JPH0649128A - 多段重合方法 - Google Patents

多段重合方法

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JPH0649128A
JPH0649128A JP11484393A JP11484393A JPH0649128A JP H0649128 A JPH0649128 A JP H0649128A JP 11484393 A JP11484393 A JP 11484393A JP 11484393 A JP11484393 A JP 11484393A JP H0649128 A JPH0649128 A JP H0649128A
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ethylene
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catalyst
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JP11484393A
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English (en)
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Charles Jenny
ジェニー シャルル
Claudine Lalanne-Magne
ラランヌ−マグヌ クローディヌ
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BP Chemicals Ltd
Original Assignee
BP Chemicals Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F10/02Ethene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F110/00Homopolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F110/02Ethene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/16Copolymers of ethene with alpha-alkenes, e.g. EP rubbers

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  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エチレン重合体を製造する多段重合方法を得
る。 【構成】 使用する触媒は次の諸工程:(a)80−9
9.5モル%の塩化マグネシウムおよび20−0.5モ
ル%の不安定な水素を含まない供与体化合物(D)を含
有する塩化マグネシウム支持体(A)を、少なくとも一
種の不安定な水素を含有する電子供与体化合物(B)と
接触させる工程;(b)(a)の生産物を、チタンに対
する還元剤である少なくとも一種の有機金属化合物
(C)と接触させる工程;(c)(b)の生産物を液体
炭化水素で洗浄する工程;(d)(c)の生産物を、液
体炭化水素中の一つまたはそれ以上のチタン化合物の溶
液と接触させる工程;からなる方法により製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチレン重合体を製造す
る多段重合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】二つの連結反応器中で実施される二段か
らなる、ガス相中でのエチレン重合体の製造方法は、欧
州特許第A−192427号公報に開示されている。こ
の方法によれば、使用する触媒はチーグラー・ナッタ型
の多種類の触媒から選択することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】実質的にマグネシウ
ム、塩素およびチタン原子からなるチーグラー・ナッタ
型触媒を使用してこの方法を行う場合、特に第一反応器
中に微細な重合体粒子の生成が観察される。この微細な
重合体粒子の生成は、特に第一反応器中で製造される重
合体が高いメルトインデックスを有する場合、面倒なこ
とになる。これら微粒子は重合体凝集体を生成し、その
ために製造工程を停止することが必要になることがあ
る。さらに、微細重合体粒子は、重合反応器から出て行
くガスによって随伴され、循環ライン中に閉塞を起こ
す。
【0004】
【課題を解決するための手段】従来法に伴なう問題点を
克服または少なくとも軽減するために、連結反応器中で
実施される二つまたはそれ以上の工程からなるエチレン
重合体を製造する多段重合方法を突止めるに至った。
【0005】この方法は、高いメルトインデックスを有
する重合体即ち2.16kgの負荷下で190℃で測定
して10g/10分より高いメルトインデックス(M.
I.2.16)を有する重合体を製造する場合、微細重
合体粒子を生成する傾向を大幅に減少させる。さらに、
この方法の利点の一つは、使用する触媒が大量の水素の
存在下で使用される場合でも、エタンの生成が極めて低
い速度であることである。
【0006】したがって、本発明は、二つまたはそれ以
上の連結重合反応器中で、触媒と助触媒とからなるチー
グラ−ナッタ型の触媒系の助力で実施されるエチレン重
合体を製造する多段重合方法において、使用する触媒は
次の諸工程: (a)塩化マグネシウム支持体(A)は80−99.5
モル%の塩化マグネシウムおよび20−0.5モル%の
不安定な水素を含まない供与体化合物(D)を含有し、
かつ10−100ミクロンの重量平均直径Dmおよび粒
子のDn(数平均直径)に対するDmの比率が3未満で
あるような狭い粒子度分布を有する回転楕円状粒子の形
態であり、その塩化マグネシウム支持体(A)を、少な
くとも一種の不安定な水素を含有する電子供与体化合物
(B)と接触させる工程、(b)(a)の生産物を、チ
タンに対する還元剤である少なくとも一種の有機金属化
合物(C)と接触させる工程、(c)(b)の生産物を
液体炭化水素で洗浄する工程、(d)(c)の生産物
を、液体炭化水素中の一つまたはそれ以上のチタン化合
物の溶液と接触させる工程、からなる方法により製造さ
れることを特徴とするエチレン重合体の多段重合方法を
提供する。
【0007】本発明によれば、この触媒の製造法には特
殊な塩化マグネシウム支持体が含まれる。支持体は実質
的にはMg−C結合を含有する生産物を含まないもので
あり、このことは、支持体中のマグネシウム原子の数に
対するMg−C結合の数の比率が0.001未満である
ことを意味する。それ故、この支持体はチタン化合物を
自動的に還元することができない。
【0008】支持体のCl/Mg原子比は実質的には2
に等しい。支持体は80−99.5モル%の塩化マグネ
シウムおよび20−0.5モル%の化合物(D)からな
る。それは好適には80−95モル%の塩化マグネシウ
ムおよび20−5モル%の化合物(D)を含有する。
【0009】電子供与体化合物(D)はルュイス塩基と
することができる。それは不安定な水素を含まないもの
