JPH0649157A - トリアリールメタン構造を有する強磁性有機物質およびその製造法 - Google Patents

トリアリールメタン構造を有する強磁性有機物質およびその製造法

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JPH0649157A
JPH0649157A JP5103370A JP10337093A JPH0649157A JP H0649157 A JPH0649157 A JP H0649157A JP 5103370 A JP5103370 A JP 5103370A JP 10337093 A JP10337093 A JP 10337093A JP H0649157 A JPH0649157 A JP H0649157A
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triarylmethane
resin
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Sugiro Otani
杉郎 大谷
Akira Kojima
昭 小島
Michiya Ota
道也 太田
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Gunma University NUC
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トリアリールメタン構造を有する強磁性有機
物質を得る。 【構成】 少なくとも1個の電子供与基と少なくとも1
個のアルデヒド基を有する芳香族誘導体を酸触媒の存在
下に加熱自己縮合させた後、光照射または酸化剤の作用
により脱水素し、メチン炭素部位のラジカル濃度が少な
くとも1017であるトリアリールメタン構造を有する有機
重合物質とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録材料、光電子
光学材料などの分子素子分野において広い応用が期待さ
れる強磁性有機高分子、特にその前駆体に相当する熱硬
化性のトリアリールメタン構造を有する初期縮合体およ
びそれより導かれる安定な強磁性有機物質、並びにその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来公知の強磁性有機物は (1)コルシャ
ク(korshak) らの1,4-ビス(2,2',6,6'−テ トラメチル
−1オキシル)ブタインを加熱または紫外線照射するこ
とによって作られた黒色粉末状ポリマー〔Nature, 326,
370(1987)〕、 (2)トランス(Torrance)の1,3,5 −トリ
アミノベンゼンをヨウ素によって重合した黒色不溶性ポ
リマー〔Synth. Metal, 19, 709 (1987) 〕、 (3)岩村
秀らのポリカルベン (日本化学会誌、1987, No.4,59
5)などに限られる。これらはいずれも合成が難しく、再
現性に問題が残されたり、強磁性の発現する部分が僅か
数%に過ぎなかったり、磁性発現の温度が極めて低温で
あったり、空気中で不安定であるなどの問題がある。
【0003】強磁性発現の理論的検討も盛んになり初め
ているが、まだ充分な強磁性有機物質が合成されていな
いこともあって、有機物に強磁性を発現させるための必
要にして十分な条件が確定されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、さきに
縮合多環芳香族化合物からp−キシリレングリコールを
連結剤として作られる縮合多環多核芳香族(COPNA) 樹脂
を特開昭62−521 号および同62−522 号として提案し
た。この樹脂は優れた耐熱性を特徴とするものである
が、その後の研究で、結合剤をp−キシリレングリコー
ルからベンズアルデヒドまたはベンゼンジアルデヒドに
代えることによって、さらに耐熱性の高い熱硬化性樹脂
を取得することに成功し、それを特願昭62−282080号と
して提案した。この研究を続けている過程で、得られる
硬化物またはその前駆体である熱硬化性初期縮合体( B
ステージ樹脂)が、僅かながら永久磁石に対して反応を
