JPH0651531B2 - 卵の移送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は鶏卵等の卵を移送するための装置に関するもの
であり、例えば、複数段ケージ式鶏舎を用いた養鶏にお
いて、ケージ内の鶏が産卵した卵を移送すべく各段のケ
ージ列に沿って設けられた集卵コンベアと、各段の集卵
コンベア上の卵を収集するべく設けられた総合集卵コン
ベアとの間に設けられる卵の移送装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来、この種の移送装置は第６図の如く、ケージ列に沿
って設けられた集卵コンベア(1)′の終端と総合集卵コ
ンベア(2)′の始端にそれぞれ卵支持部(4)′，(8)′が
設けられ、卵支持部(4)′，(8)′間にバケットコンベア
(9)′が設けられて構成され、上記卵支持部(4)′，
(8)′は等間隔をおいて平行する複数の杆体からなり、
バケットコンベア(9)′は多数の熊手状バケット(92)′
を有し、集卵コンベア(1)′によって移送された卵(1
0)′を卵受入側の卵支持部(4)′上に転がし、バケット
コンベア(9)′のバケット(92)′によりこの卵(10)′を
抄い取り、バケットコンベア(9)′の上端回転部でバケ
ット(92)′内の卵(10)′を後方から前方に転がし、バケ
ット(92)′内の卵(10)′を卵送出側の卵支持部(8)′に
より抄い取り総合集卵コンベア(2)′上に移乗するよう
になされている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、かかる従来の移送装置は卵支持部
(4)′，(8)′とバケット(92)′との間で卵(10)′を直接
受渡する構造となされているで、卵(10)′が破卵しやす
い問題点がある。すなわち、卵(10)′が卵支持部(4)′
上からバケット(92)′に移乗される際、バケット(92)′
の先端部に卵(10)′が当たったり、バケット(92)′の底
部に直接卵(10)′が飛び落ちて破卵したり、バケット(9
2)′内に複数の卵(10)′が入るか又は入ろうとして卵(1
0)′どうしが衝突して破卵しやすい問題点がある。又、
卵(10)′がバケット(92)′から卵支持部(8)′上に移乗
される際、卵(10)′が卵支持部(8)′上でうまく転がら
ずに止まったりすると、次にくるバケット(92)′が卵(1
0)′に当たって破卵しやすい問題点がある。さらに、バ
ケットコンベア(9)′が垂直となされ上端回転部でバケ
ット(92)内の卵(10)′を後方から前方に転がすので、卵
(10)′に衝撃が加わりやすく破卵する危険性がある。

本発明は上記問題点を解決した卵を破卵することなく移
送しうる卵の移送装置を提供することを目的とするもの
である。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するための、本発明卵の移送装置は、
適宜間隔をおいて設けられた卵受入側と卵送出側の回転
ドラム間に傾斜コンベアが設けられ、回転ドラムは可撓
性を有し、回転軸方向に相対向する側板間に回転軸から
放射状に延びる仕切が設けられて卵１個分が入るだけの
卵室が複数形成され、各仕切は回転軸方向に所定間隔を
おいて複数に分割され、傾斜コンベアは無端状コンベア
の長さ方向に等間隔をおいて略熊手状の可撓性バケット
が多数設けられ、各バケットは順次回転ドラムの上記分
割された仕切間から卵室内を通過するようになされて卵
が回転ドラムとバケット間で移乗可能となされ、卵受入
側の回転ドラムに卵を供給する集卵コンベアと卵支持部
との接続部分上方に回転ブラシが設けられ、卵支持部が
該ドラムに臨まされ、卵送出側の回転ドラム前方に隣接
して該ドラムと同調逆回転し、回転軸にその周囲を上記
卵室数に分割する放射状の可撓性腕を有する回転子が設
けられると共に、回転ドラムの回転子側下方に卵支持部
が該ドラムの分割された仕切間に突入して設けられ、卵
が回転ドラムと回転子との間から卵支持部上に移乗可能
となされたものである。

（実施例） 以下、図面を参照しながら本発明について説明する。

第１図において、(1)は集卵コンベアであって、鶏舎の
ケージ列に沿って設けられ、ケージ内の鶏が産卵した卵
(10)を矢印(a)方向に移送するものである。(2)は総合集
卵コンベアであって、本発明の移送装置を介して集卵コ
ンベア(1)上の卵(10)を矢印(b)方向に移送して収集する
ものである。なお、集卵コンベア(1)、総合集卵コンベ
ア(2)は汎用のコンベアが使用されればよい。

