JPH0649508A - 金属粉末溶浸成形物の製造方法 - Google Patents
金属粉末溶浸成形物の製造方法Info
- Publication number
- JPH0649508A JPH0649508A JP20266492A JP20266492A JPH0649508A JP H0649508 A JPH0649508 A JP H0649508A JP 20266492 A JP20266492 A JP 20266492A JP 20266492 A JP20266492 A JP 20266492A JP H0649508 A JPH0649508 A JP H0649508A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- infiltration
- powder
- compact
- sintering
- metal powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 溶浸時の寸法変化のバラツキを防止するこ
と。 【構成】 焼結用金属粉末と有機バインダーと水又は有
機溶剤とが混合されたスラリーを成形型に注入加圧し、
スラリー中の液分を脱液し、粉体同士を接触させると共
にバインダーを介して固形化した粉末成形体を得、該粉
末成形体を焼結した後、焼結体の空孔部に金属溶湯を溶
浸させる金属粉末溶浸成形物の製造方法において、焼結
用金属粉末としてFe合金粉末を用いて形成した粉末成
形体を焼結し、次いで溶浸材としてCu−Fe−Mn合
金を用いて1100℃以上で前記焼結体に溶浸するに当り、
加熱炉内で、前記焼結体及び溶浸材を溶浸保持温度まで
接触することなく各々加熱した後、焼結体に溶浸材を接
触させて溶浸する。
と。 【構成】 焼結用金属粉末と有機バインダーと水又は有
機溶剤とが混合されたスラリーを成形型に注入加圧し、
スラリー中の液分を脱液し、粉体同士を接触させると共
にバインダーを介して固形化した粉末成形体を得、該粉
末成形体を焼結した後、焼結体の空孔部に金属溶湯を溶
浸させる金属粉末溶浸成形物の製造方法において、焼結
用金属粉末としてFe合金粉末を用いて形成した粉末成
形体を焼結し、次いで溶浸材としてCu−Fe−Mn合
金を用いて1100℃以上で前記焼結体に溶浸するに当り、
加熱炉内で、前記焼結体及び溶浸材を溶浸保持温度まで
接触することなく各々加熱した後、焼結体に溶浸材を接
触させて溶浸する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属粉末の溶浸成形物の
製造方法に関し、金属粉末スラリーを目的の形状、或い
は後工程での収縮を見込んだ相似形に成形し、これを焼
結、溶浸して各種の機械部品、金型等を作る技術分野に
利用される。
製造方法に関し、金属粉末スラリーを目的の形状、或い
は後工程での収縮を見込んだ相似形に成形し、これを焼
結、溶浸して各種の機械部品、金型等を作る技術分野に
利用される。
【0002】
【従来の技術】出願人は先に出願した未公開の特願平 3
−84201 号において提案したように、低容量のプレスで
焼結用金属粉末の成形が可能で、高強度、高精度な焼
結、溶浸金型の製造方法を提案した。この方法は、図1
に示すように、製品金型と相似形状の転写面5Aを有する
反転モデル5 を成形型1 内に収納し、焼結用金属粉末に
有機バインダーおよび水 (又は有機溶剤) を添加混合し
たスラリー7 を前記1 に注入加圧し、スラリー7 中の液
分を成形型1 に設けた微小なスリット3 から排出すると
共に加圧時に同時に気化消失させて、粉末同士が接触
し、かつ有機バインダーを介して固形化した金属粉末成
形体を製作し、次に該成形体を成形型1 より取り出し
て、焼結した後、該焼結体よりも低融点の金属材料Cu
−Fe−Mn合金を同焼結体に溶浸する方法である。
−84201 号において提案したように、低容量のプレスで
焼結用金属粉末の成形が可能で、高強度、高精度な焼
結、溶浸金型の製造方法を提案した。この方法は、図1
に示すように、製品金型と相似形状の転写面5Aを有する
反転モデル5 を成形型1 内に収納し、焼結用金属粉末に
有機バインダーおよび水 (又は有機溶剤) を添加混合し
たスラリー7 を前記1 に注入加圧し、スラリー7 中の液
分を成形型1 に設けた微小なスリット3 から排出すると
共に加圧時に同時に気化消失させて、粉末同士が接触
