミナクチビンが溶
出された。−:蛋白質(Lowryアッセイによる、OD7
50nm)、……:NaCl濃度、……:ミナクチビンの
ウロキナーゼ阻害作用(逆ピーク状)。 第15図 単核細胞ミナクチビンの生体外ラベリング。 付着単核細胞を、ムラミル ジペプチドの存在下で35
−メチオニン(1mCi、800Ci/mmol、Amersham)を添
加して培養した。上澄標品を3日経過の時点で取り除い
た。ミナクチビンをフェニル−セファロースを用いて精
製した。各標品をCentricon30(Amicon)を用いて5
0倍に濃縮し、5〜15%アクリルアミド グラジエン
トによるSDS−PAGEで、その30μlについて解
析した。ラベル化された蛋白質をフルオロ グラフィー
(Amplify、Amersham)により探知し、Kodak O-MATX線
フィルム上に、ゲルを10日間さらした。レーン2〜6
は、示された時間に取り除いたサンプル、レーン7は、
フェニル−セファロース精製ミナクチビン標品、レーン
1及び8は、高及び低分子量の標準を、各々、示す。 第16図 生体内でラベル化した単核細胞ミナクチビン及びウロキ
ナーゼ複合体の精製。 条件は、基本的には、第15図及び明細書に記載したの
と同様。各サンプルを、ゲルに30μl通す前に、10
倍に濃縮した。18日間さらした。レーンAは、フェニ
ル−セファロース精製ミナクチビン、レーンBは、Blue
セファロース精製ミナクチビン、レーンCは、電気泳動
の直前にサンプルに0.1%2−メルカプトエタノール
を添加することを除き、Bと同様。各サンプルは、27
PU SUKによる23℃、90分間の(−)又は
(+)前培養で示される。外側のレーンは、標準分子量
を示す。 第17図 ミナクチビン生産に対するゼラチンの効果 U937細胞(1.3×106cells/ml)を血清不存在
培地でデキサメタゾンと、0.7%ゼラチンの存在下
(×−×)及び不存在下(・−・)で、培養した。 第18図 ステップpH溶出法によるフェニル−セファロース クロ
マトグラフィー 実施例1記載の如く行なった。A部分は、溶出を50m
Mクエン酸塩、pH5.0、0.5M NaClに、B部
分は、50mMグリシン、pH7.8に変えた。 第19図 ステップ式pH溶出法によるDEAE−セファロース ク
ロマトグラフィー ミナクチビン含有上澄を、DEAE−セファロースを用
いて、精製実施例3記載の如く、フラクションに分画し
た。ミナクチビン活性は、カラム外に示す。 第20図 予備的な未変性ゲル電気泳動 フェニル−セファロース精製ミナクチビン標品を、精製
実施例4記載の如く、更に、未変性ゲル電気泳動で分画
した。ゲル切片から溶出したミナクチビン活性は、カラ
ム外に示す。下に、シルバー発色法による発色ゲルのレ
ーンを示す。 第21図 塩グラジエント溶出法によるDEAE−セファロース
クロマトグラフィー ミナクチビン含有上澄を、精製実施例6の如く、DEA
E−セファセル カラムで分画した。生物活性の単位
は、カラム外に示す。……:A275、……:NaCl
濃度。 第22図 pHグラジエントによるDEAE−セファセル クロマト
グラフィー ミナクチビン含有上澄を精製実施例7の如く分画した。
生物活性の単位は、カラム外に示す。蛋白質含有量は、
カラム内に示す。……:A275、……:pH。 第23図 DEAE−セファセル フラクションのSDS−PAG
E処理 第22図に示したDEAE−セファセル クロマトグラ
フィーのフラクションから得た蛋白質70μlを、Laem
mli法(26)によりSDS−PAGE処理した。レーン
1:分子量マーカー、レーン4:フラクション30〜4
0、レーン5:フラクション40〜50、レーン6:5
0〜60、レーン7:60〜70、レーン8:70〜8
0、レーン9:80〜90、レーン10:90〜10
