JPH06508538A - 煙排出部を備えた使い捨て電気焼灼／切除器 - Google Patents

Abstract

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Description

【発明の詳細な説明】 煙排出部を備えた使い捨て電気焼灼／切除器免胛皇メ１ 本発明は電気外科用ペンシルによって発生する有害な煙を排出させる手術器具に 関し、特に手または足で制御される電気外科用ペンシルの融通性を保ちしながら 、発生する煙を連続的且つ同時に排出させる手術器具に関する。

光遭しと１月 はぼどんな外科手術の手順でも、血液の損失と手術時間を減らすため電気外科技 術を用いている。電気外科技術を使えば、細い血管が熱で密閉され、個々の血管 を手で細かに骨折って縛る必要を省ける。

血液の凝固あるいは組織の切除のため電気外科用ペンシルを使うと、多量の煙が 発生する。この煙は、エーロゾル化及び蒸気化した有機物質、炭素粒子、水蒸気 、生きているヴイールス粒子を含んでいる。従ってこの電気外科の煙は、その中 に含まれた乳頭腫ヴイールス、ＨＩＶ（エイズ）、Ｂ型肝炎、非Ａ及び非Ｂ肝灸 のヴイールス粒子が吸入により、呼吸器系を介して取り込み及び感染される懸念 を引き起こす。手術室における顔面マスクや顔面シールドは、せいぜい必要最低 限の保護に過ぎない。また、蒸気化した有機物質及び炭素粒子は発癌性であると いう懸念もある。さらに、人体の肉を焼く際の臭いはそれにさらされるものにと って耐え難い。これらの問題のため、電気外科という職業的な環境健康上の危害 に対して、手術チームの各構成員に割り当てられた各必要な役割を損なわず、し かも安価で、効率的で、セット及び使用が容易で、スライドあるいはその細手で 操作する追加の可動部分がなく、使い捨て可能であるような解決策が長い間広く 望まれてきた。

通常の手術チームは、手術具や縫糸を手渡したり、ときには開創器を保持したり 血液を吸引する手術室付の看護婦あるいは技術士と；手術手順を実行する手術医 と；それに多くの場合、開創器を保持したり、縫糸を切断したり、血液を吸引し たり、その他余分に一対の手を提供する手術アシスタントもしくはアシスタント 手術医とで構成される。さらに通常は、麻酔医または麻酔士も手術現場の近くに いる。電気外科用ペンシルによって多量の煙が発生すると、手術室付の看護婦か 手術アシスタントが自分の手が空いていれば、ヤンカウア（Ｙａｎｋａｕｒ）あ るいはその他の吸引具で煙を吸い込もうとする。一般に手術医は片手に電気外科 用ペンシルを持ち、もう一方の手に開創器またはスポンジを持っている。普通便 われている吸引具はすべて液体用に設けられた小さい開口を有し、煙を吸引する のには比較的効率が悪い。また、吸引具を煙の発生地点近くに置くと手術医の視 野が妨害されるので、煙は通常広く分散する可能性が高く、そのほとんどが吸引 具の入口に達しない。さらに看護婦やアシスタントは通常、煙を連続的に吸引で きるほど手が空いてない。

その結果、手術チーム全員か煙にひどくさらされることになる。

これまで、効果的に煙を排除する問題を解決する試みは高価及び／又は厄介なも のであり、また多くの場合、血液やその他の液体を吸引する機能に付加的なもの として述べられてきた。電気外科用器具から発生する煙での感染と癌発生の可能 性は常に認識されず、煙の除去は従来技術において、手術医に明瞭な視野を与え るだけという実際には鍼灸に問題とならない事柄として述べられていた。いずれ の従来技術も、手動切り換え式の器具に可動部分を追加することなく、しかも手 術医の視野を妨害せず煙が発散する前に、電極メス（刃）の刃先である発生地点 の周囲３６０°の角度にわたって煙を効果的、同時的且つ連続的に捕集するよう な設計で、煙の吸入に伴う危険を取り除くことを目指してこなかった。

いずれの従来技術も、電気外科用ペンシルの機能に対して、その手動制御式の切 除及び焼灼機能とその刃の交換可能性を保ちながら、有用な追加を施したものは ない。

いずれの従来技術も、安価で使い捨てでき、特別な訓練や、セット時間あるいは 梱包を必要としないという性質を持ち合わせていない。また、はとんどの従来装 置は焼灼と吸引両方に１つの中空管を用いており、このことが従来技術の電気外 科器具としての有用性を著しく減少せしめ、従来技術を切除に適さないもの、交 換可能式の刃を受け入れられないもの、さらに最も重要なこととして、発生した 煙が管の壁から側方へ分散してしまうため煙を有効に捕集できないものとしてい る。

