JPH0651000B2 - トリグリセライドの測定方法 - Google Patents

トリグリセライドの測定方法

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JPH0651000B2 JP8299286A JP8299286A JPH0651000B2 JP H0651000 B2 JPH0651000 B2 JP H0651000B2 JP 8299286 A JP8299286 A JP 8299286A JP 8299286 A JP8299286 A JP 8299286A JP H0651000 B2 JPH0651000 B2 JP H0651000B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 産業上の利用分野 本発明は酵素によりトリグリセライドを分解する方法に
関する。さらに詳細には、血清などの生体体液試料に含
まれるトリグリセライドにペニシリウム属由来のリパー
ゼを作用せしめこれを分解する方法に関する。本発明は
血清などのトリグリセライドの測定に用いられる。
従来の技術 血清などの生体体液試料中に存在するトリグリセライド
を酵素リパーゼで分解し、遊離した脂肪酸またはグリセ
ロールを定量することによってトリグリセライドを測定
する方法が知られているが、実用に供されている方法は
ほとんどがグリセロールを定量する方法である。遊離し
たグリセロールは、グリセロールキナーゼ、グリセロー
ルデヒドロゲナーゼまたはグリセロールオキシダーゼに
よりさらに検出可能な生成物に変換されたうえ測定され
る。
血清中のトリグリセライドの分解のため最初に用いられ
たリパーゼは動物の膵臓に由来するリパーゼであった。
しかしこの酵素はトリグリセライドを完全には分解でき
なかった。トリグリセライドを酵素により完全に分解す
るため微生物を起源とするリパーゼの検索、性質の異な
るリパーゼの組み合わせによる分解、リパーゼと化学的
薬剤の組み合わせによる分解が研究された。例えば、リ
ゾープス・アリザス(Rhizopus arrhizus)のリパーゼ
(特公昭59-15638、特開昭52-25693)、シユードモナス
(Pseudomonas)属のリパーゼ(特開昭49-50990、同49-
69186、同49-89596、同49-113695、同57-58898)、リパ
ーゼとプロテアーゼの併用(特公昭54-9518、特開昭53-
114493)、リゾープス・アリザスのリパーゼ、ブタ肝臓
由来のカルボキシルエステラーゼおよびアルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属のアルキル硫酸塩の組み合わせ
(特開昭49-64495)、カンジダ(Candida)属のリパー
ゼ,すい臓リパーゼおよび胆汁酸塩の組み合わせ(特開
昭52-11987)、クロモバクテリウム(Chromobacteriu
m)属のリパーゼ(特開昭51-68297、同51-74692、同57-
58898)、リゾープス・アリザスのリパーゼとカンジダ
・シリンドラツセ(C.cylindracea)のリパーゼの組み
合わせ(特開昭52-25694、特公昭56-29)、カンジダ・
ルゴーサ(C.rugosa)のリパーゼと界面活性剤の組み合
わせ(特公昭57-39158)、リゾープス・アリザスのリパ
ーゼとシユードモナス・フルオレツセンス(P.fluoresc
ens)のリパーゼの組み合わせ(特公昭57-28276)、リ
ゾープス属などのリパーゼとコレステロールエステラー
ゼの組み合わせ(特公昭56-46799)、リパーゼと界面活
性剤,フエノール誘導体若しくはアニリン誘導体の組み
合わせ(特公昭58-5677)が知られている。
またシユードモナス属の生産するある種のリパーゼが、
グリセロール生成活性の脂肪酸生成活性に対する割合が
1%以上であることも知られている(特開昭59-18778
0)。
本発明者らは、血清トリグリセライドの分解のためにペ
ニシリウム属由来のリパーゼが有効であるという報告を
知らないが、ペニシリウム属がリパーゼを産生すること
は公知である。Iwaiらはペニシリウム・サイクロピウム
