JPH07224089A - neuレセプターの刺激因子 - Google Patents

neuレセプターの刺激因子

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JPH07224089A
JPH07224089A JP4091601A JP9160192A JPH07224089A JP H07224089 A JPH07224089 A JP H07224089A JP 4091601 A JP4091601 A JP 4091601A JP 9160192 A JP9160192 A JP 9160192A JP H07224089 A JPH07224089 A JP H07224089A
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JP
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neu
neu receptor
antibody
receptor
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Yosef Dr Yarden
ヨセフ・ヤーデン
Elior Dr Peles
エリオアー・ペレス
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Yeda Research and Development Co Ltd
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    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • C07K14/4756Neuregulins, i.e. p185erbB2 ligands, glial growth factor, heregulin, ARIA, neu differentiation factor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 ras形質転換繊維芽細胞により馴化した培
地から得られるp185neuタンパク質の哺乳動物タ
ンパク性刺激因子(neuレセプター刺激因子);例え
ばneuレセプターチロシンリン酸化アッセイによりア
ッセイされ得る因子と実質的に同一の生物学的活性を有
する類似体、変異体及び活性フラグメント;因子を単独
又は他の治療薬と組み合わせて施用することにより例え
ば増殖及び分化のような細胞生物活性を調節する方法;
治療値をそれ自体有する因子に対する抗体;因子及びそ
の結合特性を使用することにより、例えば腫瘍細胞の表
面上に過剰発現されるようなneuレセプターの体内異
常レベルを診断する方法;並びに抗因子抗体を使用する
ことにより因子それ自体の異常レベルを診断する方法。 【効果】 本因子は、乳癌、卵巣癌、前立腺癌及び胃癌
を含むneuレセプター発現に関連する種々の型の腫瘍
の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、neuレセプターと反
応してこれを刺激し、細胞増殖及び分化を調節する新規
精製哺乳動物タンパク性因子に係る。
【0002】
【従来技術】ポリペプチドのチロシル残基へのリン酸基
の転移の酵素触媒作用はチロシンキナーゼ酵素により得
られ、細胞増殖の調節に関連すると思われる。ポリペプ
チド成長因子の数種のレセプターは、インシュリンチロ
シンキナーゼ活性を有するトランスメンブラン糖タンパ
ク質の類に属する(Ullrich, A. andS
chlessinger, J., Cell 61
203−212,1990)。上皮成長因子(EG
F)、インシュリン及び血小板由来成長因子(PDG
F)のレセプターを含むこの類は、広い細胞外リガンド
結合領域を細胞質に面するタンパク質キナーゼ触媒中心
に結合する単一のトランスメンブラン領域の存在により
特徴付けられる。周知の成長及び維持因子のレセプター
以外に、チロシンキナーゼのこの類の数種は未知のリガ
ンドにより調節されると考えられている(Hanks,
S.K., Cur. Op.Struct.Bio
l.:369−383, 1991)。
【0003】neu遺伝子(c−erbB−2又はHE
R−2遺伝子としても知られる)によりコードされるタ
ンパク質は、このようなレセプター様チロシンキナーゼ
の一例である。最初にヒト乳癌における増幅(Kin
g, C.R. et al., EMBO J.
:164−165, 1988)及びEGF−レセプ
ターとの関連(Schechter, A.L. et
al., Nature312:513−516,
1984; Semba, K. et al., P
roc.Natl.Acad.Sci. USA
:6497−6501, 1985)により同定され
た全長遺伝子は、既知の成長因子のレセプター、特に上
皮成長因子(EGF)−レセプターとの間に広範な構造
的相同を示すトランスメンブランチロシンキナーゼをコ
ードする(Coussens, L.et al.,
Science 230:1132−1139, 19
85; Bargmann, C.I. et a
l., Nature 319:226−230, 1
986; Yamamoto, T. et al.,
Nature 319:230−234, 198
4)。タンパク質は、細胞外領域と、主としてチロシン
キナーゼ配列を有する細胞質部分と、比較的短いトラン
スメンブラン部分とを有する185kDaトランスメン
ブラン糖タンパク質(即ちp185neuタンパク質)で
ある。neu遺伝子の齧歯目相同体は、アミノ酸のトラ
ンスメンブラン領域における点突然変異により腫瘍遺伝
子として活性化されることが示されている(Bargm
ann, C.I. et al.,Cell 45
649−657, 1986)。ヒト遺伝子は数種の組
織からの腺癌で増幅され、タンパク質は初期乳癌の約2
5%で過剰発現される(Kraus, M.H. et
al., EMBO J. :605−610,1
987; Slamon, D.J. et al.,
Science 235:177−182, 198
7; Varley, J.M. et al., O
ncogene :423−430, 1987;
Van deVijver, et al., Mo
l. Cell. Biol. 1:2019−202
3, 1987)。臨床結果による遺伝子増幅と過剰発
現との関連は乳癌及び卵巣癌で報告されている(Sla
mon, D.J. et al., Science
235:177−182, 1987; Varle
y, J.M. et al., Oncogene
:423−430, 1987; Venter,
D.J. et al., Lancet ii,67
−72, 1987; Zhou, D.et a
l., CancerRes. 47:6123−61
25,1987; Berger, M.S. et
al., Cancer Cells 48: 123
8−1243, 1988; Tsuda, H. e
t al., Cancer Res. 49:310
4−3108, 1989; Slamon, D.
J. et al., Science 244:70
7−712, 1989)。これらの所見に一致して、
neuの異所性過剰発現は齧歯目繊維芽細胞を形質転換
し得る(Difiore, P.P. et al.,
Science 237:178−182, 198
7; Hudziak, R.M. et al.,
Proc.Natl.Acad.Sci. USA
:7159−7163, 1987)。
【0004】モノクローナル抗体(Yarden Y.
Proc.Natl.Acad.Sci. USA
87:2564−2573, 1987; Scot
t,G.K. et al., J.Biol.Che
m. 266:14300−14305, 1991)
及びキメラタンパク質(Lee, J. et a
l., EMBO J. :167−173, 19
89; Lehvaslaiho,H. et a
l., EMBO J. :159−166, 19
89; Peles, E. et al., Emb
o J. 10:2077−2086, 1991;
Fazioli, F. et al., Mol.
Cell Biol. 11:2040−2048,
1991)を使用することにより、neu遺伝子により
コードされるタンパク質のチロシンキナーゼ部分を刺激
して成長調節生化学的シグナルを発生できることが立証
された。p185neuタンパク質と既知の成長因子レセ
プターとの機能及び構造的類似性に基づき、これらの結
果からp185neuタンパク質の内因性リガンドが存在
するであろうと予想された。リガンドの潜在的生物源を
スクリーニングするための一連の生化学アッセイを使用
することにより、腫瘍遺伝子形質転換Rat1−EJ繊
維芽細胞(Land, H. et al., Nat
ure 304:596−602, 1983)は、レ
セプターダウンレギュレーション、チロシン残基上の自
己リン酸化及びマイトジェン活性を含むneuタンパク
質の機能に特異的に影響する活性の生成物であるとして
同定された(Yarden Y. and Weinb
erg, R.A., Proc.Natl.Aca
d.Sci. USA 86:3179−3188,
1989)。他の研究室は、ヒト乳癌細胞(Lupu,
R. et al., Science 249:1
552−1555, 1990)、ウシ腎細胞(Hua
ng, S.S. et al., J. Biol.
