JPH0653535A - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池

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JPH0653535A
JPH0653535A JP5063977A JP6397793A JPH0653535A JP H0653535 A JPH0653535 A JP H0653535A JP 5063977 A JP5063977 A JP 5063977A JP 6397793 A JP6397793 A JP 6397793A JP H0653535 A JPH0653535 A JP H0653535A
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JP
Japan
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solar cell
protective layer
group
formula
monomer
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JP5063977A
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English (en)
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Yuichi Hashimoto
雄一 橋本
Hisami Tanaka
久巳 田中
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、機械的耐久性及び環境安定性に優
れ、常に高い変換効率を得ることのできる太陽電池を提
供することを目的とする。 【構成】 本発明は、太陽電池素子及び保護層を有する
太陽電池において、該保護層がホスファゼンモノマーの
重合により得られる樹脂を含有することを特徴とする太
陽電池である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池に関し、詳し
くは特定の樹脂を含有する保護層を有する太陽電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池は、火力発電や原子力発電のよ
うな環境汚染の心配がなく、また、太陽エネルギーさえ
得られる場所であればどこでも電気エネルギーが取り出
せるため、エネルギー供給手段として注目されている。
【0003】ところが、現状では太陽電池の製造原価は
高く、変換効率も必ずしも十分ではないことに加え、耐
久性にも問題があるため、広く一般に普及する段階にま
で至っていない。そこで太陽電池の更なる普及のために
は、変換効率の向上とともに、屋外での長期に渡る耐久
性が必要となる。
【0004】こうした状況下にあって、太陽電池の耐久
性及び信頼性を向上させるために保護層は重要な役割を
担っている。
【0005】また、太陽電池素子の電極は、一般に水分
で酸化されやすいため、保護層で外部より遮断し、耐湿
性や耐候性を改善する必要がある。
【0006】従来、太陽電池の保護層の材料としては、
ポリメチルメタクリレート及びエポキシ樹脂(特開昭6
0−88481号公報)、シリコン樹脂(FR2426
337)、フッ素樹脂(特開昭59−73942号公
報)などが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリメ
チルメタクリレートは耐湿性が悪く、クラックが入り易
いという問題を有しており、エポキシ樹脂は高温高湿下
で黄変劣化し易く、光透過を妨げ変換効率を低下させる
という問題を有しており、フッ素樹脂フィルムのエチレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体も経時変化で白化
し易く、変換効率を低下させるという問題があり、更
に、RTV型(室温硬化型)シリコン樹脂は化学的には
安定であるが、表面硬度が必ずしも十分とはいえず、や
はり、光透過を妨げてしまい変換効率を低下させるとい
う問題に加え、高価であるという不都合な面もある。
【0008】本発明の目的は、機械的耐久性及び環境安
定性に優れ、常に高い変換効率を得ることのできる太陽
電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、太陽電
池素子及び保護層を有する太陽電池において、該保護層
が下記式(1)
【0010】
【外3】 (式中、R1 乃至R6 は重合性エチレン性不飽和結合を
有する基を示し、R乃至R は同一でも互いに異な
っていても良い。)で示されるホスファゼンモノマーの
重合により得られる樹脂を含有することを特徴とする太
陽電池である。
【0011】上記本発明に用いられる樹脂は、硬度、透
明性、耐熱性、接着性、表面平滑性及び表面潤滑性など
様々な点で優れた特性を有する。また、樹脂の密度も高
いので水蒸気を透過させにくく、耐湿性も非常に優れて
いる。
【0012】本発明においては、この層を用いることに
より、常温常圧下では勿論、高温高湿下において長期間
使用しても、キズなどがつきにくく、クラックも発生し
にくく、また、光透過率も低下しにくく、更には、太陽
電池素子も酸化されにくい太陽電池を提供することがで
きたのである。
【0013】これらの特性を満足する樹脂を与え得る特
に好ましいホスファゼンモノマーとしては、R1 乃至R
6 が下記式(2)で示されるホスファゼンモノマーが挙
げられる。
【0014】
【外4】 (式中、R7 はアルキレン基、アリーレン基、アルキル
置換アリーレン基、アルキルアミド基、アリールアミド
基及びポリオキシアルキレン基を示し、R8 は水素及び
メチル基を示す。)式(1)で示されるホスファゼンモ
ノマーは、例えば以下に示す反応によって得ることがで
きる。
【0015】
【外5】 (R1 乃至R6 は式(1)のものと同様の基を示す。)
【0016】R16 −OHの具体例を以下に列挙する
が、これらに限られるものではない。2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルメタアクリレート、1,3−ブタンジオ
