JPH0651811B2 - 透湿性高分子アロイフィルムの製造方法 - Google Patents

透湿性高分子アロイフィルムの製造方法

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JPH0651811B2 JP30072690A JP30072690A JPH0651811B2 JP H0651811 B2 JPH0651811 B2 JP H0651811B2 JP 30072690 A JP30072690 A JP 30072690A JP 30072690 A JP30072690 A JP 30072690A JP H0651811 B2 JPH0651811 B2 JP H0651811B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
[産業上の利用分野] 本発明は、透湿性高分子アロイフィルムの製造方法、さ
らに詳述すれば、溶液として取扱の容易な水を用いて透
湿性の高分子アロイフイルムを製造する方法に関するも
のである。 [従来の技術] (1)背景 近年、内装用建材、ウィンタースポーツウェア、生鮮食
品用包装材などとして、透湿性フィルムの受容が増えつ
つある。 従来の透湿性フィルムの製造方法としては、例えばポリ
エチレンやポリスチレンなどの疎水性高分子をマトリッ
クスとし、この中にタンパク質や合成高分子電解質など
の親水性高分子をドメインとして分散させ、製膜する方
法、疎水性にビニルモノマーと親水性ビニルモノマーと
の共重合又は多官能イソシアネートへの多官能アミンの
重付加反応を利用した製膜方法が挙げられる。 (2)従来技術の問題点 しかしながら、このような従来の透湿性フィルムの製造
方法では、いづれも極性有機溶媒を大量に使用するた
め、溶剤回収のためのエネルギー消費と揮散や回収もれ
による環境汚染が問題となる。また透湿性成分を疎水性
マトリックスに分散させる方法においても、添加された
透湿性成分が疎水性ポリマーフィルムの一方の表面に偏
って分布したり又はフィルムの表面層に露出せずに製膜
され、このため、透湿効果が十分に発揮されないという
点が問題となっている。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は、溶剤として水を使用することにより、公知の
透湿性高分子フィルムの製造法における上記諸問題点を
解決し、自体透湿作用が十分であるのみならず、溶剤使
用に伴なう溶剤の回収、環境汚染、安全性等の懸念がな
く、しかも工業的規模で製造可能な透湿性高分子アロイ
フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【発明の構成】
[問題点を解決するための手段] (1)懸念 本発明者は、上記課題の解決を目指し種々研究を試みた
結果、水系のポリマー水溶液を用い、静電場下に脱水し
つつ製膜することによって、透湿性のあるフィルムを製
造しうるとの知見を得た。 (2)概要以上の知見に基づき、本発明は、高分子電解質
を分散したプレポリマーもしくはポリマーの水溶液又は
分散液に電場をかけながら、該溶液又は分散液から水を
除去することを特徴とする透湿性高分子アロイフィルム
の製造方法を要旨とする。以下、発明を構成する要素な
どにつき項別して説明する。 (3)マトリックス成分 本発明方法においては、親水性のプレポリマー又はポリ
マーと、高分子電解質(以後ドメインという)と、さら
に必要に応じて架橋剤と水を溶媒又は分散媒として混合
し、電場をかけながら熱をかけ、水を除去することによ
ってドメイン含有のフィルムを得る。この際、原料とし
て親水性のプレポリマーを用いた場合又は熱反応型架橋
剤を併用した場合は、脱水後、更に温度を上げ、熱処理
することによって架橋し、膜状化する。なお、架橋剤は
ドメインとも反応してポリマー鎖にドメインが結合され
る。従って、このポリマーの形成過程からして、プレポ
リマーは、自体親水性ではあるが、ポリマー化後は疎水
性となるものを選択することが必要である。 マトリックス構成材としてのポリマー成分と架橋剤の組
み合せによる製膜法の具体例を述べると、 (イ)ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ
エチレンイミン等の水溶性ポリマーと末端ブロック化ジ
イソシアネートとの混合水溶液を用いての製膜法。 (ロ)末端ブロック化イソシアネート系プレポリマーと多
官能アミンとの混合水溶液を用いる製膜法。ここでプレ
ポリマーの幹としては、ポリエーテルポリオール、ポリ
