JPH06504285A - ニューロンコリン作動性分化因子 - Google Patents

ニューロンコリン作動性分化因子

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JPH06504285A
JPH06504285A JP4503402A JP50340292A JPH06504285A JP H06504285 A JPH06504285 A JP H06504285A JP 4503402 A JP4503402 A JP 4503402A JP 50340292 A JP50340292 A JP 50340292A JP H06504285 A JPH06504285 A JP H06504285A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、標的により誘導されるニューロンコリン作動性分化因子(neuro nal cholinergic differentiation fact or: NCDF)、並びにその治療および診断用途に関する。本発明は、NC DF、その誘導体、類縁体およびフラグメント、前記のものを含む医薬組成物、 並びに抗NCDF抗体を提供する。
2、 発明の背景 はとんどの交感神経系ニューロンはノルアドレナリン作動性である;しかしなが ら、汗腺を神経支配するニューロンを含む少数のものは、コリン作動性である。
汗腺を神経支配する交感神経系ニューロンは、さらにバソアクティブ・インテス テイナル・ペプチド(VIP)とカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP) 免疫反応性を有することにより特徴付けられる(Lundberg et al 、、 1979゜Neuroscience 4.153L1559; Lan dis and Fredieu、 1986. BrainRes、 377 、177−181; Lindh et al、、 1989. Ce1l T i5sue Res。
256、259−273)、ところが多くのノルアドレナリン作動性ニューロン はニューロペプチドY (NPY)を含んでいる(Lundberg et a l、。
+982. Acta、 Physiol、 5cand、 116.477− 480; Lundberg et al、。
l983、Neurosci、 Lett、 42.167−172; Jar vi et al、、 1986゜Neurosci、 Lett、 67、2 23−227)。成熟汗腺神経支配は、機能的にコリン作動性であるが、発生中 の神経支配はノルアドレナリン作動性である(Landis and Keef e、 1983. Dev、 Biol、 98.349−372;Lebla nc and Landis、 1986. J、 Neurosci、 6. 260−265;5tevens and Landis、1987. Dew 、Biol、123. 179−190; Landiset al、、 19 88. Dew Biol、 126.129−140) 、交感神経系軸索が 、最初に発生中の汗腺を神経支配するとき、それらは強いカテコールアミン組織 蛍光およびカテコールアミン合成酵素、チロシンヒドロキシラーゼおよびドーパ ミンβヒドロキシラーゼに対する免疫反応性を有している。腺神経支配が成熟す ると、カテコールアミン組織蛍光が消失し、チロシンおよびドーパミンβヒドロ キシラーゼ免疫反応性が減少し、モしてコリン作動性およびペプチド作動性特性 が現れる。例えば、アセチルコリンエステラーゼは、出生後7日で(P7)、V IP免疫反応性はPIOで、コリンアセチルトランスフェラーゼ活性はpHで、 モしてコリン作動性伝達はPI3で感知できる。このように、汗腺のコリン作動 性交感神経系神経支配は、出生後の発生中に神経伝達物質の特性において著しい 変化をする。
いくつかの証拠により、発生中の汗腺の神経支配におけるノルアドレナリン作動 性からコリン作動性機能への変化は、標的組織との相互作用により仲介されるこ とが示唆される。第一に、発生中の汗腺の神経支配が7−10日遅れた場合は、 カテコールアミン組織蛍光の消失とコリン作動性特性の出現において対応する遅 れがある(Stevens and Landis、 1988. Dev、  Biol、 130.703−720)。
第二に、ノルアドレナリン作動性交感神経系ニューロンを含んでいる上類神経節 を、汗腺を含んでいる内証組織と共に眼の前房に移植すると、ニューロンは腺を 神経支配し、カテコールアミン組織蛍光とNPYの発現を減少させ、そしてコリ ンアセチルトランスフェラーゼとVIPに対する免疫反応性を発生させる(St evens andLandis、 1990. Dev、 Biol、 13 7.109−124) 、最後に、交差−神経支配実験により、標的の役割に対 する直接の証拠が提供される。
出生後早期のラットの胸部の毛のある皮膚の代わりに、内証の皮膚を移植する場 合は、移植組織は、正常の標的はパイロエレクタ−(piloerector) と血管である、交感神経系ニューロンに神経支配される。毛のある皮膚を神経支 配する交感神経系繊維はノルアドレナリン作動性であり、正常ではコリンアセチ ルトランスフェラーゼ活性、アセチルコリンエステラーゼ染色、またはVIP免 疫反応性を含まない(Schotxinger and Landis、 19 90. Ce1l Ti5sueRes、 260.575−587)。しかし ながら、移植した汗腺を神経支配した数週間後、繊維はカテコールアミン蛍光の 著しい減少を示し、新しい標的の神経支配の特徴である特性を示す:コリンアセ チルトランスフェラーゼ活性、アセチルコリンエステラーゼ染色、およびVIP 免疫反応性を示す(Schotzinger and Landis、 198 8゜Nature 335.637−639;および未発表データ)。反対に、 ノルアドレナリン作動性交感神経系ニューロンの標的である耳下腺を、汗腺の代 わりに内証に移植すると、正常では汗腺を神経支配している繊維によって優位に 神経支配され、コリン作動性となる;この場合、移植した耳下腺を神経支配する 繊維は、コリン作動性特性を獲得しはじめ、そして耳下腺の交感神経系支配の典 型であるカテコールアミン作動性特性を発現し続ける(Schotzinger  andLandis、 1990. Neuron 4.9l−100)。こ のように、汗腺神経支配におけるコリン作動性特性の正常な発現は、この特異な 標的の存在によるものであり、汗腺は、交感神経系ニューロンにおいては正常で は発現しないコリン作動性および、あるペプチド作動性特性を誘導できる。交感 神経系軸索は、直接取り囲んでいる汗腺細胞または基底層に決して接触しないの で(Landis and Keefe。
+983. Dev、 Biol、 98.349−372; Uno and  Montagna、 1975゜Ce1l Ti5sue Res、 158 .1−13; Quick et al、、 1984. Anat、 Rec 。
208、491−499) 、標的効果は可溶性因子により仲介されているよう に思われる。
細胞培養下において発生中の交感神経系ニューロンで、同様のノルアドレナリン 作動性からコリン作動性への転換を生じるい(つかのタンパク質が同定されてき た。これらは、汗腺により生成される分化シグナルである可能性がある候補物で ある。心臓細胞のならし培地から精製したコリン作動性分化因子(CDF)(P atLerson and Chun、 1977、 Dew、Biol、 5 6.263−280; Fukada。
1985、 Proc、 Natl、 Acad、 Sci、 USA 82. 8795−8799)は、白血病阻止因子(LIF)と同一であることが示され ている(Yamamori etal、、 1989.5cience 246 .1412−1416) 。毛様神経向性因子(CNTF)は、初め毛様ニュー ロンの生存因子として同定され(Adleret al、、 1979.5ci ence 204.1434−1436; Barbin et al、、 1 984゜J、 Neurochem、 43.1468−1478: Mant horpe et al、、 1986. BrainRes、 367、28 2−286) 、そして最近クローン化されたが(Lin etal、、 19 89.5cience 246.1023−1025; 5tockli et  al、、 1989゜Nature 342.920−923) 、培養した 交感神経系ニューロンにおいてコリン作動性機能を誘導し、カテコールアミン作 動性機能を減少させる(Seadat et al、、1989. J、 Ce 1l Biol、 108.1807−1816) 。推定アミノ酸配列(Ya mamori et al、、 1989.5cience246、1412− 1416; 5tockli et al、、 1989. Nature 3 42.920−923)およびCDF/l、IPとCNTFの生化学および免疫 学特性(Rao etat、、 1990. Dev、 Biol、 139. 65−74)の比較により、それらは異なる因子であることが示唆される。さら に、可溶50 kdコリン作動性因子が、ヘパリンアフィニティークロマトグラ フィーにより脳から得られていて(Kessler et al、、 1986 . Proc、 Natl、 Acad、Sci、 USA 83.3528− 3532)、そして膜−会合神経伝達物質刺激因子(MANS)がラットのを髄 から可溶化され、部分的に精製されている。後者の活性は、29 kdタンパク 質と会合している(long andKessler、1987. Proc、  Na目、 Acad、 Sci、 USA 84、8726−8729 ;A dler et al、、 1989. Proc、 Natl、 Acad、  Sci、 USA 86.1080−1083)。しかしなが呟これらの因子 のコリン作動性−誘導能力が、正常の発生での根本的な機能、あるいは関連のあ る機能であるかとうかは依然不明である。これらの因子のいくつかは別の機能を 有していることが細胞培養系において示されている。例えばCDF/LIFはM l骨髄細胞系において、増殖を阻害し、マクロファージ分化を誘導しくf(il ton et al、、 198B、 Anal、 Biochem、 173 ゜359−367)、そして胎児幹細胞の発生の可能性を保持する(Smith et al、、 1988. Nature 336.688−690; Wi lliaIIIs et al、、 1988゜Nature 336.684 −687); CNTFは、毛様ニューロンの栄養活性を有しくBarbin  et al、、 1984. J、 Neurochem、 43.1468− 1478;Manthorpe et al、、 1986. Brain R es、 367、282−286) 、そして0−2A前駆細胞においてアスト ログリア特性を誘導する(Hughes etal、、 1988. Natu re 335.5O−73)。
心臓および骨格筋細胞をならし培地により培養した交感神経系ニューロンでのコ リン作動性誘導の研究により、ニューロンが、一度誘導されコリン作動性機能を 獲得すると、誘導因子が培地から除去されても一定期間それを維持することが示 されているCPatterson and Chun 1977、 Dev、  Biol、 56.263−280; Vidal etal、、 1987.  Development 101.617−625) 。ペプチド作動性誘導 が、C叶几IFを用いて培養した交感神経系ニューロンで観察される(Nawa  et al、、 1990. Neuron 4.269−277); CD F/LIFを回収すると、P物質含有量が対照値まで戻る。
成人の感覚性神経を含む交差−神経支配実験により、ペプチド表現型を変え得る ことが示されている(McMahon and Gibson。
1987、 Neurosci、 Iett、 73.9−15)。筋肉神経を 皮膚神経に交差−吻合させ、皮膚で標的を神経支配するように誘導する場合は、 再発生筋肉神経がP物質に対する免疫反応性を獲得するように見え、反対に、皮 膚神経を筋肉神経に交差−吻合させた場合は、P物質免疫反応性は皮膚神経で減 少する。
(本頁以下余白) 3、 発明の要約 本発明は、標的により誘導されるニューロンコリン作動性分化因子(NCDF)  、並びにその治療および診断用途に関するものである。本発明はNCDF、そ の誘導体、類縁体およびフラグメント、前記のものを含む医薬組成物、並びに抗 NCDF抗体を提供する。
本発明のNCDFは哺乳動物の汗腺の抽出物中に存在するタンパク質てあり、そ れらは熱およびトリプシン不安定性、ヘパリン−アガロースアフィニティーカラ ムへの実質的な結合性の欠如、約4.8−5.2の範囲の等電点(pI)、非膜 細胞性局在化、および16−32キロダルトンの範囲のおよその分子量を示す。
NCDFタンパク質、その誘導体、類縁体およびフラグメントは、細胞培養下( in vitro)において交感神経系ニューロンによるチロシンヒドロキシラ ーゼと全カテコールアミン類の発現を低下させ、一方でコリンアセチルトランス フェラーゼとバソアクティブ・インテステイナル・ペプチド(V I P)の発 現を高めることができる。