米国特許第２．８８８．９２８号は、吸引と焼灼両用の中空軸を備えた器具の設 計である。この中空軸のため、その設計は切除に不向きである。その設計は交換 可能式の標準刃を受け入れられず、製造及び清浄化が高価につき、使い捨てにな っていない。さらにその中空軸の設計は、煙を捕集槽るのにわずかに有効なだけ である。

米国特許第４，３０７，７２０号は、引き込み式の焼灼か付設されその近傍に配 置された吸引管を有する電気外科用器具である。この装置は幾分有用であるが、 比較的高価で使いにくい。吸引口は電極メスの下方に位置した１つの小さい開口 からなるので、煙を有効に捕集するのには電極メスの周囲３６ｏ°に近い角度で 捕集する必要があるがそれができない。

米国特許第３，９０６，９５５号は、焼灼メスの下方でその近傍に配置された手 動引き込み式の吸引管を有する電気外科用器具である。可動部分がこの器具を、 製造するのに高価で、操作するのに厄介なものにしている。また、吸引口の位置 が電極メス下方なので、煙を吸引するのにあまり適さない。引き込み式の吸引管 は焼灼領域へと延ばされ、血液や組織の破片を吸引するとされているが、それは 焼灼中ではなくその前後である。

米国特許第２．８０８，８３３号、第３，８２５，００４号、第３，８２８゜７ ８０号、第３．９０２，４９４号、第３．９７４，８３３号及び第４．３４７゜ ８４２号は、手術箇所から血液及びその他の液体を吸引し、焼灼を行う中空軸を 用いた組合せ式の電気凝固−吸引器具である。これらの器具は手術箇所がら煙を 排出するのに使えず、組織を切除するのにも有用でない。

米国特許第４，８６５，０４９号は、電気外科機能を持たない煙除去シールドで ある。このシールドは、捕集しようとする前に煙があらゆる方向に分散するのを 防げない。またこのシールドは追加の梱包とセット時間を必要とし、これは手術 室の使用時間１分当り平均１５ドルとして、患者にとって高くつく。

米国特許第４，６８３，８８４号は、消音式のスモークレス手術装置として考案 されている。この特許は、装置の中心を通る軸線に沿ってでなく、筒状ハウジン グの壁に電気ケプールを通し、メスを見にくく且つ使いにくい位置へ軸外しする ことを記載している。電気用の手動スイッチや、記載された吸引ハウジング内の 電気ケーブルへメスを取り付ける手段も考慮されていない。吸引口に対するメス の位置は、筒状ハウジングによって刃先を手術医の視野から隠してしまう。この 特許の設計は消音装置としては機能するかもしれないが、電気外科用器具及び手 動切り換え式器具として有用かどうか疑問である。さらに、このＨａｔｆｉｅｌ ｄの発明は消音を意図しており、本発明の分野に属さない。

米国特許第４，７１９，９１４号は実質上中空の管で、真空を与えられるように 一端が開放され、また他端にテーパ状のノーズ部を備え、そこから電気焼灼メス が突出される。

このノーズ部が、煙を引き込むための複数の開口を有する。ノーズ部開口を介し た真空の付与は、スライドスリーブを器具本体に沿って移動させ、スリーブがノ ーズ部の開口上を延び焼灼メスを取り囲むようにすることによって行われる。こ の設計は１つの管周囲をスライドするもう１つの管という構成であるため、延出 可能なフードを形成する外側の管は、内側の管と相互に平行かあるいは外向きに 広がった壁を有していなければならない。フードの壁が内側へ向かってテーパ状 であると、器具の本体に対して後退できなくなってしまう。本発明を設計しテス トするに際して、初期のプロトタイプでは、延出位置において平行な側面を有す るＪｏｈｎｓｏｎのフードを複製した設計を用いた。この構成のテストによれば 結果として、電気焼灼メスの刃先で発生した煙を本器具で有効に吸引するために は、フードの開口を刃先に近づけ、手術箇所で実際に使われる位置では、延出可 能なスリーブが刃先を覆い隠すほど接近させねばならなかった。これは実用上許 容不能である。

米国特許第４，８５０，３５２号は、上記米国特許第４，７１９，９１４号の一 部継続特許である。これは上記と同じ延出可能なスリーブの設計を、レーザ型手 術器具に適用している。

共同特許について前述した議論が、同様に当てはまる。

さらに、レーザは手術用顕微鏡などの光学系を介して間接的に照準される。電気 外科用メスは、手術医の直接視野の下で操作案内される。またレーザは、導電性 の液体と接触する可能性のある電気スイッチを有していない。

このため、これら２つの器具は固有の電気的安全性及び安全な配置に関してレー ザビーム対メスという実質上界なる必要条件を有し、置き換え可能なものと解す ることはできない。

貝」五文μｍ頭卓 従って、本発明のいくつかの目的と利点は次の通りである： 本発明の主な目的と利点は、相互に干渉し合わない２つの相補的な機能を備えた 単一の手術用器具を提供することにある。

