JPH05109522A - 有機強磁性物質及びその製造方法 - Google Patents

有機強磁性物質及びその製造方法

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JPH05109522A
JPH05109522A JP3232352A JP23235291A JPH05109522A JP H05109522 A JPH05109522 A JP H05109522A JP 3232352 A JP3232352 A JP 3232352A JP 23235291 A JP23235291 A JP 23235291A JP H05109522 A JPH05109522 A JP H05109522A
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organic
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Michiya Ota
道也 太田
Sugiro Otani
杉郎 大谷
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/42Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of organic or organo-metallic materials, e.g. graphene

Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成が簡単で、再現性に優れており、磁性が
強い安定な有機強磁性物質及びその製造方法を提供する
とともに、磁性金属超微粒子の分散系とは全く異なる、
有機化学的に簡便な合成手法を用いた有機磁性流体を提
供する。 【構成】 (a)電子供与基を有するベンゼン誘導体、
(b)2環以上の縮合多環芳香族化合物、(c)複素環
化合物及び(d)メタロセン化合物の中から選ばれる化
合物を、メタセロンカルボアルデヒド化合物を連結剤と
して用いて結合させた重縮合物からなることを特徴とす
る有機強磁性体。 (a)電子供与基を有するベンゼン誘導体、(b)2環
以上の縮合多環芳香族化合物、(c)複素環化合物及び
(d)メタロセン化合物の中から選ばれる原料化合物
に、メタロセンカルボアルデヒド化合物を、触媒の存在
下、磁場の存在又は非存在下で加熱反応させることを特
徴とする強磁性有機物質の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機強磁性物質及びそ
の製造方法に関するものである。本発明の有機強磁性物
質は、静電トナー、黒色塗料などの他に、電磁波シール
ドや磁気記録材料などの電子素子分野、メカニカルシー
ル、スピーカにおける放熱剤、研磨剤の高配向剤、ドラ
ッグ・デリバリー・システム(DDS)、冷却装置、磁
気テープの記録状態を光学的パターンに変換する現像液
等として利用することができる。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】これまでに公表されてい
る有機磁性体には、大別すると二種類がある。その一つ
は、金属を全く含まない純粋な有機物のみからなる有機
強磁性体で、(1)Ovchinnnikovらの1,
4−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシ
ル)ブタインを加熱または紫外線照射することによって
つくられた黒色粉末状ポリマー(Nature,62
6,370(1987))、(2)Torranceの
1,3,5−トリアミノベンゼンをヨウ素によって重合
した黒色不溶性ポリマー(Synth Metal,1
9,709(1987))、(3)Ota、Otani
らのトリアリールメタン型樹脂を磁場中で合成したもの
(Chem.Letters,1989,1179(1
989))と光脱水素処理を施したもの(Chem.L
etters,1989,1183(1989))など
が知られている。しかし、これらは合成が困難であった
り、再現性に問題が残されていたり、磁性が小さいなど
の問題がある。
【0003】もう一つの有機磁性材料としては、常磁性
金属イオンを側鎖にもつ有機物質で、テトラフェニルポ