示すことを偶然確認し、それを契機として鋭意研究の結
果、前記従来公知の磁性発現有機物に付帯する問題点を
悉く解決して本発明を完成したものである。
【0005】本発明の目的は、合成が簡単で、再現性良
く強磁性を示す安定な有機高分子化合物またはその前駆
体に相当する熱硬化性初期縮合体を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち上記目的を達成
するために本発明者等は先に、一般式、
【化3】 〔上式中、R1は二環以上の置換または非置換縮合多環ア
リーレン基(但し、環員にN,SまたはOよりなるヘテ
ロ原子を含むことができる)または電子供与基置換フェ
ニレン基、R2は置換または非置換アリール基を示し、n
は3以上の整数である〕で表わされるトリアリールメタ
ン基本構造よりなり、そのメチン炭素部位におけるラジ
カル濃度が少なくとも1017/g でトリアリールメタン構
造を有する有機物質が強磁性を示すことを見出した。
【0007】上式中のR2は好ましくは置換または非置換
フェニール基であり、更に好ましくは、上式中のnが10
以上であり、前記メチン炭素部位におけるラジカル濃度
は少なくとも1018/g である。
【0008】また上記のトリアリールメタン構造を有す
る強磁性有機物質のうちnが10未満のものは、30℃ない
し 120℃の軟化点を有し各種有機溶剤に可溶なBステー
ジ樹脂と定義される初期縮合体であり、それを製造する
ための方法は、二環以上の置換または非置換縮合多環芳
香族化合物またはヒドロキシ基、低級アルキル基、例え
ばメチル基、エチル基、低級アルコキシ基、例えばメト
キシ基、エトキシ基、などの電子供与基をもつ単環芳香
族例えばヒドロキシベンゼンと、置換または非置換芳香
族アルデヒドとを酸触媒の存在下直流磁界中で縮合させ
ることを特徴とする。
【0009】さらに、かかるBステージ樹脂を経てトリ
アリールメタン構造を有する強磁性有機物質を取得する
ための方法は、二環以上の置換または非置換縮合多環芳
香族化合物またはヒドロキシベンゼンのようなベンゼン
の電子供与基誘導体と置換または非置換芳香族アルデヒ
ドとを酸触媒の存在下で縮合させて、30℃ないし120℃
の軟化点を有し各種溶剤に可溶なトリアリールメタン構
造を有する初期縮合体を生成し、これに脱水素処理と未
反応物の除去処理とを施した後、成形することを特徴と
し、好ましくは、前記トリアリールメタン構造を有する
初期縮合体の縮合反応と前記成形との少なくとも一方は
磁場強度が好ましくは少なくとも100 ガウス、更に好ま
しくは少なくとも400 ガウスの直流磁界中で行われる。
【0010】以下、かかる発明をその作用とともに、さ
らに詳述する。
【0011】前記特許出願に詳細を述べたように芳香族
アルデヒドを酸触媒の存在下で、アントラセン、ピレン
などの縮合多環芳香族と 140℃ないし 200℃の温度に加
熱することによって、軟化点が30℃から120 ℃程度のB
ステージ樹脂が得られる。これを反応温度で長時間加熱
を続けるか、200 ℃から300 ℃までの温度で短時間処理
することによって硬化物が得られる。もし連結されるべ
き芳香族をヒドロキシ誘導体に代えると、例えばフェノ
ールやレゾルシンやモノヒドロキシナフタレンやジヒド
ロキシナフタレンなどの場合には、結合剤が室温で液体
のベンズアルデヒドならば、さらに低い温度で反応が進
む。
【0012】これらの反応において、各種の成形法を適
用し得るBステージ樹脂の段階を経て最終的に硬化物と
なることが、応用を考える時に大変有利になる。すなわ
ちBステージ樹脂の溶液を用いてキャステング法でフィ
ルムを作ったり、溶融物を用いて繊維その他の成形物に
することができる。
【0013】Bステージ樹脂や硬化物の磁性を最も簡単
に判定する方法として次のような方法がとられた。直径
10cmのガラス製シャーレに深さ1〜2mmの水を入れ、そ
の上にBステージ樹脂または硬化物の粉末を撒く。粉末
は水面に浮く。このシャーレの下に永久磁石を置いたま
ま放置すると、永久磁石の磁束密度の最も強い縁の部分
に、水面上の試料粉末が集まり、縁に沿って並ぶ。樹脂
の原料及び製造条件によって、磁石の縁に集合するに要
する時間が違ってくる。速いものは30秒以内で遅いもの