エステルポリオール又は両者の混合ポリオールが使用さ
れる。 (ハ)非イオン系強制乳化型ポリウレタン樹脂や自己乳化
型ポリウレタン樹脂等の疎水性ポリウレタンの水分散体
混合水溶液による製膜法。 等が挙げられる。架橋剤としては、上記イソシアネート
以外に、ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、カ
ルボニルジイミダゾール、トリメチロールプロパン等が
例示される。 (4)ドメイン 前記ポリマーと結合されるドメインとしては、例えば
(a)ゼラチン、カゼイン、S-カルボキシメチルケラチン
等の両性高分子電解質型のもの及び (b)アルギン酸ナトリウム、ポリアミノ酸、ジメチルジ
アリルアンモニウムクロライド、ポリフィリン等のアニ
オン又はカチオン性高分子電解質が挙げられるが、その
他、酵素も使用できる。 (5)製膜法 次に本発明の製造方法について説明する。上記マトリッ
クス部を構成するポリマーを形成させる際、つまり製膜
に際して、透湿性成分として添加された高分子電解質を
膜厚方向に均一に配合、分散させることが本発明の実施
における重要な問題点である。このため、 先ず、水にポリマー成分を溶解させ、これに架橋剤を
加えて均一の水溶液とし、これを電極に接したキャスト
板上に薄く流延させる。 予めドメインの水溶液を準備しておき、上記ポリマー
水溶液中に均一に分散させる。これは該ポリマー水溶液
をキャスト板上に流延させる前又は後のいづれでもよ
い。 分散方法としては、ポリマー及びドメインの2成分が水
に対し均一分散水溶液となるように撹拌すればよいが、
ポリマー水溶液が粘稠で撹拌が困難な場合は、ドメイン
成分の水溶液を静電噴霧法により微粒子化し、これをマ
トリックス部に包埋させるのが効果的な分散方法であ
る。 ここに、ポリマーとドメインの混合比は、重量比で10:
2〜0.5が望ましい。ポリマーの濃度は、その溶解度の
範囲で任意に選ばれる。 次に、キャスト板上のポリマー・ドメイン水溶液系に
電圧を印加するが、ドメインの静電泳動を避けるため交
流電場(3000〜10000 V)が好ましい の電圧印加と同時に溶媒としての水を除去し、フィ
ルム化する。水の除去方法としては、加熱、減圧脱水等
いづれの方法でもよいが、通常、熱風にて水を除去す
る。架橋剤は、製膜後の熱処理により、ドメインを網目
構造稠に埋め込む。また、架橋剤成分がない場合であっ
ても、ドメインはポリマーの網目構造の中に埋め込まれ
るため、結合したと同じ効果が得られる。ポリマー自体
が三次元網目構造を有する場合は、格別架橋剤による架
橋を必要としない。 (6)用途 本発明により得られる透湿性高分子アロイフィルムは、
繊維と複合化してスポーツウエアその他の被覆分野及び
建材分野などに使用される他、フィルム(膜)として食
品、メディカル分野などにも利用されうる。 [作用] 交流電場を印加すると、ドメインは形成されるフィルム
の膜厚方向に配向するが、この原理は次のようである。
即ち、混合高分子水溶液では、電導度及び親水性の低い
成分相互の凝集性により、電導度の高い成分(少量成
分)が相分離した状態に置かれ、二相間には無数の小さ
な球面状界面が形成される。このようなミクロ分散系に
対し、静電場を印加しつつ水を蒸発させると、電導度及
び親水性の高い成分をドメインとし、それが膜厚力向に
縦貫して配向するポリマーアロイ膜が形成される。この
ドメインの配向により膜の透湿性や物質透過性が改善さ
れる。 ドメインがマトリックス中に固定化されると、上記原理
に基づき、電導性や透湿性が出現し、またドメインをポ
リマーから抽出すると、ドメインの部分が穴となり通気
性が出現する。 [実施例] 以下、実施例により発明具体化の例及び効果につき述べ
るが、例示は単に説明用のもので、発明思想の限定を意
図したものではない。 実施例1 (1)ポリマー成分の調製 ポリブチレンアジペートジオール(平均分子量1000)18
0 部、ポリオキシエチレンプロピレンランダム共重合グ
リコール(平均分子量3400、オキシエチレン鎖含有量80
重量%)20部、1,4-ブタンジオール 3.8部、トリメチロ
ールプロパン 3.8部及びメチルエチルケトン 143.8部の
混合物に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート7
9.9部を加え、75℃で90分反応させて遊離イソシアネー
ト基含有量1.03%のウレタンポリマーのメチルエチルケ
トン溶液を得た。 上の溶液に、ジスチレン化フェノールのエチレンオキサ
イド付加物であるポリオキシエチレンアリールフェノー
