JPH0649249U - 液圧制御装置 - Google Patents

液圧制御装置

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JPH0649249U
JPH0649249U JP8674192U JP8674192U JPH0649249U JP H0649249 U JPH0649249 U JP H0649249U JP 8674192 U JP8674192 U JP 8674192U JP 8674192 U JP8674192 U JP 8674192U JP H0649249 U JPH0649249 U JP H0649249U
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JP
Japan
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valve
chamber
hydraulic pressure
piston
hydraulic
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JP8674192U
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Inventor
誠 堀内
喜典 田中
玄一 五味
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Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】操作部材の操作に応じて圧力室の液圧を制御弁
のスプールに作用させる補助液圧発生手段が制御弁に連
結され、該制御弁の出力ポートおよびアクチュエータ間
にはフリーピストンがハウジングに摺動可能に嵌合され
て成る液圧伝達手段が設けられ、前記アクチュエータお
よび前記圧力室間にはバイパス弁が設けられる液圧制御
装置において、液圧伝達手段およびバイパス弁のユニッ
ト化を図り、ユニット化にあたっての組立性を向上する
とともにバイパス弁の単独機能テストを実施可能とす
る。 【構成】バイパス弁14は、出力液圧室17に通じる弁
孔27を一端に有して液圧伝達手段13のハウジング1
5に嵌合固定される弁ハウジング26内に、弁体32を
有する駆動ピストン31が摺動可能に嵌合され、弁ハウ
ジング26および駆動ピストン31間にばね33が設け
られて成る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、出力ポートをリザーバに通じさせる位置ならびに出力ポートを液圧 供給源に通じさせる位置との間で移動可能なスプールを備える制御弁と、操作部 材に連結されたピストンがその前面を圧力室に臨ませてシリンダ体に摺動自在に 嵌合されて成る補助液圧発生手段と、液圧を受けて作動するアクチュエータに接 続される出力液圧室ならびに前記出力ポートに接続される入力液圧室に両端面を 臨ませたフリーピストンがハウジングに摺動可能に嵌合されて成る液圧伝達手段 と、液圧供給源の出力液圧低下に応じて開弁すべく構成されて前記アクチュエー タおよび前記圧力室間に介設されるバイパス弁とを備える液圧制御装置に関する 。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる液圧制御装置は、たとえば特開平2−299966号公報等によ り知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記従来の液圧制御装置では、液圧伝達手段とバイパス弁とは別体に設けられ ており、コンパクトな構成とするためには、液圧伝達手段およびパイパス弁をユ ニット化することが望ましい。しかるに、そのユニット化にあたっては組立性に 優れていることが必要であり、しかもバイパス弁の機能を液圧伝達手段とは独立 して確認し得ることが臨まれる。
【0004】 本考案は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、液圧伝達手段およびバイ パス弁のユニット化を図るとともに、そのユニット化にあたって組立性を向上す るとともにバイパス弁の単独機能テストを実施し得るようにした液圧制御装置を 提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案によれば、バイパス弁は、フリーピストン との間に出力液圧室を形成するとともに出力液圧室に通じる弁孔を一端に有して 液圧伝達手段のハウジングに嵌合固定される弁ハウジングと、補助液圧発生手段 の圧力室に通じる弁室を弁ハウジングの一端との間に形成するとともに液圧供給 源に通じるパイロット室を弁ハウジングの他端との間に形成して弁ハウジングに 摺動可能に嵌合される駆動ピストンと、弁孔を開閉可能として駆動ピストンに設 けられる弁体と、パイロット室の容積を縮小する側へのばね力を発揮して弁ハウ ジングおよび駆動ピストン間に縮設されるばねとから成る。
【0006】
【実施例】
以下、図面により本考案を前輪駆動車両のブレーキ圧制御装置に適用したとき の一実施例について説明する。
【0007】 図1ないし図7は本考案の一実施例を示すものであり、図1はブレーキ圧制御 装置の液圧回路図、図2はモジュレータの構成を示す縦断面図、図3は流通規制 ユニットの構成を示す縦断面図、図4は制御液圧出力ユニットの一部構成を示す 縦断面図、図5は制御液圧出力ユニットの残部構成を示す縦断面図、図6はスト ロークアキュムレータの構成を示す縦断面図、図7はストロークアキュムレータ の組立途中を示す縦断面図である。
【0008】 先ず図1において、車両の駆動輪としての左前輪および右前輪にはアクチュエ ータとしての左前輪用ブレーキ装置BFLおよび右前輪用ブレーキ装置BFRがそれ ぞれ装着され、従動輪としての左後輪および右後輪にはアクチュエータとしての 左後輪用ブレーキ装置BRLおよび右後輪用ブレーキ装置BRRがそれぞれ装着され る。一方、操作部材としてのブレーキペダル1には、該ブレーキペダル1の踏込 み量に応じて液圧供給源3の出力液圧を制御可能であるとともに液圧供給源3の 出力液圧異常低下時にはブレーキペダル1の踏込み量に応じた液圧を出力可能な 制御液圧出力ユニット2が連結されており、液圧供給源3の出力液圧が正常であ る通常制動時には、制御液圧出力ユニット2から出力される増幅液圧がモジュレ ータ4FL,4FRを介して各前輪用ブレーキ装置BFL,BFRに与えられるとともに 、制御液圧出力ユニット2からの増幅液圧がモジュレータ4R および比例減圧弁 5を介して両後輪用ブレーキ装置BRL,BRRに与えられる。また液圧供給源3の 出力液圧が異常に低下したときにはブレーキペダル1の踏込み量に対応して制御 液圧出力ユニット2から出力される非増幅液圧がモジュレータ4FL,4FRを介し て各前輪用ブレーキ装置BFL,BFRに与えられるとともに、制御液圧出力ユニッ ト2からの前記非増幅液圧がモジュレータ4R および比例減圧弁5を介して両後 輪用ブレーキ装置BRL,BRRに与えられる。さらに各前輪用ブレーキ装置BFL, BFRに個別に対応した流入弁6FL,6FRおよび流出弁7FL,7FRならびに両後輪 用ブレーキ装置BRL,BRRに共通である流入弁6R および流出弁7R により各ブ レーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRの制動液圧を保持あるいは減圧してアンチロ ック制御を行なうことができ、トラクション制御用である常開型電磁弁8および 常閉型電磁弁9の開閉制御、ならびに流入弁6FL,6FRおよび流出弁7FL,7FR の開閉制御により、両前輪用ブレーキ装置BFL,BFRの制動液圧を増大してトラ クション制御を行なうことができる。