は10分前後で集まる。もちろん全く集まってこない場合
もある。これらの予備的な磁性比較の後、主要な試料に
ついては、理研電子(株)の振動試料型磁化特性自動記
録装置(VSM) によって磁性の測定を行った。
【0014】初期の検討の結果、磁界中で縮合反応を進
めるか、またはあらかじめ作成した軟化点の低いBステ
ージ樹脂を用いて磁界中でさらに反応を進めることが強
磁性発現のために有効であることを確認した。具体的に
は、コイルに直流を流しながら、その中央に反応容器を
置くか、あるいは大型の電磁石の極間に反応容器を置く
か、最も簡単な方法は永久磁石の上に、ガラス板、アル
ミ箔または剥離紙を置き、この上に初期のBステージ樹
脂溶液を載せて溶媒を除去し、必要ならばそのまま加熱
して縮合を進めた後剥離する。または上下の磁石に挟ん
で加熱することである。
【0015】この方法によって、室温で強磁性を示す高
分子が得られることは確認されたが、強磁性を示す部分
と示さない部分とがあり、強磁性部分の収率が小さいこ
とが問題となった。この理由についてはまだ学問的に解
明されていないが、二つの可能性を想定して新しい処理
法を加えることを検討した。
【0016】Bステージ樹脂を構成する分子について
の、主として核磁気共鳴吸収による解析結果から、これ
らの分子はトリアリールメタン型の構造をとることが明
らかになった。このことから、強磁性部分の収率向上の
可能性として次の二つを想定した。
【0017】一つは、トリアリールメタン構造の中心に
あるメチン炭素に結合する水素を外してラジカル濃度を
増加させることであり、他の一つは、Bステージ段階で
まだ多量に残っている未反応の原料分子を除くこと、で
ある。
【0018】これら二つの試みは、いずれも特性及び収
率の向上に効果があり、その結果最も好適な工程は添付
図面の図1に示すプロセスフローシートの通りであるこ
とが判明した。
【0019】この工程のうち、脱水素処理と分離操作と
の順序を交換することは差支えない。要はこれら二つの
操作が含まれることである。以下にもう少し具体的にこ
れらの製法について説明する。
【0020】上記方法に適用される縮合多環芳香族化合
物としては、環数2〜10個程度までのもの、例えば、ナ
フタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ク
リセン、ナフタセン、ベンゾフェナントレン、ペリレ
ン、ベンゾピレン、コローネンなどベンゼン環縮合型の
他に、アセナフチレン、デカシクレンなど、5員環など
を含んでもよく、また環員にN,S,Oなどのヘテロ原
子を含んでもよい。さらに水酸基、メチル基などの置換
誘導体も好適に適用することができる。これらは混合物
でもよい。また単環芳香族の場合には無置換のベンゼン
では反応は進みにくいが、ヒドロキシ基、低級アルコキ
シ基、例えばメトキシ基、低級アルキル基、例えばメチ
ル基、エチル基などの電子供与基の1または2置換体、
代表的な具体例を挙げればフェノールやレゾルシンを用
いることもできる。上記縮合多環芳香族化合物のうち、
特にピレンは反応性が高く作りやすい。ナフタレンなど
の場合でもヒドロキシ誘導体は反応性が高く、ピレンな
どに比べてもより低い温度やより短い時間で反応が進
む。例えばナフトールあるいはナフタレンの各種ジヒド
ロキシ誘導体などである。単環芳香族化合物を含め、ヒ
ドロキシ基その他の電子供与基置換誘導体の場合には置
換基のオルト位とパラ位の反応性が特に大きいため、連
結剤との反応位置を決めることができ、構造を制御しや
すいという利点もある。これをフェノールとベンズアル
デヒド並びにレゾルシンとベンズアルデヒドとの反応に
ついて示せばそれぞれ次の (2)式および (3) 式のよう
になる。
【化4】
【化5】
【0021】連結剤としては、芳香族アルデヒドまたは
その置換誘導体であることが特徴である。その置換基と
しては、ニトロ基、水素、メチル基、イソプロピル基、
t−ブチル基、水酸基、アミノ基などが挙げられる。こ
のような芳香族アルデヒドのうち最も一般的には、ベン
ズアルデヒドまたはそのメチルあるいはニトロ誘導体な
どが使われる。二置換誘導体であるベンゼンジアルデヒ
ドを使った方が樹脂の成形性がよい場合が多い。