0。 第24図 ハイドロキシアパタイト クロマトグラフィー ミナクチビン含有上澄を、精製実施例8の如く、分画し
た。生物活性単位は、カラム外に示す。蛋白質含有量
は、カラム内に示す。……:A275、……:Naフォ
スフェート濃度。 第25図 ハイドロキシアパタイト クロマトグラフィーのフラク
ションのSDS−PAGE処理 第24図のハイドロキ
シアパタイト クロマトグラフィーのフラクションから
得た蛋白質70μgを、Laemmli法(26)の如く、SDS
−PAGEで解析した。レーン:8フラクション70〜
80、レーン9:フラクション80〜90、レーン1
0:90〜100。 第26図 人結腸粘膜ホモジエネート中のプラスミノーゲン アク
チベーターの比色定量アッセイの結果を、ヒストグラム
は示す。プラスミノーゲン基質は、わずかのプラスミン
を含んでおり、前酵素と活性酵素の総和を、結果は示し
ている。活性は、412nmの吸収を示す。同じ評価条件
で、4mPUの市販ウロキナーゼは、412nmで0.9
の吸収を示した。 第27図 15の結腸腫標品(斜線の長方形)のプラスミノーゲン
アクチベーター活性を、同じ結腸由来の正常組織(長
方形)の活性と比較した。サンプルは、左から右へ、腫
瘍:正常の割合(T/N)値で増加するように並べた。 第28A図 SDS−PAGE処理後の線維素アガロース オーバー
レイで示される、正常結腸粘膜のホモジエネート中に存
在するプラスミノーゲン アクチベーターの種類。 レーン1は、未処理サンプル、レーン2〜4は、ホモジ
エネートを人プラスミノーゲンと37℃で、30、60
及び120分間培養した場合の効果を示す。溶解ゾーン
は、a)11,000のプラスミノーゲン アクチベー
ター、b)Mr96,000のプラスミノーゲン アク
チベーター、c)プラスミン、Mr85,000及び
d)HPA66、Mr66,000。 第28B図 SDS−PAGE処理後の線維素アガロース オーバー
レイで示される代表的な結腸癌標本ホモジエネート中に
存在するプラスミノーゲン アクチベーターの種類。 レーン1は、未処理サンプル、レーン2〜4は、人プラ
スミノーゲンと37℃で、30、60及び120分間培
養した場合。ゾーンA〜Dは、正常結腸、ゾーンEは、
HAP52(Mr52,000)及びゾーンFは、HP
A33〜35(Mr33〜36,000)。 第29A図 代表的なHPA52活性を示す。組織学的に正常結腸サ
ンプルのホモジエネート中のプラスミノーゲン アクチ
ベーターに対するミナクチビンの効果。 レーン1は、コントロールの処理したサンプル、レーン
2は、ミナクチビンと23℃で60分間前培養した場合
の効果、レーン3は、ミナクチビンと37℃で30分間
前培養し、次いで、コントロール緩衝液と23℃で30
分間培養した場合の効果、レーン4は、ホモジエネート
をプラスミノーゲンと37℃で30分間前培養し、次い
で、23℃で60分間ミナクチビンにさらした場合。溶
解ゾーンは、A−プラスミン、Mr85,000、B−
HPA66、Mr66,000、C−HPA52、Mr
52,000及びD−HPA33〜36、Mr33〜3
6,000。 第29B図 結腸腫瘍ホモジエネートを、第29A図の如く処理し
た。 第30図 人ウロキナーゼのミナクチビンによる比色定量滴定アッ
セイ ウロキナーゼを、適宜の範囲に希釈する前に23
℃で90分間ミナクチビンと前培養した。三つの曲線
は、左から右へ、1000mPU、100mPU及び1
0mPUのウロキナーゼを、各々、示す。 第31図 結腸細胞及び組織の人プラスミノーゲン・アクチベータ
ーのミナクチビンによる比色定量滴定アッセイ 三つの曲線は、左から右へ、正常粘膜抽出物(約0.5
mPU)及び結腸腫瘍抽出物(約10mPU)を示す。
後者は、後に前酵素であることが分かった。 第32図 腫瘍細胞培養プラスミノーゲン アクチベーターに対す
るミナクチビンの効果。 レーン1は、未添加による培養、レーン2は、プラスミ