ルエーテル型非イオン界面活性剤(HLB=15)14.4 部を添
加混合後、水301.9 部を加えて乳化、分散させた。 得られた分散物に、エチレンジアミンの5%水溶液42.4
部を添加、60分間撹拌後、エバポレーターにて減圧下に
40〜50℃でメチルエチルケトンを留去し、固形分約49%
の乳白色を呈するウレタン樹脂エマルジョンを得た。 (2)ドメイン水溶液の調製 ゼラチン5gを水95gに溶解させドメイン水溶液を得
た。 (3)製膜方法 上記(2)のドメイン水溶液100 gを、(1)のウレタン樹脂
エマルジョン500 g中に撹拌しつつ均一に分散、溶解さ
せ、製膜用原液を得た。 以上の製膜用原液を、第1図に示した製膜加工装置(コ
ンベア長6m)の液受け上に流し込み、交流電場(60Hz
8000V)を印加すると同時に、コンベアを120cm/分の
速度で移動させ、ドクターナイフによって膜圧を0.5mm
に調整しつつ連続的に熱風乾燥機中を通し、フィルム化
する。コンベア上には離型紙を敷き、これとともにロー
ルに巻き取った。因に、この際の熱風温度は約90℃であ
った。 得られたフィルムは、厚さ0.2mm の透湿性高分子アロイ
フィルムであった。 実施例2 (1)プレポリマーの合成 ポリエチレングリコール(n=10)60.0g(0.1モル)とヘキサ
メチレンジイソシアネート33.7g(0.2モル)を40mlのジオキ
サンに溶解させ、80℃、5時間反応させた。 NCO基が当初量の1/2となった時点で冷却し、次いで、イ
ミダゾール13.6g(0.2モル)をジオキサン10mlに溶かした液
を上の反応液に添加し、40℃、24時間反応してプレポリ
マーのイソシアネート基を一時的に安定化させた。 (2)製膜方法 (1)のプレポリマーの一定量を取り、これに0.5 Mのジ
エチレントリエミン(DETA)水溶液を加えた。DETAの量
あ、そのアミノ基がプレポリマーの NCO基に対し、 1.2
等量(アミンが2割過剰)となる量とした。 DETAとプレポリマーをよく攪拌して、第1図の装置の液
受け上に毎分1の速度で流し込んだ。コンベアを20cm
/分の速度で移動させ、ドクターナイフによって膜圧を
0.5 mmに調整しつつ連続的に90℃の熱風乾燥機中を通
し、離型紙を供給しつつロールに巻き取った。なお、上
の流し込みと同時に交流電場(60Hz、8000V)を印加
し、かつそれと同時に、5%ゼラチン水溶液を毎分10cc
の割合で3000V印加での静電分散法でベルト上の混合水
溶液に分散させた。形成されたフィルムは、乾燥後、直
ちに隣接する乾燥機で約150 ℃でキュアーし、厚さ0.3m
m のフィルムを得た。なお、この際生じたプレポリマー
のイソシアネート基は、ドメイン歪白質(ゼラチン)の
アミノ基と反応してウレイド結合を生じ、ドメインは、
マトリックスとしてのポリウレタンと共有結合的に架橋
される。 実施例3 ポリマー成分としてポリビニールアルコール100 g、水
1000g及びカルバモイルスルホネート型ブロックトルエ
ンジイソシアネート300 gを混合分散させた。別にドメ
イン成分としてカゼインの5重量%水溶液200 gを用意
し、両者を混合分散させた。これを実施例1と同様に処
理することにより、透湿性の高分子アロイフィルムを得
た。
【発明の効果】
本発明は、溶剤として水を使用することにより、公知の
透湿性高分子フィルムの製造法における溶剤の回収、揮
散溶剤による労働衛生や環境汚染等の問題点を解決する
と共に、自体透湿作用が十分で、しかも工業的規模で製
造可能な透湿性高分子アロイフィルムの製造方法を提供
本発明により、関連産業界の発展に寄与しうる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施に使用した製膜装置の全体概略
図である。部品等の説明は図中に付記した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子電解質を分散したプレポリマーもし
    くはポリマーの水溶液又は分散液に電場をかけながら、
    該溶液又は分散液から水を除去することを特徴とする透
    湿性高分子アロイフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】ポリマー水溶液が、架橋剤を含む請求項1
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】ポリマー水溶液が、ポリウレタンの水懸濁
    液である請求項1記載の製造方法。
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