JPH065115A - 導電性フィラー、その製造方法およびその使用 - Google Patents

導電性フィラー、その製造方法およびその使用

Info

Publication number
JPH065115A
JPH065115A JP18168092A JP18168092A JPH065115A JP H065115 A JPH065115 A JP H065115A JP 18168092 A JP18168092 A JP 18168092A JP 18168092 A JP18168092 A JP 18168092A JP H065115 A JPH065115 A JP H065115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive filler
metal
resin
formula
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18168092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3059829B2 (ja
Inventor
Shigeo Miyata
茂男 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KAISUI KAGAKU KENKYUSHO KK
Sea Water Chemical Institute Inc
Original Assignee
KAISUI KAGAKU KENKYUSHO KK
Sea Water Chemical Institute Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KAISUI KAGAKU KENKYUSHO KK, Sea Water Chemical Institute Inc filed Critical KAISUI KAGAKU KENKYUSHO KK
Priority to JP4181680A priority Critical patent/JP3059829B2/ja
Publication of JPH065115A publication Critical patent/JPH065115A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3059829B2 publication Critical patent/JP3059829B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属繊維レベルの高い導電性を有し、かつ微
粒子で分散性に優れ、その上樹脂やゴムの機械的強度の
低下が少なく、しかも外観の良好な成形品を提供できる
安価で新規な導電性フィラー、該フィラーの製造方法、
該フィラーの使用を提供する。 【構成】 式(1) My2+ xMg1-xO (1) (式中、MおよびM2+は、Mn、Fe、Co、Ni、C
uおよびZnから選ばれた二価金属および二価金属イオ
ンの少なくとも一種を示し、xおよびYは次の条件、0
≦x<0.9、0.001≦y<0.9、0.001≦x+
y≦0.9を満足する)で表される酸化マグネシウム系
複合金属酸化物の表面が、M2+から選ばれた金属の少な
くとも一種で被覆されてなる導電性フィラー,該フィラ
ーの製造法、該フィラーを含む樹脂および/またはゴム
組成物、塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な導電性フィラ
ー、その製造方法および該導電性フィラーを含有する導
電性樹脂またはゴム組成物、または塗料に関する。さら
に詳しくは、繊維状または板状の酸化マグネシウム系複
合金属酸化物の表面が金属で被覆されてなる繊維状また
は板状導電性フィラー、該導電性フィラーの製造方法、
および該導電性フィラーと樹脂またはゴムとからなる成
形品外観、機械的強度等に優れた成形品を提供できる導
電性の改善された樹脂またはゴム組成物、または導電性
塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂やゴムは、電気絶縁性に優れると共
に、軽量で、かつ機械的強度、耐薬品性、着色性、成形
性等に優れているため、多岐の分野に使用されており、
電気および電子製品分野も重要な利用分野の一つであ
る。しかしその一方で、樹脂およびゴムは電子絶縁性が
あるため、帯電し易く、電磁波遮蔽性がないという欠点
がある。帯電性は、クリーンルーム、コンピュータール
ームの無塵化に重大な障害となる。また静電気の急激な
放電により、高集積化した半導体デバイスが破壊され易
くなる。このため、クリーンルーム等の壁、床、塗料等
あらゆる部分に帯電防止が必要である。テレビ、パース
ナルコンピューター等の電子機器から発生する電磁波が
周辺機器にノイズ、誤動作等の障害を与えるいわゆる電
磁波障害が、一般家庭にまでおよぶ社会的レベルの問題
となっている。
【0003】このような樹脂およびゴムの欠点を解決す