ルフィリンを側鎖にもつポリアクリル酸エステルのポル
フィリン環にEr(III)を導入したポリマー(日本物
理学会誌,42,350(1987))が知られてい
る。しかし、このものは磁性が小さかったり、磁性発現
温度が低温であったりするなどの問題がある。このよう
に、有機強磁性物質の開発は、上記の二つの方法から活
発な研究が進められているが、いずれの方法においても
十分な強磁性体が合成されていないのが現状である。
【0004】一方、磁性流体については、1968年に
アメリカ合衆国のNASAで開発された溶媒に粒径10
nm程度のマグネタイト(Fe34)などの磁性扮を分
散、安定化させたものが始まりである。それ以後の作製
方法として、水溶液中でFeCl2やFeCl3を化学的
に酸化させ、マグネタイトのコロイド超微粒子を作製し
て、それを溶媒中に分散させ安定化させる方法が中心に
なっており、磁性流体の本質は、溶媒中に分散した鉄酸
化物である。このような磁性流体では、鉄酸化物の溶媒
中への均一分散とそのエマルジョン状態の安定化がむつ
かしいという問題を含む。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、合成が簡単
で、再現性に優れており、磁性が強い安定な有機強磁性
物質及びその製造方法を提供するとともに、磁性金属超
微粒子の分散系とは全く異なる、有機化学的に簡便な合
成手法を用いた有機磁性流体を提供することをその課題
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、その実験
的な研究背景をもとに種々研究を重ねた結果、本発明に
到達したものである。本発明の背景となる研究は、縮合
多環芳香族を芳香族アルデヒドを連結剤としてつくられ
る熱硬化性組成物(特願昭62−282080号、特願
昭63−281975号)である。この樹脂は優れた耐
熱性を特徴とするものであるが、その後の研究を続けて
いるうちに遇然に強磁性的な振舞いをするものの存在に
気付いた。そして、磁性の強さを改善する方法について
研究を進めていたところ、磁場中で合成したり、光脱水
素処理を行ったりすることで磁性がよりはっきりと改善
させることを見いだした。本発明者らは、さらに、より
強く新しい構造を有する有機磁性体の合成を目指して研
究を進めたところ、連結剤をメタロセンカルボアルデヒ
ドとした重縮合物が、合成樹脂(Bステージ樹脂)の状
態ですでに先行する前記研究結果による有機磁性体より
も1桁以上も強い磁性を示すことを見出した。また、反
応条件を調製することで容易に磁性流体を調製できるこ
とも見出した。
【0007】即ち、本発明によれば、(a)電子供与基
を有するベンゼン誘導体、(b)2環以上の縮合多環芳
香族化合物、(c)複素環化合物及び(d)メタロセン
化合物の中から選ばれる化合物を、メタセロンカルボア
ルデヒド化合物を連結剤として用いて結合させた重縮合
物からなることを特徴とする有機強磁性体が提供され
る。また、本発明によれば、(a)電子供与基を有する
ベンゼン誘導体、(b)2環以上の縮合多環芳香族化合
物、(c)複素環化合物及び(d)メタロセン化合物の
中から選ばれる原料化合物に、メタロセンカルボアルデ
ヒド化合物を、触媒の存在下、磁場の存在又は非存在下
で加熱反応させることを特徴とする強磁性有機物質の製
造方法が提供される。さらに、本発明によれば、前記有
機強磁性物質を光脱水素してその磁性特性を向上させる
方法が提供される。さらにまた、本発明によれば、前記
ペースト状強磁性有機物質からなる磁性流体が提供され
る。
【0008】本発明で用いる原料物質は、メタロセンカ
ルボアルデヒド化合物(以下、単にMCAとも言う)に
対して反応性を有するものであればどのようなものでも
良く、芳香族化合物、複素環化合物及びメタロセン化合
物等が包含される。本発明で用いる好ましい原料物質を
以下に示す。
【0009】 (a)電子供与性基を有するベンゼン誘導体 ベンゼン自体はMCAに対して実質的な反応性を示さな
いが、電子供与性基を有するベンゼン誘導体とすること
により良好な反応性を示すようになる。この場合、電子
供与性基は従来良く知られているもので、メチル基等の
アルキル基、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。電
子供与性を有するベンゼン誘導体の具体例としては、例
