JPH0654798A - 腹腔内気体漏出防止具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 腹腔鏡下手術におけるトラカ−ル外套管周囲
よりの気体の漏出を防止するようにした腹腔内気体漏出
防止具を提供する。 【構成】 腹腔鏡のトラカ−ル外套管５に装着する管本
体１の中央部外周に、若干の隔たりをおいて一対のバル
−ン２，２を対設し、両バル−ン２，２に通気チュ−ブ
３を接続した構成よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、腹腔内気体漏出防止具
に係り、より詳細には、腹腔鏡下手術におけるトラカ−
ル外套管周囲よりの気体の漏出を防止するようにした腹
腔内気体漏出防止具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、腹部の手術では、普通、水平な手
術台に仰臥位をとらせて行われているが、その腹部手術
の中の一つの方法として腹腔鏡下手術がある。腹腔鏡下
手術としては、胆嚢などの本格的摘出手術や、その他た
とえば卵管性不妊症と診断された場合などの検査として
の手術などがあるが、従来、このような腹腔鏡下手術で
はトラカ−ル外套管周囲より腹腔内の気体が漏出し、こ
の気体の漏出によって手術視野を妨げるという欠点があ
った。

【０００３】そこで、その欠点に対処するためには、常
に、その気体漏出量を上回る気体を腹腔内へ送気しつつ
手術を行わなければならなかったし、また他の方法とし
て、トラカ−ル外套管周囲と腹壁に開けた小切開孔との
間の隙間を無くして腹腔内気体の漏出を防止しようとし
て仮縫合をする手段が採用されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、気体漏出量を上回る量の気体を送気する方法は、生
体上、手術上においても、マイナス要因として働き問題
があった。また仮縫合により気体の漏出を防止する場合
においても、仮縫合に手間がかかるし、人体に痛みを与
え、加えてその仮縫合によりトラカ−ル外套管は、周方
向のへの回転が困難となって、鏡による可視範囲が制限
されるという問題点があった。

【０００５】本発明は、上述した問題点に対処して創作
したものであって、その目的とする処は、既存のトラカ
−ル外套管に簡単に装着でき、その装着によって腹腔鏡
下手術の際においても腹腔内気体の漏出を防止できる、
今までに無い、全く新しい腹腔内気体漏出防止具を提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そして、上記課題を解決
するための手段としての本発明の腹腔内気体漏出防止具
は、腹腔鏡のトラカ−ル外套管に装着する管本体の中央
部外周に、腹壁肉厚に匹敵する若干の隔たりをおいて一
対のバル−ンを対設し、両バル−ンに通気チュ−ブを接
続してなるように構成してある。

【０００７】また、本発明の他の腹腔内気体漏出防止具
は、前記発明において、管本体がプラスチック管体で、
該管体の両端開口部にゴム弁がそれぞれ設けられ、該ゴ
ム弁中央にトラカ−ル挿通孔が開設された構成としてあ
る。また、管本体が、ゴム体であって、中央部軸線方向
にトラカ−ル挿通孔が開設さた構成、更に通気チュ−ブ
が、管本体内部に埋設された構成としてある。

【０００８】

【作用】上記構成に基づく本発明の腹腔内気体漏出防止
具は、腹腔鏡下手術において、腹壁の小切開孔からトラ
カ−ル外套管を挿入し、該トラカ−ル外套管に装着した
腹腔内気体漏出防止具の管本体も小切開孔に挿入する。
そして、管本体中央部に腹壁肉厚幅に対応する若干の隔
たりをおいて対設した一対のバル−ンのその隔たり部が
小切開孔と丁度合致する位置で止め、しかる後に一対の
バル−ンのそれぞれに空気を送気してバル−ンを膨らま
せるものである。

【０００９】従って、本発明の腹腔内気体漏出防止具
は、膨らんだバル−ンによってトラカ−ル外套管周囲と
腹壁に開けた小切開孔との間の隙間を塞ぐことができる
ので腹腔内気体の漏出を防止することができる。これに
よって、腹腔鏡下手術が円滑に行われ送気する気体量を
減少することがでできる。

【００１０】

【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明を具体化
した実施例について説明する。ここに、図１〜図３は本
発明の実施例を示し、図１は、本実施例の腹腔内気体漏
出防止具の斜視図、図２は使用状態を示す概略斜視図、
図３は腹腔鏡下手術状態を示す斜視図である。