し、かつ有機バインダーを介して固形化した金属粉末成
形体を製作し、次に該成形体を成形型1 より取り出し
て、焼結した後、該焼結体よりも低融点の金属材料Cu
−Fe−Mn合金を同焼結体に溶浸する方法である。
【0003】この方法では、特に焼結用金属粉末を有す
るスラリーが流動性に富んでいる為、1000kgf/cm2 以下
の低圧でも容易に複雑形状に成形できる利点がある。
又、焼結用金属粉末の炭素量、含有微粉末量、焼結溶浸
条件を調整し、焼結、溶浸時の寸法変化率を小さくする
事により寸法変化のバラツキを防止する。更に、溶浸材
としてCu−Fe−Mn合金を用いることにより、高精
度で高強度の焼結溶浸金型の製造が可能となる。ここ
で、具体的な溶浸方法としては、例えば、耐熱容器の中
に、焼結体とその下に溶浸材板を置いた状態で、炉中で
1100℃以上で加熱処理し、焼結体空孔内に溶融溶浸材を
含浸させる方法が提案されている。
るスラリーが流動性に富んでいる為、1000kgf/cm2 以下
の低圧でも容易に複雑形状に成形できる利点がある。
又、焼結用金属粉末の炭素量、含有微粉末量、焼結溶浸
条件を調整し、焼結、溶浸時の寸法変化率を小さくする
事により寸法変化のバラツキを防止する。更に、溶浸材
としてCu−Fe−Mn合金を用いることにより、高精
度で高強度の焼結溶浸金型の製造が可能となる。ここ
で、具体的な溶浸方法としては、例えば、耐熱容器の中
に、焼結体とその下に溶浸材板を置いた状態で、炉中で
1100℃以上で加熱処理し、焼結体空孔内に溶融溶浸材を
含浸させる方法が提案されている。
【0004】一般的に溶浸処理においては、処理体 (焼
結体) は粉末間の焼結および溶融溶浸材の侵入に伴う溶
浸現象により体積変化を生ずる。従って、所望の寸法の
溶浸成形物を得る為には、前もって、この変化分だけ加
味した大きさの反転モデルを製作しておく必要がある。
従って、溶浸成形物の寸法精度を支配する一番の要因は
この体積変化による寸法変化の予測を如何に正確に行な
うかである。
結体) は粉末間の焼結および溶融溶浸材の侵入に伴う溶
浸現象により体積変化を生ずる。従って、所望の寸法の
溶浸成形物を得る為には、前もって、この変化分だけ加
味した大きさの反転モデルを製作しておく必要がある。
従って、溶浸成形物の寸法精度を支配する一番の要因は
この体積変化による寸法変化の予測を如何に正確に行な
うかである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術におい
ては、この寸法変化が焼結体の位置により不規則的に異
なり、特に焼結体サイズが大きくなる程、その傾向が顕
著となる。従って、上述の寸法変化の予測値の精度が悪
く、高精度を要求される溶浸成形物の製造には適さない
面がある。
ては、この寸法変化が焼結体の位置により不規則的に異
なり、特に焼結体サイズが大きくなる程、その傾向が顕
著となる。従って、上述の寸法変化の予測値の精度が悪
く、高精度を要求される溶浸成形物の製造には適さない
面がある。
【0006】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたもので、溶浸時の寸法変化のバラツキを防止する
溶浸方法を提供することを目的とする。
されたもので、溶浸時の寸法変化のバラツキを防止する
溶浸方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明の金属粉末成形物の製造方法は、焼結
用金属粉末と有機バインダーと水又は有機溶剤とが混合
されたスラリーを成形型に注入加圧し、スラリー中の液
分を脱液し、粉体同士を接触させると共にバインダーを
介して固形化した粉末成形体を得、該粉末成形体を焼結
した後、焼結体の空孔部に金属溶湯を溶浸させる金属粉
末溶浸成形物の製造方法において、焼結用金属粉末とし
てFe合金粉末を用いて形成した粉末成形体を焼結し、
次いで溶浸材としてCu−Fe−Mn合金を用いて1100
℃以上で前記焼結体に溶浸するに当り、加熱炉内で、前
記焼結体及び溶浸材を溶浸保持温度まで接触することな
く各々加熱した後、焼結体に溶浸材を接触させて溶浸す
ることを発明の構成とするものである。
になされた本発明の金属粉末成形物の製造方法は、焼結
用金属粉末と有機バインダーと水又は有機溶剤とが混合
されたスラリーを成形型に注入加圧し、スラリー中の液
分を脱液し、粉体同士を接触させると共にバインダーを