(3)は卵受入側の回転ドラムであって、集卵コンベア(1)
の終端側に設けられ、集卵コンベア(1)とは卵支持部(4)
を介して連結されている。回転ドラム(3)はゴム等の可
撓性を有する材料から作製されている。該回転ドラム
(3)は第２図の如く、回転軸(31)方向に相対向する円板
状の側板(32)，(32)間に回転軸(31)から放射状に延びる
仕切(33)，(33)…が設けられて卵１個分が入るだけの卵
室(34)が複数形成されている。各仕切(33)は回転軸(31)
方向に所定間隔をおいて複数に分割され、回転軸(31)の
周方向の同位置にそれぞれ仕切(33)，(33)…が設けられ
た形状となされている。一般に上記分割された仕切(33)
とは第２図の如く棒状の突起であり、その長さが卵１個
分を載せるだけの長さとなされたものである。又、卵室
(34)は上記仕切(33)，(33)…により回転軸(31)の周囲が
等分割されて形成され、第２図の場合は４個形成されて
いるが適宜複数形成されればよい。回転ドラム(3)の回
転軸(31)は集卵コンベア(1)の移送方向とほぼ直角をな
し、図外の駆動装置により矢印(C)方向に回転されてい
る。

卵支持部(4)は集卵コンベア(1)から回転ドラム(3)に卵
(0)を供給するものであって、板状体やこれに類するも
の等卵を載置支持しうる形状、構造を有するものであ
る。卵支持部(4)は後端が集卵コンベア(1)の終端に連続
され、前端が回転ドラム(3)に臨むようになされ、回転
ドラム(3)側に傾斜して設けられている。卵支持部(4)の
前端は第３図の如く回転ドラム(3)の上記分割された仕
切(33)，(33)間に突出する如くなされ、卵支持部(4)と
回転ドラム(3)との間から卵(10)が落下しないように且
つ卵(10)がスムーズに移乗するようになされている。な
お、(41)は卵支持部(4)の両側に設けられたガイドであ
る。

(5)は回転ブラシであって、集卵コンベア(1)の終端と卵
支持部(4)の後端の接続部分上方に設けられ、卵(10)を
集卵コンベア(1)上から卵支持部(4)上に順次掃き送るた
めのものである。

(6)は卵送出側の回転ドラムであって、総合集卵コンベ
ア(2)の始端側に設けられ、総合集卵コンベア(2)とは卵
支持部(8)を介して連絡されている。該回転ドラム(6)は
卵受入側の回転ドラム(3)と同材料から作製された同構
造のものであって、(61)は回転軸、(62)は側板、(63)は
仕切、(64)は卵室をそれぞれ示す。又、回転ドラム(6)
は回転ドラム(3)と同様に矢印(d)方向に回転駆動されて
いる。

(7)は回転子であって、回転ドラム(6)の前方に隣接する
と共に総合集卵コンベア(2)の始端上方に位置して設け
られている。該回転子(7)は第４図の如く回転軸(71)に
その周囲を回転ドラム(6)の卵室(64)と同数に分割する
放射状の可撓性腕(72)を有している。腕(72)は一般にブ
ラシ等とされている。回転軸(71)は回転ドラム(6)の回
転軸(61)と平行に設けられ、回転ドラム(6)と同調逆回
転、すなわち矢印(e)方向に回転するようになされてい
る。又、上記回転ドラム(6)と同調逆回転するとは、具
体的には第４図の如く回転ドラム(6)の卵室(64)内の卵
(10)が卵支持部(8)上に移乗される際、卵(10)を支持部
している仕切(63)先端と回転子(7)の腕(72)先端とが突
合わせ状態となり、上記仕切(63)と腕(72)の両方で卵(1
0)を支持して移乗可能となるように回転子(7)が回転す
ることをいう。

卵支持部(8)は回転ドラム(6)と回転子(7)との間から移
乗された卵(10)を総合集卵コンベア(2)に送出するもの
である。該卵支持部(8)は一般に複数の杆体が平行され
てなり、回転ドラム(6)の回転子(7)側下方に設けられて
いる。又、卵支持部(8)の後端は第４図の如く回転ドラ
ム(6)の分割された仕切(63)、(63)間に傾斜して突入さ
れ、前端は総合集卵コンベア(2)の始端に連続されてい
る。