【0009】 液圧供給源3は、リザーバRから作動液を汲上げる液圧ポンプ10と、その液 圧ポンプ10に接続されるアキュムレータ11と、液圧ポンプ10の作動を制御 するための圧力スイッチ12とを備える。
【0010】 モジュレータ4FL,4FR,4R は、基本的に同一の構成を有するものであるの で、代表してモジュレータ4FLの構成について次に述べる。
【0011】 図2において、モジュレータ4FLは、液圧伝達手段13と、バイパス弁14と がハウジング15を共通にして構成されて成るものである。ハウジング15は、 一端を閉じた有底円筒状に形成されており、液圧伝達手段13は、入力液圧室1 6および出力液圧室17に両端面を臨ませたフリーピストン18がハウジング1 5内に摺動可能に嵌合されるとともに、該フリーピストン18を入力液圧室16 側に付勢するばね19が出力液圧室17内に収納されて成る。またバイパス弁1 4は、液圧供給源3の出力液圧が正常であるときには通路24および出力液圧室 17間を遮断するが液圧供給源3の出力液圧異常低下に伴って通路24および出 力液圧室17間を連通すべく構成されてハウジング15内に設けられる。
【0012】 出力液圧室17は通路25を介してブレーキ装置BFLに連通される。またフリ ーピストン18の外周には、ハウジング15の内面との間に環状室20を形成す る環状凹部が設けられており、前記環状室20および出力液圧室17間でフリー ピストン18の外周には環状の第1シール部材21が、また前記環状室20およ び入力液圧室16間でフリーピストン18の外周には環状の第2シール部材22 がそれぞれ装着される。而して、第1および第2シール部材21,22はカップ シールであり、出力液圧室17および入力液圧室16の液圧低下時には環状室2 0から出力液圧室17および入力液圧室16への作動液の流通を許容する。しか も前記フリーピストン18のストロークにかかわらず環状室20に通じる連通孔 23がハウジング15に設けられ、該連通孔23は解放通路40を介してサブリ ザーバRS に接続され、環状室20はサブリザーバRS に常時連通する。
【0013】 サブリザーバRS は、リザーバRとは独立して一定量の作動液を貯留可能なも のであり、たとえば隔壁75を介してリザーバRに隣接するとともに供給口76 をリザーバRと共通にしてリザーバRに付設される。こうすれば、リザーバR内 の作動液液面は通常レベルでは隔壁75を越えているが、リザーバR内の作動液 液面が低下してもサブリザーバRS 内にはリザーバRとは独立して作動液を貯留 することができる。
【0014】 バイパス弁14は、円筒状に形成されるとともにフリーピストン18との間に 前記出力液圧室17を画成してハウジング15内に嵌合固定される弁ハウジング 26と、出力液圧室17に連通する弁孔27を中心部に開口させて弁ハウジング 26の出力液圧室17寄りの部分に設けられる弁座28と、前記通路24に通じ る弁室29を前記弁座28との間に画成するとともに弁室29とは反対側の端部 をパイロット室30に臨ませて弁ハウジング26内に摺動自在に嵌合される駆動 ピストン31と、弁座28への着座を可能として弁室29に収納されるとともに 駆動ピストン31の先端に固着される球状の弁体32と、弁室29に収納されて 弁体32が弁座28から離反する方向の弾発力を駆動ピストン31に与えるばね 33とを備え、パイロット室30には通路44が連通される。
【0015】 弁ハウジング26は、弁孔27を一端に有して基本的に円筒状に形成される筒 体34と、該筒体34の他端を圧入させる閉塞部材35とから成るものである。 而して筒体34の外面は、その一端側を小径とした段付きに形成されており、一 端側に臨む段部34aが筒体34の外面に形成される。一方、ハウジング15に おける他端側内面には、他端側に臨む段部15aを介して大径部が設けられてお り、弁ハウジング26は、その段部34aをハウジング15の段部15aに当接 させるようにしてハウジング15の他端側に嵌合される。しかもハウジング15 の他端には閉塞部材35に当接するねじ部材36が螺合されており、弁ハウジン グ26は段部15aおよびねじ部材36間に挟持、固定されることになる。また 閉塞部材35には、ねじ部材36内に嵌入する突部35aが突設されており、こ の突部35aは、バイパス弁14をハウジング15から取り出すときの撮みとし て利用される。
【0016】 筒体34の内面には、内径を全長にわたって同一としたシリンダ孔34bが設 けられており、駆動ピストン31は、筒体34の一端との間に弁室29を形成す るとともに閉塞部材35との間にパイロット室30を形成して該シリンダ孔34 bに摺動可能に嵌合される。したがって駆動ピストン31の弁室29に臨む受圧 面積ならびにパイロット室30に臨む受圧面積は同一である。
【0017】 駆動ピストン31の外面には、シリンダ孔34bの内面との間に環状室37を 形成する環状凹部が設けられており、前記環状室37および弁室29間で駆動ピ ストン31の外周にはカップシール38が、また前記環状室37およびパイロッ ト室30間で駆動ピストン31の外周にはカップシール39がそれぞれ装着され る。而して、少なくともカップシール38は、弁室29の液圧低下時には環状室 37から弁室29への作動液の流通を許容する。しかも駆動ピストン31の軸方 向位置にかかわらず環状室37は、サブリザーバRS に通じた解放通路40に常 時連通される。
【0018】 かかるバイパス弁14においては、パイロット室30の液圧が一定値よりも低 いときにはばね33のばね力により弁体32が弁孔27を開放する位置まで駆動 ピストン31が移動して弁室29が出力液圧室17に連通し、パイロット室30 の液圧が前記一定値以上となると、弁体32で弁孔27を閉塞するように駆動ピ ストン31が移動して閉弁状態となる。
【0019】 このようなモジュレータ4FLの構成によれば、バイパス弁14が閉じた状態で 入力液圧室16に作用する液圧に応じた液圧を出力液圧室17から出力すること が可能であり、出力液圧室17の作動液が入力液圧室16側に流れることはない 。またバイパス弁14が開弁した状態では、入力液圧室16に液圧が作用してい ない状態でも通路24からの液圧を出力液圧室17に導くことができる。
【0020】 さらにモジュレータ4FL,4FRの出力液圧室17はブレーキ装置BFL,BFRに 個別にそれぞれ連通され、モジュレータ4R の出力液圧室17は共通の比例減圧 弁5を介してブレーキ装置BRL,BRRに接続される。
