JPH0653662B2 - 脳卒中予防剤 - Google Patents

脳卒中予防剤

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JPH0653662B2
JPH0653662B2 JP5995584A JP5995584A JPH0653662B2 JP H0653662 B2 JPH0653662 B2 JP H0653662B2 JP 5995584 A JP5995584 A JP 5995584A JP 5995584 A JP5995584 A JP 5995584A JP H0653662 B2 JPH0653662 B2 JP H0653662B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は脳卒中予防剤に関する。
従来技術 高血圧性疾患である脳卒中は日本人の主要死因の一つで
ある。脳卒中は一度発症すると致死率が高く、たとえ死
に至らなくても完治が困難で所謂“寝たきり”状態にな
るという最も多い難病である。この疾患を克服するに
は、発症前に適当な予防的処置をする以外に適確な方法
がない。
高血圧は遺伝因子と環境因子の相互作用によつて発症す
るが、SHR系ラツト(SHRSP:自然に重症高血圧症を
100%発症し、その90%以上は脳卒中を発症して死
亡するラツト;JPN circul.J.41259(1977))を用い
て高血圧と脳卒中に関係する遺伝因子を検索した結果、
高血圧と脳卒中に関係した遺伝因子は別個に存在してお
り、これらが各々密接に関係していると考えられてい
る。即ち、高血圧と脳卒中遺伝因子を合わせ持てば当然
脳卒中を発症しやすくなるが、高血圧の遺伝因子の寄与
がそれほど強くなくても(重症高血圧症でなくても)脳
卒中に関係した遺伝因子の寄与が強ければ、軽症の高血
圧症でさえ脳卒中は発症する。
現在、高血圧性疾患に対する薬物は降圧剤が主流であ
る。しかし、前述のSHRSPを用いた実験結果から考
察すると、高血圧性疾患を克服するためには、降圧剤の
みでは十分でなく、全く異つた側面から作用する薬剤が
必要である。その一つとして、高血圧症であつても脳血
管障害を少なくする血管補強作用を持つ脳卒中予防剤が
考えられる。何故ならば、高血圧状態になると、血管系
(主に動脈系)に著しい負荷がかかり、また、血管壁細
胞の透過性亢進など膜の障害が生じ、その結果、血管が
壊死に陥り、血管が破裂し出血をおこしたり(脳出
血)、血管の壊死部などで血栓を生じたりする(脳梗
塞)からである。
現在知られている血管補強作用を持つ薬剤としては、ル
チン、ヘスペリジン、エリオシトリンのビタミンP群が
ある。しかしながら之等は腸管からの吸収が悪く、また
注射後の排泄も速く、血管補強作用を持つ薬剤としての
有効性については疑問視されており、更に過敏症、消化
器障害等の副作用を有しており、満足すべきものではな
い。
発明の目的及び構成 かかる現状において本発明者らは、新規な脳卒中予防剤
を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、パルミトオレイン
酸が脳卒中予防剤として有用であることを見い出し、既
に特許出願した(特願昭58−51122号)。更に、
本発明者らが研究を重ねた結果、ウンデシレン酸及びパ
ルミチン酸から選ばれた少なくとも1種の脂肪酸又はそ
の塩が、パルミトオレイン酸と同様に、高血圧性疾患に
おける血管障害を防護する作用を有し、血管補強作用を
有し、脳卒中予防に有効に使用し得ることを見い出し
た。本発明はかかる知見に基づき完成されたものであ
る。
即ち、本発明は、ウンデシレン酸及びパルミチン酸から
選ばれた少なくとも1種の脂肪酸又はその塩を有効成分
として含有することを特徴とする脳卒中予防剤に係る。
本発明のおいて有効成分であるウンデシレン酸及びパル
ミチン酸は、種々の植物性及び動物性油脂類、代表的に
はミルク脂肪、魚油、鯨油、りんご等にかなり含有され
るものであり、之等より通常の方法例えば分子蒸留法、
向流分配法、クロマトグラフ法等により単離可能であ
り、標準体として一部市販されている。しかし実用的に
は、これは特に単離精製された純品である必要はなく、
他の脂肪酸等を若干含有する粗製品であつてもよい。ま
た上記化合物は適当な出発原料を用いて有機合成された
ものであつてもよい。
本発明においてはまた上記化合物の薬理的に許容される
塩を上記化合物と同様に有効成分として利用できる。該
薬理的に許容される塩としては、代表的にはナトリウム
塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等のア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、その他の金属塩、アン
モニウム塩、モルホリン、ピペラジン、トリメチルアミ
ン、ジエチルアミン等のアミン塩等を例示できる。
本発明の脳卒中予防剤は、有効成分化合物を単独でも投
与し得るが通常製剤的担体と共に製剤組成物の形態で投