るため、導電性フィラーを樹脂、ゴム、塗料に配合し
て、電気抵抗値を下げる方法が一般に採用されている。
導電性フィラーとしては、Al、Zn、Fe、Cu、N
i、Ag等の金属粉末、カーボンブラック、金属繊維、
カーボン繊維、ガラスビーズ、ガラス繊維、マイカ表面
を金属でコートした物、TiO2やZnOの表面をSb
をドープしたSnO2でコートした物等が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記既存の導電性フィ
ラー中には、導電性、樹脂またはゴムの成形加工性、成
形品外観、価格、機械的強度等の諸要求を全て満足する
総合的に優れた物は未だ提案されていない。カーボン
系、SnO2コート系は、導電性の改善が不十分であ
る。金属粉末は、カーボン系、SnO2コート系と比較
すると、導電性には優れているが、2次粒子径が約3〜
50μmと大きいため、樹脂やゴムへの分散性が悪く、
しかも十分な導電性を得るためには、樹脂に約60重量
%以上配合する必要があり、樹脂やゴムの機械的強度、
外観を悪化させる。これらに対して金属繊維やガラス繊
維の表面を金属コートした物は、少量で高い導電性を示
すので好ましいが、繊維の短径(約10μm以上)や長
径(約1000μm以上)が大き過ぎるため、樹脂また
はゴムとの混練加工段階で繊維が切断され易く、かつ分
散性が悪いため、導電性の低下、不均一、成形品表面外
観の悪化という問題を生じる。
【0005】本発明は、金属繊維レベルの高い導電性を
有し、かつ微粒子で分散性に優れ、その上樹脂やゴムの
機械的強度の低下が少なく、しかも外観の良好な成形品
を提供できる安価で新規な導電性フィラー、該フィラー
の製造方法、該フィラーと樹脂またはゴムとからなる樹
脂組成物および該フィラーを含有する導電性塗料の提供
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(1) My2+ xMg1-xO (1) (式中、MおよびM2+は、Mn、Fe、Co、Ni、C
uおよびZnから選ばれた二価金属および二価金属イオ
ンの少なくとも一種を示し、xおよびYは次の条件、0
≦x<0.9、0.001<y<0.9、0.001<x+
y<0.9、好ましくは、xは0≦x<0.5、yは0.
01≦y<0.5、0.01≦x+y<0.5を満足す
る)で表される酸化マグネシウム系複合金属酸化物の表
面が、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびZnから選
ばれた金属の少なくとも一種で被覆されてなる導電性フ
ィラーを提供する。
【0007】さらに本発明は、100重量部の樹脂およ
び/またはゴムと、約1〜400重量部の上記導電性フ
ィラーとからなる導電性の改善された樹脂またはゴム組
成物を提供する。さらに本発明は、上記導電性フィラー
を含有する導電性塗料を提供する。
【0008】本発明はさらに、式(2) (Mg1-x2+ x6(OH)12-2y(SO4y・mH2O (2) (式中、M2+は式(1)と同じ意味を表し、xは0.0
01<x<0.5、yは0.8≦y≦1.2、mは0≦m
≦4の範囲の数を示す)で表される繊維状複合金属塩基
性硫酸塩、または式(3) Mg1-x2+ x(OH)2 (3) (式中、M2+は式(1)と同じ意味を表し、xは0.0
01<x≦0.9を表す)で表される繊維状または板状
の複合金属水酸化物を約300℃〜約1500℃の温度
条件下で焼成、還元してなる上記導電性フィラーの製造
方法を提供する。
【0009】本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研
究に努めた結果、本発明者の発明にかかる繊維状複合金
属塩基性硫酸塩(特願平第3−124758号)、また
は繊維状または板状の複合金属水酸化物(特願平第3−
36816号、特願平第3−356237号)を焼成、
還元することにより、繊維状または板状の酸化マグネシ
ウムまたは酸化マグネシウム系複合金属酸化物の表面が
実質的に金属でコートされた新規なフィラーが得られる
ことを見いだした。さらにこの新規なフィラーが、上記
諸問題を解決できることを見いだし、本発明を完成し
た。
【0010】本発明の導電性フィラーは、焼成、還元と
いう比較的容易で、かつ再現性の高い方法で製造でき
る。この導電性フィラーは、繊維状または板状のMn、
Fe、Co、Ni、CuおよびZnから選ばれた少なく
とも一種の金属イオンが固溶したまたは固溶していない
酸化マグネシウム系酸化物の表面に、微細なMn、F
e、Co、Ni、CuおよびZnから選ばれた少なくと
も一種の金属が露出した状態となっている。本発明の導
電性フィラーを構成する金属の内、特に好ましいのは、
Ni、CuおよびZnである。Cuは最も高い導電性を
示し、Niは耐酸化性に最も優れ、Znは着色しないの
で樹脂および/またはゴムの着色が自由にできるという
利点がある。
【0011】酸化マグネシウム系酸化物が繊維状の場合
における繊維の形状は、短径が約0.01〜5μm、好
ましくは0.1〜1μm、特に好ましくは0.1〜0.5