えば、フェノール、キシレノール、レゾルシン、フロロ
グリシノール、フェノールスルホン酸、アルキルフェノ
ール、メトキシフェノール等が挙げられる。この電子供
与性基を有するベンゼン誘導体とMCAとを反応して得
られる有機強磁性体は、常温で流動性を示す磁性流体、
B−ステージ樹脂、及び黒色の硬化体として存在するこ
とができる。この有機強磁性体は、電子供与基の数によ
ってその磁性特性が相違する傾向を示し、例えば、水酸
基1個のフェノールよりも2個のレゾルシンを用いた固
化物の方が磁性は強い。
【0010】(b)2環以上のベンゼン環を有する縮合
多環芳香族化合物 この縮合多環芳香族化合物は、特別の電子供与性基がな
くても、MCAと良好な反応性を有する。このものの具
体例としては、例えば、ナフタレン、ナフトール、ピレ
ン、ペリレン、アズレン、アントラセン等が挙げられ
る。この縮合多環芳香族化合物とMCAとを反応して得
られる有機強磁性体も、常温で流動性を示す磁性流体、
B−ステージ樹脂及び硬化体として存在することができ
る。この有機強磁性体は、原料物質の種類によってその
色調を異にする傾向があり、例えば、原料物質がアズレ
ンの場合、濃青色を示し、ピレンの場合、黒色〜緑色を
示す。
【0011】(c)複素環化合物 この複素環化合物も、特別の電子供与性基がなくて、M
CAと良好な反応性を有する。このものの具体例として
は、例えば、チアンスレン、ピロール、カルバゾール、
チオール等が挙げられる。この複素環化合物とMCAを
反応させて得られる有機強磁性体も、常温で流動性を示
す磁性流体、B−ステージ樹脂及び硬化体として存在す
ることができる。
【0012】(d)メタロセン化合物 メタロセン化合物も、一般にはMCAと良好な反応性を
示す。フェロセン化合物は、その反応性は低いものの、
高磁性の有機強磁性物質を与える。このメタロセン化合
物において、そのメタルとしては、遷移金属、好ましく
はFe、Ni、Co、Cr、Tiなどが挙げられる。ま
た、このメタロセン化合物は、置換又は未置換のもので
あることができ、特に、ハロゲン原子を有するメタロセ
ン化合物は本発明の原料物質として好ましく使用するこ
とができる。
【0013】本発明においては、前記した原料物質の連
結剤として、メタロセンカルボアルデヒド化合物を用い
る。この化合物は、次の一般式で示すことができる。
【化1】 前記式中、Mは遷移金属、好ましくはFe、Ni、C
o、Cr、Ti等であり、R1及びR2は置換基であり、
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられ
る。このMCAの使用割合は、原料物質1モルに対し
て、0.7〜3モル、好ましくは1.0〜2.5モルの
割合である。
【0014】本発明においては、原料物質とその連結剤
としてのMCAとの反応に際しては酸触媒が用いられ
る。この酸触媒には、無機酸、有機酸、超強酸、ルイス
酸が包含される。このようなものとしては、例えば、H
Cl、HF、p−トルエンスルホン酸、フェノールスル
ホン酸、フルオロメタンスルホン酸、AlCl3、Al
Br3、FeCl3等が挙げられる。この酸触媒の使用割
合は、原料物質とMCAとの混合物に対して、0.5重
量%以上、好ましくは1〜5重量%の割合である。
【0015】本発明において、原料物質として水酸基を
有する化合物を用いる場合には、酸触媒の他、アルカリ
触媒を用いることができる。この場合のアルカリ触媒と
しては、アンモニアの他、水酸化ナトリウム、水酸化カ
ルシウム等の水酸化アルカリが挙げられる。このアルカ
リ触媒の使用割合は、原料物質とMCAとの混合物に対
し、1重量%以上、好ましくは5〜10重量%の割合で
ある。
【0016】本発明による原料物質とMCAとの反応
は、無溶媒下又は有機溶剤の存在下で行われる。この反
応は加熱下、通常、100℃以上、好ましくは130〜
160℃で行われる。反応圧力としては、一般に常圧が
採用される。ヘキサン、トルエンなどの低沸点の有機溶
剤を使用するときには、加圧を採用してもよいが、加圧
せずに、常圧の不活性気流中で加熱して、溶媒を徐々に
除きながら反応させることもできる。
【0017】有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素や、n−ヘキサンなどの脂
肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素が用
いられる。本発明により得られる反応生成物は、その重
縮合反応の進行度合に応じて、ペースト状(粘稠性)の
流体を経てBステージ樹脂となり、最終的には硬化体と
なる。これらペースト状の流体、Bステージ樹脂及び硬
化体はいずれも強磁性を示す。Bステージ樹脂は、30
〜130℃程度の軟化点を有するものである。このもの
は、これを反応温度で長時間加熱を続けると硬化体を形
成するが、200〜300℃の温度に加熱することによ
り短時間で硬化体とすることができる。
【0018】本発明の反応生成物において、粘稠なペー
スト状物は、平均重合度が700〜1700のもので、
磁性流体として使用することができる。このものは未反
応のアルデヒド基を有し、熱硬化性を有する。従って、
このものを加熱反応させると、最終的に硬化体とするこ
とができる。Bステージ樹脂は、平均重合度が700〜
2500のもので、成形材料として有利に用いられる。
例えば、フィルム成形材料、繊維成形材料、容器成形材
料等として用いられる。このBステージ樹脂も未反応の
アルデヒド基を有し、熱硬化性を示し、加熱により硬化
体とすることができる。硬化体は未反応のアルデヒド基
を有しない。
【0019】本発明においては、原料物質とMCAとの
反応を磁場中で行うことにより、生成物の磁性をさらに
向上させることができる。この場合、磁場としては、1
00ガウス以上、好ましくは400ガウス以上の磁場が
用いられる。
【0020】また、本発明においては、有機強磁性物
質、特に、Bステージ樹脂状態の反応生成物を、光脱水
素処理することにより、その磁性を向上させることがで
きる。この場合、光脱水素処理は、光酸化剤の存在下で
紫外線を照射して光酸化還元反応させることにより行う
ことができる。光酸化剤としては、P−ベンゾキノン等
のキノン化合物や、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン化
合物を用いることができる。光酸化剤の添加量は、有機
強磁性物質に対し、0.1〜2.0モル%、好ましくは
0.5〜1.0モル%である。紫外線の光源としては、
高圧もしくは超高圧水銀灯が用いられる。
【0021】Bステージ樹脂を光脱水素反応処理する場
合、そのBステージ樹脂は、ジクロルメタンや、テトラ
ヒドロフラン等の良溶媒に溶解して溶液とし、この溶液
に対して光酸化剤の存在下、紫外線を照射するのが好ま
しい。溶液中のBステージ樹脂の濃度は、25〜75g
/l、好ましくは25〜50g/lである。紫外線照射
時間は2〜12時間程度である。紫外線照射された溶液
は、これをn−ヘキサン、シクロヘキサン等の貧溶媒に
注入してBステージ樹脂を析出分離させ、回収する。
【0022】本発明における原料物質と連結剤として用
いるMCAとの反応は、MCAを介して原料物質が結合
する重縮合反応であり、水の脱離を伴って反応は進行す
る。この場合の反応は次式により表わされる。
【化2】 前記式中、R−Hは原料物質を示し、Mは遷移金属を示
し、R1及びR2は水素又は置換基を示す。nは2以上の
整数である。
【0023】本発明により得られる重縮合反応生成物
は、必要に応じ、その未反応物や低分子化合物を除去し
て、精製することができる。このための方法としては、
例えば、反応性生成物をテトラヒドロフランのような良
溶媒に溶解した後、n−ヘキサンやシクロヘキサン等の
貧溶媒中に滴下して、高分子量のものを沈殿させて分離
する方法等がある。
【0024】
【発明の効果】本発明の有機強磁性物質は、従来のもの
よりも改良された磁性を有する。しかも、本発明のもの
は、その製造が容易であり、生成物の重合度に応じて、
磁性流体、Bステージ樹脂及び硬化体として得ることが
できる。本発明においては、有機強磁性物質の製造時
に、磁場を作用させることにより、高められた磁性を有
し、かつ緻密な構造の有機強磁性物質を得ることができ
る。さらに、本発明によるBステージ樹脂状態にある強
磁性物質は、これを光脱水素処理することにより、その
磁性をさらに向上させることができる。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例1 内容積が約45mlの枝付き試験管に、フェノール1g
と1.25倍モルのフェロセンカルボアルデヒド2.8