でなくてはならず、その結果、水、アルコールまたはフ
ェノールから選択されることはできない。それは有利に
は、エーテル、チオエーテル、スルホン、スルホキシ
ド、ホスフィン、ホスホルアミド、アミンおよびアミド
から選択される。塩化マグネシウムに関して低い錯生成
力を持つ電子供与体化合物例えばエーテルを用いるのが
好適である。
【0010】支持体が実質的に均質である、即ち化合物
(D)が塩化マグネシウム粒子の表面だけではなく、粒
子の中心から表面まで全体に実質的に均質に分布してい
る組成物である場合に、最高の結果が得られることを突
止めるに至った。結果として、このような支持体を得る
ためには、支持体の沈殿を含む方法によってそれを製造
することが推奨される。
【0011】この支持体は、重合反応中とくにガス相反
応中に生ずる大きい生長応力に特に耐え得る高性能触媒
を与える。この特殊な形態の支持体は、慎重に制御され
た条件下で実施される沈殿反応によって得ることができ
る。 さらに、この支持体は、10−100ミクロン好
適には20−70ミクロンの重量平均直径を有する回転
楕円状粒子よりなる。この支持体粒子は、極めて狭い粒
度分布例えば重量平均直径Dmの数平均直径DnのDm
/Dn比が3未満好適には2未満である粒度分布を有す
る。好適な実施態様では、これら粒子の粒度分布は、D
m/Dn比が1.1−1.5であるようなものであり、
1.5×Dmを超える直径または0.6×Dm未満の直
径の粒子は実質的に存在しない。
【0012】用語「回転楕円状粒子」は、この明細書で
は、形状が実質的に球状である粒子を意味することがで
きる。そこで、Dおよびdが各々粒子の長軸および短軸
を表すと、各粒子のD/d比は1に近く、一般的には
1.4未満かまたは同等であり、好適には1.3未満か
または同等である。
【0013】支持体粒子の比表面積は20−150m
/g(BET)とし、これらの粒子の密度は約1.2−
2.1とすることができる。
【0014】支持体は、ジアルキルマグネシウム化合物
を電子供与体化合物(D)の存在で有機塩素化合物と反
応させることによって製造することができる。電子供与
体(D)は、この製造法での反応剤としてではなく、錯
生成剤として使用される。この理由から、化合物(D)
は、有機マグネシウム化合物を反応することができる化
合物から選択することができない。選択される有機アル
キルマグネシウム化合物は、式RMgR(式中、R
とRは炭素原子2−12個を含有する同一のまたは
相違するアルキル基である。)の生産物とすることがで
きる。このジアルキルマグネシウム化合物の重要な性質
の一つは、支持体の製造が実施される炭化水素媒体にそ
のまま可溶でであることである。有機塩素化合物は一般
式RCl(式中、Rは炭素原子3−12個を含有す
る第二または好適には第三アルキル基である。)を有す
る。電子供与体化合物(D)は好適には式ROR
(RおよびはRは炭素原子1−12個を含有する
同一または相違するアルキル基である。)のエーテルで
ある。
【0015】さらに、支持体の製造に使用する種々の反
応物は、次の条件で使用することができる: −RCl/RMgRモル比は1.9−2.5の範
囲、好適には2.0−2.3の範囲にあり、 −(D)/RMgRモル比は0.1−1.2の範
囲、好適には0.3−0.8の範囲にある。
【0016】電子供与体化合物(D)の存在でのR
gRとRClとの反応は、一般的には液体炭化水素
中で攪拌して実施される沈殿反応である。この場合、当
事者は、物理的要因例えば媒体の粘度、攪拌方法と速度
および反応物の使用条件が沈殿粒子の形態、構造、大き
さおよび粒度分布に主要な役割を果たすことを知ってい
る。特に大量の電子供与体化合物(D)の存在を特徴と
する優れた支持体を得るためには、沈殿反応を、10−
80℃の範囲、好適には15−50℃の範囲の比較的低
い温度で実施することが推奨される。さらに、沈殿反応
は、大量の化合物(D)が支持体中に取り込まれ、均一
に分散するように、極めて緩慢に、3−15時間の範囲
の時間に亘って、生起することが推奨される。
【0017】本発明で使用する触媒の製造の第一工程
は、塩化マグネシウム支持体を少なくとも一種の不安定
な水素(B)を含有する電子供与体化合物(D)と接触
させることにある。後者は、水素原子を失うことのでき
る多数の有機電子供与体化合物から選択することができ
る。この化合物(B)は好適にはアルコールまたはフェ
ノールから選択される。特に、炭素原子1−12個を含
有するアルコール、特別にはエタノール、プロパノー
ル、n−ブタノール、n−ペンタノール、2−エチルヘ
キサノールまたはn−ヘキサノーを使用することができ
る。フェノール例えばパラクレゾールも使用することが
できる。化合物(B)は好適には、塩化マグネシウムに
対して、化合物(D)より高い錯生成力を示す。
【0018】この第一工程は、支持体中のマグネシウム
のモル当たり0.1−2モル未満の範囲、好適には0.
5−1.5モルの範囲の化合物(B)を使用して実施す
ることができる。それは好適には、液体炭化水素、特に
飽和脂肪族炭化水素例えばn−ヘキサンもしくはn−ヘ
プタン、またはこの種の炭化水素の混合物中で攪拌して
実施される。支持体と化合物(B)との接触は、0−1
20℃の範囲、好適には0−80℃の範囲の温度で行う
ことができる。それは、10分−10時間の範囲、好適
には30分−5時間の範囲の時間で足りる。実際には、
接触は種々の方法で行うことができる。例えば、化合物
(B)を、液体炭化水素中で攪拌し続けている支持体懸
濁液に添加することができる。この添加は、10分−5
時間の範囲、好適には15分−2時間の範囲の時間で足
りる。支持体の液体炭化水素中の懸濁液を化合物(B)
に攪拌しながら添加することもできる。化合物(B)
は、純粋な状態かまたは液体炭化水素中の溶液で使用す
ることができる。
【0019】第一工程で使用される化合物(B)の大部
分は、支持体の形態および粒度分布を大きく変容せずに
支持体中に固定されるが一般的に分かっている。そこ
で、化合物(B)で処理された支持体は液体炭化水素で
一回またはそれ以上洗浄することができる。支持体を化
合物(B)と接触させることは触媒の製造に必須であ
る。というのは、その比較的大量の有機金属化合物
(B)を支持体中に固定させ、その後比較的大量のチタ
ン化合物を支持体中に固定させる可能性を提供するから
である。
【0020】触媒の製造の第二工程は、第一工程の生産
物を、チタンに対し還元剤である少なくとも一種の有機
金属化合物(C)と接触させることからなる。有機金属
化合物は、元素の周期表のII族またはIII族に属す
る金属の有機金属化合物から選択することができる。一
般式AlR3−p(式中、式Rは炭素原子1−12
個を有するアルキル基を表し、Xは水素原子またはハロ
ゲン原子例えば臭素または塩素を表し、pは1−3の範
囲、好適には2−3の範囲の整数または分数である。)
に対応する有機アルミニウム化合物を使用することが好
適である。トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−
n−オクチルアルミニウムまたは塩化ジエチルアルミニ
ウムを使用することができる。第二工程は、支持体のマ
グネシウムのモル当たり0.1−2モル、好適には0.