μm、長径が約2〜1000μm、好ましくは5〜10
0μm、特に好ましくは10〜50μmの範囲にあり、
アスペクト比が少なくとも5以上、好ましくは50〜1
00である極めて微細な繊維である。
【0012】このため、樹脂やゴムに対する少量の配合
で高い導電性を示すと共に、混練等の加工中における繊
維の破断あるいは配向が無視できる程度に少ない。また
均一分散性に優れているため、配合を増やしても導電性
の不均一分布はなく、かつ成形品外観が良好である。さ
らには樹脂やゴムに対する補強効果にも優れている。繊
維母体が酸化マグネシウムであるため、樹脂やゴム中の
酸性物質あるいはハロゲンの中和不活性化の作用があ
り、樹脂やゴムの耐熱性、耐候性を改善するという作用
効果も有している。
【0013】酸化マグネシウム系酸化物が板状の場合に
は、平均2次粒子径が約0.1〜3μm、好ましくは約
0.3〜1μmの範囲にあり、微細であるため、樹脂や
ゴム中での分散性に優れ、良好な機械的強度および優れ
た外観の成形品が提供される。繊維状酸化マグネシウム
系酸化物上、および板状酸化マグネシウム系酸化物上に
露出した金属の結晶粒子径は、通常0.1μm以下の超
微粒子である。
【0014】本発明の導電性フィラーは、式(2)で表
される繊維状複合金属塩基性硫酸塩または式(3)で表
される繊維状または板状の複合金属水酸化物を、約30
0〜1500℃、好ましくは約600〜1200℃の温
度条件下に焼成し、引き続き約100〜1500℃、好
ましくは約200〜600℃の温度条件下で、水素ガ
ス、一酸化炭素ガス等の還元性ガスの雰囲気下で還元処
理する。あるいは、約300〜1500℃の温度条件下
で、還元性雰囲気下で焼成と還元を同時に実施せしめて
もよい。焼成および還元温度が高くなる程、酸化マグネ
シウム系酸化物の表面を被覆する金属の量が増加し、金
属の結晶は大きくなり、酸化マグネシウム系酸化物の結
晶も大きくなる。焼成、還元温度が約1200℃以上と
なると、繊維状の場合その繊維がこわれ始める傾向があ
るので、1500℃以下、好ましくは1200℃以下で
焼成、還元をするのがよい。焼成温度が300℃未満で
あると、酸化マグネシウム系酸化物の生成が不十分であ
り、還元温度が100℃未満であると還元反応が遅く、
長時間を要する。
【0015】本発明の導電性フィラーには、繊維状と板
状とがあるが、繊維状の方が単位重量当たりの導電性が
高い。繊維状と板状とは、用途により適宜選択されるべ
きものであるが、導電性に着目する場合には、繊維状の
方がより好ましく使用される。
【0016】本発明の導電性フィラーは、樹脂との相溶
性を高めるために、例えば高級脂肪酸塩、アニオン系界
面活性剤、リン酸エステル、シラン系、チタン系あるい
はアルミニウム系のカップリング剤および多価アルコー
ルと脂肪酸のエステル類からなる群から選ばれた表面処
理剤の少なくとも一種を用いて表面処理してもよい。
【0017】表面処理剤として好ましく用いられるもの
を次に例示する。ステアリン酸、オレイン酸、エルカ
酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等の炭素数
10以上の高級脂肪酸;前記高級脂肪酸のアルカリ金属
塩;ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高
級アルコールの硫酸エステル塩;ポリエチレングリコー
ルエーテルの硫酸塩;アミド結合硫酸エステル塩;エス
テル結合硫酸エステル塩、エステル結合スルホネート、
アミド結合スルホン酸塩、エーテル結合スルホン酸塩、
エーテル結合アルキルアリルスルホン酸塩、エステル結
合アルキルアリルスルホン酸塩、アミド結合アルキルア
リルスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤類;オルト
リン酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコール等
の高級アルコールとのモノまたはジエステルまたは両者
の混合物であって、それらの酸型またはアルカリ金属塩
またはアミン塩等のリン酸エステル類;ビニルエトキシ
シラン、ビニル−トリス(2−メトキシ−エトキシ)シ
ラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ベ
ータ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン等のシランカップリング剤類;イソプロピルト
リイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス
(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネート、イソ
プロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタ
ネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチ
タネート等のチタネート系カップリング剤類;アセトア
ルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニ
ウム系カップリング剤類;グリセリンモノステアレー
ト、グリセリンモノオレエート等の多価アルコールと脂
肪酸のエステル類。
【0018】表面処理剤による式(1)の酸化マグネシ
ウム系複合酸化物の表面コーティング処理は、それ自体
公知の湿式法または乾式法により実施できる。例えば湿
式法としては、酸化マグネシウム系複合酸化物のスラリ
ーに該表面処理剤を液状またはエマルジョン状で加え、
約200℃までの温度で機械的に十分混合する。乾式法
としては、酸化マグネシウム系複合酸化物の粉末をヘン
シェルミキサー等の混合機を用いて十分撹拌下に表面処
理剤を液状、エマルジョン状、固形状等で加え、加熱ま
たは非加熱下に十分に混合する。表面処理剤の添加量
は、適宜選択できるが、一般には本発明の導電性フィラ
ーに対し約0.1〜約5重量%とするのが好ましい。
【0019】本発明で用いられる樹脂、ゴムおよび塗料
の例としては、例えばポリエチレン、エチレンと他のα
−オレフィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニル、ア
クリル酸メチルまたはアクリル酸エチルとの共重合体、
ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの
共重合体、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン、ポリ
スチレン、スチレンとアクリロニトリルとの共重合体、
スチレンとアクリロニトリル、ブタジエンとの共重合
体、エチレンとプロピレンジエンゴムまたはブタジエン
との共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポ
リメタクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ
エーテル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、アルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂、EPDM、S
BR、NBR、ブチルゴム、イソプレンゴム、フッ素ゴ
ム、シリコンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、
クロロスルホン化ポリエチレンゴム等のゴム、フェノー
ル樹脂塗料、ケイ素樹脂塗料、乾性油塗油、アクリル樹
脂塗料、エポキシ樹脂塗料等の塗料を例示できるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0020】本発明の導電性フィラーの配合量は、樹脂
またはゴム100重量部に対して約1〜400重量部、
好ましくは約5〜300重量部、特に好ましくは約10
〜200重量部である。
【0021】本発明の導電性樹脂またはゴム組成物は、
各種添加剤を必要に応じ添加してもよい。例えば、ガラ
ス繊維、チタン酸カリウム繊維、塩基性硫酸マグネシウ
ム繊維、水酸化マグネシウム繊維等の強化剤、タルク、
マイカ、ワラストナイト、シリカ、炭酸カルシウム等の
充填剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の
難燃剤、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、アルミニ
ウム粉、アルミニウム繊維、黄銅繊維、銅粉、鉄粉等の
導電性充填剤等である。さらに他の添加剤として、例え
ば酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、着色剤、顔料、発
泡剤、結晶核剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤等一
般に使用される添加剤を適宜選択配合することができ
る。
【0022】本発明の導電性フィラーを使用した成形品
あるいは塗料は、優れた帯電防止性、電磁波遮蔽性を呈
する他、機械的強度の改善、熱伝導性の改善にも優れて
いる。
【0023】以下実施例により、本発明をより具体的に
説明する。以下の各例における導電性等の測定は次のよ
うにして実施した。 導電性:長さ100mm、幅10mm、厚さ3mmの成
形体の長さ方向の両端部に銀ペーストを塗り、横河電気
(株)製、ホイートストンブリッジ−Type 2755
を使用して電気抵抗を測定した。 引張強度:JIS K−7113に従って測定した。 曲げ強度:JIS K−7203に従って測定した。 成形品外観:目視により評価した。
【0024】製造例1 塩基性硫酸マグネシウム繊維 1.5モル/リットルの硫酸マグネシウム水溶液60リ
ットルに、800gの水酸化マグネシウムを添加、分散
させて得られたスラリー(約20℃)を容量100リッ
トルのオートクレーブに入れ、170℃で6時間水熱処
理した。このスラリーを濾過、水洗後、乾燥した。この