介して固形化した粉末成形体を得、該粉末成形体を焼結
した後、焼結体の空孔部に金属溶湯を溶浸させる金属粉
末溶浸成形物の製造方法において、焼結用金属粉末とし
てFe合金粉末を用いて形成した粉末成形体を焼結し、
次いで溶浸材としてCu−Fe−Mn合金を用いて1100
℃以上で前記焼結体に溶浸するに当り、加熱炉内で、前
記焼結体及び溶浸材を溶浸保持温度まで接触することな
く各々加熱した後、焼結体に溶浸材を接触させて溶浸す
ることを発明の構成とするものである。
【0008】
【作用】溶浸時の昇温過程において溶浸材であるCu−
Fe−Mnは1050℃から徐々に溶融しはじめ、溶融溶浸
材は焼結体内に侵入、寸法変化を生じせしめる。この際
の寸法変化、焼結体内への侵入速度、経路は、侵入温
度、保持時間により異なった挙動を示す。
Fe−Mnは1050℃から徐々に溶融しはじめ、溶融溶浸
材は焼結体内に侵入、寸法変化を生じせしめる。この際
の寸法変化、焼結体内への侵入速度、経路は、侵入温
度、保持時間により異なった挙動を示す。
【0009】従って、1050℃から溶浸保持温度迄の昇温
過程においては、非定常な状態、つまり、焼結体の位置
によって異なった温度、時間で溶融、溶浸材が侵入する
為、各位置によって寸法変化の差を生じる。しかるに、
本発明による溶浸手段では、焼結体、溶浸材が溶浸保持
温度まで接触することなく別々に加熱された後、一定温
度の溶融溶浸材が同一一定温度の焼結体に侵入する為、
上述のような位置による寸法変化のバラツキが無い。
過程においては、非定常な状態、つまり、焼結体の位置
によって異なった温度、時間で溶融、溶浸材が侵入する
為、各位置によって寸法変化の差を生じる。しかるに、
本発明による溶浸手段では、焼結体、溶浸材が溶浸保持
温度まで接触することなく別々に加熱された後、一定温
度の溶融溶浸材が同一一定温度の焼結体に侵入する為、
上述のような位置による寸法変化のバラツキが無い。
【0010】
【実施例】まず、本発明に使用するスラリーについて説
明する。スラリーは、焼結用金属粉末と有機バインダー
と水又はアルコール等の有機溶剤とが混合されて形成さ
れたものである。焼結用金属粉末としては、Cを 0.6〜
1.0 wt%含有した炭素鋼、ステンレス鋼等のFe合金粉
末を用いる。
明する。スラリーは、焼結用金属粉末と有機バインダー
と水又はアルコール等の有機溶剤とが混合されて形成さ
れたものである。焼結用金属粉末としては、Cを 0.6〜
1.0 wt%含有した炭素鋼、ステンレス鋼等のFe合金粉
末を用いる。
【0011】このさい、好ましくは前記Fe合金粉末の
粒度分布は粒径50μm 以下の粉末が2%以下のものを使
用し、Fe合金粉末以外の粉末は使用しない。こゝで前
記粒径が50μm 以下の粉末が 2%以下としたのは焼結時
の寸法変化を小さくする。また、寸法変化率のバラツキ
を防ぐという理由からである。前記粉末に添加される有
機バインダーとしては、スラリー液分である水又は有機
溶剤に溶けるもの、例えば、アクリル樹脂系、酢酸セル
ロース系、熱硬化性樹脂系のものを使用することがで
き、アクリル樹脂系バインダーの具体例として商品名
「バインドセラムWA320 」 (三井東圧化学製) を例示
することができる。
粒度分布は粒径50μm 以下の粉末が2%以下のものを使
用し、Fe合金粉末以外の粉末は使用しない。こゝで前
記粒径が50μm 以下の粉末が 2%以下としたのは焼結時
の寸法変化を小さくする。また、寸法変化率のバラツキ
を防ぐという理由からである。前記粉末に添加される有
機バインダーとしては、スラリー液分である水又は有機
溶剤に溶けるもの、例えば、アクリル樹脂系、酢酸セル
ロース系、熱硬化性樹脂系のものを使用することがで
き、アクリル樹脂系バインダーの具体例として商品名
「バインドセラムWA320 」 (三井東圧化学製) を例示
することができる。
【0012】スラリーの組成は、使用する焼結用金属粉
末の粒径によっても異なるが、概ね、金属粉末 100重量
部に対してバインダー 4〜8 重量部、水もしくは有機溶
剤 1〜2 重量部程度である。次に、本発明に使用する成
形型について説明する。成形型は焼結用金属粉末の平均
粒子径をdとしたとき、スリットの幅Sが10μm ≦S≦
3dとされた線状のスリットが形成されたものが使用さ
れる。型の材質としては、通常の金型材を使用すればよ
く、特殊な材料は不要である。スリット幅Sを10μm 以