Chem. 265:3340−3346, 199
0)、形質転換ヒトT細胞(Dobashi, K.e
t al., Proc. Natl.Acad.Sc
i. USA 88:8582−8586, 199
1; Davis, J.G. et al., Bi
ochem Biophys.Res.Commun.
179:1536−1542, 1991; WO
91/15230)及び活性化マクロファージ(Tar
akhovsky, A. et al., Onco
gene :2187−2196,1991)から部
分的に精製したneu特異的活性因子の存在を報告して
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ras形質転
換繊維芽細胞により馴化した培地から得られるp185
neuタンパク質の哺乳動物タンパク性刺激因子に係る。
【0006】本発明によると、p185neuタンパク質
(以下、「neuレセプター」と呼称する)の特異的刺
激因子(以下、「neuレセプター刺激因子」と呼称す
る)がras形質転換ラット繊維芽細胞により馴化した
組織培養培地から均質に精製され、リガンドの種々の生
化学的及び生物学的特性が決定された。したがって、本
発明は、ras形質転換繊維芽細胞により馴化した培地
からほぼ均質形で得られるneuレセプターの特異的精
製哺乳動物刺激因子を提供するものである。neu刺激
因子は本発明によると、ヘパリンアフィニティークロマ
トグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、カ
チオン交換クロマトグラフィー及び金属キレートアフィ
ニティークロマトグラフィーの4段階のうちの少なくと
も3段階を組み合わせて使用し、好ましくは全4段階を
この順序で使用することにより、このような馴化培地か
ら得られる。
【0007】本発明のneuレセプター刺激因子は、約
44000ダルトン(即ち44000±5000)の分
子量を有する糖タンパク質であることが知見された。刺
激因子はリガンドとしてneuレセプターに直接結合し
てもしなくてもよい。
【0008】刺激因子は、neuレセプターチロシンリ
ン酸化を刺激するのにピコモル範囲の濃度で活性であ
り、既知のタンパク質との間に相同を示さないアミノ酸
配列をもたらす。培養ヒト乳癌細胞で試験した処、添付
のデータに示すように刺激因子は、細胞形態の顕著な変
化及び乳成分(即ちカゼイン及び脂質)の合成を含む表
現型細胞分化を誘導した。これらの変化は、核面積の増
加、細胞増殖の抑制及びDNA倍数体の誘導をもたらし
た。
【0009】成長及び分化因子との類似を含む以上及び
他の生物学的証拠に基づき、本発明のneuレセプター
刺激因子は種々の潜在的用途を有することが予想され
る。例えば刺激因子は恐らくneuレセプターを発現す
る細胞の増殖及び分化を調節すると考えられるので、損
傷後の組織再生の刺激に使用され得る。更に、本発明の
刺激因子は(分化因子としてのその活性により)単独で
又は(モノクローナル抗体との結合による毒素の疾患タ
ーゲッティングに類似する、neuレセプターに対する
選択的親和性により)複合毒素、放射性核種もしくはサ
イトカインを場合により腫瘍細胞(例えばneuレセプ
ターを過剰発現する乳房、卵巣、胃もしくは前立腺の腺
癌)に向けるために抗癌剤として使用され得る。
【0010】neuレセプター刺激因子に対する抗体を
産生させ、所定の診断用途(例えば癌のようなヒト疾患
における刺激因子のレベルの変化の測定)に使用するこ
とができ、更に刺激因子が細胞におよぼす効果、例えば
細胞増殖の抑制を阻止することができる。
【0011】要約すると本発明は、本明細書中に記載す
るような特性を有しており且つ記載の精製方法により得
られる精製哺乳動物レセプター刺激因子;本明細書中に
記載する方法(例えばneuレセプターチロシンリン酸
化アッセイ)によりアッセイされ得る因子と実質的に同
一の生物学的活性を有する類似体、変異体及び活性フラ
グメント;因子を単独又は他の治療薬と組み合わせて施
用することにより例えば増殖及び分化のような細胞生物
活性を調節する方法;治療値をそれ自体有する因子に対
する抗体;因子及びその結合特性を使用することによ
り、例えば腫瘍細胞の表面上に過剰発現されるようなn
euレセプターの体内異常レベルを診断する方法;並び
に抗因子抗体を使用することにより因子それ自体の異常
レベルを診断する方法に係る。
【0012】本発明は、形質転換ラット繊維芽細胞から
精製した哺乳動物neuレセプター刺激因子に関して実
施例中に説明される。この因子は明示したように、ヒト
neuレセプターを刺激し、ヒト乳癌細胞の成長停止及
び表現型変化を誘導する点で極めて活性である。これら
の効果及び異なる哺乳動物種の類似因子間の実質的な相
同により、ヒト又は他の哺乳動物源から精製した相同n
euレセプター刺激因子は、neuレセプターを発現す
るヒト細胞に実質的に同一の生物学的効果を誘導し、同
一の実際的用途を有することが予想される。更に本発明
の方法は、neuレセプター刺激活性を生じる他の哺乳
動物種の細胞系、例えばMDA−MB−231ヒト乳癌
細胞(Lupu, R, et al., 前出)、形
質転換ヒトT細胞(Dobashi, K. et a
l.,前出)等の馴化培地から哺乳動物neuレセプタ
ー刺激因子を精製することができ、ヒト因子を含むこれ
らの全哺乳動物因子は本発明に包含される。
【0013】以下、サンプル中のneuレセプターの刺
激因子の存在を試験し、刺激因子を単離及び特徴付けす
るための具体的な方法及び材料に関して本発明を説明す
る。
【0014】抗体 neuレセプターのキナーゼ領域に対するモノクローナ
ル抗体(Ab3)は、Oncogene Scienc
e(Uniondale, New York)から入
手した。Peles, E. et al., EMB
O J. 10:2077−2086 (1991)の
記載に従ってneuレセプターカルボキシ末端に対する
ポリクローナルウサギ抗体を産生させた。MOPC−1
41形質細胞腫抗体はSigma(St.Louis,
MO)から入手した。Kamps, M.D. an
d Sefton, B.M.,Oncogene
:305−316(1988)に記載されているよう
に、抗ホスホチロシンウサギ抗体を製造し、アフィニテ
ィー精製した。ヒトβ及びχカゼインを認識するマウス
モノクローナル抗体は、R.C. Coombs, C
haring Cross Medical Scho
ol, 英国、Londonから入手した。
【0015】細胞系の維持及び特徴付け 文献(Land, H. et al., Natur
304:596−602, 1983)に記載され
ているようにヒトEJ遺伝子(活性化Harvey r
as遺伝子)をRat1繊維芽細胞にトランスフェクト
することにより、Rat1−EJ 1−1細胞系(AT
CC)を形成した。以下に記載するneuレセプターチ
ロシンリン酸化アッセイを使用して、クローニングした
6個の独立したRat1−EJ細胞系からneuレセプ
ター刺激因子を産生する細胞系をスクリーニング後、R
at1−EJ 1−1細胞系を大規模馴化培地製造用と
して選択した。AU−565細胞は、Cell Cul
ture Laboratory, Naval Bi
osciences Laboratory (Nav