ールモノアクリレート、1,3−ブタンジオールモノメ
タアクリレート、1,4−ブタンジオールモノアクリレ
ート、1,4−ブタンジオールモノメタアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールモノアクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシ−3−フェノキシプロピルメタアクリレート、
ペンタエリスリノールモノアクリレート、ペンタエリス
リノールモノメタアクリレート、ペンタエリスリノール
ジアクリレート、ペンタエリスリノールジメタアクリレ
ート、ペンタエリスリノールトリアクリレート、ペンタ
エリスリノールトリメタアクリレート、1,3−ビス
(3″−アクリルオキシエトキシ−2′−ヒドロキシプ
ロピル)−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ビ
ス(3″−メタアクリルオキシエトキシ−2′−ヒドロ
キシプロピル)−5,5−ジメチルヒダントイン、ビス
フェノールA−ジグリシジルエーテルジアクリレート、
ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルメタアクリレ
ート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロール
メタアクリルアミド、ポリエチレングリコールアクリレ
ート、ポリエチレングリコールメタアクリレート、ポリ
プロピレングリコールアクリレート及びポリプロピレン
グリコールメタアクリレート。
【0017】本発明に用いられる樹脂は、式(1)で示
されるホスファゼンモノマーと適当な溶剤を含有する塗
工液を塗工し、乾燥した後、光や熱によって重合させ硬
化させることにより形成することができる。硬化させる
光としては例えば、紫外線、X線または電子線などの活
性化学線が挙げられる。光で硬化する場合、塗工液には
光開始剤を添加するが、光開始剤としては上記のような
光によってラジカルを発生するものであれば何れのもの
でもよく、例えば、アセトフェノン系、ベンゾイン系、
ベンゾフェノン系及びチオキサンノン系などの一般に用
いられる光開始剤が挙げられる。開始剤の添加量は、モ
ノマー総重量に対し0.1〜50重量%であることが好
ましく、特には0.5〜30重量%であることが好まし
い。
【0018】本発明においては、式(1)で示されるホ
スファゼンモノマーを単独で用いて樹脂を形成しても、
2種以上を混合して用いて共重合樹脂を形成してもよ
い。また、他のエチレン性不飽和結合を有する基を有す
る硬化型モノマー、好ましくはアクリル系の基を有する
硬化型モノマーと混合して共重合樹脂を形成してもよ
い。このとき、式(1)で示されるホスファゼンモノマ
ーの割合は、モノマー総重量に対し20重量%以上であ
ることが好ましく、特には30重量%以上であることが
好ましい。なお、本発明においては「共重合」も単に
「重合」と呼ぶことにする。
【0019】また、本発明に用いられるホスファゼンモ
ノマーは他の樹脂と混合して用いることもできる。他の
樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、セルロース、フッ素樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、アクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂
および塩ビ−酢ビ共重合樹脂など様々な樹脂が挙げられ
る。このとき、式(1)で示されるホスファゼンモノマ
ーの割合は、ホスファゼンモノマーと他の樹脂の総重量
に対し、5重量%以上、特には10重量%以上であるこ
とが好ましく、更には20重量%以上であることが好ま
しく、より好ましくは30重量%以上である。
【0020】更に、本発明においては、保護層の分散
性、接着性及び環境安定性を更に向上させるために、保
護層中にカップリング剤や酸化防止剤などの添加剤を加
えてもよい。
【0021】また、本発明においては、太陽電池表面へ
のゴミやチリの付着をより効果的に防止するために、保
護層が金属、合金、金属酸化物及びカーボンブラックな
どの導電性粒子を含有することが好ましい。金属及び合
金としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケ
ル、ステンレス及び銀など、及びこれらの合金が挙げら
れ、金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化
スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマ
ス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをド
ープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどが挙げら
れ、更にこれらの金属、合金または金属酸化物で被覆さ
れたプラスチックなどが挙げられる。これらは単独で用
いることも、2種以上を組み合わせて用いることもでき
る。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合し
ても、固溶体や融着の形にしてもよい。本発明において
は、透明性などの点で金属酸化物を用いることが好まし
い。
【0022】本発明における導電性粒子の含有量は、保
護層の全重量に対し5〜90重量%であることが好まし
く、特には10〜80重量%であることが好ましい。導
電性粒子の含有量が5重量%未満の場合には、保護層と
しての抵抗値が高くなり過ぎる傾向になり、静電的にゴ
ミやチリが付着し易くなる。また、90重量%より多い
場合には、抵抗値が低くなりすぎる傾向になり、電池と
しての機能を果たさなくなったり、透明度が損なわれ電
池出力の低下の原因となることがある。
【0023】一方、一般に、樹脂中に粒子を分散する場
合、分散粒子による可視入射光の散乱を防ぐためには、
粒子の粒径が入射光の波長よりも小さいこと、即ち0.