NCDFタンパク質、その誘導体、類縁体およびフラグメントは、ニューロンに おけるコリン作動性活性を誘導するために使用される。かかるタンパク質、誘導 体、類縁体およびフラグメントは、多数のニューロン型の生存および/またはコ リン作動性分化をサポートすることが望まれる神経系の損傷または疾患を有する 轡者に治療的に投与される。
4、 図面の説明 図1. 成熟ラットの汗腺、有毛の皮膚、耳下腺、肝臓または坐骨神経から抽出 された可溶性タンパク質を、解離した交感神経系ニューロンの培養物に加えた。
抽出物を添加して数日後、ニューロンをホモジナイズし、そのアリコートについ て、Fonnumの方法(1969,Biochem、 J、 115.465 −472)によりコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)活性のレベル を検定した。3通りの試料で反復実験を行った。(a)では、表示した組織から 抽出されたタンパク質250μgを加えた。データは、抽出物を添加せずに生育 させた対照培養物中に存在するChAT活性に対する、ChAT活性の誘導倍率 として表される。(b)では、坐骨神経または汗腺から抽出されたタンパク質2 50μgを加えた。データは、添加したタンパク質1mgあたりの比活性の誘導 倍率として表される。
図2゜ (a) 汗腺抽出物の濃度を増加させると、コリンアセチルトランスフェラーゼ 活性の誘導が増大した。成熟ラットの汗腺から抽出された可溶性タンパク質を、 濃度を次第に高めながら交感神経系ニューロンの培養物に加えた。抽出物を添加 して数日後、ニューロンをホモジナイズし、そのアリコートについて、Fonn umの方法(1969,Biochem、 J、 115.465−472)に よりコリンアセチルトランスフェラーゼ活性を検定した。3通りの試料で反復実 験を行った。データは、活性のpmo 1/分/ウェル±SD(標準偏差)とし て表される。
(b) コリンアセチルトランスフェラーゼ活性の誘導の時間経過。成熟ラット の汗腺から抽出された可溶性タンパク質(100μg/ml)を交感神経系ニュ ーロンの培養物に加えた。抽出物の添加後適当な間隔をおいて2通りの試料をホ モジナイズし、アセチルトランスフェラーゼ活性について検定した。データは、 活性のpmo 1/分/ウェル±SDとして表される。
図3. 汗腺抽出物はチロシンヒドロキシラーゼを低下させる。
交感神経系ニューロンを、汗腺抽出物を添加しない培地(a)または100μg /mlの汗腺抽出物を添加した培地(b)で生育させた。数個のウェルからの試 料をプールし、試料緩衝液中でホモジナイズし、電気泳動し、ニトロセルロース にプロットした。
チロシンヒドロキシラーゼに対するモノクローナル抗体を用いてプロットを検索 した。対照および処理した培養物からのバンドの染色強度のレーザーデンシトメ ーター走査(吸光度600nm)を示す。
図4゜ (a) 汗腺抽出物はVIPの発現を調整する。成熟ラットの汗腺から抽出され た可溶性タンパク質の段階的希釈物を交感神経系ニューロンの培養物に加えた。
抽出物の添加後8日目に培養物を回収した。姉妹ウェルについて、ラジオイムノ アッセイによりVIPレベルを、あるいはコリンアセチルトランスフェラーゼ活 性を検定した。2通りの試料で反復実験を行った。データは、VIPのpg/ウ ェル±SD、またはコリンアセチルトランスフェラーゼ活性のpmol/ウェル ±SDとして表される。
(b) 汗腺抽出物はNPYのレベルを低下させて、VIPのレベルを上昇させ る。汗腺抽出物(100μg/ml)を交感神経系ニューロンの培養物に加えた 。抽出物の添加後8日目に培養物を回収した。姉妹ウェルについて、ラジオイム ノアッセイによりNPYまたはVIPを検定した。3通りの試料で反復実験を行 った。データは、VIPまたはNPYのpg/ウェル±SDとして表される。
図5. 汗腺抽出物におけるコリン作動性分化活性の出現。表示した日齢の動物 から汗腺抽出物を調製した。はぼ等しいタンパク質濃度(100μg/ml)を 交感神経系ニューロンの培養物に加えた。抽出物の添加後7日目に、ニューロン を回収し、アリコートのコリンアセチルトランスフェラーゼ活性について検定し た。それぞれの日齢で少なくとも3つの別個の調製物を試験した。
データは、抽出タンパク質1mgあたりのコリンアセチルトランスフェラーゼの 誘導倍率±SDとして表される。
図6. 汗腺抽出物中に存在するコリン作動性−誘導活性はCDF/L I F に対する抗体により免疫沈降されない。
(a) 汗腺抽出物(DEAE画分)をプロティンA−セファロース(A) 、 CDFのN末端配列に対するアフィニティー精製抗体(B)、またはペプチド抗 原とブレインキュベートしたアフィニティー精製抗体(C)とインキュベートし た。免疫沈降後、上清を交感神経系ニューロンの培養物に加えた。抽出物の添加 後100日目、培養物のコリンアセチルトランスフェラーゼ活性についてFon numの方法(1969,Biochem、 J、 115.465−472) により検定した。結果は、抽出物を添加しない培地で生育させたニューロンにお いて観察された活性に対する、コリンアセチルトランスフェラーゼ活性の誘導倍 率として表される。全て、2通りの試料で反復実験を行った。
(b)125Iテ標識した組換えCD F/L I F (20,000cpm )を、CDFのN末端配列に対するアフィニティー精製抗体(レーンlおよび3 )と、またはペプチド抗原とブレインキュベートしたアフィニティー精製抗体( レーン2および4)と、緩衝液中(レーンlおよび2)であるいは成熟ラット汗 腺から抽出された可溶性タンパク質10μg(レーン3および4)と共にインキ ュベートした。CDFのN末端配列に対するアフィニティー精製抗体による免疫 沈降後、SDS試料緩衝液中で沸騰させて標識タンパク質を抽出し、10%ゲル で5DS−PAGEにかけた。
7日の露出後に現像したX線フィルム上には、標識LIF(矢印)が局在してい た。より高い分子量のバンドはプロティンA−セファロースにより免疫沈降され た標識ウシ血清アルブミンである。
図7. CNTFは汗腺抽出物中に検出されない。パネルaでは、10ngの組 換えCNTFをニトロセルロースにプロットした。パネルbおよびCでは、坐骨 神経抽出物からの(レーンl)、成熟ラットの有毛皮膚抽出物からの(レーン2 )、または成熟(レーン3)もしくは211日目レーン4)の動物の汗腺抽出物 からの、それぞれの可溶性タンパク質(DEAE画分)60μgをニトロセルロ ースにプロットした。パネルaおよびbでは、組換えラットCNTFに対するポ リクローナル抗血清を用いてプロットを検索し、一方パネルCでは、10μmの 組換えCNTFとブレインキュベートした抗体を用いてプロットを検索した。パ ネルaは抗血清がCNTFを認識することを実証している(矢印)。
予測されたように、抗血清は坐骨神経抽出物中に存在する24キロダルトン(k  d)バンドを認識するが(レーンlb、c)、有毛皮膚抽出物(レーン2)や 211日目レーン3)または成熟(レーン4)動物からの汗腺抽出物には特定の バンドが見られなかった。bおよびCの矢印は92.3oおよび22.5kdの 標準を示す。
図8.CNTFメツセージは汗腺抽出物中に検出されない。成熟ラットの坐骨神 経(a)、汗腺(b)、肝臓(C)および視神経(d)からの全RNA 30μ gを電気泳動にかけ、ナイロン膜に移行させた。次に、膜をラットCNTFに対 するオリゴヌクレオチドプローブで検索した。矢印は坐骨神経RNAを含むレー ンaに陽性の1.3kbバンドを、そして視神経(d)の同じ位置にかすかなバ ンドを示す。汗腺および肝臓RNAをそれぞれ含むレーンbとCには特異的シグ ナルが何も検出されない。
図9. in 5ituハイブリダイゼーシヨン。坐骨神経の切片をラットCN TFに対するオリゴヌクレオチドプローブで検索した。
パネルaは坐骨神経切片中のSchwann細胞への特異的ハイブリダイゼーシ ョン(アンチセンスプローブを使用)を示す。パネルbはエチジウムプロミドで 染色した同じ組織切片を示す。粒子のランダムな分布を示すパネルCでは、セン ス(対照)プローブとの結合が見られない。パネルdはエチジウムプロミドで染 色した同じ組織切片を示す。
図10. in 5ituハイブリダイゼーシヨン。汗腺の切片を、図9で用い たラットCNTFに対するオリゴヌクレオチドプローブで検索した。汗腺の切片 には特異的結合が見られない(パネルa)。センス(対照)プローブとの結合も 見られない(パネルC)。パネルbとdはエチジウムプロミドで染色した切片を 表す。
図11. 陰イオン交換クロマトグラフィー。セクション6、3.3゜に記載し たようにホモジナイズし、遠心分離した後、汗腺抽出物の上清をDEAEイオン 交換カラムにかけ、交感神経ニューロンにおけるコリンアセチルトランスフェラ ーゼ(ChAT)誘導活性について検定した。四角:ChAT誘導。菱形:Na C1勾配。
図12. クロマトフオーカシング。DEAE溶出液をMONOPカラムでクロ マトグラフィーにかけ、0.5ml抽出液を集め、コリン作動性活性(交感神経 ニューロンにおけるChAT誘導活性)について検定した。四角:ChAT誘導 。菱形:pH。
図13. (a) 22−26kdと26−32kdの範囲のSDSゲル画分を 溶出し、解離した交感神経ニューロンの培養物に加えた。抽出物の添加後7日目 に、ニューロンをホモジナイズし、アリコートのコリンアセチルトランスフェラ ーゼ(ChAT)活性レベルをFonnumの方法により検定した。3通りの試 料で反復実験を行った。データは、抽出物を添加せずに生育させた対照培養物中 に存在する活性に対するChAT活性の誘導倍率として表される。
bては、溶出タンパク質のアリコートをSDSゲルに再度かけ、クーマシーブル ーで染色した。レーンaは22−26kd (下の矢印)画分を、レーンbは2 6−32kd (上の矢印)画分を示す。
5、 発明の詳細な説明 本発明は、標的により誘導されるニューロンコリン作動性分化因子(NCDF) 、並びにその治療および診断用途に関するものである。本発明はNCDF、その 誘導体、類縁体およびフラグメント、前記のものを含む医薬組成物、並びに抗N CDF抗体を提供する。
本発明のNCDFは哺乳動物の汗腺の抽出物中に存在するタンパク質であり、そ れらは熱およびトリプシン不安定性、ヘパリン−アガロースアフィニティーカラ ムへの実質的な結合性の欠如、約4.8−5.2の範囲の等電点(pi)、弁膜 細胞性局在化、および16−32キロダルトンの範囲のおよその分子量を示す。
NCDFタンパク質、その誘導体、類縁体およびフラグメントは、細胞培養下( in vitro)において交感神経系ニューロンによるチロシンヒドロキシラ ーゼと全カテコールアミン類の発現を低下させ、一方でコリンアセチルトランス フェラーゼとバソアクティブ・インテステイナル・ペプチド(V I P)の発 現を高めることができる。
NCDFタンパク質、その誘導体、類縁体およびフラグメントは、ニューロンに おけるコリン作動性活性を誘導するために使用される。かかるタンパク質、誘導 体、類縁体およびフラグメントは、多数のニューロン型の生存および/またはコ リン作動性分化をサポートすることが望まれる神経系の損傷または疾患を有する 患者に治療的に投与される。
本発明の特定の態様において、NCDFタンパク質はヒト汗腺の抽出物中に存在 するものである。他の態様において、NCDFタンパク質はラット由来の汗腺抽 出物中に存在するものである。
本発明のさらに別の態様において、NCDFタンパク質、その誘導体、類縁体お よびフラグメントは、エンケファリン、ソマトスタチン、サブスタンスPのよう なその他のペプチドの発現を誘導しうる。
以下の実施例セクションで詳述するように、我々は培養した交感神経系ニューロ ンの伝達物質特性に及ぼす汗腺抽出物の効果を調へた。我々は汗腺に可溶性因子 (NCDFと呼ぶ)が存在することを見いだし、この因子はカテコールアミンと チロシンヒドロキンラーゼの発現を低下させ、そしてコリンアセチルトランスフ ェラーゼとVIPの発現を誘導する。
ヒト、ラット、ブタおよび他の種のNCDF、もしくはそれらの機能的均等物が 本発明に従って用いられる。さらに、本発明はヒツジ、ウシ、ネコ、トリ、ウマ 、またはイヌ、並びに霊長類やNCDF活性が存在する他の種から単離されたN CDFタンパク質にも関係する。本発明はまた、NCDFタンパク質、そのフラ グメントおよび誘導体、またはそれらの機能的均等物を提供する。
本発明はまた、抗原決定基を含むか、あるいは機能的に活性であるNCDFタン パク質のフラグメントまたは誘導体を提供する。
ここで用いる「機能的に活性」とは、既知のNCDF機能(例えば、in vi troて交感神経系ニューロンによるコリンアセチルトランスフェラーゼの発現 を増強する能力)に関するアッセイにおいて陽性の活性をもつことを意味する。