【００１１】本実施例の腹腔内気体防止具は、概略する
と、管本体１と、バル−ン２と、送気チュ−ブ３とから
構成されている。そして、管本体１は、本実施例では、
長さ８０mm、直径１２mmのプラスチック製円筒状管であ
り、耐薬品性、透明性などを備えたものである。そし
て、管本体１の両側開口部には、中央にトラカ−ル４の
外套管５を貫通させるためのトラカ−ル挿通孔６を設け
たゴム弁７が固着されている。つまり、ゴム弁は、輪切
りしたパイナップル形状のものであって、その厚みは１
０mm程度とし、トラカ−ル挿通孔６の直径はトラカ−ル
外套管の直径と等しいか、若干小さくしてある。

【００１２】バル−ン２は、管本体１の中央部に生体の
腹壁肉厚に対応する若干の隔たり８をおいて一対宛て対
設されている。該隔たり８は、１０mm程度としてある。
また、バル−ン２は所謂ゴム製の風船であるが、実施例
の物の形状としては、ド−ナツ状のものを管本体１の中
央部に、隔たり８をおいて固着してあり、空気を送気し
た場合の直径は４０mm程度となる大きさのものである。

【００１３】送気チュ−ブ３は、直径が０．５〜１mm程
度の細いゴムホ−スで、管本体１の内壁面に固着されて
いて、基端は図外のコンプレッサ−に接続される。

【００１４】従って、本実施例の腹腔内気体漏出防止具
は、そのトラカ−ル挿通孔６内にトラカ−ル外套管５を
挿入するだけでトラカ−ル４に対して簡単に装着され
る。そして、本実施例の腹腔内気体漏出防止具が装着さ
れたトラカ−ル４を仰臥位の患者の腹部に切開した小切
開孔９から挿入し、一対のバルーン２.2間の隔たり８部
分が腹壁１０に接する位置で止め、チューブ３.3を通じ
て空気を送気すると図２、図３に示すようにバルーン２
は、腹壁１０に密着し、小切開孔９から腹腔内気体が漏
出することがないように作用する。また、ゴム弁７であ
るので各種タイプのトラカールに使用可能である。従っ
て、本実施例の腹腔内気体漏出防止具を用いることで、
腹壁への小切開を十分に行うことが可能となり、トラカ
ール外套内に内針を入れての手術を円滑に行えるように
作用する。

【００１５】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で
変形実施できる構成を含む。因に、管本体をゴム製の筒
体で形成し、軸線方向中央部をトラカ−ル挿通孔とする
こともできる。また、本実施例の腹腔内気体漏出防止具
を、トラカール自体に一体化した構成としてもよいこと
は当然である。また、腹腔内気体漏出防止具の大きさや
形状は、トラカールの形状等に応じて、その大きさ、形
状を任意の構成としてもよい。更に、バルーンの大きさ
・形状は、上下のバルーンにおいて、相違する大きさ、
形状としてもよいことは当然である。

【００１６】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の腹腔内気体漏出防止具によれば、腹腔鏡のトラカ−ル
外套管に装着する管本体の中央部外周に、若干の隔たり
をおいて一対のバル−ンを対設し、両バル−ンに通気チ
ュ−ブを接続した構成であるので、該バル−ンによって
腹腔内気体が漏出することがなく手術視野が保持され、
胆嚢摘出手術などにおいて多大な効果が得られる。

【００１７】また、本発明の腹腔内気体漏出防止具によ
れば、トラカ−ル外套管は３６０度回転可能となるの
で、上腹部と下腹部の手術が同時に行われるようになっ
ても気体の漏出を防止し、この手術が可能となるという
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す腹腔内気体漏出防止具
の斜視図である。

【図２】本実施例の腹腔内気体漏出防止具の使用状態を
示す概略斜視図である。

【図３】本実施例の腔内気体漏出防止具を用いて腹腔鏡
下手術をする状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１・・・管本体、２・・・バル−ン、３・・・送気チュ
−ブ、４・・・トラカ−ル、５・・・外套管、６・・・
トラカ−ル挿通孔、７・・・ゴム弁、８・・・隔たり、
９・・・小切開、１０・・・腹壁

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 腹腔鏡のトラカ−ル外套管に装着する管
   本体の中央部外周に、若干の隔たりをおいて一対のバル
   −ンを対設し、両バル−ンに通気チュ−ブを接続してな
   る腹腔内気体漏出防止具。
2. 【請求項２】 管本体が、プラスチック管体で、該管体
   の両端開口部にゴム弁がそれぞれ設けられ、該ゴム弁中
   央にトラカ−ル挿通孔が開けられてなる請求項１に記載
   の腹腔内気体漏出防止具
3. 【請求項３】 管本体が、ゴム体であって、中央部軸線
   方向にトラカ−ル挿通孔が開設されてなる請求項１に記
   載の腹腔内気体漏出防止具
4. 【請求項４】 通気チュ−ブは、管本体内部に内設され
   たものである請求項１に記載の腹腔内気体漏出防止具