3μm以下であることが好ましく、本発明においても保
護層に要求される光透過性を考慮すれば、層中の導電性
粒子の平均粒径は0.3μm以下、特には0.1μm以
下であることが好ましい。また、分散工程の際に2次粒
子が形成されることを考慮すると、用いる導電性粒子の
分散前の1次粒子の平均粒径は0.1μm以下であるこ
とが好ましく、特には0.05μm以下の超微粒子であ
ることが好ましい。本発明に用いられる樹脂は、重合性
エチレン性不飽和結合を有する基を6個有するため比較
的高い極性を有するので粒子の分散性も非常に良く、上
述したような超微粒子も十分均一に分散することができ
る。この分散液は長期間にわたって安定しており、この
液を塗布、乾燥及び硬化することにより得られる保護層
は、極めて高い透明度と、極めて均一な導電性とを有す
ることができる。
【0024】なお、本発明における導電性粒子の平均粒
径は、分散前の導電性粒子の1次粒子の場合は、SEM
(Scanning Electron Micros
cope)を用いて10,000倍で測定した任意の1
00個の導電性粒子の粒径の平均値とし、層中の導電性
粒子の場合はTEM(Transmission El
ectron Microscope)を用いて10,
000倍で測定した任意の30個の導電性粒子の粒径の
平均値とした。
【0025】また、本発明に用いられる保護層の膜厚
は、10〜200μmであることが好ましく、特には3
0〜100μmであることが好ましい。膜厚が10μm
未満であると層の耐久性が不十分になることがあり、2
00μmを越えると層の透明度が低くなり過ぎることが
ある。
【0026】本発明の保護層を形成する際の塗布方法と
しては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング
法、スピンナーコーティング法及びビームコーティング
法などが挙げられる。
【0027】本発明における太陽電池素子は、感光層を
2つの電極で挟んだユニットであり、図1でいえば10
1(感光層)と100及び102(電極)で示されるユ
ニットである。
【0028】感光層は、アモルファスシリコン(以下a
−Siとする)やCdS/CdTeなどの無機の光導電
性物質を用いたものと、フタロシアニンなどの有機の光
導電性物質を用いたものに大別される。
【0029】また、電極としては、アルミニウム、アル
ミニウム合金、クロム、ニッケル、ステンレス、In2
3 及びITO(スズをドープした酸化インジウム)な
ど様々な金属、合金、導電性の金属酸化物、あるいは、
これらを用いて導電処理された紙、プラスチック及び金
属などが挙げられる。当然のことながら、電極の少なく
ともひとつは光透過性であることが必要で、この透明電
極は、InO3 やITOなどの金属酸化物であることが
好ましい。
【0030】また、本発明においては、保護層と太陽電
池素子の間の接着性を更に高めるために、これらの間に
樹脂を主成分とした透明性の接着層を設けることもでき
る。接着層に用いられる樹脂としては、ポリブチルメタ
クリレートなどのアクリル樹脂やポリビニルブチラール
などのブチラール樹脂及びエポキシ樹脂などが挙げられ
る。
【0031】本発明の太陽電池の構成を説明するため
に、図1に本発明の太陽電池の断面図の一例を模式的に
示す。図1においては、電極兼支持体としての基板10
0の上に感光層101、その上に透明電極102が設け
られており、更にその上に、接着層103を介して本発
明の保護層104が設けられることにより太陽電池が構
成されている。また、図2は、接着層を有さない本発明
の太陽電池の構成の例を示す。100、101、102
及び104は図1と同様のものを示す。
【0032】次に、本発明の太陽電池の一例としてa−
Siを用いた太陽電池の製造例について説明する。
【0033】図5は、a−Si太陽電池の製造に使用可
能な堆積膜形成装置の一例であるRF−CVD装置の概
略図である。同図において、331は反応容器、332
は放電用陰電極333は放電用陽電極であり、334は
加熱回転台、335は電極兼支持体としての基板、33
6は真空計へ継がれる管である。また、337は排気ガ
ス口、338は原料ガス供給管、340、341及び3