本発明のNCDF誘導体、類縁体またはフラグメントとしては、配列内の残基が 機能的に均等なアミノ酸残基で置換されてサイレント変化を生ずる変異型配列を 含めて、汗腺抽出物から精製されるような、全長NCDFタンパク質に含まれる 一部アミノ酸配列の全部または一部を含むものが挙げられるが、これらに限定さ れない。例えば、配列内の1つ以上のアミノ酸残基を、機能的均等物として作用 してサイレント変異をもたらす類似の極性の他のアミノ酸で置換することができ る。配列内のアミノ酸の置換はそのアミノ酸が属するクラスの他のメンバーから 選択しうる。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸にはアラニン、ロイシン、イソ ロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびメチ オニンが含まれる。極性中性アミノ酸にはグリシン、セリン、トレオニン、シス ティン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンが含まれる。正に荷電した (塩基性)アミノ酸にはアルギニン、リシンおよびヒスチジンが含まれる。負に 荷電した(酸性)アミノ酸にはアスパラギン酸やグルタミン酸が含まれる。
さらに、タンパク質加水分解切断、抗体分子や他の細胞リガンドへの結合、アセ チル化、ホルミル化、酸化、還元などによって修飾されたNCDFタンパク質、 フラグメント、類縁体または誘導体も本発明の範囲内に含まれる。
5.2. ニューロンコリン作動性分化因子の精製NCDFは哺乳類汗腺の入手 しうる供給源から当分野で知られた手法を用いて精製することができる。かかる 手法にはクロマトグラフィー(イオン交換、アフィニティー、サイジングカラム クロマトグラフィー)、遠心分離、分別溶解、またはタンパク質精製のための他 の標準手法が含まれるが、これらに限定されない。
例えば、限定するものではないが、次の方法によって汗腺抽出物からNCDFを 単離できると考えられる。セクション6、3.3.に記載した方法に従って汗腺 抽出物を調製する。そこに記載したようにホモジナイゼーションと遠心分離を行 った後、上清を集め、陰イオン交換カラム(例えば、DEAE、リン酸緩衝液で 平衡化したワットマンDE52セルロース)にかけ、そして当分野で知られた方 法によりそこから集める。その後、精製した抽出物を公知の方法でショ糖勾配遠 心にかけ、適当な画分を限外濾過で濃縮する。次に、精製したNCDFを分析用 または分離用ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかける。所望により、ポリアク リルアミドゲルからの溶出後、NCDFは、HPLC逆相カラムの使用によりあ る種の緩衝液成分を精製して、取り除いてもよい。
ゲル電気泳動の例として、精製NCDFはスラブ式5DS−ポリアクリルアミド ゲルを使って分析し得る。精製NCDFまたは分子量標準を電気泳動にかけ、ゲ ルを切りだし、次のように処理する。つまり、ゲルを0.25M KCl中でイ ンキュベートしながらタンパク質結合SDSを沈殿させ、そして標準およびNC DFバンドの位置を記録することにより、固定せずにポリペプチドを可視化する 。その後レーンを固定し、クーマシーブルーで染色する。他のレーンをスライス に切り、タンパク質電気泳動溶出またはトリトンx−t o oとのインキュベ ーションにより溶出し、その後溶出物のNCDF活性を調べる。
5.3. NCDFバイオアッセイ NCDF活性はNCDFCD性のin vivoまたはin vitro系を使 って評価し得る。例えば、以下のセクション6.3.に記載するようなアッセイ 、例えば細胞培養下で交感神経系ニューロンによるコリンアセチルトランスフェ ラーゼの発現を増強するか、またはバソアクティブ・インテステイナル・ペプチ ドの発現を増強するか、もしくはチロシンヒドロキシラーゼの発現を低下させる が、あるいは全カテコールアミン類の発現を低下させる能力を検定するアッセイ を使用しつるが、これらに限定されない。
また、別の例として、NCDF活性は、単層培養下の胚(E8)ニワトリ毛様体 神経節(CG)ニューロンの24時間生存を定量することによっても測定し得る 。例えば、毛様体神経節をE8ニワトリ胚から集め、解離しく神経節につき約2 0,000個の細胞が得られる)、その後Varonら(1979,Brain  Res、 173゜29−45 )に記載されるように20%のウマ血清を含 むHEBM培地で希釈する。1ooo個のニューロン(2000個の細胞)を含 む細胞墾濁体約50μmをマイクロタイター皿にまき、その後推定上のNCDF 活性を加える。培養プレートを5%co!のもとて37℃、24時間維持する。
その後、HEBM培地に200μmの2%グルタルアルデヒドを加えて培養物を 固定し、位相差顕微鏡での直接計数により生存しているニューロンの数を肉眼で 数える。
5.4. NCDFの配列決定 NCDFタンパク質はその配列が直接決定されるが、あるいは黄色ブドウ球菌( Staphylococcus aureus)V 8、トリプシン、臭化シア ンを含むがこれらに限定されない当分野で知られたプロテアーゼまたは他の化合 物で最初に切断される。ペプチドは気相マイクロシークエンサーでの自動エドマ ン分解により、Hewickら(1981,J、 Biol、 Chew、 2 56.7990−7997)およびHunkapillerら(1983,Me thods Enzymol、 91.227−236)の方法に従って配列決 定しうる。その後、フェニルチオヒダントインアミノ酸の検出をLottspe ich (1985,Chromatography 326.321−327 )に従って行う。アミノ酸配列の重複フラグメントを決定し、これらを用いてよ り長い連続配列を推定することができる。
5.5. 抗NCDF抗体の生成 本発明によれば、NCDFタンパク質、またはそのフラグメントもしくは誘導体 は抗NCDF抗体を生成するための免疫原として使用される。
当分野で知られた種々の方法を使って、NCDFのエピトープに対するポリクロ ーナル抗体を生産することができる。抗体の生産のために、NCDFタンパク質 、またはそのフラグメントもしくは誘導体を注入することにより、ウサギ、マウ ス、ラットなどを含むがこれらに限定されない多種の宿主動物を免疫感作するこ とができる。免疫応答を増強するために、宿主種に応じて種々のアジュバントを 用いてもよく、例えばフロイント(完全および不完全)、水酸化アルミニウムの ような無機ゲル、リゾレシチンのような界面活性物質、プルロニックポリオール 、ポリアニオン、ペプチド、油エマルジョン、キーホール・リンベット・ヘモシ アニン、ジニトロフェノール、BCG (カルメットーゲラン杆菌)のような有 効でありうるヒトアジュバント、およびコリネバクテリウム・バルバム(Cor ynebacterium parvum)を含むが、これらに限定されない。
所望により、抗NCDF免疫応答を生ずる可能性をさらに高めるために、ひとた び得られたら、NCDFのアミノ酸配列を解析して、免疫原性の増加と関連する 分子の部分を同定し得る。例えば、アミノ酸配列をコンピュータ解析にかけ、H opp and Woodsの方法(1981,Proc、 Natl、 Ac ad、 Sci、 U、S、A、 78.3824−3828)に従って表面エ ピトープを同定する。
NCDFに対するモノクローナル抗体を生産するためには、培養下で連続細胞系 による抗体分子の生産をもたらす技法が用いられる。例えば、Kohler a nd Mllsteln (1975,Nature 258+ 495−49 7)によって最初に開発されたハイブリドーマ技法、並びにトリオーマ技法、ヒ トB細胞ハイブリドーマ技法(Kozbor et al、。
1983、Immunology Today 4.72)、およびヒトモノク ローナル抗体を生産するためのEBV−ハイブリドーマ技法(Cole et  al、。
1985、in Monoclonal Antibodies and Ca ncer Therapy”。
Alan R,Li5s、 Inc、 pp、 77−96)などが本発明の範 囲内に入る。
治療用のモノクローナル抗体はヒトモノクローナル抗体またはキメラ・ヒト−マ ウス(あるいは他の種)モノクローナル抗体であり得よう。ヒトモノクローナル 抗体は当分野で知られた数多くの技法のどれかを用いて作ることができる(例え ば、Teng et al。
、1983. Proc、 Natl、 Acad、 Sci、 U、S、A、  80.7308−7312;Kozbor et al、、 1983.1m munology Today 4.72−79; 01sson etal、 、 1982. Meth、 Enzymol、 92.3−16) 、キメラ 抗体分子はヒト不変部と共にマウス抗原−結合ドメインを含むように作られる( Morrison et al、、 1984. Proc、 Natl、 A cad、 Set、 U、S、A、 81゜6851; Takeda et  al、、 1985. Nature 314.452 )。
NCDFエピトープに対する抗体の分子クローンは既知の技法により作ることが できる。モノクローナル抗体分子あるいはその抗原結合領域をコードする核酸配 列を構築するために、組換えDNA法(例えば、Maniatis et al 、、 1982. Mo1ecular Cloning。
A Laboratory Manual、Co1d Spring Harb or Laboratory、ColdSpring Harbor、 New  Yorkを参照)が用いられよう。
抗体分子は、例えば免疫吸着またはイムノアフィニティークロマトグラフィー、 Hl)LC(高性能液体クロマトグラフィー)のようなりロフトグラフ法、ある いはこれらの組合せのような、既知の手法により精製することができる。
抗体分子のイディオタイプを含む抗体フラグメントは既知の方法により作製し得 る。例えば、このようなフラグメントには、抗体分子のペプシン消化により生成 されるF(ab’)pフラグメント、F(ab’)2フラグメントのジスルフィ ド橋を還元することにより生成されるFab’ フラグメント、および抗体分子 をパパインと還元剤で処理することにより生成される2FabまたはFabフラ グメントが含まれるが、これらに限定されない。
5.6. 発明の有用性 本発明はNCDFと、それから得られるペプチドフラグメント類縁体または誘導 体に関する。NCDFタンパク質、ペプチドおよび誘導体、並びに抗NCDF抗 体は診断および治療用途に利用されよう。たいていの診断または治療目的のため に、同じ種に由来するNCDFを使うことが好ましいが、本発明の特定の態様に おいてはNCDFの交差種利用も有用であろう。
(本頁以下余白) 5.6. 1 診断への応用 本発明は、NCDFタンパク質、ペプチドフラグメントまたは類縁体、もしくは これらから生成した誘導体、並びにこれらのNCDFタンパク質、ペプチドまた は誘導体に対する抗体に関するものであるが、また、NCDFCD型における変 化に関連していると考えられる神経系の疾病または疾患の診断に利用することが できる。
NCDF発現の変化に関連した様態、疾患または疾病の状況、特に、副交感ニュ ーロン、コリン作動性ニューロン、を髄ニューロン、神経芽腫細胞および副腎髄 質細胞のようなNCDFCD性と考えられるニューロンの損傷および変性がもた らす様態を検出、予見、診断または観察するために、アッセイを利用することが できる。これらの疾病や様態として、外傷、梗塞、感染、神経変性症、悪性腫瘍 、または手術後の変化が含まれるが、これらに限定されるものではなく、またア ルツハイマー(Alzheimer)症、パーキンソン(Parkison)症 、ハンチントン(Hunt ington)舞踏病および筋萎縮性側索硬化症が 含まれるが、これらに限定されるものではない。
本発明の別の実施例として、N C,D Fタンパク質、ペプチドフラグメント 、類縁体または誘導体に対する抗体を、神経系、特にニューロン集団の疾病また は疾患、そして上記に挙げた臨床疾患および疾病の診断に使用することができる 。本発明のNCDFタンパク質に対する抗体は、例えば、この鑑定を必要とする 患者からとった組織試料を使ったin 5ituハイブリダイゼ一シヨン手法に 使用することができる。さらに別の例として、本発明の抗体をE L I S  A操作に使用して、組織または分泌液試料中に存在するNCDF量を検出および /または測定することができる;同様に、組織または分泌液試料中に存在するN CDF量を検出および/または測定するために、ウェスタンプロット分析法に、 本発明の抗体を使用することができる。
NCDFタンパク質、その類縁体、誘導体またはフラグメントを検出または測定 するのに使用することができる免疫検定法には、次のような手法を用いた競合ア ッセイまたは非競合アッセイがあるが、これらに限定されるものではない;ラジ オイムノアッセイ、ELISA(酵素結合イムノソルベントアッセイ)、”サン ドウィッチ”イムノアッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散法、凝集 法、補体結合法、イムノラジオメトリック(immunoradiometri c)法、蛍光イムノアッセイ、タンパク質Aイムノアッセイおよび免疫電気泳動 法、(to name but a few)。