本発明の別の目的は、使用中器具によって発生される有害な煙を手術現場から同 時的、連続的及び効果的に排出可能な器具を、交換可能な電極メス（刃）を備え た、本来的に安全な、手または足操作式の電気外科用ペンシルとして提供するこ とにある。

本発明のさらに別の目的は、使用すると煙を発生する器具で、刃先を手術医の視 野から隠すことなく、電極メスの刃先である煙発生地点の周囲３６０°の角度に わたって煙を排出できる器具を提供することにある。

本発明のまた別の目的は、スライドあるいはその地平で操作する追加の可動部分 を持たず、人間工学的な設計、有用性及び手動切り換え式電気外科用ペンシルそ のものの便利さを完全に維持し、しがち密封された電気スイッチとケーブルを吸 引チャンネルがら隔絶した、切除及び焼灼用の手術器具を提供することにある。

本発明のさらに別の目的及び利点は、経済的に製造でき、高周波信号を与える標 準の発電機と標準の真空源へ単に取り付けるだけで使用準備が整い、使用後使い 捨て可能で、各手術毎に新しい無菌の器具を保証するような器具を提供すること にある。

さらに他の目的と利点は、空気力学的な原理に基づき、入口開口及び内部チャン ネルの形状、位置、断面直径を最適化することによって器具を通過する空気流を 最大限とし、一方入口開口及び内部チャンネルを適切に形成することによって空 気の乱流を最小限とし、しかもこれらを電気外科用ペンシルの形状と機能性を維 持しながら達成するように設計された器具を提供することにある。

本発明の別の更なる目的は、入口開口の先端に空気力学的に最適な半径を与え、 それと同時に接触する組織や血管を引っかけたり傷っけたりしないなめらがな円 形表面を器具に与える、手術器具の電極メス用シュラウド（囲い板）を提供する ことにある。

別の目的と利点は、深い体腔における電気外科手術で６インチの長い刃または針 が必要なときでも、有効且つ妨害を生じない煙の排出を行えるように、スナップ 止め式固定具を使用した容易に取り付けられる吸引入口コーン延長部を提供する ことにある。

本発明のまた別の目的は、本発明の概念を利用して、器具の使われる用途にかか わりなく、手持ち式器具における電気加熱電極の使用の結果生じる煙の吸入を減 らすことにある。

本発明のさらに別の目的は、メスの使用にともなって生じる煙を捕集するための 手術器具の電極メス用シュラウドであって、移動不能だが清浄化のためメスの先 端へ容易にアクセス可能なシュラウンドを提供することにある。

発明の要旨 本発明の器具は、標準型２．４ｍｍの交換可能な電気外科用電極を用い、標準の どんな無線周波数電源とも適合し、さらにどんな手術室にでもある標準の真空キ ャニスタへ標準の取付具を介して接続される標準型５ｍｍ内径の非導電性連結管 用である標準の真空配管コネクタを備え、どんな手術室についても指定されてい る標準の真空圧と流量を用いて煙を有効に排出する。

すなわち本器具は使い捨ての装置で、加熱される電気外科用ペンシルの端部へ永 久固定されそこから延出した完全に透き通ったプラスチック製スリーブまたはシ ュラウドを備え、ペンシルは真空源へと接続される通路を有する。また本器具は 、最大限の流入面積を維持しながら、スリーブの入口における流入速度が煙の広 がり速度の２〜３倍となるように設計される。煙の広がり速度は、毎秒はぼ１０ 〜１５フイートである。視野の逃げ角度はほぼ２５°に維持される；重要な設計 比は、スリーブを越えて突き出た刃の長さ対入口直径の比である。スリーブは特 定の面積比を保つように刃先へ向かって内側へ先細り状に形成され、これにより スリーブへの入口における所望速度及びペンシルの真空通路への入口における所 望速度が達成される。さらに本器具は、真空系を通じた全体の真空損が利用可能 な吸引圧より小さくなるように構成されている。

図面の簡単な説明 上記及びその他の本発明の特徴と目的は、添付の図面を参照することによって当 業者にとって明かとなろう。

図１は一体状の煙排出部を備えた電気外科用ペンシルの斜視図； 図２は切頭状の吸引入口コーンを備えた電気外科用ペンシルの斜視図で、内部の 吸引チャンネル用外側入口開口を示すため分解されている； 図３は電気外科用ペンシルの分解斜視図；図４は電気外科用ペンシルの側面図； 図５は図４の５−５線に沿った断面図で、外側ハウジングの底部を示す； 図６は図４の６−６線に沿った断面図で、外側ハウジ図７は図５の７−７線に沿 った断面図で、外側ハウジングの右側部分を示す； 図８は図４の８−８線に沿った近位端の端面図；図９は図４の９−９線に沿った 中間部の断面図；図１０は図４の１０−１０線に沿った後部の断面図；図１１は 図４の１１−１１線に沿った遠位端の端面図図１２は吸引入口コーンの断面図で 丸みを付けられた先端縁を示す； 図１３は吸引入口コーンの近位端の端面図；図１４はスイッチバイパスチャンネ ルの正面図；及び図１５は梱包された使用を待つ状態の器具を示す図である。

