JPH0654504A - 無刷子電動機の回転子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】センサ専用磁石を回転子鉄心に取り付けると
き、接着剤を使用しないでセンサ専用磁石を回転子鉄心
に固定する。 【構成】 中央に回転子の回転軸２が貫通する穴を有す
るハブと複数の凸部とを有する樹脂製円板５と、その樹
脂製円板５のハブが嵌合する中央の穴とその樹脂製円板
５のハブが中央の穴に嵌合したとき前記複数の凸部が嵌
合する穴または凹部を設けた底部を有する円筒状のセン
サ専用磁石４とを備え、樹脂製円板５の複数の凸部をセ
ンサ磁石４の複数の穴に合わせて嵌合し、同時に樹脂製
円板５のハブをセンサ磁石４の中央の穴に嵌合し、一体
となったセンサ磁石４と樹脂製円板５の中心穴に、回転
子鉄心１が固着された回転軸２を圧入し、センサ磁石４
を回転子鉄心１に密着させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、家庭用空調機の送風フ
ァンの駆動用等に用いられる無刷子電動機の回転子に関
する。

【０００２】

【従来の技術】近年、家庭用の空調機器等においては、
室内側熱交換器の送風ファン駆動用として、高効率で制
御性に優れた無刷子電動機が主流になりつつあり、また
室外側熱交換器の送風ファン駆動用としても使用される
ようになってきている。

【０００３】従来の無刷子電動機の一例としては特開平
１−９１６４４号公報に開示されているような構造のも
のがあった。以下、図面に基づいて従来の無刷子電動機
の回転子について説明する。図４は特開平１−９１６４
４号公報に開示されている無刷子電動機の構造を示す部
分断面図で、１は回転軸２に固着された回転子鉄心で、
その回転子鉄心１の外周には駆動用永久磁石３が設けら
れている。６は回転子鉄心１と同軸に回転子鉄心１に固
定して設けられているスラストボス、７は油切りワッシ
ャである。８は固定子鉄心で図示されていない巻線やプ
リント基板９等と一体に樹脂１０でモールドされてい
る。プリント基板９には位置センサであるホール素子１
１が取り付けられており、そのホール素子１１に対向す
る回転子鉄心１の外平面にはセンサ用永久磁石（以下セ
ンサ磁石という）１２が接着されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成の無刷子電動機においては、センサ磁石１２の
取り付けにおいて、回転子鉄心１の半径方向におけるセ
ンサ磁石１２の位置決めを行い、かつセンサ磁石１２を
回転子鉄心１に固定する機能を有する接着治具を用いる
ことが必要であり、さらに乾燥工程においても、センサ
磁石１２が位置ずれを生じないように、接着剤が接着効
果を生じるまで接着治具を装着したままにしておくこと
が必要であった。このため、接着剤が接着治具にまで付
着して、接着治具が回転子鉄心１やセンサ磁石１２に固
着するという不具合を生じる恐れがあり、接着剤のの塗
布には特別な注意が必要であった。

【０００５】また、速乾性の接着剤を使用した場合に
は、接着強度のばらつきにより、電動機の使用環境や高
負荷時の回転子鉄心１の発熱により、センサ磁石１２が
回転子鉄心１から剥離し脱落する危険性があるという問
題を有していた。

【０００６】本発明は、上記問題を解決するもので、組
立工程において複雑な接着治具を必要とせず、したがっ
て接着剤が接着治具にまで付着して、接着治具が回転子
鉄心やセンサ磁石に固着するという不具合を生じる恐れ
がなく、また接着に依存しない構造の無刷子電動機の回
転子を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の無刷子電動機の回転子は、中央に回転子の回
転軸が貫通する穴を有するハブと複数の凸部とを有する
樹脂製円板と、その樹脂製円板のハブが嵌合する中央の
穴とその樹脂製円板のハブが中央の穴に嵌合したとき樹
脂製円板の複数の凸部が嵌合する複数の穴または凹部と
を設けた底部を有する円筒状のセンサ磁石とを備えたも
のである。

【０００８】

【作用】上記構成の無刷子電動機の回転子においては、
樹脂製円板に設けたハブと複数の凸部を、センサ磁石に
設けた中央穴と複数の穴または凹部に嵌合させ、樹脂製
円板とセンサ磁石を一体化し、樹脂製円板の中心に設け
た貫通穴に回転子鉄心が固着された回転軸を挿入し、セ
ンサ磁石が回転子鉄心に密着するまで樹脂製円板を圧入
することにより、センサ磁石を接着剤を用いることなく
回転子に固定することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の無刷子電動機の回転子につい
て、図面を参照して説明する。図１、図２および図３に
おいて従来例を示す図４と同じ部品または部分には同じ
符号を付し、説明は省略し異なる部分について説明す
る。