本発明の別の例では、NCDFタンパク質、ペプチドフラグメントまたは誘導体 を神経系の疾病または疾患の診断に使用することができる。限定するものではな いが、特定の例において、NCDFレセプター発現の非正常体を同定し、結果的 に組織または細胞のNCDFCD性の異常の可能性を確認するために、NCDF レセプターを発現する組織または細胞を同定するのに使用するこ本発明は、NC DFタンパク質、ペプチドフラグメント、類似体またはこれらから生成する誘導 体、並びにNCDFタンパク質、ペプチド、類似体または誘導体に対する抗体に 関連するものであるが、NCDFCD型式の変性に関係すると考えられる神経系 、もしくはNCDFまたは抗NCDF抗体との接触が効果をあげると考えられる 神経系の疾病または疾患の治療に利用できる。
NCDFそしてその誘導体、フラグメントおよび類似体は、を髄運動ニューロン 、毛様神経節の副交感ニューロンその他を含む多数のニューロン型の生存および コリン作動性分化を支援するために使用することができる。本発明のNCDF生 成物は、いくつかの細胞集団の生存および分化をin vivoで支援する点で 有用性を持つと考えられる。これには以下のニューロンが含まれるがそれに限定 されるものではない;を髄運動ニューロン、副交感ニューロン(虹彩、心臓、胃 腸管および内臓構成物に分布する毛様神経節を含む)。こうして、本発明の特定 の例では、NCDFまたはその活性誘導体、フラグメントまたは類似体を含む医 薬品を、中枢神経系が損傷している患者に投与することができる。
本発明の他の例では、NCDFもしくはその活性誘導体、フラグメントまたは類 似体のみを、あるいは他の神経刺激因子(例えば、CNTF、NGF、BDNF  (脳誘導神経刺激因子)またはNT−3にエーロトロフィン−3))と組み合 わせて、自律神経系の損傷あるいは不均衡、過剰活性または過少活性がもたらす 病的様態、もしくはこうした自律神経系の損傷あるいは不均衡によって悪化した と思われる様態に苦しんでいる患者に投与することができる。これらの疾患につ ぎのちのがあげられるが、これに限定されるものではない;慢性無汗症および多 汗症、心臓不整脈、慢性便秘、神経性胆嚢機能障害および射精障害。
本発明の種々の例において、NCDFタンパク質、ペプチドフラグメントまたは 誘導体を、外傷、手術、局所貧血、感染(例えばポリオまたはA、1. D、  C,)、代謝障害、栄養機能障害、悪性腫瘍または毒性試薬によって、神経系が 損傷を受けた患者に投与することができる。本発明は特に、ニューロンに損傷が 生じている様態を、NCDFタンパク質、ペプチドフラグメント、誘導体または 類縁体の治療効果量を投与することによって、治療するのに使用することができ る。本発明の種々の特別の例において、NCDFを、例えば外傷、梗塞、感染、 退行性疾病、または手術により損傷を受けたを髄ニューロンに投与することがで きる。
NCDF関連ペプチドまたはNCDFタンパク質を膜体、例えばシラスティック (silastic)膜に吸着させて、損傷神経に近接して埋め込むようにして 、投与するのが望ましいようである。この発明はまた、例えば、糖尿病性神経症 、例えばモノニューロパシー複合症(mononeuropathy mult iplex)または交接不能、に苦しむ患者の回復を早めるのにも使用すること ができる。本発明のさらに別の例では、NCDFタンパク質またはペプチドフラ グメント、あるいはそれらの誘導体を先天性様態または神経退行性疾患を治療す るのに使用することができる。これらには次のものが含まれるが、これに限定さ れるものではない;アルツハイマー症、老化、末梢神経症、パーキンソン症、ハ ンチントン舞踏病および運動神経細胞の疾病および疾患;特に、この発明は、コ リン作動性ニューロンの機能障害に関連した先天性または神経退行性疾患の治療 に使用することができる。
この発明の特定の例において、アルツハイマー症、筋萎縮性側索硬化症、および 他の運動神経疾病(例えばウェルドニッヒーホフマン(Werdnig−Hof  fman)症を含む)、そしてパーキンソン症の治療において、NCDFタン パク質またはペプチドフラグメントあるいはそれらの誘導体を組織の外科的埋め 込みまたは他の持続性放出組成物と連関させて投与することがもくろまれている 。NCDFはまた、先天性学習障害の他、種々の痴呆の治療にも有用であると考 えられる。
この発明のさらに他の例では、NCDFタンパク質、フラグメントまたは誘導体 は、必要な神経刺激を行なわせるために、別のサイトカインと一緒に使用するこ とができる。例えば、これに限定するものではないが、この発明にしたがってN CDFを、ニューロンの生長および存続に刺激的効果を及ぼすため、NGFとと もに使用することができる。NCDFは、中枢および末梢神経系の広い領域にわ たるニューロン副集団の生長、発生および存続に際し、まだ完全には特性が明ら かではないながら、他のCNS誘導ペプチド因子と相乗的に作用するものと考え られる。
さらにこの発明の別の例では、NCDFタンパク質、ペプチドフラグメントまた はそれらの誘導体に対する抗体を、様々の神経性疾患および疾病に苦しみ、これ に対する治療を必要としている患者に投与することができる。例えば、NCDF の過剰生成に苦しむ患者はこの治療が必要であると考えられる。抗NCDF抗体 は、感覚性ニューロンの異常再生(例えば手術後)の抑制、または慢性苦痛症候 群の治療に使用することができる。
本発明の活性組成物は、NCDFタンパク質、ペプチドフラグメントまたは類縁 体、もしくはこれらから生成した誘導体のすべてまたは一部、NCDFタンパク 質、ペプチドフラグメントまたは誘導体に対する抗体(または抗体フラグメント )、あるいはNCDFと第二の薬剤(例えばNGF)との組合せからなり、任意 の無菌性生体適合性医薬用担体とともに投与することができる。
そして、前記担体は生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロースおよび水を 含むが、これに限定されるものではない。
特定の疾患または様態の治療に有効となるNCDFタンパク質、ペプチドフラグ メント、誘導体または抗体の量は、その疾患または様態の性質に依存するもので あり、標準的な臨床試験法によって、決定することができる。可能ならば、投与 量対応答曲線を、初めに」二に述べたNCDFバイオアッセイシステムなどの1 nvitroで決定し、人体で試験する前に、有効な動物モデル系で決定するこ とが望ましい。
導入の方法は、陵内、筋肉内、腹膜腔内、静脈内、皮下、経口および鼻内が含ま れるが、これらに限定されるものではない。さらに、この発明の医薬組成物を、 心室内およびを髄内注射を含む任意の適当な経路で、中枢神経系に導入するのが 望ましい;心室内注射は、例えばオマヤ(Ommaya)貯蔵器などの貯蔵器に 接続した心室内カテーテルによって、容易に行なうことができる。
さらに、この発明の医薬組成物を治療が必要な部位に局部的に投与することが望 ましい。これは例えば、手術中の局部的注入、注射、カテーテルの使用、埋め込 みの方法があるが、これらに限定するものではない。そして、この埋め込みは、 多孔性、非多孔性またはゲル状物質からなり、シアラスティック(sialas tie)膜または繊維を含む。
この発明はまた、リポソーム、微小粒子またはマイクロカプセルによって投与さ れるNCDFタンパク質、ペプチドフラグメント、類似体または誘導体を含む医 薬組成物を提供するものである。
この発明の種々の例において、NCDFおよびNCDF関連生成物の持続的な放 出を達成するため、こうした組成物の使用が有効であると考えられる。
6、標的により誘導されるニューロンのコリン作動性分化因子の特性決定 ラット汗腺の交感神経支配は、発生中、ノルアドレナリン作動性からコリン作動 性およびペプチド作動性への誘導標的切り換えを行なう。培養した交感ニューロ ンを汗腺抽出物で処理すると、in vivoで見られる荷電(charge) の多くを模倣する。抽出物は、添加量に対応して、ニューロン中にコリンアセチ ルトランスフェラーゼ活性と血管活性の腸内ペプチドを誘導し、カテコールアミ ン作動特性とニューロペプチドYを減少させる。
コリン作動性の分化活性は出生後5日のラットの発生中の腺に見られ、成長した 線中にも維持される。これは熱不安定性、トリプシン感受性で酸性のタンパク質 で、ヘパリン−アガロースに結合しない。心臓細胞からのコリン作動性分化因子 (CDF/LIF)のN−末端ペプチドに対する抗血清を使用した免疫沈降試験 は、汗腺分化因子はCDF/LI Fではないことを示唆している。
この汗腺活性はおそらく、in vjvoで見られる交感神経伝達における標的 方向性の変化(target−directedchange)を仲介するもの と考えられる。
発生中の汗腺神経支配に見られるアドレナリン作動性からコリン作動性への切り 換えに対応する標的因子を同定し、細胞培養物中で同定されたコリン作動性因子 と考えられる物質のin vtVOでの可能な役割を明らかにするため、培養し た交感ニューロンの伝達特性に及ぼす、汗腺抽出物の影響を検定した。汗腺が特 有の活性スペクトルを有する可溶性因子(lまたは複数)を含むことを見いだし た:これはカテコールアミンとチロシンヒドロキシラーゼの発現を減少させ、コ リンアセチルトランスフェラーゼとVIPの発現を誘導する。この活性は、汗腺 神経支配の表現型が変化しているときに現われる。これらの汗腺由来のコリンア セチルトランスフェラーゼ誘導活性の初期の特性は、細胞培養物中であらかじめ 同定されたコリン作動性因子との比較を可能にする。
汗腺中に存在する可溶性因子の神経伝達状態に対する影響を調べるために、成熟 ラットの足底からの抽出物を交感ニューロン培養物1mlあたり抽出タンパク質 250μgの濃度で添加した。姉妹源のニューロンを、組織抽出物を添加しない 培地、または汗腺抽出物と同し方法で調製した、同濃度の肝臓、毛表皮または翼 下線抽出物のタンパク質を含む培地で培養した。汗腺抽出物の添加は、無添加の 培地または肝臓、毛表皮または耳下腺抽出物添加の培地で培養したニューロンに 比較して、15倍のコリンアセチルトランスフェラーゼ活性誘導をもたらした( 図1a)。
汗腺抽出物中のコリン作動性誘導活性の可能な源としては、足底組織の末梢神経 叢に存在すると思われるCNTFがある。しかしながら、坐骨神経抽出物中およ び汗腺抽出物中のコリン作動性誘導活性の比較(図1b)は、末梢神経叢が汗腺 組織のわずかな部分しか構成していないにも関わらず、抽出タンパク質mgあた りの誘導量が等しいことを示した。この観察、そして毛表皮が交感および知覚神 経繊維と終末層を汗腺含有皮膚と同程度含んでいるにもかかわらず、毛表皮抽出 物が交感ニューロン培養物中でコリンアセチルトランスフェラーゼ誘導をもたら さないという知見から、汗腺抽出物のコリン作動性機能を誘導する能力が、シュ ワン(Schwann)細胞から派生するとされているCNTFによるものでは ないと推察される(Stockli et all。
、1989.Nature342,920−923)。
(本頁以下余白) 表■ 汗腺のコリン作動性誘導効果は血清と無関係である。
コリンアセチルトランス フェラーゼ活性 培地 SG抽出物 Li2−Co□十血清 18.05+5.57 126.06土5.58交感ニ ユーロンをLi2−Co2中、血清を含ませな0力λまた番よ5%ラット血清を 含ませて、汗腺抽出物300μg/+nlとともに、培養した。細胞を抽出物添 加後7日で取り出し、ア1ノコートをフォナム(Fonnum)の方法(196 9,Biochem、J、115.465−472)によって、コリンアセチル トランスフェラーゼ活性を試験した。試料を3通り取り出した。データ(よ基準 (wel+)土SEMあたり毎分のコリンアセチルトランスフェラーゼpmo  lで表している。
汗腺抽出物のコリンアセチルトランスフェラーゼ活性の誘導it、交感ニューロ ンへの直接効果に起因していた。これらのニューロンは終始ントシンアラビノシ ドIOμm存在下で培養したので、非ニューロン細胞は事実上存在しなかった: かくして、汗腺抽出物がその効果を非ニューロン細胞を通して間接的に影響を及 ぼしたとは考えられない。さらに、交感ニューロン培養物が非ニューロン細胞を 与えない非血清含有培地中に保たれていたのに、汗腺抽出物で処理したところ、 コリン作動性が現われた(表1)。この観察によっても、通常の生育培地中に存 在するラット血清のコリン作動性の誘導を、汗腺抽出物が可能にしたものとは、 はとんど考えられない(Wolinsky et al、、1985゜J、Ne urosci、5.1497−1508;Wolinsky and Patt erson、1983.J、Neur。
sci、3.1495−1500)。