5−1.5モルの有機金属還元剤化合物を使用して実施
することができる。第一工程で使用した化合物(B)の
量に実質的に等モルである量の有機金属還元剤化合物を
使用するのが一般的に好適である。
【0021】支持体と有機金属還元剤化合物とは好適に
は液体炭化水素中で攪拌しながら接触させる。液体炭化
水素は好適には、飽和脂肪象炭化水素例えばn−ヘキサ
ンもしくはn−ヘプタンまたは飽和脂肪族炭化水素の混
合物である。第二工程は、0−120℃の範囲、好適に
は0−100℃の範囲の温度で実施することができる。
それは10分−10時間、好適には20分−5時間の範
囲の時間で足りる。実際には、第二工程は種々の方法で
行うことができる。例えば、有機金属還元化合物を、液
体炭化水素中に攪拌し続ける支持体の懸濁液に添加する
ことができる。添加は、1分−5時間好適には5分−2
時間の範囲の時間で足りる。液体炭化水素中の支持体の
懸濁液を、有機金属還元剤化合物に攪拌しながら添加す
ることもできる。有機金属還元剤化合物は純粋な状態か
または液体炭化水素中の溶液で使用することができる。
【0022】有機金属還元剤化合物(C)の大部分は支
持体中に固定される。にも拘らず、触媒の製造には、第
二工程の支持体を洗浄することからなる第三工程が含ま
れる。この第三工程は、支持体中に固定されていない過
剰の有機金属化合物を除去するためのに必須である。支
持体は、液体炭化水素、例えば飽和脂肪族炭化水素たえ
えばn−ヘキサンもしくはn−ヘプタンまたはこれらの
炭化水素の混合物で一回またはそれ以上洗浄される。液
体炭化水素は支持体懸濁液のそれと同一または相違する
ものとすることができる。洗浄は好適には、攪拌しなが
ら5分−2時間、好適には10分−1時間の範囲の間に
亘って実施される。支持体は、0−120℃、好適には
1−80℃の範囲の温度で洗浄することができる。実際
には、洗浄は一般的には、攪拌されている支持体懸濁液
に液体炭化水素を添加すること、得られた混合物を攪拌
し続けること、次いで攪拌を停止し固体支持体を沈降さ
せること、上澄液相の一部を除去することにある。この
洗浄操作を数回、好適には支持体懸濁液の液体相が、次
に工程(d)で使用するチタン化合物量に関して1モル
%未満である有機金属還元剤化合物の金属量を含有する
まで反復することができる。
【0023】触媒製造の第四工程は、洗浄固体支持体を
液体炭化水素に可溶である一種またはそれ以上のチタン
化合物と接触させることからなる。 このチタン化合物
は液体炭化水素に可溶性の生産物であり、一般的にチタ
ンが最大の原子価、即ち原子価4にある化合物である。
使用する化合物は、一般式Ti(OR)4−p(式
中、Rは炭素原子1−12個を有するアルキル基であ
り、Xはハロゲン原子例えば臭素または塩素であり、p
は0−4好適には1.5−2.5の範囲の整数または分
数である。)を有する化合物とすることができる。これ
らの実例は四塩化チタン、四プロポキシチタン、四−n
−プロポキシチタンまたはこれらの化合物の混合物であ
る。
【0024】触媒を製造するのに使用するチタン量は、
支持体中に固定されるチタンの所望量に左右される。第
四工程中に使用すうチタン量は一般的に、支持体中のマ
グネシウムのモル当たり0.01−3モル、好適には
0.05−1モルである。
【0025】触媒の製造の第四工程の間、支持体とチタ
ンとの接触は好適には、チタンが可溶である液体炭化水
素中で攪拌しながら行われる。この液体炭化水素は飽和
脂肪族炭化水素例えばn−ヘキサンもしくはn−ヘプタ
ンまたはこれらの炭化水素の混合物とすることができ
る。この接触は一般的に、1−120℃好適には20−
100℃の範囲の温度で実施される。
【0026】実際には、触媒の製造の第四工程は種々の
方法で実施することができる。例えば、チタン化合物
を、液体炭化水素中で攪拌されている支持体懸濁液に添
加することができる。この添加は、0.1分−3時間好
適には0.5分−30分の範囲の時間、10−70℃の
範囲の温度で行うことができる。添加の後、得られた混
合物は、10分−5時間、好適には30分−3時間の範
囲の間に亘って、20−120℃、好適には30−10
0℃の範囲の温度で攪拌し続けることができる。
【0027】少なくとも二種のチタン化合物を支持体と
接触させる場合、それらは、同時にまたは連続的に次々
ともしくはプレミックスとして支持体に添加することが
できる。チタン化合物は純品の状態で、液体の状態で、
または炭化水素中の溶液で使用することができる。使用
されるチタン化合物量は、全部ではないがその大部分が
支持体中に固定されるが、触媒は液体炭化水素の使用し
て一回またはそれ以上洗浄することができる。
【0028】触媒の製造の第四工程は、チタンを4未満
の原子価状態に変える還元反応によって、チタン化合物
を支持体中に沈殿させることにある。還元剤は、有機金
属還元剤化合物(C)と支持体との接触の結果生成する
化合物である。チタン化合物の沈殿は、専ら支持体中で
起こり、支持体の外部には還元状態にあるチタン化合物
の固体粒子は全く生成しない。重合反応に活性な微細ま
たは超微細粒子を実質的に含ま無い触媒が得られること
が観察される。
【0029】支持体の実質的に非晶質の構造、粒度分布
および形態は触媒製造の間は変化しない。つまり、得ら