al Supply Center, Oaklan
d, CA)から入手した。MCF7、SK−BR−
3、A−431及びMDA−MB−453細胞は、Am
erican Type Culture Colle
ction (Rockvill, MD)から入手し
た。37℃空気中で5%CO2を含む加湿インキュベー
ターで10%ウシ胎児血清(Hyclone, Log
an, Utah)を補充したRPMI−1640又は
DME培地(GIBCO, Grand Islan
d, NY)で細胞系を培養した。
【0016】馴化培地 馴化培地の大規模製造のために、まずRat1−EJ
1−1細胞をT形フラスコで培養し、2リットル細胞増
殖器(Nunc)で増殖し、その後、ローラーびんに移
した。80%の集密に達したら、単層を無血清培地と共
に37℃で8時間インキュベートし、細胞結合タンパク
質を放出させた。次に、培地を新しい無血清培地に交換
し、細胞と共に37℃で48時間インキュベートした。
更に48時間インキュベーション後、馴化培地を回収
し、最初の回収物と共にプールした。
【0017】neuレセプターチロシンリン酸化アッセ
生存MDA−MB−453ヒト乳癌細胞におけるneu
レセプターチロシンリン酸化の誘導をアッセイすること
により、サンプルのneuレセプター刺激因子を試験し
た。これらの細胞はneuレセプターを過剰発現する
が、EGFレセプターは発現しない(Kraus,
M.H. et al., EMBO J.:605
−610, 1987)。カラムフラクションのサンプ
ルをウシ血清アルブミン(BSA, 1mg/ml)を
含有するPBSで通常通り希釈した。アッセイ前12時
間0.5%ウシ胎児血清を含有するDME培地でインキ
ュベートしておいたMDA−MB−453細胞3×10
5個を含む48穴皿(Nunc, デンマーク)の個々
のウェルにこれらの希釈液を加えた。各ウェルにPBS
0.15mlを加えた。37℃でサンプルと共に5分間
インキュベーション後、培地を吸引し、細胞をβメルカ
プトエタノールを含む0.07ml熱SDS−PAGE
サンプル緩衝液に直接溶解させた。その後、溶解物を可
溶化させ、5分間95℃に加熱し、各サンプルの3分の
1を6%SDSポリアクリルアミドゲル中で電気泳動に
かけた。ゲル分離したタンパク質を電気泳動によりニト
ロセルロース膜に移した。膜をまず1時間22℃で1%
低脂肪粉ミルクで飽和させた。次にアフィニティー精製
した抗ホスホチロシンウサギ抗体を加え、インキュベー
ションを1時間続けた。検出のために、フィルタをTT
BS溶液(20mM Tris−HCl,pH7.6及
び17mM NaCl中0.05% Tween−2
0)で洗い、55分間22℃で西洋ワサビペルオキシダ
ーゼ結合プロテインAと反応させた。TTBSで4回洗
浄することにより酵素を除去し、フィルタを1分間化学
ルミネセンス試薬(ECL, Amersham)と反
応させた。次にフィルタを高性能ルミネセンス検出フィ
ルム(Hyperfilm−ECL,Amersha
m)に30秒〜30分間暴露させた。シグナルの定量の
ために、細胞を刺激せずに又は高張性刺激剤を用いて細
胞を1M NaClに20分間22℃で暴露することに
より平行アッセイを実施した。暴露したフィルムを自動
走査デンシトメーター(Molecular Dyna
mics)で走査し、シグナルを相対リン酸化単位(R
PU)で表した。尚、1単位は高張性刺激により誘導さ
れるリン酸化の程度とした。
【0018】刺激因子の125I標識 本発明の単離したneuレセプター刺激因子(1μg)
を報告されている手順(Bolton, A.E. a
nd Hunter, W.M., Biochem.
J. 133:524−538, 1973)に従っ
てアミノ基特異的Bolton−Hunter試薬(A
mersham, ArligtonHeights,
IL)で放射性標識した。次に刺激因子をゲル濾過ク
ロマトグラフィーにより遊離試薬から分離した。得られ
た比活性は8×103cpm/ngであった。
【0019】脂質可視化 Bacus, S. et al., Molecul
ar Carcinogenesis :350−3
62(1990)の記載に従って、”OilRed O
in Propylene Glycol”法の変形
を使用して中性脂質を可視化した。
【0020】免疫細胞化学的染色 ヒトβ及びχカゼインに対するマウスモノクローナル抗
体を用いて免疫細胞化学的染色によりカゼインの存在を
検出した。培地を除去し、成形成分を分離後、Lab−
TekスライドをPBSで濯ぎ、細胞を室温で10分間
エタノール−ホルムアミド溶液(1:1,v:v)に固
定した。室温で20%ヤギ血清に結合する非特異的抗体
をブロッキング後、細胞を室温で抗カゼイン(β及び
χ)抗体(希釈比1:250)と共にインキュベートし
た。その後、スライドを0.5MTris緩衝食塩溶液
(TBS),pH7.6で濯ぎ、結合抗体ビオチニル化
ヤギ抗−マウスIgG(Jackson Labs,
West Grove,PA)を希釈比1:200で細
胞に加えた。細胞を再びTBSで濯ぎ、希釈比1:20
0でストレプトアビジン結合アルカリホスファターゼ
(JacksonLabs, West Grove,
Pa)を細胞に加えた。細胞を再びTBSで濯ぎ、1
5分間CAS Redと共にインキュベートし、CAS
DNA染色(Cell Analysis Syst
ems, Inc., Elmhurst, IL)で
逆染色した。
【0021】細胞を過ヨウ素酸塩/リシン/パラホルム
アルデヒド(1:1:1容量比)に30分間及び10%
中和ホルマリンに60分間固定後、HER−2/neu
腫瘍遺伝子染色キット(Cell Analysis
Systems, Elmhurst, IL)でne
uレセプターを免疫細胞化学的に染色した。
【0022】
【実施例】実施例1Rat1−EJ 1−1馴化培地からのn
euレセプター刺激因子の精製 neuレセプター刺激因子の精製のために、タンパク質
9.4gを含有するRat1−EJ 1−1馴化培地1
20リットルを記載の方法に従って500個のローラー
びんから調製した。0.2μmフィルタで濾過すること
により培地を清澄化させ、排除限界分子量20000ダ
ルトンの膜を使用してPelicon限外濾過システム
で31倍に濃縮した。その後の全タンパク質精製段階は
Pharmacia FPLCシステムを使用して実施
した。
【0023】濃縮馴化培地の初期分画は、ヘパリンに対
する刺激因子の並の親和性(図1)に基づいて実施し
た。PBSで予め平衡化しておいたHeparin−S
epharose(Pharmacia)150mlを
収容するカラムに濃縮材料を直接流した。280nmの
吸光度の低下が記録できなくなるまで、0.2M Na
Clを含有するPBSでカラムを洗った。結合タンパク
質を250mlの0.2M〜1.0M NaCl勾配で
溶離させた(図1に破線で示す)。5mlフラクション
を収集した。このクロマトグラフィー段階の溶離相を図
1に示す。サンプル(0.1ml)における刺激因子活
性の存在を試験した。特に、neuレセプターを過剰発
現する生存MDA−MB−453細胞をカラムフラクシ
ョンの透析サンプルと共にインキュベートし、記載のチ
ロシンリン酸化アッセイを使用することによりレセプタ