42はガスボンベであり、343、344及び345は
流量計、346はコールドトラップ、347、348及
び349は開閉弁である。
【0034】以下に、この製造装置を用いた操作の一例
を示す。
【0035】まず排気ガス口337に接続された排気ポ
ンプ(不図示)を起動して反応容器331の内部を10
-6Torr程度に減圧した後、加熱回転台334に載置
された基板335を加熱しつつ回転させる。加熱操作と
前後して開閉弁347と348を開き、ガスボンベ34
0と341からそれぞれSiH4 /H2 混合ガスと、P
3 /H2 混合ガスを反応容器331に供給する。
【0036】次いで、放電用発電機Gを作動させて上記
ガスに高周波電界を印加し、放電用陽電極333と陰電
極332との間でグロー放電を生じさせる。このように
して、基板335の上にn型a−Si層を堆積させた
後、放電を停止し、開閉弁347と348を閉じてガス
の供給を停止し、反応容器331内に残留する原料ガス
を排気する。
【0037】その後、開閉弁347を開き、ガスボンベ
340からSiH4 /H2 混合ガスを反応容器331内
に供給し、グロー放電を再び生じさせる。このようにし
て、n型層上にi型a−Si層を堆積させた後、グロー
放電を停止し、開閉弁347を閉じて原料ガスの供給を
停止し、残留する原料ガスを排気する。
【0038】更に、開閉弁347と349を開き、ガス
タンク340と342からそれぞれSiH4 /H2 混合
ガスとB26 /H2 混合ガスを反応容器331内に供
給し、グロー放電を生じさせる。このようにしてi型層
上にp型a−Si層を堆積させた後、グロー放電を停止
し、開閉弁347と349を閉じて原料ガスの供給を停
止し、残留する原料ガスを排気する。このようにして得
られたn型、i型及びp型のa−Si層を総じてa−S
i単位セルと呼ぶが、本発明の太陽電池においては、更
に起電力を増すために、a−Si単位セルを複数回繰り
返し積層してもよい。
【0039】このようにして得られたa−Si単位セル
の例えば、p型a−Si層上に更に、公知の電子ビーム
蒸着法やRFスパッタリング法などを用いて、錫やイン
ジウムの酸化物などの透明導電層を形成し、電極層とす
る。
【0040】次に、この透明導電層上に式(1)で示さ
れるホスファゼンモノマーと適当な溶剤を含有する塗工
液を塗工し、乾燥した後、例えば紫外線を照射してホス
ファゼンモノマーを重合させることにより保護層を形成
する。このとき、透明導電層と保護層の間に、上述のよ
うな接着層を形成してもよい。
【0041】なお、接着層上に保護層を形成する際は、
接着層と保護層の間に気泡が入らないように真空容器内
で作業を行ったり、接着面に圧力や熱を加えながら作業
することが好ましい。
【0042】
【実施例】実施例1 上述の装置を用いて以下のようにしてa−Siセルの製
造を行った。
【0043】電極兼支持体である基板335としては、
厚さ0.5mm、寸法20×20mmのステンレス鋼の
表面を鏡面研磨したものを使用した。また原料ガスの体
積比はSiH4 /H2 =0.1、PH3 /H2 =5×1
-4、B26 /H2 =5×10-4とし、更にこれらの
混合ガスの体積混合比はSiH4 /H2 混合ガスに対し
て、PH3 /H2 混合ガス、及びB26 /H2 混合ガ
スの比が、いずれも0.1〜1%のオーダーとなるよう
に設定した。反応容器内の原料ガスの圧力を2〜5To
rr、放電用発電機Gの高周波出力を50〜500W
(4MHZ )、ステンレス基板の温度を250〜350
℃とし、p型およびn型a−Si層の成長速度を0.4
×10-4〜1×10-4μm/sec、i型a−Si層の
成長速度を0.8×10-4〜3×10-4μm/secと
した。a−Si層の層厚さは堆積時間の調整などによっ
て任意の厚さに容易に調整できるが本実施例及び比較例
においてはa−Siの層構成は、n型のa−Si層の厚
さを0.01μm、i型のa−Si層の厚さを0.6μ
m、p型のa−Si層の厚さを0.003μmとした。
【0044】このa−Si層上に、RFスパッタリング
法を用いて厚さ0.05μmのIn23 電極層を形成
した。
【0045】次に、下記構造式のホスファゼンモノマー
60部(重量部、以下同様)
【0046】