汗腺抽出物の、交感ニューロン培養物の生存を助ける能力について、試験を行な った。表IIは、神経生長因子(NGF)は含まず汗腺抽出物をImg/ml含 む培地に接種したニューロンが、培養物中で3日以上は生存しなかったことを示 している。さらに、NG F 50 ng/ml存在下では、汗腺抽出物を含ま ない場合と、1mg/mlを含ませた場合とで、培養物中のニューロンの数に、 有意な差異はなかった。解離した交感ニューロン培養物中のコリンアセチルトラ ンスフェラーゼ活性とアセチルコリン合成のレベルは、最初は極めて低いこと:  (Johnson et al、、1976、Nature 262,308 −310;Johnson、1980.J、Ce1l Biol、84,630 −631;Patterson and Chun、1977、Dev、Bio l、60,473−481)、そして50から100倍のコリンアセチルトラン スフェラーゼ活性誘導でも細胞数においてはさほど差がなかったことから、汗腺 抽出物存在下で見られたコリンアセチルトランスフェラーゼ活性の誘導が、最初 から存在していたコリン作動性のニューロンが選択的に生存していたことによる ものとは、到底考えられない。
表1■ 交感ニューロンの生存に及ぼすNGFおよび汗腺抽出物の影響 細胞数 −NGF −NGF+Bxt +NGF +NGF+Bxt5日目 10±12  12土13 4624+112 4867+128交感ニユーロンを56の基 本プレートで、NGF (50μg/ml)を含むLl5−CO2中、2日培養 した。2日目、培養物を、NGFを含まない(−NGF) 、NGFを含まない が1mg/mlの汗腺抽出物を含む(−NGF+Ext) 、50μg/mlの NGFを含む(+NGF) 、または50 ng/mlのNGFと1 mg/  m 1の汗腺抽出物を含む(+NGF十Ex t)培地に移した。さらに3日培 養した後、細胞数を計数した。試料を3通り取り出した。データ6、1.2.  コリンアセチルトランスフェラーゼの誘導は投与量に依汗腺抽出物の連続希釈物 を培養した交感神経ニューロンに加え、そして7日後にウェルのコリンアセチル トランスフェラーゼ活性について検定した。誘導は、10μg/m1程度の低い 投与量で認められ、試験した最大投与量に至るまで抽出物の添加量が増加するの に応じて増加した(図2a)。1 mg/+nlよりもずっと高濃度で抽出物を 用いると、培養系にいくらか毒性が現れた。すなわち、ニューロンの数が減少し 、細胞の大きさが縮小した。毒性は、当該抽出物中の高濃度のコリン作動性誘導 活性に原因があるのかも知れない。というのは、他のコリン作動性誘導因子を高 濃度で投与した場合、同様の結果が起こることが記載されているからである(  Fukada、 1985. Proc、 Natl、 Acad、 Sci、  USA 82.8795−8799;5aadat ■ t al、、l989.J、Ce1l Biol、1108.1O07−101 6) 、そうでなければこの毒性は、調製物中の他の化合物に原因があるのかも 知れない。
誘導の経時的な変化も測定された。コリンアセチルトランスフェラーゼ活性の上 昇は、早くも培養2日目に認められた。そして最後に検定された時点である14 4日目で上昇し続けた(図2b)。
この交感神経ニューロン培養におけるコリン作動性誘導の経時的な変化は、心臓 及び筋肉細胞の調整培地(conditioned medium)因子、おそ ら<CDF/LIF (Patterson and Chun、1977、D ev、Biol、60゜473−481;Raynaud et at、、11 987.Dev、Biol、121,548−558) 、並びにCNTF(S aadat et al、 、 1989.、 J、 Ce1l Biol、  108.1807−1816)において報告されている経時的な変化に似ている 。これに対して、MANSによって交感神経ニューロンを処理するか(Adle r et al、、1989.Pr。
c、 Natl、 Acad、 Sci、 USA 86.1080−1083 ) 、又は骨格筋から分離された可溶性因子によってを髄培養物を処理した(M cManaman et al、。
1988、 J、 Biol、 Chem、 263.5890−5897)後 では、コリンアセチルトランスフェラーゼ活性の増加が非常に早期に認められる 。
コリンアセチルトランスフェラーゼ活性は、通常の汗腺の神経分布が発達する間 に現れるだけでなく、これに付随して、チロシンヒドロキシラーゼの免疫活性と カテコールアミン組織蛍光発光の減少もまた認められる(Landis and  Keefe、 1983. Dev、 Biol、 98.349−372+ Landis et at、 198B、 Dev、 Biol、 126.1 29−140)。もしも汗腺抽出物が神経伝達物質の表現型を変える役割を演す る因子を含んでいたなら、汗腺の抽出物が培養交感神経ニューロンのノルアドレ ナリン作動特性の発現を低下させると予想されよう。チロシンヒドロキンラーゼ レベルに対する汗腺抽出物の影響を検定するために、抽出物の存在下と非存在下 で成長させたニューロンの同等の蛋白質アリコートを5DS−PAGE(ドデシ ル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)に処し、ニトロセルロー ス上客こプロットし、チロシンヒドロキシラーゼに対するモノクローナル抗体( Rohrer et al、、1986.J、Neurosci、6.2616 −2624;エドモントン(Edmonton)大学のA、 Acheson博 士の寄贈である)で検出した。単一のバンドが期待された分子量である62kd に現れた(Lamouroux et al、、1979.Proc、Natl 、Acad、Sci、USA 79.3881−3885) 。免疫プロットの 目視による検分により、免疫反応性の量は、汗腺の抽出物と共に成長させた培養 物では、顕著に減少することが示唆された(図3)。発色強度をレーザーデンシ トメーターで読むと、100μg/mlの汗腺抽出物と共に成長させた培養物で (よ、2.5倍のチロシンヒドロキシラーゼのレベルの減少が検出されtこ。こ れ:こ対してポリクローナル抗血清(ケース ウェスタン 1ノザーブ(Cas eWeStern Re5erve)大学のLl、Rutishauser博士 の寄贈である)を用いて検出すレタ細胞表面接着分子であるLl(Rathje n and 5chachner、 1984. EMBO,J、 3. l− 10)の免疫活性レベルit、同様の方法で検定しても減少しなかっbo チロシンヒドロキシラーゼのレベルの変化力(カテコールアミンのレベルの対応 する変化と関連するか否かを決定するために、汗腺抽出物の存在下及び非存在下 で成長させた、及び汗腺抽出物なしに成長させた交感神経ニューロンの培養物に お(Nてカテコールアミン量を測定した。汗腺の抽出物の存在下でインキュベー トしたウェルの全カテコールアミン量は、コントロールの全カテコールアミン量 と比較して減少していた(表I11 )。
(本頁以下余白) 表II+ 汗腺の抽出物はカテコールアミンの検出可能な(+)!1101/ウェル) 減 少(%)コントロール培地 14.15±2.33 1汗腺の抽出物 A (11) 10.65±0.9 23.3B (26) 7.95±0.1 3 46.5C(47) 6.0 +0.6 60 交感神経ニユーロンを汗腺抽出物(looμg#+1.250μg/ml、及び l mg/ml)と共に成長させた。抽出物の添加から7日後に、培養物を集め て、高速液体クロマトグラフィーでカテコールアミンの量を検定した。試料は3 通り用いた。データは培養皿毎のカテコールアミンの平均pmo l数±SEM で表している。括弧内の数字は、フ埼ナム(Fonnum)の方法(1969, 8iochem、 J、 、 115.465−472)によって姉妹ウェルて 検定されるコリンアセチルトランスフェラーゼの誘導倍数の平均値である。
コリンアセチルトランスフェラーゼ活性とカテコールアミン量の間には逆相関関 係が認められた。すなわち、コリンアセチルトランスフェラーゼの誘導が増加す ると、カテコールアミン量が減少した。この関係は、心臓及び骨格筋細胞の調製 培地についての研究ですてに認められている(Patterson and C hun、 1977、 Dev、 Bi。
1、56.263−280:Raynaud et al、 、 1987.  Dev、 Biol、 121.548−558)。
6.1.4 汗腺の抽出物は神経ペプチドの発現を変更する。
神経ペプチドの発現の変化は発達しつつある汗腺の神経分布で認められる。VI P免疫反応性は、当初は欠けているが、PIOによって検出可能になる。すなわ ち、かかる免疫反応性はその後の発達と共に量と強度が増加する。胸部に移植さ れた肉肚(足裏)の交感神経系の分布はVIP免疫反応性を獲得する故に、汗腺 はコリンアセチルトランスフェラーゼ活性に加えてVIPの発現を誘導すること ができる(Schotzinger and Landis、 +988.Na ture 335,637−639:未公開データである)。それ故に我々は、 抽出物がVIPのレベルを上昇させるか否かを決定するために、汗腺抽出物で処 理した交感神経ニューロンの培養物をラジオイムノアッセイで検定した。コント ロール培地で成長させた交感神経ニューロンは、相対的にほとんどVIP免疫反 応性を示さない。汗腺の抽出物は顕著にVIPを上昇させる(図4a) 、すな わち、100 μg/mlの投与てsopg/ウェルのVIPが誘導され、コン トロール培養物に現れるVIPレベルよりも4倍以上増加する。VIP発現の誘 導は、汗腺抽出物の濃度の増加につれて増加する(図4a)。
多くのノルアドレナリン作動性交感神経ニューロンは、NPY免疫反応性を示す が、汗腺に分布する神経を含めて、コリン作動性の交感神経ニューロンは、当該 免疫反応性を示さないことが従来の研究かられかっている(Landis、 e t at、 、 1988. Dev、 Biol、 126.129−140 ;Lindh et al、、 1989.Ce1l Ti5sue Res、 296,259−273) oそれ故、汗腺の抽出物のNPY量に及はす作用が 試験された。従来の研究で観察された通り、NPY様免疫反応性は、コントロー ル培養物で高値を示した(Marek and Mains、 1989. J 、 Neurochem、 52.1807−18+6:Nawa &Sah、  !990. Neuron 4.279−287)。汗腺の抽出物の存在下で 成長させた場合は、NPY量の減少が導かれた(図4b)。この減少は、VIP 量が上昇することと著しく対照的である。そして、汗腺抽出物が2つのペプチド のレベルを別個に調節することが示唆される。汗腺の抽出物と共に成長させた交 感神経ニューロンのNPYの発現の減少は、in vivoペプチド発現に対す る標的効果についての従来の研究の結果と一致する。すなわち、新生う・ソトの 上類部神経節を前眼房に移植した後、神経節が汗腺と一緒に移植されたとき、N PY−] Rは現れなかった。しかし、神経節が松果腺と一緒に移植された場合 は現れる(Stevens and Landis、 1990. Dev、  Bi。
1、737.109−124)。
発達しつつある汗腺の神経分布における神経伝達物質特性の変化は生後に現れ、 P21までに本質的に完結する。検出可能なコリン作動性誘導活性が発達中の腺 に現れる最も早い日齢を決定するために、日齢か2日〜21日の動物の肉IJL  (足裏)から抽出物を調製し、当該抽出物のコリンアセチルトランスフェラー ゼ活性を誘導する能力を検定した(図5)。コリンアセチルトランスフェラーゼ のレベルの上昇は、P5の腺抽出物で処理した培養物で検出された、そしてコリ ンアセチルトランスフェラーゼ誘導活性は、それ以降のすべての日齢において現 れた。コリン作動性誘導活性が抽出蛋白質1mg当たりの検出されたコリンアセ チルトランスフェラーゼ活性として表されるとき、P5と成熟動物の内証の間の コリン作動性誘導の比活性の差異は2倍より小さいことが明らかになった。しか しながら、20の内証から抽出した蛋白質の量は、最も若い動物と最も老いた動 物の間でほぼ15倍変化した。このようにして、成長する開にコリンアセチルト ランスフェラーゼ誘導活性の絶対量は約30倍に増加した。これらの結果は、コ リン作動性の分化活性が、神経分布の特性が変化する時点での成長している腺に 存在することを示している。これに加えて、P9. PI3及びP21ラットの 汗腺の抽出物ではVIPの発現が増加し、チロシンヒドロキシラーゼのレベルが 減少し、並びにコリンアセチルトランスフェラーゼが増加することが認められた (データ記載なし)。
コリンアセチルトランスフェラーゼ誘導活性の予備的な特性決定を表IVに要約 する。
(本頁以下余白) 表IV 温度安定性 一り0℃/−70℃での保存 90 凍結−解凍 50 沸騰(100℃・5分間) 0 プロテアーゼ処理 トリプシン 0 トリプシン+インヒビター 27 ヘバリンーアガロース りロマトグラフィー通り抜は分 55 溶出液 8 セントリコン保持 10kdカツトオフ 95 50kdカツトオフ 50 DIEAEクロマトグラフイー 通り抜は分 2 0、25M溶出液 50 汗腺の抽出物(100μg/ml)のアリコートを下記のように若しくは実験的 方法に記載したようにインキュベートした。プロテアーゼ処理の影響を試験する ために、アリコートをトリプシン(1mg/m1)若しくはトリブノンとトリプ シンインヒビター(3mg/ml)で1時間インキュベートした。セントリコン (Centricon)分離をするために、試料はりテンテート(retent ate)の容積が25m1になるまでS S 340−ターて遠心した。かかる リチンテートを1mlに希釈し、再び遠心した。かかる遠心を3回繰り返し、通 り抜は分を集め濃縮した。培養物のコリンアセチルトランスフェラーゼ活性は、 処理済の抽出物を添加後7日目に決定した。100%の数値は、未処理の抽出物 にさらした培養物に見られた活性を示し、0%は抽出物を添加しないで生育させ た培養物の活性を示している。