・ウエストリング(Penicillium cyclopium Westring)
株が、2種のリパーゼを産生することを報告している
(Agr.Biol.Chem.,1063-1070頁,第39巻,1980年)。彼
等は又、ペニシリウム・サイクロピウムM1株が、2種
のリパーゼを産生することを報告している(J .Bioche
m.,205-211頁,第87巻,1980年)。
発明が解決しようとする問題点 上述した血清中のトリグリセライドの分解に関する先行
技術において、単独で用いられた微生物由来のリパーゼ
は依然としてトリグリセライドを十分に分解することが
できないか、または分解速度が緩やかであった。あるい
は、これらのリパーゼはトリグリセライド測定用試薬組
成物に含まれる界面活性剤により活性が阻害されるとい
う欠点があった。また、起源の異なる複数のリパーゼを
組み合わせて用いる場合はその製造がやっかいである。
本発明はこれらの問題を解決して、単独で用いても十分
にトリグリセライドを分解することができ、且つトリグ
リセライドの測定において脂肪の乳化に用いられる界面
活性剤、例えばポリエチレングリコールアルキルフエニ
ルエーテル系などの界面活性剤による活性の阻害を実質
的に受けることのないリパーゼを用いるトリグリセライ
ドの分解方法を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
問題点を解決するための手段 本発明によれば、血清などの生体体液試料に含まれるト
リグリセライドをペニシリウム属由来のリパーゼで分解
する方法が提供される。本発明で用いられるリパーゼ
は、トリグリセライドによく作用し、グリセロール生成
活性の脂肪酸生成活性に対する割合が5%以上であり界
面活性剤により活性化され、その濃度が少なくとも5%
以下の範囲において実質的に活性が阻害されないという
優れた性質を有する。
本発明で用いられるリパーゼはペニシリウム属に属する
菌株の培養によって得られる。ペニシリウム属菌株とし
て、特に好ましくはペニシリウム・サイクロピウムATCC
34613(Penicillium cyclopium ATCC 34613)が挙げら
れる。
ペニシリウム・サイクロピウムATCC 34613は少なくとも
3種類の異なる性質のリパーゼを生産することを確認し
た。本発明で用いられるリパーゼはそのうちの一つで前
述した公知の2種とは明らかに異なる新規なリパーゼで
ある。このリパーゼは以下に示す理化学的性質を示す。
(1)作用: トリグリセライドに作用しグリセロール生成活性の脂肪
酸生成活性に対する割合が5%以上である。
(2)基質特異性: 炭素数4〜18の脂肪酸のトリグリセライドをよく分解す
る。
(3)至適pHの範囲:pH5〜7 (4)安定pHの範囲: pH3〜8において、37℃、30分間処理した後残存活性を
測定したところ、約4.5〜6のpHの範囲で安定であっ
た。
(5)作用適温の範囲:35〜40℃ (6)温度安定性: pH7.0において、0〜50℃の各温度で30分間処理した
後、残存活性を測定したところ、約35℃まで安定であっ
た。
(7)阻害、活性化および安定化: 界面活性剤により活性化され、その濃度が少なくとも5
%以下の範囲において実質的に活性が阻害されない。
(8)分子量:約110,000(セフアデツクスG−100を用
いたゲルろ過法による) (9)等電点:pH3.84(アンホラインを用いた等電点電
気泳動法による) (10)結晶形:菱形、板状 本発明で用いられるペニシリウム属由来のリパーゼのト
リグリセライドに対する反応性を、公知のシユードモナ
ス属由来のリパーゼ(商標名:リポプロテインリパーゼ
・タイプA、東洋紡績社製)およびクロモバクテリウム
属由来のリパーゼ(東洋醸造社製)と対比して第1表に
示す。
本発明で用いられるペニシリウム属由来のリパーゼと前
述の公知のリパーゼは界面活性剤に対する感受性および
脂肪酸とグリセロールの生成速度の点で最も異なる。即
ち、本発明で用いられるリパーゼは約5%という高濃度
の界面活性剤の存在下でも実質的に活性阻害を受けるこ
とがない。この性質はリパーゼにより血清中のトリグリ
