JPH0649439A - 非石綿系摩擦材 - Google Patents

非石綿系摩擦材

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JPH0649439A
JPH0649439A JP21953392A JP21953392A JPH0649439A JP H0649439 A JPH0649439 A JP H0649439A JP 21953392 A JP21953392 A JP 21953392A JP 21953392 A JP21953392 A JP 21953392A JP H0649439 A JPH0649439 A JP H0649439A
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Takeshi Tanabe
武 田邊
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Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車のブレ−キパッド、ブレ−キライニン
グ、クラッチフェ−シング等に使用される摩擦材におい
て、摩擦係数が適度に高く安定し、対面攻撃性が良好で
鳴き発生が少ない非石綿系摩擦材を提供する。 【構成】 石綿以外の繊維成分と、フェノ−ル樹脂等の
熱硬化性樹脂成分と黒鉛,硫酸バリウム等の充填材成分
とを含有する摩擦材において、その構成成分の少なくと
も一部に硬焼酸化マグネシウム粉末を含ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のブレーキパッ
ド、ブレーキライニング,クラッチフェーシング等とし
て使用されている摩擦材であって、摩擦係数が適度に高
く安定し、対面攻撃性が良好で鳴き発生が少ない非石綿
系摩擦材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のブレーキパッド,ブレー
キライニング,クラッチフェーシング等として使用され
ている摩擦材は、その基材として石綿が多く使用されて
いたが石綿はその粉塵が人体への有害性を指摘された結
果、その使用を規制されつつあり、石綿を使用しない摩
擦材に対する要求が強くなってきている。そこで石綿を
使用しない非石綿系摩擦材について多くの提案がなされ
ているが、それらの多くは繊維成分として耐熱性有機繊
維,ガラス繊維,金属繊維等を用い、結合材としてフェ
ノール樹脂等の熱硬化性樹脂を、充填材成分として黒
鉛,二硫化モリブデンのような潤滑材やアルミナ,ケイ
酸ジルコニウム等の研削材を用いたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】充填材成分の一部とし
て一般に用いられているアルミナ,石英,ケイ酸ジルコ
ニウム等、硬度の高い材料は研削材として摩擦係数を高
くしてブレーキの効きを上げる為に使用されている。し
かし、ブレーキの効きを上げる効果の高い材料はモース
硬度が高い為、相手材であるディスクロータ等に対する
攻撃性が大きかったり、ブレーキ制動時に鳴きと呼ばれ
る不快な音が発生する原因になることがあるので使用量
を抑えなければならない。
【0004】従って、対面攻撃性を損なうことなく、し
かも鳴き発生を少なく抑えて摩擦係数を適度に高く安定
させる摩擦材は技術的に困難である。そこで本発明が解
決しようとする課題は上記の非石綿系摩擦材において、
高く安く安定した摩擦係数と良好な対面攻撃性,鳴き発
生の制御を同時に満足させた非石綿系摩擦材を提供する
ことである。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決することを目的としてなされたもので、その構成は石
綿以外の繊維成分と、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂
成分と、黒鉛,硫酸バリウム等の充填材成分とを含有す
る摩擦材において、その充填材成分の少なくとも一部に
硬焼酸化マグネシウム粉末を含むことを特徴とするもの
である。
【0006】ところで、対面攻撃性に関しては試験後の
相手材の摩耗量、表面の凹凸状態、条痕の付き方で評価
されることが多いが、摩耗量が少なくかつ相手材が均一
に削られることが望ましい。例えば摩耗量が少なくても
偏って削り取られていたり、大きな条痕が付いた状態で
はブレーキ制動中に安定した摩擦係数が得られ難い。こ
のような状態では摩擦材と相手材の一部分のみに大きな
摩擦力がかかっていて摩擦材中のアルミナのような硬度
の高い研削材が相手の一部分を削り取っていたり、また
は研削材が摩擦材から抜けて摩擦材と相手材の間の挟ま
れて両面を削り取っているようなことが考えられる。
【0007】また、ブレーキの鳴きに関しても硬い研削
材の多量使用は悪影響を与える傾向がある。これは鳴き
発生の原因が主にブレーキ制動時における摩擦振動であ
り、硬い研削材の使用により摩擦材と相手材の間に不均
一な力が加わる為であると考えられる。しかし、アルミ
ナ,石英,ケイ酸ジルコニウム等の充填材は研削材とし
て一般にブレーキの効を上げるために添加されているも