上とするのは、10μm 未満のスリットを形成すること
は、通常の工業的機械的加工手段では困難であり、また
コスト高の要因となるからである。一方、Sを 3d以下
に制限されるのは、 3dを越えると金属粉末がスリット
から流出し成形困難のため不可能になるからである。
末の粒径によっても異なるが、概ね、金属粉末 100重量
部に対してバインダー 4〜8 重量部、水もしくは有機溶
剤 1〜2 重量部程度である。次に、本発明に使用する成
形型について説明する。成形型は焼結用金属粉末の平均
粒子径をdとしたとき、スリットの幅Sが10μm ≦S≦
3dとされた線状のスリットが形成されたものが使用さ
れる。型の材質としては、通常の金型材を使用すればよ
く、特殊な材料は不要である。スリット幅Sを10μm 以
上とするのは、10μm 未満のスリットを形成すること
は、通常の工業的機械的加工手段では困難であり、また
コスト高の要因となるからである。一方、Sを 3d以下
に制限されるのは、 3dを越えると金属粉末がスリット
から流出し成形困難のため不可能になるからである。
【0013】成形型の具体例を図1に示す。成形型1
は、外枠4 の内部底面に、製品相似形状の転写面5Aを有
する反転モデル5 が設けられ、外枠4 の上部開口には加
圧プランジャ6 が嵌合されている。更に、外枠4 は縦方
向に適宜分割されており、対向する分割面相互間にスリ
ット幅Sを10μm ≦S≦ 3dとされたスリット3 が形成
され、また、加圧プランジャ6 および反転モデル5 と外
枠4 の型面との間にも同様寸法の間隙3Aが形成され、ス
リット3 は、成形室から見れば線状となっている。
は、外枠4 の内部底面に、製品相似形状の転写面5Aを有
する反転モデル5 が設けられ、外枠4 の上部開口には加
圧プランジャ6 が嵌合されている。更に、外枠4 は縦方
向に適宜分割されており、対向する分割面相互間にスリ
ット幅Sを10μm ≦S≦ 3dとされたスリット3 が形成
され、また、加圧プランジャ6 および反転モデル5 と外
枠4 の型面との間にも同様寸法の間隙3Aが形成され、ス
リット3 は、成形室から見れば線状となっている。
【0014】なお、図1において、7 はスラリーであ
り、反転モデル5 を仕込んだ成形室に注入充填されてい
る。また、8 はヒーターであり、必要に応じて設けられ
る。次に、焼結溶浸金型の製造プロセスの概略を説明す
る。製品図面から反転モデル5 を別途製作し、反転モデ
ル5 はこれを成形型1 における外枠4 の底部に装設す
る。
り、反転モデル5 を仕込んだ成形室に注入充填されてい
る。また、8 はヒーターであり、必要に応じて設けられ
る。次に、焼結溶浸金型の製造プロセスの概略を説明す
る。製品図面から反転モデル5 を別途製作し、反転モデ
ル5 はこれを成形型1 における外枠4 の底部に装設す
る。
【0015】一方、混合、混練、脱泡処理して、調整さ
れたスラリーを成形型1 内に注型し、加圧プランジャ6
により、加圧押込み、スラリー7 を加圧する。20〜1000
kgf/cm2 の加圧により、スラリー中の液分は成形型1 側
のスリット3 から排出される。スラリー中の粉末同士が
接触するまで加圧脱液されると、粉末同士は粒子間に存
在するバインダーを含んだ溶媒を介して固形化され、反
転モデル5 の表面形状を転写した粉末成形体が形成され
る。
れたスラリーを成形型1 内に注型し、加圧プランジャ6
により、加圧押込み、スラリー7 を加圧する。20〜1000
kgf/cm2 の加圧により、スラリー中の液分は成形型1 側
のスリット3 から排出される。スラリー中の粉末同士が
接触するまで加圧脱液されると、粉末同士は粒子間に存
在するバインダーを含んだ溶媒を介して固形化され、反
転モデル5 の表面形状を転写した粉末成形体が形成され
る。
【0016】この粉末成形体を成形型1 より脱型後、乾
燥、焼結処理を行なう。次いで、前記焼結処理の行われ
た焼結体の空孔部に、Cu−Fe−Mn合金からなる溶
浸材を溶浸させるのであるが、本発明はこの溶浸処理手
段に特徴があり、加熱炉内で、前記焼結体および溶浸材
を溶浸保持温度まで接触することなく各々加熱した後、
焼結体に溶浸材を接触させて溶浸するのである。
燥、焼結処理を行なう。次いで、前記焼結処理の行われ
た焼結体の空孔部に、Cu−Fe−Mn合金からなる溶
浸材を溶浸させるのであるが、本発明はこの溶浸処理手