ーのチロシンリン酸化レベルを測定した。指示フラクシ
ョン数のアッセイの結果をオートラジオグラム(挿入
図)として示す。オートラジオグラムの自動デンシトメ
ーター走査から得られた定量アッセイ結果(走査単位)
をプロットした。走査データのグラフ上の閉じた円は、
ホスホチロシンウェスタンブロットでアッセイしたフラ
クションに対応する。
【0024】疎水性相互作用カラムクロマトグラフィー
を使用してneuレセプター刺激因子の付加精製(図
2)を得た。Heparin−Sepharoseカラ
ムからの活性フラクション(合計容量360ml)をプ
ールし、YM10限外濾過膜(Amicon,Danv
ers, MA)を使用することにより25mlに濃縮
し、濃度1.7Mに達するまで硫酸アンモニウムを加え
た。遠心分離(10000×g、15分間)により清澄
化後、プールした材料をPhenyl−Superos
eカラム(HR 10/10, Pharmacia)
に充填した。0.1M Na2PO4,pH7.4中の減
少硫酸アンモニウム濃度(1.7M〜0mM)勾配45
mlによりカラム結合材料を溶離させた(図2中破
線)。2mlフラクションを収集し、記載のneuレセ
プターチロシンリン酸化アッセイ(挿入図)でアッセイ
した(サンプル当たり0.002ml)。
【0025】イオン交換カラムクロマトグラフィーを使
用して刺激因子精製を続けた(図3)。Phenyl−
Superoseフラクション44〜66からのタンパ
ク質(タンパク質0.88mg、35ml)をプール
し、50mMリン酸ナトリウム(pH7.3)で透析し
て塩を除去し、50mMリン酸ナトリウムで予め平衡化
しておいたHR5/5 Mono Sカチオン交換カラ
ム(Pharmacia)に充填した。カラムを出発緩
衝液で洗浄し、その後、1ml/分の速度でNaCl勾
配で展開させた(破線)。カラムフラクションを記載の
neuレセプターチロシンリン酸化アッセイにより希釈
比1:50でアッセイした(挿入図)。刺激因子活性を
0.45〜0.55M塩濃度でフラクション22〜25
(各2ml)から溶離させた。
【0026】精製刺激因子を得るために使用した最終カ
ラム段階は、金属キレートアフィニティーカラムクロマ
トグラフィー(図4)である。Mono Sフラクショ
ン22〜25中のタンパク質をプールし、1ml Hi
−Trap Cu2+キレート化セファロースカラム(P
harmacia)に直接充填した。結合タンパク質を
増加塩化アンモニウム濃度線形勾配(0〜1M、破線)
30mlで溶離させ、記載のアッセイでneuレセプタ
ーチロシンリン酸化の誘導を試験した(挿入図)。刺激
因子はタンパク質の単一ピークを含むことが知見された
フラクション10〜15(0.05〜0.2M NH4
Cl)で溶離した。
【0027】この4段階カラムクロマトグラフィー手順
により、還元SDS−PAGEゲル中で約44000ダ
ルトンの分子量を有する精製タンパク質を得た(図
5)。指示フラクションの0.01mlアリコートを4
〜25% SDS−PAGEゲル中で電気泳動にかけ、
その後、ICN(Costa Mesa, CA)製銀
染色キットで染色した。Cu2+キレート化カラムフラク
ション10〜15中におけるこのタンパク質の存在は、
これらのフラクション中のneuレセプター刺激因子の
分布に相関する。表1は精製手順を要約したものであ
る。タンパク質濃度をBioRad(Richmon
d, CA)製タンパク質アッセイキットで決定した。
全体精製35115倍及び回収率7.5%で精製タンパ
ク質20μgを回収した。
【0028】
【表1】 尚、表1中RPUは相対リン酸化単位を表す。1単位
は、細胞の高張衝撃を使用することにより得られるリン
酸化の程度である(King et al.,199
0)。
【0029】実施例2: ゲル電気泳動後のneuレセ
プター刺激因子の回収 neuレセプター刺激活性が図5のSDS−PAGEゲ
ルで同定される精製タンパク質に関連することを確認す
るために、実施例1の方法により精製した2個の100
ngサンプルを非還元4〜25% SDS−PAGEゲ
ルの2つのレーンで電気泳動させた(図6)。一方のレ
ーンは銀染色した(左側パネル)。他方のレーンは8個
の水平ストリップ(A〜H)に分割し、96mMグリシ
ン及び10mM Tris−HCl, pH 8.3で
3時間ゲルの各ストリップからタンパク質を電気溶離さ
せた。電気溶離のためにYM10 Centricon
s(Amicon Electroelution A
pparatus)を使用した。Centriconコ
ンセントレーターを使用して溶離用緩衝液をPBSに交
換した。次に各溶離フラクションを記載のneuレセプ
ターチロシンリン酸化アッセイでアッセイした(右側パ
ネル)。定量アッセイ結果を中央パネルに示す。活性は
約44000ダルトンのタンパク質を含むゲルスライス
から回収され、従ってneuレセプター刺激因子活性は
このタンパク質によるもの以外ではないことが判明し
た。
【0030】実施例3: neuレセプター刺激因子の
アミノ末端配列 neuレセプター刺激活性は主要な44キロダルトンタ
ンパク質に関連していたが、タンパク質バンドの拡散性
から、活性フラクションがこの分子量を有する2個以上
の分子種を含むという可能性が生じた。この可能性を試
験するために、最後の精製段階から得られる活性フラク
ション(図4)をN末端アミノ酸配列分析した。限外濾
過セル(Amicon)及び0.05%SDSで予備洗
浄したYM10膜を使用することにより、精製材料の5
μgサンプル(約100ピコモル)を0.2mlに濃縮
した。オンラインフェニルチオヒダントイニル(PTH
−)アミノ酸分析計及びModel 900データ分析
システム(Hunkapillar, M.W. et
al., ”Methods of Protein
Microcharacterization,”
Shively,J.R. ed., Humana
Press, Clifton, NJ,1986,
pages 223−247)を備えるModel 4
77タンパク質シーケンサー(Applied Bio
wywtems, Inc.,Foster Cit
y, CA)でタンパク質のN末端配列分析を行った。
ポリプレン及びNaClでプレサイクルを行ったトリフ
ルオロ酢酸処理グラスファイバーディスクにタンパク質
を充填した。デュアルシュリンジポンプ及び逆相(C−
18)小孔カラム(Applied Biosyste
ms, 2.1mm×250mm)を使用して微量液体
クロマトグラフィーシステム(Model120)でP
TH−アミノ酸分析を実施した。継続配列決定による
と、23サイクルで主要配列が明確に同定された(図7
A)。2つの位置はシグナルの欠如により割り当てられ
なかった。一次配列の第3番目のアミノ酸(リシン)か
ら出発する20個のアミノ酸に対応する二次配列(一次
シグナルの約10分の1)も検出可能であった(図7
B)。タンパク質配列決定の最初の3サイクル中のアミ
ノ酸の回収は主要配列で85ピコモルであった。この高
収率と本質的に単一のN末端アミノ酸配列の存在とから
判断すると、恐らくグリコシル化変異及びN末端差異を
含むただ1つのタンパク質分子が、単離された活性材料
を含むと予想される。
【0031】実施例4: ジスルフィド結合及び炭水化
物を含む刺激因子 本発明の精製neuレセプター刺激因子は還元後にその