【００１０】図１は本発明の無刷子電動機の回転子の断
面図を示し、図２は本発明の回転子に用いたセンサ磁石
４を、図３は回転子鉄心１にセンサ磁石４を固定するた
めの樹脂製円板５を示している。まず、図２に示すセン
サ磁石４は、その底部４ａの中央には後述する樹脂製円
板のハブ５ａが嵌合される中央の穴４ｂと、複数の穴ま
たは凹部４ｃを有しており、端面４ｄは複数組のＳＮ極
が交互に配置されるように磁化されている。図３に示す
樹脂製円板５にはその一面の中央部にハブ５ａが形成さ
れ、その中心に回転子の回転軸２が貫通する穴５ｂが設
けられ、さらにハブ５ａの外側の平面に複数の凸部５ｃ
を有している。これらの凸部５ｃは、樹脂製円板５のハ
ブ５ａをセンサ磁石４の中央の穴４ｂに嵌合したとき
に、センサ磁石４の複数の穴または凹部４ｃに嵌合する
位置に設けられている。

【００１１】このように形成されたセンサ磁石４と樹脂
製円板５は、樹脂製円板５の複数の凸部５ｃをセンサ磁
石４の複数の穴４ｃに合わせて嵌合し、同時に樹脂製円
板５のハブ５ａをセンサ磁石４の中央の穴４ｂに嵌合
し、一体となったセンサ磁石４と樹脂製円板５の中心穴
５ｂに、図１に示すように、回転子鉄心１が固着された
回転軸２を圧入し、センサ磁石４を回転子鉄心１に密着
させる。このように、回転子鉄心１が固着された回転軸
２が樹脂製円板５の中心穴５ｂに圧入されることによ
り、センサ磁石４は接着剤を用いることなく回転子鉄心
１に密着し、回転子鉄心１と同心に固定される。なお、
６および７は従来例に示したように、６は回転子鉄心２
に固定して設けられたスラストボスであり、７は回転子
の回転軸２の所定の位置に固定された潤滑油回収用の油
切りワッシャである。

【００１２】以上のように本発明の無刷子電動機の回転
子は、嵌合により一体となったセンサ磁石４と樹脂製円
板５の中心穴５ｂに、回転子鉄心１が固着された回転軸
２を圧入するだけで、接着剤を使用することなくセンサ
磁石４を回転子鉄心１に固定することができる。

【００１３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
無刷子電動機の回転子は、樹脂製円板に設けたハブと複
数の凸部を、センサ磁石に設けた中央穴と複数の穴また
は凹部に嵌合させ、樹脂製円板とセンサ磁石を一体化
し、樹脂製円板の中心に設けた貫通穴に回転子鉄心が固
着された回転軸を挿入し、センサ磁石が回転子鉄心に密
着するまで回転軸を圧入することにより、接着剤を用い
ることなくセンサ磁石を回転子鉄心に固定することがで
きるので、接着工程がなくなり、したがって接着治具を
必要とせず、さらに接着治具が回転子鉄心に接着されて
しまう不具合を発生させることもなく、製造工程が簡単
になり、生産性と製品の歩留りを大幅に向上させること
ができる。

【００１４】また、センサ磁石の固定強度のばらつきが
なくなり、センサ磁石の剥離による脱落がなくなるの
で、製品の信頼性を高めることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の無刷子電動機の回転子の一実施例の断
面図

【図２】本発明の無刷子電動機の回転子に用いたセンサ
磁石の斜視図

【図３】本発明の無刷子電動機の回転子に用いた樹脂製
円板の斜視図

【図４】従来の無刷子電動機の構造を示す部分断面図

【符号の説明】

２ 回転軸 ３ 駆動用磁石 ４ センサ磁石（センサ専用磁石） ４ａ 底部 ４ｂ 中央の穴 ４ｃ 穴または凹部 ５ 樹脂製円板 ５ａ ハブ ５ｂ 穴 ５ｃ 凸部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動用磁石とは別にセンサ専用磁石を有
   する無刷子電動機であって、中央に回転子の回転軸が貫
   通する穴を有するハブと複数の凸部とを有する樹脂製円
   板と、その樹脂製円板の前記ハブが嵌合する中央の穴と
   その樹脂製円板のハブが中央の穴に嵌合したとき前記複
   数の凸部が嵌合する複数の穴または凹部を設けた底部を
   有する円筒状のセンサ専用磁石とを備えた無刷子電動機
   の回転子。