日の詳細な１日 図１−１３は、一体状の煙排出部を備えた使い捨て手動式電気外科用ペンシルの 特定実施例を示す。図１は、電気外科用ハンドピース２２と長い絶縁ケーブル２ ４を備えた電気外科用器具アセンブリ２０を示し、ケーブル２４の一端は電気外 科用器具２２の遠位端から引き出され、その他端は電気コネクタ２６（図１５参 照）に導かれている。コネクタ２６は、標準の手術室用ＲＦ発電機電源（不図示 ）に取り付けられる。電気外科用器具２２の遠位端は標準のリブ付真空管コネク タ２８として形成され、これに漏斗状−漏斗状またはその他標準形状の両端を有 する標準型５ｍｍ内径の非導電性連結管３０が取り付けられている。連結管３０ の他端は、標準の手術室用吸引キャニスタ（不図示）に取り付けられる。吸引キ ャニスタ（不図示）は、標準の手術室壁内真空ライン（不図示）に取り付けられ る。患者に最も近い近位端において、器具２２は環状の吸引入口開口３６を備え た切頭状の吸引入口コーン３４で形成されている。切頭状コーン３４の先端縁３ ８は、丸みを付けられるが面取りされ滑らかにされている。この先端縁３８が環 状開口３６を形成する。そして、環状開口３６が例えば標準型２゜４ｍｍの交換 可能な電極メス（刃）４８を取り囲み、電極メス４８は開口３６を越えて突き出 ている。図１２は切頭状コーン３４の設計例を示し、あらゆる使用角度で電極メ ス４８の刃先が手術医によく見えるようにしながら、発生した煙をすべて排出可 能とする基部直径、長さ、勾配、開口径の値が与えである。この設計例について は、後で詳しく論じる。

細長い外側ハウジング３２は２つの半休または部分、つまり頂部４０及び底部４ ２として作製でき、製造時これら画部分を組合せ容易に一致接合できるように設 計されている。内側の密封された電気切り換えコア４４が、図３に示すようにハ ウジング３２内の大きく形成された中空領域にはめ込まれる。コア４４は、２． ４ｍｍの刃を備えた標準の交換可能な電極メス４８を受け入れる標準型２．４ｍ ｍのチャック４６からなる。チャック４６は密封された電気切り換えコア４４に 取り付けられ、コア４４の他端は電気接点５６として形成され、ここに絶縁され た電気ケーブル２４が取り付けられている。ケーブル２４は電気接点５６から、 細長い外側ハウジングの頂部４０の後端から外へ出る地点５８へと延びている。

この出口地点５８から先、ケーブル２４は真空連結管３０に接着されている。切 り換えコア４４は後で説明する２つの押しボタン７２と７４を有し、これらボタ ンスイッチはハウジング２０に適宜配置された開口を貫いて延びている。切り換 えコア４４は米国特許第４，５４５，３７５号に開示されており、同特許のうち コア４４について記載図３及び５は、右側５２Ｒと左側５２Ｌの内部弧状吸引チ ャンネルを含む細長い外側ハウジング３２の底部４２を示しており、これらチャ ンネルは患者に最も近い細長い外側ハウジング３２の近位端で、切頭状の吸引人 口コーン３４の基部が細長い外側ハウジング３２と接合する箇所から始まってい る。内部吸引チャンネル５２Ｒと５２Ｌは各々、図３に示すように、外側ハウジ ング３２の底部４２の近位端において入口開口５４Ｒと５４Ｌの下方部分を有し ている。図５．７．８及び９に示すように、内部吸引チャンネル５２Ｒと５２Ｌ は吸引チャンネル入口開口５４Ｒと５４Ｌにおける起点から遠位端へ向かう方向 に拡開し、密封された電気切り換えコア４４が外側ハウジング３２の底部４２の 内壁に対して保持可能なようにハウジング３２内に空間を形成している。内側電 気切り換えコア４４はその全長に沿った全ての地点で、外側ハウジング３２の底 部４２の内壁によって支えられ、電気切り換えコア４４に対し適切な機械的支持 が与えられている。電気切り換えコア４４よりも遠位になると、図５及び１０に 示すように、内部吸引チャンネル５２Ｒと５２Ｌは再び収斂し、右側及び左側の 内部排出ポート６８Ｒと６８Ｌに終端している。内部排出ポート６８Ｒと６８Ｌ は、排出ブレナム７０の近位端に開口している。

排出ブレナム７０はその遠位端において、標準の外部真空管コネクタ２８の中空 部に開口している。

内部電気切り換えコア４４はその全長に沿った全ての地点で、内部吸引チャンネ ル５２Ｒと５２Ｌ及び排出ブレナム７０に対して密封され且つ隔絶されている。

各吸引チャンネル５２Ｒと５２Ｌ１それらの各入口開口５４Ｒと５４Ｌ１及び内 部排出ポート６８Ｒと６８Ｌは、後で詳しく述べるように電気外科用ペンシルに よって発生される煙をすべて排出するのに充分な空気の流量及び速度を与える適 切な断面積を与えるように設計されている。

図３及び６は、外側ハウジング３２の頂部４０を示している。ハウジング４０は 、内部電気切り換えコア４４をハウジング４０の内壁に対してはめ込み可能とし 、電気切り換えコア４４を支持すると共にそれを内部吸引チャンネル５２Ｒと５ ２Ｌから隔絶するように型形成されている。またハウジングの頂部には、切除及 び焼灼用の電圧波形を変えるのに使われる電気スイッチ７２と７４を外側へバネ 付勢するための切込みも設けられている。

ハウジング４０の遠位端においては、排出ブレナム７０の頂部は外側ハウジング の頂部４０内へ進入しているが、これは電気接点５６から外側ハウジングの頂部 ４０の後端を経て外へ出る出口地点５８へと延びた電気ケーブル２４の隔絶を妨 害していない。スイッチ７２と７４はハウジングの頂部４ｏの開ロア３と７５を それぞれ通り、スイッチ４４から上方へ延びている。

図１．２及び１５に示すように、電気ケーブル２４は出口地点５８において外側 ハウジングの頂部４０の後端から外へ出た後、吸引連結管３ｏに接合されている 。ケーブル２４は吸引連結管３０の外壁に対し全長にわたって非永久的に接着さ れ、接着は電気外科用ペンシル２２の遠位端から始まり、ケーブル２４が電気コ ネクタ２６に終端しまた吸引連結管３０が標準端部に終端するまで続いている。

この接着状態は容易に引き剥せる。

図１５は、梱包され最終ユーザによって使われる準備状態にある無菌の使い捨て 電気外科用器具アセンブリ２０を示す。電気外科用器具２２は、内部電気切り換 えコア４４の近位端において、２．４ｍｍのチャック４６に装着された２、４ｍ ｍの刃を備える１インチの交換可能な電極メス４８を有する。電気外科用器具２ ２の遠位端では、適切な長さを持つ５ｍｍ内径の吸引連結管３ｏの標準端部が外 側標準吸引管コネクタ２８にプレス嵌めされている。絶縁電気ケーブル２４は出 口地点５８において外側ハウジングの頂部４０の後端から外へ出たところで、非 永久的な接着により吸引連結管３０に接合されている。電気ケーブル２４は適切 な長さで、標準の電気コネクタ２６に終端している。電気ケーブルと吸引連結管 の接合体８２は、電気外科用器具２２の側面に沿うように折り曲げられ、器具ア センブリ２０全体は開封容易な無菌梱包８０内に収納され、すぐ使用できる状態 になっている。無菌梱包８０内には、使われないとき器具２２を手術の現場に固 定するための使い捨てホルスタ７６も含まれている。

ペンシルのシュラウドと真空通路の設計例は、図１２．１３及び１４の寸法を記 入した各図面に基づいている。

シュラウドの設計では、下記のパラメータが仮定されている：刃先は組織を貫通 しない；ペンシルの傾斜の典型角度は３５°−４５°。また、組織からの最小逃 げ角は５°とし一切開地点の最大軸外れ視野妨害角は２５°以下とする。

設計上重要な比は、刃の断面積対入口の断面積の比と、人口の直径対刃の突出長 さの比である。本設計例において、刃の断面積／入口の断面積の比は０．００２ ０５１０．１＝２Ｘ１０−”、入口の直径／刃の突出長さの比は０．４５１０． ７５＝０．６である。　もつとおおざっばに表現すると、刃の断面積はシュラウ ドの入口断面積と比べきわめて小さくなければならず、また刃の長さはシュラウ ドの入口直径より大きくなければならない。

ここで留意すべきこととして、図１４は以前の設計によるスイッチバイパス領域 における真空通路の形状を示している。これに対し、例えば図３及び８に示した 本設計は、スイッチバイパス通路が旧設計より約５０％大きくなっているので、 以下に示す計算より改善された結果を与えるものである。

設計は、ペンシル全体を通じた圧力降下が真空源の圧力よりも小さくなるように しなければならず、スイッチバイパス通路と真空源へ至る配管内での圧力降下が 最も顕著である。

まず、系を構成する各要素の断面積を計算しなければならない。メス（刃）４８ の断面積Ａ０は（０，１０５Ｘ　０．　０２０）で、０．００２１平方インチで ある。シュラウドの入口断面積Ａｔは開口の断面積から刃の断面積を引いたもの 、つまりＡｌ　＝０．１００平方インチである。ノズルの出口断面積Ａ２は、シ ュラウドの出口断面積から刃の断面積を引いたもの、つまりＡ、＝０．２５８平 方インチである。最初の設計による２つのチャンネルのスイッチバイパス断面積 Ａ３はＡｓ　＝０．０２平方インチ、５ｍｍ断面の配管の断面積Ａ４はＡ、＝０ ゜０３０４平方インチである。

真空源から得られる体積流量■は、真空源から得られる流量５０リットル／分に 基づき、Ｖ＝５０．８５３立方インチ／秒である。７０°　Ｆ（５３０°Ｒ）に おける音速ａ０はａｏ　＝１１２８．４フィート／秒である。

上記の断面積及び流量の値を用いた各地点における速度は、入口速度Ｖ工が Ｖよ＝　４２．３７８　フィー８７秒、出口速度Ｖ２が Ｖ、＝　１６．４２５　フィー８７秒、スイッチバイパス速度Ｖ３が ｖ、＝　２２０．７　フィー８７秒、及び５ｍｍ管の入口速度ｖ４が Ｖ、＝　１３９．２４　フィー８７秒 である。

配管の人口におけるレイノルズ数はほぼ１４，５５０、出口におけるレイノルズ 数はほぼ２４，３６５である。

上記の情報から、配管における圧力降下はほぼ１４゜５インチＨｇ１スイッチバ イパス通路における圧力降下はほぼ０．７５インチＨｇで、有意な量としての総 圧力降下はほぼ１５．２５インチＨｇである。標準の手術室系における水銀ヘッ ドのインチ数は２０−２８インチＨｇなので、上記の設計は真空チャンネルを広 げる前においても有効である。また、シュラウドの人口速度は４２゜３７８フィ ート／秒なので、煙の拡散速度１０−１５フィート／秒に対する比は、最悪の場 合で２．８２：１、最良の場合は４．２：１である。スイッチバイパスチャンネ ルを新設計にすると、最悪の場合の比でも２：１を容易に越える。

動−二作 一体状の煙排出部を備えた電気外科用ペンシルの使用法は、単一目的の電気外科 用ペンシルを用いる場合と同じである。手術室付の看護婦が無菌の梱包８０を開 封し、無菌の器具アセンブリ２０を手術現場に設置した後、手術医が一緒に入っ ていたホルスタ７６と長く延びた電気ケーブルと吸引連結管の接合体８２をそれ ぞれいつものやり方で自分の手術着に固定する。その後、電気コネクタ２６及び ケーブルと連結管の接合体８２が手術現場を通過して巡回看護婦に渡され、吸引 連結管−３０の標準端部が標準の吸引キャニスタ（不図示）に接続され、真空が オンされる。ケーブルと連結管の接合体８２から適当４端部の電気コネクタ２６ が、一般にホビー（Ｂｏｖｉｅ）装置（不図示）とも呼ばれる無線周波数発電機 に差し込まれる。そしてこの装置がオンされ、電力が手術医の所望に応じて設定 される。また巡回看護婦は、電機回路が完成するように、自己接着式のアースパ ッド（不図示）を患者に装着する。電極メスの刃先か切除あるいは焼灼すべき領 域に接近され、手術医が適切なスイッチ７２または７４を作動すると、局部的に 熱を発生する電流が患者の組織に与えられる。組織が熱っせられると、水蒸気、 炭素及びその他の粒子、蒸気化及びエーロゾル化した有機物質、さらには場合に より生きているヴイールス粒子を含む煙が発生する。電極メス４８の刃先から煙 が発生すると、一体状に設けられた煙排出部により、煙は環状の吸引入口開口３ ６内へ高速度で連続的且つすみやかに引き込まれ、手術箇所の上方へ逃げたり拡 散したりしない。余分の手や人員は必要なく、手術医は電気外科用ペンシルだけ を使っているのと同じに扱える。手術箇所に対して平行または直角に、あるいは 両者の間の任意な角度に保持された器具２２により、煙は手術箇所から完全に排 出される。器具２２目体をどのように回転させていても、煙の排出は完全である 。入口開口３６の先端縁３８は丸みを付けられ滑らかとなっているので、そこで の空気の乱流は有効に減少される。この結果、より大きい空気の流速とより効率 的な煙の排出が得られる。また滑らかな先端縁３８は、接触させられる組織を傷 つけるような面を全く与えない。

環状の入口コーン３４は固定されているので、煙の排出を行うのにスライドさせ たりなど手動操作する部品は他に存在しない。電極メス４８の刃先は隠れること が全く無く、また擦ったり及び／又は拭いたりして容易に清浄化できるようにシ ュラウドから充分に延出している。

メス４８の刃先に付着した残留物は、コーン３４の入口開口の先端縁３８と干渉 することなく容易に除去し得る。

煙は環状の入口開口３６内へ引き込まれた後、入口開口５４Ｒと５４Ｌを通過し 、内部吸引チャンネル５２Ｒと５２Ｌに沿って導かれ、ついで内部排出ポート６ ８Ｒと６８Ｌを介して内部排出プレナム７０へ至り、そこから標準の外部真空管 コネクタ２８の中空部を経て吸引連結管３０に入り、そこから手術室の真空系内 へ入る。器具の吸引チャンネル内へ排出されるどんな導電性の液体あるいはその 他の物質も、密封された電気切り換えコア４４から隔絶されているので、手術医 が電気火傷を負う恐れや、器具がショートする危険は全く無い。器具２２はスラ イドさせたりその細手動操作で移動させる余分の部品を含まず、電気外科用ペン シルだけの場合と同じ感覚及びバランスを保っている。手術の終了後、器具アセ ンブリ２０全体は電気外科用ペンシルだけの場合と同じ方法で処分でき、各患者 に対して新しい無菌の器具が使われる。

環状開口を備えた入口コーンは、その長さ、傾斜、基部直径、先端直径、丸みを 付けられた先端縁が前記で計算されたように設計され、最大の流量が達成され且 つ全ての煙が捕集されるように開口における空気の乱流を最小限としながら、電 気メスの刃先に対する完全な視野を手術医に与える。尚、前記の計算によるとレ イノルズ数は、流れが層流と乱流の間で不安定となるすぐ上の範囲に属する１４ ，５００である。レイノルズ数が２，０００以下だと、流れは層流である。レイ ノルズ数が２．　０００から１２，０００の範囲だと、流れは不安定で、層流に なったりあるいは最初の乱流に依存して乱流になったりする。１２，０００を越 えると流れは乱流になるが、１２．５００ではまだ激しい乱流でなく、従って本 器具において空気の乱流は重要な問題とならず、ヘッド損も大きくない。

前述したように、通路が狭まっているため、スイッチバイパス領域における圧力 またはヘッド損が大きい。しかし、前記の計算が依拠した小さい矩形状のチャン ネルでなく、各図に示したように真空チャンネルを弧状の形状とすることで、圧 力損が減り、性能が向上することが見いだされている。

以上の説明は多くの仕様を含んでいるが、これらは発明の範囲を制限するものと してでなく、発明の好ましい実施例の一例として解されるべきである。当業者で あれば、発明の精神と範囲を逸脱することなく、上記以外の多くの変形も可能で あることが自明であろう。例えば、内部吸引チャンネル、それらの入口開口と排 出ボート、排出ブレナムは、発生した煙をすべて排出するのに充分な空気流と速 度を与えるのに適した断面積となるのであれば、前記と異なる断面幾何形状であ ってもよい。吸引チャンネルは器具の外側ハウジングに対して内部あるいは外部 どちらに位置してもよく、また任意の形状のものが１つあるいはそれより多くあ ってもよい。

電気メスは交換可能あるいは固定どちらでもよく、また必要な比が保たれる限り 任意の長さもしくは形状とでき、さらに２．４ｍｍの標準型あるいはその他任意 の標準型または直径いずれに基づく刃も持ち得る。吸引入口コーンは、永久に固 定されてもあるいは取り外し可能どちらでもよい；必要な比が実質上変更されず 、発生した煙をすべて排出するのに適した流量を与えられ、同時に電気メスの刃 先に対する適切な視野を手術医に与えられる限り、吸引入口コーンは任意の基部 直径、開口直径とでき、また任意の傾斜または長さとし得る。電気ケーブルは、 その長さに沿ったどの地点で器具の外側ハウジングから外へ引き出されてもよい 。電気ケーブルと吸引配管は接合されてもされなくてもよく、また任意の方法で 、永久的にあるいはそうでなく接合し得る。内側電気切り換えコアは支持リブや ストラット上、またはハウジングの内壁上どちらに支えられるようにしてもよく 、適切な機械的支持を与える任意の方法を用いてハウジング内に支持し得る。電 気スイッチは任意の形状でよく、また通常のあるいはその他使いやすい位置で外 側ハウジング上に配置し得る。本器具は、子制御式あるいは足制御式どちらでも よい。外側ハウジング及び吸引入口コーンは任意の材料で作製でき、どんな色に 着色してもよく、また透明不透明どちらでもよい。細長い外側ハウジングは、人 の手によって握り易い任意の形状とし得る。

本発明を電気外科用器具について説明したが、本発明の実施例は人の手、ロボッ トあるいは機械的アームによって持たれ、通常の動作中その使用地点において煙 、煙霧または懸濁粒子を発生させるあらゆる工具及び器具による、発生地点での 煙、煙霧及び懸濁粒子の一体的排出を含むものである。このような用途として半 田付け、溶接、加熱電極などによる材料特にプラスチックの切断がある。これら の実施例も、電気外科用器具について説明した目的、利点及び効果をすべてをも たらす。