れる触媒は、初期の支持体の物理的性質と実際的に同一
である粒子よりなる。特に、触媒は、10−100ミク
ロン好適には20−70ミクロンの重量平均直径Dmを
有し、かつ数平均直径に対する重量平均直径の比率とし
て測定して3未満好適には2未満である粒度分布を有す
る回転楕円状粒子よりなる。
【0030】この触媒製造方法の利点は、第四工程で使
用するチタン化合物の全部ではないが大部分が支持体中
に固定されることに関するものである。この製造方法の
間に使用されるチタン化合物の90%以上、ことによる
と99%以上もが支持体中に固定されることが一般的に
観察される。この方法の他の特徴は、チタン化合物が支
持体全体に均質に固定され、それによって触媒が重合反
応中さらに頑丈となる点である。これら利点の組み合せ
は、化合物(D)を含有する特殊な支持体を使用し、こ
の支持体を先ず化合物(B)と接触させることに因るも
のである。さらに、この触媒は、製造の間に使用される
有機還元剤化合物の一部を、支持体との接触および還元
反応によって変換されう形態で含まれていることが観察
されている。本発明の方法により得られる触媒は2−1
2重量%のチタンを含有することができる。
【0031】本発明の助触媒は元素の周期表のI−II
I族の金属の有機金属化合物である。それは一般的に、
有機アルミニウム化合物、例えばトリアルキルアルミニ
ウム、アルキルアルミニウムヒドリッド、クロリッドも
しくはアルコホラート、または有機亜鉛化合物例えばジ
エチル亜鉛から選択される。本発明の方法では、触媒は
有利には、特に重合反応がガス相で実施される場合、プ
レポリマーの形態で使用される。この種のプレポリマー
は、触媒をエチレン、任意的には一種またはそれ以上の
αーオレフィンと混合したエチレンと接触させることに
よって製造することができる。この接触は、公知方法に
より、特に炭化水素液体中の懸濁液中で一つまたはそれ
以上の工程で実施することができる。それは一般的に、
1−100℃好適には40−90℃の範囲の温度で、一
般的に大気圧より高くかつ2MPaより低い圧力下で攪
拌しながら実施することができる。この接触の期間は1
0−900分の範囲とすることができ、得られるプレポ
リマーがチタンのミリモル当たり10−200g好適に
は20−100gの重合体を含有する固体の形態である
ようなものとする。プレポリマーは、助触媒の存在で、
任意的には水素の存在で製造される。
【0032】本発明によれば、この触媒系の使用は、触
媒および/または助触媒からなる触媒系の存在下で第一
重合反応を実施することにある。助触媒は、触媒と共に
特別にはプレポリマーでまたは単独で第一重合反応器中
に導入することができる。次の重合反応は、前の重合反
応の間に製造された活性重合体粉末の存在下で実施され
る。さらに、それは追加量の触媒および/または助触媒
の存在下でも実施することができる。
【0033】本発明は特に、エチレンの単独重合体例え
ば高密度ポリエチレン(HDPE)およびエチレンと一
種またはそれ以上のα−オレフィンとの共重合体例えば
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を製造するのに
適している。α−オレフィンコモノマーは例えば炭素原
子3−8個を含有するα−オレフィンとすることができ
る。共重合体中のコモノマーの含有重量は一般的に、2
0%未満、であり、しばしば12%未満である。本発明
の方法により製造されるエチレン重合体は、押出し法ま
たは吹込成形法により種々の物品を製造するのに使用す
ることができる。さらに特に、これらの重合体はパイプ
またはフィルムを製造するのに使用することができる。
【0034】本発明によれば、各重合反応器は反応混合
物を含有する。反応混合物は少なくともエチレンからな
る。さらに、それは水素、1−ブテン、1−ヘキセンま
たはその他のα−オレフィンからなり得る。本発明によ
る多段重合方法の各段は、どの適切な重合方法、例えば
スラリーまたはガス相方法とすることができる。しか
し、本発明は特に、少なくとも一つの反応器がガス相反
応器である多段重合方法に、さらに特にそのガス相反応
器が高いメルトインデックスのエチレン重合体を製造す
るのに使用される場合に適している。
【0035】ガス相重合方法においては、ガス反応混合
物は、重合させるオレフィンの他に、各反応器で同一ま
たは異なる比率で不活性ガスを含むことができる。特
に、この不活性ガスは窒素、メタン、エタン、プロパ
ン、ブタン、ペンタンまたはこれらのガスの混合物から
選択することができる。それは特に、重合反応からの熱
の除去を大幅に改良することを可能にする。
【0036】ガス反応混合物の全圧は各反応器で同一ま
たは異なるものとすることができる。それは一般的に大
気圧よりも高く、重合速度を増加するためには、0.5
−5MPa好適には1−3MPaの範囲とすることがで
きる。各反応器の温度は、製造される重合体の軟化温度
にあまりに接近し過ぎないで、重合の所望速度のために
は充分な数値に保持される。それ故、それは各反応器で
同一かまたは異なり、一般的に30−115℃好適には
50−110℃の範囲で選択することができる。
【0037】各重合反応器中で生成する重合体の平均滞
留時間は、かなり広い限界内で変化することができる。
