JPH0443470Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は荷物の保管、荷役、輸送等に用いら
れるパレツトに関する。

＜従来の技術＞ パレツトとして現在木製（又は樹脂製）パレツ
トが普及している。

この木製パレツトは角材により構成された木枠
の表裏に厚い木板を張り、その木板の間にフオー
クリフトを差し込んで荷役運搬を行う構造になつ
ている。

この木製パレツトは、その上に載置された運搬
物と共に輸送車輌にのせられて運搬されるのが普
通である。

＜従来技術の問題点＞ しかし、従来の木製パレツトは重量が重い上に
高価であり、また厚みがあるため運搬物と共に輸
送するのは極めて効率が悪い問題がある。

即ち、パレツトは荷役作業の時に必要なだけで
輸送中は全く不要なものであるにもかかわらず、
輸送に際してはパレツトも含めて輸送しなければ
ならず、その分重量と嵩が増加し、輸送コストが
高くなる。また、パレツトも含めて輸送してしま
うことから、パレツトを回収する必要がある上、
運搬を終えてパレツトを回収するまでに時間が掛
り、その分パレツトの数量を多く保持しておく必
要がある。そのため、パレツトのコストやパレツ
トの保管に要する手間、保管場所の手当て等の付
随的なコストが多大になる等の欠点があつた。

＜考案の概要＞ 本考案は上記した従来技術の欠点を改善するた
めになされたもので、必要な強度を有するパレツ
トと、フオークリフト挿入用の所定の隙間を明け
て、該パレツトの上に載置される上乗せパレツト
とを有し、該上乗せパレツトは、木板の表裏にク
ラフト紙を貼着して形成され、少なくともその１
辺が斜め上方に折り曲げられた折曲加工部となつ
ており、該上乗せパレツト上に運搬物を載置し、
該上乗せパレツトと運搬物を一体的に運搬するこ
とを特徴とする。

＜実施例＞ 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図にその側面図、第２図に斜視図を示す。
このパレツト１は基台１０と上材１１とから構成
されている。基台１０は従来のパレツトそのもの
の構成であり、この実施例では３本の基礎材１０
０を平行に配設し、その表裏に横板１０１を直交
する方向に固着した構成になつている。この基台
１０の上に上材１１が固着されている。この実施
例では上材１１は基礎材１００とほぼ同サイズの
角材からなり、各基礎材１００の上に３本重ねて
装着してある。

このような構成のパレツト１の上に運搬物を載
せ、運搬物と基台１０との間に生じた隙間にフオ
ークリフトのフオーク５を差し込んで運搬物のみ
を輸送車輌に移送することが可能になる。

この考案では運搬物を直接上材１１の上に載置
せず、その間に上乗せパレツト２を介在させるよ
うに構成している。上乗せパレツト２は第２図、
第３図に示すようにパレツト１とほぼ縦横同サイ
ズになつており、分離可能にパレツト１上に載置
されている。即ち、運搬物はこの上乗せパレツト
２と共にパレツト１から分離されて輸送される。

この上乗せパレツト２として、本考案では剛性
の高い特殊な構成とし、運搬物をこの上乗せパレ
ツト２に載置して、フオークリフトにより上乗せ
パレツト２と運搬物とを一体的に運搬可能として
いる。

この上乗せパレツト２の構成を説明する。

第４図の側面図及び第５図の斜視図にこの上乗
せパレツト２の最も単純な構成を示す。

木板２０は硬質の木材からなる方形の木板であ
り約22mm程度の厚みを有している。木板２０の形
状、大きさは必要に応じて任意のものを作成す
る。また、運搬物の重量に応じて、上乗せパレツ
ト２全体の剛性を確保するために十分な厚みを有
するものとする。この木板２０の表裏にそれぞ
れ、クラフト紙２１，２２が接着剤により貼着さ
れている。このクラフト紙２１，２２には所望の
加工を施すことが可能である。例えば、防水性、
防腐性等を与えることが出来、また表側のクラフ
ト紙２１に荷物が滑らないように滑り止め加工を
施すこと等が可能である。クラフト紙は繊維を多
量に含み強度が大きいため、このクラフト紙２
１，２２を木板２０に貼着することにより上乗せ
パレツト２の強度は非常に大きくなり、許容荷重
1t程度まで可能となる。またクラフト紙は木材に
比べて滑りやすく、裏側にクラフト紙２２を貼着
することによりフオークリフトのフオークの差し
込みが容易になる。

クラフト紙２１，２２を貼着された木板２０
は、その１辺が斜め上方に折り曲げられた折曲加
工部２４になつている。この折曲加工部２４の角
部２５は所定の曲率のｒが設けられている。折曲
加工部２４の長さ、角度、角部２５の曲率は要求
に応じて適宜決定すれば良い。この折曲加工部２
４により更に上乗せパレツト２全体の強度が向上
する。また、この折曲加工部２４の下側からフオ
ークを容易に差し込むことが可能になる。更にこ
の折曲加工部２４により運搬物の落下防止、安定
化を図ることが可能になる。

