JPH0652818U - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パンツ型おむつ側縁部の剥離強度を向上させ
る。 【構成】 透液性表面シート２、不透液性裏面シート
３、および吸液性コア４からなるおむつ本体５において
前後身頃６，７の一方の身頃の側縁間の幅 Ｗ₃を他方の
身頃の側縁間の幅Ｗ₁よりも左右各側において幅Ｗ₂だけ
大きくつくり、その大きくつくった側縁部７Ａ，７Ｂを
折り返し、それら側縁部７Ａ，７Ｂの表面シート２上の
粘着剤１０Ａと他方の身頃の側縁部６Ａ，６Ｂの裏面シ
ート３上の粘着剤１０Ｂとを接合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、パンツ型使い捨ておむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この考案は、前後身頃の腰周り側縁をその長手方向に沿って接合することによ り所定の胴周り寸法に仕立てたパンツ型使い捨ておむつを対象にしている。従来 、この種おむつについては左右各側縁で合掌形式に重ね合わせた表面シートどう しを接合する技術が知られている。例えば、特開平４−８９０５０号公報は、そ の接合に両面粘着テープを使用する技術を開示している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

図４は、前記従来技術により側縁を合掌形式で接合したパンツ型おむつ４０の 斜視図である。おむつ４０では、前身頃の側縁４１と後身頃の側縁４２とが粘着 剤４３で接合してある。このおむつ４０は、おむつの胴周りサイズに比べ着用者 の胴周りが大き目であると、おむつ周方向に作用する矢印Ａで示す張力が、いわ ゆる剥離試験の際の剥離力となって作用し、両側縁４１，４２が簡単に剥離して しまうという問題がある。高い粘着力の粘着剤４３を使用してそのような剥離力 に耐えるようにすることはできるが、その粘着剤４３が粘着すべき部位以外に粘 着したときには種々問題が生じる。例えば、着用者の肌に粘着すると、それを剥 がすのにひどい痛みを伴うことがある。

【０００４】 前後身頃を接合するもう一つの従来技術に、テープファスナを使用する技術が ある。このファスナにおむつの側縁長さに匹敵する幅をもたせると、着用したと きの形がパンツ型に類似したおむつをつくることができる。ところが、この技術 ではファスナの一端を一方の身頃の側縁に固着することが必要であり、固着され た側縁は本来の柔軟性を失って高剛性になる。したがって、このようにしてつく ったおむつには、側縁が全体にごわごわして着用感が著しく悪くなるという問題 がある。もっとも、通常使用されるテープファスナは、側縁の長さに比べ幅が狭 くつくられているからこの種の問題は生じない。

【０００５】 また、テープファスナを使うタイプのおむつ（いわゆるオープン型のおむつ） は、側縁部で胴周り寸法を調整することができるものであるが、胴周り寸法の余 分な部分がすべて側縁部に集まるから側縁部はかさ張り、着用感が一層悪くなる という問題がある。

【０００６】 それゆえ、この考案では、前後身頃のいずれか一方の身頃の側縁部表面シート 上の粘着剤を、他方の身頃の側縁部裏面シート上の粘着剤に接合することによっ て、比較的弱い粘着力の粘着剤を使うことが可能なパンツ型おむつを提供するこ とが課題である。また、その側縁部を柔軟性を損なうことなく接合することも課 題の一つである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために、この考案が特徴とするところは、以下のとおりで ある。

【０００８】 この考案では、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアを 介在させたおむつ本体を表面シートを内側に本体長手方向へ折り返して前身頃と 後身頃とを重ね合わせ、これら前後身頃の左右腰周り側縁を本体長手方向に沿っ て接合してあるパンツ型おむつを前提にしている。

【０００９】 かかるおむつにおいて、前後身頃いずれか一方の身頃の側縁間の幅を前記のご とく重ね合わせたときに他方の身頃の左右側縁から外側へ延出するように幅広く つくり、その延出する側縁部の表面シート上におむつ長手方向に沿い側縁を残し て設けた粘着剤と、他方の身頃の側縁部の裏面シート上におむつ長手方向に沿い 側縁を残して設けた粘着剤とを接合することによりパンツ型に形成してあること が、その特徴である。 この考案の好ましい実施態様においては、第１および第２の粘着剤として感圧性 の同成分のものが用いてある。

【００１０】

【作用】

このように構成したおむつでは、胴周り開口部の周方向の張力が側縁部の接合 面に剪断力として作用する。剪断力に対する接合面の剥離強度は、その接合面積 の大きさで決まるから、弱い粘着力の粘着剤はその塗布面積を大きくすることに より使用が可能になる。側縁の接合は、粘着剤どうしを互いに接合させるから、 粘着剤の粘着力が弱くても、高い剥離強度を得ることが容易である。