ものの粉末X線回折結果は、塩基性硫酸マグネシウムM
6(OH)10SO4・3H2Oとほぼ同じであった。こ
の試料の化学分析結果は、上記組成と実質的に同じであ
り、結晶外形は走査型電子顕微鏡により観察した結果、
繊維状であった。であった。
【0025】実施例1 1.5モル/リットルの硫酸マグネシウム60リットル
に硫酸ニッケル3モルを加えて溶解した混合水溶液(2
5℃)に、水酸化マグネシウム900gと製造例1で得
た塩基性硫酸マグネシウム繊維60gを加えて均一に分
散させた。このスラリーを容量100リットルのオート
クレーブに入れ、170℃で8時間水熱処理した。次に
オートクレーブから反応物を取り出し、濾過、水洗、脱
水後乾燥した。乾燥物は、X線回折の結果、塩基性硫酸
マグネシウム(粉末X線回折ファイル番号7−415)
とほぼ同じであった。このものの化学分析および熱分析
の結果、組成は次の通りであった。 (Mg0.85Ni0.156(OH)10.1(SO40.95
2.2H2O この乾燥物を電気炉を用いて、水素雰囲気中1000℃
で2時間加熱し、焼成還元を同時に実施した。還元物を
取り出し、X線回折を行った結果、金属Niと酸化マグ
ネシウムの存在が確認された。走査型電子顕微鏡で観察
した結果、結晶外形は短径が0.3〜1.2μm、長径が
6〜15μmの繊維状であった。また繊維の表面は径
0.1μm以下の微粒子(金属)で覆われていた。
【0026】この金属Ni被覆酸化マグネシウムを、こ
の物の重量に基づいて1重量%のビニルトリエトキシシ
ランで表面処理した後、ポリプロピレン(三菱油化(株)
製、商品名BC−6)100重量部に対し、導電性フィ
ラー50重量部および酸化防止剤0.2重量部配合し、
約230℃で溶融混練してペレットを作成した。このペ
レットを真空乾燥した後、約230℃で射出成形機を用
いてテストピースを作成した。この物の導電性、機械的
強度および成形品外観を表1に示す。なお、帯電防止材
料として用いるためには、体積固有抵抗が104〜108
Ω・cmの範囲に、電磁波遮蔽材として用いるために
は、体積固有抵抗が1〜10-3Ω・cmの範囲にあれば
よい。
【0027】実施例2 1.7モル/リットルの硫酸マグネシウム60リットル
に硫酸第2銅0.85モルを加えて溶解した混合水溶液
(20℃)に、水酸化マグネシウム1000gと製造例
1で得た塩基性硫酸マグネシウム繊維100gを加え、
約20℃で均一に分散させた。このスラリーを容量10
0リットルのオートクレーブに入れ、150℃で8時間
水熱処理した。次にオートクレーブから反応物を取り出
し、濾過、水洗、脱水後乾燥した。乾燥物は、X線回折
の結果、塩基性硫酸マグネシウムとほぼ同じであった。
このものの化学分析および熱分析の結果、組成は次の通
りであった。 (Mg0.95Cu0.056(OH)9.8(SO41.1・2H
2O この乾燥物を電気炉を用いて、空気雰囲気中1000℃
で2時間加熱焼成し、引き続き水素と窒素(3:1)の
混合ガス雰囲気下で、500℃で2時間還元処理を実施
した。還元物を取り出し、X線回折を行った結果、金属
Cuと酸化マグネシウムの存在が確認された。走査型電
子顕微鏡で観察した結果、短径が0.2〜1.0μm、長
径が10〜20μmの繊維状であり、表面は径0.1μ
m以下の金属粒子で覆われていた。
【0028】この金属Cu被覆酸化マグネシウムを、こ
の物の重量に基づいて1重量%のイソプロピレントリイ
ソステアロイルチタネートで表面処理した後、ポリプロ
ピレン(三菱油化(株)製、商品名BC−6)100重量
部に対し、25重量部、43重量部、70重量部の3種
配合物を作り、それぞれを実施例1と同様に操作して混
練、成形してテストピースを作成した。この物の導電
性、機械的強度および成形品外観を表1に示す。
【0029】実施例3 2.5モル/リットルの塩化マグネシウムを含有するイ
オン苦汁(イオン交換膜法NaCl製造の副産物)40
リットルを、容量約50リットルの反応槽に入れ、撹拌
機で撹拌しながら5モル/リットルのアンモニア水2リ
ットルを加え、室温で10日間反応、熟成を行った。そ
の後、このものに、1.0モル/リットルの硝酸亜鉛2
40ミリリットルを加え、さらに約30分間撹拌を続け
て反応させた。この反応物を、濾過、水洗後、10モル
のNaOHを溶解した20リットルの水溶液(約90℃
に加熱)に撹拌下に加え、90℃以上に保持したまま約
30分間撹拌を継続して、塩基性マグネシウム亜鉛複合
塩繊維をマグネシウム亜鉛複合水酸化物に転化した。転
化物を濾過、水洗、脱水、乾燥した。乾燥物のX線回折
は、水酸化マグネシウムと実質的に同じパターンを示し
た。化学分析によると、この物の組成は次の通りであっ
た。 Mg0.96Zn0.04(OH)2
【0030】この複合水酸化物を、900℃で2時間水
素雰囲気下で焼成、還元を実施した。生成物の粉末X線
回折結果は、金属Znと酸化マグネシウムの生成を示し
た。走査型電子顕微鏡により観察した結果、還元生成物
は短径が0.3〜0.5μm、長径が15〜50μmの繊
維状であり、表面は径0.1μm以下の金属粒子で覆わ