【0022】芳香族に対する連結剤のモル比は、実施例
にみられるように1以上の場合が多い。この場合の最終
生成物は三次元的なトリアリール構造となる。
【0023】触媒としては、各種の酸触媒、例えばp−
トルエンスルホン酸をはじめとする各種の芳香族スルホ
ン酸、フルオロメタンスルホン酸その他の超強酸、硫酸
などが使用可能である。
【0024】酸触媒を用いたときの芳香族アルデヒドと
芳香族との反応は、ピレンとベンズアルデヒドとを例に
とれば、 (4)式で進む。このことは生成物の構造解析か
らも確認できる。
【化6】
【0025】すなわち、このような反応によって得られ
る化合物は13CNMRスペクトルの50ppm 付近の位置に共鳴
吸収スペクトルが現れ、メチン結合をする炭素原子の明
らかな存在を示す。スペクトルの正確な位置は使用する
原料によって稍々異なる。例えば、ピレン/ペンズアル
デヒド系では54ppm 、フェノール/ベンズアルデヒド系
では47ppm と53ppm の二箇所である。このことから上記
反応生成物である縮合体の構造的特徴は、トリアリール
メタン構造を単位とすることであり、一般的名称として
はトリアリールメタン構造を有する縮合体と呼ばれるべ
きものである。芳香族のジアルデヒド、例えばテレフタ
ルアルデヒドの場合にも反応の基本は同じであり、結果
的にはトリアリールメタン構造を単位とする三次元的な
巨大分子になる。
【0026】かかるトリアリールメタン構造を有する縮
合体の基本反覆構造単位は次式 (1)で表わすことができ
る。
【化7】
【0027】但し、式中 R1 は二環以上の置換または非
置換縮合多環アリーレン基(但し環員にN,SまたはO
よりなるヘテロ原子を含むことができる)またはヒドロ
キシフェニレン基、R2は置換または非置換アリール基を
示し、nは3以上の整数である。
【0028】その後の研究によって、ヒドロキシ基、低
級アルキル基、例えばメチル基、エチル基、低級アルコ
キシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基などの電子供与
基とアルデヒド基とを同一芳香核にもつ化合物を原料と
する場合には、その化合物だけを酸触媒の存在下で加熱
することによって、次式 (5)の基本構造からなるトリア
リールメタン高分子化合物が得られることが判明し、本
発明に到達した。
【0029】
【化8】 (上式中、R3は置換または非置換芳香核を示し、nは3
以上の整数である。)
【0030】本発明の反応および得られる生成物の構造
をp−ヒドロキシベンズアルデヒドで説明する。ヒドロ
キ基はオルト、パラ配向基であるが、パラ位はアルデヒ
ド基ですでに置換されているので、置換はオルト位で選
択的におこなわれる。反応の本質はフェノールとベンズ
アルデヒド混合物の場合と同様で、次式 (6)のように進
む。
【化9】
【0031】ただヒドロキシ基とアルデヒド基とが同一
芳香核に存在するため、得られるトリアリ−ルメタン型
高分子の単位構造が変わり、それにつれて高次構造の様
子が変わることになる。この高次の網状構造の詳細につ
いてはまだ確認されていないが、単位となる基本構造に
ついては13CNMRの結果および反応の解析から確認され
る。磁性発現にとっての基本的な要因はこの単位構造に
ある。
【0032】2種類の置換基をもつ芳香核としてはヒド
ロキシベンズアルデヒドのような単環でも、ナフタレン
その他の縮合多環でも可能である。しかし、単位重量当
りのラジカル濃度を高くすることを目標とすれば、単環
の場合が最も有利である。
【0033】通常の方法と条件のもとで作られた生成物
の常磁性共鳴吸収の測定結果から計算されるラジカル濃
度はグラムあたり1016ないし1017であって必ずしも高く
ない。この場合でも磁界中で加熱縮合させたときの生成
物は、ラジカル濃度が1017〜1018/g と増大し、前記の
予備的試験法では30秒以内に磁石の縁に集まる場合もあ
る。また磁石の間で作られたフィルム状試料の小片の中
には振動試料型磁化特性自動記録装置(VSM) によれば、
磁気異方性を示し、磁界に平行な方向に相当するフィル
ム面に垂直な方向では、飽和磁化が5.64ガウス、保磁力
は 100エルステッドで、磁界に平行方向ではそれぞれ5.
