JPH0650101U - 携帯用灯具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 前方照明用と信号表示用としてそれぞれ兼用
することが可能な携帯用灯具を得る。 【構成】 灯具ハウジング１内に収納された主光源（ク
リプトン電球）６と、この主光源の周囲に配置される複
数の副光源（ＬＥＤ）７と、主光源の光を前方に集光さ
せる一方で副光源の光を側方に反射させる反射体９と、
主光源と副光源とを選択的或いは同時に点灯させるスイ
ッチ３とを備える。クリプトン電球６からの光を、反射
体９の前側反射面９ｂで前方に反射させて灯具の前側に
設けた照明用レンズ１０を通して照明を行う。また、Ｌ
ＥＤ７からの光を反射体の後側反射面９ｃで側方に反射
させて、その周囲に設けた信号用レンズ８を通して信号
表示を行なうようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は携帯用灯具に関し、特に懐中電灯のように前方を照明する一方で、携 帯信号灯としても利用できる携帯用灯具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、携帯用灯具として広く使用されている懐中電灯は、筒状をした灯具内に 電池、電球、反射鏡、レンズ等を一体的に収納し、電球の光を反射鏡で反射し、 かつレンズで集光して前方を照明するように構成されている。 一方、近年では、赤や緑等の光を発光させて各種信号として利用する携帯信号 灯が提案されている。この種の携帯信号灯は、光源に赤色や緑色をした電球や発 光ダイオードを用いた構成であり、或いは光源に白色電球を使用する一方で着色 したレンズを用いた構成であり、いずれにしても点灯時には赤色や緑色に発色さ せて各種信号として利用するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来の携帯用灯具は、前方照明用の灯具として、或いは信号灯とし ての灯具としてそれぞれ専用灯具として構成されている。このため、前方照明と 信号利用とを行う場合には、それぞれの灯具を携帯しなければならない。特に、 交通関係に従事する者は、車両に対する信号表示と、自身が行動する際の照明用 として、灯具を両方に利用することが多い。このような場合に、複数の灯具を携 帯することは、携帯重量が嵩み、行動に制約を受けるとともに、前方照明や信号 表示の操作の迅速性が損なわれることになる。 本考案の目的は、前方照明用と信号表示用としてそれぞれ兼用することが可能 な携帯用灯具を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、灯具ハウジング内に収納された主光源と、この主光源の周囲に配置 される複数の副光源と、主光源の光を前方に集光させる一方で副光源の光を側方 に反射させる反射体と、主光源と副光源とを選択的或いは同時に点灯させるスイ ッチとを備える。 例えば、主光源を電球で構成し、副光源を発光ダイオードで構成し、反射体は 漏斗型とし、その前側内面を主光源からの光を反射する反射面とし、後側外面を 前記副光源からの光を反射させる反射面とした構成とする。

【０００５】

【実施例】

次に、本考案について図面を参照して説明する。図１は本考案の一実施例の部 分分解斜視図、図２はその組立状態の断面図、図３は図２のＡ−Ａ線に沿う断面 図、図４はＢ矢視図である。これらの図において、細い円筒状に形成された灯具 ハウジング１内には、電源として複数本の電池（この例では単二電池２本）Ｂを 直列に収納することができる。この灯具ハウジング１は前側寄りの箇所で長さ方 向に分割された構成とされ、後側の長めの第１ハウジング１Ａと前側の短めの第 ２ハウジング１Ｂとは互いにネジ溝２１によって螺合されるようになっている。 そして、第１ハウジング１Ａの内底には電池Ｄのマイナス側の接点を兼ねたコイ ルバネ２が内装され、第１ハウジング１Ａの内面に設けた図外の導電線を介して ロータリスイッチ３に接続される。このロータリスイッチ３は、第１ハウジング １Ａの後面に配置されており、これを回転操作することで後述するように、前方 照明、赤色発光、緑色発光を切り替えることができるようになっている。

【０００６】 一方、前記第２ハウジング１Ｂには円環状をした基板４が取着され、この基板 ４の中心位置に開設された穴４ａには電球ソケット５が嵌合される。この電球ソ ケット５は、主光源としての電球、ここではクリプトン電球６を支持でき、その プラス端子は後方に突出されて電池Ｂのプラス電極に直接接触される。また、そ のマイナス端子は灯具ハウジング１内に設けて前記ロータリスイッチ３につなが る図外の導電線に接続される。また、前記基板４の前面には複数個（ここでは９ 個）の発光ダイオード（以下、ＬＥＤと称する）７を配置している。これらのＬ ＥＤ７は副光源として構成されるものであり、４個の赤色のＬＥＤ７ｒと、５個 の緑色のＬＥＤ７ｇとを円周方向に交互に配列している。これらのＬＥＤ７は図 外の導電線によって前記電池Ｂ及びロータリスイッチ３に接続される。したがっ て、ロータリスイッチ３の回転位置に応じてクリプトン電球６、赤色ＬＥＤ７ｒ 、及び緑色ＬＥＤ７ｇが選択的に電池Ｂに通電されることになる。