【0021】 前輪用ブレーキ装置BFL,BFRに対応するモジュレータ4FL,4FRの入力液圧 室16には、流入弁6FL,6FRおよび流出弁7FL,7FRが並列してそれぞれ接続 され、後輪用ブレーキ装置BRL,BRRに対応するモジュレータ4R の入力液圧室 16には流入弁6R および流出弁7R が並列に接続される。
【0022】 流入弁6FL,6FR,6R は励磁時に閉弁する常開型電磁弁であり、流出弁7FL ,7FR,7R は励磁時に開弁する常閉型電磁弁である。而して流出弁7FL,7FR ,7R はモジュレータ4FL,4FR,4R の入力液圧室16と、リザーバRに通じ る解放通路59との間にそれぞれ介設される。また流入弁6FL,6FRはモジュレ ータ4FL,4FRの入力液圧室16および通路41間にそれぞれ介設され、流入弁 6R は図1で示すようにモジュレータ4R の入力液圧室16と通路42との間に 介設される。
【0023】 比例減圧弁5は、従来周知の構造を有するものであり、モジュレータ4R の出 力液圧室17から出力される液圧を比例的に減圧して両後輪用ブレーキ装置BRL ,BRRに作用せしめる働きをする。
【0024】 トラクション制御用の常開型電磁弁8は、通路43,44間に介設されるもの であり、消磁状態で通路43,44間を連通させる状態と、励磁状態で通路43 ,44間を遮断する状態とを切換可能である。またトラクション制御用の常閉型 電磁弁9は、液圧供給源3に通じる通路60および前記通路44間に介設される ものであり、消磁状態で通路60および通路44間を遮断する状態と、励磁状態 で通路60および通路44間を連通させる状態とを切換可能である。而してトラ クション制御時に両電磁弁8,9は励磁される。
【0025】 また通路43から通路44への作動液の流通のみを許容する一方向弁45が常 開型電磁弁8に並列に接続され、この一方向弁45は、トラクション制御実行中 にブレーキペダル1によってブレーキ操作を行なったときに制御液圧出力ユニッ ト2から通路43に出力される液圧を通路44に導く働きをする。
【0026】 さらに通路44,41間には、通路44側の液圧が通路41側の液圧よりも所 定値以上大きくなるのに応じて通路44から通路41への作動液の流通を許容す る差圧弁46と、通路41側の液圧が通路44側の液圧よりもわずかに大きくな るのに応じて通路41から通路44への作動液の流通を許容する一方向弁として の機能を発揮するカップシール47とを備える流通規制ユニット48が介設され る。
【0027】 図3において、流通規制ユニット48は、一端を閉塞部材49で閉じた有底円 筒状のハウジング50を備えるものであり、このハウジング50内には、通路4 4に通じる液室51を前記閉塞部材49との間に形成してハウジング50内に嵌 合される弁ハウジング52を備える差圧弁46が設けられ、ハウジング50内面 に摺接するカップシール47が弁ハウジング52の外周に装着される。また弁ハ ウジング52および閉塞部材49間には弁ハウジング52をハウジング50の他 端側に付勢するばね53が縮設される。
【0028】 差圧弁46は、通路41に通じて弁ハウジング52内に形成される弁室54内 に、液室51に通じる弁孔55を中心部に開口させて弁ハウジング52に設けら れる弁座56に着座可能な弁体57と、該弁体57を弁座56に着座させる方向 の弾発力を発揮するばね58とが収納されて成るものであり、通路44に通じて いる液室51の液圧が通路41に通じている弁室54の液圧よりも所定値以上高 くなるのに応じて開弁する。
【0029】 またカップシール47は、液室51から通路41への作動液の流通は阻止する が、通路41の液圧が液室51の液圧よりも大きくなったときには通路41から 液室51への作動液の流通を許容するようにして弁ハウジング52の外周に装着 されている。
【0030】 上記差圧弁46によると、制動操作初期に、各モジュレータ4FL,4FR,4R におけるバイパス弁14がそのパイロット室30の液圧増加に応じて閉弁するま でモジュレータ4FL,4FRの入力液圧室16に通じる通路41への通路44から の作動液流通が阻止される。すなわち制動操作初期には、各バイパス弁14が閉 じた後にモジュレータ4FL,4FRの入力液圧室16に制動圧が作用することにな る。また制動操作力を解放したときに通路41の作動液は、カップシール47に よりリザーバRに逃がされることになる。
【0031】 図4および図5において、制御液圧出力ユニット2は、ブレーキペダル1によ る制動操作力に対応した非増幅液圧を発生可能な補助液圧発生手段61と、液圧 供給源3の出力圧をブレーキペダル1の操作量に応じて制御して増幅液圧を出力 可能な制御弁62とを備える。
【0032】 制御液圧出力ユニット2は円筒状のシリンダ体64を備え、このシリンダ体6 4内には、シリンダ孔66と、嵌合孔67と、ねじ孔68とが同軸に設けられ、 シリンダ孔66および嵌合孔67間でシリンダ体64には、半径方向内方に張出 す受け鍔69が設けられる。而して嵌合孔67は、受け鍔69からねじ孔68側 に向けて段階的に大径となるように形成される。
【0033】 制御弁62の弁ハウジング63は、シリンダ体64と、受け鍔69に後端を当 接させるようにして嵌合孔67に嵌合される段付き円筒状の小シリンダ体65と から構成されるものであり、小シリンダ体65の前端には、小シリンダ体65の 前端との間に反力室73を形成する栓部材70がかしめ結合される。またねじ孔 68にはねじ部材72が螺合されるものであり、このねじ部材72と前記栓部材 70との間には、嵌合孔67に嵌合されるスペーサ71が介在され、スペーサ7 1および栓部材70間には液室74が画成される。而してねじ部材72を締め付 けることにより、小シリンダ体65、栓部材70およびスペーサ71が受け鍔6 9およびねじ部材72間に挟持、固定されることになる。
【0034】 小シリンダ体65には、摺動孔80と、摺動孔80の後端に段部81を介して 同軸に連なる大径孔82とが設けられる。
【0035】 制御弁62は、前端を反力室73に臨ませるとともにばね84で後方側に付勢 されるスプール83が小シリンダ体65の摺動孔80に摺動自在に嵌合されて成 り、スプール83の前端部には、小シリンダ体65の段部81に当接してスプー ル83の後退限を規制する止め輪85が嵌着される。
【0036】 弁ハウジング63を協働して構成するシリンダ体64および小シリンダ体65 には、その軸方向前方側から後方側に向けて順に間隔をあけて摺動孔80内面に 開口する入力ポート86、出力ポート87および解放ポート88が設けられてお り、入力ポート86は液圧供給源3に通じる通路89に連通され、出力ポート8 7は通路43に連通され、解放ポート88は解放通路90を介してリザーバRに 連通される。而して入力ポート86にはフィルタ92が装着される。また反力室 73は通路42に連通される。
【0037】 スプール83の外周には、環状凹部91が設けられており、スプール83の軸 線に沿う環状凹部91の長さは、スプール83が前進位置にあるときには出力ポ ート87が環状凹部91を介して入力ポート86に連通するとともに解放ポート 88とは遮断し、スプール83が後退位置にあるときには出力ポート87が環状 凹部91を介して解放ポート88に連通するとともに入力ポート86とは遮断す るように設定されている。