【００１１】 側縁部は、粘着剤を塗布するだけであるから柔軟性を失うことがない。

【００１２】

【実施例】

この考案に係るパンツ型おむつの詳細を、添付の図に基づいて説明すると以下 のとおりである。

【００１３】 図１と図２とは、この考案に係るパンツ型おむつ１を示し、図１は着用すると きの状態にあるおむつ１の斜視図であり、図２は図１のおむつ１についてその腰 周り側縁の接合を剥離し、さらにそれを展開した状態で示している。おむつ１で は、透液性表面シート２と不透液性裏面シート３との間に吸液性コア４を介在さ せ、両シート２，３を外周で互いに接合しておむつ本体５を構成し、本体５を長 手方向に二分する線Ｍ−Ｍで表面シート２を内側にして折り返し、前身頃６の側 縁部６Ａ，６Ｂと後身頃７の側縁部７Ａ，７Ｂとを、それぞれの側縁部に塗布し た粘着剤１０Ａ，１０Ｂと１１Ａ，１１Ｂとによって接合することにより、図１ に示すパンツ型の形状が構成されている。かかる構成とするために、本体５にお いては、前身頃６が側縁間の幅Ｗ₁を有し、後身頃７が側縁間の幅Ｗ₃を有してい る。幅Ｗ₃は、その左右両側において幅Ｗ₁よりも幅Ｗ₂だけ広くしてあり、幅Ｗ₂ を有する側縁部７Ａ，７Ｂは長手方向のほぼ全体にわたり、表面シート２上に感 圧性粘着剤１１Ａ，１１Ｂが側縁を残して塗布してある。また、前身頃６の側縁 部６Ａ，６Ｂの裏面シート３上には、感圧性粘着剤１１Ａ，１１Ｂと同成分から なる感圧性粘着剤１０Ａ，１０Ｂが側縁全長にわたり側縁を残して塗布してある 。おむつ本体５を股下部で線Ｍ−Ｍに沿って折り返すと、側縁部７Ａ，７Ｂは前 身頃６の側縁部６Ａ，６ＢからＷ₂だけ外方へ延出するから、延出した側縁部７ Ａ，７Ｂを側縁部６Ａ，６Ｂに沿って折り返す。なお、図示してないが、表面シ ート２上の粘着剤１１Ａ，１１Ｂは、裏面シート３上の粘着剤１０Ａ，１０Ｂよ りも縦横の寸法を大きくしてあることが好ましい。これは、粘着剤１０Ａと１１ Ａ，１０Ｂと１１Ｂとが多少ずれて接合すると、粘着剤１０Ａ，１０Ｂが存在し ない表面シート２に粘着剤１１Ａ，１１Ｂが付着し、必要に応じて、それらによ る接合面を剥離するとき、表面シート２が破損するためである。

【００１４】 図３は、図１におけるＤ−Ｄ矢視図であって、側縁部６Ａ，７Ａの接合状態を 示している。おむつ１を着用したときに周方向に作用する張力Ａは、前後身頃６ ，７の接合面１２，１３と実質的に平行な剪断力として作用する。一定の張力Ａ に対して粘着剤１０Ａ，１１Ａの粘着力が弱いときには、例えば、粘着剤１０Ａ ，１１Ａの塗布幅Ｂを広げて塗布面積を大きくすることにより、接合面１２，１ ３の剥離強度を向上させることができる。

【００１５】 粘着剤１０Ａ，１０Ｂと１１Ａ，１１Ｂとは、それら相互の粘着力よりも表裏 面シート２，３に対する各々の粘着力が強いようにしておくと、前後身頃６，７ を一度剥離した後にも粘着剤１０Ａ，１０Ｂ，１１Ａ，１１Ｂが図２のように表 裏面シート２，３に各々残るから、再びパンツ型に接合することができる。この ように接合と剥離とを繰り返すことができるようにしておくと、おむつ着用の繰 り返しや、側縁を剥離して着用中のおむつの汚れ具合を点検するのに都合がよい 。

【００１６】 おむつ１において、表裏面シート２，３は、実質的に同形同大にしてある。腰 周りと脚周りとには、伸縮性の糸ゴム１５，１６を設け（図１、２参照）、伸縮 性を持たせてある。

【００１７】 表面シート２には不織布や開孔プラスチックシート、裏面シート３にはプラス チックシート、吸液性コアには粉砕パルプと高吸水性ポリマーとの混合物、接着 剤１０Ａ，１０Ｂ，１１Ａ，１１Ｂにはエチレン・酢ビ系その他の粘着剤、およ びそれら粘着剤からなる両面テープを使用することができる。

【００１８】

【考案の効果】

この考案に係るおむつでは、腰周り側縁部の粘着剤による接合面が周方向に作 用する張力と平行になるようにしてあるから、おむつ着用中にもこの接合面は、 いわゆる剥離力の作用を受けることがなく、簡単に剥離することがない。しかも 、接合面の粘着剤は側縁部を残して設けてあるから、粘着剤が側縁からはみ出し て下着などに付着することがない。

【００１９】 互いに対向する両接合面の粘着剤は感圧性で同成分からなるから、両接合面は 、相対的に加圧するだけで接合することができるとともに親和性がよく、所要の 接合力を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るパンツ型おむつの斜視図。

【図２】おむつの展開図。

【図３】図１におけるＤ−Ｄ矢視図。

【図４】従来技術による側縁部接合形式の一例を示す部
分斜視図。

【符号の説明】

１ パンツ型おむつ ２ 透液性表面シート ３ 不透液性裏面シート ４ 吸液性コア ５ 本体 ６ 前身頃 １０Ａ，１０Ｂ，１１Ａ，１１Ｂ 粘着剤

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透液性表面シートと不透液性裏面シートと
   の間に吸液性コアを介在させたおむつ本体を、前記表面
   シートを内側に長手方向へ折り返して前身頃と後身頃と
   を重ね合わせ、これら前後身頃の左右腰周り側縁を前記
   長手方向に沿って接合したパンツ型使い捨ておむつにお
   いて、 前記前後身頃いずれか一方の身頃の側縁間の幅を前記重
   ね合わせたときに他方の身頃の左右側縁から外側へ延出
   するように幅広くつくり、その延出する側縁部の表面シ
   ート上に前記長手方向に沿い側縁を残して設けた第１の
   粘着剤と前記他方の身頃の側縁部の裏面シート上に前記
   長手方向に沿い側縁を残して設けた第２の粘着剤とを接
   合することにより前記パンツ型に形成してあることを特
   徴とする前記おむつ。
2. 【請求項２】前記第１および第２の粘着剤として感圧性
   の同成分のものを用いてある請求項１記載のおむつ。