のであり、自動車のブレーキパッド等の材料として不可
欠なものである。
【0008】そこで、本発明の発明者は、摩擦係数が適
度に高く安定し、しかも対面攻撃性が良好でブレーキ制
動時の鳴き発生が少ない非石綿系摩擦材を得ることを目
的として鋭意研究を重ねた結果、充填材成分の少なくと
も一部に硬焼酸化マグネシウム粉末を含ませることによ
り上記の目的を達成できることを知得し本発明を成し遂
げたのである。即ち硬焼酸化マグネシウムは研削材であ
るが、焼成温度1400℃〜2000℃程度で製造され
たものであり、通常摩擦材に使用されている焼成温度が
2800℃前後の電融酸化マグネシウムに比べて表面が
多孔質であり脆いため、相手材に対する攻撃力が小さ
く、かつ摩擦振動が発生しにくいのである。
【0009】本発明摩擦材の構成成分に関しては、硬焼
酸化マグネシウム粉末を使用する以外は従来のものが使
用でき、繊維成分として使用されるものには、アラミド
繊維等の有機繊維、ガラス繊維,ロックウール,セラミ
ックス繊維,チタン酸カリウム繊維等の無機繊維、銅,
青銅,アルミニウム,黄銅等の金属繊維が挙げられ、結
合材としては、フェノール樹脂,尿素樹脂,メラミン樹
脂,またはそれらの変成樹脂のような熱硬化性樹脂やポ
リアセタール,芳香族ポリイミド樹脂,フッ素樹脂等の
耐熱性樹脂が挙げられ、また、充填材としては、黒鉛,
金属粉,二硫化モリブデン,カシューダストのような潤
滑作用のあるものやセラミックス,ケイ酸ジルコニウム
のような研削材、硫酸バリウム,炭酸カルシウム等が挙
げられる。
【0010】
【発明の作用】本発明摩擦材は非石綿系摩擦材であっ
て、充填材成分の少なくとも一部に表面が多孔質の研削
材である硬焼酸化マグネシウム粉末を含むので、摩擦係
数が適度に高く安定し、しかも対面攻撃性が良好で鳴き
発生が少ない。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。繊維
基材としてアラミド繊維,ロックウール,銅繊維を、結
合材としてフェノール樹脂を、充填材成分として粒径4
5〜420μmの硬焼酸化マグネシウム粉末の他、黒
鉛,硫酸バリウムを用いて撹拌機によりこれらを均一に
混合し室温,圧力400kg/cm2 で予備成型した後、温
度160℃,圧力400kg/cm2 で8分間加熱加圧成型
し、次いで温度180℃で5時間熱処理して表1に示す
組成の実施例A〜Cの摩擦材を得た。
【0012】また、硬焼酸化マグネシウムの替わりに電
融酸化マグネシウム,ケイ酸ジルコニウム,アルミナを
用いた比較例a〜cの摩擦材を同様にして得た。尚、表
中の数値は体積%を示す。上記の方法により作製した実
施例A〜C及び比較例a〜cの摩擦材をフルサイズダイ
ナモ試験による摩擦摩耗試験(JASO,C406準
拠,イナーシャ5kgms2 )及び実車による鳴き試験
を行なった結果を表2に示す。
【0013】
【発明の効果】以上のように繊維基材として石綿を含ま
ない本発明非石綿系摩擦材は、アラミド繊維等の有機繊
維やロックウール等の無機繊維、銅繊維等の金属繊維、
フェノール樹脂等の結合材及び黒鉛、硫酸バリウム等の
充填材成分からなるもので、充填材成分の少なくとも一
部に硬焼酸化マグネシウム粉末を含ませた結果、上記の
通り摩擦係数が適度に高く安定し、しかも対面攻撃性が
良好で鳴き発生が少なくなるので、自動車のブレーキパ
ッド,ブレーキライニング,クラッチフェーシング等に
使用する摩擦材として好適である。
【表1】
【表2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石綿以外の繊維成分と、フェノール樹脂
    等の熱硬化性樹脂成分と、黒鉛,硫酸バリウム等の充填
    材成分とを含有する摩擦材において、前記充填材成分の
    少なくとも一部に硬焼酸化マグネシウム粉末を含むこと
    を特徴とする非石綿系摩擦材。
  2. 【請求項2】 前記硬焼酸化マグネシウム粉末が焼成温
    度1400〜2000℃で製造されたものであることを
    特徴とする請求項1に記載の非石綿系摩擦材。
  3. 【請求項3】 硬焼酸化マグネシウム粉末の含有量が摩
    擦材全量に対して0.1〜30体積%であることを特徴
    とする請求項1に記載の非石綿系摩擦材。
  4. 【請求項4】 石綿以外の繊維成分がアラミド繊維等の
    有機繊維、ガラス繊維,ロックウール,セラミックス繊
    維,チタン酸カリウム繊維等の無機繊維、銅,青銅,ア
    ルミニウム,黄銅等の金属繊維であることを特徴とする
    請求項1に記載の非石綿系摩擦材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7654515B2 (en) 2005-11-29 2010-02-02 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming device with two attached cassettes and one transportation device
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