れていた。この還元物を100重量部のナイロン−6
(宇部興産(株)製、商品名1013B)に対して44重
量部となるように混合し、約230℃で押出機を用いて
溶融混練してペレットを作成した。ペレットを真空乾燥
後、約240℃で射出成形機で射出成形してテストピー
スを作成した。このテストピースの評価結果を表1に示
す。
【0031】実施例4 2.0モル/リットルの塩化マグネシウムと0.18モル
/リットルの塩化第1コバルトを含有する混合水溶液2
0リットルを50リットルの反応槽に入れ、撹拌しなが
ら2モル/リットルの合成水酸化カルシウム18リット
ルを加え、約30分間25℃で撹拌して反応させた。こ
のスラリーを容量100リットルのオートクレーブに入
れ、170℃で4時間水熱処理した。次にオートクレー
ブから反応物を取り出し、濾過、水洗、脱水後乾燥し
た。乾燥物は、X線回折の結果、水酸化マグネシウムと
ほぼ同じであった。このものの化学分析の結果、組成は
次の通りであった。 Mg0.9Co0.1(OH)2 この乾燥物を電気炉を用いて、空気雰囲気中800℃で
1時間加熱焼成し、引き続き水素雰囲気下で、800℃
で2時間還元処理を実施した。還元物を取り出し、粉末
X線回折を行った結果、繊維表面に金属Coと酸化マグ
ネシウムの存在が確認された。走査型電子顕微鏡で結晶
外形を観察した結果、短径が約0.1μm、長径が約0.
8μmの六角板状であり、表面は径0.1μm以下の金
属粒子で覆われていた。
【0032】この金属Co被覆酸化マグネシウムを、こ
の物の重量に基づいて1重量%のイソプロピレントリイ
ソステアロイルチタネートで表面処理した後、下記配合
比で混合した。 エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM) 100重量部 上記導電性フィラー 150重量部 酸化亜鉛 5重量部 促進剤TT(テトラメチルウラムジスルフィド) 1.5重量部 硫黄 0.5重量部 ステアリン酸 1重量部 上記混合物を、オープンロールを用いて150℃で溶融
混練した。得られた混練物をプレス成形機により160
℃で30分間加硫し、シートに成形し、このシートから
テストピースを作成した。評価結果を表1に示す。
【0033】比較例1 本発明の導電性フィラーを配合しなかった他は実施例1
と同様に操作して、テストピースを作成した。この物の
評価結果を表1に示す。
【0034】比較例2 本発明の導電性フィラーを配合しなかった他は実施例3
と同様に操作して、テストピースを作成した。この物の
評価結果を表1に示す。
【0035】比較例3 本発明の導電性フィラーを配合しなかった他は実施例4
と同様に操作して、テストピースを作成した。この物の
評価結果を表1に示す。
【0036】 表1 導電性フィ 樹脂等 成形品 引張強度 曲げ強度 体積固有 ラー配合量 の種類 外観 抵抗 実施例1 50 PP A 315 501 1.7×101 2−1 25 PP A 310 470 3.8×105 2−2 43 PP A 327 530 1.1×101 2−3 70 PP A 335 552 1.5 3 44 N−6 A 920 1406 1.5×101 4 150 EPDM A 7.2×106 比較例1 − PP A 280 330 2.5×1017 2 − N−6 A 630 970 5.1×1014 3 − EPDM A 2.8×1015 注:PP;ポリプロピレン N−6;ナ
イロン−6 EPDM;エチレンプロピレンジエンゴム A;光沢有り、良好 単位;引張強度kg・f/cm2 曲げ強度kg
・f/cm2 体積固有抵抗Ω・cm
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、繊維状または板状の酸
化マグネシウム系複合金属酸化物の表面が金属で被覆さ
れた新規な導電性フィラー、該導電性フィラーの製造方
法、該導電性フィラーを含有する樹脂および/またはゴ
ム組成物、および該導電性フィラーを含有する塗料が提
供される。本発明の導電性フィラーは、金属繊維レベル
の高い導電性を有し、かつ微粒子で分散性に優れるた
め、樹脂および/またはゴム、あるいは塗料に配合した
とき、成形品あるいは塗膜の機械的強度等の物性低下が
少なく、かつ外観も良好な成形品、あるいは塗膜を提供
できる導電性フィラーである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) My2+ xMg1-xO (1) (式中、MおよびM2+は、Mn、Fe、Co、Ni、C
    uおよびZnから選ばれた二価金属および二価金属イオ
    ンの少なくとも一種を示し、xおよびYは次の条件、0
    ≦x<0.9、0.001≦y<0.9、0.001≦x+
    y≦0.9を満足する)で表される酸化マグネシウム系
    複合金属酸化物の表面が、Mn、Fe、Co、Ni、C
    uおよびZnから選ばれた金属の少なくとも一種で被覆
    されてなる導電性フィラー。
  2. 【請求項2】 xおよびyが、xは0≦x<0.5、y