【外6】
【0047】光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン0.1部、トルエン100部を混合
した塗料をスプレーコーティング法によりIn23
極層上に膜厚100μmになるように塗工し、120℃
で30分間乾燥させた後、高圧水銀灯にて8mW/cm
2 の光強度で30秒間光硬化を行い、図2に示されるよ
うな太陽電池を作成した。
【0048】こうして得られた太陽電池、及び保護層を
設けなかった太陽電池素子について、キセノンフェード
メーター(FAL−25AX−HC・B・EC、スガ試
験機(株)製)を用いて2000時間の耐候テストを行
った。
【0049】図3及び4は、本実施例の耐候テストで用
いた試験機の構造を示す概略図である。図3は、試験機
の正面図であるが、部分的には内部構造をも示してお
り、図4は、内部の試験槽を拡大した概略図である。
【0050】本試験機は図3に図示されるように、本体
正面左側には、制御盤212があり、試験機の操作に必
要な計器やスイッチ等が取り付けられている。また右側
には試験槽があり、中央にキセノンランプ210が設置
され、その周囲を試料回転枠215が回転するようにな
っている。また下部は機械室になっており、送風機21
7及びトランス218などが取り付けられている。上述
の試験機を用い、耐候テストを以下の手順で行った。
【0051】まず、図4に示す試料回転枠215に取り
付けてある試料ホルダー214に試験用の試料200を
セットし、回転枠215に取り付けてあるブラックパネ
ル温度計213の測定値を63±3℃なるように温度を
調節した。これによって試験機内の温度は約45℃とな
った。また試験機内の湿度は50%R・Hに設定した。
次いで、試験機内に取り付けてある放射照度計(不図
示)が340nmで0.5±0.02W/m2 の値を示
すようにランプの照度を設定した。試料は回転して均等
に光を受けるようにし、2000時間、光照射を行っ
た。
【0052】耐候テスト初期と2000時間経過後での
出力を測定し、保護層を設けなかったものの耐候テスト
初期における出力に対する比(出力効率比:%)で評価
した。また、耐候テスト後の保護層表面の状態を目視に
て評価した。
【0053】結果を表1に示す。
【0054】実施例2 保護層用モノマーとして下記構造式のホスファゼンモノ
マーを用い、膜厚を50μmにした他は、実施例1と同
様の条件で太陽電池を作成した。
【0055】
【外7】
【0056】得られた太陽電池を実施例1と同様にして
評価した。結果を表1に示す。
【0057】実施例3 保護層用モノマーとして下記構造式のホスファゼンモノ
マーを用い、膜厚を80μmにした他は、実施例1と同
様の条件で太陽電池を作成した。
【0058】
【外8】
【0059】得られた太陽電池を実施例1と同様にして
評価した。結果を表1に示す。
【0060】比較例1 実施例1と同様の太陽電池素子の上に接着剤としてエチ
レン−酢酸ビニルホットメルトシート(膜厚50μm)
を用いて膜厚100μmのポリメチルメタクリレートフ
ィルム(BR−80、三菱レイヨン(株)製)を接着す
ることによって太陽電池を作成した。接着は市販のアイ
ロンを用いて130℃で熱板溶接を行った。得られた太
陽電池を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に
示す。
【0061】比較例2 実施例1と同様の太陽電池素子の上に接着剤としてエチ
レン−酢酸ビニルホットメルトシート(膜厚50μm)
を用いて膜厚100μmのポリフッ化ビニルフィルム
(テドラー、Dupont製)を接着することによって
太陽電池を作成した。接着は市販のアイロンを用いて1
30℃で熱板溶接を行った。得られた太陽電池を実施例
1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
【0062】比較例3 実施例1と同様の太陽電池素子の上にエポキシ樹脂(エ
ピコート、油化シェルエポキシ(株)製)10部をトル
エン20部に溶解した溶液をスプレーコーティング法に
よって塗布した後、130℃で加熱乾燥することによっ
て膜厚100μmの保護層を形成した。得られた太陽電