当該活性は、熱とトリプシンに対して不安定であり、10kdカツトオフのセン トリコン(Centricon)フィルターによって保持され、当該活性は蛋白 質のものであることを示していた。当該活性は部分的に30kdカツトオフのセ ントリコンフィルターによって保持され、低分子量の蛋白質がコリンアセチルト ランスフェラーゼの誘導の原因であることを示唆していた。かかるコリン作動性 誘導活性は、比較的安定である。すなわち、−20℃で保存して、凍結と解凍を 繰り返してもほとんど活性は失われない。ヘパリン−アガロースカラムには活性 が全く結合されなかったので、汗腺のコリン作動性因子は、脳由来の50kdの 可溶性コリン作動性因子のようなヘパリン結合性蛋白(Kessler et  at、 、 1986. Proc、 Na tl、 Aca、d、 Sci、 UsA 83.3528−3532)ではないらしい。はとんど全てのコリンア セチルトランスフェラーゼ誘導活性と蛋白質の35%は、DEAEカラムから0 .25M溶出液中に回収可能であり、かかる分化活性は酸性蛋白質であり、そし てこれを最初の精製工程として用い得ることを示している。当該0.25M D EAE溶出液はコリンアセチルトランスフェラーゼ活性を誘導しただけてはなく 、VIPレベルを上昇させ、チロシンヒドロキシラーゼレベルを減少させた(デ ータ記載なし)。かくして、培養した交感神経ニューロンの神経伝達物質の特性 に対する、汗腺抽出物のいくつかの作用は容易に分離されない。
汗腺抽出物のコリン作動性誘導活性の一つの候補は、CDF/LIFである。と いうのは、それか培養した交感神経の神経伝達物質特性に対して多くの同し作用 を有しているからである。CDF/LIFのN末端ペプチド配列に対応する配列 の合成ペプチドに対して生成された抗血清は、心臓細胞の調整培地からの部分精 製DEAE画分から、コリン作動性誘導活性を免疫沈降することができる(Ya mamori et al、、1989,5cience 246.1412− 1416 ; Rao et al、、1990.Dev。
Riot、 139.65−74)。かかる汗腺抽出物のDEAE画分は、アフ ィニティ精製されたCDF/LIF抗体で処理しても、コリンアセチルトランス フェラーゼ活性を誘導する当該抽出物の能力の検出可能な低下を示さなかった( 図6a)。当該DEAE画分は、比較的精製度か低い故に、汗腺の抽出物中に存 在する阻害蛋白質若しくはプロテアーゼが活性物質を免疫沈降し得ない原因であ ると考えられた。しかしながら、比較実験では、汗腺の抽出物のDEAE画分に 添加した同し抗体は、ヨウ素化した組み換えCDF/LIF (カルフォルニア  インスティテユート オン テクノロジー(California In5t ituteof technology)のT、ヤマモリ(Yamamori) 博士からの寄贈である)をおよその20kdのバンドとして沈降させることがで きた(図6b)。
かくして、汗腺抽出物中に存在する主要なコリン作動性誘導活性は、CDF/L IFではなさそうである。
(本頁以下余白) 6.1.8. NCDFはCNTFから区別される汗腺におけるコリン作動性誘 導活性物質の別の候補として考えられるのは毛様体神経栄養因子(ciliar y neurotrophic factor:CNTF)てあった。この可能 性を確かめるため、等量の座骨神経抽出物および汗腺抽出物からのコリン作動性 誘導活性物質を5DS−PAGEゲルに負荷して電気泳動を行い、組換えラット CNTFに対して作成されたポリクローナル抗血清(Regeneron Ph armaceuticatsのMark Furth博士より恵与された)をプ ローブとして用いた。この抗血清は組換えCNTF (図7a)および座骨神経 抽出物中に存在する24kdのバンド(図7b)を認識した。抗体を組換えCN TF 10μmとブレインキュベーションすることによって結合は完全に阻害さ れた。汗腺抽出物と座骨神経抽出物とを含むレーンは培養交感神経ニューロンの ためのコリン作動性活性物質を等量含んでいたにもかかわらず、有毛皮膚抽出物 または汗腺抽出物のいずれかを含むレーンでは何ら特異的なバンドが見られなか った(図1bも参照されたい)。コリン作動性誘導活性物質を10倍多く負荷す るか、あるいはプロットを過剰染色しても汗腺抽出物を含むレーンには何ら特異 的な結合を検出することはできなかった。したがって、汗腺抽出物に存在するコ リン作動性誘導活性物質はCNTFと同じものではないと思CNTFに対するメ ツセージを汗腺で検出できるか否か、およびCNTF/CNTF一様分子を生産 することのできる細胞を同定するために、成体汗腺からのRNAを調製し、ラッ トCNTFに対するプローブを用いるメツセージのためのノーザンプロットを行 った(図8)。CNTFに対するメツセージの予測される大きさである1、3k dのバンドが座骨神経に検出された。これとは対照的に、肝臓または汗腺からの RNAを含むレーンでは何ら特異的な結合が検出されなかった。
CNTF/CNTF一様分子を作ることのできる可能性のある細胞の型のより感 度の良い検定と(7てのin 5itz ハイブリダイゼーションによって、座 骨神経および汗腺の切片を試験するために、同じプローブが用いられた。センス のコントロールとは対照的に、座骨神経中のシュワン細胞はアンチセンスプロー ブと特異的なハイブリダイゼーションシグナルをを示した(図9)。
しかしながら、汗腺組織には何ら特異的なシグナルが検出されなかった(図10 )。
6.1.10. 陰イオン交換クロマトグラフィー0.25M DEAE溶出液 はChATおよびVIP誘導活性、並びにチロシンヒドロキシラーゼ低下活性を 有していた。はとんとすべての活性と35%のタンパク質がDEAEカラムの0 .25 M溶出液中に回収され、これはこの溶出液を最初の精製工程として用い うろことを示唆している(図If)。
6、 1. Il、等電点 DEAE溶出液をMONOPカラムのクロマトグラフィーに付し、0.5mlず つ画分を回収し、コリン作動性活性を検定した。図12は、ChAT活性がpH 4,8から5.2の間で溶出され、pH5,0に活性ピークがあることを示して おり、活性タンパク質のpIがこの範囲にあることを示唆している。この値は座 骨神経抽出物から精製されたCNTFで報告された値と似ており、強塩基性タン パク質であるLIFの値とは異なる。
6、 1. 12. サイズ分画 コリン作動性誘導活性物質の分子量を測定するために、部分精製画分をサイズ分 画カラムのクロマトグラフィーに付した。各画分の交感神経ニューロン培養物に 対する活性を試験した。はとんとすべての活性は16kdと32kdのタンパク 質マーカーの間のピークに溶出され、これはNCDFが低分子量のタンパク質で あることを示唆する。
NCDFの分子量をより正確に測定するために、クロマトフオーカシングカラム で精製した汗腺抽出物の両分(図12)をSD電気溶離器て溶離した。抽出した タンパク質のアリコートをとって活性を試験した(図13)。活性体は22−2 6kdの分子量をもっていた(図13)。
コリン作動性誘導活性をもつ同じ画分を用いてチロシンヒドロキンラーゼレベル の調節能を試験した。同じ5DS−PAGE溶離画分がチロシンヒドロキシラー ゼ低下活性を有していた。
6.2. 議論 汗腺組織の低塩抽出物を調製し、これらの抽出物が培養交感神経ニューロンの神 経伝達物質の表現型を修飾しうるか否かを試験した。汗腺抽出物はコリンアセチ ルトランスフェラーゼ活性およびVIP一様免疫反応性のレベルを用量依存的に 増強したが、肝臓、有毛皮膚、または耳下腺からの抽出物はこれらのレベルを増 強しなかった。コリンアセチルトランスフェラーゼ活性のレベルは培養ニューロ ン中で増加するので、これに付随してカテコールアミン含量とチロシンヒドロキ シラーゼが減少する。したがって、汗腺からの可溶性タンパク質の抽出物が、i n vivoにおける発生中の汗腺の神経分布を特徴付け、また交差神経支配実 験で腺によって誘導されるような培養交感神経ニューロンにおける多くの変化を 引き起こす。
汗腺を神経支配する繊維がノルアドレナリン作動性からコリン作動性に変化する ときに、神経伝達物質の性質を変える能力がP5からP21の間の動物の汗腺抽 出物中に存在する(Landis andKeefe、 1983. Dev、  Biol、 98.349−372; Leblanc and Landt s。
+986. J、 Neurosci、 6.260−265; Landis  et al、、 1988. Dev、 Biol、 126.129−14 0) 、 P 5動物からの抽出物はコリンアセチルトランスフェラーゼ活性を 増加し、P9からP21の間の動物からの腺抽出物を試験したところ、これらは 試験した3つの伝達物質の性質のすべてを変化させた。すなわち、コリンアセチ ルトラ〉スフエラーゼおよびVIP一様免疫反応性を増加し、またチロノンヒド ロキシラーゼを減少させた。さらに、培養物中ての処理の2日後にコリンアセチ ルトランスフェラーゼ活性の上昇レベルが検出てきるので、この抽出物はin  vivo研究と一致する経時的変化を誘導できる。より正確な時間的相関関係を 確立することは困難である。というのは、in 5ituにおける汗腺の末端叢 の神経伝達物質の性質において観察される変化は、多分多分、標的により誘導さ れるシグナルの逆行性輸送、伝達物質合成酵素およびタンパク質の発現の変更、 ならびにこれらの分子の末端への順行性輸送を反映しているからである。
成熟動物ならびに発達中の動物の汗腺にはNCDF活性が含まれる。
in vitroで観察された生物活性のレベルをin viVOての活性と比 較することは困難であるが、汗腺がスイッチを仲介するのに十分なコリン作動性 誘導活性を含むのか否かを評価することは興味あることである。逆行的追跡研究 の結果は、少なくとも200個のニューロンが6個の内針(手掌)で神経分布し ているこ°とを示唆する(Siegel and Landis、未発表データ )。我々の実験では、21日齢の動物から肉In (足裏)の組織1g当たり約 10mg、または当該肉f[1,i個当たり約80μgの可溶性タンパク質を得 た。コリンアセチルトランスフェラーゼ活性は、数十個のニューロンを含む培養 物中で10μg/mlという低濃度で誘導されるので、これには十分な量のコリ ン作動性誘導活性物質が含まれていると思われた。汗腺抽出物中に存在するコリ ン作動性誘導活性物質の濃度はを髄中の同濃度よりも太きく (Wong an d Kessler、 1987. Proc、 Natl、 Acad、 S ci、 USA 84.8726−8729; Adler et al、、  1989. Proc、 Natl、 Acad、 Sci、 USA 86. 1059−1083)、少なくとも座骨神経抽出物中の同濃度と同じ位高い(S endtner et at、、 1989. Sac、 Neurosci、  Abs、 15.710; Rao et al、、 1990. Dev、  Biol、 139.65−74)。
CD F/ L I F (Fukada、 1985. Proc、 Nat l、 Acad、 Sci、 USA82、8795−8799; Yamam ori et al、、 1989.5cience 246.1412−14 16; Nawa and Patterson、 1990. Neuror + 4.269−277)およびCNTF (Sendtner et al、 、1989゜Sac、Neurosci、Abs、15. 170; Erns berger et al、、1989. Neuron 2. 1275−1 284)はコリン作動性機能を誘導し、カテコールアミン作動性機能を低下させ 、かつ交感神経ニューロンの培養物におけるVIP発現を増加させるので、1つ の分子がこれらの性質すべての変化に効果を及ぼし得ることは明らかである。本 研究からの2つの観察は、抽出物中の1つの分子に原因があるという考えと一致 する。種々の日齢の動物から調製した抽出物は検定した複数の性質に影響を与え 、さらに重要なことには、幾つかの影響は我々が実施した予備的特徴の中のはっ きりした活性に帰着させることができないことである。
かくして、1つの分子の可能性が強いのだが、それでも幾つかの因子が関与する 可能性も全く否定できる訳ではない。
汗腺抽出物中の活性物質の性質を、培養交感神経ニューロン中のコリン作動性機 能を誘導すると過去に記載された幾つかの因子と比較してみることは興味深い。
汗腺抽出物中に存在するコリン作動性誘導活性物質は低塩溶液中で容易に抽出さ れ、また検出てきる活性物質は何ら膜と結合していない(未発表データ)ので、 培養交感神経ニューロンのコリンアセチルトランスフェラーゼを誘導しくWon g and Kessler、 1987. Proc、 Natl、 Aca d、 Sci、 USA84、8726−8729; Adler et al 、、 +989. Proc、 Natl、 Acad、 Sei。