(9)は傾斜コンベアであって、卵受入側の回転ドラム(3)
と卵送出側の回転ドラム(6)との間に設けられている。
該傾斜コンベア(9)はチェーン等の無端状コンベア(91)
の長さ方向に等間隔をおいて略熊手状のバケット(92)が
多数設けられている。バケット(92)はゴム等の可撓性を
有する材料から作製され、第５図の如く底部周縁から複
数の棒状突起(93)，(93)…が突設され、卵１個分を保持
しうる大きさとなされている。又、バケット(92)は無端
状コンベア(91)の回転駆動によって、棒状突起(93)，(9
3)…が順次回転ドラム(3)，(6)の分割された仕切(33)，
(33)間、(63)，(63)間から卵室(34)，(64)内を通過しう
るようになされている。すなわち無端状コンベア(91)は
矢印(f)方向に回転しており、卵受入側では第３図の如
く回転ドラム(3)の卵室(34)内の卵(10)を棒状突起(9
3)，(93)…で抄うように移乗し、卵送出側では第４図の
如くバケット(92)内の卵(10)が回転ドラム(6)の仕切(6
3)，(63)…により卵室(64)内へ抄い取られて移乗される
ようになされている。又、傾斜コンベア(9)は、回転ド
ラム(3)，(6)が１回転するとその卵室(34)，(64)の数と
同数のバケット(92)が順次卵室(34)，(64)内を通過する
ように回転駆動されている。なお、第１図の場合は集卵
コンベア(1)より総合集卵コンベア(2)の方が高い位置に
あるため、傾斜コンベア(9)もこれに合わせて傾斜され
ているが、上記と逆の場合には逆方向に傾斜されて設け
られればよい。

（作用） 次に本発明移送装置による卵の移送をその作用と共に順
次説明する。

まず、集卵コンベア(1)によって移送されてきた卵(10)
は順次回転ブラシ(5)により間欠的に支持部(4)上に掃き
送られ載置される。次いで、卵受入側の回転ドラム(3)
の回転に伴い第３図の如く仕切(33)，(33)…により卵(1
0)が卵室(34)内に抄い取られる。このとき、回転ドラム
(3)が可撓性を有することから卵(10)に衝撃を与えるこ
となく、しかも卵室(34)が卵１個分だけ入るようになさ
れていることから卵支持部(4)上に卵(10)が複数あって
も１個のみが卵室(34)内に移乗される。次いで、回転ド
ラム(3)の回転により第３図の如く卵室内(34)の卵(10)
が傾斜コンベア(9)側に臨まされると共に、バケット(9
2)の棒状突起(93)，(93)…により卵室(34)内の卵(10)が
抄い取られてバケット(92)内に移乗される。このとき、
回転ドラム(3)とバケット(92)が可撓性を有することか
ら卵(10)に衝撃を与えない。次いで、傾斜コンベア(9)
の回転駆動によりバケット(92)と共に卵(10)が卵送出側
の回転ドラム(6)まで移送され、第４図の如くバケット
(92)内の卵(10)が回転ドラム(6)の回転に伴い仕切(6
3)，(63)…により卵室(64)内に抄い取られる。このとき
もバケット(92)と回転ドラム(6)が可撓性を有すること
から卵(10)に衝撃を与えない。次いで、回転ドラム(6)
の回転により卵室(64)内の卵(10)が回転子(7)側に臨ま
され、第４図の如く卵(10)が卵室(64)から転がり出よう
とする際に回転子(7)の腕(72)により受け止められ、回
転ドラム(6)と回転子(7)との間から卵(10)が卵支持部
(8)上に移乗される。すなわち、回転ドラム(6)の回転力
により卵(10)が卵室(64)から転がり出る勢いが回転子
(7)の腕(72)により抑制されて移乗される。次いで、支
持部(8)上を卵(10)が転がって総合集卵コンベア(2)上へ
送出されるものである。

（発明の効果） 以上詳述した如く、本発明移送装置は集卵コンベアの終
端と卵支持部の後端との接続部分上方に回転ブラシが設
けられているので集卵コンベアから卵支持部上へ卵を間
欠的に掃き送ることができる卵支持部上での卵どうしの
衝突が防止できるとともに、卵受入側の回転ドラムに卵
を供給すべく卵支持部が該ドラムに臨まされ、回転ドラ
ムは可撓性を有し、回転軸方向に相対向する側板間に回
転軸から放射状に延びる仕切が設けられて卵１個分が入
るだけの卵室が複数形成され、各仕切は回転軸方向に所
定間隔をおいて複数に分割されているので、卵が卵支持
部上から回転ドラムに移乗される際、卵が回転ドラムに
当たっても破卵するようなことがなく、卵を確実に１個
ずつ回転ドラムに移乗して回転ドラム前方の傾斜コンベ
アに移送することができる。しかも、回転ドラムの卵室
内で卵が衝撃を受けることなく移送できる。