8gと酸触媒としてp−トルエンスルホン酸0.096
5g(2.5wt%)をとり、アルゴン気流中、160
℃で加熱した。5時間後には、固体Bステージ樹脂が得
られた。この樹脂について振動試料型磁気記録装置(V
SM)で磁気測定を行ったところ、室温で磁気ヒステリ
シス曲線が観測された。このときの飽和磁化は3emu
/gで、保磁力は20 Oeであった。
【0026】実施例2 内容積が約45mlの枝付き試験管に、ピレン1gと
1.25倍モルのフェロセンカルボアルデヒド1.32
9gと酸触媒としてp−トルエンスルホン酸0.058
2g(2.5wt%)をとり、アルゴン気流中、160
℃で加熱した。3時間後には、Bステージ樹脂が得られ
た。このBステージ樹脂粉末を振動試料型磁気記録装置
(VSM)で磁気測定を行ったところ、室温で磁気ヒス
テリシス曲線が観測された。このときの飽和磁化は1〜
3emu/gで、保磁力は20〜50 Oeであった。
【0027】実施例3 内容積が約45mlの枝付き試験管に、レゾルシン1g
と1.25倍モルのフェロセンカルボアルデヒド2.4
413gと酸触媒としてp−トルエンスルホン酸0.0
344g(1wt%)をとり、アルゴン気流中、160
℃で加熱した。3時間後には、固体状Bステージ樹脂が
得られた。このBステージ樹脂粉末を振動試料型磁気記
録装置(VSM)で磁気測定を行ったところ、室温で磁
気ヒステリシス曲線が観測された。このときの飽和磁化
は1〜7emu/gで、保磁力は50〜70 Oeであ
った。
【0028】実施例4 内容積が約45mlの枝付き試験管に、フェロセン1g
と1.25倍モルのフェロセンカルボアルデヒド1.4
447gと酸触媒としてp−トルエンスルホン酸0.0
611g(2.5wt%)をとり、アルゴン気流中、1
60℃で加熱した。1時間後には固体状Bステージ樹脂
が得られた。このBステージ樹脂粉末を振動試料型磁気
記録装置(VSM)で磁気測定を行ったところ、室温で
小さな磁気ヒステリシス曲線が観測された。このときの
飽和磁化は0.5〜1emu/gで、保磁力は5〜10
Oeであった。
【0029】実施例5 内容積が約45mlの枝付き試験管に、フェロセン1g
と1.25倍モルのフェロセンカルボアルデヒド1.4
447gと酸触媒としてp−トルエンスルホン酸0.0
611g(2.5wt%)をとり、アルゴン気流中、1
80℃で加熱してBステージ樹脂を得た。このBステー
ジ樹脂をテトラヒドロフランに同重量のp−ベンゾキノ
ンと一緒に溶解させた後、高圧水銀灯で紫外線照射を1
2時間行った。これを精製して得られた脱水素処理樹脂
粉末を振動試料型磁気記録装置(VSM)で磁気測定を
行ったところ、室温ではっきりした磁気ヒステリシス曲
線が観測された。このときの飽和磁化は1.5〜3em
u/gで保磁力は10〜20 Oeであった。これに対
して、未照射試料の磁気特性は、飽和磁化が0.5〜1
emu/gで、保磁力が5〜10 Oeであった。この
ことから、光脱水素処理によって、磁気特性が三倍向上
したことがわかった。
【0030】実施例6 内容積が約45mlの枝付き試験管に、フェノール1g
と1.25倍モルのフェロセンカルボアルデヒド2.8
6gと酸触媒としてp−トルエンスルホン酸0.096
5g(2.5wt%)をとり、アルゴン気流中、160
℃で加熱した。加熱の途中、反応物は次第に黒色のペー
スト状になり、2時間後にはきわめて粘稠なペースト状
樹脂が得られた。このペースト状樹脂は、室温まで冷却
後も流動特性を失わず、永久磁石を反応試験管の管壁に
近づけて、試験管の底部から上部に向かってゆっくりと
動かしたところ、永久磁石の動きに合わせて、ゆっくり
と試験管壁を登ってきた。また、試験管を横に水平に置
き、これに永久磁石を近づけたところ、試験管は、永久
磁石にくっつき、そのまま磁石を持ち上げると試験管も
持ち上がった。ペースト状樹脂を紙に塗り、それに永久
磁石を近づけると樹脂が塗ってある紙が永久磁石に向か
って飛びついた。この紙に塗布したペースト状樹脂を振
動試料型磁気記録装置(VSM)で磁気測定を行ったと
ころ、室温で磁気ヒステリシス曲線が観測された。この
ときの飽和磁化は3emu/gで、保磁力は12 Oe
であった。
【0031】実施例7 内容積が約45mlの枝付き試験管に、チアンスレン1
gと1.25倍モルのフェロセンカルボアルデヒド1.