    は0.01≦y<0.5、0.01≦x+y<0.5の条件
    を満足する請求項1記載の導電性フィラー。
  3. 【請求項3】 短径が約0.01〜5μm、長径が約2
    〜1000μmである請求項1記載の導電性フィラー。
  4. 【請求項4】 100重量部の樹脂および/またはゴム
    と、約1〜400重量部の請求項1記載の導電性フィラ
    ーとからなる導電性の改善された樹脂またはゴム組成
    物。
  5. 【請求項5】 式(2) (Mg1-x2+ x6(OH)12-2y(SO4y・mH2O (2) (式中、MおよびM2+は式(1)と同じ意味を表し、x
    は0.001<x<0.5、yは0.8≦y≦1.2、mは
    0≦m<4の範囲の数を示す)で表される繊維状複合金
    属塩基性硫酸塩、または式(3) Mg1-x2+ x(OH)2 (3) (式中、MおよびM2+は式(1)と同じ意味を表し、x
    は0.001<x≦0.9の範囲の数を示す)で表される
    繊維状または板状の複合金属水酸化物を約300℃〜約
    1500℃の温度条件下で焼成、還元してなる請求項1
    記載の導電性フィラーの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の導電性フィラーを含有す
    る導電性塗料。
JP4181680A 1992-06-16 1992-06-16 導電性フィラー、その製造方法およびその使用 Expired - Fee Related JP3059829B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4181680A JP3059829B2 (ja) 1992-06-16 1992-06-16 導電性フィラー、その製造方法およびその使用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4181680A JP3059829B2 (ja) 1992-06-16 1992-06-16 導電性フィラー、その製造方法およびその使用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH065115A true JPH065115A (ja) 1994-01-14
JP3059829B2 JP3059829B2 (ja) 2000-07-04

Family

ID=16104999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4181680A Expired - Fee Related JP3059829B2 (ja) 1992-06-16 1992-06-16 導電性フィラー、その製造方法およびその使用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3059829B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000048644A (ja) * 1998-07-24 2000-02-18 Murata Mfg Co Ltd 無機粉末及び無機粉末の製造方法
JP2007284536A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤ
JP2011006513A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Aron Kasei Co Ltd 熱伝導性エラストマー組成物
JP2011038078A (ja) * 2009-08-17 2011-02-24 Laird Technologies Inc 高度に熱伝導性で成形可能な熱可塑性の複合材および組成物
US8865027B2 (en) 2005-08-12 2014-10-21 Cambrios Technologies Corporation Nanowires-based transparent conductors
US10749048B2 (en) 2006-10-12 2020-08-18 Cambrios Film Solutions Corporation Nanowire-based transparent conductors and applications thereof
CN114267490A (zh) * 2021-12-22 2022-04-01 广东南海启明光大科技有限公司 同源纳米银混合物及制备方法、用途、柔性银浆制备方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000048644A (ja) * 1998-07-24 2000-02-18 Murata Mfg Co Ltd 無機粉末及び無機粉末の製造方法
US8865027B2 (en) 2005-08-12 2014-10-21 Cambrios Technologies Corporation Nanowires-based transparent conductors