この折曲加工部２４は１辺だけではなく、必要
に応じて各辺に設けることが可能である。第６図
の例では向かいあう２辺に折曲加工部２４を設け
ている。また第７図の例では隣合う２辺の角に切
欠２３を設けた上で折曲加工部２４を形成してい
る。第８図に示す例は四辺全部に折曲加工部２４
を設けており、各角に切欠２３を形成している。

上記した構成の上乗せパレツト２は、木板２０
にクラフト紙２１，２２を貼着した構造であるた
め、極めて軽量であり、嵩張らない。また、木板
２０を用いていることから、任意の大きさや形状
のパレツトを簡単に製造することが出来、種々の
要求に対処することができる。また、クラフト紙
２１，２２により、軽量なわりに大きい許容荷重
を得ることが出来、またこれらに防水性等の所望
の性能を簡単に付加することができる。また、上
乗せパレツト２の裏面のクラフト紙２２によりパ
レツト裏面を滑りやすくすることが出来、フオー
クの差し込みが容易になる。更に折曲加工部２４
を設けることにより、パレツト全体の強度が向上
し、フオークリフトの差し込みを容易にし作業性
が向上する。また、折曲加工部２４により荷物の
落下防止や安定化を図ることが出来る等の利点が
ある。

つぎに使用方法を説明する。第２図、第３図に
示すようにパレツト１の上に上乗せパレツト２を
載置し、さらにこの上乗せパレツト２の上に運搬
物ｍを載せる。荷役作業の際には横板１０１，１
０１の間にフオーク５を差し込み、パレツト１と
上乗せパレツト２と運搬物ｍ全体を持ち運ぶ。ト
ラツク等の車輌に積み込む場合には上材１１によ
り生じた隙間にフオーク５を差し込み、上乗せパ
レツト２と運搬物ｍのみを持ち上げて車輌に積み
込む。パレツト１は車輌に積み込まずに残し、他
の運搬物の荷役に使用する。

以上説明したように本考案のパレツトは上材１
１により生じた上乗せパレツト２及び運搬物との
隙間にフオーク５を差し込んで、上乗せパレツト
２及び運搬物ｍのみを輸送することが出来るか
ら、パレツト１を運搬物ｍと共に輸送する必要が
なく、輸送効率が向上する。またパレツト１を専
ら荷役のみに使用することが可能になり、パレツ
ト１の数量を削減出来、保管スペースや管理の手
間を省くことが出来る。更に上乗せパレツト２は
軽量なわりに大きい許容荷重を得ることが出来、
またこれらに防水性等の所望の性能を簡単に付加
することが出来るから、運搬効率も向上する等の
利点がある。

＜考案の効果＞ 以上説明したように本考案のパレツトは、必要
な強度を有するパレツトと、フオークリフト挿入
用の所定の隙間を明けて、該パレツトの上に載置
される上乗せパレツトとを有し、該上乗せパレツ
トは、木板の表裏にクラフト紙を貼着して形成さ
れ、少なくともその１辺が斜め上方に折り曲げら
れた折曲加工部となつており、該上乗せパレツト
上に運搬物を載置し、該上乗せパレツトと運搬物
を一体的に運搬するようになつているため、上乗
せパレツトと運搬物のみを運搬し、パレツトを専
ら荷役専用に用いることが出来る。そのため、運
搬物ｍの運搬効率の向上を図ることが出来る。ま
たパレツトの数量を削減出来、コストの低減、パ
レツトの保管スペース、管理の手間等の低減を図
ることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるパレツトの一実施例を示
す側面図、第２図と第３図はその斜視図、第４図
は上乗せパレツトの一実施例を示す側面図、第５
図は斜視図、第６図乃至第８図は上乗せパレツト
の他の実施例を示す斜視図である。 １……パレツト、２……上乗せパレツト、５…
…フオーク、１０……基台、１１……上材、２０
……木板、２１と２２……クラフト紙、２３……
切欠き、２４……折曲加工部、２５……角部、１
００……基礎材、１０１……横板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 必要な強度を有するパレツトと、 フオークリフト挿入用の所定の隙間を明けて、
   該パレツトの上に載置される上乗せパレツトと、 を有し； 該上乗せパレツトは、 木板の表裏にクラフト紙を貼着して形成され、
   少なくともその１辺が斜め上方に折り曲げられた
   折曲加工部となつており； 該上乗せパレツト上に運搬物を載置し、該上乗
   せパレツトと運搬物を一体的に運搬する； ことを特徴とするパレツト。