段に特徴があり、加熱炉内で、前記焼結体および溶浸材
を溶浸保持温度まで接触することなく各々加熱した後、
焼結体に溶浸材を接触させて溶浸するのである。
【0017】なお、溶浸材としては好ましくはFe 4〜
5 %、Mn 4〜5 %、Cu 残部の合金材を使用する。次
に具体的実施例を掲げて説明する。 (1) 表1において、資料No 1〜4 に示した各種焼結用
粉末を用いて、所要のスラリーを調整した。スラリーの
配合は粉末 100重量部に対して「バインドセラムWA32
0 」を粉末に応じてスラリー状を呈するように調整し
た。 (2) 前記調整スラリーを図1に示した成形枠(内径24
0 φ) に注入し加圧プランジャーにより20kg/cm2で加圧
した。さらに、20kg/cm2に圧力を保持した状態で型全体
を 100℃に加熱した。 (3) 充分な加圧脱液後、粉末成形体を成形枠1 より離
型し、乾燥炉中で乾燥した。 (4) 乾燥処理した粉末成形体を 900℃,1100 ℃×2hr
の焼結条件下で焼結炉中で焼結させた。 (5) 焼結後、得られた焼結体11、溶浸材10であるCu
−Fe−Mn合金板を図4に示す溶浸用治具にセットし
た状態で加熱炉15に装入して加熱し、1100℃×1hr 保持
後、ワイヤー14を炉外より操作し、焼結体11に溶融Cu
−Fe−Mn合金を流し込み溶浸させ、更に 3hr保持後
冷却し、焼結溶浸成形物を得た。 (6) 溶浸後、該溶浸成形物における図3矢印で示した
各1個所の溶浸時の寸法変化率を測定し、その最大値と
最小値の差を表1における寸法変化差欄における本発明
法に記載した。
5 %、Mn 4〜5 %、Cu 残部の合金材を使用する。次
に具体的実施例を掲げて説明する。 (1) 表1において、資料No 1〜4 に示した各種焼結用
粉末を用いて、所要のスラリーを調整した。スラリーの
配合は粉末 100重量部に対して「バインドセラムWA32
0 」を粉末に応じてスラリー状を呈するように調整し
た。 (2) 前記調整スラリーを図1に示した成形枠(内径24
0 φ) に注入し加圧プランジャーにより20kg/cm2で加圧
した。さらに、20kg/cm2に圧力を保持した状態で型全体
を 100℃に加熱した。 (3) 充分な加圧脱液後、粉末成形体を成形枠1 より離
型し、乾燥炉中で乾燥した。 (4) 乾燥処理した粉末成形体を 900℃,1100 ℃×2hr
の焼結条件下で焼結炉中で焼結させた。 (5) 焼結後、得られた焼結体11、溶浸材10であるCu
−Fe−Mn合金板を図4に示す溶浸用治具にセットし
た状態で加熱炉15に装入して加熱し、1100℃×1hr 保持
後、ワイヤー14を炉外より操作し、焼結体11に溶融Cu
−Fe−Mn合金を流し込み溶浸させ、更に 3hr保持後
冷却し、焼結溶浸成形物を得た。 (6) 溶浸後、該溶浸成形物における図3矢印で示した
各1個所の溶浸時の寸法変化率を測定し、その最大値と
最小値の差を表1における寸法変化差欄における本発明
法に記載した。
【0018】従来法に示された数値は同様数値である
が、この場合は本発明法と異なり、図4の治具を用い
ず、焼結体周囲に溶浸材を置き、上述の本発明の場合と
同一の加熱パターンで溶浸を行なう従来技術を用いた場
合を示す。以上のとおり両数値の比較で明瞭なように、
本発明方法により得られる溶浸成形物の方が寸法変化の
差が小さく高い精度のもとに製作可能となったものであ
る。
が、この場合は本発明法と異なり、図4の治具を用い
ず、焼結体周囲に溶浸材を置き、上述の本発明の場合と
同一の加熱パターンで溶浸を行なう従来技術を用いた場
合を示す。以上のとおり両数値の比較で明瞭なように、
本発明方法により得られる溶浸成形物の方が寸法変化の
差が小さく高い精度のもとに製作可能となったものであ
る。
【0019】ここで、図4に示した本発明で用いた治具
について説明する。溶浸耐熱容器19中の溶浸材容器9 内
に焼結体11を置き、その周囲に溶浸材ストッパー18、さ
らに外側に溶浸材10をセットする。これにより、溶浸加
熱時に溶浸材10が、溶融してもストッパー18で焼結体11
には接触しない。そして所定の溶浸保持温度に到達後、
炉15外よりおもり12の支持棒操作線14を引き、支持棒13
をはずす事により、おもり12が落下、てこ16の先のスト
ッパーつり具17を介してストッパー18が上部に上がり、
溶融溶浸材10が焼結体11に流れ込み、所定の溶浸処理を
施すこととなる。
について説明する。溶浸耐熱容器19中の溶浸材容器9 内