ノーゲン添加、レーン3は、プラスミノーゲン及びミナ
クチビン添加、レーン4はプラスミノーゲン、トラシロ
ール及びミナクチビン添加。 第33図 第32図と同じ実験で得た培養上澄の比色定量アッセ
イ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91) (71)出願人 999999999 ジ・オーストラリアン・ナシヨナル・ユニ バーシテイー オーストラリア国 オーストラリアン・キ ヤピタル・テリトリー 2601、アクシヨン (番地なし) (72)発明者 ステフエン,ロス・ウエントワース オ−ストラリア国 オーストラリアン・キ ヤピタル・テリトリー 2616、ホルダー、 ハインズ・クレツセント 6 (72)発明者 ゴルダー,ジエフレイ・フイリツプ オ−ストラリア国 ニユ−・サウス・ウエ −ルズ 2106、ニユーポート、ウオルワー ス・ストリート 38 (72)発明者 ゴス,ネイル・ホワード オ−ストラリア国 ニユ−・サウス・ウエ −ルズ 2176、ワールーンガ、キヤンベ ル・ドライブ 118 (72)発明者 アンタリス,トニー・マリー オ−ストラリア国 ニユ−・サウス・ウエ −ルズ 2047、ドラモイン、ヘンレイ・ス トリート 48 (56)参考文献 Eur.J.Biochem.,136, 517−522(1983)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細菌のリポポリサッカライド、デキサメタ
    ゾン又はフォルボールエステルを使用し生体外でミナク
    チビン生産性細胞を刺激し、次いで該培養上澄みからハ
    イドロフォービック インターラクション クロマトグ
    ラフィー、次いでアフィニテイークロマトグラフィー或
    いは予備的非変性ゲル電気泳動により回収することを特
    徴とする、以下の特性を有するタンパク質ミナクチビン
    の製造方法。 i)フィブリン存在下において、ウロキナーゼタイプの
    プラスミノーゲンアクチベーターは特異的に阻害する
    が、組織タイプのプラスミノーゲンアクチベーターは阻
    害しない; ii)56℃以上の温度で不安定である; iii)−20℃での冷凍及びその解凍に対して安定であ
    る; iv)4℃においてのpH範囲5〜9で安定である; v)人ウロキナーゼ或いは人ウロキナーゼタイプのプラ
    スミノーゲンアクチベーターと耐界面活性剤性複合体を
    形成する能力を有する; vi)非還元性SDS−PAGEにおいて、分子量32k
    D、39−48kD或いは60kDの少なくとも1つの
    バンドを形成し、該バンドはウロキナーゼとインキュベ
    ートされると消失する。
  2. 【請求項2】ミナクチビン生産性細胞が、人血の単核細
    胞、ミナクチビン生産性マクロファージ又は単核細胞由
    来の形質転換細胞から選択される特許請求の範囲第1項
    記載のタンパク質ミナクチビンの製造方法。
  3. 【請求項3】フォルボールエステルがフォルボール ミ
    ラステート アセテートである特許請求の範囲第1項又
    は第2項記載のタンパク質ミナクチビンの製造方法。
  4. 【請求項4】ハイドロフォービック インターラクショ
    ン クロマトグラフィーがフェニルセファロースクロマ
    トグラフィーである特許請求の範囲第1項、第2項又は
    第3項記載のタンパク質ミナクチビンの製造方法。
  5. 【請求項5】アフィニテイークロマトグラフィーがシバ
    クロンブルーセファロースクロマトグラフィーである特
    許請求の範囲第1項、第2項、第3項又は第4項記載の
    タンパク質ミナクチビンの製造方法。
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