分子量を維持した(図8)。刺激因子の構造に対する糖
の貢献を直接分析するために、このタンパク質を125
で放射性標識し、酵素的に脱グリコシル化した。放射性
標識した刺激因子(8×104cpm)の10ngサン
プルを、0.1%SDSを含有するPBS中で5分間煮
沸した。化合物3−(3−コルアミドプロピル−ジメチ
ルアンモニオ)−1−プロパンスルホネート(CHAP
S)を終濃度2%まで加えた。次にN−グリカナーゼ、
O−グリカナーゼ及び/又はノイラミニダーゼ(Gen
zyme, Cambridge, MA)0.5単位
を加え、因子と共に18時間37℃でインキュベートし
た。消化したタンパク質を12%SDSゲル中で分離し
た。この分析(図9)の結果、N−グリカナーゼは、β
アスパルチルグリコシルアミン結合でアスパラギン結合
したオリゴ糖を放出し。タンパク質の分子量を1〜2キ
ロダルトンだけ減少させることが判明した。(O−グリ
カナーゼによる)Gal−β(1,3)−Gal NA
cコア二糖の除去の効果はより大きく、全体で8キロダ
ルトンの減少を生じた。従って、O結合糖は刺激因子の
分子量の約15%に寄与し、N結合糖は見かけ質量の5
%未満に寄与する。
【0032】実施例5:刺激因子によるヒトneuレセ
プターの活性化 neuレセプターチロシンリン酸化刺激の濃度依存性の
試験の結果、本発明のneuレセプター刺激因子は1n
g/mlの濃度(22pM、図10)で生物学的に活性
であることが判明した。この濃度は夫々のチロシンキナ
ーゼを刺激する他の成長因子の有効濃度と同等であるか
あるいはそれ以下である(YardenY. and
Ullrich, A., Ann.Rev. Bio
chem. 57:443−448, 1988)。ア
ミノ末端タンパク質配列分析と相俟ってこの濃度依存性
は、単離した本発明の刺激因子が確かにneuレセプタ
ー活性化に関与する分子であることを強く示唆する。従
来、neu特異的刺激機能からEGFレセプター刺激活
性を分離することはできなかった。このため、推定ne
uレセプター刺激因子はEGF−レセプターのリガンド
又は刺激因子でもあることが示唆された(Lupu
R. et al., Science,249:15
52−1555, 1990)。均質に精製されたタン
パク質が入手できるようになったため、この問題の直接
生化学的分析が可能になった。neuレセプター刺激因
子がneuレセプター即ちEGFレセプターに最も密接
に関係するチロシンリン酸化を刺激する能力を試験する
ことにより、レセプター特異性を試験した。
【0033】この分析の結果を図11に示す。本発明の
neuレセプター刺激因子は、MDA−MB0453ヒ
ト乳癌細胞でneuレセプターのチロシンリン酸化を刺
激することが可能であったが、ヒトA−431表皮癌細
胞でEGF−レセプター−チロシンを活性化することは
できなかった。後者はEGFの添加により誘導され、従
って、本発明のneuレセプター刺激因子の特異性はn
euレセプターに制限されると考えられる。一方、刺激
因子で処理すると、フィルムを長時間ウェスタンブロッ
ティング後にEGFレセプターチロシンリン酸化の非常
に僅かな増加を観察することができた。しかしながら、
これは十分に特徴付けられている相互反応との類似にお
いてneuレセプター刺激因子がEGFレセプターに及
ぼす間接相互調節効果によるものであると予想された
(Stern, D.J. andKamps, M.
P., EMBO J. :995−1001, 1
988; King C.R. et al., EM
BO J. 1:1647−1651, 1988;
Kokai, Y et al., Proc.Nat
l.Acad.Sci. USA 85:5389−5
393, 1988)。
【0034】neuレセプター刺激因子とEGFレセプ
ターとの直接相互作用の可能性を更に排除するために、
単離された因子がA−431細胞への放射性標識EGF
(10ng/ml)の結合を阻止する能力を試験した。
非標識EGF(100ng/ml)は125I−EGF結
合の90%を抑制したが、200ng/mlで本発明の
neuレセプター刺激因子は放射性標識EGFとの競合
を示さず、neuレセプターに対する特異性を立証し
た。
【0035】実施例6: neuレセプターに対する刺
激因子の架橋 以上の実施例では、細胞中のneuレセプターチロシン
リン酸化レベルを増加する能力に基づいて本発明の刺激
因子を精製した。刺激因子がneuレセプターに特異的
に作用することを更に立証するために、共役結合架橋方
法を使用して分析用の推定刺激因子レセプター複合体を
安定化させた(図12)。
【0036】細胞MDA−MB−453又はSK−BR
−3(細胞3×105個)の単層を50倍過剰の非標識
刺激因子の不在又は存在下で125I標識neuレセプタ
ー刺激因子(25ng/ml)と共に氷上で1時間イン
キュベートした。次に化学的架橋剤エチレングリコール
ビス(コハク酸スクシンイミジル)(Pierce,R
ockford, IL)を終濃度5mMまで加え、細
胞と共に22℃で45分間インキュベートした。PBS
で洗浄後、単層を10分間22℃でクエンチング緩衝液
(PBS,pH7.4中100mMグリシン)と共にイ
ンキュベートした。PBSで更に2回洗浄後、細胞溶解
物を調製し、neuレセプター(neu−R)をモノク
ローナル抗体(Ab3)で免疫沈降させた。無関係マウ
ス(形質細胞腫)抗体(MOPC−141,「対照」)
を対照として使用した。継続して使用した免疫複合体を
6%SDS−PAGEゲル中で分離し、ゲルを乾燥させ
て−70℃で増感剤を塗布したX線フィルムに暴露し
た。免疫沈降及びゲル電気泳動の手順はGoldma
n, R. et al., Biochemistr
29:11024−11028(1990)に記載
されている。
【0037】分析の結果、夫々分子量230kDa(二
次種)及び500kDa(主要種)の2つのタンパク質
バンドが生成されたことが判明した。両方のタンパク質
複合体は抗neuレセプターモノクローナル抗体で免疫
沈降可能であったが、非特異的抗体では免疫沈降しなか
った。この結果、230kDaタンパク質はneuレセ
プター及びneu刺激因子の1:1複合体であると同定
された。他の分子量バンド(約500kDa)は、EG
Fレセプターの共有結合的に安定化された二量体に類似
するneuレセプター刺激因子の1又は2分子に架橋し
たneuレセプターの二量体を表すと考えられる(Co
chet,C. et al., J.Biol.Ch
em. 263:3290−3295, 1988)。
架橋剤の不在下(−)で標識タンパク質は検出できず、
したがって、neuレセプター刺激因子とneuレセプ
ターとの間の相互作用は非共有結合性であると判断され
る。更に、大幅に過剰(50倍)の非標識刺激因子は、
放射性シグナルを完全に廃止することが知見された。非
標識刺激因子による競合、刺激因子含有複合体の分子量
及びneuレセプター特異的抗体による複合体の認識に
基づき、本発明のneuレセプター刺激因子はneuレ
セプターの特異的結合リガンドであるか又は、neuレ
セプターに密接に関連する分子と相互作用すると結論す
ることができる。
【0038】実施例7: 刺激因子によるヒト腫瘍細胞
における細胞分化の誘導 ヒトneuレセプタータンパク質に対する所定のモノク