84ガウス、160 エルステッドのものも認められた。しか
しこのような高い磁気特性を示す試料の収率は僅かで、
数%を超えないことが多い。
【0034】メチン炭素につく水素を外してラジカル濃
度を高めるための脱水素処理としてはいくつかの方法が
有効であることを確認した。その一つは、ベンズアルデ
ヒド/ピレン(モル比1.25) 混合物を原料としてBステ
ージ樹脂を作り、これを微粉砕して等モルのジシアノジ
クロロベンゾキノン(DDQ)とともに乾燥キシレンに
懸濁させ、アルゴン気流中で24時間沸騰温度で加熱した
後濾過する方法である。この方法で得られた試料からD
DQや未反応原料などをテトラヒドロフラン(THF)
で抽出除去すると、収率は1ないし3%と少ないけれど
も明らかに強磁性を示す試料が得られる。もっと収率の
高い脱水素処理の方法として次のような方法も有効であ
る。前記Bステージ樹脂をクロロフォルム溶液とし、こ
れに光増感剤として等モルのベンゾキノン(BQ)を加
え、この溶液に高圧水銀灯を用いて370nm の紫外線を1
時間以上照射する方法である。この方法では、処理後、
この溶液をメチルアルコールにそそいで反応生成物だけ
を沈殿させると、約70ないし85%の高い収率で強磁性有
機物質を得ることができる。この生成物はまだ80℃前後
の軟化点をもち、各種の成形法の適用が可能であるし、
さらに縮合を進めることも可能である。
【0035】もう一つ興味ある脱水素処理法をも確認し
た。それは、コンデンサーを用いてBステージ樹脂を間
に挟んで放電することである。この方法でも磁性は明ら
かに増進される。この方法は将来フィルム状試料に局部
的に磁性を与える方法として極めて重要な手段となる可
能性がある。
【0036】要するに、この脱水素処理は特に方法を限
定しなければならないものではなく、通常用いられる方
法はいずれも有効で、BQ、DDQのみならずベンゾフ
ェノン、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)など
多くの光増感剤の使用が可能であり、紫外線照射やレー
ザ照射あるいは放電による電気的処理などがより効果を
促進する。
【0037】このような脱水素処理によって、ラジカル
濃度は1019〜1021/g 程度にまで増大する。
【0038】
【作用】脱水素処理法と未反応物の分離操作の併用によ
り磁性有機物質の収率を向上させることは出来たが、こ
の物質の利用を考えるときには有効な成形方法が必要に
なる。幸いなことに、Bステージの処理物は、多くの場
合に軟化溶融したり溶媒に溶解する。従ってホットプレ
ス成形法やキャスティング法によって成形が可能であ
り、さらに加熱を続けると硬化反応が進行する。この性
質を利用して各種の形状に成形することができる。この
場合に、この成形過程を直流磁界中で行うことがより一
層の磁性の改善につながることは、すでに脱水素処理を
しない試料について述べたことと同じである。ただ脱水
素処理をしたBステージ樹脂を使用することで、成形後
試料の磁性と収率は、脱水素処理をしない試料を使った
時にくらべて格段に向上する。
【0039】このようにして各種の成形物を作ることが
可能であるが、成形のしやすさは芳香族と連結剤との組
み合わせによって難易が認められる。例えば、フィルム
状の試料を作るには芳香族としてベンゼンやナフタレン
などの電子供与基二置換体、例えばジヒドロキシ誘導体
を、連結剤としてベンズアルデヒドを用いた組み合わせ
が最も適しており、嵩高い成形物にはピレンとベンゼン
ジアルデヒドの組み合わせが最も適している。また繊維
状成形物を作るには、初期縮合体であるBステージ樹脂
が望ましい。成形性をさらに向上改善するためには、B
ステージ樹脂にp−キシリレングリコールやそのメチル
誘導体を適当な割合だけ添加してやる方法なども有効で
ある。
【0040】生成物の色は、原料組成の種類と、反応の
進行段階とによってさまざまである。ベンゼンやナフタ
レンのジヒドロキシ誘導体などの電子供与基二置換体と
ベンズアルデヒドとの組み合わせでは、淡赤色透明から
反応が進むにつれて深色化する。ピレンとベンズアルデ
ヒドやテレフタルアルデヒドとの組み合わせでは、黄緑
色から次第に深色化して、ついには黒色となる。