に焼結体11を置き、その周囲に溶浸材ストッパー18、さ
らに外側に溶浸材10をセットする。これにより、溶浸加
熱時に溶浸材10が、溶融してもストッパー18で焼結体11
には接触しない。そして所定の溶浸保持温度に到達後、
炉15外よりおもり12の支持棒操作線14を引き、支持棒13
をはずす事により、おもり12が落下、てこ16の先のスト
ッパーつり具17を介してストッパー18が上部に上がり、
溶融溶浸材10が焼結体11に流れ込み、所定の溶浸処理を
施すこととなる。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明は、焼結用金属粉末と有機バイン
ダーと水又は有機溶剤とが混合されたスラリーを成形型
に注入加圧し、スラリー中の液分を脱液し、粉体同士を
接触させると共にバインダーを介して固形化した粉末成
形体を得、該粉末成形体を焼結した後、焼結体の空孔部
に金属溶湯を溶浸させる金属粉末溶浸成形物の製造方法
において、焼結用金属粉末としてFe合金粉末を用いて
形成した粉末成形体を焼結し、次いで溶浸材としてCu
−Fe−Mn合金を用いて1100℃以上で前記焼結体に溶
浸するに当り、加熱炉内で、前記焼結体及び溶浸材を溶
浸保持温度まで接触することなく各々加熱した後、焼結
体に溶浸材を接触させて溶浸するようにしたので、得ら
れた溶浸成形物は高い精度のもとに製作が可能となっ
た。
ダーと水又は有機溶剤とが混合されたスラリーを成形型
に注入加圧し、スラリー中の液分を脱液し、粉体同士を
接触させると共にバインダーを介して固形化した粉末成
形体を得、該粉末成形体を焼結した後、焼結体の空孔部
に金属溶湯を溶浸させる金属粉末溶浸成形物の製造方法
において、焼結用金属粉末としてFe合金粉末を用いて
形成した粉末成形体を焼結し、次いで溶浸材としてCu
−Fe−Mn合金を用いて1100℃以上で前記焼結体に溶
浸するに当り、加熱炉内で、前記焼結体及び溶浸材を溶
浸保持温度まで接触することなく各々加熱した後、焼結
体に溶浸材を接触させて溶浸するようにしたので、得ら
れた溶浸成形物は高い精度のもとに製作が可能となっ
た。
【図1】金属粉末成形体を成形するための成形型の断面
図である。
図である。
【図2】金属粉末成形体を製造する工程図である。
【図3】溶浸成形物の寸法変化率を測定する説明図であ
る。
る。
【図4】本発明での溶浸手段の一例説明図である。
1 成形型 5 反転モデル 7 スラリー 9 溶浸材容器 10 溶浸材 11 焼結体 12 おもり 13 おもり支持棒 14 ワイヤー 15 加熱炉 16 てこ 17 ストッパー吊具 18 溶浸材ストッパー 19 溶浸耐熱容器
Claims (1)
- 【請求項1】 焼結用金属粉末と有機バインダーと水又
は有機溶剤とが混合されたスラリーを成形型に注入加圧
し、スラリー中の液分を脱液し、粉体同士を接触させる
と共にバインダーを介して固形化した粉末成形体を得、
該粉末成形体を焼結した後、焼結体の空孔部に金属溶湯
を溶浸させる金属粉末溶浸成形物の製造方法において、 焼結用金属粉末としてFe合金粉末を用いて形成した粉
末成形体を焼結し、次いで溶浸材としてCu−Fe−M
n合金を用いて1100℃以上で前記焼結体に溶浸するに当
り、加熱炉内で、前記焼結体及び溶浸材を溶浸保持温度
まで接触することなく各々加熱した後、焼結体に溶浸材
を接触させて溶浸することを特徴とする金属粉末溶浸成
形物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20266492A JPH0649508A (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | 金属粉末溶浸成形物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20266492A JPH0649508A (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | 金属粉末溶浸成形物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0649508A true JPH0649508A (ja) | 1994-02-22 |
Family