実際には、平均滞留時間は一般的に5分−10時間の範
囲である。この平均滞留時間は、重合反応器中の温度に
大きく左右される。
【0038】ガス相反応器は、諸型式の装置例えば流動
床反応器、機械的攪拌機により攪拌されるか、または流
動および攪拌床からなる装置により攪拌される攪拌床反
応器から選択することができる。流動床反応器は通常
は、一般的には20−100cm/秒の速度で上昇流の
反応ガスを通過させて運転する。
【0039】本発明の方法は好適には、各重合反応器の
運転条件が実質的に一定であるような方法で連続的に実
施される。この運転法は実際には、実質的に一定の特性
を持つガス反応混合物を各重合反応器中に循環すること
によって、実施することができる。というのは、主要部
分が同一重合反応器から発生する循環ガス反応混合物か
ら構成されているからである。種々の重合反応器の運転
条件は、特に触媒系の組成、温度、重合体の平均滞留時
間および全圧に関し、他の反応器とは異なった条件下で
運転できるように、相互に充分に独立している。
【0040】連結重合反応器は有利には、移送機器によ
り接続されていて、それによって第一反応器中で製造さ
れた重合体粉末は第二反応器中に移送することができ
る。この機器は好適には、粉末移送中に二種のガス反応
混合物が相互混入しないように選択される。この種の移
送機器は例えば欧州特許第B−192427号公報記載
されている。
【0041】本発明の方法は一段方法を含むことがで
き、その方法では高いメルトインデックスを有するエチ
レン重合体が、エチレンと水素および任意的に1−ブテ
ン、ヘキセンまたは他のαーオレフィンからなるガス反
応混合物を使用して製造される。このためには、水素は
一般的に、ガス混合物中の水素とエチレンとの分圧比が
1以上かまたは同等になる量で使用される。この比率は
多くの場合1−2の範囲である。本発明の方法の場合、
反応器中のエタンの生成率が特に低いことが観察され、
このことは大量の水素を考え合わせると、特に驚くべき
ことである。典型的には、生産重合体のkg当たり3.
5g未満のエタンが生成する。ガス反応混合物が1−ブ
テンを含む場合、後者は多くの場合、ガス混合物中の1
−ブテンとエチレンとの分圧比が0.3未満かまたは同
等になるような量で使用される。同様に、それがヘキセ
ンを含有する場合、4−メチル−1−ヘキセンまたは1
−ヘキセンのいずれかとすることができるが、ヘキセン
とエチレンとの分圧比は多くの場合0.3未満かまたは
同等である。
【0042】高いメルトインデックスを有するエチレン
重合体は、0.955−0.970の範囲の相対密度、
190℃、2.16kg負荷下で測定して10−250
g/10分の範囲のメルトインデックス(M.I.
2.16)、ゲル透過クロマトグラフィで測定して4−
7の範囲の分子量分布(即ち、重量平均分子量Mwの数
平均分子量Mnに対する比率)、4−30ppmの範囲
の遷移金属含量、および2%未満のヘキセンもしくは1
−ブテン含量を有することができる。製造されたエチレ
ン重合体は低含量の微細粒子を有する。典型的には、製
造された重合体が85g/10分未満のM.I.
2.16を有する場合、2重量%未満の粒子は125ミ
クロン未満の直径を有する。M.I.2.16が40g
/10分未満である場合、0.7重量%未満の粒子が1
25ミクロン未満の直径を有する。製造された重合体の
形態は、使用した触媒の形態と同様であり、凝集体を含
まない。この重合体は、3未満好適には2未満のDm/
Dn比を特徴とする回転楕円状粒子である。それは良好
な流動性を有する。
【0043】本発明によれば、重合体粉末の流動性は、
0.286リットル容で、円錐状切頭体の形状であり、
垂直軸を持ち、下方に指向する頂角を持ち、10mmの
小底部直径、93mmの大底部直径および113mmの
高さを有するホッパーを用いて測定される。ホッパーの
開口部はガラススライドで閉じる。重合体は、前もって
通気して解きほぐし、上部口を介してホッパー中にゆっ
くりと注ぎ込む。ホッパーが満たされると、過剰の粉末
を水平に押出して、粉末をホッパーの上部口の高さとす
る。下部口を閉じているガラススライドを取り除き、粉
末が自由に流動するかどうかを確かめる。粉末の流動性
は、ホッパーを完全にからにするに要する時間として測
定する。この方法によれば、ホッパーが25秒未満でか
らになると粉末は良好な流動性を有すると見なされ、ホ
ッパーが35秒以上でからになった場合流動性が不良で
あると見なされる。
【0044】本発明の方法は一段からなることもでき
て、そこでは低メルトインデックスを持つエチレン重合
体が、エチレンおよび任意的には水素、1−ブテン、ヘ
キセンもしくは他のαーオレフィンからなるガス反応混
合物を使用して製造される。多くの場合、水素とエチレ
ンとの分圧比は0.1未満または同等であり、1−ブテ
ンとエチレンとの分圧比は0.7未満または同等であ
る。一方、ヘキセンとエチレンとの分圧比は0.7未満
または同等である。
【0045】本発明の方法によって製造され、最終反応
器から取り出された最終重合体は、0.915−0.9
52の範囲の相対密度、190℃、21.6kg負荷下
で測定して4g/10分超えるメルトインデックス、4
g/10分未満のメルトインデックスM.