与される。担体としては使用形態に応じた薬剤を調製す
るのに通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿
剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の稀釈剤あるいは賦
形剤を例示できる。製剤組成物の投与単位形態としては
各種の形態を目的に応じて選択でき、その代表的なもの
として錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒
剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等を
例示できる。錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
して例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖液、
尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セル
ロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノ
ール、単シロツプ、ブドウ糖、グリコール、グリセリ
ン、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセル
ロース、セラツク、メチルセルロース、リン酸カリウ
ム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、デンプン、アル
ギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナリア末、炭酸水
素ナトリウム、炭酸カルシウム、ツウイン、ラウリル硫
酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等の
崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油
等の崩壊抑制剤、第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫
酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等
の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、
コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン
酸塩、ホウ酸末、マクロゴール、固体ポリエチレングリ
コール等の滑沢剤等を使用できる。丸剤の形態に成形す
るに際しては、担体として例えばブドウ糖、乳糖、デン
プン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦
形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタ
ノール等の結合剤、ラミナリア、カンテン等の崩壊剤等
を使用できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施し
た錠剤例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フイ
ルムコーテイング錠あるいは二重錠、多層錠とすること
ができる。坐剤の形態に成形するに際しては、担体とし
て例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アル
コール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合
成グリセライド等を使用できる。注射剤として調製され
る場合には液剤及び懸濁剤は殺菌され且つ血液と等張で
あるのが好ましく、これら液剤、乳剤及び懸濁剤の形態
に成形するのに際しては、稀釈剤として例えば水、エチ
ルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソ
ステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルア
ルコール、ポリオキシエチレンソルビツト、ソルビタン
エステル等を使用できる。なおこの場合等張性の溶液を
調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリ
ンを製剤中に含有せしめてもよい。またペースト、クリ
ーム及びゲルの形態に成形するに際しては、稀釈剤とし
て例えば白色ワセリン、パラフイン、グリセリン、セル
ロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベ
ントナイト等を使用できる。更に本発明の脳卒中予防剤
中には、抗酸化剤として例えばブチレート化ヒドロキシ
トルエン、プロピルガレート、キノン、α−トコフエロ