セライドを分解する場合に極めて重要である。
本発明に従いトリグリセライドを分解するには、前記ペ
ニシリウム属由来のリパーゼと血清などの生体体液試料
を混合し、適当な温度でインキュベートする。反応混合
物には界面活性剤を加えることが好ましい。界面活性剤
としては、ポリエチレングリコールアルキルフエニルエ
ーテル系、ノニルフエノールエトキシレート系、第2級
直鎖アルコールエトキシレート系などの非イオン性界面
活性剤が例示される。界面活性剤の添加量は、リパーゼ
が十分に活性化される濃度でよく、通常0.01〜5%であ
る。リパーゼの使用量は試料1ml当りグリセロール生成
活性で0.1〜5単位、インキュベートの温度は20〜40
℃、反応液のpHは6〜8がそれぞれ好ましい。
本発明法をトリグリセライドの測定に用いる場合は、ト
リグリセライドから遊離したグリセロールを測定するこ
とによってトリグリセライドが定量される。グリセロー
ルの測定は公知の方法が用いられる。
本発明において、リパーゼ活性の表示は、基質オリーブ
オイル乳化液に37℃においてリパーゼを作用させたと
き、1分間に1マイクロ当量のグリセロールを生成する
量を1単位とした。
酵素活性測定法 1)グリセロール生成活性 オリーブ油乳化液を基質に、生成するグリセロールを酵
素法で測定する。
(1)試薬 a)基質:オリーブ油(半井化学製)10g、トリトンX
−100 10g、精製水30mlを撹拌子を用い30分間撹拌乳化
する。次いでこれに10%牛血清アルブミン(フラクシヨ
ンV)を含む50mMリン酸緩衝液(pH6.5)を20mlを添加
混合する。
b)グリセロール測定試薬:100mlのMES〔2-(N-モ
ノホリノ)エタン−スルホン酸〕緩衝液(pH6.5)に下
記の試薬を溶解する。
トリトンX−100 0.1g,N-エチル−N-(2-ヒドロキシ-3
-スルホプロピル)−m-トルイジン64.6mg,4−アミノ
アンチピリン10.2mg,EDTA・2ナトリウム37.2mg,
アデノシン酸リン酸・2ナトリウム200mg,塩化マグネ
シウム・6水塩40.7mg,グリセロールキナーゼ50単位,
グリセロリン酸オキシダーゼ400単位,ペルオキシダー
ゼ200単位。
(2)操作 基質1.0mlを試験管にとり37℃で予備加温する。これに
希釈酵素液0.1mlを加え反応を開始する。37℃で15分間
反応後、0.2Mトリクロル酢酸液2.0mlを加え反応を停止
する。反応停止液を東洋ろ紙(No.131)を用いてろ過す
る。ろ液0.02mlをグリセロール測定試薬3ml中に加え、
37℃で10分間加温し555nmにおける吸光度を測定する。
(3)活性表示 1分間に1マイクロモルのグリセロールを生成する酵素
量を1単位とした。
2)脂肪酸生成活性 オリーブ油乳化液を基質に、生成する脂肪酸を水酸化ナ
トリウム溶液で滴定し測定する。
(1)操作 上記基質1.0mlを試験管にとり、37℃で予備加温する。
これに希釈酵素液0.1mlを加え反応を開始する。37℃で1
5分間反応後、2.5mlのエタノール−アセトン混液(1:
1)を加え反応を停止する。指示薬としてフエノールフ
タレインを数滴加え1/20M水酸化ナトリウムで滴定す
る。
(2)活性表示 1分間に1マイクロモルの脂肪酸を生成する酵素量を1
単位とした。
参考例1 リパーゼの調整 米糠2%、コーンスチープリカー1.5%からなる培地(p
H6.0)20の入ったジヤーフアーメンターにペニシリウ
ム・サイクロピウムATCC 34613を接種し、25℃において
24時間培養して種培養液とした。上記と同じ組成の培地
が500入った発酵槽に種培養液を接種し、25℃におい
て40時間培養した。培養液をろ過して菌体を除き、得ら
れたろ液を限外ろ過により濃縮した。濃縮液に硫酸アン
モニウムを75%飽和に加え、生成した沈澱を集め10mMリ
ン酸緩衝液(pH7.0)20に溶解した。
この溶液を限外ろ過により脱塩した後、あらかじめ同緩
衝液で平衝化したDEAE−セルロース2kgを加えた。
同緩衝液30を用いてDEAE−セルロースを洗浄した
後、0.25M塩化ナトリウムを含む同緩衝液を加え、得ら
れた溶出液を限外ろ過により脱塩、濃縮した。この液を
あらかじめ10mMリン酸緩衝液(pH7.0)で平衝化したD