【0038】 スプール83の後端には、補助液圧発生手段61の一構成要素たる押圧ピスト ン105が当接されており、スプール83には、反力室73の液圧およびばね8 4により後方側に向けての力が作用するとともに押圧ピストン105による前方 に向けての力が作用することになり、それらの力のバランスにより小シリンダ体 65内のスプール83の位置が定まる。
【0039】 弁ハウジング63におけるシリンダ体64には、通路43を液室74に連通さ せる導入ポート93が設けられており、栓部材70には、液室74すなわち出力 ポート87に通じる通路43側の液圧が反力室73側の液圧よりも所定値以上大 きくなるのに応じて開弁して通路43から反力室73への作動液の流通を許容す る差圧弁95と、反力室73側の液圧が通路43側の液圧よりもわずかに大きく なるのに応じて反力室73から通路43への作動液の流通を許容する一方向弁と しての機能を発揮するカップシール96とが設けられる。
【0040】 差圧弁95は、液室74および反力室73間を結んで栓部材70に設けられる 通路97を開閉するものであり、通路97の反力室73側端縁に設けられる弁座 98と、該弁座98への着座を可能として反力室73内に収納される弁体99と 、弁座98に着座する方向に弁体99を付勢するばね100とを備える。しかも ばね100は、制御弁62におけるばね84よりも低荷重に設定されるものであ り、栓部材70で受けられるようにして円板状に形成されるリテーナ101と弁 体99との間に縮設されるものであり、このリテーナ101と、制御弁62のス プール83との間に前記ばね84が縮設される。而してばね84の荷重はばね1 00の荷重よりも大きいので、リテーナ101は栓部材70に押付けられ、実質 的には栓部材70に固定された状態となる。
【0041】 また、カップシール96は、反力室73から液室74への作動液の流通を許容 して栓部材70の外周に装着される。
【0042】 上記差圧弁95によると、制動操作初期に制御液圧出力ユニット2の出力ポー ト87から通路43に出力される液圧が或る値に達するまでは反力室73に液圧 を発生させないことにより、制動操作初期において操作反力が生じないうちに通 路43に出力される液圧を或る値まで増大させる働きをするとともに、モジュレ ータ4R のバイパス弁14が閉じるまではモジュレータ4R における入力液圧室 16に通じる通路42への液圧出力を抑えるものである。したがって制動操作初 期には、モジュレータ4R のバイパス弁14が閉弁した後に、通路42の液圧が モジュレータ4R の入力液圧室16に作用する。またカップシール96は制動操 作力を解放したときに通路42の作動液を通路43から出力ポート87、環状凹 部91および解放ポート88を経てリザーバRに逃がす働きをする。
【0043】 補助液圧発生手段61は、制御弁62におけるスプール83の後端に当接され てシリンダ孔66に摺動自在に嵌合される押圧ピストン105と、ブレーキペダ ル1に連動、連結されるとともに押圧ピストン105の背面との間に画成される 圧力室106に前面を臨ませてシリンダ孔66に摺動自在に嵌合される入力ピス トン107と、両ピストン105,107間に直列に介設される一対のばね10 8,109と、押圧ピストン105および入力ピストン107間に設けられる間 隔規制手段110と、入力ピストン107に設けられるリリーフ弁111とを備 える。
【0044】 シリンダ体64の後端開口部には入力ピストン107の後端に当接して該入力 ピストン107の後退限を規制する円筒状の突部112aを有する規制部材11 2が着脱可能に固定されており、該規制部材112を液密にして移動自在に貫通 するピストンロッド113が入力ピストン107に同軸に連設される。一方、ブ レーキペダル1にはプッシュロッド114が連結されており、該プッシュロッド 114の前端が、ブレーキペダル1の揺動作動をピストンロッド113の軸方向 作動に変換すべく、揺動自在にしてピストンロッド113に連結される。すなわ ちピストンロッド113には、後端側を開放した有底の取付け孔115が同軸に 設けられており、該取付け孔115内に嵌入されるブッシュ116にプッシュロ ッド14の前端が揺動自在にしてかしめ結合され、取付け孔115内にその閉塞 端に当接するまで嵌入されたブッシュ116の取付け孔115からの抜け出しが 、取付け孔115の内面に嵌着される止め輪117で阻止される。したがってブ レーキペダル1の踏込み操作に応じて入力ピストン107が圧力室106の容積 を縮小する方向に前進作動することになる。
【0045】 間隔規制手段110は、入力ピストン107の前端部に固定されるカップ状の リテーナ118と、押圧ピストン105の背部に固定される有底円筒状のリテー ナ119と、基端がリテーナ118に固定されて前方に延びるとともにリテーナ 119に挿通される連結ロッド120とを備え、連結ロッド120の前端には、 リテーナ119にその前方側から係合可能な係止頭部120aが設けられる。し たがって押圧ピストン105の入力ピストン107に対する前進移動は係止頭部 120aがリテーナ119に係合することにより規制され、入力ピストン107 および押圧ピストン105間の最大間隔が間隔規制手段110で規制されること になる。
【0046】 ばね108,109は、リテーナ119に摺動自在に嵌合するガイド部材12 1を相互間に介在させて両リテーナ118,119間に直列に介装されるもので あり、ばね108のばね定数は比較的大きく、ばね109のばね定数は比較的小 さく設定されている。
【0047】 入力ピストン107と規制部材112との間に環状の解放室122が形成され ており、この解放室122に通じてシリンダ体64に設けられるリリーフポート 123がリリーフ通路124を介してリザーバRに連通される。
【0048】 リリーフ弁111は、解放室122に通じて入力ピストン107に設けられる 弁孔125と、弁孔125の圧力室106側端縁に設けられる弁座126への着 座を可能としてリテーナ118内に収納される弁体127と、該弁体127およ びリテーナ118間に縮設されて弁体127を弁座126に着座させる方向に付 勢するばね128と、弁孔125に遊通挿通されるロッド129と、ロッド12 9の後端に当接する開弁棒130とを備え、弁体127はロッド129の前端に 設けられる。
【0049】 入力ピストン107に連なるピストンロッド113には、軸方向に長い長孔1 31がピストンロッド113の一直径線に沿って穿設されており、弁孔125は 、長孔131に後端を連通させて入力ピストン107に同軸に穿設される。開弁 棒130は長孔131に挿通されるものであり、規制部材112の突部112a に当接されてピストンロッド113を囲繞する支持リング132に開弁棒130 の両端が挿通支持される。
【0050】 このようなリリーフ弁111では、入力ピストン107が後退して押圧ピスト ン105および入力ピストン107間の間隔が最大となっている状態では開弁し て圧力室106をリザーバRに連通させており、その状態から入力ピストン10 7が前進作動すると閉弁して圧力室106およびリザーバR間を遮断する。
【0051】 また入力ピストン107の外周には、圧力室106の液圧が減圧状態となった ときに解放室122から圧力室106への作動液の流通を許容するカップシール 133が装着される。
【0052】 補助液圧発生手段61の圧力室106には通路135が接続されており、この 通路135は、図1で示すように、ストロークアキュムレータ136に接続され る。
【0053】 図6において、ストロークアキュムレータ136は、ケーシング137と、通 路135に通じる蓄圧室138をケーシング137との間に形成してケーシング 137に摺動自在に嵌合されるアキュムレータピストン139と、パイロット室 140をケーシング137との間に形成するバックアップピストン141と、蓄 圧室138の容積を縮小する側にアキュムレータピストン139を弾発付勢する アキュムレータばね142,143と、両アキュムレータばね142,143に よるばね荷重よりも大きなばね荷重を発揮してパイロット室140の容積を縮小 する側にバックアップピストン141を弾発付勢するバックアップばね144と を備える。
【0054】 ケーシング137は、一端を閉じた第1シリンダ孔145と、第1シリンダ孔 145よりも大径であって第1シリンダ孔145の他端に段部146を介して一 端が同軸に連なる第2シリンダ孔147と、第2シリンダ孔147よりも大径で あって第2シリンダ孔147の他端にテーパ状の段部148を介して一端が同軸 に連なる第3シリンダ孔149と、第3シリンダ孔149よりも大径であって第 3シリンダ孔149の他端にテーパ状の段部150を介して一端が同軸に連なる 第4シリンダ孔151とを備える段付きの有底円筒体152の開口端が、第4シ リンダ孔151に液密に嵌合される閉塞部材153で閉塞されて成る。
【0055】 アキュムレータピストン139は、ケーシング137の一端壁との間に蓄圧室 138を形成して第1シリンダ孔145に摺動自在に嵌合される。またバックア ップピストン141は、段付き円筒状に形成されて第2および第3シリンダ孔1 47,149に摺動自在に嵌合されるものであり、段部148および第3シリン ダ孔149の内面と、バックアップピストン141の外面との間にパイロット室 140が画成される。而して該パイロット室140は、通路89を介して液圧供 給源3に連通される。
【0056】 バックアップピストン141のアキュムレータピストン139側の端部には、 半径方向内方に張出す鍔部154が設けられる。
【0057】 ところで、ケーシング137と、アキュムレータピストン139と、バックア ップピストン141とでばね室155が画成されるものであり、該ばね室155 には、解放通路59を介して流出弁7FL,7FR,7R に接続されるとともに解放 通路90を介してリザーバRに接続される。すなわち流出弁7FL,7FR,7R の 開弁に応じてモジュレータ4FL,4FR,4R の入力液圧室16から流出する作動 液はばね室155を経てリザーバRに戻されることになる。またばね室155に は、両アキュムレータばね142,143およびバックアップばね144が収納 される。
【0058】 アキュムレータばね142,143は、相互間にガイド部材156を介在させ てリテーナ157,158間に直列に介装されて成るものである。而してアキュ ムレータピストン139に同軸に連なるピストンロッド159の中間部にはバッ クアップピストン141側に臨む段部159aが設けられており、リテーナ15 7は段部159aに係合されるべくピストンロッド159を囲繞する円盤状に形 成される。またリテーナ158は、開口端を閉塞部材153に当接させる有底円 筒状に形成される。さらにガイド部材156はピストンロッド159に摺動自在 に嵌挿されるものであり、アキュムレータばね142はピストンロッド159の 段部159aに係合したリテーナ157とガイド部材156との間に、またアキ ュムレータばね143はガイド部材156と閉塞部材153で支承されるリテー ナ158との間に配設される。而して両アキュムレータばね142,143の荷 重特性は、蓄圧室138の容積を増大する側にアキュムレータピストン139が 移動する途中で、そのアキュムレータピストン139を蓄圧室138側に付勢す るばね荷重特性が変化するように、相互に異なって設定される。
【0059】 バックアップばね144は、ばね室155内でバックアップピストン141の 鍔部154およびリテーナ158間に縮設される。また蓄圧室138内には、蓄 圧室138の容積を増大する側にアキュムレータピストン139を付勢する戻し ばね162が収納される。
【0060】 このようなストロークアキュムレータ136においては、液圧供給源3が正常 に作動していてパイロット室140に液圧供給源3からの正常な液圧が作用して いる状態では、図6で示すようにバックアップピストン141はバックアップば ね144の付勢力に抗してパイロット室140の容積を増大する側すなわちアキ ュムレータピストン139から離反する側に移動している。しかるに、液圧供給 源3の作動が不調となり、パイロット室140の液圧が異常に低下すると、バッ クアップピストン141はバックアップばね144のばね力によりパイロット室 140の容積を縮小する側すなわちアキュムレータピストン139に近接する側 に移動し、バックアップピストン141の鍔部154がリテーナ157に当接す る。したがってアキュムレータピストン139には、アキュムレータばね142 ,143に加えてバックアップばね144の大きなばね荷重が作用することにな る。
【0061】 またアキュムレータピストン139およびリテーナ158間の最大間隔は、ピ ストンロッド159に同軸に連設されてリテーナ158に挿通されるロッド16 0の先端に設けられる係止頭部160aがリテーナ158に係合することにより 規制され、リテーナ158およびバックアップピストン141間の最大間隔はバ ックアップピストン141の鍔部154がピストンロッド159の段部159a に係合するリテーナ157に係合することにより規制される。したがって、アキ ュムレータピストン139、リテーナ157、両アキュムレータばね142,1 43、リテーナ158、ガイド部材156、ロッド160、バックアップピスト ン141およびバックアップばね144を、図7で示すように内装組立体168 としてケーシング137とは別に組立てることが可能であり、戻しばね162お よび前記内装組立体168をケーシング137の有底円筒体152内に順に挿入 した後に、有底円筒体152に閉塞部材153を組付けるだけでストロークアキ ュムレータ136の組立が完了するので、ストロークアキュムレータ136の組 立作業性が向上する。
【0062】 しかもバックアップピストン141における鍔部154のリテーナ157に対 向する端面には、該リテーナ157を嵌合可能な嵌合凹部161が設けられてお り、上記内装組立体168において、リテーナ157が嵌合凹部161に嵌合す ることにより、アキュムレータピストン139とバックアップピストン141と の同軸性を維持することができ、これにより内装組立体の有底円筒体152への 挿入が容易となり、ストロークアキュムレータ136の組立性がより向上する。
【0063】 ところで、蓄圧室138には通路163が接続されており、この通路163は 、図1で示すように、流通規制ユニット164を介して通路24に接続される。 該流通規制ユニット164は、通路163の液圧が通路24の液圧よりも所定値 以上大きくなったときに通路163から通路24への作動液の流通を許容する差 圧弁165と、通路24の液圧が通路163の液圧よりも大きくなるのに応じて 通路24から通路163への作動液の流通を許容する一方向弁166とを備える ものであり、図3で示した流通規制ユニット48と同様に構成されている。
【0064】 上記差圧弁165によると、ブレーキペダル1の制動操作に伴って制御液圧出 力ユニット2における補助液圧発生手段61の圧力室106で発生する液圧が或 る値以上となるまで、補助液圧発生手段61の出力圧が各モジュレータ4FL,4 FR ,4R におけるバイパス弁14の弁室29に作用することが回避され、バイパ ス弁14がパイロット室30のパイロット圧増大に応じて閉弁した後に差圧弁1 65が開弁可能となる。また各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRにおける温 度変化等による通路24の圧力上昇に伴う呼吸が一方向弁166を介して可能と なる。
【0065】 次にこの実施例の作用について説明すると、先ず液圧供給源3が正常に作動し ている状態での通常の制動操作時を想定すると、流入弁6FL,6FR,6R および 流出弁7FL,7FR,7R は消磁状態(図1の状態)にあり、またトラクション制 御用の常開型電磁弁8および常閉型電磁弁9も消磁状態(図1の状態)にある。 したがって制御液圧出力ユニット2の出力ポート87から増幅液圧を導く通路4 3は、各モジュレータ4FL,4FR,4R におけるバイパス弁14のパイロット室 30に通路44を介して連通し、また差圧弁46および通路41を介してモジュ レータ4FL,4FRの入力液圧室16に接続された状態に在るとともに、差圧弁9 5、反力室73および通路42を介してモジュレータ4R の入力液圧室16に接 続された状態にある。
【0066】 この状態でブレーキペダル1を踏込むと、制御液圧出力ユニット2では、入力 ピストン107が前進作動し、ばね108,109を介して押圧ピストン105 に前進力を与えることにより制御弁62のスプール83がばね84を縮小しなが ら前進作動する。
【0067】 スプール83が、入力ポート86を出力ポート87に連通させるとともに解放 ポート88とは遮断させる位置まで前進して通路43の出力圧が或る値に達する までは差圧弁95の働きにより反力室73の液圧すなわちスプール83を後退方 向に付勢する液圧は発生せず、制動操作初期に通路43には急激に増大する液圧 が出力される。これにより各モジュレータ4FL,4FR,4R におけるバイパス弁 14が閉弁し、次いで差圧弁46の開弁によりモジュレータ4FL,4FRの入力液 圧室16に通路41からそれぞれ液圧が作用するとともに、差圧弁95の開弁に よりモジュレータ4R の入力液圧室16に通路42から液圧が作用することにな る。
【0068】 而して制御弁62において、ばね84のばね力と、反力室73の液圧をスプー ル83の断面積に乗じて得られる力との和である後退方向の力が、ばね108, 109のばね荷重よりも大きくなると、ばね108,109を縮小させながら入 力ピストン107が押圧ピストン105に対して前進作動し、リリーフ弁111 が閉弁して圧力室106がリザーバRから遮断され、圧力室106の容積が縮小 することにより該圧力室106に液圧が発生する。
【0069】 したがって、操作ストロークを確保するためのストロークアキュムレータ13 6の蓄圧室138が圧力室106に連通されているにもかかわらず、初期の操作 ストロークがストロークアキュムレータ136で吸収されて無効ストロークとな ることもない。
【0070】 その後、圧力室106の液圧はストロークアキュムレータ136の蓄圧室13 8に蓄圧されることになり、アキュムレータピストン139に作用するアキュム レータばね142,143の付勢力に対抗する操作力により入力ピストン107 がさらに前進し、ストロークアキュムレータ136により操作ストロークを確保 することができる。
【0071】 圧力室106での液圧発生後、制御弁62におけるスプール83は反力室73 側からの後退方向の力と、圧力室106側からの前進方向の力とが均衡するよう に前後に移動し、それにより液圧供給源3の出力圧が制御され、制御液圧出力ユ ニット2から通路43にブレーキペダル1の操作量に応じた増幅液圧が出力され 、各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRで増幅液圧による制動力が得られるこ とになる。而してモジュレータ4FL,4FR,4R のフリーピストン18によって 、液圧供給源3側の液圧回路と、各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRとの間 が隔絶されるので、液圧供給源3側で作動液に混入する可能性のあるガスが各ブ レーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに悪影響を及ぼすことが防止される。
【0072】 かかる制動時に、ブレーキペダル1による踏力が過大となり、車輪がロックし そうになったときには、ロックしそうになっている車輪に対応する流入弁6FL, 6FR,6R を励磁して、通路41およびモジュレータ4FL,4FR間、ならびに通 路42およびモジュレータ4R 間を遮断する。これにより車輪がロック状態にな ることを回避すべく制動力の増大が抑えられる。これでも車輪がロック状態に入 りそうであるときには、対応する流出弁7FL,7FR,7R を励磁してモジュレー タ4FL〜4R の入力液圧室16をリザーバRに連通し、制動圧を低下させること により車輪のロック傾向を解消することができる。
【0073】 上記制動時に液圧ポンプ10等の故障により液圧供給源3の出力圧が異常に低 下した場合を想定する。この場合、制御液圧出力ユニット2から通路43に出力 される液圧の低下に応じて各モジュレータ4FL,4FR,4R におけるバイパス弁 14がそれぞれ開弁する。したがってブレーキペダル1の踏込み操作による入力 ピストン107の前進作動に応じて圧力室106で生じた液圧が通路135、蓄 圧室138、通路163、差圧弁165および通路24を介してモジュレータ4 FL ,4FRのバイパス弁14から両前輪用ブレーキ装置BFL,BFRにそれぞれ与え られるとともにモジュレータ4R のバイパス弁14および比例減圧弁5を介して 後輪用ブレーキ装置BRL,BRRに与えられることになる。したがって液圧供給源 3の出力圧が異常に低下した状態でも、補助液圧発生手段61の圧力室106で 発生させた液圧を各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに作用させることがで きる。
