JPH0654537U

JPH0654537U - 紙製パレット

Info

Publication number: JPH0654537U
Application number: JP8943192U
Authority: JP
Inventors: 定司福永
Original assignee: トライウォール株式会社
Priority date: 1992-12-28
Filing date: 1992-12-28
Publication date: 1994-07-26

Abstract

(57)【要約】【目的】軽量で優れた強度をもち、従来の紙製パレット
では対応が困難であった200 kg以上の重量物の積載にも
対応が可能な紙製のパレットを提供する。【構成】少なくとも貨物を積載するデッキボードを紙製
の表面材で紙製のコア材を挟んだサンドイッチ構造体で
構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は物品を運搬、保管する際に使用するパレットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、貨物積載用のパレットの多くは木製であるが、近年の自然保護の機運の高まり等から木材の使用制限の問題が生じ、また軽量化の要請、廃棄処理及び再利用性に対する要請も高くなってきている。

【０００３】一方、上記要望を満たすものとして、段ボール製のパレットが開発されており、種々の構造の段ボール製パレットが知られているが、いずれも図４に示すように貨物を積載するデッキボードは２層又は３層の段ボールで構成されてる。しかしながら、従来の段ボール製パレットは、積載重量２００kg未満で使用されており、それ以上の積載重量に対しては強度が十分でなく、特に段ボールの構造上厚さ方向の押圧に対する強度が不足し、デッキボードが撓んで上面のフラット性が損なわれたり、圧潰してダンボール特有のクッション性が損なわれる等の問題があり、２００kg以上の重量物用のパレットとしては使用に耐え得ない。従って、従来の段ボール製パレットでは前記要望を満たすからといって全面的に木製パレットに代わり得るものではない。もっとも、デッキボードを構成する段ボールの層を非常に多くすることにより強度的な問題は解決することが可能であるかもしれないが、その場合中芯５ばかりでなく押し圧に対する抵抗性にほとんど寄与しない中ライナー４も同時に増加するのでコストが高くなるばかりでなく紙製パレットの大きな特徴である軽量性も損なわれてしまうため、現実的ではない。

【０００４】本考案は従来技術が有する上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とする処は従来の紙製パレットの利点をそのまま備え、しかも十分な強度を有し、従来の紙製パレットでは対応が困難であった200 kg以上の重量物にもパレットの重量を重くすることなしに対応が可能な紙製パレットを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案の紙製パレットでは、少なくとも貨物を積載するデッキボードを紙製のコア材をその両側に貼設した紙製の表面材で挟んだサンドイッチ構造体となすものである。

【０００６】

【作用】

以上のように構成したパレットにあっては、構成素材が紙であるので、従来の紙製パレットと同様な利点を有するのは勿論、デッキボードのコア材を心材とするサンドイッチ構造により軽量でありながら十分な強度を有し、デッキボードの厚さやサンドイッチ構造体の表面材の厚さを２００kg以上の荷重に耐え得るような厚さにしても紙製パレットとしての軽量性は損なわれない。

【０００７】

【実施例】

以下、図に基づいて本考案の実施の一例を説明する。この実施例はデッキボードＡが桁Ｂの上面だけにある単面形の平パレットであり、無翼形の二方差しに構成されている。

【０００８】デッキボードＡ及び桁Ｂはいずれもコア材１を芯とするサンドイッチ構造体により構成されており、両者Ａ、Ｂはコア材１をその両側から挟む表面材２相互を当接させて接着剤により接着固定されている。

【０００９】上記デッキボードＡ及び桁Ｂを構成するサンドイッチ構造体は、コア材１及び表面材２がいずれも紙製で、コア材１は、例えば段ボールの中芯原紙等の紙により蜂の巣構造に構成された蜂の巣構造体、所謂ハニカムコアからなっている。一方、表面材２は例えばライナー紙からなり、コア材１の表裏両面に接着剤で接着されている。