I.2.16、5−35の範囲の分子量分布、2−20
ppmの範囲の遷移金属含量、10重量%未満の1−ブ
テン含量、および15重量%未満のヘキセン含量を有す
ることができる。それは0.30−0.50g/cm
の範囲の嵩密度を有することができる。
【0046】本発明の一つの実施態様によれば、この方
法は、二つの連結反応器で実施される二つのガス相重合
反応からなる。極めて多くの場合、第一重合反応器で製
造される重合体は、第二重合反応器から引き出される最
終重合体の20−80重量%、好適には30−70重量
%を占める。第一反応器中で製造される重合体は高いか
または低いメルトインデックスかを有するものとするこ
とができる。
【0047】また、本発明は、触媒および助触媒からな
るチーグラー・ナッタ型の触媒系の助力で、10−25
0g/10分の範囲のM.I.2.16を有するエチレ
ン重合体を製造する一段重合方法において、使用する触
媒は次の諸工程: (a)塩化マグネシウム支持体(A)は80−99.5
モル%の塩化マグネシウムおよび20−0.5モル%の
不安定な水素を含まない供与体化合物(D)を含有し、
かつ10−100ミクロンの重量平均直径Dmおよび粒
子のDn(数平均直径)に対するDmの比率が3未満で
あるような狭い粒子度分布を有する回転楕円状粒子の形
態であり、その塩化マグネシウム支持体(A)を、少な
くとも一種の不安定な水素を含有する電子供与体化合物
(B)と接触させる工程、(b)(a)の生産物を、チ
タンに対する還元剤である少なくとも一種の有機金属化
合物(C)と接触させる工程、(c)(b)の生産物を
液体炭化水素で洗浄する工程、(d)(c)の生産物
を、液体炭化水素中の一つまたはそれ以上のチタン化合
物の溶液と接触させる工程、からなる方法により製造さ
れることを特徴とするエチレン重合体の一段重合方法を
提供する。
【0048】この一段方法で使用する触媒は、上記の多
段重合方法で使用した触媒と同一である。それは上記の
ように製造することができる。一段重合方法は、上記の
多段方法の工程のように実施することができる。その間
高いメルトインデックスを有するエチレン重合体が製造
される。
【0049】
【実施例】図1を参照して実施例について本発明を説明
する。図1は、特殊な移送機器によつて接続している二
つの流動層反応器からなる装置を図式的に示したもので
ある。
【0050】この図は、生成するエチレン重合体を
(2)で含む第一流動層反応器(1)からなる装置を図
式的に示している。重合するαーオレフィンまたはαー
オレフィン類は反応器(1)中にパイプライン(3)お
よび(4)を介して導入される;水素のようなガスおよ
び/または窒素のような不活性ガスはライン(5)を介
して導入される。反応器(1)には、触媒または触媒シ
ステムをパイプ(6)によつて、任意的には助触媒をパ
イプ(7)によつて供給する。反応器(1)からパイプ
(8)を介して出て来るガス状反応混合物は、熱交換器
(9)中で冷却され、次いで圧縮機(10)中で圧縮さ
れ、パイプ(4)を介して反応器(1)中に再循環され
る。反応器(1)中に存在する重合体の一部は、パイプ
(11)を介してガス状反応混合物を伴つてこの反応器
から出て来る;このパイプ(11)はバルブ(12)を
備えていて、排出容器(13)に接続している。この排
出容器(13)中で単離された重合体粉末は、出口バル
ブ(14)およびパイプ(15)を介して減圧室(1
6)中に移送される。減圧室(16)中で減圧されたガ
ス状反応混合物はの一部は、反応器(1)のパイプ
(8)中にパイプ(17)および圧縮器(18)により
再循環することができる。次いでこの重合体粉末は、閉
じているバルブ(21)および(22)並びに開けてい
るバルブ(23)を備えた圧縮室(20)中に全量バル
ブ(19)を介して移送される。次いでバルブ(19)
は閉められる。圧縮室(20)中に集まつた重合体粉末
は、バルブ(22)を開けバルブ(23)を閉めること
によつて、第二重合反応器からパイプ(24)および
(25)を介して来るガス状反応混合物によつて加圧さ
れる。次いで、このように加圧された重合体粉末は、バ
ルブ(21)を開けた後、(28)で生成中の重合体を
含有する流動層反応器(27)中に移送ライン(26)
を介して空気移送される。パイプ(26)には、パイプ
(24)を介して第二重合反応器(27)から来る反応
混合物よりなるガス流が供給される。活性化剤はパイプ
(38)を介して移送ライン(26)中に導入される。
重合体を反応器(27)まで空気移送した後、バルブ
(21)および(22)を閉め、圧縮室(20)はバル
ブ(23)を開いてガス抜きする;圧縮室(20)から
出て来るガスは、第二重合反応器(27)中にパイプ
(29)および圧縮器(30)を介して再循環すること
ができる。反応器(27)中の重合体粒子のベッド(2
8)は、パイプ(31)を介して反応器(27)中に導
入されるガス流によつて流動状態に保持される。重合さ
れるαーオレフィンまたはαーオレフィン類は、パイプ
(32)を介してパイプ(31)中に導入される;連鎖
移動剤例えば水素および/または不活性ガス例えば窒素
はパイプ(33)を介して導入することができる。反応
器(27)からパイプ(34)を介して出て来るガス状
反応混合物は、熱交換器(35)中で冷却され、その後
圧縮器(36)中で圧縮され、反応器(27)中にパイ
プ(31)を介して再循環される。反応器(27)中に
存在する重合体粉末は、パイプ(37)を介して後者か
ら出て行き、このパイプは川下加工例えば貯蔵または押
出機に接続している。取出、減圧、圧縮、重合体の反応
器(27)への移送および導入の操作のすべては周期的
に実施され。
【0051】各流動層反応器は本質的に、トランキライ
ジング室が上部にある垂直シリンダーからなり、その底
部に流動化グリッドを備えている。
【0052】この装置は、減圧室(16)および圧縮室
(20)と選択的に連絡する計量機器(39)を含み;
この計量機器は、減圧室(16)から重合体粉末の一定
量を全量バルブ(19)を介して取出すことのできるキ
ャビティを含む。
【0053】実施例 a) 塩化マグネシウム支持体の製造 133.3リットルのヘキサン中の80モルのジブチル
マグネシウムの溶液を含有する、135回転/分で回転
する攪拌系を備えた300リットル容ステンレススチー
ル反応器中に、8.1リットル(40モル)のジイソア
ミルエーテルを室温で窒素ブランケット下で導入した。
19.3リットル(176モル)の塩化t−ブチルを1
2時間かけて導入し、その間反応器を30℃に保持し
た。次いで混合物を2時間攪拌し続けた。得られた生産
物を130リットルのヘキサンで数回洗浄した。76モ
ルの塩化マグネシウムが得られ、28ミクロンの重量平
均直径Dmを持ち、重量平均直径と数平均直径との比率
が1.5であるような狭い粒度分布を持ち、かつ7.1
モル%のジイソアミルエーテルを含有する球状粒子の形
態であった。
【0054】b) 触媒の製造 上記に製造した塩化マグネシウムの55モルを含有する
167リットルのヘキサンを、166回転/分で回転す
る攪拌系を備えた300リットル容ステンレススチール
反応器中に窒素雰囲気下で導入した。
【0055】55モルの無水アルミニウムを含有する5
5リットルのヘキサンを、1時間かけて導入し、その間
反応温度を25℃に保持した。懸濁液を1時間25℃攪
拌した。上澄液相を分離除去した後、得られた固形物を
25℃の温度で130リトルのヘキサンで4回洗浄し
た。懸濁液の容量は167リットルに回復した。
【0056】次いで、55モルのトリエチルアルミニウ
ムを含有する55リットルのヘキサンを50℃の温度で
1時間かけて導入した。50℃で1時間保持しデカント
した後、得られた固形物を50℃で130リットルのヘ
キサンで3回洗浄し、次いで25℃での温度で130リ
ットルのヘキサンで7回洗浄した。懸濁液の容量は16
7リットルに回復した。
【0057】5.5モルの四塩化チタンを含有する1
3.75リットルのヘキサンおよび5.5モルの四−n
−プロポキシを含有する13.75リットルのヘキサン
を2時間30分かけて導入し、その間温度を25℃に保
持した。混合物を80℃に加熱し、80℃で1時間保持
し、次いでデカントした後、得られた固形物を80℃で
130リットルのヘキサンで5回洗浄し、次いで25℃
で130リットルのヘキサンで5回洗浄した。収集され
た固形物は固体結晶を構成し、次の分析値(モル比)に
一致する: 全Ti/Mg :0.20 Ti(III)/全Ti:0.56 Al/Mg :0.077 Cl/Mg :2.37 チタンの含有重量 :7.2%c) プレポリマーの製造 500リットルのヘキサン、1モルのトリ−n−オクチ
ルアルミニウム、および予め製造されて1モルのチタン
を含有する一定量の触媒を、750回転/分で回転する
攪拌系を備えた1.5m容ステンレススチール反応器
中に導入し、窒素雰囲気下に保持し、70℃に加熱し
た。次いで、水素を0.1MPaの分圧になるようにそ
れに導入し、次いでエチレンを15kg/時間の定常流
速で6時間40分で導入した。この時間の終期に、反応
器をガス抜きし、その内容物を機械的攪拌蒸発器に移動
し、そこでn−ヘキサンを60℃で循環窒素により蒸発
させた。すぐ使用できる100kgのプレポリマーが得
られ、それはチタンのミリモル当たり100gのポリエ
チレンに等しい。
【0058】d) 0.950の相対密度を有するエチ
レン重合体の製造 この製造方法は、図1のように構成された移送装置によ
って相互に連結された二つの異なった流動床反応器から
なる装置中で実施された。第一反応器は、垂直軸を持
つ,直径45cm高さ7.2mの円筒部分からなってい
た。第二反応器は、垂直軸を持つ,直径90cm高さ6
mの円筒部分からなっていた。
【0059】第一反応器には、生成中のエチレン重合体
の粒子の流動床が含まれ、それは1.9mの高さを有
し、第一反応ガス混合物の上方流によって、ディスエン
ゲージメント部の出口で測定して50cm/秒の上方速
度、1.70MPaの全圧、70℃の温度で横送りされ
た。
【0060】第一反応ガス混合物は、容量換算で、20
%のエチレン、32%の水素、1%のエタンおよび47
%の窒素を含んでいた。結果として、水素とエチレンの
分圧の比率は1.6であった。反応器には、プレポリマ
ー供給管を使用して予め製造したプレポリマーを260
g/時間の速度で供給した。また、トリエチルアルミニ
ウムを、反応器中で触媒のチタンに対し添加アルミニウ
ムのモル比が7.5になるような量で別個に供給した。
【0061】この第一反応器で生成中の重合体は、25
kg/時間の速度で、0.965に等しい相対密度、5
ppmのチタン含量、および190℃2.16kg負荷
で測定して80g/10分のメルトインデックスで製造
された。
【0062】この重合体を、第一反応器から25kg/
時間の速度で抜き出し、第二反応器中に同一速度で移送
装置によって導入した。重合体の第二反応器中への導入
は重合体供給管によって行った。第一反応器から抜き出
した重合体では、125ミクロンより小さい直径を持つ
微細重合体粒子がこの重合体を構成する全粒子の2%未
満を占める。
【0063】第二反応器には、生成中のエチレン重合体
の粒子の流動床が含まれ、それは1.5mの高さを有
し、第二反応ガス混合物の上方流によって、ディスエン
ゲージメント部の出口で測定して50cm/秒の上方速
度、1.7MPaの全圧、70℃の温度で横送りされ
た。この第二反応混合物は、容量換算で、35%のエチ
レン、4.5%の1−ブタン、0.1%の水素、および
60.4%の窒素からなる。結果として、水素とエチレ
ンの分圧の比率は約0.003であり、1−ブタンとエ
チレンの分圧の比率は約0.13であった。さらに、こ
の第二反応器に、トリエチルアルミニウムを、反応器中
で添加アルミニウムとチタンとのモル比が7.5になる
ような量で供給した。
【0064】第二反応器中で製造された最終重合体は、
50kg/時間の速度で抜き出され、0.950の相対
密度、1.4%の1−ブタン含有重量、2.5ppmの
チタン含量、190℃で21.6kg負荷で測定して8
g/10分のメルトインデックス、および重量平均分子
量Mwと数平均分子量Mnの比率によって測定して20
の分子量分布を有した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多段重合方法を実施する装置の要