US9899123B2 (en) 2005-08-12 2018-02-20 Jonathan S. Alden Nanowires-based transparent conductors
JP2007284536A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤトレッド用ゴム組成物およびタイヤ
US10749048B2 (en) 2006-10-12 2020-08-18 Cambrios Film Solutions Corporation Nanowire-based transparent conductors and applications thereof
JP2011006513A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Aron Kasei Co Ltd 熱伝導性エラストマー組成物
JP2011038078A (ja) * 2009-08-17 2011-02-24 Laird Technologies Inc 高度に熱伝導性で成形可能な熱可塑性の複合材および組成物
US8299159B2 (en) 2009-08-17 2012-10-30 Laird Technologies, Inc. Highly thermally-conductive moldable thermoplastic composites and compositions
CN114267490A (zh) * 2021-12-22 2022-04-01 广东南海启明光大科技有限公司 同源纳米银混合物及制备方法、用途、柔性银浆制备方法
CN114267490B (zh) * 2021-12-22 2024-05-28 广东南海启明光大科技有限公司 同源纳米银混合物及制备方法、用途、柔性银浆制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3059829B2 (ja) 2000-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4157560B2 (ja) 難燃剤のポリオレフィンまたはその共重合体への使用
JP4201276B2 (ja) 水酸化マグネシウム粒子の製造方法
EP0498566B1 (en) Composite metal hydroxide and its use
JP4201792B2 (ja) 難燃剤、難燃性樹脂組成物及び成形体
WO2016163562A1 (ja) 水酸化マグネシウム粒子およびその製造方法
US5766568A (en) Method of producing composite metal hydroxide, composite metal hydroxide obtained thereby and a flame retardant composition obtained thereby and therewith
JPWO2013108937A1 (ja) 熱伝導改良剤
JP3059829B2 (ja) 導電性フィラー、その製造方法およびその使用
US10233305B2 (en) Magnesium hydroxide-based solid solution, and resin composition and precursor for highly active magnesium oxide which include same
JP3107926B2 (ja) 難燃剤および難燃性樹脂組成物
JPWO2010055899A1 (ja) 樹脂組成物とそれを用いた透明な樹脂成形体および塗膜
JP2826973B2 (ja) 複合金属水酸化物
JPH06157032A (ja) 複合金属酸化物、その製造方法およびその使用
JP3154535B2 (ja) 複合金属水酸化物およびその使用
JP3157538B2 (ja) 複合金属塩基性硫酸塩繊維およびその使用
JPH05112669A (ja) 難燃剤、その製造方法および難燃性樹脂組成物
JP2885358B2 (ja) 水酸化マグネシウム系固溶体、その製造法および使用
JP2007016152A (ja) 高い耐熱性を有する水酸化マグネシウム系難燃剤、難燃性樹脂組成物および成型体
JPWO2005103203A1 (ja) 難燃剤
JP2002212564A (ja) 難燃剤とその製造方法とそれを含む難燃性樹脂組成物
JP2002053722A (ja) 塩素含有樹脂組成物
JP4106508B2 (ja) 塩素含有樹脂組成物
JP2005171036A (ja) 金属水酸化物及び難燃性樹脂組成物
US5891945A (en) Magnesium hydroxide solid solutions, their production method and use
JPH0687979A (ja) 熱伝導性複合金属酸化物およびその使用

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees