JPH0650804A - 感震器及びその製造方法 - Google Patents

感震器及びその製造方法

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JPH0650804A
JPH0650804A JP22530192A JP22530192A JPH0650804A JP H0650804 A JPH0650804 A JP H0650804A JP 22530192 A JP22530192 A JP 22530192A JP 22530192 A JP22530192 A JP 22530192A JP H0650804 A JPH0650804 A JP H0650804A
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fixed
movable contact
pedestal
sphere
magnet
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Application number
JP22530192A
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English (en)
Inventor
Harunori Kato
治範 加藤
Yasukazu Mizutani
靖和 水谷
Katsuhiro Kimura
克浩 木村
Hideki Koseki
秀樹 小関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UBUKATA SEISAKUSHO KK
Original Assignee
UBUKATA SEISAKUSHO KK
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Publication date
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  • Switches Operated By Changes In Physical Conditions (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Manufacture Of Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】小形で堅牢な且つ多量生産に好適な感震器を得
る。 【構成】感震器1は強磁性体の容器6と蓋板2で気密容
器を構成している。容器6の内部には非磁性体で中心か
ら同心円的に傾斜を持った台座12が設けられ、台座1
2上には強磁性体の球13が置かれている。蓋板2には
導電端子5が電気絶縁性の充填材4によって固定されて
おり、その一端には固定接点7が固着されている。蓋板
2の円板3の周縁部近傍には可動接点板8の一端が電気
的に固着されている。可動接点板8の他端には台座の中
心に位置するように磁石11が固定されており、台座1
2を介して球13を吸引する。振動を受けて球13が転
がり、中心から離れると可動接点板8の偏倚力により可
動接点部8Bと固定接点7が接触する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば都市ガスやプロパ
ンガス等のマイコンメーターに取付けられたり、石油暖
房機やガス燃焼機器や電気機器の制御装置等に取付けら
れ、地震等の震動を感知して前記マイコンメーターや制
御装置に検知信号を送る感震器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性体の球とマグネットを使用し
たスイッチとして、例えば実公昭41−17699号公
報にはマグネット付安全開閉器が、また実開昭55−8
0831号公報には振動感応スイッチが示されている。
【0003】これらのスイッチは非磁性の椀状容器に磁
性体の球を収納し、該容器に接近した可動片にはマグネ
ットを固着し、前記球の移動によりマグネットが容器に
吸着・開離し、それに伴い可動片が移動し、可動接点と
固定接点とが接触開離する構造とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで前述の従来例
においては、接点部分や球の移動部分が開放されており
汚れや錆、腐食等に対して全く考慮されておらず、長期
的な使用に対して問題があった。また地震の振動を感知
する感震器においては自動車の走行や工事現場などを原
因とする人為的な振動と地震の振動とを見分ける必要が
あるが、実公昭41−17699号公報のマグネット付
安全開閉器は被取付体の傾斜や転倒に対して動作するも
のであるため振動の周期に対する動作特性について何等
考慮されておらず、実開昭55−80831号公報の振
動感応スイッチもまた振動の周期に対する特性に関して
は全く考慮されていないため、地震動を感知する感震器
としての使用には人為的な振動等のノイズによる誤動作
の可能性があった。
【0005】また両者とも可動接点や固定接点を樹脂製
のケース等により横方向から挿入する構造とされている
ため、各構成部品の加工時の単体の誤差と組立誤差とか
ら、その精度を高める事は非常に困難であり、小形で堅
牢な且つ多量生産に好適でコストの安い感震器を得る事
に対して困難性を伴うものであった。
【0006】また、外部磁界からの影響や、逆に外部へ
の磁界の影響に対しても考慮されておらず、たとえばプ
リント基板上等に他の電子部品と同時に配設する場合に
おいて磁気的な外乱を受けたり、逆に感震器が発生する
磁界により他の部品を誤作動させるなどの不都合を生ず
る可能性があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の感震器
は、例えば鉄板のような強磁性体の円板の中心に穿たれ
た孔にガラスやセラミックス等の電気絶縁性の充填材に
より固定接点部を有した導電端子が気密に固定された蓋
板と、一端が開放され他端が閉塞された概ね円筒状で強
磁性体のハウジングとを有し、前記蓋板の周縁部にハウ
ジングの開口端がリングプロジェクション溶接の様な方
法で気密に固着されて気密容器を形成し、該気密容器の
内部には樹脂や銅合金やオーステナイト系ステンレスの
様な非磁性体の台座を有し、この台座上面にはほぼ中心
部から外側に向けて同心的に傾斜面が形成され、且つこ
の傾斜面は包括的に水平に設置され、台座とハウジング
の間の部分である前記傾斜面上には鋼球の様な強磁性体
の球が転動可能に且つ該球は正規姿勢において静止時に
は重力により台座のほぼ中央部に位置するように収納さ
れ、台座と蓋板の間の空間部分には磁石をほぼ中心部に
保持した導電性及び弾性のある可動接点がその周辺部を
蓋板に導電的に固着され、該可動接点は前記固定接点と
正規姿勢で静止時には開放された状態に重力及び可動接
点の偏倚力に抗して前記磁石の磁力が球に作用する力に
よって保持される如く配設され、球が転動することによ
り磁石と球との間の距離が増してその吸引力が減少し、
可動接点の偏倚力及び磁石を含む重量によって可動接点
が固定接点と接触するように構成した新規な感震器であ
る。
【0008】他の特徴は、強磁性体の円板の中心に穿た
れた孔に電気絶縁性の充填材により導電端子が気密に固
定された蓋板と、一端が開放され他端が閉塞された概ね
円筒状で強磁性体のハウジングとを有し、前記蓋板の周
縁部にハウジングの開口端が気密に固着されて気密容器
を形成し、該気密容器の内部には非磁性体の台座を有
し、この台座上面にはほぼ中心部から外側に向けて同心
的に傾斜面が形成され、且つこの傾斜面は包括的に水平
に設置され、台座とハウジングの間の部分である前記傾
斜面上には強磁性体の球が転動可能に且つ該球は正規姿
勢において静止時には重力により台座のほぼ中央部に位
置するように収納され、台座の蓋板との対向面には固定
接点部が設けられ、前記導電端子の気密容器内部側の端
部には磁石をほぼ中心部に保持した導電性及び弾性のあ
る可動接点が可動接点支持体を介して導電的且つ前記固
定接点部と接離可能に固着され、該可動接点は正規姿勢
で静止時には前記固定接点部と接触した状態に前記磁石
の磁力が球に作用する力によって重力及び可動接点の偏
倚力に抗して保持される如く配設され、球が転動するこ
とにより磁石と球との間の距離が増してその吸引力が減
少し、可動接点の偏倚力及び磁石を含む重量によって可
動接点が固定接点部と開離するように構成した新規な感
震器にある。
【0009】また他の特徴は台座上面のほぼ中心部に静
止部を設け、傾斜面上の強磁性体の球が転動可能に且つ
該球は正規姿勢において静止時には重力により前記静止
部に位置するように収納された事にある。
【0010】また他の特徴は導電端子の可動接点との接
触位置に非磁性材料の固定接点が固着されている事にあ
る。
【0011】また、気密容器内に容器の中心部に対する
球の往復運動の抵抗は比較的少なく旋回運動に対する抵
抗が大きい部材を設けた事を特徴としている。
【0012】また他の特徴は、可動接点は概ね螺旋形で
その厚さ寸法に対して5倍以上の幅を有しており、水平
方向の剛性が厚さ方向のそれに対して充分に高く設定さ
れ、その周縁部に位置する一端を固定端とし、他端であ
る中央部に磁石を保持した可動接点部としたことにあ
る。
【0013】さらに他の特徴は気密容器外部に吊り部が
装着され、その吊り部が所定位置に支持される支持体を
有しかつ前記気密容器を粘性度の選定された液体と共に
収容するケースからなり、このケースを所定の許容傾斜
角度内となるように取付けることにより所定時間内に前
記気密容器は重力により正規姿勢となるとともに、前記
ケースが地震等の振動による加速度を受けた場合には気
密容器内の球が転動し電路を開閉するように構成したこ
とにある。
【0014】さらに他の特徴は感震器の気密容器内に汚
損防止用ガスを封入し、構成部材の汚損や腐食を防止し
長期間に亘り特性に変化のない優れた装置とした点にあ
る。
【0015】また他の特徴は一端が閉塞され他端が開口
された概ね円筒形の強磁性材料製のハウジング内部に、
強磁性材料の球を収容したのちに非磁性材料の台座を嵌
入固定し、導電端子を強磁性材料の円板に電気絶縁性の
充填材によって固定した蓋板に、一端に磁石を固定した
可動接点板をその端部が導電端子に設けられた接触部と
電気的に接触及び/または開離可能となるように他端を
円板上に導電的に固定した後に、前記ハウジングの開口
端を前記可動接点板がハウジング内部に収納されるよう
に蓋板の周囲に気密に固着して気密容器を構成した感震
器の製造方法にある。
【0016】また他の特徴は、一端が閉塞され他端が開
口された概ね円筒形の強磁性材料製のハウジング内部
に、強磁性材料の球を収容したのちに非磁性材料の台座
を嵌入固定し、導電端子を強磁性材料の円板に電気絶縁
性の充填材によって固定した蓋板に、一端に磁石を固定
した可動接点板の他端を導電端子に導電的に固定した後
に、前記可動接点板が前記ハウジング内部に収納され且
つ前記可動接点板の磁石を固定した端部が前記台座に設
けられた接触部と電気的に接触及び/または開離可能と
なるように前記ハウジングの開口端を蓋板の周囲に気密
に固着して気密容器を構成した感震器の製造方法にあ
る。
【0017】また他の特徴は、導電端子を導電性且つ強
磁性材料の円板に電気絶縁性の充填材によって固定した
蓋板に、一端に磁石を固定した可動接点板を前記端部が
導電端子に設けられた接触部と電気的に接触及び/また
は開離可能となるように他端を円板上に導電的に固定し
た後に、前記蓋板の周縁部近傍に非磁性材料の台座を固
着し、この台座上に強磁性材料の球をのせて最適な特性
となる球を選定し、一端が閉塞され他端が開口された概
ね円筒形の強磁性材料製のハウジング内部に、選定され
た球を収容した後に、前記ハウジングの開口端を前記台
座がハウジング内部に収納されるように蓋板の周囲に気
密に固着して気密容器を構成した事を特徴とする感震器
の製造方法にある。
【0018】また他の特徴は、導電端子を導電性且つ強
磁性材料の円板に電気絶縁性の充填材によって固定した
蓋板に、一端に磁石を固定した可動接点板の他端を導電
端子に導電的に固定した後に、前記可動接点板の磁石を
固定した端部と台座に設けられた接触部とが電気的に接
触及び/または開離可能となるように前記蓋板の周縁部
近傍に非磁性材料の台座を固着し、この台座上に強磁性
材料の球をのせて最適な特性となる球を選定し、一端が
閉塞され他端が開口された概ね円筒形の強磁性材料製の
ハウジング内部に、選定された球を収容した後に、前記
ハウジングの開口端を前記台座がハウジング内部に収納
されるように蓋板の周囲に気密に固着して気密容器を構
成した事を特徴とする感震器の製造方法にある。
【0019】
【実施例】本発明の実施例について図を参照して説明す
る。図1は本発明の感震器1である。蓋板2は例えば鉄
等の強磁性体の円板3とこの円板3に穿たれた孔3Aに
ガラス等の電気絶縁性充填材4によって気密に固定され
た導電端子5から構成される。強磁性体のハウジング6
は鉄板を深絞り加工して作られ概ね円筒形でありその一
端を閉塞されていると共に他端は開放されており、前記
蓋板2の周縁部には前記ハウジング6の開口端6Aが例
えばリングプロジェクション溶接等により気密に固着さ
れ、気密容器を構成している。気密容器内部には後述の
各部品の汚れや腐食を防止するために真空とされるか、
汚損防止用ガスとしてヘリウムや窒素の様な所謂不活性
ガス等が封入されている。
【0020】本実施例においては導電端子5に充填材4
との熱膨張係数を考慮して鉄−ニッケル合金を使用して
いるため、端部5Aには銀や銅を使用した非磁性体の固
定接点7を固着し、導電端子5と後述の磁石11の間の
吸引力が後述の球13と磁石11の間の吸引力を超えな
いようにされている。また導電端子5を非磁性体で製造
すれば固定接点7を省略してその位置まで導電端子5の
端部5Aを引き上げて固定接点としてもよい。
【0021】蓋板2の気密容器内側の円板3上には例え
ばベリリウム銅合金の様な導電性で弾性のある可動接点
板8の固定端となる一端8Aが、導電性のスペーサー9
を介して導電的に固着されている。本実施例では可動接
点板8はバネとしての長さを得るために図2に示すよう
な疑似的な螺旋形状とされている。またスペーサー9は
可動接点板8の固定位置を調節し、可動接点板8の実質
的な偏倚力を調節するものであり、たとえば可動接点板
8の固定端8A部分をスペーサー9の厚みに相当するだ
け曲げるなどしてその実質的な偏倚力が調整できるので
あれば必ずしも必要なものではない。
【0022】可動接点板8の可動側の先端部分は前記固
定接点7と接触開離する可動接点部8Bとされ、その可
動接点部8Bの非接触側の面にはホルダー10が固定さ
れそのホルダー10に磁石11が固定されている。この
磁石11の材質は特に問わないが保持力が大きく、中心
対称的に磁化される事が好ましい。
【0023】ハウジング6の内側にはオーステナイト系
ステンレスや銅合金等の金属や樹脂の様な非磁性体の台
座12が固定され、さらに溶接等により固着する事が好
ましい。この台座12のほぼ中心部には凹み状の静止部
12Aが設けられ、この静止部12Aを中心として外側
に向けて同心的に傾斜面12Bが形成されている。この
傾斜面12Bは正規姿勢においては静止部12Aを中心
とした同心円が水平面上に位置するように、つまり包括
的に水平に設置されているため、後述する球の移動方向
に特別な方向性の出ない全方向感応形である。また静止
部12Aは必ずしも必要としないがその効果については
後述する。
【0024】前記台座12上には強磁性体の球13が配
設され、正規姿勢の静止時には静止部12A上に位置さ
れている。この時、球13は前述の磁石11に最も接近
する位置となるので、磁力が非磁性体の台座12を貫通
して吸引する力が最大となり、磁石11は台座12に当
接するまで重力と可動接点の偏倚力に抗して移動する。
このため静止時には可動接点板8と固定接点7との接触
は解除されており、導電端子5と蓋板2の間の電路は遮
断されている。
【0025】この感震器1の動作について説明すると、
正規姿勢においては静止状態では球13は静止部12A
上に位置され、図1の様に可動接点板8と固定接点7と
の間は開離している。また台座12上の球13の転動面
に凹んだ静止部を設けた事により、正規姿勢において微
弱な震動加速度を受けても球13は静止部12A上の静
止位置に保持され続けるため、所定の震動加速度以下の
時には球13は転動せず、固定接点7と可動接点板8が
接触する事はない。この静止部が無いと微弱な振動でも
球13は転動しやすくなり、その応動閾値附近での特性
が安定せず、また例えば接点間にチャタリング等を引き
起こす原因となることがある。これに対し静止部12A
が有ると震動や加速度が所定の値を超えた時、球13は
静止部12Aから外れ転動を始め、磁石11からの距離
を急速に増す。そのため球13と磁石11の間の吸引力
もまた急速に減少し、可動接点板8の偏倚力と磁石11
を含む重量によって可動接点板8はほとんどチャタリン
グ無く固定接点7と接触し電路を閉路する。
【0026】この感震器1は蓋板2及びハウジング6に
よって気密容器が形成され台座12の最外周近傍に気孔
12Cを設けて、その内部を真空とするか若しくは各構
成部品と共に所謂不活性ガスが封入されているために、
接点間の汚れや各構成部品の腐食等の心配がない。また
気密容器内部に不活性ガスを封入する事により、気密検
査については、気密不良の程度が大きな場合はアルコー
ルなどの中に入れて負圧をかける事により気泡による気
密検査が可能になり、また各種ガスの検出装置、例えば
ヘリウムガスを封入した場合にはヘリウムリークディテ
クタという質量分析形の極めて感度の高い装置により検
査をすれば10年間に0.1cm3以下のガス量の洩れをご
く短時間に検出でき、本発明にかかる気密容器の堅牢さ
を考慮すれば長期間に亘り安定した性能を保証する事が
できる。
【0027】また蓋板2の円板3及びハウジング6が強
磁性体であるために磁気シールドの役目を果たし、実際
の取付けにおいて感震器1に隣接して配設される電子部
品等への磁石11の磁界の影響や、逆に外部の電子部品
等からの磁界の影響を実質的に無いようにできる。
【0028】次にこの感震器による例えば都市ガスやプ
ロパンガスボンベに用いられるマイコン式ガスメータに
取り付けられた場合について述べる。地震の波形は広範
囲の周期をもった波形であるが、通常代用特性として
0.3秒乃至0.7秒周期の正弦波形を印加する。この
実施例の応動閾値の領域を震度5に相当する130ガル
乃至190ガルとする場合、この応動領域以上で0.3
秒乃至0.7秒周期の正弦波形を印加する。マイクロコ
ンピュータによりオン時間が40ミリ秒以上でオフ時間
が40ミリ秒以上のオン−オフ信号が3秒間以内に3サ
イクル以上あれば地震が発生したと判定するというよう
に条件設定をした場合、前述の正弦波を印加した時に感
震器からの信号はその条件に合致するのでマイコンは地
震発生の指令を出力してガスの遮断弁を閉止する等の安
全装置を作動させる。
【0029】しかし、この感震器の設置場所が例えば都
市ガスのメータであると、通常屋外に設置されているた
めにこの附近を通る人が体や持ち物を当てたり、ボール
投げ遊びのボールがガスメータに衝突するなど外乱振動
が与えられる可能性がある。この場合、ガス配管の固定
金具の支持位置の間隔寸法等により多少の差はあるが通
常0.1秒前後の周期でほぼ正弦波形の1000ガル程
度の振動加速度がガスメータに印加されるという事が実
験により認められた。感震器の動作閾値が100ガルに
設定されている場合、当然感震器からは0.1秒前後の
周期に同期したオン−オフ信号が出力されるが、オン時
間とオフ時間はそれぞれ20ミリ秒及び30ミリ秒以下
なのでマイコンは地震の判定をしない。
【0030】また大地震の発生時には感震器を取付けた
機器が転倒する事があり、この場合には感震器からの信
号はオンの状態を継続する事になる。そのため前述の制
御用のマイコンには所定時間、例えば1秒以上オンの状
態が継続すると機器を停止する等の制御をするようにプ
ログラムされている。ところで前述の外乱振動が与えら
れた時等に、慣性子である球が一定方向の単振動だけで
なく配管の振動などの影響により前記単振動と直交する
成分をもつ横方向の力の相乗効果により旋回運動を始
め、感震器がオンの状態を1秒以上継続する可能性があ
る。
【0031】そのため実施例においては、気密容器内に
容器の中心部に対する球の往復運動の抵抗は比較的少な
く旋回運動に対して抵抗が大きい部材を設けることによ
り、旋回運動が発生しても所定時間、例えば1秒に満た
ない時間より長くは継続しないようにすることができ
る。
【0032】このようにした例を図3を参照して説明す
る。図3(A)は本実施例の感震器の台座12の平面図
であり、図3(B)はその縦断面図である。その傾斜面
12Bには凹み12Dが設けられている。この凹み12
Dは台座12のほぼ中心から放射状に設けられており、
前記中心から同心的に傾斜を有している。
【0033】本実施例の台座12を有する感震器では、
平常時に静止状態では球13は凹み12Dのほぼ中心に
位置している。図3(A)に点線12Eで示す円の内側
が球の動きに対する非感応区域であり、球13の中心が
この区域内にある間は磁石11と球13が引合い接点間
は開離されている。感震器に振動が与えられた時には、
球13の中心は点線12Fで示す円内の区域を転動する
事ができる。
【0034】この時、球13の中心が12Gに点線で示
す円内の部分にある時には球は台座の有する傾斜と摩擦
以外には特にその運動を妨げられる事なく移動する事が
できるが、球13の中心がこの12Gの区域からでると
凹み12Dと通常面との境の抵抗部12Hに衝接する場
合がでてくる。しかし球の自由に転動できる部分の台座
直径方向の長さに比較してこの当接部分の直径方向のな
がさは非常に狭く設定されているため、球13の前記直
径方向の動きに対してはほとんど邪魔にならず、又感震
器のオン−オフ時間の特性にも影響を与えない。球13
の旋回運動はそのハウジング6の内壁に沿って起るた
め、通常球の中心は点線12F上を転がろうとする。し
かしその為には抵抗部12Hを越える必要があり、それ
が抵抗となるため球は旋回運動を持続できない。また1
2Gに囲まれた抵抗の無い区域内で旋回運動を起こそう
としても磁石11の吸引力により円運動を維持できず球
は旋回運動を持続できない。
【0035】このように気密容器内の球の旋回運動時の
球の接触部分に、容器の中心部に対する球の往復運動の
抵抗は比較的少なく旋回運動に対して抵抗が大きい抵抗
部を設ける事により、その旋回運動の発生を押さえ、又
発生しても持続を妨げる事ができる。
【0036】本実施例では台座に凹みをもたせたものに
ついて説明したが、球の旋回運動時の経路12F上に突
起を設けて旋回運動の発生及び持続を妨げるものであれ
ばよく、またその数は複数乃至1つであっても効果があ
る。またハウジング内壁の球との接触部に突起や凹みを
設けたり、回り止め用の部材を挿入した抵抗部の構造と
してもよい。
【0037】以上述べた実施例における可動接点におい
ては、その先端に比較的大きな質量をもった磁石を有し
ているために、可動接点の剛性が不充分だと振動を受け
た時に磁石の慣性や、磁石と球との吸引力によって可動
接点の中心が気密容器の中心線上から外れてしまう事が
ある。
【0038】そこで本願の可動接点は図2に示す如く概
ね螺旋形で、その厚さ寸法の5倍以上の幅を有してい
る。例えば本実施例においては、厚さを0.1mmとした
のに対して、幅Wを1mmと厚さの10倍にしてあり、水
平方向の剛性が厚さ方向のそれに対して充分に高く設定
されている。そのため磁石と球との吸引力によって磁石
の位置がその中心線上から極めて外れ難く、また気密容
器内の空間を有効に使うことができる。この比率が5倍
未満の場合は、水平方向の剛性を充分に得る事ができな
いために気密容器内の空間をさらに大きくする必要を生
じ感震器が大型となる。因みに本発明による感震器のハ
ウジングの内径は10mm程度の小形に製作可能である。
【0039】次に図4を参照して本発明の他の実施例に
ついて説明する。なお図1に示した感震器と同一の部品
には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図4に
示す感震器21も前述の感震器1と同様に、強磁性材料
のハウジング6と蓋板2からなる気密容器に非磁性材料
の台座12と強磁性材料の球13を収容している。この
気密容器の内部にも感震器1と同じく真空若しくは汚損
防止用ガスとして不活性ガスが封入されている。
【0040】蓋板2は強磁性材料の円板2の中央に穿た
れた貫通孔に電気絶縁材料の充填材4によって導電端子
5が固定されている。導電端子5の気密容器内部側の端
部には可動接点支持体22の一端が固定されており、蓋
板の周縁部近傍に位置する他端に固定される可動接点板
23の固定端23Bと導電端子5とを導電的に接続す
る。この可動接点支持体22は銅合金などの非磁性体で
ある事が望ましい。また例えば可動接点板23の固定端
23Bを長くしてそれを中心に向かって曲げ成形して導
電端子5と台座12の後述する固定接点部12Jとが直
接接触する構造とするなら、可動接点支持体22は必ず
しも必要とされるものではない。
【0041】可動接点板23は前述の可動接点板8と同
様にベリリウム銅合金の様な導電性で弾性のある材料か
らなり、その形状は例えば図2に示した如き疑似的な螺
旋形とされ、そのほぼ中央に位置する自由端たる可動接
点部23Aの図示下面にはホルダー24が固定され、そ
のホルダーに磁石11が保持されている。このとき可動
接点板23の自由端と台座12とは接離可能に位置され
ており、両部材の当接部分にはそれぞれ可動接点部23
Aと固定接点部12Jが設けられている。
【0042】この感震器21の動作について説明すると
正規姿勢とされて静止状態にある時には、強磁性体の球
13に磁石11が吸引され可動接点板23の偏倚力と磁
石11を含む重量とに抗して可動接点板23の可動接点
部23Aを台座12の固定接点部12Jに接触させて導
電ピン5とハウジング6を介して円板3との間の電路が
所謂常閉形スイッチとして形成される。感震器21に振
動が与えられた場合には、球13が転動し、磁石11と
の距離を急速に広げるため磁石11は球との吸引力を減
少し、可動接点板23の偏倚力と磁石11を含む重量が
吸引力に打ち克って可動接点板23と台座12の接触が
解かれ、その電路を遮断する。このとき可動接点支持体
22は前述の如く非磁性体であれば磁石11が接触して
も何ら問題はなく、特に導電端子5が強磁性体の場合に
は非磁気的なスペーサーとして機能する。また磁石11
と可動接点支持体22の間に非磁性体の部材を介在させ
磁気的ギャップを設ける等すれば可動接点支持体22は
強磁性体であってもかまわない。
【0043】図1及び図5を参照して、前述の感震器1
の製造方法について述べる。ハウジング6には球13が
収容された後に台座12が嵌入される。この台座12は
圧入により位置決めしてもよいし、必要ならハウジング
と溶接や接着等により固定してもよい。台座12はハウ
ジング6の所定の位置に嵌入固定される事により、その
転動面もまた所定の位置となるようにされる。
【0044】また、円板3に穿たれた孔3Aに電気絶縁
性の充填材4により導電端子5が気密に固定された蓋板
2には、その一端に磁石11をホルダー10により固定
した可動接点板8の固定端8Aが、導電性のスペーサー
9を介して円板3上に導電的に固定される。この時、可
動接点板8の可動接点部8Bが導電端子5の接触部たる
固定接点7と正規の姿勢において所定の接触圧で電気的
に接触しまた開離可能に位置決めされる。
【0045】この作業の後に、特に図示はしないが内部
に球と台座を備えその開口部を溶接時の潰れ代等を見込
んだ形状寸法とされた検査用ダミーハウジングを蓋板2
に被せた状態で特性検査を行なう。この特性検査は実際
に振動を加えてもよくまた所定の角度傾斜させる事で代
用特性としてもよい。こうして得られた磁石11の磁力
や可動接点板8の偏倚力のバラツキなどによる特性の調
整は、実際に溶接するハウジング6内の球13の直径の
異なる種類のものを用意しておいて組み合わせを変えた
り台座12の固定位置等を調節するなど部品の組み合わ
せを変える事により可能になる。
【0046】この後、蓋板2と前述の球13と台座12
を収納したハウジング6は、図5に示す各々の開口端が
パッキンを介して気密に当接する中空の下保持部材31
と上保持部材32とによって包囲されたチャンバー33
内に保持される。このチャンバー33を構成している上
保持部材32と下保持部材31とは大電流を通す事の可
能な電極でクローム銅などの材料で製せられるのが好都
合であり、同時に図示しない真空ポンプによってチャン
バー33の内部の空気を通路31Aを介して排気できる
ようにされており、また選択的には所定の真空度に達し
た時に図示しないガス供給源からチャンバー33内に汚
損防止用のガスが通路31Bを介して充填され、ハウジ
ング6内が汚損防止用のガスによって充満される。この
工程まではハウジング6の開口端6Aと蓋板2の周縁部
は若干の隙間をもっている。
【0047】次にチャンバー33の上保持部材32は気
密を保ち且つ上下に動き得るダブルアクション構造とな
っていて、そのうちの蓋板2を保持している部分は大気
圧が印加されてもそれに耐え得る反発力を有するバネ3
0等により一定の位置に保たれているが、それ以上の力
が印加されると蓋板2の周縁部がハウジングの開口端6
Aと所定の圧力で接触せられ、その後両端面間に例えば
コンデンサ放電形の溶接機の上電極34及び下電極35
によって挟みつけるようにしてこの両電極を介して大電
流を瞬間的に通じて、所謂リングプロジェクション溶接
と称する気密溶接を完了する。
【0048】この感震器においては気密容器内に汚損防
止用ガスを封入する事により、例えば大気圧より高いガ
ス圧を封入すればアルコール中などで気泡検査や、ガス
分析機などにより精度の高い気密検査を行なう事ができ
る。
【0049】またこの感震器1の他の製造方法について
説明する。上述の如く蓋板2にスペーサー9を介して可
動接点板8を導電的に固定した後に、図7に示す如く蓋
板2の周縁部近傍に台座12を溶接などにより固定して
スイッチアッセンブリ14とする。この状態でスイッチ
アッセンブリ14を実際の取付状態に於ける正規姿勢と
し、台座12上に特性検査用の球13Aをのせて振動ま
たは代用特性としての傾斜を与える事により、感震器と
して最適な特性となる球の大きさまたは材質などを選定
する。
【0050】その後、前述の例と同様に図5に示すチャ
ンバー33内に、選定された球13を収容したハウジン
グ6とスイッチアッセンブリ14が保持される。その工
程は上述の例と同様であるから説明を省略するが、台座
12がハウジング6内部に収納されるように蓋板2の周
囲にハウジング6の開口端6Aを所謂リングプロジェク
ション溶接と称する方法で気密溶接して、感震器1を完
成する。
【0051】この製造方法によれば台座を蓋板に固定し
スイッチアッセンブリとした後に球を選定するため、完
成後のものと部品の位置関係が完全に同一であり選定後
にその位置関係が変る事も無いので、確実に最適な特性
とする事ができる。また台座に気孔を設けず蓋板にリン
グプロジェクション溶接等で気密溶接し、スイッチアッ
センブリを気密構造とする事により、スイッチアッセン
ブリの取り扱いが容易になり、また接点部分は二重の気
密構造とされるのでその長期的な信頼性が向上する。
【0052】続いて図4を参照して感震器21の製造方
法について述べる。前述の感震器1と同様にハウジング
6には球13が収容された後に台座12がハウジング6
の所定の位置に嵌入固定され、その転動面もまた所定の
位置となるようにされる。
【0053】また、円板3に穿たれた孔に充填材4によ
り導電端子5が気密に固定された蓋板2には、その一端
に磁石11をホルダー24により固定した可動接点板2
3の固定端23Bが、導電性の可動接点支持体22を介
して導電端子5上に導電的に固定される。この時、可動
接点板23上の磁石11が可動接点支持体22の導電端
子5上の部分と所定の接触圧で接触しまた開離可能に位
置決めされる。
【0054】この作業の後に、前述の感震器1と同様に
図示しない検査用ダミーハウジングを蓋板2に被せた状
態で特性検査を行なう。この特性検査は実際に振動を加
えてもよくまた所定の角度傾斜させる事で代用特性とし
てもよい。こうして得られた磁石11の磁力や可動接点
板23の偏倚力のバラツキなどによる特性の調整は、実
際に溶接するハウジング6内の球13の直径を変えたり
台座12の固定位置等を調節するなど部品の組み合わせ
を変える事により可能になる。
【0055】この後、蓋板2と前述の球13と台座12
を収納したハウジング6は、図5に参照されるチャンバ
ー33内に保持される。このとき可動接点板23はその
自由端23Aが台座12の接触部たる12Jと接触開離
可能に位置決めされる。その後の溶接については前述の
例と同様なのでその説明を省略する。
【0056】またこの感震器21の他の製造方法につい
て説明する。上述の如く蓋板2の導電端子5に可動接点
支持体22を介して可動接点板23を導電的に固定した
後に、特に図示はしないが図7を参照すれば理解できる
如く蓋板2の周縁部近傍に台座12を溶接などにより固
定してスイッチアッセンブリとする。このとき可動接点
板23はその自由端23Aが台座12の接触部たる12
Jと接触開離可能に位置決めされる。この状態でスイッ
チアッセンブリを実際の取付状態に於ける正規姿勢と
し、台座12上に特性検査用の球をのせて振動または代
用特性としての傾斜を与える事により、感震器として最
適な特性となる球の大きさまたは材質などを選定する。
【0057】この後、蓋板2と、選定された球13を収
納したハウジング6は、図5に参照されるチャンバー3
3内に保持される。その後の溶接については前述の例と
同様なのでその説明を省略する。
【0058】この様な製造方法において各構成部品が縦
方向に積み上げる方向に組立られているため、横方向か
ら固定接点や可動接点が差込まれている従来例と比較し
て組立てにおける位置決めが容易になり、小形で堅牢な
感震器の組立てが容易になり組立精度の向上及び多量生
産にも好適である。
【0059】次に本発明の他の実施例について説明す
る。図6はこの実施例における感震器40であり、樹脂
製の容器41と蓋42を超音波による溶着等により封着
してなるケース中に前述の感震器1又は21のうちの一
つ感震器1を例に説明すると、ハウジング6に吊り部た
るフック43Aが固着された感震素子43が収容されて
いる。容器41にはケース内部と外部とを電気的に接続
する端子44A,44Bがインサート成型により固定さ
れ、また後述の支持体45が設けられている。感震素子
43は容器41内に設けられた支持体45にフック43
Aの端部を揺動可能に支持されて、重力により感震素子
43が正規姿勢となるように為されている。
【0060】このケース内には粘性を選定されたシリコ
ンオイルの様な液体46が封入されている。また感震素
子43の可動接点側と同電位の円板3からは導線47
が、また固定接点側と同電位の導電端子5からは導線4
8がそれぞれ端子44A,44Bに電気的に接続されて
いる。この導線47及び48は柔軟な細線であり感震素
子43が正規姿勢を取るための動きに影響を与えない様
に配慮されている。また感震素子43は金属製のハウジ
ングと蓋板を気密に溶接した気密容器とされているため
に、シリコンオイル中に吊るされても感震素子43の内
部にオイルが浸入する心配は全くない。
【0061】この感震器40の動作について説明する
と、前述の単体の感震器1の場合は取付けにおいて高い
精度が要求され、例えば取付け部分の傾き等によりその
取付角度が水平面から外れるとその傾きの方向に対して
振動特性の偏りが生ずる。しかし本実施例の感震器40
においては、感震素子43がフック43Aにより支持体
45に揺動可能に支持されているため、取付けに対する
許容傾斜角度以内、例えばケース内の空間において正規
姿勢を取れる余裕空間以内であれば重力により感震素子
43は自動的にケース内の空間において補正されて正規
姿勢となる。この時ケース内の液体46はケースが傾い
てから所定時間内、例えば20秒以内に感震素子43が
正規姿勢となるように粘性を選定されている。
【0062】所定の許容傾斜角度以内に取付けられ、感
震素子43が正規姿勢となった感震器40が震動や加速
度を受けると感震器40は粘性を選定した液体46を封
入してあるので、例えば周期が2乃至3秒以下の検出す
べき震動に対しては感震素子43はケースと一体に動作
し確実な検出を可能とする。
【0063】また地震発生時に例えば感震器を取り付け
た機器が転倒したり傾いたりした時には、転倒時には感
震器はオン状態となるが、傾きがケース内の余裕空間か
ら定められた例えば5度以内の場合などには液体46が
封入されていない場合は感震素子43は即座に正規姿勢
となるために装置の傾きが検出されないおそれがある。
しかし感震器40は液体46により急に感震器が傾いた
時にもその粘性により感震素子43が所定の時間内で徐
々に正規姿勢に復帰するようにされており、例えばオン
時間が1秒以上続いた場合には取り付けられた装置が傾
いたとして警報を発したり、制御装置により制御対象機
器を制御する事ができる。
【0064】
【発明の効果】本発明の感震器によれば、強磁性材料の
ハウジングと蓋板により構成された気密容器が磁気シー
ルドの役割を果たし外部からの磁界及び外部への磁界の
影響を遮断することができる。また気密容器内に所謂不
活性ガスを封入し、気密容器内部の構成部品、特に電気
接点の汚損による導通不良や運動系統部分の腐食を防止
する事ができ、長期間に亘って安心できる品質の保証が
可能である。
【0065】また導電端子の可動接点との接触位置に非
磁性材料の固定接点を固着することにより、導電端子に
強磁性材料を使用した時にも導電端子と磁石の間の吸引
力が球と磁石の間の吸引力を超えないようにできる。
【0066】強磁性体の球が転動する台座の傾斜面のほ
ぼ中心に静止部を設ける事により、微弱な振動で球が転
動する事がなくなり感震器の動作特性が安定し、接点の
いわゆるチャタリングの発生が押さえられる。
【0067】また気密容器内に容器の中心部に対する球
の往復運動の抵抗は比較的少なく旋回運動に対する抵抗
が大きい部材を設ける事により、旋回運動が発生しても
所定時間を超えて継続しないようにする事ができる。
【0068】また可動接点をその厚さ寸法に対して幅を
5倍以上の寸法とする事により、水平方向の剛性が得ら
れ、その先端部に比較的質量の大きい磁石を配置しても
磁石の位置が水平方向にずれる事がなく、安定した動作
を得られる。
【0069】また、感震素子をケース内に粘性を選定し
た液体と共に封入し、ケース内に吊り下げる構造にする
事により、所定の許容傾斜角度内にケースが取り付けら
れれば、感震素子は重力により自動的に所定の正規姿勢
となり、また地震発生時にはその振動加速度を正確に検
知する事ができる。
【0070】また、製造方法において各構成部品が縦方
向に積み上げる方向に組立られるため、横方向から固定
接点や可動接点が差込まれている従来例と比較して組立
てにおける位置決めが容易になり、小形で堅牢な感震器
の組立てが容易になり組立精度の向上及び多量生産にも
好適でコストが安価になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の感震器の一実施例
【図2】 図1の感震器の可動接点板の平面図
【図3】 感震器の台座の一実施例
【図4】 本発明の感震器の他の実施例
【図5】 本発明の感震器の製造に使用する封入用チャ
ンバーの実施例
【図6】 本発明の他の感震器の一実施例
【図7】 本発明の感震器の組立てを示す図
【符号の説明】
1,21,40:感震器 2:蓋板 3:円板 4:充填材 5:導電端子 6:ハウジング 8,23:可動接点板 11:磁石 12:台座 13:球 41:容器(ケース) 42:蓋(ケース) 43:感震素子 43A:フック(吊り部) 45:支持体 46:液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小関 秀樹 名古屋市南区宝生町4丁目30番地 株式会 社生方製作所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性体の円板の中心に穿たれた孔に電
    気絶縁性の充填材により固定接点部を有した導電端子が
    気密に固定された蓋板と、一端が開放され他端が閉塞さ
    れた概ね円筒状で強磁性体のハウジングとを有し、前記
    蓋板の周縁部にハウジングの開口端が気密に固着されて
    気密容器を形成し、該気密容器の内部には非磁性体の台
    座を有し、この台座上面にはほぼ中心部から外側に向け
    て同心的に傾斜面が形成され、且つこの傾斜面は包括的
    に水平に設置され、台座とハウジングの間の部分である
    前記傾斜面上には強磁性体の球が転動可能に且つ該球は
    正規姿勢において静止時には重力により台座のほぼ中央
    部に位置するように収納され、台座と蓋板の間の空間部
    分には磁石をほぼ中心部に保持した導電性及び弾性のあ
    る可動接点がその周辺部を蓋板に導電的に固着され、該
    可動接点は正規姿勢で静止時には前記固定接点部と開放
    された状態に前記磁石の磁力が球に作用する力によって
    重力及び可動接点の偏倚力に抗して保持される如く配設
    され、球が転動することにより磁石と球との間の距離が
    増してその吸引力が減少し、可動接点の偏倚力及び磁石
    を含む重量によって可動接点が固定接点部と接触するよ
    うに構成したことを特徴とする感震器。
  2. 【請求項2】 強磁性体の円板の中心に穿たれた孔に電
    気絶縁性の充填材により導電端子が気密に固定された蓋
    板と、一端が開放され他端が閉塞された概ね円筒状で強
    磁性体のハウジングとを有し、前記蓋板の周縁部にハウ
    ジングの開口端が気密に固着されて気密容器を形成し、
    該気密容器の内部には非磁性体の台座を有し、この台座
    上面にはほぼ中心部から外側に向けて同心的に傾斜面が
    形成され、且つこの傾斜面は包括的に水平に設置され、
    台座とハウジングの間の部分である前記傾斜面上には強
    磁性体の球が転動可能に且つ該球は正規姿勢において静
    止時には重力により台座のほぼ中央部に位置するように
    収納され、台座の蓋板との対向面には固定接点部が設け
    られ、前記導電端子の気密容器内部側の端部には磁石を
    ほぼ中心部に保持した導電性及び弾性のある可動接点が
    導電的且つ前記固定接点部と接離可能に固着され、該可
    動接点は正規姿勢で静止時には前記固定接点部と接触し
    た状態に前記磁石の磁力が球に作用する力によって重力
    及び可動接点の偏倚力に抗して保持される如く配設さ
    れ、球が転動することにより磁石と球との間の距離が増
    してその吸引力が減少し、可動接点の偏倚力及び磁石を
    含む重量によって可動接点が固定接点部と開離するよう
    に構成したことを特徴とする感震器。
  3. 【請求項3】 台座上面のほぼ中心部に静止部を設け、
    傾斜面上の強磁性体の球が転動可能に且つ該球は正規姿
    勢において静止時には重力により前記静止部に位置する
    ように収納されたことを特徴とする請求項1または請求
    項2の感震器。
  4. 【請求項4】 導電端子の可動接点との接触位置には非
    磁性材料で製せられた部材が固着されている事を特徴と
    する請求項1乃至請求項3の感震器。
  5. 【請求項5】 気密容器内に容器の中心部に対する球の
    往復運動の抵抗は比較的少なく旋回運動に対する抵抗が
    大きい抵抗部を設けた事を特徴とする請求項1乃至請求
    項4の感震器。
  6. 【請求項6】 可動接点は概ね螺旋形でその厚さ寸法に
    対して5倍以上の幅を有しており、水平方向の剛性が厚
    さ方向のそれに対して充分に高く設定され、その周縁部
    に位置する一端を固定端とし、他端である中央部に磁石
    を保持した可動接点部としたことを特徴とする請求項1
    乃至請求項5の感震器。
  7. 【請求項7】 気密容器外部には吊り部が装着され、そ
    の吊り部が所定位置に支持される支持体を有しかつ前記
    気密容器を選定された粘性を有する液体と共に収容する
    ケースからなり、このケースを所定の許容傾斜角度内と
    なるように取付けることにより所定時間内に前記気密容
    器は重力により正規姿勢となるとともに、前記ケースが
    地震等の振動による加速度を受けた場合には気密容器内
    の球が転動し電路を開閉するように構成したことを特徴
    とする請求項1乃至請求項6の感震器。
  8. 【請求項8】 気密容器内に汚損防止用ガスを封入した
    事を特徴とする請求項1乃至請求項7の感震器。
  9. 【請求項9】 一端が閉塞され他端が開口された概ね円
    筒形の強磁性材料製のハウジング内部に、強磁性材料の
    球を収容したのちに非磁性材料の台座を嵌入固定し、導
    電端子を導電性且つ強磁性材料の円板に電気絶縁性の充
    填材によって固定した蓋板に、一端に磁石を固定した可
    動接点板を前記端部が導電端子に設けられた接触部と電
    気的に接触及び/または開離可能となるように他端を円
    板上に導電的に固定した後に、前記ハウジングの開口端
    を前記可動接点板がハウジング内部に収納されるように
    蓋板の周囲に気密に固着して気密容器を構成した事を特
    徴とする感震器の製造方法。
  10. 【請求項10】 導電端子を導電性且つ強磁性材料の円
    板に電気絶縁性の充填材によって固定した蓋板に、一端
    に磁石を固定した可動接点板を前記端部が導電端子に設
    けられた接触部と電気的に接触及び/または開離可能と
    なるように他端を円板上に導電的に固定した後に、前記
    蓋板の周縁部近傍に非磁性材料の台座を固着し、この台
    座上に強磁性材料の球をのせて最適な特性となる球を選
    定し、一端が閉塞され他端が開口された概ね円筒形の強
    磁性材料製のハウジング内部に、選定された球を収容し
    た後に、前記ハウジングの開口端を前記台座がハウジン
    グ内部に収納されるように蓋板の周囲に気密に固着して
    気密容器を構成した事を特徴とする感震器の製造方法。
  11. 【請求項11】 一端が閉塞され他端が開口された概ね
    円筒形の強磁性材料製のハウジング内部に、強磁性材料
    の球を収容したのちに非磁性材料の台座を嵌入固定し、
    導電端子を導電性且つ強磁性材料の円板に電気絶縁性の
    充填材によって固定した蓋板に、一端に磁石を固定した
    可動接点板の他端を導電端子に導電的に固定した後に、
    前記可動接点板が前記ハウジング内部に収納され且つ前
    記可動接点板の磁石を固定した端部が前記台座に設けら
    れた接触部と電気的に接触及び/または開離可能となる
    ように前記ハウジングの開口端を蓋板の周囲に気密に固
    着して気密容器を構成した事を特徴とする感震器の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 導電端子を導電性且つ強磁性材料の円
    板に電気絶縁性の充填材によって固定した蓋板に、一端
    に磁石を固定した可動接点板の他端を導電端子に導電的
    に固定した後に、前記可動接点板の磁石を固定した端部
    と台座に設けられた接触部とが電気的に接触及び/また
    は開離可能となるように前記蓋板の周縁部近傍に非磁性
    材料の台座を固着し、この台座上に強磁性材料の球をの
    せて最適な特性となる球を選定し、一端が閉塞され他端
    が開口された概ね円筒形の強磁性材料製のハウジング内
    部に、選定された球を収容した後に、前記ハウジングの
    開口端を前記台座がハウジング内部に収納されるように
    蓋板の周囲に気密に固着して気密容器を構成した事を特
    徴とする感震器の製造方法。
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JP2002181505A (ja) * 2000-12-14 2002-06-26 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 磁気センサユニット
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CN102157298A (zh) * 2011-03-22 2011-08-17 西安电子科技大学 永磁式碰撞传感器

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