【０００７】 更に、前記第２ハウジング１Ｂの前側には、透明体で短円筒状に形成された信 号用レンズ８がネジ溝２２によって螺合される。この信号用レンズ８は、透明或 いは乳白色をした樹脂材で形成され、その周面に拡散ステップ８ａが形成される 。また、この信号用レンズ８の内部には、全体形状が漏斗型をした反射体９が内 装される。この反射体９は中央位置に前記クリプトン電球６を挿通させる穴９ａ が開設され、かつこの穴９ａの周囲に配されるその前側を向いた内面９ｂ及び後 側を向いた外面９ｃにはそれぞれアルミニウム等を蒸着して反射面として形成し ている。なお、この実施例では、反射体の前側の反射面９ｂは放物反射面として 形成され、後側の反射面９ｃは頂角が略４５度の円錐反射面として形成され、特 に、この後側反射面９ｃは前記信号用レンズ８の周面に向けて対向配置されてい る。

【０００８】 また、この反射体９の前側には、例えば樹脂製のフレネルレンズのように円板 状をした照明用レンズ１０が配置される。この照明用レンズ１０は前縁リング１ １に接着等により固定されており、この前縁リング１１を前記信号用レンズ９の 前側にネジ溝２２により螺合させる。なお、この前縁リング１１を信号用レンズ ８に螺合させることで、前記反射体９は前縁リング１１と電球ソケット５との間 に挟持された状態で支持されることになる。

【０００９】 この構成によれば、ロータリスイッチ３を回転操作することにより、クリプト ン電球６、赤色ＬＥＤ７ｒ、緑色ＬＥＤ７ｇを順次切り替えて点灯させることが できる。この灯具を照明に用いる場合には、ロータリスイッチ３を図４のＷの位 置に回転位置させて、クリプトン電球６を点灯させる。図５に示すように、クリ プトン電球６から射出された白色光Ｌ１は、直接、或い反射体９の前側反射面９ ｂで反射されて前方に向けられ、照明用レンズ１０で集光されて前方に照射され る。これにより、通常の懐中電灯と同様に前方照明用として利用できる。

【００１０】 一方、ロータリスイッチ３を図４のＲ又はＧの位置に回転位置させて赤色ＬＥ Ｄ７ｒ又は緑色ＬＥＤ７ｇを点灯させたときには、これらのＬＥＤで発生された 色光Ｌ２は、図５に示すように、反射体９の後側反射面９ｃで略直角に向けて反 射され、信号用レンズ８の周面を通して側方に照射される。このとき、信号用レ ンズ８の周面に設けた拡散ステップ８ａにより光が拡散される。したがって、こ の状態では灯具の前端寄りの周面が円環帯状に赤色又は緑色に発光され、信号灯 として利用することができる。

【００１１】 なお、ロータリスイッチにより、クリプトン電球と各ＬＥＤを同時に全て点灯 させるようにしてもよく、この場合には照明と信号表示とを同時に行うことがで きる。また、この実施例では、赤色ＬＥＤと緑色ＬＥＤを同時に点灯させるよう にしてもよく、この場合には赤色と緑色が混合された黄色に近い色の信号灯とし て用いることもできる。 ここで、前記実施例は主光源にクリプトン電球を用い、副光源にＬＥＤを用い ているが、必要とされる照度に応じてこれらの光源を任意のものに設定すること ができる。また、信号用に用いる副光源の色は赤色、緑色以外の任意の色に設定 できる。 更に、ロータリスイッチの代わりに、灯具ハウジングの側面にスライドスイッ チを設け、そのスライド位置に応じて各光源を切り替えるようにしてもよい。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、灯具ハウジング内に収納された主光源と、この 主光源の周囲に配置される複数の副光源と、主光源の光を前方に集光させる一方 で副光源の光を側方に反射させる反射体と、主光源と副光源とを選択的或いは同 時に点灯させるスイッチを備えることにより、１つの灯具で照明と信号表示との 両方を行うことができ、携帯に際しての小型、軽量化を可能にして行動の制約を 無くすとともに、スイッチの操作のみで前方照明や信号表示を切り替えることか でき、灯具の利用に際しての操作の迅速性が得られるという効果がある。 また、副光源を反射体の周囲に配置することで、本来は空所となる領域を有効 利用して副光源を配設することができ、副光源を設けたことにより灯具が大型化 することもなく、灯具の小型化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の灯具の一実施例の部分分解斜視図であ
る。

【図２】図１の灯具の組立状態の断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線に沿う拡大断面図である。

【図４】図２のＢ矢視拡大図である。

【図５】反射体による反射状態を示す部分断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 灯具ハウジング ３ ロータリスイッチ ４ 基板 ５ 電球ソケット ６ クリプトン電球（主光源） ７ ＬＥＤ（副光源） ８ 信号用レンズ ９ 反射体 １０ 照明用レンズ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 灯具ハウジング内に収納された主光源
   と、この主光源の周囲に配置される複数の副光源と、前
   記主光源の光を前方に反射させる一方で前記副光源の光
   を側方に反射させる反射体と、前記主光源と副光源とを
   選択的或いは同時に点灯させるスイッチとを備えること
   を特徴とする携帯用灯具。
2. 【請求項２】 主光源を電球で構成し、副光源を発光ダ
   イオードで構成し、反射体は漏斗状に形成し、その前側
   内面を前記主光源からの光を反射する反射面とし、後側
   外面を前記副光源からの光を反射させる反射面としてな
   る請求項１の携帯用灯具。