【００１０】桁ＢはデッキボードＡ下面にとり付けた状態でデッキボードＡの下にフォークリフトのフォークを差し込むための差込口３を形成することができる任意の高さを有しており、デッキボードＡは３０mm以上の厚さを有している。

【００１１】また、デッキボードＡも桁Ｂも、それを構成するサンドイッチ構造体の表面材２は同材質、同厚のものでよいが、表面材２がライナー紙の場合、少なくともデッキボードＡには２８０ｇ／ｍ²以上の厚さのもが使用されている。

【００１２】上記デッキボードＡの３０mm以上という厚さ及びデッキボードを構成するサンドイッチ構造体の表面材の２８０ｇ／ｍ²以上という厚さは、積載する貨物として重量が200 kg以上の貨物を対象とする場合の値であり、デッキボードの厚さ、表面材の厚さをこれ以下にすると上記重量の貨物を積載した場合デッキボードＡが撓み、デッキボードＡ上面のフラット性を保持することができなくなる場合が生じ得る。

【００１３】尚、以上説明した実施例ではデッキボードＡ及び桁Ｂの双方をハニカムコアを芯とするサンドイッチ構造体で構成したが、デッキボードＡのみをサンドイッチ構造体として桁Ｂは敢えてサンドイッチ構造体とせず、例えば段ボールを多数積層した構造などとすることが可能である。また、サンドイッチ構造体のコア材１はハニカムコアに限定されず、図３（ａ）、（ｂ）に示すように横断面が多数の段ボールを張り合わせたような形状を呈する段ボールコア、段ボールコアの波形紙の代わりに８字若しくはＳ字状に屈曲させた紙を用いるロールコアとすることも可能である。

【００１４】また、パレットの形状も、単面形平パレットに限定されず、両面使用形平パレット、ボックスパレット、ポストパレット等であってもよく、勿論四方差しパレットとすることも任意である。

【００１５】

【効果】本考案は以上のように構成したので、下記するような効果を奏する。（１）．貨物を積載するデッキボードをコア材を芯とするサンドイッチ構造体で構成したので、紙製のパレットでありながら従来の段ボール製パレットに比べて非常に大きな強度を有し、例えばデッキボードの厚さを３０mm以上で、かつそのサンドイッチ構造体の表面材の厚さを２８０ｇ／ｍ²以上とすることにより、従来の段ボールを用いた紙製パレットでは対応が困難であった２００kg以上の重量物を積載しても、デッキボードのフラット性が保たれ、デッキボードの波打ちや垂れ下がりの発生がなく、重量物用パレットとしての使用が十分可能である。しかも、上記するように例えばに２００kg以上の重量に耐え得るようにデッキボードの厚さを３０mm以上で、かつそのサンドイッチ構造体の表面材の厚さを２８０ｇ／ｍ²以上としても特別に重量が大きくなることはなく、十分に軽量なパレットを得ることができる。（２）．デッキボードがコア材を芯とする紙製のサンドイッチ構造体で構成されているため強度に比較して極めて軽量であり、仮にデッキボードの厚さを３０mm とする場合、Ａ段段ボールを使用する従来の紙製パレットなら段ボールを６枚重ねなれればならないことを考えると強度に対する軽量化が大幅に向上する。しかも、段ボールを何枚も積層接着する作業が不要であるため従来の紙製パレットに比べて生産性もよい。その上、従来の紙製パレットが備えている再生が容易、切断及び接着等の加工性が良い、作業状の安全性が高い、燻蒸の必要がない等の有利性を何等損なうことなく、そのまま備えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すパレットの平面図で、
一部切欠して示す。

【図２】正面図である。

【図３】他の実施例を示す平面図で、一部切欠して示
す。

【図４】従来の段ボールを積層したデッキボードの断面
図。

【符号の説明】

Ａ：デッキボードＢ：桁１：コア材２：表面材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】少なくとも貨物を積載するデッキボードが
紙製のコア材をその両側に貼設した紙製の表面材で挟ん
だサンドイッチ構造体からなることを特徴とする紙製パ
レット。