ローナル抗体は、ヒト乳癌に由来する細胞から乳産生及
び成長停止細胞への分化を誘導することが従来知見され
ている(Bacus S. et al., 前出)。
従って、本発明の均質に精製されたneuレセプター刺
激因子が培養ヒト乳癌細胞に表現型の変化を誘導する能
力を試験した(表2)。
【0039】
【表2】 尚、表2の検出にあたり、指示濃度の精製刺激因子を培
養AU−565細胞に4日間加えた。細胞数決定と脂質
及びカゼインの染色は本明細書中に記載したように実施
した。カゼイン、脂質及び細胞密度に与えた数値は、1
0個の異なる顕微鏡フィールド(倍率40倍)から得た
平均である。フィールド間の変化は15%以内であっ
た。
【0040】表に記載した実験にあたり、チャンバ当た
り10%血清を補充した1ml培地に、細胞0.4×1
4個の割合でAU−565細胞0.4×104個をLa
b−Tekチャンバスライド(Nunc)に接種した。
24時間後、刺激因子を指示濃度で加え、更に4日後に
細胞を分析した。血球計チャンバ計数又はコンピュータ
ー画像分析により細胞数を決定した。Fuelgenで
DNA染色後に核面積をCAS−200 Image
Analyzerで測定した。neuレセプターを過剰
発現するAU−565細胞を刺激因子6ng/mlで4
日間処理した処、成熟形態を示す細胞のフラクションは
著しく増加した(因子の不在下では10〜20%であっ
たが、存在下では90%)。この表現型は大きい核及び
平坦な形態を含んでおり、免疫細胞化学的染色による
と、neuレセプタータンパク質は血漿膜から核周囲位
置に転位していた。
【0041】乳房上皮の成熟は最終的に乳タンパク質及
び脂質の合成及び分泌をもたらす(Topper,
Y.J. and Freeman, C.S., P
hysiol.Rev. 60:1049−1106,
1980)ので、刺激因子で処理した細胞をこのよう
な変化について試験した。確かに、刺激因子で処理した
AU−565細胞は大きい脂質滴の出現を示し、これは
対照(非処理)細胞培養物では不在又は著しく小さかっ
た。同様に、刺激因子で処理した細胞の大部分でカゼイ
ン(タイプβ及びχ)の出現が観察された(表2)。細
胞間カゼイン以外に、カゼインの細胞間染色も検出する
ことができ、この主要乳タンパク質の分泌を示した。半
最大カゼイン及び脂質効果は、neuレセプターチロシ
ンリン酸化の活性化に必要な濃度に従い、40ピコモル
の刺激因子濃度で達せられた(図10)。
【0042】乳腺による分化特異的遺伝子の発現は必ず
しも細胞増殖の抑制を意味しない(Schoenenb
erger, C.A. et al., EMBO
J.:169−175, 1988; Tavern
a, D. et al., Growth Dif
f.:145−154, 1991)。しかしなが
ら、ヒト腺癌細胞培養物を本発明の精製刺激因子で処理
後に細胞増殖の再現可能な抑制が観察された(表2)。
刺激因子のこの効果は濃度依存性であり、処理後24時
間直後に現れた。因子処理細胞のDNA倍数性の分析の
結果、増殖抑制はDNA倍数性の顕著な増加を伴うこと
が判明した(図14)。刺激因子6ng/mlと共に5
日間インキュベートした処、細胞DNAの平均含有量は
全体で50%増加した。ほぼ二頂のDNA分布は、G1
/G0細胞を犠牲にしてG2/M相で細胞フラクションが
大幅に増加したことを示すものである。八倍性以外に、
本発明の刺激因子は更に高いDNA多重倍数性を誘導し
た。これらの効果は増殖抑制と相俟って、細胞周期のS
又はG2/M相におけるブロック、及び細胞分割からの
DNA合成の分離を示すものとして判断され得る。
【0043】実地適用 本発明のneuレセプター刺激因子は、表面上にneu
レセプターを発現する細胞の哺乳動物疾患及び状態を処
理するのに有用であると予想される。本発明の因子は、
細胞表面でneuレセプターを刺激し、恐らくこれに結
合することにより細胞の機能を調節し、こうして細胞間
シグナル形質導入を変更させ、細胞機能を変更させると
予想される。
【0044】腫瘍細胞の表面でneuレセプターを過剰
発現する腫瘍を治療するためには、本発明の因子、類似
体、変異体又はその活性フラグメントもしくは部分を、
患者又はこれらの因子等が腫瘍に効果を有すると予想さ
れる腫瘍の部位に投与する。因子は成長阻害剤及び所定
の癌細胞の分化因子として有用であることが立証された
ので、因子はneuレセプターを過剰発現する悪性腫瘍
の特性(例えば非調節細胞増殖及び非分化表現型)を変
更させると予想される。したがって、本発明の因子は、
乳癌、卵巣癌、前立腺癌及び胃癌を含むneuレセプタ
ー発現に関連する種々の型の腫瘍の治療に有用であると
予想される。
【0045】既に説明した理由で高レベルのneuレセ
プターを発現する腫瘍で放射性標識分子、毒素、サイト
カイン及び腫瘍治療に使用される他の化合物の局在を増
加するために、因子をこれらの化合物と組み合わせても
よい。
【0046】他の生物学的又は治療用適用も可能であ
る。例えば、胃腸管、気道、尿路、生殖管及び皮膚の正
常ヒト上皮細胞はその表面にneuレセプターを発現す
る(Press et al., Oncogene
:953−962, 1990)。このレセプターに
結合又は反応して細胞増殖又は代謝を変更させる物質
は、物理的損傷による細胞破壊後に細胞再生が必要な状
況、又は細胞の代謝活性もしくは細胞増殖及び分化(例
えば皮膚の毛包からの毛髪成長)に起因する特性を増加
もしくは刺激することが所望される状況で有用である。
【0047】他の医薬用途では、ヒト疾患状態で発生す
る因子の異常レベルを検出及び測定するために当業者に
周知の従来方法を使用して本発明の因子に対する抗体を
診断用アッセイで使用することができる。例えば、この
ようなアッセイは、抗体と因子との反応に適切な条件下
で因子に特異的なポリクローナル又はモノクローナル抗
体と生物組織又は流体サンプルとを接触させ、その後、
例えばサンプル中の因子の量を指示する免疫化学的方法
により抗体−抗原反応(即ち抗体結合)のレベルを決定
する。抗体は更に、上述のように細胞増殖に作用するた
めに治療薬として使用することもできる。
【0048】別の型の診断アッセイによると、neuレ
セプターを発現する哺乳動物腫瘍を検出するために本発
明の刺激因子を使用することができる。例えば、neu
レセプターを発現する腫瘍を有する疑いのある患者に放
射性標識したneu刺激因子を投与することができる。
腫瘍部位における放射性標識因子の局在は、neuレセ
プターを発現する腫瘍細胞の存在を示す。
【0049】本発明の因子は、処置すべき具体的疾患、
個々の患者の状態、因子の放出部位、投与方法及び診療
医に既知の他の状況に応じて調合及び検量される。従っ
て、本発明の目的では因子の有効量は細胞増殖及び分化
を変更させ、又は因子の投与を必要とする状態を予防
し、その悪化を抑制し、緩和し、もしくは治癒させるた
めに有効な量である。
【0050】本発明の因子は滅菌水、生理的食塩溶液又
は他の緩衝液のような医薬上許容可能なキャリヤーと組
み合わせるか又はエマルジョンとして哺乳動物に投与さ
れ得る。本発明の因子は、経口、静脈内、皮下、局所及
び他の投与方法のような任意の適切な経路により、表面
にneuレセプターを発現する哺乳動物の細胞に投与さ
れ得る。本発明の因子は、細胞の増殖及び分化を調節す