ール等を、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤、
保存剤、着色剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医療品
例えば血小板凝集抑制剤等を含有させることができる。
製剤組成物中に含有させるべき有効成分化合物の量は特
に限定されず広範囲に適宜選択されるが、通常全組成物
中0.01重量%以上とされ、錠剤を例にとれば遊離酸換算
重量基準で1錠当りほぼ0.01〜1gの有効成分化合物を
含有される。
また本発明の脳卒中予防剤は、その使用に際し特に制限
はなく各種形態に応じた方法で投与される。例えば錠
剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤
の場合には経口投与され、注射剤の場合は単独であるい
はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内
投与され、さらに必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮
下若しくは腹腔内投与され、坐剤の場合には直腸内投与
され、更に婦人の場合は膣内投与され得る。製剤の投与
量は、投与方法、患者の症状等に応じて適宜に選択さ
れ、一般的には有効成分化合物を遊離酸換算重量で1〜
200mg/Kg・day程度好ましくは40〜150mg/Kg・day程
度となるようにされ、これは通常1日に3〜4回に分け
て投与される。
更に本発明の上記有効成分化合物は、之をグリセライド
の形態でマーガリン、バター、料理用油または脂肪等と
して患者にその必要量を摂取させることも可能であり、
従つて本発明はかかる特異な油脂を含む食品形態の脳卒
中予防剤をも提供するものである。
かくして本発明によれば、従来例を見ない脳卒中予防が
提供される。
本発明において有効成分とされるウンデシレン酸及びパ
ルミチン酸から選ばれた少なくとも1種の脂肪酸又はそ
の塩が上記作用を有していることは、種々の薬理試験に
より確認されるが例えば以下の試験例の他、動脈血管の
物理的形態学的性質の変化を測定することによつても確
認される。該試験は例えば文献〔Jap.Heart J.16,296(1
975)〕等に準じて行なわれる。
即ち、離乳後又は3カ月令のSHRSPを本発明有効成分1w/
w%を添加した飼料により飼育する。同令のコントロー
ル(有効成分無添加群)が脳卒中死するまでの適宜の同
時点において、該ラツトを断頭し、摘出した大動脈を2
4時間冷生理食塩水中に保持し、チヤツクにかけるため
のT型端を有する動脈片(3×10mm)を作成する。各
片の厚さをマイクロメーターを用いて測定した後、イン
ストロン(島津製作所製)を用いて該動脈片についての
負荷−伸長曲線を求める。有効成分投与群の動脈片は、
コントロールのそれに比し、引張強度が大であり、血管
が補強されていることが確認される。
以下、脳卒中予防効果についての試験例を掲げる。尚、
参考としてパルミトオレイン酸を使用した試験例をも掲
げる。
試験例1 この実験は生後2ケ月の雄性SHRSPを用いた。最初の実
験はSHRSPを第1表に示した2種類の飼料(飼料I、I
I)で飼育し(SHRSPを飼料Iについては9匹、飼料IIに
ついては8匹使用)、約10ケ月間、血圧と脳卒中の発
症率を観察した。
第1図は、血圧に及ぼす飼料I、IIの影響を示すもの
で、SHRSPの令(日)と血圧との関係を示すグラフであ
る。第1図から飼料IIの場合には血圧の上昇が初期に若
干抑制される傾向のあることがわかる。また生後220
日までの脳卒中発症率は飼料Iでは60%であるのに対
し、飼料IIでは0%であつた。最終的な自然死での観察
でも脳卒中発症率は飼料I94%、飼料II13%で有意
の差があつた。
飼料IIの軽度の昇圧抑制作用は、まず飼料IとIIとの蛋
白質組成の差によるものと考えられる。そこで次の実験
を行なつた。即ち1群8匹からなるSHRSPに飼料Iを与
える際、飼料Iにメチオニンを1.5wt%添加しておき、
メチオニンによる慣性投与による令(日)と血圧との関
係を調べた。結果を第2図に示す。第2図には、コント
ロールとしてメチオニン無添加の飼料IをSHRSP(1群
10匹)に与えた場合の結果をも示した。第2図に示し
た如く、蛋白質構成アミノ酸のうち含硫アミノ酸(メチ
オニン)は血圧上昇を有意に抑制し、脳卒中の発症を約
1/3に減少した。しかし、この時飼料に添加したメチオ
ニン量は1.5%(W/W)であり、飼料IとIIのメチオニン
含量の差(0.13g/100g飼料)よりはるかに多量であ
る。このことから飼料IIによる脳卒中減少作用が蛋白質
含量の差のみに起因するとは考えられないことが明らか
になつた。
次に、飼料I、IIについて脂肪の構成成分の分析を行な
つたところ、下記第2表に示す通りであつた。
上記第2表において、含量の著しく異なるのはパルミト
オレイン酸( 、以下「POA」という)であり、飼料II(脂肪含量6.