USA 86. 1059−1083) 、チロシンヒドロキシラーゼのレベル を低下させる(Rao et al、、 1990. Dev、 Biol、  139.65−74; Lee etat、、 1990. EXp、 Neu r、 108.109−113)膜結合の因子とは関係がないように思われる。
さらに、コリンアセチルトランスフェラーゼ活性を誘導する経時的な変化に差が ある。すなわち、汗腺抽出物で処理した培養物は2日後にわずかな活性の増加を 示すが、一方膜関連のコリン作動性誘導活性物質で処理した培養物は2日後には 高レベルの活性を示す(Adler et al、、 1989. Proc、  Natl。
Acad、 Sci、 USA 86.1080083) 、 2 つの可溶性 因子であるCDF/LIFおよびCNTFは交感神経ニューロンに対する影響が 似ている。すなわち、いずれもコリンアセチルトランスフェラーゼとVIPの発 現を高め、チロシンヒドロキシラーゼとカテコールアミンの量を低下させる(F ukada、 1985. Proc、 Natl、 Acad、 Sci、  USA 82.8795−8799; Yamamori et al、、 1 989.5cience 246゜1412−1416: 5endtner  et al、、 1989. Soc、 Neurosci、 Abs、 15 ゜710: Ernstberger et al、、 1989. Neur on 2.1275−1284; Nawa and patterson、  1990. Neuron 4.269−277) 6さらに、汗腺抽出物と同 様に、CD F / L I F (Nawa and Patterson、  1990. Neuron 4.269−277)およびCNTFを含む座骨 神経抽出物(未発表データ)のいずれもNPY発現を低下させる。
CD F / L I Fは魅力的な候補である。すなわち、CDF/LTFは コンセンサスなシグナル配列をもっており、グリコジル化されており、また心臓 細胞によって分泌される(Patterson andChun、1977、  Dev、 Biol、 56.263−280; Yamamori et a l、、1989゜5cience 246.1412−1416) Q しかし ながら、汗腺中のコリン作動性誘導活性物質とは異なり、CDF/L I Fは DEAEカラムに結合しない(Fukada、 t985. Proc、 Na tl、 Acad、 Sci、 USA 82゜8795−8799)。さらに は、CDF/LIFのN末端領域に対するアフィニティで精製した抗体は、心臓 細胞調整培地のDEAEまたはセファデックス画分からのコリン作動性誘導活性 物質を免疫沈降できる(Yamamor、i et al、、 1989.5c ience 246.1412−1416;Rao et al、、 1990 . Dev、 Biol、 139.65−74)が、これらの抗体は汗腺抽出 物からのコリン作動性誘導活性物質を免疫沈降しない。かくして、抽出物中の主 要なコリン作動性因子はCDF/LIFと同一ではないと思われる。
CNTFもまた有力な候補である。CNTFは酸性タンパク質であって、0.2 5M NaC1によってDEAEカラムから溶離され(Manthorpe e t al、、1980. Neurochem、34.69−75; Mant horpe ef al、、 1986.8rain Res、 367、28 2−286; Barbin et al。
、 1984. J、 Neurochem 43.1468−1478) 、 汗腺抽出物中に存在するコリン作動性誘導活性物質とよく似ている。しかしなが ら、汗腺と座骨神経の2つの組織は似たようなレベルのコリン作動性誘導活性を 含んでいるではいるにもかかわらず、汗腺を含む成熟無毛皮膚のノーザンプロッ ト分析ではCNTFに対する検出可能なメツセージを示すことができなかったの に対し、座骨神経中には多くのメツセージが存在していた(Stockli e t al、、 1989. Nature 342.920−923; 5en dtner et al、、 1989. Soc、 Neurosci、 A bs、 15.170)。さらに、組換えCNTFに対して作成され、これを認 識するポリクローナル抗血清を用いた免疫プロット実験では、汗腺抽出物中にC NTF一様免疫活性物質を何ら検出てきなか−)た。そのうえ、ラットCN T  Fプローブを用いたノーザンブロノトおよびin 5ituハイブリダイゼー シヨンアツセイでも汗陳からの試料中に何ら特定のハイブリダイゼーションを観 察することができなかった。CNTFが細胞質ゾルタンパク質であるらしいとい う事実(Stockli e(al、、 1989. Nature 342. 920−923; Lin et at、、 1989.5cience 24 6.1023−1025) 、そして一方汗腺分化分子の候補である物質は神経 分布に影響を及はすために分泌されるよってあるという事実とを考え合わせると 、これらのデータはCNTFが汗腺由来のコリン作動性因子の候補であるとは考 えにくいことを示唆する。
要約すると我々は、コリン作動性交感神経標的組織である汗腺が、in viv oの交感神経ニューロン上の標的の影響を培養において模倣するコリン作動性分 化活性物質を含むことを示して来た。予備的精製および分析によると、汗腺抽出 物中に存在するコリン作動性誘導活性物質はCDF/LI FやCNTFと同じ ものではなく、新規な因子であることを示唆する。かくして、汗腺抽出物中に存 在するコリン作動性誘導活性物質は、汗腺に分布する神経であるコリン作動性交 感神経ニューロンにおいて標的−誘導化表現型の変化を仲介する格好の候補であ る。
細胞培養試薬はGIBCO(Grand l5land、NY)から、培養プレ ートはCorning (Corning、NY)から購入した。セントリコン フィルターはAm1con(Danvers、MA)から購入した。[3Hコー アセチルーCoAおよびポルトン・ハンター試薬はNew England N uclear (Wi Imington、DE)から購入した。ディスパーゼ はBoehringer Mannheim(Indianapoli、IN) から、コラゲナーゼはWorthington Biochemicals ( Freehold、NJ)から購入した。VIPラジオイムノアッセイキットは Incstar (St i I Iwater、MN)から、NPYラジオイ ムノアッセイ試薬はAmershamから購入した。NGF(Case Wes tern Re5erve Universityのに、Neat博士からの恵 与)は、オスマウスの下顎腺からBOcchiniおよびA n g e l  e t t i (1969,Proc、 Natl、 Acad、 Sci、  USA 64.787−794)が記載する方法によって調製した。
Pierceタンパク質アッセイキットはPierce(Rock f o r  d、I L)から購入した。ITs PromixはC011aborati ve Re5earch(Bedford。
MA ’)から、5DS−PAGE用試薬はBio−Rad (Richmon d、CA)から購入した。アビジン結合アルカリホスファターゼはCappel  (Westchester、PA)から、ヤギ抗−マウスおよび抗−ウサギ第 2抗体はJacksonImmunologicals (Westgrove 、 PA)から購入した。その他の化学試薬はSigma (St、Louis 、MO)から購入した。
6.3.2. 細胞培養 ラット交感神経ニューロンの培養はl(a w r o tおよびPatt e  r s o n (+979. Meth、 Enzymthol、 58. 574−583)の記載する方法で調製した。新生ラットの上顎神経節からのニ ューロンをディスパーゼ(5mg/ml)とコラゲナーゼ(1m g / m  l )で酵素的に解離し、ポリリシン(o、1mg/ml)およびラミニン(1 0μg/15m1)で順にコーティングした96ウエルのプレートに接種した。
特に記載しない限りlウェル当たり約2000−3000個(’):−ユ Oン を接種した。NGF(100ng/ml)、ペニシリン100U、ストレプトマ イシン100μg、シトシンアラビノサイドlOμM、および5%ラット血清を 含むレイボビッツの(Leibovitz’ 5)Li2−CO2培地中てニュ ーロンを成長させ、培地は3日または4日毎に交換した。いくつかの実験では、 トランスフェリン、セレン、ウシ血清アルブミン、インシュリンおよび脂肪酸を 補充したLi2−C02中、ラット血清を含まずに細胞を成長させた。組織抽出 物は成長培地中に希釈し、0. 2μmのフィルターを通すことにより滅菌し、 培養3日目からニューロンに加えた。培養9日から14日の間にニューロンを回 収して検定を行った。
6、 3. 3. 組織抽出物 汗腺抽出物を調製するには、種々の生後日数と重さのラットから内針(足裏)を 抽出した。一般には20匹の動物からの組織を一度に処理した。20匹のラット からの内針μ(足裏)の重さは動物の年齢により0.5から5グラムであった。
組織をPo1yt ronを含む10mMリン酸バッフy−(pH7,0)10 容量中で5秒間ホモジナイズした。次いて抽出物を100,000xgて1時間 遠心した。上清を回収して0.2μmのフィルターで濾過し、10kdカツトオ フのセントリコンフィルターを用いて濃縮した。タンパク質濃度はPierce タンパク質アッセイキットで測定した。肝臓、座骨神経および耳下腺の抽出物も 同様にして調製した。有毛抽出物を調製するには、胸部の皮膚を刺毛し、その下 にある皮部から切り離し、重量を測定した。次いでホモジェナイズして、上記の ように処理する前に皮膚を小片に切った。
6.3.4. アッセイ コリン作動性機能の誘導は本質的にはFonnumの方法(1969、Bioc hem、 J、 115.465−472)によりホモジエネート中ノコリンア セチルトランスフェラーゼの活性を検定することにより測定した。検定の感度を 増すために、インキュベーションは1時間行った。すべての活性はコリンアセチ ルトランスフェラーゼ活性の特異的阻害剤であるナフチルビニルピリジン500 μMによって阻害可能であった。タンパク質濃度はウシ血清アルブミンを標準に 用いてL OWr yの方法により検定した。
カテコールアミン含量は、5μm孔サイズの逆相C−18カラム(Altex  Ultrasphera−IP;Beckman、Berkley、CA)上で の高速液体クロマトグラフィー(Rittenhouse et al、、 + 988. Neurosci、 25.207−215)により比色検出器(5 100A、ESA、Bed fo rd、MA)を用いて検定した。基準電極に 比べて+0.36、+0.03および−0,38〜′の3つの電極をセットした 。既知の希釈度の標準試料(5pmol)を同時に測定して濃度を推定した。ウ ェルの全カテコールアミン濃度はノルエピネフリン、ドーパミンおよび各抽出物 中に存在する代謝物であるDOPACのレベルを合計してめた。エピネフリンも DOPAも検出されなかった。
培養ニューロン中に存在するチロシンヒドロキシラーゼの量はイムノプロントの 半定量的分析により決定した。細胞培養物は試料緩衝液(2%SDS、10%グ リセロール、0.004%ブロモフェノールブルーおよび3%β−メルカプトエ タノールを含む50mM Tris (pH6,8))中にホモジェナイズし、 抽出物アリコートを10%5DS−PAGEゲルにかけて、タンパク質をニトロ セルロースにプロットした。ニトロセルロースプロットを阻害バッファー(Tr is緩衝化食塩水(pH7,2)中の5%脱脂ミルク)中でブロックし、次いで チロシンヒドロキシラーゼに対するモノクローナル抗体(University  。
f Alberta、EdmontonのAnn Aches。
n博士からの恵与)とともに−夜インキユベートした。次にプロットをビオチン 化第2抗体およびアルカリホスファターゼに結合したアビジンと一緒に順次イン キュベートした。反応産物を10mM重炭酸バッファー(pH9,5)中のニト ロブルーテトラゾリウムおよびリン酸5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル で発色させた。最適の発色が得られた後、蒸留水でリンスすることにより反応を 停止した。プロットを乾燥し、発色強度をスキャニングレーザー型濃度計(Sh imadzu)で読んだ。平行したレーンに展開し同様に処理したサンプルで比 較を行った。
神経ペプチドのレベルはラジオイムノアッセイによって測定した。培養物をPB Sで1度リンスして、次いで2M酢酸100μl中でホモジナイズした。5分間 煮沸した後、サンプルをエツペンドルフミクロ遠心管に入れて遠心した。上清を 減圧下に乾燥して、次のアッセイに用いるまで一70℃で保存した。他のタンパ ク質と最小の交差反応をすることがあらかじめ確かめた第1抗体をもつキットを lNC3TARから購入してVIPアッセイに用いた。ラジオイムノアッセイに よってNPYをアッセイするために、抗体、標準試料並びに標識トレーサーをA mersha、mから購入し、ペプチド金型は遅延型トレーサー法によって測定 した。抗体はラットNPYと64%の交差反応を示しただけてあったので、標準 試$4をラットNPY(Peninsula Lab。