るために十分な濃度及び期間、処置すべき哺乳動物に投
与される。所与の特定の濃度は、因子が必要な状態、レ
シピエントの年齢及び体重並びに投与方法等に依存す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】Heparin−Sepharoseカラムク
ロマトグラフィーによるRat1−EJ 1−1細胞馴
化培地の初期分画を示し、カラムフラクションが腫瘍細
胞系MDA−MB−453でneuレセプターのチロシ
ンリン酸化に及ぼす効果を示す。Rat1−EJ 1−
1繊維芽細胞を含むローラーびんから無血清培地を回収
し、濃縮し、Heparin−Sepharoseカラ
ムに充填した。PBS/0.2M NaClで洗浄後、
結合タンパク質を塩勾配で溶離させた(破線により示
す)。このクロマトグラフィー段階の溶離相を吸収プロ
フィルで示す。フラクションのサンプルにおけるneu
レセプター刺激因子の存在を試験した。各タンパク質サ
ンプルをMDA−MB−453細胞の単層と共にインキ
ュベートした。細胞を溶解させ、全細胞溶解物をホスホ
チロシン抗体によりウェスタンブロッティングした。結
果をオートラジオグラムとして示し、フラクション数を
示す(挿入図)。刺激因子の定量のために、オートラジ
オグラムを自動走査デンシトメーターにより走査した。
オートラジオグラム中のフラクション数に対応する走査
のグラフ上の点を閉じた円により示す。
【図2】Phenyl−Superoseカラムクロマ
トグラフィーによるneuリガンドの付加的精製を示
す。neuレセプター刺激活性を有するHeparin
−Sepharoseフラクション(図1)からのタン
パク質をプールし、濃縮し、終濃度1.7Mまで(NH
42SO4を加えた。この材料をPhenyl−Sup
eroseカラムに充填し、硫酸アンモニウム濃度を減
少させることによりカラムから溶離させた。図1につい
て記載したと同様に、フラクションにおける刺激因子の
存在を試験した(挿入図)。
【図3】Mono Sカラムクロマトグラフィーによる
neuレセプター刺激因子の更に付加的な精製を示す。
図2の活性Phenyl−Superoseフラクショ
ンからのタンパク質をMono Sカチオン交換カラム
に充填し、増加塩濃度勾配で溶離させた。個々のカラム
フラクションからのサンプルを、図1及び図2と同様に
MDA−MB−453細胞でneuレセプターのチロシ
ンリン酸化の誘導について試験した(挿入図)。
【図4】金属キレートアフィニティークロマトグラフィ
ーによるneuリガンドの継続精製を示す。図3の活性
カチオン交換フラクションからのタンパク質をCu2+
レート化Sepharoseカラムでクロマトグラフィ
ーにより分画した。結合タンパク質を塩化アンモニウム
増加勾配で溶離させ、上記と同様にフラクションをne
uレセプターのチロシンリン酸化の誘導について試験し
た。
【図5】図4のキレート化Sepharoseカラムか
らの活性フラクションにおけるタンパク質のドデシル硫
酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS
−PAGE)分析を示す。活性フラクションのアリコー
ト(0.01ml)を還元条件下で4〜20%勾配ポリ
アクリルアミドゲル中に電気泳動にかけた。銀染色キッ
トを使用してゲルを染色した。分子量マーカータンパク
質(BRL,Bethesda, MD)の位置をキロ
ダルトンで示す。
【図6】ゲル電気泳動後のneuレセプター刺激因子活
性の回収を示す。図1〜4に示した4段階プロトコルに
より精製した刺激因子の2つの100ngサンプルを、
4〜20%ポリアクリルアミドゲル中で非還元条件下で
電気泳動により分離させた。一方のレーンは銀染色キッ
トを使用して染色した(左側パネル)。他方のレーンは
8個のストリップ(A〜H)に分割し、タンパク質を電
気溶離させ、生存MDA−MB−453細胞でウェスタ
ンブロットによりneuレセプターチロシンリン酸化の
誘導について試験した。ウェスタンブロットのオートラ
ジオグラムを示し(右側パネル)、チロシンリン酸化n
euレセプターの位置を矢印で示す(「ゼロ」はタンパ
ク質無添加、「充填」は電気泳動なしの精製刺激因子1
00ngを表す)。ウェスタンブロットのデンシトメー
ター走査を中央パネルに与え、8本のバー(A〜H)は
8個のゲルストリップの各々から溶離した刺激因子活性
に対応する。
【図7】図1〜4の精製プロトコルを使用して単離した
本発明のneuレセプター刺激因子のアミノ末端配列を
示す。こうして得られた一次配列を上段(7A)に示
す。下段(7B)に示す二次的なN末端変異体も検出さ
れた。割り当てられなかった位置は「?」により示す。
【図8】勾配SDS−PAGEゲル中で電気泳動後にお
ける還元及び非還元条件下の本発明のneuレセプター
刺激因子を示す。電気泳動前に50ngサンプルを10
0℃でβメルカプトエタノール還元剤(2%v/v)で
処理するか又は前処理なしに分離し、夫々「+」及び
「−」により示す。銀染色ゲルを分子量マーカータンパ
ク質(BRL, Bethesda, MD)の位置と
共に示す。
【図9】脱グリコシル化が本発明のneuレセプター刺
激因子に及ぼす効果を示すオートラジオグラムである。
放射性標識した刺激因子を、N−グリカナーゼ、O−グ
リカナーゼ及び/又はノイラミニダーゼと共にインキュ
ベートした。18時間後、SDS−PAGEゲルサンプ
ル緩衝液中で95℃に加熱することにより反応を停止し
た。次にサンプルをSDSゲル電気泳動(12%アクリ
ルアミド)にかけ、その後、乾燥ゲルをフィルムに5時
間暴露した。分子量マーカータンパク質の位置をバー及
びキロダルトンにより示す。
【図10】チロシンリン酸化がピコモル濃度の精製ne
uレセプター刺激因子により刺激されることを示す。M
DA−MB−453細胞を上記4段階プロトコルにより
精製した指示濃度の刺激因子(SF)で37℃で処理し
た。細胞溶解物を調製し、ウェスタンブロット分析し
た。上段パネルはホスホチロシン(p−TYRとして示
す)に対する抗体で検出したneuレセプターリン酸化
を示す。下段パネルではウェスタンブロットからホスホ
チロシンに結合した抗体を除去し、neuレセプター
(neu−R)に対する抗体でリプローブした。チロシ
ンリン酸化の増加は刺激因子の量を増加することにより
誘導され、細胞溶解物中の可変量のneuレセプターに
よるものでないことが明らかである。
【図11】2種の異なる癌細胞系(MDA−MB−45
3及びA−431)を使用して、neu刺激因子(S
F)がEGF−レセプターでなくneuレセプターのチ
ロシンリン酸化を刺激することを示す。指示細胞を10
ng/mlの刺激因子又は50ng/mlのEGFで処
理した。ゲル電気泳動及び抗ホスホチロシン抗体による
ウェスタンブロッティング以前に、neuレセプター
(neu−R)又はEGFレセプター(EGF−R)に
対する抗体との間に免疫沈降が生じた。
【図12】2種の異なるヒト乳癌細胞系(MDA−MB
−453及びSK−BR−3)からのneuレセプター
及び放射性標識neuレセプター刺激因子の複合体の電
気泳動(SDS−PAGE)のオートラジオグラムを示
す。複合体を架橋剤(EGS)で化学的に安定化させ
た。複合体を抗neuレセプター(neu−R)モノク
ローナル抗体又は対照抗体で免疫沈降させた。矢印は単