部工程図である。
【符号の説明】
1 第一流動層反応器 2 生成重合体のベッド 9 熱交換器 10 圧縮機 13 排出容器 16 減圧室 18 圧縮機 20 圧縮室 27 第二流動層反応器 28 生成重合体のベッド 30 圧縮機 35 熱交換器 36 圧縮機 39 計量機器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クローディヌ ラランヌ−マグヌ フランス国、13920 セント ミトル レ ランパート、ビス ブールバール パブ ロ ネルダ 32番

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つまたはそれ以上の連結重合反応器中
    で、触媒と助触媒とからなるチーグラ−ナッタ型の触媒
    系の助力で実施されるエチレン重合体を製造する多段重
    合方法において、使用する触媒は次の諸工程: (a)塩化マグネシウム支持体(A)は80−99.5
    モル%の塩化マグネシウムおよび20−0.5モル%の
    不安定な水素を含まない供与体化合物(D)を含有し、
    かつ10−100ミクロンの重量平均直径Dmおよび粒
    子のDn(数平均直径)に対するDmの比率が3未満で
    あるような狭い粒子度分布を有する回転楕円状粒子の形
    態であり、その塩化マグネシウム支持体(A)を、少な
    くとも一種の不安定な水素を含有する電子供与体化合物
    (B)と接触させる工程、(b)(a)の生産物を、チ
    タンに対する還元剤である少なくとも一種の有機金属化
    合物(C)と接触させる工程、(c)(b)の生産物を
    液体炭化水素で洗浄する工程、(d)(c)の生産物
    を、液体炭化水素中の一つまたはそれ以上のチタン化合
    物の溶液と接触させる工程、からなる方法により製造さ
    れることを特徴とするエチレン重合体の多段重合方法。
  2. 【請求項2】 不安定な水素を含まない電子供与体化合
    物(D)が、エーテル、チオエーテル、スルホン、スル
    ホキシド、ホスフィン、ホスホルアミド、アミンおよび
    アミドから選択されることを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 不安定な水素を含有する電子供与体化合
    物(B)が、アルコールおよびフェノールから選択され
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 有機金属還元剤化合物(C)が、有機ア
    ルミニウム、有機マグネシウムおよび有機亜鉛化合物か
    ら選択されることを特徴とする請求項1−3のいずれか
    一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 チタン化合物が、式Ti(OR)4−p
    (式中、Rは炭素原子1−12個を有するアルキル
    基であり、Xはハロゲン原子例えば臭素または塩素であ
    り、pは0−4の範囲の整数または分数である。)を有
    することを特徴とする請求項1−4のいずれか一項に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 エチレンおよび水素からなるガス反応混
    合物を、エチレンに対する水素の分圧の比率が1を超え
    るかまたは同等であるような量で使用する一工程を含む
    ことを特徴とする請求項1−5のいずれか一項に記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 その工程中に製造される重合体が、10
    −250g/10分の範囲のM.I.2.16を有する
    ことを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 製造される重合体の密度が0.955−
    0.970の範囲にあることを特徴とする請求項6また
    は請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 エチレンおよび水素からなるガス反応混
    合物を、エチレンに対する水素の分圧の比率が0.1未
    満かまたは同等であるような量で使用する一工程を含む
    ことを特徴とする請求項1−8のいずれか一項に記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 触媒および助触媒からなるチーグラー
    ・ナッタ型の触媒系の助力で、10−250g/10分
    の範囲のM.I.2.16を有するエチレン重合体を製
    造する一段重合方法において、使用する触媒は次の諸工
    程: (a)塩化マグネシウム支持体(A)は80−99.5
    モル%の塩化マグネシウムおよび20−0.5モル%の
    不安定な水素を含まない供与体化合物(D)を含有し、
    かつ10−100ミクロンの重量平均直径Dmおよび粒
    子のDn(数平均直径)に対するDmの比率が3未満で
    あるような狭い粒子度分布を有する回転楕円状粒子の形
    態であり、その塩化マグネシウム支持体(A)を、少な
    くとも一種の不安定な水素を含有する電子供与体化合物
    (B)と接触させる工程、(b)(a)の生産物を、チ
    タンに対する還元剤である少なくとも一種の有機金属化
    合物(C)と接触させる工程、(c)(b)の生産物を
    液体炭化水素で洗浄する工程、(d)(c)の生産物
    を、液体炭化水素中の一つまたはそれ以上のチタン化合
    物の溶液と接触させる工程、からなる方法により製造さ
    れることを特徴とするエチレン重合体の一段重合方法。
  11. 【請求項11】 0.955−0.970の範囲の相対
    密度、10−250g/10分の範囲のM.I.
    2.16を有し、3未満のDm/Dn比を有する回転楕
    円状粒子よりなるエチレン重合体。
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