【0041】Bステージ樹脂の段階では、一般に芳香核
4個程度が連結した平均分子量を示し、未反応のアルデ
ヒド基が残存する。しかし、 200℃以上で得られた硬化
物では、アルデヒド基は認められずメチン結合だけとな
る。磁性はいずれの段階でも発現する。
【0042】磁性発現の機構については、まだ解明され
ていない。しかし、現段階でも明確に指摘できること
は、 (1)特定のトリアリルメタン構造を単位とする高分
子化合物が強磁性を発現すること、 (2)このような構造
を持つ高分子は、縮合多環芳香族化合物またはベンゼン
の電子供与基置換体例えばヒドロキシベンゼンと芳香族
アルデヒドとの反応あるいは電子供与基とアルデヒド基
とを同一芳香核にもつ化合物の自己重合によって得られ
ること、 (3)脱水素処理と未反応物の分離除去が特性と
収率とを向上させること、 (4)磁界中での成形や反応操
作が磁性の発現を助長すること、である。
【0043】
【実施例】以下、実施例および参考例により本発明を更
に説明するが、この実施例によって本発明を限定する意
図はない。
【0044】参考例1 ベンズアルデヒドとピレンのモル比1.25の混合物に5重
量%のパラトルエンスルホン酸( PTS)を加えてよく
混合し、アルゴン気流中でかき混ぜながら 160℃で60分
間反応させて、軟化点が約80℃で、各種溶剤に可溶なB
ステージ樹脂を得た。この樹脂の小片をアルミ箔に挟
み、これをさらに上下に配置した二個の永久磁石(日立
金属(株)製H18B) で挟み、5℃/分の速度で 160℃
まで昇温し、約0.7mm 程度のフィルム状試料を得た。試
料は剥離時に数平方ミリメートルの小片に割れたが、そ
の中に磁性を示す小片があり、理研電子(株) 製のVS
Mにより、図2に示したヒステリシスを示す磁化曲線が
得られた。この結果から求められた飽和磁化は、フィル
ム面に垂直方向で5.64ガウス(G) であり、平行方向で5.
84Gであり、保磁力はそれぞれ 100エルステッド(Oe)と
160エルステッド(Oe)であった。ただし強磁性を示す小
片の収率は数%であった。
【0045】参考例2 テレフタルアルデヒド/ピレン(モル比1.25) の混合物
に5%のPTSを加え、アルゴン気流中、160 ℃で1時
間加熱してBステージ樹脂を作った。次いで電磁石(Jap
an Electron Optics Laboratory Co.Ltd. 製 JM-393
型) を用いて1.5T( テスラー) の直流磁界を作り、その
中に無誘導型の発熱コイルを直径1cmのガラス管に巻い
た加熱装置を置き、このなかにBステージ樹脂を入れた
ガラスボートを入れる。アルゴン気流中で 160℃、1時
間加熱して暗緑色の成形物を得た。ESRによるラジカ
ル濃度は1018/g であった。このものの飽和磁化は 0.1
1 Oeで、保磁力は正確には求められなかった。
【0046】参考例3 ベンズアルデヒド/ピレン(モル比1.25) の混合物に5
%のPTSを加えて、アルゴン気流中で160 ℃、90分間
加熱してBステージ樹脂を得た。この樹脂粉末を、あら
かじめ深さ2mmになるように3%過酸化水素水を入れた
シャーレの中に入れる。これに1ないし2mm間隔に2本
の銅線を置き、定電圧直流電源を利用して、500Vの電圧
をかけると、樹脂粉末は極に近いものから順に極間に集
まり、そこに放電が起こり、同時に粉末は水面を浮いた
まま急速に遠ざかる。このようにして、順次処理した
後、粉末を濾別し、水洗後乾燥する。得られた粉末を、
シャーレ (直径10cm) に入れた1mm程度の深さの水面に
撒き、シャーレの下に磁石を置くと、粉末は磁石の縁に
集まってきた。
【0047】参考例4 ベンズアルデヒドとピレンのモル比1.25の混合物に5重
量%のPTSを加えてよく混合し、160 ℃、アルゴン気
流中で60分間反応させて軟化点80℃のBステージ樹脂
1.5グラムを得た。これを25mlのクロロホルムに溶解
し、ベンゾキノン約1.5グラムを加え、高圧水銀灯で12
時間照射した。この溶液を約50mlのメタノールにそそ
ぎ、沈澱を濾別した。得られた沈澱は白色で、収率は約
80%であった。ESRによるラジカル濃度は1019〜1020
/g で、VSMで磁気測定を行ったところ飽和磁化が0.