ID=16461106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20266492A Pending JPH0649508A (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | 金属粉末溶浸成形物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0649508A (ja) |
-
1992
- 1992-07-29 JP JP20266492A patent/JPH0649508A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0311407B1 (en) | Process for fabricating parts for particulate material | |
US3346680A (en) | Method of molding comminuted nonplastic inorganic material | |
CA2036389C (en) | Method of forming shaped components from mixtures of thermosetting binders and powders having a desired chemistry | |
US4483820A (en) | Method of making sintered powder metallurgical bodies | |
US5865238A (en) | Process for die casting of metal matrix composite materials from a self-supporting billet | |
US5033939A (en) | Method of forming shaped components from mixtures of thermosetting binders and powders having a desired chemistry | |
US5174952A (en) | Process for the powder-metallurgical production of a workpiece | |
DE10120172C1 (de) | Herstellung von Bauteilen durch Metallformspritzen (MIM) | |
CN111868008B (zh) | 以碳化硅制作具有受控孔隙率的多孔预成型件的方法以及碳化硅多孔预成型件 | |
Zhou et al. | Rapid pattern based powder sintering technique and related shrinkage control | |
US3860420A (en) | Method of making welding rods by sintering in the presence of a liquid phase | |
JPH0649508A (ja) | 金属粉末溶浸成形物の製造方法 | |
US3738830A (en) | Method for producing a metal die or mold | |
US2894837A (en) | Method for producing cemented carbide articles | |
JPH0826366B2 (ja) | 金属粉末成形体よりなる金型及びその製造法 | |
JPH0649507A (ja) | 金属粉末溶浸成形物の製造方法 | |
JPS62267402A (ja) | 活性化焼結による金属多孔質体の製造法 | |
JPH04318105A (ja) | 金型の製造方法 | |
US3996047A (en) | Method and mold for producing round rods by powder metallurgy | |
JP2553996B2 (ja) | 溶浸法による放電加工用電極の製造方法 | |
JPH0196353A (ja) | 放電加工用素材及びその製造方法 | |
JPH0625708A (ja) | 粉末成形体の製造方法 | |
JPS63295031A (ja) | 金型 | |
JPS63293103A (ja) | 内部空間を有する焼結体の製造方法 | |
JP2589815B2 (ja) | 熱間静水圧プレス方法 |