池を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示
す。
【0063】比較例4 実施例1と同様の太陽電池素子の上にRTVシリコン樹
脂(7022、信越化学(株)製)をバーコーターを用
いて塗布し、室温で1日放置して硬化することによって
膜厚100μmの保護層を形成した。得られた太陽電池
を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】上表からわかるように、多少の差はあるも
のの実施例1、2及び3のいずれにおいても初期におけ
る91〜94%の出力効率比が2000時間の耐候テス
ト後においても、90〜92%と安定しており、1〜2
%の低下しか生じていない。また、保護層表面に変化も
見られない。これに対して従来の材質の保護層を用いた
比較例1乃至3においては、初期の出力効率比が低かっ
たり、耐候テスト後4〜34%の低下を生じた他、保護
層が割れることもあり、本発明において用いる保護層が
極めて優れたものであることが確認された。また、比較
例4においては、保護層としてRTVシリコン樹脂を用
いたが、多数のキズが発生し、出力効率の大幅な低下を
生じている。
【0066】実施例4 100×100mmのガラス板上にアルミニウム電極を
真空蒸着法により設けた。
【0067】次に、オキシチタニウムフタロシアニン4
部とポリビニルブチラール1部をシクロヘキサノン10
0部に添加し、1mmφのガラスビーズを用いたサンド
ミルで1時間分散した。この分散液に100部のメチル
エチルケトンを加えた溶液をアルミニウム電極上に浸漬
塗布した後、80℃で10分間乾燥して、膜厚0.5μ
mの感光層を形成した。
【0068】次に、前記感光層上に膜厚0.05μmの
ITO電極を真空蒸着法によって形成した。
【0069】次に、このITO電極上に実施例1と同様
の保護層を設けることにより太陽電池を作成した。但
し、保護層の膜厚は70μmとした。
【0070】作成した太陽電池及び保護層を設けなかっ
た太陽電池素子について、実施例1と同様にして評価し
た。但し、耐候テストは100時間とした。結果を表2
に示す。
【0071】実施例5 実施例2と同様のホスファゼンモノマーを用い、保護層
の膜厚を50μmにした他は、実施例4と同様にして太
陽電池を作成し、評価した。結果を表2に示す。
【0072】実施例6 実施例3と同様のホスファゼンモノマーを用い、保護層
の膜厚を80μmにした他は、実施例4と同様にして太
陽電池を作成し、評価した。結果を表2に示す。
【0073】比較例5 実施例4と同様の太陽電池素子の上に接着剤としてエチ
レン−酢酸ビニルホットメルトシート(膜厚50μm)
を用いて膜厚100μmのポリメチルメタクリレートフ
ィルム(BR−80、三菱レイヨン(株)製)を接着す
ることによって太陽電池を作成した。接着は市販のアイ
ロンを用いて130℃で熱板溶接を行った。得られた太
陽電池を実施例4と同様にして評価した。結果を表2に
示す。
【0074】比較例6 実施例4と同様の太陽電池素子の上に接着剤としてエチ
レン−酢酸ビニルホットメルトシート(膜厚50μm)
を用いて膜厚100μmのポリフッ化ビニルフィルム
(テドラー、Dupont製)を接着することによって
太陽電池を作成した。接着は市販のアイロンを用いて1
30℃で熱板溶接を行った。得られた太陽電池を実施例
4と同様にして評価した。結果を表2に示す。
【0075】比較例7 実施例4と同様の太陽電池素子の上にエポキシ樹脂(エ
ピコート、油化シェルエポキシ(株)製)10部をトル
エン20部に溶解した溶液をスプレーコーティング法に
よって塗布した後、130℃で加熱乾燥することによっ
て膜厚100μmの保護層を形成した。得られた太陽電
池を実施例4と同様にして評価した。結果を表2に示
す。
【0076】比較例8 実施例4と同様の太陽電池素子の上にRTVシリコン樹
脂(7022、信越化学(株)製)バーコーターを用い
て塗布し、室温で1日放置して硬化することによって膜
厚100μmの保護層を形成した。得られた太陽電池を
実施例4と同様にして評価した。結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】上表からわかるように、保護層を設けてい