2369gと酸触媒としてp−トルエンスルホン酸0.
0224gをとり、アルゴン気流中、160℃で加熱し
た。加熱の途中、反応物は赤茶色のペースト状になり、
30分〜1時間後には粘稠で、硬いゴム状のBステージ
樹脂が得られた。このBステージ樹脂を室温まで冷却
後、試験管から取り出して粉砕した後、この粉末に永被
磁石を近づけると、粉末の全てが磁石にくっついた。樹
脂粉末を振動試料型磁気記録装置(VSM)で磁気測定
を行ったところ、室温で磁気ヒステリシス曲線が観測さ
れた。このときの飽和磁化は約3emu/gで、保磁力
は約20 Oeであった。
【0032】実施例8 内容積が約45mlの枝付き試験管に、フェロセン1g
と1.25倍モルのフェロセンカルボアルデヒド1.4
447gと酸触媒としてp−トルエンスルホン酸0.0
611g(2.5wt%)をとり、アルゴン気流中、1
60℃で1時間の加熱をした。得られたBステージ樹脂
を良溶媒としてテトラヒドロフランに溶かした後、つい
で溶媒としてシクロヘキサンに落として、沈澱物を得
た。この沈澱を濾過した後、乾燥させて沈澱精製物を得
た。この沈澱精製物は、全てが磁石にくっつき、樹脂粉
末を振動試料型磁気記録装置(VSM)で磁気測定を行
ったところ、室温ではっきりした磁気ヒステリシス曲線
が観測された。このときの飽和磁化は5emu/gで、
保磁力は10 Oeであった。未精製の樹脂についての
飽和磁化は0.5〜1eum/gで、保磁力は5〜10
Oeであったことからみれば、飽和磁化は一桁大きくな
っている。
【0033】実施例9 内容積が約45mlの枝付き試験管に、ニッケロセン1
gと1.25倍モルのフェロセンカルボアルデヒド1.
4164gと酸触媒としてp−トルエンスルホン酸0.
0604gをとり、アルゴン気流中、160℃で40分
間加熱して固体状Bステージ樹脂を得た。このBステー
ジ樹脂の粉末は、永久磁石を近づけると、粉末の全てが
磁石に飛びついた。定量的には、樹脂粉末を振動試料型
磁気記録装置(VSM)で磁気測定を行ったところ、室
温ではっきりした磁気ヒステリシス曲線が観察された。
このときの飽和磁化は1〜3emu/gで、保磁力は1
0〜20 Oeであった。
【0034】実施例10 実施例1と同様にして各種の原料物質を用いて室温で固
体状のBステージ樹脂を作り、その磁性の有無を調べる
とともに、磁性の強さを3段階(強、中、弱)で評価し
た。その結果を次表に示す。
【0035】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)電子供与基を有するベンゼン誘導
    体、(b)2環以上の縮合多環芳香族化合物、(c)複
    素環化合物及び(d)メタロセン化合物の中から選ばれ
    る化合物を、メタロセンカルボアルデヒド化合物を連結
    剤として用いて結合させた重縮合物からなることを特徴
    とする有機強磁性体。
  2. 【請求項2】 (a)電子供与基を有するベンゼン誘導
    体、(b)2環以上の縮合多環芳香族化合物、(c)複
    素環化合物及び(d)メタロセン化合物の中から選ばれ
    る原料化合物に、メタロセンカルボアルデヒド化合物
    を、触媒の存在下、磁場の存在又は非存在下で加熱反応
    させることを特徴とする強磁性有機物質の製造方法。
  3. 【請求項3】 メタロセンカルボアルデヒド化合物と原
    料化合物とのモル比が0.7〜3.0の範囲である請求
    項2の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1で得られた有機強磁性物質を光
    脱水素処理してその磁性特性を向上させる方法。
  5. 【請求項5】 請求項1のペースト状有機強磁性物質か
    らなる磁性流体。
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