EAE−セフアロース(ファルマシア社製)を充填した
カラムに通した。カラムを0.1M塩化ナトリウムを含む
同緩衝液で洗浄した後、塩化ナトリウムの濃度を0.1〜
0.25Mに上げる直線濃度勾配法により溶出を行った。リ
パーゼ活性は3つのピークに分かれた(第1図に示
す)。第2の活性ピークの画分を集めて硫安塩折に付
し、55%飽和から75%飽和の範囲で生成した沈澱を集め
た。沈澱を10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、限外
ろ過により脱塩した後、凍結乾燥を行うことにより精製
リパーゼ標品を得た。この精製標品をハイドロキシアパ
タイトを用いたカラムクロマトグラフイーに付した後、
硫安溶液より結晶化を行った。結晶形は菱形、板状であ
った。
上記で得られた精製標品は、比活性が9.2U/mg蛋白で
あり、培養液から約130倍に精製され、収率は約17%で
あった。
参考例2 参考例1において、DEAE−セフアロースカラムクロ
マトグラフイーで得られた第1および第3の活性ピーク
の画分をそれぞれさらに精製した。第1の活性ピークか
ら得られた標品は、トリブチリンによく作用し、脂肪酸
のメチルエステルに対する作用は弱いという性質を示
し、第3の活性ピークから得られた標品は、脂肪酸のモ
ノグリセライドにはよく作用するが、トリグリセライド
に対する作用は弱いという性質を示した。これらの性質
は前掲の先行技術に開示されたリパーゼに相当するもの
である。
実施例1 参考例1で得られたペニシリウム属由来のリパーゼを血
清脂質に作用せしめ、生成したグリセロールを測定する
ことによりリパーゼの脂質への反応性をみた。
即ち、0.5U/mlグリセロールキナーゼ、4U/mlα−
グリセロホスフエートオキシダーゼ、2U/mlペルオキ
シダーゼ、3.3mMアデノシン三リン酸、0.5mM4-アミ
ノアンチピリン、2.0mM TOOS〔N-エチル-N-(2-
ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-m-トルイジン〕、2m
M塩化マグネシウム・6水塩、0.5U/mlのペニシリウ
ム属由来のリパーゼ、および0.05〜5.0%の範囲の濃度
のポリエチレングリコールp−イソオクチルフエニルエ
ーテル(商標名:トリトンX−100,Rohm&Haas社製)
を含む0.1M−PIPES緩衝液(pH6.5)1.0mlと標準
血清試料(商標:リピツドセーラムII”栄研”、栄研化
学社製)0.01mlを混合し、37℃において10分間インキュ
ベートした。反応後の555nmにおける吸光度を測定し、
試料中のトリグリセライド(トリオレイン換算)濃度を
算出した。使用したトリトンX−100の濃度と測定値を
第2表に示す。ペニシリウム属由来のリパーゼは、5%
という高濃度の界面活性剤によっても活性が阻害されな
いことが分かる。
実施例2 0.5U/mlグリセロールキナーゼ、4U/mlα−グリセ
ロホスフエートオキシダーゼ、2U/mlペルオキシダー
ゼ、3.3mMアデノシン三リン酸、0.5mM4-アミノアン
チピリン、2.0mM TOOS、2mM塩化マグネシウ
ム・6水塩、および0.1〜1.0%の濃度のトリトンX−10
0を含む0.1M−PIPES緩衝液(pH6.5)1.0mlと25U
/mlのペニシリウム属由来のリパーゼ0.02mlを混合し、
37℃において5分間インキュベートした。次いで、血清
試料0.01mlを添加し、経時的に555nmにおける吸光度を
測定した。
トリトンX−100の濃度とリパーゼの反応性の関係を第
2図に示す。ペニシリウム属由来のリパーゼはトリトン
X−100によって活性化され、その効果は0.1〜1.0%の
範囲においてほとんど変わらないことが分かる。
比較例1 各種リパーゼのグリセロール生成活性と脂肪酸生成活性
を測定したところ、本酵素はシユードモナス属(東洋紡
績社、天野製薬社製)、クロモバクテリウム属(東洋醸
造社製)由来の市販リパーゼに比べ、脂肪酸生成活性に
対し、グリセロール生成活性が著しく高い特性を有す
る。
比較例2 実施例2において、ペニシリウム属由来のリパーゼに代