以上本発明の一実施例を詳述したが、当業者にとって開示の実施例が変更可能で あることは自明であろう。従って、以上の説明は制限するものでなく例示として 解されるべきであり、発明の真の範囲は、以下の請求の範囲において限定される 。

Claims (15)

【特許請求の範囲】
1. １．全長に延びた少なくとも１つの通路を有する筒状本体、 前記通路を真空源に接続する手段、 前記本体の一端から延出した電極メス、前記一端の近くで前記電極メスと接触し 、電気エネルギー源と接続可能な導電体、 前記本体の近位端から延び、前記電極メスの所定の長さ部分の周囲に位置された 中空のシュラウドを備え、前記通路が前記シュラウドの内側で前記一端に隣接し た入口開口を有しており、 前記シュラウド内へ向かう空気流の速度が前記電極メスによって発生される煙の 拡散速度のほぼ２倍以上の範囲に入るように、前記通路及び前記接続手段が形成 されている電気外科用ペンシル。
2. ２．前記本体の全長に延びた別の通路をさらに備えた請求の範囲第１項記載の電 気外科用ペンシル。
3. ３．前記両通路が弧状である請求の範囲第２項記載の電気外科用ペンシル。
4. ４．前記両通路が前記本体の他端近くで合流する請求の範囲第２項記載の電気外 科用ペンシル。
5. ５．前記両通路が前記本体内で直径方向に対向して位置する請求の範囲第３項記 載の電気外科用ペンシル。
6. ６．前記シュラウドが前記本体から離れるにつれ内側に先細り状である請求の範 囲第１項記載の電気外科用ペンシル。
7. ７．前記シュラウドが入口開口を有し、前記入口開口の面積が前記電極メスの断 面積より十分に大きい請求の範囲第５項記載の電気外科用ペンシル。
8. ８．前記シュラウドが前記電極メスの長さに対して、切開地点の最大軸外れ視野 妨害角がほぼ２５°以下となるような大きさ及び長さを有する請求の範囲第１項 記載の電気外科用ペンシル。
9. ９．前記通路及び配管が前記シュラウドの入口開口近くにおいて、レイノルズ数 が低乱流範囲となるような流れを生じる請求の範囲第２項記載の電気外科用ペン シル。
10. １０．前記シュラウドが前記本体及び前記電極メスに対し、少なくとも３０°の 面逃げ角を与えるように形成されている請求の範囲第１項記載の電気外科用ペン シル。
11. １１．前記シュラウドが前記電極メスの周囲に環状の空間を与える請求の範囲第 １項記載の電気外科用ペンシル。
12. １２．全長に延びた少なくとも１つの通路を有する筒状本体、 前記通路を真空源に接続する手段、 前記本体の一端から延出した電極メス、前記本体中を少なくとも部分的に貫いて 延び前記一端の近くで前記電極メスと接触し、且つ前記本体から延出して電気エ ネルギー源と接続可能な導電体、前記本体の近位端から延び、前記電極メスの所 定の長さ部分の周囲に位置された中空のシュラウドを備え、前記通路が前記シュ ラウドの内側で前記一端に隣接した入口開口を有しており、 前記シュラウドがほぼ円錐状で、前記電極メスの直径及び長さに対して、前記電 極メスによって発生された煙を捕集するのに充分な流量を前記シュラウドの頂部 で付与可能とする頂部直径及び長さを有し、また前記電極メスの先端に対する妨 害されない視野をユーザへ与えるように、メスの刃先から充分離れている電気外 科用ペンシル。
13. １３．前記シュラウドが前記電極メスの長さに対して、切開地点の最大軸外れ視 野妨害角がほぼ２５°以下となるような大きさ及び長さを有する請求の範囲第１ ２項記載の電気外科用ペンシル。
14. １４．前記シュラウドが前記本体及び前記電極メスに対し、少なくとも３０°の 面逃げ角を与えるように形成されている請求の範囲第１２項記載の電気外科用ペ ンシル。
15. １５．意図した目的で使用されたとき、隣接領域から除去するのが望ましい多量 の煙を発生する加熱部材を用いた器具であって、作業実施端を有する加熱部材と 、前記加熱部材を支持する本体と、前記加熱部材の周囲に配設され、加熱部材の 作業実施端に隣接して位置した頂部を有するほぼ円錐状の中空シュラウドとを備 え、前記シュラウドの内部に真空を発生させる手段を備え、前記シュラウドの前 記頂部端が、前記加熱部材の作業実施端に対する妨害されない視野を、前記器具 を使用する人に与えるのに充分なだけ前記加熱部材の作業実施端から離れて位置 しており、 前記加熱部材によって発生された煙を捕集するのに充分な気体の流れを前記シュ ラウドの前記頂部端内へ与えられるように、前記シュラウドの頂部直径が前記加 熱部材の直径に対して設定され、且つ前記シュラウドの頂部が前記加熱部材の作 業実施端に充分接近して配置されている器具。