ratories)と−緒に展開し、サンプルの値を標準曲線から読み取った。
6.3,5. DEAEクロマトグラフィー可溶性抽出物アリコートを10mM リン酸バッファー(+) t(7,0)で5倍に希釈し、0.9xlOcmのD EAEカラム(Whatman/Bioprobe)に、toml/時間の流速 でかけた。カラムを等量のリン酸緩衝液で洗浄した。洗液と通り抜は分を集めて 、1Okdカツトオフのセントリコンフィルターで濃縮した。結合タンパク質を 0.25M NaCl 10m1で溶離し、同様に濃縮した。
6.3.6. ヘパリンAクロマトグラフィー可溶性タンパク質アリコートを緩 衝液(10mMリン酸、150mM NaCl (pH7,2))で希釈してヘ パリン−アガロースカラムにかけた。結合タンパク質を5MNaClで溶離した 。カラム結合効率を″′I−標識塩基性繊維芽細胞成長因子(Case Wes tern Re5erve Universityの、J、Unnerstal  I博士からの恵与)を用いて試験した。
6.3.7. CDF/’i、IF抗体との免疫沈降試験各種因子の生物活性を 試験する免疫沈降試験を行うには、細胞培養検定を行うのに十分な量の組織抽出 物を緩衝液(2%ウン血清アルブミン、0. 2%Triton X−100、 および0゜02%PEG 6000を含むPBS (pH7,3))に加えた、 CDFON末領域に対応する合成ベプヂドに対するアフィニティ精製した抗体( Rao et al、、 1990. Dev、 Biol、 199.65− 74)を各バイアルに加えて最終濃度をIOμMとした。−夜インキユベートし た後、抗原−抗体複合体をプロティンA−セファロース10μmに、室温でさら に2時間かけて吸着させた。結合した複合体を遠心により分離し、上清をL15 COz培地中に希釈して細胞培養アッセイに用いた。吸着の結果の活性ロスが抗 体の特異的効果によるものであることを確認するために2つの対照実験を実施し た。抽出物アリコートを抗体を加えずにインキュベートして上記と同様に処理し 、また別のアリコートは、もともと抗原として用いた合成ペプチド50μMをあ らかじめ吸着させておいた抗体で処理した。
さらに別の実験では、CDF/LIF (CaliforniaInstitu te of TechnologyのY a m amori博士からの恵与) を前述した方法によりポルトン・ハンター試薬でヨウ素化した。約20.OOO cpmをバッファーまたは等量の汗腺抽出物のDEAE画分に加えて、前述した ようにN末抗体で免疫沈降した。免疫沈降したカウントを抽出し、5DS−PA GEで分析した。
6.3.8. CNTF抗血清によるウェスタンプロット試験抽出物アリコート (60Mg/レーン)を15%5DS−PAGEミニゲル(Biorad)にか けて、タンパク質を二Fロセルロースにプロットした。ニトロセルロースプロッ トを阻害バッファー(Tris緩衝化食塩水(pH7,2)中の5%脱脂ミルク )中でブロックし、次いで組換えラットCNTFに対するポリクローナル抗血清 (1:1000希釈;Regeneron Pharmaceut 1cals のDonna Morrissey博士からの恵与)と−緒に、あるいはlOμ M CNTF (Regeneron Pharmaceuticals)とと もにあらかじめインキュベートした抗体と一緒に2時間インキュベートした。次 いてプロットをビオチン化第2抗体と1時間、アビジン結合アルカリホスファタ ーゼと30分間順次インキュベートした。結合酵素を、10mM重炭酸バッファ ーpH9,5中のニトロブルーテトラゾリウムおよびリン酸5−ブロモ−4−ク ロロ−3−インドイルで検出した。最適の発色をさせた後、蒸留水でリンスする ことにより反応を停止した。
ノーザンブロットハイブリダイゼーションを行うために、1段階グアニジン−イ ソチオシアネート法(Chomczynski and 5acchi、 19 87. Analytical Biochem、 162.156−159) を用いて肝臓、汗腺および座骨神経から全RNAを調製した。ル−ン当たり全R NA30ttgを負荷して、Genescreenのナイロン膜に移し取った。
12Pで放射性標識したラットCNTFに対する45塩基対のオリゴヌクレオチ ドプローブ(領域99−144)でプロントをプローブした。次いてプロットを 洗浄し、オートラジオグラフィーて測定した。
(α−”Sl dATPて標識した以外はノーサンプロット試験て用いたのと同 しプローブを用いて上記したin 5ituハイブリダイゼーシヨン試験(Si egel、 1989. Methods in Neuroseience、  Onn P、M、編集、 Academic Press I、 136−1 50)を行った。
簡単に言うと、新たに冷凍した組織切片を4%ホルムアルデヒド中で10分間固 定し、PBSスライド中で2回洗浄し、風乾してハイブリダイゼーション試験に 用いた。ハイブリダイゼーションはIO“cpm/mlのプローブを用いて湿潤 容器中、42℃で15時間実施した。切片をKodak NTB−3乳剤に浸し て6週間さらした。切片を現像し、固定してエチジウムプロミドで対比染色した 。
上記記載並びに添付の図面から、本明細書に示し、がっ記載したものに加えて多 くの修飾が可能であることが当業者には明らかであろう。かかる修飾は付属の請 求の範囲内に含まれる。
多くの参考文献を引用したが、その開示は参照によりその全体を本明細書に引用 するものとする。
(本頁以下余白) 輸田冊 BIII/±嵜倉■↓■身○ 市是fF?5A↓’vqつ 全 汗腺抽出物 (μg/rnl) FIG、2A 培養日数 FIG、2B 汗腺抽出物 (岡/m1) FIG、 4A 汗腺抽出物 FIG、5 3岨 FJG、 6A −! 嘴F T abcd FIG、 8 FIG、 9A FIG、 98 FIG、 9C FIG、 10A FIG、 108 FIG、 IOC 画分番号 FIG、11 両分番号 FIG、12 フロントページの続き (81)指定国 EP(AT、BE、CH,DE。
DK、ES、FR,GB、GR,IT、LU、MC,NL、SE)、0A(BF 、BJ、CF、CG、CI、CM、GA、GN、ML、MR,SN、TD、TG )、AU、 BB、 BG、 BR,CA、 C3,FI、 HU、JP。
KR,LK、 MG、 MN、 MW、 No、 PL、 RO,SD、5U (72)発明者 ランデイス、ストーリー シー。
アメリカ合衆国 44122 オハイオ州 シエイカー ハイツ、ニス、ウッド ランド18、700

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.次の特性: (a)哺乳動物の汗腺の抽出物から単離できること;(b)熱およびトリプシン 不安定性; (c)ヘパリンアガロースアフィニティーカラムヘの実質的な結合性の欠如; (d)約4.8−5.2の範囲の等電点;(e)非膜細胞性局在化; (f)in vitroで交感神経系ニューロンによるコリンアセチルトランス フェラーゼの発現を増加させる能力;および(g)16−32キロダルトンの範 囲のおよその分子量;を有することを特徴とする実質的に精製されたタンパク質 。 2.in vitroで交感神経系ニューロンによるチロシンヒドロキシラーゼ の発現を低下させる能力を有することをさらに特徴とする、請求項1記載のタン パク質。 3.In vitroで交感神経系ニューロンによるバソアクティブ・インチス テイナル・ペプチドの発現を増加させる能力を有することをさらに特徴とする、 請求項1記載のタンパク質。 4.in vitroで交感神経系ニューロンによる全カテコールアミン類の発 現を低下させる能力を有することをさらに特徴とする、請求項1記載のタンパク 質。 5.in vitroで交感神経系ニューロンによる全カテコールアミン類の発 現を低下させる能力を有することをさらに特徴とする、請求項2記載のタンパク 質。 6.汗腺が成体哺乳動物のものである、請求項1記載のタンパク質。 7.汗腺がヒトのものである、請求項1記載のタンパク質。 8.汗腺がラットのものである、請求項1記載のタンパク質。 9.効果的な量の請求項1のタンパク質にニューロンをさらすことからなる、ニ ューロンにおいてコリン作動性活性を誘導する方法。 10.効果的な量の請求項2のタンパク質にニューロンをさらすことからなる、 ニューロンにおいてコリン作動性活性を誘導する方法。 11.効果的な量の請求項3のタンパク質にニューロンをさらすことからなる、 ニューロンにおいてコリン作動性活性を誘導する方法。 12.効果的な重の請求項4のタンパク質にニューロンをさらすことからなる、 ニューロンにおいてコリン作動性活性を誘導する方法、13.効果的な量の請求 項5のタンパク質にニューロンをさらすことからなる、ニューロンにおいてコリ ン作動性活性を誘導する方法。 14.効果的な量の請求項6のタンパク質にニューロンをさらすことからなる、 ニューロンにおいてコリン作動性活性を誘導する方法。 15.効果的な量の請求項7のタンパク質にニューロンをさらすことからなる、 ニューロンにおいてコリン作動性活性を誘導する方法。 16.効果的な量の請求項8のタンパク質にニューロンをさらすことからなる、 ニューロンにおいてコリン作動性活性を誘導する方法。 17.in vitrOで交感神経系ニューロンによるチロシンヒドロキシラー ゼの発現を低下させる能力を有する、請求項1のタンパク質の類縁体、誘導体ま たはフラグメント。 18.invitroで交感神経系ニューロンによるチロシンヒドロキシラーゼ の発現を低下させる能力を有する、請求項2のタンパク質の類縁体、誘導体また はフラグメント。 19.in vitroで交感神経系ニューロンによるチロシンヒドロキシラー ゼの発現を低下させる能力を有する、請求項3のタンパク質の類縁体、誘導体ま たはフラグメント。 20.in vitroで交感神経系ニューロンによるチロシンヒドロキシラー ゼの発現を低下させる能力を有する、請求項4のタンパク質の類縁体、誘導体ま たはフラグメント。 21.in vitroで交感神経系ニューロンによるコリンアセチルトランス フェラーゼの発現を増加させる能力を有する、請求項1のタンパク質の類縁体、 誘導体またはフラグメント。 22.in vitroで交感神経系ニューロンによるコリンアセチルトランス フェラーゼの発現を増加させる能力を有する、請求項2のタンパク質の類縁体、 誘導体またはフラグメント。 23.in vitroで交感神経系ニューロンによるコリンアセチルトランス フェラーゼの発現を増加させる能力を有する、請求項3のタンパク質の類縁体、 誘導体またはフラグメント。 24.in vitroで交感神経系ニューロンによるコリンアセチルトランス フェラーゼの発現を増加させる能力を有する、請求項4のタンパク質の類縁体、 誘導体またはフラグメント。 25.in vitroで交感神経系ニューロンによるバソアクティブ・インチ ステイナル・ペプチドの発現を増加させる能力を有する、請求項1のタンパク質 の類縁体、誘導体またはフラグメント。 26.in vitroで交感神経系ニューロンによるバソアクティブ・インチ ステイナル・ペプチドの発現を増加させる能力を有する、請求項2のタンパク質 の類縁体、誘導体またはフラグメント。 27.in vitroで交感神経系ニューロンによるバソアクティブ・インチ ステイナル・ペプチドの発現を増加させる能力を有する、請求項3のタンパク質 の類縁体、誘導体またはフラグメント。 28.invitroで交感神経系ニューロンによるバソアクティブ・インチス テイナル・ペプチドの発現を増加させる能力を有する、請求項4のタンパク質の 類縁体、誘導体またはフラグメント。 29.invitroで交感神経系ニューロンによる全カテコールアミン類の発 現を低下させる能力を有する、請求項1のタンパク質の類縁体、誘導体またはフ ラグメント。 30.in vinroで交感神経系ニューロンによる全カテコールアミン類の 発現を低下させる能力を有する、請求項2のタンパク質の類縁体、誘導体または フラグメント。 31.in vitroで交感神経系ニューロンによる全カテコールアミン類の 発現を低下させる能力を有する、請求項3のタンパク質の類縁体、誘導体または フラグメント。 32.in vitroで交感神経系ニューロンによる全カテコールアミン類の 発現を低下させる能力を有する、請求項4のタンパク質の額縁体、誘導体または フラグメント。 33.請求項1のタンパク質と特異的に結合することができる抗体。 34.請求項2のタンパク質と特異的に結合することができる抗体。 35.請求項3のタンパク質と特異的に結合することができる抗体。 36.請求項4のタンパク質と特異的に結合することができる抗体。 37.請求項5のタンパク質と特異的に結合することができる抗体。 38.請求項6のタンパク質と特異的に結合することができる抗体。 39.請求項7のタンパク質と特異的に結合することができる抗体。
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