又、卵受入側と卵送出側の回転ドラム間に傾斜コンベア
が設けられ、傾斜コンベアの略熊手状の可撓性バケット
が順次回転ドラムの上記分割された仕切間から卵室内を
通過するようになされて卵が回転ドラムとバケット間で
移乗可能となされているので、卵が回転ドラムとバケッ
ト間で移乗される際、卵に衝撃を与えることなく卵受入
側の回転ドラムから傾斜コンベアを介して卵送出側の回
転ドラムへと卵を１個ずつ円滑に移送することができ
る。

さらに、卵送出側の回転ドラム前方に隣接して該ドラム
と同調逆回転し、回転軸にその周囲を上記卵室数に分割
する可撓性腕を有する回転子が設けられると共に、回転
ドラムの回転子側下方に卵支持部が該ドラムの分割され
た仕切間に突入して設けられ、卵が回転ドラムと回転子
との間から卵支持部上に移乗可能となされているので、
卵が回転ドラムの卵室から転がり出ようとする際に回転
子の腕により卵に衝撃を与えることなく受け止め、卵を
卵支持部上に載置する如く移乗でき、卵を破卵させるこ
となく送出することができる。しかも、たとえ先の卵が
卵支持部で転がらずに止まっていても、回転子の可撓性
腕により衝撃を与えることなく卵を送出でき破卵の心配
がない。

従って、本発明移送装置は卵を卵受入側から卵送出側ま
で破卵させることなく確実に１個ずつ移送できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明移送装置全体の概略説明図、第２図は本
発明移送装置における回転ドラムの例を示し、(イ)は正
面図、(ロ)は側面図、第３図は本発明移送装置における
卵受入側を示し、(イ)は平面図、(ロ)は正面図、第４図は
本発明移送装置における卵送出側を示し、(イ)は平面
図、(ロ)は正面図、第５図は本発明移送装置におけるバ
ケットの例を示す斜視図、第６図は従来の移送装置を示
す説明図である。 １……集卵コンベア、２……総合集卵コンベア、３，６
……回転ドラム、31，61……回転軸、32，62……側板、
33，63……仕切、34，64……卵室、４，８……卵支持
部、５……回転ブラシ、７……回転子、71……回転軸、
72……腕、９……傾斜コンベア、91……コンベア、92…
…バケット、93……棒状突起、10……卵。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡部 侯朗 大阪府大阪市平野区加美東６丁目12番19号 (72)発明者 阪本 精造 大阪府茨木市南春日丘２丁目４番21号 (72)発明者 渡辺 善次郎 大阪府富田林市寺池台２丁目12番28号 審査官 新井 克夫 (56)参考文献 特開 昭51−33470（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−202016（ＪＰ，Ａ) 特開 昭51−98860（ＪＰ，Ａ) 実公 昭48−21146（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭50−37434（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭60−37387（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】適宜間隔をおいて設けられた卵受入側と卵
   送出側の回転ドラム(3)，(6)間に傾斜コンベア(9)が設
   けられ、回転ドラム(3)，(6)は可撓性を有し、回転軸(3
   1),(61)方向に相対向する側板(32),(62)間に回転軸(3
   1),(61)から放射状に延びる仕切(33),(63)が設けられて
   卵１個分が入るだけの卵室(34),(64)が複数形成され、
   各仕切(33),(63)は回転軸(31),(61)方向に所定間隔をお
   いて複数に分割され、傾斜コンベア(9)は無端状コンベ
   アの長さ方向に等間隔をおいて略熊手状の可撓性バケッ
   ト(91)が多数設けられ、、各バケット(91)は順次回転ド
   ラム(3),(6)の上記分割された仕切(33),(63)間から卵室
   (34),(64)内を通過するようになされて卵(10)が回転ド
   ラム(3),(6)とバケット(91)間で移乗可能となされ、卵
   受入側の回転ドラム(3)に卵(10)を供給する集卵コンベ
   ア(1)と卵支持部(4)との接続部分上方に回転ブラシ(5)
   が設けられ、卵支持部(4)が該ドラム(3)に臨まされ、卵
   送出側の回転ドラム(6)前方に隣接して該ドラム(6)と同
   調逆回転し、回転軸(71)にその周囲を上記卵室(64)数に
   分割する放射状の可撓性腕(72)を有する回転子(7)が設
   けられると共に、回転ドラム(6)の回転子(7)側下方に卵
   支持部(8)が該ドラム(6)の分割された仕切(63)間に突入
   して設けられ、卵(10)が回転ドラム(6)と回転子(7)との
   間から卵支持部(8)上に移乗可能となされた卵の移送装
   置。