2%)は飼料I(脂肪含量4.5%)の約15倍以上多くP
OAを含有していた。
次に、本発明者らはPOAが脳卒中発症抑制作用を有す
るか否かを明らかにするため、飼料Iに類似した飼料
(飼料III)を作製した。この飼料はアミノ酸含量は飼
料Iと同じにし、脂肪含量も飼料Iとほぼ同じ4.1%に
したが、POA含量は飼料IIの3.3%から0.7%へ約1/6
に減少させたものである。飼料III中の各種成分含有量
を第3表に示す。また飼料III中の脂肪の構成成分の分
析結果を第4表に示す。
この実験は実験期間を短縮する目的で飲料水として1%
食塩水を使用した。即ち、SHRSPを1%食塩水で飼育す
る(1群10匹ずつ)と、血圧は急激に上昇し、脳卒中
の発症が早まり、発症頻度が高くなる。得られた結果は
次の通りであつた。飼育6週間後の脳卒中発症率は、飼
料I、III、IIの順に高く、それぞれ63%、39%、
0%であつた。さらに、10週間後では脳卒中発症率が
上昇し、飼料I、III、IIそれぞれ79%、77%、6
1%であつた。これらの結果を脳卒中発症率と生存日数
との関係で表わしたのが第3図である。脳卒中発症のピ
ークは飼料Iで一番早く、次いで飼料III、飼料IIの順
であつた。このことはPOAが降圧作用に関係なく脳血
管障害を抑制することを示している。
このことをさらに確めるためPOA含量の高い乳脂肪
(約3%含有)を飼料Iに脂肪含量が20%(POA含
量は飼料Iの約44倍)になるよう添加した飼料IVを作
製し、この飼料が脳血管障害に有効か否かを検討した。
この実験は飲料水として水道水を用いた。またSHRSPを
飼料Iについては14匹、飼料IVについては20匹を使
用した。結果を第4図(a)及び(b)に示す。血圧の上昇は
飼料I、IVともに差異はなかつた。また脳卒中の発症は
飼料Iでは全自然死の観察で約83%であつたのにくら
べ、飼料IVでは非常に少なく約5%であり、生存寿命も
平均306日に対し325日と明らかに延長していた。
試験例2 生後3カ月のSHRSPを下記第5表に示すグループに分
け、1%食塩水及び飼料(SP、船橋農場(株)製)の
自由摂取により飼育し、経時的に生存率を測定した。い
ずれのグループも摂取量及び摂水量に差は認められなか
つた。
試験I及び試験IIにおいて、経時的に生存率を測定した
結果を夫々第5図及び第6図に示す。第5図及び第6図
から明らかなように、POAと同様に、本発明の有効成
分であるウンデシレン酸 及びパルミチン酸CH3(CH214COOHは、極めて
強い脳卒中予防効果を有していることが確認された。
尚、この実験期間中試験動物の神経症状を観察した結
果、生き残っている動物には脳卒中発症を示す神経症状
が認められなかった。
よって、本願発明の化合物が脳卒中予防剤として有効で
あることが認められた。
また上記試験中試験I(コントロール及びグループA)
のラツトにつき血圧(systolic blood pressure)の経
時変化を測定した。結果を下記第6表に示す。第6表に
おける数値は平均値±標準誤差であり、nはラツトの匹
数である。
グループAとコントロールとの間に血圧の差は認められ
ず、POAが血圧を低下させることにより脳卒中の予防
効果が発揮されているのではないことが第6表に示す結
果より判明した。
試験例3 SHR及びその母系であるウイスター キヨウト ラツ
ト(以下「WKYラツト」という)を、POA1w/w%
を添加した飼料(MF;オリエンタル酵母(株))で4
週間飼育後、血漿及び胸部大動脈中のPOA濃度並びに
血小板凝集能について検討を行なつた。
(1)脂肪酸分析 摘出した胸部大動脈を19倍量の1.15%水酸化カリウム
水溶液と共に、オールガラス製ホモジナイザーによりホ
モジネート(5%)を調製した。
血漿又は組織ホモジネート0.1mを共栓付遠沈管にと
り、ペンタデカン酸20micro-gを内部標準として添加
した後クロロホルム−メタノール溶液(2:1)3m
を加え除タンパクと総脂質の抽出を行なつた。3000
回転、10分の遠心分離の後上清をスクリユーキヤツプ付
き試験管に移し、40℃以下で窒素気流下濃縮乾固し
た。
5%HCl/メタノール(東京化成)を0.2〜0.25m
加え、キヤツプをした後100℃のアルミブロツク上で
2時間トランスメチレーシヨンを行なつた。室温まで冷
却後n−ヘキサン1.0mを加えよく攪拌して脂肪酸メ
チルエステルをヘキサン層へ抽出し、続いて水1mを
加え、ゆるやかに攪拌後3000回転、5分遠沈した。
上層のヘキサン層を別の試験管中へ移し窒素ガスにより
乾固した。分析時に再びヘキサン0.1mに溶かし、そ
のうち1〜3μを下記条件のガスクロ分析に供した。
ガスクロマトグラフイー 装置 島津GC−4CM(FID) カラム 3%Silar 10C on Cromosorb W-HP 80-100メツシユ、3mm×2m ガラスカ ラム 温度 注入口及び検出器;280° カラム;160→220℃、5℃/分 キヤリア 窒素ガス 50m/分 検出 FID インテグレータ YHP 3390A 結果を第7表に示す。
血漿中の総脂肪酸に対するPOAの割合は、コントロー
ルに対してPOA投与群では有意に高く、POAの吸収
が良好であることが判る。また胸部大動脈中の総脂肪酸
に対するPOAの割合は、コントロールに対してPOA
投与群で有意に高く、POAの胸部大動脈中濃度は血漿
中濃度より高かつた。このことはPOAが大動脈に高い
新和性を有しており、脳卒中予防効果が血管補強に基づ
くことに合致した。
(2)血小板凝集能 抗血小板薬の評価の際に汎用されているボルンの比濁法
〔ネイチヤー194:927,(1962)〕に準じて行なつた。
即ち、静脈血9に対して3.8%クエン酸3ナトリウムを
1の割合で混合しつつ採血し、200g、15分間遠心
分離した。分離された血液の上澄部分の血小板を多く含
んだ血漿(Platelet rich plasma,以下これを「PR
P」と略す)を分取した後、その沈査部分を更に800
g、15分間遠心分離し、その上澄部分を分取して血小
板を含まない血漿(Platelet poor plasma,以下これを
「PPP」と略す)を得た。PRPをPPPで希釈して
血小板数を40万個/uになるように調整した(これ
を「PRP試料」という)。血小板凝集はアグリゴメー
ター(二光バイオサイエンス(株)製)により測定し
た。即ち200μのPRP試料をキユベツトに入れ、ア
グリゴメーターにセツトし、37℃に1分間保温後血小
板凝集惹起剤としてアデノシン2リン酸(ADP)、コ
ラーゲン又はCa−アイオノフアー(A23187,シグマ社
製)を添加し、透光度の変化を連続記録した。それぞれ
の最大凝集率を次式により求め、その結果を第8表に示
す。
1:PRP試料の相対透光度 A2:PPPの相対透光度 A3:凝集惹起剤を添加したPRP試料の相対透光度 第8表の結果より次のことが明らかになつた。即ち、P
OA投与群とコントロール群との間には、ADP、コラ
ーゲン及びA23187による血小板凝集抑制に対して差は
認められなかつた。このことよりPOAの脳卒中予防効
果は、血小板凝集抑制作用に基づくものではないことが
判つた。
試験例4 本発明の有効成分化合物は、いずれも極めて低毒性であ
つて、例えばウンデシレン酸及びパルミチン酸のLD50
は以下の通りである。
ウンデシレン酸 2.5g/Kg (ラツト、経口) パルミチン酸 57±3.4mg/Kg(マウス、静脈内) 製剤例1 各1錠が下記組成を有する錠剤を作成する。
製剤例2 ウンデシレン酸 150g クエン酸 1.0g ラクトース 33.5g リン酸二カルシウム 70.0g ブルロニツクF−68 30.0g ラウリル硫酸ナトリウム 15.0g ポリビニルピロリドン 15.0g ポリエチレングリコール (カルボワツクス1500) 4.5g ポリエチレングリコール (カルボワツクス6000) 45.0g コーンスターチ 30.0g 乾燥ラウリル硫酸ナトリウム 3.0g 乾燥ステアリン酸マグネシウム 3.0g エタノール 適量 ウンデシレン酸、クエン酸、ラクトース、リン酸二カル
シウム、ブルロニツクF−68およびラウルリ硫酸ナト
リウムを混合する。
上記混合物をNO.60スクリーンでふるい、ポリビニル
ピロリドン、カルボワツクス1500および6000を
含むアルコール性溶液で湿式粒状化する。必要に応じて
アルコールを添加して粉末をペースト状塊にする。コー
ンスターチを添加し、均一な粒子が形成されるまで混合
を続ける。NO.10スクリーンを通過させ、トレイに入れ
100℃のオーブンで12〜14時間乾燥する。乾燥粒
子をNO.16スクリーンでふるい、乾燥ラウリル硫酸ナ
トリウムおよび乾燥ステアリン酸マグネシウムを加え混
合し、打錠機で所望の形状に圧縮する。
上記の芯部をワニスで処理し、タルクを散布し湿気の吸
収を防止する。芯部の周囲に下塗り層を被覆する。内服
用のために十分な回数のワニス被覆を行なう。錠剤を完
全に丸くかつ滑かにするために、さらに下塗層および平
滑被覆が適用される。所望の色合が得られるまで着色被
覆を行なう。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均一な光沢の錠
剤にする。
発明の効果 本発明の脳卒中予防剤は、血管の脆弱性、異状な透過性
の回復作用、血管強化、血管老化防止作用を有し、人及
び動物の各種の血管障害、例えば血管脆弱に起因する各
種出血の予防及び治療に優れた効果を奏し得る。殊に本
発明薬剤は、高血圧性血管障害、とりわけ脳血管障害に
奏効し、脳卒中の予防及び治療に適したものである。本
発明の上記有効成分は、腸管からの吸収性がよく、また
血中において安定であり、従つて効果の持続時間が長
く、しかも低毒性であり、長期間の服用が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、飼料I、IIを与えたときのSHRSPの令(日)
と血圧との関係を示すグラフである。第2図はメチオニ
ンによる慢性投与による令(日)と血圧との関係を示す
グラフである。第3図は脳卒中発症率と生存日数との関
係を示すグラフである。第4図(a)は飼料I、IVの血圧
に及ぼす影響を示すグラフであり、また同(b)は飼料
I、IVの脳卒中発症に及ぼす影響を示すグラフである。
第5図及び第6図は、夫々POA及び本発明有効成分を
与えたSHRSPの生存率におよぼす影響を示すグラフであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウンデシレン酸及びパルミチン酸から選ば
    れた少なくとも1種の脂肪酸又はその塩を有効成分とし
    て含有することを特徴とする脳卒中予防剤。
JP5995584A 1984-03-28 1984-03-28 脳卒中予防剤 Expired - Lifetime JPH0653662B2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5995584A JPH0653662B2 (ja) 1984-03-28 1984-03-28 脳卒中予防剤

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5995584A JPH0653662B2 (ja) 1984-03-28 1984-03-28 脳卒中予防剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
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