【0074】 この際、ストロークアキュムレータ136では、液圧供給源3の出力液圧低下 に伴ってパイロット室140の液圧が異常に低下し、それによりバックアップピ ストン141が前進作動してリテーナ157に当接することにより、ばね荷重が 大であるバックアップばね144がアキュムレータピストン139に作用するこ とになる。したがって、液圧供給源3の出力液圧異常低下時に、圧力室106で 生じた液圧がストロークアキュムレータ136で不必要に消費されることはなく 、ブレーキペダル1の踏込みストロークが必要以上に大きくなることはない。
【0075】 さらに非制動時に、エンジンの駆動力が過大となり、駆動輪が過剰スリップを 生じそうになると、トラクション制御用の常開型電磁弁8および常閉型電磁弁9 が励磁される。これにより液圧供給源3の出力液圧がモジュレータ4FL,4FRの 入力液圧室16に作用し、駆動輪である左右前輪のブレーキ装置BFL,BFRで制 動力が発生し、過剰スリップの発生が回避される。この後は、前述のアンチロッ ク制御時と同様に、流入弁6FL,6FRおよび流出弁7FL,7FRの励磁および消磁 制御により、制動力を制御可能である。
【0076】 かかるブレーキ圧制御装置において、モジュレータ4FL,4FR,4R の液圧伝 達手段13では、フリーピストン18の外面およびハウジング15の内面間に環 状室20が形成され、該環状室20の出力液圧室17側でフリーピストン18の 外周には出力液圧室17の液圧低下に応じた環状室20から出力液圧室17側へ の作動液の流通を許容する環状の第1シール部材21が装着されるので、出力液 圧室17の呼吸作用は第1のシール部材21によって可能となる。しかも環状室 20は、リザーバRとは独立して一定量の作動液を貯留可能なサブリザーバRS に連通されるものであるので、制御弁62の作動に応じてリザーバR内の作動液 貯留量が変化してもサブリザーバRS 内には所定量以上の作動液を貯留しておく ことができ、サブリザーバRS からの環状室20に導かれる作動液にエアー等が 混入することを防止することができる。
【0077】 またモジュレータ4FL,4FR,4R のバイパス弁14は、液圧伝達手段13と 共通のハウジング15内に嵌合、固定される弁ハウジング26内に、弁体32を 有する駆動ピストン31とばね33とが収納されて成るものであり、独立して組 立てたバイパス弁14をハウジング15に嵌合、固定するだけでモジュレータ4 FL ,4FR,4R を構成することができるので、組立が容易となるだけでなく、バ イパス弁14の機能テストを独立して行なうことも可能であり、機能テストにお いて正常であると判定されたバイパス弁14のみを用いることができる。
【0078】 しかもバイパス弁14における駆動ピストン31の外周およびハウジング15 間にはサブリザーバRS に通じる環状室37が形成されており、駆動ピストン3 1の外周には、弁室29の液圧低下時には環状室37から弁室29への作動液の 流通を許容するカップシール38が装着されるので、弁室29すなわち出力液圧 室17の呼吸作用が可能となる。
【0079】 また駆動ピストン31の弁室29に臨む受圧面積ならびにパイロット室30に 臨む受圧面積は同一であるので、液圧供給源3の出力液圧が低下したきたときに 、補助液圧発生手段61の出力液圧が液圧供給源3の出力液圧よりも高くなった ときに直ちにバイパス弁14が開弁して補助液圧発生手段61の出力液圧を左、 右前輪用ブレーキ装置BFL,BFRに、また比例減圧弁5を介して左、右後輪用ブ レーキ装置BRL,BRRに作用させることができて、安全である。
【0080】 制御液圧出力ユニット2における補助液圧発生手段61では、ブレーキペダル 1に連結されるプッシュロッド114が揺動自在にして入力ピストン107に連 結され、制御弁62のスプール83に当接する押圧ピストン105が入力ピスト ン107との間の最大間隔を規制する間隔規制手段110を介して入力ピストン 107に連結され、ばね108,109が入力ピストン107および押圧ピスト ン105間に直列に介装され、リリーフ弁111が入力ピストン107に設けら れるので、プッシュロッド114、入力ピストン107、押圧ピストン105、 間隔規制手段110、ばね108,109およびリリーフ弁111を内装組立体 として組み立てることができ、その内装組立体をシリンダ体64内に挿入した後 に、規制部材112をシリンダ体64に固定することにより補助液圧発生手段6 1の組立が完了することになり、組立作業が容易となり組立性が向上する。
【0081】 しかも前記内装組立体の軸方向長さを管理することが可能であり、したがって 押圧ピストン105がスプール83に当接してスプール83を押し始める時期、 すなわちブレーキペダル1の無効ストロークのばらつき調整が容易となる。すな わち突部112aの長さが異なる複数の規制部材112を準備しておき、前期内 装組立体の軸方向長さに応じて規制部材112を選択することにより前記無効ス トロークのばらつき調整を行なうことができる。
【0082】 さらにプッシュロッド114はブッシュ116に揺動自在に結合され、入力ピ ストン107と一体のピストンロッド113に設けられる取付け孔115に前記 ブッシュ116が嵌合、固定されるものであるので、入力ピストン107の後退 限を規制する規制部材112とピストンロッド113の摺接部付近でブッシュ1 16をピストンロッド113に嵌合、固定することが可能であり、補助液圧発生 手段61の軸方向長さ短縮に寄与することができる。これに対し、プッシュロッ ド114の前端をピストンロッド113に直接結合するようにしたものでは、規 制部材112との摺接部を避けてプッシュロッド114をピストンロッド113 に結合しなければならないので、補助液圧発生手段61の軸方向長さが長くなる ものである。
【0083】 しかもプッシュロッド114のピストンロッド113への揺動自在な結合を、 ピストンロッド113に変形を与えることなく行なうことができ、ピストンロッ ド113の規制部材112への摺動面の損傷を回避することができる。
【0084】 制御液圧出力ユニット2における制御弁62の弁ハウジング63は、シリンダ 体64と、該シリンダ体64に嵌合、固定される小シリンダ体65とで構成され 、小シリンダ体65との間に反力室73を形成して小シリンダ体65にかしめ結 合される栓部材70に差圧弁95が設けられるので、制御弁62および差圧弁9 5をユニット化することができ、制御弁62および差圧弁95の機能テストをシ リンダ体64から取り外した状態で実行することができるとともに組立性向上に 寄与することができる。
【0085】 しかも制御弁62におけるばね84と、該ばね84よりも荷重を低く設定され た差圧弁95側のばね100との間には栓部材70で受けられるリテーナ101 が介装されるものであり、差圧弁95のばね100を、栓部材70に嵌着される 止め輪等で受けるものではないので、前記止め輪等の組付け時に発生する切粉の 発生を回避することができ、それにより差圧弁95の作動を円滑にすることがで きる。