量体(M)及び二量体(D)を示す。複合体の形成を、
過剰の非標識刺激因子(Excess Cold)の添
加により競合させた。分子量マーカーの位置を示す。
【図13】刺激因子がMDA−MB−453ヒト乳癌細
胞系に及ぼす成長阻害効果を示す。MDA−MB−45
3細胞を多重ウェル培養皿に接種し、24時間後に培養
培地を無血清培地で交換した。これにEGF5ng/m
l(正方形)又は刺激因子5ng/ml(円)を補充し
た。対照培地(三角形)にはEGFもneuレセプター
刺激因子も添加しなかった。その後、皿を37℃でイン
キュベートし、指示日に細胞数を2つの培地で決定し
た。平均及びその範囲(バー)を示す。
【図14】本発明のneuレセプター刺激因子で処理し
たAU−565癌細胞におけるDNA濃度の分布を示
す。細胞培養物を刺激因子6ng/mlで5日間処理し
た。対照培養物は未処理のままにした。その後、Feu
lgen反応を使用することにより個々の細胞中のDN
A濃度を決定した。CAS−200 Image An
alyzer(Bacus, S. et al.,
MolecularCarcinogenesis
:350−362, 1990)を用いてコンピュー
ター画像分析により細胞当たりのDNAの定量を実施し
た。上段の数は、細胞周期のG0/G1段における各細胞
のDNA濃度を参照ヒト二倍体細胞の濃度で除すること
により計算したDNA指数を表す。パターンは任意に選
択した少なくとも12個の顕微鏡フィールド(40倍)
を示す。上段パネル(A)は対照(非処理)細胞を表
し、下段パネル(B)はneuレセプター刺激因子で処
理した細胞を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製哺乳動物neuレセプター刺激因
    子。
  2. 【請求項2】 還元及び非還元条件下でSDS−PAG
    Eにより決定した場合に約44000ダルトンの分子量
    を有することを特徴とする請求項1に記載の因子。
  3. 【請求項3】 糖タンパク質であることを特徴とする請
    求項1に記載の因子。
  4. 【請求項4】 22ピコモル以下の濃度でneuレセプ
    ターのチロシンリン酸化を誘導することを特徴とする請
    求項1に記載の因子。
  5. 【請求項5】 細胞増殖及び分化を調節する能力を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の因子。
  6. 【請求項6】 癌細胞の増殖を抑制する能力を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の因子。
  7. 【請求項7】 癌細胞が細胞表面上にneuレセプター
    を発現することを特徴とする請求項6に記載の因子。
  8. 【請求項8】 ラットから単離されることを特徴とする
    請求項1に記載の因子。
  9. 【請求項9】 図7Aのアミノ末端アミノ酸配列を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の因子。
  10. 【請求項10】 図7Bのアミノ末端アミノ酸配列を有
    することを特徴とする請求項1に記載の因子。
  11. 【請求項11】 有効量の請求項1に記載の因子に細胞
    を接触させることを特徴とする細胞増殖及び分化の調節
    方法。
  12. 【請求項12】 哺乳動物で実施することを特徴とする
    請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 ヒトで実施することを特徴とする請求
    項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 腫瘍細胞の表面にneuレセプターを
    発現する哺乳動物腫瘍の治療方法であって、このような
    腫瘍を有する哺乳動物に腫瘍成長を弱めるために有効な
    量の請求項1に記載の因子を投与することを特徴とする
    方法。
  15. 【請求項15】 哺乳動物がヒトであることを特徴とす
    る請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 腫瘍が乳癌、卵巣癌、前立腺癌又は胃
    癌であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の因子を細胞毒性分子
    から選択した1種以上の物質と組み合わせて使用するこ
    とを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 細胞毒性分子が放射性標識分子、毒素
    及びサイトカインであることを特徴とする請求項17に
    記載の方法。
  19. 【請求項19】 腫瘍細胞の表面にneuレセプターを
    発現する哺乳動物腫瘍の診断方法であって、被疑腫瘍細
    胞を請求項1に記載の因子に接触させ、neu因子の結
    合活性を測定し、このような活性の存在によりneuレ
    セプターを発現する腫瘍細胞の存在を検出することを特
    徴とする方法。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載の因子の特異的抗体。
  21. 【請求項21】 請求項1に記載の因子のレベルを検出
    するためのアッセイであって、抗体を因子と反応させる
    のに適切な条件下で因子の特異的抗体を生物組織又は流
    体サンプルに接触させ、サンプル中の因子の量の指標と
    して抗体−抗原反応のレベルを決定することを特徴とす
    る方法。
  22. 【請求項22】 抗体がポリクローナル抗体であること
    を特徴とする請求項21に記載のアッセイ。
  23. 【請求項23】 抗体がモノクローナル抗体であること
    を特徴とする請求項21に記載のアッセイ。
  24. 【請求項24】 精製哺乳動物neuレセプター刺激因
    子の製造方法であって、ras形質転換繊維芽細胞によ
    り馴化した培地に、ヘパリンアフィニティークロマトグ
    ラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、カチオ
    ン交換クロマトグラフィー及び金属キレートアフィニテ
    ィークロマトグラフィーの4段階のうちの少なくとも3
    段階を実施することを特徴とする方法。
  25. 【請求項25】 ヘパリンアフィニティークロマトグラ
    フィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、カチオン
    交換クロマトグラフィー及び金属キレートアフィニティ
    ークロマトグラフィーの4段階を順次実施することを特
    徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 請求項24又は25に記載の方法によ
    り製造された生成物。
  27. 【請求項27】 因子と実質的に同一の生物学的活性を
    有することを特徴とする請求項1に記載の因子の類似
    体、変異体又は活性フラグメント。
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