11 G、保磁力が64 Oe であった。
【0048】参考例5 電磁石(Japan Electron Optics Laboratory Co.Ltd.製
JM-393 型) を用いて1.5T( テスラー) の直流磁界を作
り、その中に無誘導型の発熱コイルを直径1cm(内径)
のガラス管に巻いた加熱装置を置き、この中に、参考例
4で得られた白色沈澱 0.8グラムをガラスボートに入れ
て加熱部に置き、アルゴン気流中、5℃/分の速度で 1
60℃まで昇温し、2時間保持した。次いで、再び5℃/
分の速度で 250℃まで昇温した。その間、10℃間隔の各
温度で10分間ずつ保持した。得られた試料は暗緑色の固
体で、ラジカル濃度は1020/g であった。この試料の小
片を、シャーレ (直径10cm) に入れた1mm程度の深さの
水面に撒き、シャーレの下に磁石(H18B) を置くと、
しばらくして磁石の縁に集まった。一度縁に集まるよう
になると、以後は水を揺らして小片を散らしても直ちに
縁に集まった。この試料の磁気測定によれば、飽和磁化
は 5.0G で、保磁力は200 Oeであった。
【0049】参考例6 カルバゾールに1.25倍モル量のベンズアルデヒドと、そ
れらの重量和の5重量%に相当するPTSを加えて十分
混合した。次いでそれを枝付試験管に移し、アルゴン気
流中、 160℃で5〜10分間加熱してBステージ樹脂を得
た。このBステージ樹脂3gをジクロロメタン20mlに溶
かし、これを60mlのメタノール中に注入した。反応生成
物のみが沈澱するので、これを濾別して、酸触媒および
未反応物を分離除去した。得られた樹脂を試験管にと
り、これにその反応生成物の構造単位に対して 1.5倍モ
ル量のベンゾキノン(BQ)を加えた。次いで、その試
験管にジクロロメタン約10mlを加えて混合物を完全に溶
解した後、超音波で均一にかきまぜた。これに出力450W
の高圧水銀灯を用いて、室温で24時間光照射を行った。
【0050】照射後の試料溶液を、メタノール中に注入
して樹脂を沈澱させた。沈澱を濾別後、これをソックス
レー抽出器に移し、メタノールを溶媒として10時間、樹
脂を洗浄した。
【0051】精製後の樹脂の小片数mgを、シャーレ (直
径10cm) に入れた1mm程度の深さの水面に撒き、シャー
レの下に永久磁石 (H18B) を置くと、15分後には最も
磁力線密度の高い磁石の縁に集まった。一度縁に集まる
ようになると、以後は水を揺らして小片を散らしても直
ちに縁に集まった。
【0052】参考例7 1,6-ジヒドロキシナフタレンと、1.25倍モルのベンズア
ルデヒドを混合し、これに3重量%のPTSを加え、窒
素気流中でかきまぜながら加熱した。最初に50℃で1時
間保持後、 100℃まで温度を上げて1時間、引き続き 1
30℃で2時間加熱した。反応温度ではまだ高粘稠液状で
あるが、室温では暗赤色固体の生成物を得た。
【0053】固体生成物を粉砕後、構造単位に対して
1.5倍モル量のベンゾキノンを混合し、これを石英試験
管にとり、ジクロロメタン約20mlを加える。ベンゾキノ
ンは溶解するが樹脂粉末は懸濁状態となる。これに 450
Wの高圧水銀灯を用いて室温でかきまぜながら12時間光
照射を行った。照射後の試料溶液を大過剰のジクロロメ
タン中に注入し、沈澱を濾別した。この小片をシャーレ
に入れた1mm程度の深さの水面に撒き、シャーレの下に
磁石を置くと、小片は磁石の縁に集まった。
【0054】参考例8 ベンズアルテヒドとフェノールのモル比1.25の混合物に
1重量%のPTSを加えてよく混合し、130 ℃で60分間
反応させて赤色のBステージ樹脂を得た。この樹脂を粉
砕した後、その1グラムとベンゾキノン約0.5 グラムを
約20mlのシクロヘキサン中に分散させ、これに高圧水銀
燈で12時間照射した。照射後、この溶液を約200 mlのシ
クロヘキサンに注ぎ、沈澱をろ別して赤色の生成物を得
た。収率は約70〜80%であった。VSMによる磁気測定
の結果では、この樹脂は飽和磁化0.2 G、保持力が90O
e であった。
【0055】実施例 ヒドロキシベンズアルデヒドに1重量%のPTSを加え
てよく混合し、130 ℃て20分間反応させて赤色のBステ
ージ樹脂を得た。この樹脂を粉砕した後、その1グラム
とベンゾキノン約0.5 グラムとを約20mlのシクロヘキサ
ン中に分散させ、これに高圧水銀燈で12時間照射した。
照射後、この溶液を約 200mlのシクロヘキサンに注ぎ、
沈澱をろ別して赤色の生成物を得た。収率は約70〜80%
であった。VSMによる磁気測定の結果では、この樹脂
は飽和磁化0.5 G、保持力が10Oe であった。
【0056】
【発明の効果】上述のように、空気中で安定に存在し、
再現性よく合成が可能であり、フィルムや繊維その他各
種の形状に成形できる強磁性高分子を提供することによ
って、磁気記録材料や光電子光学材料などにおける分子
素子としての新分野を開拓することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法のプロセス・フローシートである。
【図2】本発明重合体の磁化曲線を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (上式中、R3は芳香核を示し、nは3以上の整数であ
    る)で表されるトリアリールメタン基本構造よりなり、
    そのメチン炭素部位におけるラジカル濃度が少なくとも
    1017/gであることを特徴とするトリアリールメタン構
    造を有する強磁性有機物質。
  2. 【請求項2】 R3が電子供与基置換芳香核であり、nが
    10以上であり前記メチン部位におけるラジカル濃度が少
    なくとも1018/gである請求項1のトリアリールメタン
    構造を有する強磁性有機物質。
  3. 【請求項3】 少なくとも1個の電子供与基と少なくと
    も1個のアルデヒド基とを有する芳香族誘導体を酸触媒
    の存在下で加熱することにより反応させた後、光照射ま
    たは酸化剤の使用により脱水素することを特徴とする一
    般式、 【化2】 (上式中、R3は電子供与機置換芳香核を示し、nは10以
    上の整数である)で表されるトリアリールメタン基本構
    造よりなり、そのメチン炭素部位におけるラジカル濃度
    が少なくとも1018/gであることを特徴とするトリアリ
    ールメタン構造を有する強磁性有機物質の製造法。
  4. 【請求項4】 前記芳香族誘導体がパラ−またはメタ−
    ヒドロキシベンズアルデヒドであり、前記光照射をベン
    ゾキノン、ベンゾフェノン、ジシアノジクロロベンゾキ
    ノンおよびアゾビスイソブチロニトリルよりなる群から
    選ばれた少なくとも一種の酸化剤の共存下で行う請求項
    3記載の強磁性有機物質の製造法。
JP5103370A 1988-08-25 1993-04-30 トリアリールメタン構造を有する強磁性有機物質およびその製造法 Pending JPH0649157A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2498446B (en) * 2010-08-17 2015-03-11 Ww Uk Ltd Improvements in or relating to furniture packaging

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