【0086】 ストロークアキュムレータ136では、アキュムレータばね142,143お よびバックアップピストン141を収納するばね室155が、作動液をリザーバ Rに戻す解放通路59,90の途中に設けられているので、ばね室155内で作 動液を流通させることができ、したがってばね室155内での作動液の停滞を回 避し、ばね室155内の作動液中にエアーが混入、停滞することを極力回避して ストロークアキュムレータ136の円滑な作動を得ることが可能であるとともに 、作動液の劣化を回避することができる。しかも作動液が停滞すると作動液中の 水分により上記各ばね142,143,144に錆が発生するおそれがあるが、 作動液を流通させることにより上記錆の発生も防止される。
【0087】 また解放通路59は流出弁7FL,7FR,7R に接続されるものであり、それら の流出弁7FL,7FR,7R の開弁時には高圧の作動液が解放通路59に導かれる ことになり、解放通路59をリザーバRに直接連通させたものでは、高圧の作動 液がリザーバR内に噴出するおそれがあるが、解放通路59がばね室155およ び解放通路90を介してリザーバRに通じるものであるので、ばね室155がバ ッファ機能を果たし、リザーバRへの作動液の戻りを緩やかにすることが可能と なる。
【0088】 さらにストロークアキュムレータ136では、アキュムレータピストン139 、リテーナ157、両アキュムレータばね142,143、リテーナ158、バ ックアップピストン141およびバックアップばね144を内装組立体168と してケーシング137とは別に組立てることが可能であるとともに、リテーナ1 57を嵌合凹部161に嵌合させることによってアキュムレータピストン139 とバックアップピストン141との同軸性を維持することが可能であるので、ス トロークアキュムレータ136の組立作業性を向上することができる。
【0089】 以上、本考案の実施例を詳述したが、本考案は上記実施例に限定されるもので はなく、実用新案登録請求の範囲に記載された本考案を逸脱することなく種々の 設計変更を行なうことが可能である。
【0090】
【考案の効果】
以上のように本考案によれば、バイパス弁は、フリーピストンとの間に出力液 圧室を形成するとともに出力液圧室に通じる弁孔を一端に有して液圧伝達手段の ハウジングに嵌合固定される弁ハウジングと、補助液圧発生手段の圧力室に通じ る弁室を弁ハウジングの一端との間に形成するとともに液圧供給源に通じるパイ ロット室を弁ハウジングの他端との間に形成して弁ハウジングに摺動可能に嵌合 される駆動ピストンと、弁孔を開閉可能として駆動ピストンに設けられる弁体と 、パイロット室の容積を縮小する側へのばね力を発揮して弁ハウジングおよび駆 動ピストン間に縮設されるばねとから成るので、液圧伝達手段およびバイパス弁 のユニット化が可能となり、しかもバイパス弁を独立して組立可能であるので、 組立てたバイパス弁をハウジングに組み付けることが容易であって組立性を向上 することができ、またバイパス弁単独で機能テストを実施することが可能となる 。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレーキ圧制御装置の液圧回路図である。
【図2】モジュレータの構成を示す縦断面図である。
【図3】流通規制ユニットの縦断面図である。
【図4】制御液圧出力ユニットの一部構成を示す縦断面
図である。
【図5】制御液圧出力ユニットの残部構成を示す縦断面
図である。
【図6】ストロークアキュムレータの構成を示す縦断面
図である。
【図7】ストロークアキュムレータの組立途中を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
1・・・操作部材としてのブレーキペダル 3・・・液圧供給源 13・・・液圧伝達手段 14・・・バイパス弁 15・・・ハウジング 16・・・入力液圧室 17・・・出力液圧室 18・・・フリーピストン 26・・・弁ハウジング 27・・・弁孔 29・・・弁室 30・・・パイロット室 31・・・駆動ピストン 32・・・弁体 33・・・ばね 61・・・補助液圧発生手段 62・・・制御弁 64・・・シリンダ体 83・・・スプール 87・・・出力ポート 106・・・圧力室 107・・・ピストン BFL,BFR,BRL,BRR・・・アクチュエータとしての
ブレーキ装置 R・・・リザーバ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力ポート(87)をリザーバ(R)に
    通じさせる位置ならびに出力ポート(87)を液圧供給
    源(3)に通じさせる位置との間で移動可能なスプール
    (83)を備える制御弁(62)と、操作部材(1)に
    連結されたピストン(107)がその前面を圧力室(1
    06)に臨ませてシリンダ体(64)に摺動自在に嵌合
    されて成る補助液圧発生手段(61)と、液圧を受けて
    作動するアクチュエータ(BFL,BFR,BRL,BRR)に
    接続される出力液圧室(17)ならびに前記出力ポート
    (87)に接続される入力液圧室(16)に両端面を臨
    ませたフリーピストン(18)がハウジング(15)に
    摺動可能に嵌合されて成る液圧伝達手段(13)と、液
    圧供給源(3)の出力液圧低下に応じて開弁すべく構成
    されて前記アクチュエータ(BFL,BFR,BRL,BRR
    および前記圧力室(106)間に介設されるバイパス弁
    (14)とを備える液圧制御装置において、バイパス弁
    (14)は、フリーピストン(18)との間に出力液圧
    室(17)を形成するとともに出力液圧室(17)に通
    じる弁孔(27)を一端に有して液圧伝達手段(13)
    のハウジング(15)に嵌合固定される弁ハウジング
    (26)と、補助液圧発生手段(61)の圧力室(10
    6)に通じる弁室(29)を弁ハウジング(26)の一
    端との間に形成するとともに液圧供給源(3)に通じる
    パイロット室(30)を弁ハウジング(26)の他端と
    の間に形成して弁ハウジング(26)に摺動可能に嵌合
    される駆動ピストン(31)と、弁孔(27)を開閉可
    能として駆動ピストン(31)に設けられる弁体(3
    2)と、パイロット室(30)の容積を縮小する側への
    ばね力を発揮して弁ハウジング(26)および駆動ピス
    トン(31)間に縮設されるばね(33)とから成るこ
    とを特徴とする液圧制御装置。
JP8674192U 1992-12-17 1992-12-17 液圧制御装置 Pending JPH0649249U (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04163261A (ja) * 1990-10-26 1992-06-08 Honda Motor Co Ltd 制動液圧制御装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04163261A (ja) * 1990-10-26 1992-06-08 Honda Motor Co Ltd 制動液圧制御装置

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