えて市販のシュードモナス属由来のリパーゼ(商標名:
LPL”Amano”III,天野製薬社製)、クロモバクテリ
ウム属由来のリパーゼ(東洋醸造社製)またはシユード
モナス属由来のリパーゼ(商標名:リポプロテインリパ
ーゼ・タイプA,東洋紡績社製)をそれぞれ表示活性で
50U/ml、100U/mlおよび0.2U/ml用いた以外は同様
に操作した。
トリトンX−100の濃度と各リパーゼの反応性の関係を
第3図A〜第3図Cに示す。第3図AはLPL”Amano”II
I、第3図Bはクロモバクテリウム属由来のリパーゼ、
第3図Cはリポプロテインリパーゼ・タイプAをそれぞ
れ用いた場合を表す。これら公知のリパーゼは、いずれ
もトリトンX−100の濃度が高くなるにしたがい活性が
阻害されることがわかる。
実施例3 実施例2において、トリトンX−100に代えて0.1〜0.5
%のノニルフエノールエトキシレート系界面活性剤(商
標名:アデカトールNP-700、旭電化社製)または0.1〜
0.5%の第2級直鎖アルコールエトキシレート系界面活
性剤(商標名:アデカトールSO-135、旭電化社製)を用
いた以外は同様に操作した。
界面活性剤の濃度とリパーゼの反応性の関係を第4図お
よび第5図に示す。第4図および第5図はそれぞれノニ
ルフエノールエトキシレート系界面活性剤および第2級
直鎖アルコールエトキシレート系界面活性剤を用いた場
合を表す。ペニシリウム属由来のリパーゼはこれらの界
面活性剤によって実質的に阻害されないことが分かる。
〔発明の効果〕
本発明に従えば、ペニシリウム属由来のリパーゼを界面
活性剤の存在下トリグリセライドに作用させたとき、リ
パーゼは界面活性剤による活性阻害を受けることなくト
リグリセライドをほぼ完全に分解することができた。本
発明法は生体体液中のトリグリセライドの測定に用いる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ペニシリウム・サイクロピウムATCC 34613の
産生する3種のリパーゼのDEAE−セフアロースによ
るカラムクロマトグラフイーのパターンを表す図であ
る。 第2図は、トリトンX−100の濃度とペニシリウム属由
来のリパーゼの反応性の関係を表す図である。同じく第
3図は各種リパーゼの反応性を表わす図であり、図中A
はシユードモナス属由来のリパーゼ(LPL”Amano”II
I)、Bはクロモバクテリウム属由来のリパーゼ、Cは
シユードモナス属由来のリパーゼ(リポプロテインリパ
ーゼ・タイプA)を示す。 第4図は、ノニルフエノールエトキシレート系界面活性
剤の濃度とペニシリウム属由来のリパーゼの反応性の関
係を表す図であり、同じく第5図は、第2級直鎖アルコ
ールエトキシレート系界面活性剤の濃度と反応性の関係
を表す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体体液試料中にリパーゼを作用させ、遊
    離したグリセロールを測定することによって試料中のト
    リグリセライドを測定する方法において、グリセロール
    生成活性の脂肪酸生成活性に対する割合が5%以上であ
    り、界面活性剤により活性化され、その濃度が少なくと
    も5%以下の範囲において実質的に活性が阻害されない
    性質を有するリパーゼを作用せしめることを特徴とする
    トリグリセライドの測定方法。
  2. 【請求項2】界面活性剤が非イオン性界面活性剤である
    特許請求の範囲第1項記載のトリグリセライドの測定方
    法。
  3. 【請求項3】非イオン性界面活性剤がポリエチレングリ
    コールアルキルエーテル系の界面活性剤である特許請求
    の範囲第2項記載のトリグリセライドの測定方法。
  4. 【請求項4】リパーゼがペニシリウム属の生産するリパ
    ーゼである特許請求の範囲第1項記載のトリグリセライ
    ドの測定方法。
  5. 【請求項5】ペニシリウム属の菌株がペニシリウム・サ
    イクロピウムである特許請求の範囲第1項記載のトリグ
    リセライドの測定方法。
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