ない太陽電池は、感光層自体のはがれが生じ、出力効率
の大幅な低下を生じた。しかし、実施例4〜6において
は出力効率の低下が非常に少なく、また、保護層の表面
に変化も見られない。比較例5〜8においては従来の材
料を保護層に用いたが、実施例4〜6におけるような優
れた特性は発揮されていない。
【0079】実施例7 実施例2と同様のホスファゼンモノマー40部、分散前
の一次粒子の平均粒径が0.04μmである酸化スズ超
微粒子65部、光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン0.1部及びトルエン100部を
混合した塗料を、サンドミルを用いて40時間分散し
た。
【0080】この分散液を用いて保護層を形成した他
は、実施例1と同様にして太陽電池を作成した。但し、
保護層の膜厚は40μmとした。
【0081】得られた太陽電池を実施例1と同様にして
評価したところ、出力効率比は初期、耐候テスト後とも
に90%であり、耐候テスト後の保護層表面の状態にも
変化は見られなかった。
【0082】実施例8 実施例3と同様のホスファゼンモノマー70部、分散前
の一次粒子の平均粒径が0.04μmであるITO超微
粒子30部、光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン0.1部及びトルエン100部を混
合した塗料を、サンドミルを用いて55時間分散した。
【0083】この分散液を用いて保護層を形成した他
は、実施例4と同様にして太陽電池を作成した。但し、
保護層の膜厚は65μmとした。
【0084】得られた太陽電池を実施例1と同様にして
評価したところ、出力効率比は初期においては82%
で、耐候テスト後は75%であり、耐候テスト後の保護
層表面の状態にも変化は見られなかった。
【0085】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、機械的
耐久性及び環境安定性に優れ、常に高い変換効率を得る
ことのできる太陽電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池の構成の一例を示す。
【図2】本発明の太陽電池の構成の一例を示す。
【図3】本実施例で用いた耐候テスト試験機の概略を示
す。
【図4】本実施例で用いた耐候テスト試験機の試験槽の
概略を示す。
【図5】本実施例で用いたRF−CVD装置の概略を示
す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽電池素子及び保護層を有する太陽電
    池において、該保護層が下記式(1) 【外1】 (式中、R1 乃至R6 は重合性エチレン性不飽和結合を
    有する基を示し、R1乃至R6 は同一でも互いに異なっ
    ていても良い。)で示されるホスファゼンモノマーの重
    合により得られる樹脂を含有することを特徴とする太陽
    電池。
  2. 【請求項2】 前記R1 乃至R6 が下記式(2) 【外2】 (式中、R7 はアルキレン基、アリーレン基、アルキル
    置換アリーレン基、アルキルアミド基、アリールアミド
    基及びポリオキシアルキレン基を示し、R8 は水素及び
    メチル基を示す。)で示される請求項1記載の太陽電
    池。
  3. 【請求項3】 前記保護層が導電性粒子を含有する請求
    項1記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記導電性粒子が金属酸化物である請求
    項3記載の太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記保護層中の導電性粒子の平均粒径が
    0.3μm以下である請求項3記載の太陽電池。
  6. 【請求項6】 前記保護層中の導電性粒子の平均粒径が
    0.1μm以下である請求項5記載の太陽電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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