JPH0649945B2 - ダイヤモンド被覆水素脆性金属及びその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド被覆水素脆性金属及びその製造方法

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JPH0649945B2
JPH0649945B2 JP63252285A JP25228588A JPH0649945B2 JP H0649945 B2 JPH0649945 B2 JP H0649945B2 JP 63252285 A JP63252285 A JP 63252285A JP 25228588 A JP25228588 A JP 25228588A JP H0649945 B2 JPH0649945 B2 JP H0649945B2
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敬一朗 田辺
貴浩 今井
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、表面をダイヤモンド薄膜で被覆した水素脆性
金属及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
ダイヤモンドは、従来高温高圧の熱力学的安定状態から
合成されていたが、最近では化学気相合成法により低圧
もしくは常圧で基材上に薄膜状のダイヤモンドが合成さ
れるようになつた。
かかる化学気相合成法(所謂CVD法)では、炭化水素
と水素の混合ガスを使用し、例えばマイクロ波無極放電
(特開昭58-110494号公報)、水素プラズマ(特開昭58-
135117号公報)及びマイクロ波プラズマ(特開昭59-303
98号公報)等により上記混合ガスを励起して、基板上に
ダイヤモンド薄膜を形成するものである。又、最近で
は、炭素源としてアルコール等を用いたり、直流バイア
スの印加により成膜速度を高める方法(特開昭59-35092
号公報)等も提案されている。上記いずれの方法におい
ても、結晶性のよいダイヤモンド薄膜を形成する条件
は、無定形遊離炭素などの析出を防ぐため炭化水素を10
倍以上の水素で希釈した混合ガスを用い、基板温度は70
0〜1000℃とされている。
このようにして金属やセラミツクスの表面に結晶性のよ
いダイヤモンド薄膜を形成することによつて、耐摩耗性
を向上させたり、摩擦係数を下げたりすることが出来る
ので、ダイヤモンド被覆材料は切削工具、メカニカルシ
ール、スピーカー用振動板、集積回路基板などの用途に
利用されつつある。
しかしながら、チタンやジルコニウム、又はその合金、
及びニツケルクロム鋼などの強靱鋼などの水素脆性金属
には上記の方法によりダイヤモンド薄膜を形成すること
は出来なかつた。チタンやジルコニウム、又はその合金
は比強度が高く、航空及び宇宙工学材料等として、又強
靱鋼は構造用材料や工具材料として一般に使用されてい
る。ところが、これらの金属は水素脆性金属と称され化
学的に非常に活性であるため、炭化水素と水素を原料と
した還元性雰囲気で行なわれる従来のCVD法では、プ
ラズマ中の炭素や水素と反応して不安定で脆い炭化チタ
ンのような炭化物や水素化チタン等の水素化物が形成さ
れる。
このため、従来のCVD法により水素脆性金属表面に結
晶性のよいダイヤモンド薄膜を被覆しようとしても、炭
化物や水素化物の生成により水素脆性金属の特性や形状
自体が損なわれ、且つ密着性のよいダイヤモンド薄膜が
形成できなかつた。又、水素脆性金属の基材が厚さ5mm
以下の場合や長時間プラズマにさらされた場合には、炭
化物や水素化物の生成が激しく、遂には基材自体が破損
に至ることもあつた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の如く、炭化水素と水素の混合ガスを用いる従来の
化学気相合成法では、水素脆性金属が炭化物や水素化物
を生成してしまうので、水素脆性金属を密着性のよいダ
イヤモンド薄膜で被覆することは不可能であつた。
本発明はかかる従来の事情に鑑み、表面に密着性のよい
ダイヤモンド薄膜を直接形成した水素脆性金属を提供す
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明のダイヤモンド薄膜被
覆水素脆性金属の製造方法においては、炭素含有ガス
と、不活性ガス、酸素ガス、フツ素ガス、塩素ガス及び
水蒸気の少なくとも一種とからなる混合ガスを用い、10
〜760torrの圧力で、直流又は交流の電界によつて生成
させたプラズマにより前記混合ガスを励起分解し、水素
脆性金属の表面に直接ダイヤモンド薄膜を形成すること
を特徴とする。
従つて、上記方法により得られる本発明のダイヤモンド
薄膜被覆水素脆性金属は、水素脆性金属と、水素脆性金
属の表面に中間層を介在させず直接形成された密着性の
よいダイヤモンド薄膜とからなるものである。
尚、本発明において水素脆性金属とは、チタン及びジル
コニウム、5重量%以上のチタン又はジルコニウムを含
有する合金、及びニツケル、クロム、モリブデンを各々
5重量%以下含有する強靱鋼を意味する。
本発明方法で用いる炭素含有ガスとしては、メタン、エ
タン、エチレン等の炭化水素、エタノール等のアルコー
ル、若しくは一酸化炭素などがあり、これらはプラズマ
反応領域にガス状で供給される限り、その供給源が液体
や固体であつても良いことは勿論である。
〔作用〕
本発明においては、水素ガスを使用せず、代りに不活性
ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe)か又はエツチングガス(酸
素ガス、フツ素ガス、塩素ガス、水蒸気)若しくはそれ
らの混合ガスを使用し、水素ガスを用いた場合よりも高
い圧力で活性度の高いプラズマを生成させるので、水素
脆性金属表面に結晶性のよいダイヤモンド薄膜を高速で
成長させることが出来る。又、水素ガスを使用しないの
で、水素脆性金属の脆化又は特性の低下、若しくは形状
の変化がなく、化合物層その他の中間層を介在させず直
接その表面に密着性のよいダイヤモンド薄膜を形成する
ことが出来る。
ダイヤモンド薄膜の形成に用いる化学気相合成法は、直
流又は交流の電界により放電を起してプラズマを生成さ
せ、原料ガスを分解励起する方法(例えばマイクロ波C
VD法、RFプラズマCVD法、DCプラズマCVD法
等)であれば良く、他の方法では結晶性及び密着性のよ
いダイヤモンド薄膜が得られない。又、圧力は10〜760t
orr、好ましくは30〜500torrとする。圧力が10torr未満
では均一で高密度のプラズマが安定して得られない為結
晶性のよいダイヤモンド薄膜を形成できず、逆に760tor
rを超えるとプラズマを安定して生成することは困難で
ある。
〔実施例〕
図面に示すマイクロ波プラズマCVD装置を用いて、水
素脆性金属表面にダイヤモンド薄膜を形成した。即ち、
石英管2からなる反応室内に水素脆性金属としてTiの基
材1(30mm×30mm×1mmt)を配置し、真空排気口3か
ら内部を排気した後、ガス導入口4からArガスを200cc
/minで導入し、マグネトロン5から導波管6を通して
マイクロ波を照射し、1torrでプラズマ8を発生させ
た。ここでガス導入口4から更にCH4ガスを2cc/minで
導入し、プランジヤー7で圧力を500torrに調整しなが
らマイクロ波電力を600Wに上昇させ、基材温度880℃で
15分間の気相反応を行なつた。
得られた試料NO.1のTi基材1上には膜厚1μmの薄膜
が形成され、この薄膜をX線回折及びRHEED(高速
電子線回折)により調べると、結晶性のダイヤモンドで
あることが確認できた。電子線回折により測定した上記
ダイヤモンド薄膜の面間隔を第1表に示した。
次に、上記実施例(試料NO.1)と同様にして、但し基
材や導入ガスの種類、圧力等の反応条件を変化させ、試
料NO.2〜19を得た。これらの試料で得られた薄膜の評
価、薄膜の剥離や基材変形の有無、及び用いた反応条件
その他を、前記の試料NO.1と併せて下記第2表に要約
して示した。
第2表から、水素ガスを用いない本発明例の試料NO.1
〜9では基材表面に密着性の良いダイヤモンド薄膜を形
成できるが、水素ガスを混合した比較例の試料NO.11〜1
9では主に炭化物の生成によりダイヤモンド薄膜が得ら
れないか、若しくは得られても密着性が極めて低いこと
が判る。又、水素ガスを用いなくても圧力が10torr未満
では、試料NO.10の如くダイヤモンドが生成されない。
尚、マイクロ波プラズマCVD法以外の直流又は交流の
電界により生成させたプラズマを用いるCVD法でも、
上記と同様の効果が得られた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、炭化物や水素化物の生成がないので水
素脆性金属の特性や形状を損なうことがなく、水素脆性
金属の表面に直接結晶性の良いダイヤモンド薄膜を密着
性よく形成できる。特に、水素脆性金属の厚さが5mm以
下、例えば0.2mm程度であつても、ダイヤモンド薄膜で
被覆することが可能である。
従つて、本発明のダイヤモンド被覆水素脆性金属は、表
面のダイヤモンドの特性と内部の水素脆性金属の特性と
を兼ね備え、航空機材料、宇宙工学材料、原子力工学材
料、切削工具材料、メカニカルシールのような耐摩耗特
性を要する材料、音響用スピーカーの振動板のような高
比弾性を要する材料、集積回路基板のような低誘電率を
要する材料などとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
図面はマイクロ波プラズマCVD装置を示す概略図であ
る。 1……基材、2……石英管 3……真空排気口、4……ガス導入口 5……マグネトロン、6……導波管 7……プランジヤー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン又はジルコニウム、チタン又はジル
    コニウムを5重量%以上含有する合金、若しくはニツケ
    ル、クロム、モリブデンを各々5重量%以下含有する強
    靱鋼からなる水素脆性金属と、該水素脆性金属の表面に
    中間層を介在させずに直接形成された密着性の良いダイ
    ヤモンド薄膜とからなることを特徴とするダイヤモンド
    被覆水素脆性金属。
  2. 【請求項2】炭素含有ガスと、不活性ガス、酸素ガス、
    フツ素ガス、塩素ガス及び水蒸気の少なくとも一種とか
    らなる混合ガスを用い、10〜760torrの圧力で、直流又
    は交流の電界によつて生成させたプラズマにより前記混
    合ガスを励起分解し、チタン又はジルコニウム、チタン
    又はジルコニウムを5重量%以上含有する合金、若しく
    はニツケル、クロム、モリブデンを各々5重量%以下含
    有する強靱鋼からなる水素脆性金属の表面に、中間層を
    介在させずに直接ダイヤモンド薄膜を形成することを特
    徴とする、ダイヤモンド被覆水素脆性金属の製造方法。
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